JP5614153B2 - カンデサルタンシレキセチルの製造法 - Google Patents

カンデサルタンシレキセチルの製造法 Download PDF

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Description

本発明は(±)−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル2−エトキシ−1−[[2’−(N−トリフェニルメチル−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール7−カルボキシラート(トリチルカンデサルタンシレキセチル)を脱トリチル化して、(±)−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール7−カルボキシラート(カンデサルタンシレキセチル)を製造する方法に関する。
アンジオテンシンII(ATII)拮抗薬は高血圧や心疾患の治療薬として非常に有用であり、これまでに多くのATII拮抗薬が上市されている。アンジオテンシンII拮抗薬と呼ばれるもののほとんどは共通のビフェニルテトラゾール基を有し、下記式1に示すことができる。Aには、少なくとも窒素原子を一つ、あるいは鎖状アミド基を含む置換へテロ環を有している。
Figure 0005614153
テトラゾールを含む式1の化合物群は、活性な窒素原子が存在するために保護基で保護されていることが多い。テトラゾールの保護基としてはトリフェニルメチル基(トリチル基)が利用されることが多く、下記式2に示されるようにATII拮抗薬の製造法の多くにもテトラゾール基の保護基としてトリフェニルメチル基が使われている。
Figure 0005614153
トリチルカンデサルタンシレキセチルの脱トリチル化法として、メタノール溶媒中、1N−塩酸を反応させることによりカンデサルタンシレキセチルを生成する方法が開示されている(特許文献1参照)。しかしながら、この方法では反応終了後カラムクロマトグラフィーにて精製を行った際の収率は47%と非常に低いものである。
その他の脱トリチル化法として、実質的に無水状態の鉱酸、たとえば塩酸/メタノール溶液や濃硫酸を低温下、短時間反応させることでカンデサルタンシレキセチルを生成する方法(特許文献2参照)、およびトリフルオロ酢酸等の有機酸を反応させることによりカンデサルタンシレキセチルを生成する方法が知られている(特許文献3参照)。
カンデサルタンシレキセチルは、エトキシ基やシレキセチル基といった酸または塩基に対して不安定な官能基を有していることから、できる限り中性条件で反応および後処理を
行うことが望ましい。しかしながら、特許文献1〜3に記載の上記いずれの方法も、酸性下で反応を行うことから反応終了後に反応液を塩基によって中和する必要があり、さらには温度のコントロールも必要で、工程が複雑となる欠点を有する。
これに対して、特許文献4にはC1〜C5の無水アルコール中、中性あるいは弱塩基性条件で加熱還流することにより、脱トリチル化を行う方法が開示されている。しかしこの場合、収率は76〜91%とあまり高くなく、反応時間も24時間と長いことから、工業的な生産には適していない。
さらに、酢酸エチルのような不活性溶媒またはアルコール溶媒中、パラジウム炭素を用いた水添反応による脱トリチル化法も知られている(特許文献5および特許文献6)。こられの方法はいずれも無水条件である必要があり、また特許文献5に記載の方法は反応時間が16〜24時間と長くかかるという欠点を有する。また特許文献6についても収率が90%を超える方法が記載されているものの、その反応に要する時間が具体的に記載されておらず、反応に使用する触媒量も20質量%(対原料)と非常に多く必要とするという欠点を有する。
特許第2853611号 特許第2730501号 特開2005206603 WO2005021535 CZ299265B6 WO2009157001
従って、本発明の目的は、従来の製造法における上記問題を解決したカンデサルタンシレキセチルの工業的に有利な製造法を提供することである。
本発明者らは上記目的を達成するため鋭意検討した結果、式3:
Figure 0005614153
で表されるトリチルカンデサルタンシレキセチルを、環状エーテル溶媒中、遷移金属触媒存在下、水素雰囲気下で水素添加反応を行うことにより、短時間で効率よく高純度の式4:
Figure 0005614153
で表されるカンデサルタンシレキセチルが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
1.(±)−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル2−エトキシ−1−[[2’−(N−トリフェニルメチル−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール7−カルボキシラートに、環状エーテル溶媒中、遷移金属触媒存在下、水素を反応させることを特徴とする、(±)−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール7−カルボキシラートの製造法。
2.環状エーテル溶媒がテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキソランまたはジオキサンである、上記1.に記載の製造法。
3.遷移金属触媒がパラジウム炭素触媒である、上記1.または2.に記載の製造法。
4.遷移金属触媒の量が(±)−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル2−エトキシ−1−[[2’−(N−トリフェニルメチル−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール7−カルボキシラートに対して0.005〜2.5質量%である、上記1.〜3.のいずれかに記載の製造法。
5.環状エーテル溶媒の量が(±)−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル2−エトキシ−1−[[2’−(N−トリフェニルメチル−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール7−カルボキシラート1mmolに対して1〜100mlである、上記1.〜4.のいずれかに記載の製造法。
6.水素を反応させた後、ろ過により触媒を除き、溶媒を留去したのち、結晶化することを特徴とする、上記1.〜5.のいずれかに記載の製造法。
本発明によれば、反応を中性条件で行うことができることから、反応終了後の中和工程が不要であるとともに分子内に存在する酸又は塩基に不安定な官能基への影響が実質的にないという利点がある。また通常、遷移金属触媒および水素を用いた反応はN−ベンジル化体のベンジル基の脱保護に利用されるが、溶媒に環状エーテルを用いることで、再結晶化しなくても、脱N−ベンジル化体の少ないカンデサルタンシレキセチルを短時間、高収率、高純度で得ることができ、その後の再結晶化により99.9%以上の純度を得ることができることから、医薬品として臨床上使用できるカンデサルタンシレキセチルの工業的生産方法として適したものである。
また、本発明によれば、遷移金属触媒および溶媒の使用量を従来技術よりも大幅に減らすことができ、また単一溶媒で反応が行えることから、溶媒の再利用にとって有利である。さらに、反応を無水条件下で行う必要がないことから、工業化の際の設備負担を少なくすることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、本実施の形態)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々に変形して実施することができる。
本発明において、原料となる(±)−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル2−エトキシ−1−[[2’−(N−トリフェニルメチル−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール7−カルボキシラートは、特に限定されるものではなく、例えば特許第2514282号に記載の方法に従って製造することができる。
本発明において、環状エーテル溶媒は、特に無水溶媒を用いる必要はなく、原料を溶解するものであれば特に限定されないが、例えばエポキシド、オキセタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキソラン、ジオキサンおよびトリオキサンが挙げられ、好ましくはテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキソランおよびジオキサンである。かかる環状エーテル溶媒の量は通常、原料化合物1mmolに対して1〜100mlであり、好ましくは4〜30ml、特に好ましくは4〜10mlである。溶媒の量は1mL未満であると基質及び生成物が溶解しにくくなり反応に支障をきたし、100mLより多いと、容積効率が悪くなり工業的でない。
遷移金属触媒は、水素と金属ヒドリドを形成するものであれば、特に限定されないが、例えば、パラジウム触媒、ルテニウム触媒、ロジウム触媒、イリジウム触媒、ニッケル触媒、白金触媒等が挙げられ、パラジウム触媒またはニッケル触媒が好ましく、パラジウム触媒が特に好ましい。また、かかる遷移金属触媒は、例えば活性炭、アルミナ、シリカ等の担体に担持された触媒であってもよく、なかでもパラジウム炭素触媒が好ましい。かかる遷移金属触媒の量は通常、原料化合物に対して0.005〜2.5質量%であり、好ましくは0.01〜1.0質量%、特に好ましくは0.05〜0.5質量%である。触媒量が0.005質量%未満であると、反応が遅くなってしまい、2.5質量%より多いと、経済的に見合わない。
反応における水素圧は、特に限定しないが、通常0.001〜10MPaであり、副生成物である脱N−ベンジル化体の生成を抑えるためには、0.1〜5MPaが好ましく、0.1〜1MPaが特に好ましい。水素圧は、10MPaを超えると工業的に実現することが難しい。
反応温度は、特に限定しないが、好ましくは0℃〜90℃であり、より好ましくは30〜60℃である。
反応終了後、ろ過により触媒を除き、溶媒を留去したのち、結晶化する。必要に応じて再結晶化を行うことにより、より純度の高い化合物を得ることができる。結晶化および再結晶化は一般的な方法に従って実施することができ、またこれに用いられる溶媒もカンデサルタンシレキセチルと反応しないものであれば特に制限はなく、例えばアセトン、トルエン、エタノール等が挙げられる。すなわち、適当な溶媒、例えばアセトン/水の混合溶媒に反応により得られたカンデサルタンシレキセチルを溶解させ、その後に冷却させることにより析出させることができる。
以下に実施例を示して、本実施の形態をより詳細に説明する。
原料となる(±)−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル2−エトキシ−1−[[2’−(N−トリフェニルメチル−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール7−カルボキシラートは特許第2514282号に記載の方法にしたがって合成した。
カンデサルタンシレキセチルの純度は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にて以下の条件で決定した。
検出器:紫外吸光光度計(波長:254nm)
カラム:内径4mm、長さ15cmのODSカラム
カラム温度:35℃
移動相A:アセトニトリル/水/酢酸(100)混液(57:43:1)
移動相B:アセトニトリル/水/酢酸(100)混液(90:10:1)
移動相の送液:移動相A及び移動相Bの混合比を次のように変えて濃度勾配制御する。
注入後の時間(分) 移動相A(vol%) 移動相B(vol%)
0〜30 100 → 0 0 → 100
流量:毎分0.8mL
実施例1
(±)−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル2−エトキシ−1−[[2’−(N−トリフェニルメチル−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール7−カルボキシラート3.0g(3.52mmol)のテトラヒドロフラン21mL溶液に10%−パラジウム炭素触媒(50%水含有品)0.3gを加え、水素雰囲気下(0.5MPa)、50℃で8時間撹拌した。触媒を除去し、テトラヒドロフランで洗浄した。溶媒を留去したのち、トルエン6mL、ヘキサン6mLで結晶化することにより、(±)−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール7−カルボキシラートを2.05g(3.35mmol,収率95.3%)の白色固体として得た。得られたカンデサルタンシレキセチルをHPLCで測定したところ、純度は93.26%であり、その後のアセトン18mL、水6mLで行った2回の再結晶化により、純度は99.94%となった。
実施例2
(±)−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル2−エトキシ−1−[[2’−(N−トリフェニルメチル−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール7−カルボキシラート15.0g(17.58mmol)のテトラヒドロフラン300mL溶液に10%−パラジウム炭素触媒(50%水含有品)1.5gを加え、水素雰囲気下(0.5MPa)、50℃で8時間撹拌した。触媒を除去し、テトラヒドロフランで洗浄した。溶媒を留去したのち、トルエン30mL、ヘキサン300mLで結晶化することにより、(±)−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール7−カルボキシラートを10.2g(16.70mmol,収率95.0%)の白色固体として得た。得られたカンデサルタンシレキセチルをHPLCで測定したところ、純度は92.64%であり、その後のアセトン18mL、水6mLで行った2回の再結晶化により、純度は99.94%となった。
実施例3
(±)−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル2−エトキシ−1−[[2’−(N−トリフェニルメチル−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール7−カルボキシラート3.0g(3.52mmol)のテトラヒドロピラン21mL溶液に10%−パラジウム炭素触媒(50%水含有品)0.3gを加え、水素雰囲気下(0.5MPa)、50℃で8時間撹拌した。触媒を除去し、テトラヒドロピランで洗浄した。溶媒を留去したのち、トルエン6mL、ヘキサン6mLで結晶化することにより、(±)−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール7−カルボキシラートを1.93g(3.16mmol,収率90.0%)の白色固体として得た。得られたカンデサルタンシレキセチルをHPLCで測定したところ、純度は97.20%であり、その後のトルエン6mL、ヘキサン6mLで行った2回の再結晶化により、純度は99.93%となった。
実施例4
(±)−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル2−エトキシ−1−[[2’−(N−トリフェニルメチル−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール7−カルボキシラート3.0g(3.52mmol)の1,3−ジオキソラン21mL溶液に10%−パラジウム炭素触媒(50%水含有品)0.3gを加え、水素雰囲気下(0.5MPa)、50℃で8時間撹拌した。触媒を除去し、1,3−ジオキソランで洗浄した。溶媒を留去したのち、トルエン6mL、ヘキサン6mLで結晶化することにより、((±)−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール7−カルボキシラートを2.00g(3.27mmol,収率92.9%)の白色固体として得た。得られたカンデサルタンシレキセチルをHPLCで測定したところ、純度は96.30%であり、その後のトルエン6mL、ヘキサン6mLで行った2回の再結晶化により、純度は99.94%となった。
実施例5
(±)−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル2−エトキシ−1−[[2’−(N−トリフェニルメチル−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール7−カルボキシラート3.0g(3.52mmol)の1,4−ジオキサン21mL溶液に10%−パラジウム炭素触媒(50%水含有品)0.3gを加え、水素雰囲気下(0.5MPa)、50℃で8時間撹拌した。触媒を除去し、1,4−ジオキサンで洗浄した。溶媒を留去したのち、トルエン6mL、ヘキサン6mLで結晶化することにより、(±)−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール7−カルボキシラートを1.88g(3.07mmol,収率87.2%)の白色固体として得た。得られたカンデサルタンシレキセチルをHPLCで測定したところ、純度は96.70%であり、その後のトルエン6mL、ヘキサン6mLで行った2回の再結晶化により、純度は99.92%となった。
比較例1
特許文献6に記載の方法において、反応時間が具体的に記載されていないことからこれを追試した。
(±)−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル2−エトキシ−1−[[2’−(N−トリフェニルメチル−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール7−カルボキシラート3.0g(3.52mmol)のトルエン30mL/エタノール15mL溶液に10%−パラジウム炭素触媒(50%水含有品)1.2gを加え、水素雰囲気下、30℃で12時間撹拌した。触媒を除去し、酢酸エチルで洗浄した。溶媒を留去したのち、トルエン6mL、ヘキサン6mLで結晶化することにより、(±)−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール7−カルボキシラートを1.22g(1.99mmol,収率57.0%)の白色固体として得た。得られたカンデサルタンシレキセチルをHPLCで測定したところ、純度は65.20%であった。
さらに反応時間を24時間に延長したが、収率は80.6%、純度は70.18%にと
どまった。
以上の結果からみて、特許文献6に記載の方法により収率を90%以上にするには、反応時間を48時間以上にする必要があると推測される。
比較例2
特許文献2に記載の方法を追試した。
(±)−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル2−エトキシ−1−[[2’−(N−トリフェニルメチル−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール7−カルボキシラート10.0g(11.72mmol)のジクロロメタン29mL/メタノール23mL溶液に5℃で10%−HCl/MeOH 8mLを15分かけて加え、5℃で5時間撹拌した。反応混合物に水19mL、酢酸エチル19mLを加え、飽和炭酸水素ナトリウムでpH6.3に調整した。酢酸エチル10mLを加え、20%−塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、水層を酢酸エチル10mLで2回抽出し、有機層をさらに20%−塩化ナトリウム水溶液20mLで洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、無水硫酸ナトリウムをろ別し、減圧下に溶媒を留去した。得られた粗製物にアセトン20mLを加え、加熱溶解したのち、室温で終夜撹拌した。終夜撹拌後、ヘキサン90mLを加え、室温で1時間、0℃で2時間撹拌した。得られた結晶を濾過し、アセトン:ヘキサン=1:9で洗浄し、減圧下に乾燥させることにより、(±)−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール7−カルボキシラートを6.71g(10.99mmol,収率94.0%)の白色固体として得た。得られたカンデサルタンシレキセチルをHPLCで測定したところ、純度は85.07%であった。
比較例3
特許文献3に記載の方法を追試した。(±)−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル2−エトキシ−1−[[2’−(N−トリフェニルメチル−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール7−カルボキシラート0.5g(0.59mmol)のトルエン3mL/メタノール3mL溶液に20〜25℃でトリフルオロ酢酸0.043gを加え、21.5時間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、酢酸エチル10mLと水10mLを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でpH6.4に調整した。有機層を分離し、水層を酢酸エチル10mLで2回抽出し、有機層を水10mLで2回および飽和食塩水10mLで2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。無水硫酸ナトリウムを濾過し、減圧下に溶媒を留去することで、(±)−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール7−カルボキシラートを0.33g(0.54mmol,収率90.8%)の白色固体として得た。得られたカンデサルタンシレキセチルをHPLCで測定したところ、純度は83.80%であった。
実施例と比較例の結果を下表に示す。
Figure 0005614153
本発明によれば、カンデサルタンシレキセチルを、短時間、高収率、高純度で製造することができ、また、水添反応において使用する溶媒量を半分以下に、また、触媒量も四分
の一以下に減らすことができる。
本発明によれば、医薬品として臨床上使用できる99.9%以上のカンデサルタンシレキセチルを、短時間、高収率、高純度で製造できることから、医薬品製造において極めて有用である。

Claims (6)

  1. (±)−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル2−エトキシ−1−[[2’−(N−トリフェニルメチル−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール7−カルボキシラートに、環状エーテル溶媒中、遷移金属触媒存在下、水素を反応させることを特徴とする、(±)−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル2−エトキシ−1−[[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール7−カルボキシラートの製造法。
  2. 環状エーテル溶媒がテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキソランまたはジオキサンである、請求項1に記載の製造法。
  3. 遷移金属触媒がパラジウム炭素触媒である、請求項1または2に記載の製造法。
  4. 遷移金属触媒の量が(±)−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル2−エトキシ−1−[[2’−(N−トリフェニルメチル−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール7−カルボキシラートに対して0.005〜2.5質量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造法。
  5. 環状エーテル溶媒の量が(±)−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル2−エトキシ−1−[[2’−(N−トリフェニルメチル−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル]−1H−ベンズイミダゾール7−カルボキシラート1mmolに対して1〜100mlである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造法。
  6. 水素を反応させた後、ろ過により触媒を除き、溶媒を留去したのち、結晶化することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造法。
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