JP5614719B2 - 貯湯式電気温水器 - Google Patents

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本発明は、平断面が略長方形状の筐体の内部に貯湯タンクを収納し、洗面器の下方の立壁面に取り付けられる貯湯式電気温水器に関する発明である。
従来、平断面が略楕円形状の貯湯タンクと、この貯湯タンクを収納した、平断面が略長方形状の筺体を備え、貯湯タンク周りの空間の利用効率を向上した貯湯式電気温水器がある(例えば、特許文献1参照。)。
この貯湯式電気温水器においては、貯湯タンクをその平断面の長軸方向が筺体の平断面の長辺方向に対して傾斜するとともに、筺体の平断面における一方の短辺に近接し他方の短辺から離間した状態で筺体内に収納することにより、貯湯タンクの周りの空間を大きなまとまりのあるものとし、この空間に通水管等の部材を集中的に配置することでコンパクト化を実現している。
特開2008−75982号公報(図4)
しかしながら、近年、使い勝手の向上のために公共施設における洗面所やトイレ等への洗面器の設置数が増える傾向にある。そのため、洗面器間の間隔が狭くなり、個々の洗面器下方への電気温水器の設置が困難な状況になりつつある。また、施工スペースが狭く、施工も難しいものとなっている。
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、本発明の課題は、施工性を確保しつつ、洗面器間の間隔が狭くても設置可能な電気温水器を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために請求項1記載の発明によれば、平断面が略長方形状の筐体の内部に貯湯タンクを収納し、立壁面に沿って設けられた洗面器の下方に取り付けられる貯湯式電気温水器において、前記貯湯タンクは正面から見たときに横長形状であって、その長手方向の断面は上下方向が長軸となるように偏平しており、該貯湯タンクへ水を導入するための外部給水配管を接続するための給水接続口及び該貯湯タンクから湯を導出するための外部出湯配管を接続するための出湯接続口を、前記筐体の正面と平行な領域で回動可能に設けた造とした。
従って、貯湯タンクは正面から見たときに横長形状であるので、貯湯式電気温水器の上下方向の高さ寸法を短くでき、また、貯湯タンクの長手方向の断面は上下方向が長軸となるように偏平しているので貯湯式電気温水器の前後方向の厚み寸法を薄くでき、貯湯式電気温水器のコンパクト化が実現できる。そして、給水接続口及び出湯接続口を筐体の正面と平行な領域で回動可能としているので、貯湯式電気温水器がコンパクトであることと相俟って施工に必要なスペースを小さくすることができるので、施工性を確保しつつ、洗面器間の間隔が狭くても設置可能な電気温水器を提供することができる。
また、請求項2記載の発明によれば、前記筐体内で前記貯湯タンクの偏平している長軸方向は、前記筐体の前後方向に対して傾斜している構造とすることにより、貯湯タンクの上下の空間を二つの大きなまとまりのあるものとすることができ、そこに機能部品を集約して配置することで、貯湯式電気温水器をコンパクト化することができる。
また、請求項3記載の発明によれば、前記筺体の前後方向に対して傾斜している前記貯湯タンクの上部と前記筐体の内側面との間に形成された上部楔状空間に前記出湯接続口が配置され、前記貯湯タンクの下部と前記筐体の内側面との間に形成された下部楔状空間に前記給水接続口が配置されていることにより、回動させるためにサイズが大きな部品となる給水接続口と出湯接続口とを貯湯タンクの上下の空間に振り分けて配置していることで、貯湯式電気温水器をコンパクト化することができる。
また、請求項4記載の発明によれば、前記給水接続口から前記貯湯タンク内へ水を導入するためのタンク給水口へと繋がる給水経路を前記下部楔状空間に配置し、前記出湯接続口へ前記貯湯タンクからの湯を導出するためのタンク出湯口から繋がる給湯経路を前記上部楔状空間に配置したことにより、給水経路と給湯経路とを貯湯タンクの上下の空間に振り分けて配置していることで、貯湯式電気温水器をコンパクト化することができる。
また、請求項5記載の発明によれば、前記タンク給水口と前記タンク出湯口とは、前記貯湯タンクを正面から見たときに左右方向の対角線上に配置したことにより、正面から見たときに横長形状である貯湯タンクであっても、タンク給水口からタンク出湯口へのショートカットを防いで、出湯性能を向上させることができる。
本発明によれば、貯湯式電気温水器の更なるコンパクト化が実現できるとともに、施工に必要なスペースを最小とすることができるので、施工性を確保しつつ、洗面器間の間隔が狭くても設置可能な電気温水器を提供することができるという効果がある。
本発明を適用した貯湯式電気温水器の施工態様を示す正面図である。 本発明を適用した貯湯式電気温水器の施工態様を示す側面図である。 本発明を適用した貯湯式電気温水器の外観を示す斜視図である。 本発明を適用した貯湯式電気温水器の内部構造を示す正面図である。 本発明を適用した貯湯式電気温水器の内部構造を示す斜視図である。 本発明を適用した貯湯式電気温水器の内部構造を示す側面図である。 本発明を適用した貯湯式電気温水器の内部構造の模式図である。 本発明を適用した貯湯式電気温水器の給水接続口及び出湯接続口の動作を示す正面図である。 本発明を適用した貯湯式電気温水器の第2の施工態様を示す正面図である。 本発明を適用した貯湯式電気温水器の第3の施工態様を示す正面図である。
以下に、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明を適用した貯湯式電気温水器の施工態様を示す正面図であり、図2は本発明を適用した貯湯式電気温水器の施工態様を示す側面図である。
図1及び図2に示すように、貯湯式電気温水器3は、立壁面Wに沿って設けられた壁掛式洗面器2の下方に設置されており、洗面器2に設置された水栓1と外部出湯配管4で接続されている。
また、貯湯式電気温水器3は、立壁面Wに突設された止水栓6と外部給水配管5で接続されるとともに、立壁面Wに配置された電源コンセント21と電源コード8で接続され、水栓1に備えられた光電センサー20とセンサーコード7で接続されている。
さらに、水栓1には湯水切り替えスイッチ等(図示しない)が設けられた水栓操作盤26が備えられ、貯湯式電気温水器3には沸き上げ運転スイッチ等(図示しない)が設けられた電気温水器操作盤24が備えられている。
また、貯湯式電気温水器3には、外部出湯配管4を通じて水栓1へ供給されるお湯の温度を調節することができる温度調節ダイヤル25が備えられている。
図3は、本発明を適用した貯湯式電気温水器の外観を示す斜視図である。
図3に示すように、貯湯式電気温水器3の筺体27は上下方向に縦長な矩形状であって、平断面が略長方形状をした薄型形状をしており、その正面には電気温水器操作盤24を、側面には温度調節ダイヤル25を備えている。
なお、平断面とは、床面F(図1,図2参照)と平行な面における断面を表し、正面とは図1における紙面方向を表し、この図1を基準として、上下、左右を表す。
図4は、本発明を適用した貯湯式電気温水器の内部構造を示す正面図である。図5は、本発明を適用した貯湯式電気温水器の内部構造を示す斜視図である。図6は、本発明を適用した貯湯式電気温水器の内部構造を示す側面図である。図7は、本発明を適用した貯湯式電気温水器の内部構造の模式図である。
図4に示すように、貯湯式電気温水器3に収納されている貯湯タンク9は、正面から見たときに、上下方向の高さ寸法a(160mm)に対して左右方向の幅寸法b(200mm)の方が長い横長形状であって、図6に示すように、側面から見ると、上下方向の長軸c(160mm)に対して前後方向の短軸d(110mm)の方が短くなるように偏平している。このように、貯湯タンク9は正面から見たときに横長形状であるので、貯湯式電気温水器3の上下方向の高さ寸法を短くでき、また、貯湯タンク9の長手方向である側面から見た断面は上下方向が長軸となるように偏平しているので、貯湯式電気温水器3の前後方向の厚み寸法を薄くでき、貯湯式電気温水器3のコンパクト化が実現できる。
また、外部出湯配管4が接続される出湯接続口15が貯湯タンク9の右側上方に設けられるとともに、外部給水配管5が接続される給水接続口12が貯湯タンク9の左側下方に設けられている。
さらに、貯湯タンク9の右側下部にはその貯湯タンク9への水の導入口となるタンク給水口10を備え、その左側には、湯側電磁弁19と逆止弁13と給水接続口12とから構成される給水経路を備えており、図7に示すように、外部給水配管5から給水された水は、給水接続口12→逆止弁13→湯側電磁弁19→タンク給水口10の順で貯湯タンク9へ導入される。なお、湯側電磁弁19とタンク給水口10との間から分岐して後述する混合バルブ17へと至る混合給水管30が設けられており、また、逆止弁13と湯側電磁弁19との間から分岐して出湯接続口15へと至るバイパス給水管31が設けられており、このバイパス給水管31には水側電磁弁14が設けられている。
また、貯湯タンク9の左側上部にはその貯湯タンク9からの湯の導出口となるタンク出湯口11を備え、その右側には、逆止弁16と混合バルブ17と出湯接続口15とから構成される給湯経路を備えており、図7に示すように、タンク出湯口11→逆止弁16→混合バルブ17→出湯接続口15の順で貯湯タンク9から導出された湯が外部出湯配管4へ流出するように構成されている。
なお、タンク給水口10から貯湯タンク9内へ導入された水は、タンク給水口10の近傍に配置されたヒーター18で出湯に適した36℃よりも高温である所定温度(75℃)に沸き上げられる。なお、タンク給水口10とタンク出湯口11とは、貯湯タンク9を正面から見たときに左右方向に離れた対角線上に配置されているので、タンク給水口10から導入された水がタンク出湯口11へ上下方向の最短距離で至ること(ショートカット)がなく、貯湯タンク内で充分に加熱されてから出湯されるため出湯性能を向上させることができる。
また、貯湯式電気温水器3は、凍結防止等のために貯湯タンク9内のお湯を抜く際に開く排水栓23を備え、その時に外部から空気を取り込むために開く吸気栓22をも備える。
ここで、図7をもとに、電気温水器の動作を説明する。
水栓1に設けられた水栓操作盤26の湯水切り替えスイッチ(図示しない)を「水吐水」へ設定している場合は、水栓1の光電センサー20で手を検知した際、貯湯式電気温水器3内の水側電磁弁14のみが動作してバイパス給水管31を通って出湯接続口15に供給された水が水栓1から吐出される。
または、水栓1に設けられた水栓操作盤26の「湯水切り替えスイッチ(図示しない)」を「湯吐水」へ設定している場合は、水栓1の光電センサー20で手を検知した際、貯湯式電気温水器3内の湯側電磁弁19のみが動作する。その際、図7に示すように、混合バルブ17へは湯側電磁弁19とタンク給水口10の間より分岐した混合給水管30を通った水も供給されており、逆止弁16からの湯と混合され、例えば36℃の適温のお湯が出湯接続口15へと導出され、水栓1から適温のお湯が吐出される。この時、温度調節ダイヤル25にて混合バルブ17における湯と水の混合割合を変えることにより出湯温度を微調節することができる。
なお、夏場等でお湯の必要のない場合は、貯湯式電気温水器3に設けられた電気温水器操作盤24の「沸き上げ運転スイッチ(図示しない)」を「切」にしておくことで、お湯を沸かなくすることができる。
また、図6に示すように、筐体27内で貯湯タンク9の偏平している長軸cは、筐体27の前後方向に対して前側にα度(約10度)傾斜している構造としている。
このように貯湯タンク9を傾斜させることにより、貯湯タンク9の上方には、貯湯タンク9の上部と筐体27の上面27aの内側面との間に形成される空間と連続して筐体27の後面27dの内側面に沿って下方に楔状に延びる上部楔状空間U1が形成される。また、貯湯タンク9の下方には、貯湯タンク9の下部と筐体27の下面27bの内側面との間に形成される空間と連続して筐体27の前面27cの内側面に沿って上方に楔状に延びる下部楔状空間L1が形成される。このように、貯湯タンク9の上下には、大きな楔状の空間が設けられている。
そして、貯湯タンク9の上方の上部楔状空間U1に逆止弁16、混合バルブ17、出湯接続口15から構成される給湯経路の少なくとも一部を配置するとともに、貯湯タンク9の下方の下部楔状空間L1に給水接続口12、逆止弁13、湯側電磁弁19から構成される給水経路の少なくとも一部を配置している。なお、下部楔状空間L1には水側電磁弁14や排水栓23も配置している。また、上部楔状空間U1には吸気栓22も配置している。
以上のように、貯湯タンク9の上部及び下部に、上部楔状空間U1と下部楔状空間L1の二つの大きな楔状空間を設けることができ、この楔状空間にサイズの大きな給水接続口12と出湯接続口15の部品の少なくとも一部を収納するとともに、給水関係の部品(給水接続口12、逆止弁13、水側電磁弁14、湯側電磁弁19、排水栓23)を下部楔状空間L1に、出湯関係の部品(逆止弁16、混合バルブ17、出湯接続口15、吸気栓22)を上部楔状空間U1に配置していることで、給水、給湯の各部品を貯湯タンク9の上下の空間に振り分けて集約して配置することにより、給水,給湯夫々の内部配管の長さを短くすることができ、筺体27のサイズを小さくすることが可能となった。
また、図8は、本発明を適用した貯湯式電気温水器の給水接続口及び出湯接続口の動作を示す正面図であり、給水接続口12を筺体27の下部に、出湯接続口15を筺体27の上部に備えるとともに、給水接続口12及び出湯接続口15は筐体8の正面側から操作して、その正面と平行な領域で回動可能な構造としており、出湯接続口15の出湯配管接続部28及び給水接続口12の給水配管接続部29の方向を自由に変えることができる。従って、貯湯式電気温水器3がコンパクトであることと相俟って施工に必要なスペースを小さくすることができるので、施工性を確保しつつ、隣り合う洗面器2の間隔が狭くても設置可能な電気温水器を提供することができる。
図9は、本発明を適用した貯湯式電気温水器の第2の施工態様を示す正面図であり、出湯接続口15をその出湯配管接続部28が上方を向くように、給水接続口12をその給水配管接続部29が左側を向くように回転させたものであり、貯湯式電気温水器3を壁掛式洗面器2の右側へ設置した事例である。
図10は、本発明を適用した貯湯式電気温水器の第3の施工態様を示す正面図であり、出湯接続口15をその出湯配管接続部28が上方を向くように、給水接続口12をその給水配管接続部29が下方を向くように回転させたものであり、貯湯式電気温水器3を壁掛式洗面器2の左側へ設置するとともに、止水栓6を貯湯式電気温水器3の下方に設置した事例である。
このように、洗面器2や止水栓6の制約を受けることが少なくなり、洗面器に向かって左側への設置や右側への設置が自由にできるとともに、外部給水配管5や外部出湯配管4の長さを最短とすることが可能となる。
従って、貯湯式電気温水器の更なるコンパクト化が実現できるとともに、施工スペースを最小とすることができるので、施工性を確保しつつ、洗面器間の間隔が狭くても設置可能な電気温水器を提供することができる。
なお、本実施例では、図6において貯湯タンクの上部が前方へ、下部が後方へ傾斜しているが、筺体27の内部に収納する部品のサイズや部品配置に応じてこの逆の傾斜でもよい。








1…水栓
2…壁掛式洗面器
3…貯湯式電気温水器
4…外部出湯配管
5…外部給水配管
6…止水栓
7…センサーコード
8…電源コード
9…貯湯タンク
10…タンク給水口
11…タンク出湯口
12…給水接続口
13…逆止弁
14…水側電磁弁
15…出湯接続口
16…逆止弁
17…混合バルブ
18…ヒーター
19…湯側電磁弁
20…光電センサー
21…電源コンセント
22…吸気栓
23…排水栓
24…電気温水器操作盤
25…温度調節ダイヤル
26…水栓操作盤
27…筺体
28…出湯配管接続部
29…給水配管接続部
30…混合給水管
31…バイパス給水管
L1…下部楔状空間
U1…上部楔状空間
F…床面
W…立壁面

Claims (5)

  1. 平断面が略長方形状の筐体の内部に貯湯タンクを収納し、立壁面に沿って設けられた洗面器の下方に取り付けられる貯湯式電気温水器において、
    前記貯湯タンクは正面から見たときに横長形状であって、その長手方向の断面は上下方向が長軸となるように偏平しており、
    該貯湯タンクへ水を導入するための外部給水配管を接続するための給水接続口及び該貯湯タンクから湯を導出するための外部出湯配管を接続するための出湯接続口を、前記筐体の正面と平行な領域で回動可能に設けたことを特徴とする貯湯式電気温水器。
  2. 前記筐体内で前記貯湯タンクの偏平している長軸方向は、前記筐体の前後方向に対して傾斜していることを特徴とする請求項1記載の貯湯式電気温水器。
  3. 前記筺体の前後方向に対して傾斜している前記貯湯タンクの上部と前記筐体の内側面との間に形成された上部楔状空間に前記出湯接続口が配置され、前記貯湯タンクの下部と前記筐体の内側面との間に形成された下部楔状空間に前記給水接続口が配置されていることを特徴とする請求項2記載の貯湯式電気温水器。
  4. 前記給水接続口から前記貯湯タンク内へ水を導入するためのタンク給水口へと繋がる給水経路を前記下部楔状空間に配置し、前記出湯接続口へ前記貯湯タンクからの湯を導出するためのタンク出湯口から繋がる給湯経路を前記上部楔状空間に配置したことを特徴とする請求項3に記載の貯湯式電気温水器。
  5. 前記タンク給水口と前記タンク出湯口とは、前記貯湯タンクを正面から見たときに左右方向の対角線上に配置したことを特徴とする請求項4に記載の貯湯式電気温水器。
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