以下、本発明に係るシート処理装置の実施形態について説明する。図1は本発明に係るシート処理装置を設けた画像形成装置の構成を示す概略断面図であり、カラー画像形成装置の一例を説明する。
1は画像形成装置本体であり、該画像形成装置本体1の上部には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色の画像を形成するための画像形成手段となる画像形成部Y,M,C,Bkが配置されている。パーソナルコンピュータ等の外部機器から送信されてきた画像データは、画像形成装置本体1を制御するコントローラで受信され、書き込みデータとして各色のレーザースキャナ93Y,93M,93C,93Bkへ出力される。
レーザースキャナ93Y,93M,93C,93Bkは、それぞれ各色に対応した感光体ドラム91Y,91M,91C,91Bkの表面上へとレーザー光を照射し、書き込み画像データに従った静電潜像を描く。94Y,94M,94C,94Bkはレーザー光を感光体ドラム91Y,91M,91C,91Bkへ向かって折り返す折り返しミラーである。各色のレーザースキャナ93Y,93M,93C,93Bkの書き出しタイミングを調整することによって中間転写ベルト40上での画像を合わせる。
各色の画像形成部Y,M,C,Bkは、感光体ドラム91Y,91M,91C,91Bkと、該感光体ドラム91Y,91M,91C,91Bkの表面に均一な帯電を施すための帯電器(不図示)を有する。更に該帯電器により帯電された感光体ドラム91Y,91M,91C,91Bkの表面にレーザースキャナ93Y,93M,93C,93Bkによって静電潜像が形成される。その静電潜像を、トナーを用いてトナー像へと現像するための現像器92Y,92M,92C,92Bkを有する。更に、感光体ドラム91Y,91M,91C,91Bkの表面に現像されたトナー像を中間転写ベルト40に一次転写するための一次転写ローラ45Y,45M,45C,45Bkを有して構成される。
先ず、感光体ドラム91Yには、画像データのイエロー成分色の画像信号によるレーザー光が露光装置となるレーザースキャナ93Yのポリゴンミラー等を介して照射される。そして、感光体ドラム91Y上に静電潜像が形成される。これに現像器92Yからイエロートナーを供給して現像し、静電潜像がイエロートナー像として可視化される。このトナー像が感光体ドラム91Yの回転にともなって、該感光体ドラム91Yと中間転写ベルト40とが当接する一次転写ローラ45Yの部位に到来する。そうすると、転写帯電部材である一次転写ローラ45Yに印加した一次転写バイアス電圧によって、感光体ドラム91Y上のイエロートナー像が中間転写ベルト40に転写される(一次転写)。トナー像を転写した後、感光体ドラム91Yに残留したトナーは、クリーナ95Yで除去される。
次に、中間転写ベルト40のイエロートナー像を担持した部位が次の色の画像形成部に移動すると、このときまでに画像形成部において前記と同様な方法で感光体ドラム91M上にマゼンタトナー像が形成される。このマゼンタトナー像がイエロートナー像上に重ね合わせて中間転写ベルト40上に転写される。同様に、中間転写ベルト40が移動するにつれて、各画像形成部のそれぞれの一次転写部位においてシアントナー像、ブラックトナー像が、前記のイエロートナー像、マゼンタトナー像上に重ね合わせて転写される。このようにして、中間転写ベルト40上に、各色のトナー像が合成される。
このように中間転写ベルト40上に一次転写されたトナー像は、二次転写ローラ44においてシート2上へと再転写される(二次転写)。二次転写ローラ44で転写されずに残留したトナーは、クリーナ46によって回収される。41は中間転写ベルト40を駆動する転写ベルト駆動ローラ、42は転写ベルトテンションローラで、中間転写ベルト40に張力を与え、該中間転写ベルト40を張った状態に保つ。43は中間転写ベルト40とともに二次転写部を構成する二次転写ローラである。
一方、記録材であるシート2は、以下の説明のように二次転写部に供給され、その上に転写されたトナー像が定着される。給送部装置10は、シート搬送経路の最上流側に位置し、本実施形態の画像形成装置本体1では、装置下部に設けられている。給送リフター板11は積載されたシート2を給送ローラ12へと押し上げる。給送ローラ12によって最上位のシート2をピックアップして下流側に送り出す構成を採用している。給送ローラ12により給送されたシート2は、縦搬送パス20を通って下流側へと搬送される。縦搬送パス20の最下流位置には、レジストローラ装置30があり、ここで最終的なシート2の斜行補正を斜送ローラ32で行い、画像形成部での画像書き込みとシート搬送のタイミングをレジストセンサ33の検知信号からレジストローラ対31で合わせる。
レジストローラ対31のシート搬送方向下流側には長尺の中間転写ベルト40上のトナー像をシート2に転写する二次転写ローラ44が設けられている。中間転写ベルト40上のトナー像とシート2の先端との位置を合わせるタイミングをとってレジストローラ対31が回転を開始する。そして、シート2はレジストローラ対31によって中間転写ベルト40の二次転写ローラ44へ送られ、該シート2の面上にトナー像が転写され、余白部分を持って画像領域を形成する。
画像形成部の下流側には、シート2上のトナー像を永久画像として定着するための定着器となる定着ローラ対50が設けられる。そこで熱および圧力を受けて各色のトナーが溶融混色してシート2に固着されたフルカラーのプリント画像とされた後、該定着ローラ対50の下流側に設けられた搬送ローラ対60によって搬送される。
本カラー画像形成装置においては両面モードの画像形成が可能になっている。シート2が定着器となる定着ローラ対50を通過した後に、スイッチバック反転を行う反転パス70にシート2を導くように搬送パスを切り換える切り換え手段(不図示)が備えられている。そして、コントローラ(不図示)からの要求信号に応じて、両面搬送パス80を選択可能になっている。
シート2を両面搬送パス80に移動させることによって、両面画像形成するシート2を両面搬送パス80の排出側から縦搬送パス20に受け渡す。シート2は再び縦搬送パス20を通って裏面に画像形成を行い、トナー像が定着されたシート2を画像形成装置本体1からシート処理装置61に送られる。
次に、本発明に係るシート処理装置61について説明する。図2(a),(b)は、本実施形態のシート処理装置61の全体構造とその部分断面を示す。図3及び図4は、シート2の一部を残して切り抜く切り込み手段を構成し、それぞれ異なる刃の形状を有する複数の切り込み刃210a〜210hと、該切り込み刃210a〜210hを選択的に切り替えることが可能な切替手段となるベースプレート201とを示す。ベースプレート201を、軸202を中心に回転することにより、それぞれ異なる刃の形状を有する複数の切り込み刃210a〜210hから所望の切り込み刃210a〜210hを選択する。これにより切り込み刃の形状を切り替える。図3(b)は切り込み刃210a〜210hによりシート積載手段となるスタックトレイ411に積載したシート2の一部を残して切り込んだ切り込み部2a内に侵入して折り返し部分2bを折り返す折り返し手段となる折り返し部材221の機構を示す。図5及び図6は、綴じ処理装置200のシート積載手段の機構を示す。なお、各部品が支持されているフレーム枠やカバー部材は省略している。
図2において、画像形成装置本体1からシート処理装置61に送られたシート2は、複数枚のシート2を重ねて積載するシート積載手段となるスタックトレイ411に収納される。スタックトレイ411に送られて来たシート2は、図5及び図6に示して後述するスタックトレイ411の案内壁411a〜411f、サイド規制部材412,413の案内壁412a,412b,413a,413bに突き当てて揃えられる。
重ねて収納されたシート2は綴じ処理装置200によって針無しで綴じ処理される。その後、シート2がスタックトレイ411に入ってくるときは上に退避している搬送ローラ63は、シート2の上に落ち、下部に配置された他の搬送ローラ64とで、排出トレイ3に向かって、シート2を押し出し、シート2の処理が完了する。
次に、シート処理装置61の機構について説明する。図3及び図4において、シート2を積載するシート積載手段となるスタックトレイ411に受け入れたシート2を積載し、切り込み手段としての切り込み装置4により該シート2の少なくとも1ヶ所以上に切り込みを入れる。切り込み装置4には使用する切り込み刃を切り替える8角形状の切替手段を構成するベースプレート201が設けられている。ベースプレート201の各辺近傍には8個の異なる刃の形状を有する切り込み刃210a〜210hがカム211の回転に伴ってベースプレート201から突出してスタックトレイ411上に積載したシート2の束(シート束)に切り込みを入れる。
ベースプレート201は軸202を中心として回転可能に支持される。ベースプレート201上に固定されたギア部203は不図示の駆動モータに連結された駆動ギア204に噛合している。そして、駆動モータにより回転駆動される駆動ギア204からギア部203を介してベースプレート201に回転力が伝達されて所定の角度回転する。各切り込み刃210a〜210hは、ばね部材212,213の支持軸212a,213a上をベースプレート201に対して上下動可能に取り付けられる。さらに、一端部が各切り込み刃210a〜210hに他端部が各切り込み刃210a〜210h間に設置した該ばね部材212,213により図3(b)の上方向に常時付勢されている。そして、カム211に対向する位置に移動してきた各切り込み刃210a〜210hの何れか1つが回転軸211aを中心に回転するカム211に当接して図3(b)の上下方向に移動する。カム211は、不図示の駆動源となる駆動モータにより回転軸211aが回転駆動されることで回転するよう構成されている。
図3(b)、図7(b)、図8(b),(d)に示すように、切り込み手段となる切り込み装置4により切り込んだシート2の切り込み部2a内の折り返し部分2bを折り返し手段となる折り返し部材221により折り返す。そしてシート2の端部から外側に突出した仕分け用タブを作成する。若しくは切り込み手段となる切り込み装置4により複数のシート2の束を切り込んだ切り込み部2a内の折り返し部分2bを折り返し手段となる折り返し部材221によりシート2の端部から内側に折り返してシート2の束を綴じる。尚、図8(d)は図8(a)のA−A断面図である。
折り返し部材221は、図3(b)、図7(b)、図8(b),(d)に示すように、ラック222の先端部に設けられており、該ラック222とこれに噛合する駆動ギア223により構成される移動手段により、シート押え224の開口部224aを出入りする。駆動ギア223は不図示の駆動源となる駆動モータにより回転するよう構成されている。
図5及び図6において、411はプリント出力されたシート2をスタックするスタックトレイで、411a〜411fはシート2を束として整合するための案内壁である。412はシート幅に合わせてシート搬送方向に垂直に移動可能なサイド規制部材である。サイド規制部材412は裏側のラック部422が不図示の駆動源と結合された駆動ギア421に噛合して動き、シート2の束を案内壁412a,412bにてスタックトレイ411の案内壁411a〜411cに向けて整合する。同様に、413はシート幅に合わせてシート搬送方向に移動可能なサイド規制部材である。サイド規制部材413は裏側のラック部423が不図示の駆動源と結合された駆動ギア421に噛合して動き、シート2の束を案内壁413a,413bにてスタックトレイ411の案内壁411d〜411fに向けて整合する。このようにして、整合されたシート2の束に前述のシート処理装置61の切り込み装置4及び折り返し部材221が作用する。
次に、切り込み装置4及び折り返し部材221について説明する。図7は綴じ処理を行うシート処理装置61の切り込み装置4及び折り返し部材221を構成する各部品を現した図とその斜視図である。図8は、シート2の束に、切り込み装置4の切り込み刃210aで切り込みを入れた状態の図で、カム211が最下点に動き、切り込み刃210aは押され、ベースプレート201とシート押え224との間にあるシート2の束に一部を残して穴を切り抜く。その後、カム211が最下点より動き、ばね部材212,213に押され、切り込み刃210aは押し上げられる。次に、図9の状態のように、駆動ギア223が回転してラック222が移動し、折り返し部材221がシート押え224の開口部224aから押し上がる。このとき、シート2の束の切り込み部2a内の折り返し部分2bも折り返し部材221がラック222により押し上げられる。そして、図10及び図11に仕切り用タブ作成時の動作の一例を示して後述するようにベースプレート201を軸202を中心に所定方向に回転させてシート2の束の切り残された折り返し部分2bをシート2の端部よりも内側或いは外側に折り曲げて巻き込む。折り返し部材221が駆動ギア223に噛合して元に戻った後、仕切り用タブ作成時であれば、ベースプレート201が図10及び図11(a)〜(d)の矢印a方向に回転する。そして、切り起されたシート2の折り返し部分2bを、該ベースプレート201とシート押え224との間に挟むことで押し付けて、所定の方向に折り目を形成する。
図10、図11、図14及び図15に示すように、ベースプレート201には切り込み刃210a〜210hが貫通する貫通穴205に連続して略直角三角形状の開口部253,254,263,264が形成されている。この開口部253,254,263,264は、シート2の折り返し部分2bを開口部253,254,263,264内に巻き込んで折り目を形成する過程での折り返し部分2bの逃げスペ−スである。251,252,261,262は、ベースプレート201に形成された開口部253,254,263,264のシート折返し用の壁面である。壁面251,252,261,262はシート2の折り返し部分2bの折り曲げ線2b2に対して設定角αを持つ。本実施形態では設定角αを45°に設定した一例である。開口部253,254,263,264のシート折返し用の壁面251,252,261,262はシート2の折り曲げられた折り返し部分2bの端面2b1に斜めに当接している。そして、ベースプレート201の軸202を中心とする回転移動と共に順次、図11(a)〜(d)或いは図15(a)〜(c)に示すように、シート2の折り返し部分2bを開口部253,263内に巻き込んで折り目を形成していく。
図10及び図11に示すように仕切り用タブ作成時に開口部253とその壁面251を使用する。そして、ベースプレート201を図10及び図11(a)〜(d)の矢印a方向に回転させる。図11(d)に折り返し部分2bをシート2の端部から外側に突出した仕分け用タブを作成する様子を示す。
一方、綴じ処理時は、図14及び図15に示すように、ベースプレート201に備えた綴じ処理用の切り込み刃210f〜210hを使用してシート2に切り込みと折り返し加工を行なう。その後、開口部263とその壁面261を使用してベースプレート201を図14及び図15(a)〜(c)の矢印a方向に回転させて折り返し部分2bをシート2の束の端部から内側に折り曲げて綴じることが出来る。これらの機構は、別途、押し付け部材を設け、押し付け工程を追加しても同様の効果が得られる。以上の工程で、スタックトレイ411上で綴じられたシート2の束は、搬送ローラ63,64で外部の排出トレイ3上に押し出され後処理工程が完結する。尚、搬送ローラ63,64の代わりにローラ以外のアームや搬送ベルト等の排出手段でも同様の効果が得られる。尚、図9(d)は図9(a)のB−B断面図である。
つまり、図13(b),(c)に示す仕分け用タブを作成する場合には、切り込み装置4の切り込み刃210a〜210eが仕分け用タブ作成用の切り込み刃である。図13(a)に示す綴じ処理を行う場合は、切り込み装置4の切り込み刃を綴じ処理用の切り込み刃210f〜210hに替え、図15(a)〜(c)のように、仕分け用タブの作成と同じ手順で各工程が進められる。
図12は、シート2の束の綴じ処理動作と、仕分け用タブの作成動作の各作業工程を示すフローチャートであり、図12によって各工程手順を説明する。先ず、ステップS1において、パーソナルコンピュータ等の外部機器からプリント部数、プリント出力するシートサイズ、縮小レイアウトや両面プリント等のプリントレイアウト処理設定、仕分けの有無の設定、シート種類等のプリント処理情報が入力される。そして、給送部装置10に設けられたシート積載トレイのセンサでシートサイズが検知、認識される。
次にステップS2において、パーソナルコンピュータ等の外部機器から送信されたプリント処理情報からプリント出力枚数が確定すると共に、画像形成動作が開始される。
次にステップS3において、入力設定情報から、仕分け設定情報を検索する。そして、ステップS4において、仕分け作業有りの場合には、ステップS5へ進み、仕分け作業無しの場合には、ステップS15へ進む。
ステップS5において、装置の綴じ処理可能高さをシート情報のシート厚さで割ることで、装置の綴じ処理可能枚数が算出され、プリント出力枚数と装置の綴じ処理可能枚数の大小を比較する。
ステップS6において、「プリント出力枚数」≦「綴じ処理可能枚数」となって綴じ処理可能枚数であるか否かが判断される。綴じ処理可能枚数であると判断された場合、ステップS7へ進む。一方、「プリント出力枚数」>「綴じ処理可能枚数」となって綴じ処理不可能な枚数であると判断された場合、ステップS16へ進む。
ステップS7において、画像が定着されたプリント出力後のシート2をシート処理装置61のスタックトレイ411にプリント出力枚数まで積載する。そして、案内壁411a〜411f、サイド規制部材412,413、案内壁412a,412b,413a,413bでシート2の端部が規制されてシート2の束として整えられる。
ステップS8において、ベースプレート201が軸202を中心に回転し、例えば、切り込み装置4の切り込み刃が綴じ処理用の切り込み刃210f〜210hのうちの例えば切り込み刃210hに切り替わる。そして、図3及び図4に示すカム211が対向する動作ポジションに移動する。
ステップS9において、カム211が回転軸211aを中心に回転し、綴じ処理用の切り込み刃210hが上下動する。この動作により、図8(d)に示すのと同じように、スタックトレイ411上に積載されたシート2の束の端部が、一部を残して切り抜かれる。
ステップS10において、図9(d)と同様に、駆動ギア223が回転し、ラック222を上下動させ、シート2の束の切り抜かれた切り込み部2a内の折り返し部分2bに折り返し部材221が当接して該折り返し部分2bを押し上げる。そして、シート2の束の切り残された折り返し部分2bを図10及び図11を用いて前述したように、シート2の束の端部よりも内側部に折り曲げて巻き込んで折り目を付ける。そして、ベースプレート201が軸202を中心に図10及び図11の矢印a方向に回転して、シート押え224との間でシート2束の折り目を確定させる。なお、ベースプレート201は、シート2の折り返し部分2bの折り目を確定させた後、元の位置にもどる。
ステップS11において、図2に示す搬送ローラ63がシート2の束の上部まで下降し、搬送ローラ64とで、綴じ処理されたシート2の束を排出トレイ3上に排出する。
ステップS12において、プリント終了後のシート2の束の部数をカウントし、設定されたプリント部数と比較する。
ステップS13において、プリント動作を終了するか否かを判断する。「プリント終了後のシート2の束の部数」=「設定されたプリント部数」となった場合にはステップS14へ進み、装置のプリント動作が終了する。一方、「プリント終了後のシート2の束の部数」<「設定されたプリント部数」である場合には、画像が定着されたプリント出力後のシート2をスタックトレイ411上に積載する前記ステップS7へ戻る。そして、プリントが終了するまでステップS7〜S13が繰り返される。
図13(a)は、折り返し部分2bを折り返すことにより綴じ処理されたシート2の束の図である。なお、前記ステップS4において、仕分け作業を行なわせない場合にはステップS15に進む。ステップS15において、画像が定着されたプリント出力後のシート2は、シート処理装置61のスタックトレイ411上に積載されること無く、順次、搬送ローラ63,64によりシート2を排出トレイ3上に排出する。そして、設定枚数のプリントが終了すると装置のプリント動作が終了する(ステップS14)。
また、前記ステップS4において、仕分け作業有りの設定で、前記ステップS6において、「プリント出力枚数」>「綴じ処理可能枚数」である場合、ステップS16へ進む。ステップS16において、シート処理装置61は、仕分け用タブを作成する工程のモードに切り替る。
ステップS17において、画像が定着されたプリント出力後のシート2の初めの一枚は、シート処理装置61のスタックトレイ411上に積載される。仕分け用タブを作成するときは、スタックトレイ411上に存在するその他のシート2を排出トレイ3に排出する。そして、図5及び図6に示す案内壁411a〜411f及びサイド規制部材412,413、案内壁412a,412b,413a,413b、サイド規制部材413により、シート2が所定位置に整えられる。
ステップS18において、ベースプレート201が軸202を中心に回転し、例えば、切り込み装置4の仕分けタブ作成用の切り込み刃210eが動作ポジションに移動する。
ステップS19において、カム211が回転軸211aを中心にして回転し、仕分けタブ作成用の切り込み刃210eが上下動する。この動作により、スタックトレイ411上に積載されたシート2の端部が一部を残して切り抜かれる。
ステップS20において、駆動ギア223が回転し、ラック222を上下動させ、シート2の切り抜かれた切り込み部2a内の折り返し部分2bに折り返し部材221が当接して該折り返し部分2bを押し上げる。そして、シート2の切り残された折り返し部分2bを図10及び図11に示すようにシート2の端部よりも外側に突出するように折り曲げて巻き込んで折り目を付ける。そして、ベースプレート201が軸202を中心に図10及び図11の矢印a方向に回転して、シート押え224との間でシート2の折り目を確定させる。なお、ベースプレート201は、折り目を確定させた後、元の位置にもどる。
ステップS21において、図2(a)に示す搬送ローラ63がシート2の上部まで下降し、搬送ローラ64とで、図13(b),(c)に示すように、仕分けタブが作成されたシート2を排出トレイ3上に排出する。次にステップS22において、プリント終了後のシート2の束の数をカウントし、予め設定されたプリント部数と比較する。
ステップS23において、プリント動作を終了するか否かを判断する。「プリント終了後のシート2の束の数」=「プリント部数」であった場合には、前記ステップS14に進み、装置のプリント動作が終了する。一方、「プリント終了後のシート2の束の数」<「プリント部数」であった場合には、前記ステップS21に戻り、仕分け用タブを形成する綴じ処理装置200で処理せずに、プリント終了後のシート2を排出トレイ3に排出する。そして、プリント動作が終了するまでステップS21〜S23を繰り返す。
これにより、各部の一枚のみに仕切り用タブが形成されて、排出トレイ3上に、プリント終了後のシート2が積載されることになる。したがって、シート2の束の最初のシート2に仕分け用タブが形成され、仕分け用タブが各シート2の束を仕分けする仕切りとして作用する。図13(b),(c)は、それぞれ折り返し部分2bをシート2の端部よりも外側に折り返して仕分け用タブが形成されたシート2の図である。
さらに、次に異なる画像データ、プリント処理情報を有するジョブのプリント出力が指示されると、図12に示して前述したシート2の束の綴じ処理動作と仕分け用タブ形成動作の各作業工程のフローに従ってシート2が処理される。ここで、綴じ処理や仕分け用タブ形成時の切り込み刃210a〜210hは、前回ジョブで使用したものと違った切り込み刃210a〜210hを使用し、切り込み刃210a〜210hの形状を変えて、前述の手順と同じように、指定部数までプリント出力される。このとき、綴じ処理用の穴や仕分け用タブの形状は、前回ジョブでプリント出力したシート2の束と違っている。即ち、切替手段となるベースプレート201を回転させて、出力設定の異なるジョブごとに使用する切り込み刃210a〜210hの形状を切り替える。これにより、プリント内容を見なくとも、図13(a)〜(c)のように、綴じ処理の折り曲げ形状や仕分け用タブの形状で異なるジョブのプリント出力であることの認識が可能となる。
また、異なるジョブの数が切り込み刃210a〜210hの数(本実施形態では8個)を超えた場合には、同じ切り込み刃210a〜210hを繰り返し使用することになる。その場合、異なるジョブの前後で異なった形状の切り込み刃210a〜210hを使用することで、前後のシート2の束で綴じ処理の折り曲げ形状や仕分け用タブ形状が異なり、プリント出力されたシート2の束の内容の区別をつけることが可能である。同じシート2に切り込み刃210a〜210hを複数回作用させて複数の折り曲げ形状や仕分けタブ形状を形成しても、プリント出力されたシート2の束の内容の区別をつけることが可能である。
また、切り込み刃210a〜210hが配置されたベースプレート201や、プリント出力されたシート2を積載するスタックトレイ411の位置(相対位置を含む)を移動可能に構成することが出来る。これにより、切り込み刃210a〜210hの種類数以上に仕分け用タブの形成位置の変更が可能となり、さらに多くのプリント出力されたシート2の束の内容区別をつけることが可能になる。
さらに、切替手段となるベースプレート201は、シート2を1枚処理するときとシート2を複数枚処理するときとで、切り込み装置4の切り込み刃210a〜210hの形状を切り替えて動作させる。これによって、シート2の束の綴じ処理が不可能な枚数の場合にはシート2の端部から外側に突出した仕分け用タブの形成を行う。また、シート2の束が綴じ処理可能な枚数の場合にはシート2の束の綴じ処理を行う。プリント出力されたシート2の枚数が多くなっても仕分け用タブにより各シート2の束間の区分けを可能とする。
また、切り込み装置4と折り返し部材221とで形成するシート2の折り返し部分2bは、シート2を1枚処理するときと、シート2を束で処理するときとで、該シート2の折り返し部分2bの折り返し方向が異なるように折り返す。これにより、シート2の折り返し部分2bをシート2の端部から外側に突出した仕分け用タブと、シート2の端部よりも内側に形成されるシート2の束の綴じ処理用としての折り返し部分2bとに分けることが出来る。
さらに、異なるジョブごとに、切り込み装置4の切り込み刃210a〜210hの形状を切り替え、折り返し部材221により折り返す折り返し部分2bの形状を変える。これによって、シート2の端部から外側に突出した仕分け用タブの形状を異なった形にして、ジョブが変わると仕分け用タブ形状も変わるため、各シート2の束の区別が可能となる。
さらに、切り込み装置4と折り返し部材221とを複数回動作させることで、シート2の折り返し部分2bを複数箇所設けることによって、シート2の束の区分表示できる数が増え、区分可能な範囲が拡大する。