JP5617071B2 - 電界電子放出源用部材及びその製造方法 - Google Patents

電界電子放出源用部材及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電界電子放出源用部材及びその製造方法に係わり、詳しくは、パラジウム膜で被覆したタングステン線の下地上に成長させた炭素ナノファイバーからなる高効率の電界電子放出源用部材と、その形状を電界電子が安定して放出可能にする技術に関する。
炭素ナノチューブ(記号:CNT)及び炭素ナノファイバー(記号:CNF)は、高アスペクト比(長さ/直径),先端の曲率半径が小さいこと、化学的活性度が低いこと及び機械的強靭性を有している。そのため、最近、これらのCNT及びCNFは、電子ビーム技術の分野で注目され、その応用に関する研究が数多くなされている。例えば、電界電子放出源として用いると、超高真空下でなくても長時間にわたり電子を放出し続けるので、それらは、優れた電界電子放出源用部材になると考えられている。
また,X線ラジオグラフィー(XR)が医療や工業の分野等で広範囲に多用されているが、そのXRでは、高分解能の像を得るのに、従来より小サイズのX線源が必要とされている。つまり、そのような小サイズの電界電子放出源部材があれば、電子の狭いエネルギー分布と小さな放出面積を達成できるので、電子ビームの焦点を小さなスポットで形成するのに最適だからである。このように、CNT又はCNFを利用した電界電子放出源用部材は、非超高真空下で操作でき、且つ高分解能を有するX線透過写真を入手することを可能にすると期待されている(非特許文献1参照)。
そこで、CNTについては、金属下地上に蒸着、成長させたCNTの束から、28mAのピーク電流を持つ強力なパルス電子ビームが引き出され、パルスX線を発生させるのに利用されている。また、面積が0.5×0.5mm程度のコンパクトなサイズの金属下地上に垂直に成長させたCNTの束は、通信用マイクロ波デバイスに応用され、1.5GHzで30mAの高ピーク電流を達成している。さらに、金属下地としては、平板状のニッケル(記号:Ni)やニッケルとクロム(Cr)との合金(Ni−Cr
alloy)を利用することが研究されている。この場合、純ニッケルを下地とするよりも、Ni−Cr alloyを利用し、Cr結晶粒をスペーサとしてNi結晶粒を離隔して存在させ、当該Ni結晶粒上にCNFを蒸着、成長させた方がCNFの電界電子放出の特性が良好であるという知見を得ている(非特許文献2参照)。
加えて、上記のような電界電子放出源用部材は、高分解能電子ビーム装置へ応用するには、基板が平板状でなくて、むしろ突起状であるのが望ましいと言われている。先鋭化した基板形状が、電子ビームの鮮明な焦点を形成させるのに好都合だからである。そこで、先鋭化した電界電子放出源用部材を製造するため、CNTをシャープな金属基板上にプラズマ励起化学気相成長法(以下、PECVD法という)で蒸着、成長させることが試みられた。ところが、CNTから得られる放出電流は、X線源に適用するには強度不足であった。
一方、CNFについては、最近、X線放射写真装置や微小X線管に電界電子放出源用部材として装備され、非超高真空下で安定性が有り、長寿命であることが確認されている。そして、それは、X線装置の有望な電子放出源用部材となり得るので、さらなる研究が進められ、狭い角広がり(高輝度)で100μAまでの十分な放出電流を得るため、多数本のCNFをパラジウム(記号:Pd)で被覆したタングステン(記号:W)チップ上に成長させることに成功している(非特許文献3参照)。また、金属チップ上に成長させたCNFから引き出した電子ビームの焦点形成特性に関して、サイズΛc<1μmの良好な焦点を形成するため、これまでに、Wチップ上のCNFの電界電子放出特性(FE)が詳細に研究されている。
その際、研究者は、前記CNFをPECVD法によって蒸着、成長させるための下地となるWチップを、直径0.5mmのW線の先端をほぼ円錐体を呈するように研磨加工してから、濃度1モルのKOH水溶液を用いた電解研磨により電気化学的に処理して製作した。そのWチップの先端は、曲率半径が約2〜4μm程度であった。それを超音波で洗浄した後、CNFの成長を促進する触媒として作用させるため、Pdの膜をPd円板のアルゴン・ガスを用いたスパッタリングによって前記Wチップ上に蒸着させた。そのPdの膜厚は約100nmである。なお、Pd自体でチップを製作しない理由は、Wチップに比べ、上記したKOH水溶液を用いた電解研磨でPdチップを先鋭化することが難しいからである。
PECVDに用いるガスは種々あるが、この場合はアセチレン(C)及びアンモニア(NH)の混合ガスで、それぞれのガス圧は、Cが35Pa以下、NHが70Pa以下であった。PECVDを行うに際しては、Wチップを約600℃で抵抗加熱した。その加熱されたWチップに20分間500Vの負の直流電圧を印加することで、該Wチップ上に多数本のCNFを蒸着、成長させて線状複合体を得た。そして、当該線状複合体の先端表面に形成されたCNFの形態を走査電子顕微鏡(SEM)で調べた。その結果、図示していないが、CNFが金属下地の表面上に多数本成長していることが明らかになった。得られた各CNFの直径は、平均して40nmであった。また、その線状複合体の先端周りの曲率半径(後述する)は4.5μmであった。さらに、Pdからなる触媒のナノ物質がCNFの頂上部で観察された。それらは、たぶん所謂「チップ−成長メカニズム」によって形成されたものと考えられている。
なお、金属下地及びその上に形成されたCNFとで構成する線状複合体の電界電子放出特性を調査するには、試料と電極を対向させたダイオード型装置において、200kΩの抵抗(記号:R)を介して電極に正の高電圧(記号:Vp)を印加し、長さ2mmの線状複合体から電子を引き出した。測定値は、電流として電流計で測定した。その際、装置内の真空度は1×10−8Paとしている。また、放出された電子の放散状態は、蛍光スクリ−ンを用いてパターン化して観察している。
REVIEW OF SCIENTIFIC INSTRUMENTS78,013305(2007),「Electron gun using carbo-nanofiberfieldemitter」 CARBON 47(2009),1258〜1263「Enhancement of electron field emission from carbon nanofiber bunndles separatelygrown on Ni catalysist in Ni-Cr alloy」 APPLIED PHYSICS LETTER 95,073104(2009)「Characterization of field emission from carbon nanofiberson a metal tip」
以上述べたように、超小型サイズの電界電子放出源用部材として、先端を先鋭化したWチップの表面をPd被膜で覆い、アセチレン及びアンモニアの混合ガスを用いたPECVD法で、CNFを成長させた線状複合体が有望であることは分かっている。しかしながら、それを電界電子放出源部材として実用化するには、常に電界電子の放出量が多く、且つ安定している必要がある。そのためには、線状複合体の形状を明確に規定し、且つその形状に調整できる技術の開発が切望されるが、上記先行技術には、そのような形状に関する情報がない。
本発明は、かかる事情に鑑み、金属下地及びその上に形成されたCNFとからなる線状複合体を、安定して電界電子を放出可能な形状に規定した電界電子放出源用部材及びその製造方法を提供することを目的としている。
発明者は、上記目的を達成するため鋭意研究を重ね、その成果を具現化した。
すなわち、本発明は、頂端に曲率半径を有する円錐体を端部に備えた線状の金属下地と、その上に多数本の炭素ナノファイバーとを具備した線状複合体であって、前記金属下地の頂角が50〜80degであることを特徴とする電界電子放出源用部材である。この場合、前記線状複合体の電界電子放出面積が10,000〜15,000nmであったり、あるいは前記円錐体の曲率半径が1〜7μmであるのが好ましい。また、前記金属下地が、タングステン(W)上にパラジュウム(Pd)をスパッタ被覆したものであると良い。
さらに、本発明は、頂端に曲率半径を有する円錐体を端部に備えた線状の金属下地に、PECVD法で多数本の炭素ナノファイバーを成長させる電界電子放出源用部材の製造方法において、前記金属下地として、線状タングステン(W)の頂角を50〜80degに電解研磨で調整し、当該金属下地をPECVD装置にセットしてから、その上にパラジュウム(Pd)をスパッタ被覆した後、減圧下で温度を650〜800Kに昇温し、アセチレン及びアンモニアの混合ガスを導入して炭素ナノファイバーを蒸着、成長させることを特徴とする電界電子放出源用部材の製造方法である。
本発明によれば、金属下地と,その上に形成されたCNFとからなる線状複合体の形状を明確にしたので、常に安定して所望の電界電子を放出可能な電界電子放出源用部材を提供できるようになる。具体的には、電流値として50〜100μA、電子を放出する有効面積として10,000〜15,000nmが達成でき、X線装置の有望な電子放出源用部材となり得ると期待できる。
本発明に係る電界電子放出源用部材を説明するSEM像であり、(b)は該部材の先端部分を(a)より低倍率で撮影したものであり、(a)は(b)の四角で囲った部分を拡大したものである。 本発明に係る電界電子放出源用部材の製造過程を説明する図であり、(a)は金属下地の形状を、(b)は利用したPECVD装置を示す模式図である。 本発明の電界電子放出源用部材からの電界電子放出量の測定に用いた電界電子放出特性測定装置を示す模式図である。 図3の装置で測定した電流I―電圧Vの関係を示す図である。 実施例で得た線状複合体の頂角と(I+I/Itotal)比との関係を示す図である。 実施例で得た線状複合体の頂角と電界増強因子βとの関係を示す図である。 実施例で得た頂角と線状複合体の電界電子放出面積αとの関係を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
まず、図1(a)に、本発明に係る電界電子放出源用部材の先端部分を、走査電子顕微鏡によるSEM像で示す。それは、図1(b)に別途低倍率で示す図の四角で囲った部分を拡大したものである。これら図1(a)及び(b)より、本発明に係る電界電子放出源用部材は、金属下地と、その上に多数本の繊維状のCNFとを具備し、頂端に曲率半径(記号:ρ)を有する円錐体を端部に備えた線状複合体であることが明らかである。具体的には、その金属下地1は、円錐体部分と図示していない棒状部分とからなり、その全体長さが5mm程度、円錐体部分の底面の直径が500μm程度の金属チップである。CNFの個々のサイズは、平均して直径が100nm、長さが1000nm程度である。
金属下地の材質は、Ni,Cr,W、Pd等、種々の金属が利用できるので、本発明では特に限定しないが、今までの研究実績に基づくと、タングステン(W)上にパラジュウム(Pd)をスパッタ被覆したものであるのが好ましい。ここで、Pdで被覆する理由は、後述のCNFを蒸着、成長する過程で、Pdが触媒として作用するからである。
そして、金属下地として、Wチップ上にPdをスパッタ被覆したものを利用した場合には、円錐体部分の端頂の曲率半径ρは、1〜7μmであるのが好ましい。7μm超えでは、電界電子の放出が十分に発揮できず、1μm未満に形成するのは現実的に難しいからである。
本発明の重要ポイントは、前記円錐体に仮想する頂角(記号:θ)を50〜80degにすることである。この頂角θは、図1(a)から明らかなように、前記円錐体に断面視で三角形を仮想して測定されるものである。具体的には、円錐体の投影側面を形成する左右2本の直線(円錐体の「母線」ともいう)を、当該円錐体の先端側へ延長してその交点を頂点とする三角形を形成し、当該交点の内側の角度を頂角θとして計測することになる。そして、該頂角を50〜80degとしたのは、後に詳述するが、この範囲において電界電子の放出量が安定して大きくなるからである。好ましくは、この頂角θは、50〜55degであると一層良い。かかる線状複合体としての電界電子放出源用部材によれば、電流値で最大40μAまでの電界電子が、微小な焦点直径50nmで安定して放出することが可能になる。さらに、本発明に係る線状複合体の電界電子放出面積αは10,000〜15,000nmであることが好ましい。10,000nm未満では、電子の放出量が不十分であり、15,000nm超えでは電子が広く放散し、電子ビームの微小な焦点直径が得られないからである。なお、この電界電子放出面積αの求め方は、後の「実施例」で述べる。
次に、上記した金属下地にWチップを採用し、その上をPd膜で被覆した本発明に係る電界電子放出源用部材の製造方法について説明する。
まず、長さ10mm、直径0.5mmのW線13を準備し、その先端を、図2(a)に示すように、研磨加工で円錐体14状に先鋭化した。そして、非特許文献3記載の方法と同様に、その先端を濃度が1モルのKOH水溶液を用いた電解研磨による処理を施した。それにより、棒状部分に先端の曲率半径が1〜7μmの円錐体14を有する金属下地1ができる。次に、該金属下地1を図2(b)に示すPECVD装置内にセットし、その円錐体14の上に、Pd円板2を用いたアルゴンガスのスパッタリングを行い、Pd膜で被覆した試片3を得た。
引き続き、装置内の雰囲気を減圧するが、真空度は2×10−5Pa以下である。試片3を所定温度(600〜800K)にて抵抗加熱してから、アセチレン(C)及びアンモニア(NH)の混合ガス(C:NH=1:2,80Pa)をCVD装置内に流す。その結果、当該紙片3の上には、図1(a)に示したように、多数本のCNFが蒸着、成長した。各CNFは、長さが2〜3μm程度である。
なお、加熱温度の下限を600Kとしたのは、それ未満であるとCNFの成長が十分でなく、上限を800Kとしたのは、その温度を超えて高温にしても成長効果が飽和し、無駄になるからである。また、真空度や混合ガスの導入時間に上下限を設けた理由も、前記温度の場合とほぼ同様である。
本発明の重要ポイントは、かかる製造方法においても前記同様、金属下地1を電解研磨する際に、前記仮想の頂角θを50〜80degの範囲内の所望値になるように、研磨加工や電解研磨の条件、Pdスパッタリングの条件を調整するのである。これによって、頂角θを50〜80degにし、目的とする電界電子放出特性が得られるからである。
したがって、本発明に係る電界電子放出源用部材の製造方法は、頂端に曲率半径を有する円錐体を端部に備えた線状の金属下地に、PECVD法で多数本の炭素ナノファイバーを成長させる電界電子放出源用部材の製造方法において、前記金属下地として、線状タングステン(W)の頂角θを50〜80degに電解研磨で調整し、当該金属下地をPECVD装置にセットしてから、その上にパラジュウム(Pd)をスパッタ被覆した後、減圧下で温度を650〜800Kに昇温し、アセチレン及びアンモニアの混合ガスを導入して炭素ナノファイバーを蒸着、成長させることを特徴とするのである。
Wチップ上にPdで被覆した金属下地1とCNFとからなる線状複合体の試片3を多数個製作し、それらの電界電子放出特性を測定し、本発明の効果を確認した。測定には、図3に示すような直径2mmのオリフィス4を有する引き出し電極5、中間電極6、コレクター電極7を有する3極構造の電界電子放出特性測定装置を利用した。ただし、線状複合体の試片3としては、それぞれの頂角θが15〜120degの範囲内で10水準になるようにして製造したものである。なお、放出される電界電子の量は、上記の3つの電極5,6,7に接続した電流計8でそれぞれ電流値として測定し、電界電子の放出は、セットした試片3に負の電圧(2〜10kV)を印加することで行なった。
その結果得られた電流−電圧曲線(以下、I−V曲線という)の一例を図4に示す。図4において、A,B,Cは、測定した試片3の種類を表し、それぞれ頂角11が25、50、120degのものに相当する。また、電流値は、電極2,3に到達した電子量を意味する合計値I+Iと全電流値I+I+I=Itotalの2種類が表示されている。
図4から、放出された電子は、印加電圧に依存し、電流値で0.01〜35μAの範囲である。電界電子放出源用部材としては、5μA程度あれば良いので、電界電子放出用部材として十分に有効なものであることがわかる。
次に、安定した電子放出条件を求めるため、電極での合計値I+Iと全電流値I+I+I=Itotalの比,及び電界電子放出特性を解析する際に従来より常用されているFowler−Nordheim(FN)理論等に基づき、図4で得たI−V曲線から電界増強因子β(βから形状因子を除外した因子)並びに電界電子放出面積αを求め、各試料の電界電子放出特性を比較し、前記金属下地の角度依存性を調査した(非特許文献1〜3参照)。ここで、電界増強因子β(βから形状因子を除外した因子)並びに電界電子放出面積αは、I−V曲線を所謂「FNプロット」して得た直線の傾きからβを、切片とこのβとからαを求めることになる。
上記調査の結果を一括して図5〜7に示すが、I+IとItotalの比、電界増強因子β及び電界電子放出面積αは、いずれも前記頂角が50degで最大となり、頂角がその近傍の50〜80degの範囲で線状複合体を製造すれば、極めて有効な電界電子放出用部材となることが確認できた。図5〜7において、それぞれ点線で示す曲線は、可能な傾向を示したものである。また、表面電荷法による電界電子放出量のシミュレーション計算結果も、線状複合体が形成する等電位線分布によるα、βが共に、前記頂角が50degで最大となり、上記実測結果と一致した。このことからも、実測結果が妥当なものであることが伺える(特に、非特許文献2参照)。
1 金属下地
2 Pd円板
3 試片
4 オリフィス
5 引き出し電極
6 中間電極
7 コレクター電極
8 電流計
9 絶縁体スペーサ
10 ガラスシールド
11 Pd円板
12 覗き窓
13 W線
14 円錐体

Claims (5)

  1. 頂端に曲率半径を有する円錐体を端部に備えた線状の金属下地と、その上に多数本の炭素ナノファイバーとを具備した線状複合体であって、
    前記金属下地の頂角が50〜80degであることを特徴とする電界電子放出源用部材。
  2. 前記線状複合体の電界電子放出面積が10,000〜15,000nmであることを特徴とする請求項1記載の電界電子放出源用部材。
  3. 前記円錐体の曲率半径が1〜7μmであることを特徴とする請求項1又は2記載の電界電子放出源用部材。
  4. 前記金属下地が、タングステン(W)上にパラジュウム(Pd)をスパッタ被覆したものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電界電子放出源用部材。
  5. 頂端に曲率半径を有する円錐体を端部に備えた線状の金属下地に、PECVD法で多数本の炭素ナノファイバーを蒸着、成長させる電界電子放出源用部材の製造方法において、
    前記金属下地として、線状タングステン(W)の頂角を50〜80degに電解研磨で調整し、当該金属下地をPECVD装置にセットしてから、その上にパラジュウム(Pd)をスパッタ被覆した後、減圧下で温度を650〜800Kに昇温し、アセチレン及びアンモニアの混合ガスを導入して炭素ナノファイバーを蒸着、成長させることを特徴とする電界電子放出源用部材の製造方法。
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