JPH0881421A - アリールメチルアミン誘導体の接触還元法 - Google Patents

アリールメチルアミン誘導体の接触還元法

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JPH0881421A
JPH0881421A JP7173817A JP17381795A JPH0881421A JP H0881421 A JPH0881421 A JP H0881421A JP 7173817 A JP7173817 A JP 7173817A JP 17381795 A JP17381795 A JP 17381795A JP H0881421 A JPH0881421 A JP H0881421A
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group
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carbon atoms
examples
anion
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JP7173817A
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English (en)
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Takatsugu Shiyundou
卓嗣 春堂
Makoto Yamashita
誠 山下
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
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Abstract

(57)【要約】 【課題】接触還元法の提供。 【解決手段】一般式(I): 【化1】 (式中、環AはQ以外にさらに置換基を有していてもよ
い芳香族炭化水素または芳香族複素環残基を示し、R1
はエステル化またはアミド化されていてもよいカルボキ
シル基を示し、Raは置換されていてもよい芳香族炭化
水素残基を示し、Qは還元によりアミノ基に変わり得る
基を示す)で表される化合物をパラジウム触媒で接触還
元させた後、R1基を除去することを特徴とする、 【化2】 (式中、各記号は前記と同意義を示す)で表される化合
物の製造法。 【効果】脱アリールメチル化を抑制することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、接触還元法に際し
て脱アリールメチル化を抑制し得る、アリールメチルア
ミン誘導体(例、ベンジルアミン誘導体など)の製造法
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ニトロ基等の還元には、回収可
能な触媒による接触水素化が工業的にはクリーンで最も
有利な方法である。しかし、ベンジルアミンを有する化
合物では、下記図のように、接触水素化により副反応の
脱ベンジル化が進行するのが一般的である。
【化5】 (式中、WはNHR,NR2を示す)。この反応におい
て、触媒としては、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、
ロジウム(Rh)、ニッケル(Ni)などが使用される
が、とりわけ汎用触媒のパラジウムにおいて脱ベンジル
化は避けられなかった(反応別実用触媒 化学工業社刊
第272頁 1970年)。汎用触媒としてのPdは、ニトロ化合
物の水素化において、高温を要しない他、反応速度が大
きくて被毒されがたいので、広範に使用される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、工業的に有
利なPd触媒での接触水素化法において、脱アリールメ
チル化を抑制し得る、アリールメチルアミン誘導体
(例、ベンジルアミン誘導体など)の製造法を提供す
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、ベンジルアミ
ン誘導体のアミノ基をカルバメート化すれば接触水素化
において脱ベンジル化が抑制されることを見いだした。
本発明は、この知見を基礎として完成されたものであ
る。すなわち、本発明は、一般式(I):
【化6】 (式中、環AはQ以外にさらに置換基を有していてもよ
い芳香族炭化水素または芳香族複素環残基を示し、R1
はエステル化またはアミド化されていてもよいカルボキ
シル基を示し、Raは置換されていてもよい芳香族炭化
水素残基を示し、Qは還元によりアミノ基に変わり得る
基を示す)で表される化合物をパラジウム触媒で接触還
元させた後、R1基を除去することを特徴とする、
【化7】 (式中、各記号は前記と同意義を示す)で表される化合
物の製造法に関する。
【0005】上記一般式(I)における環Aで表される
芳香族炭化水素残基としては、単環式または縮合多環式
芳香族炭化水素基が挙げられ、例えばフェニル、ナフチ
ル(1−ナフチル,2−ナフチル)、アントリル、フェ
ナントリル、アセナフチレニルなどが挙げられ、なかで
もフェニル、1−ナフチル、2−ナフチルなどが好まし
い。
【0006】一般式(I)における環Aで表される芳香
族複素環残基としては、例えば、芳香族単環式複素環残
基(例、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、
イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミ
ダゾリル、ピラゾリル、1,2,3−オキサジアゾリ
ル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキ
サジアゾリル、フラザニル、1,2,3−チアジアゾリ
ル、1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジ
アゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−ト
リアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、
ピラジニル、トリアジニルなど)、芳香族縮合複素環残
基(例、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾ
[b]チエニル、インドリル、イソインドリル、1H−
インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリ
ル、1,2−ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリ
ル、1,2−ベンゾイソチアゾリル、1H−ベンゾトリ
アゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、キ
ナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、ナフチリ
ジニル、プリニル、プテリジニル、カルバゾリル、α−
カルボリニル、β−カルボリニル、γ−カルボリニル、
アクリジニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、
フェナジニル、フェノキサチイニル、チアントレニル、
フェナトリジニル、フェナトロリニル、インドリジニ
ル、ピロロ[1,2−b]ピリダジニル、ピラゾロ
[1,5−a]ピリジル、イミダゾ[1,2−a]ピリ
ジル、イミダゾ[1,5−a]ピリジル、イミダゾ
[1,2−b]ピリダジニル、イミダゾ[1,2−a]
ピリミジニル、1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]
ピリジル、1,2,4−トリアゾロ[4,3−b]ピリ
ダジニルなど)などが挙げられる。
【0007】上記環Aで表される芳香族炭化水素残基ま
たは芳香族複素環残基は、Q以外に置換基を有していて
もよく、該置換基としては、脂肪族鎖式炭化水素基、脂
環式炭化水素基、ハロゲン原子、置換されていてもよい
アミノ基、置換されていてもよいアシル基、陰イオンを
形成し得る基あるいはそれに変じ得る基などが挙げられ
る。
【0008】環AにおけるQ以外の置換基としての脂肪
族鎖式炭化水素基としては、直鎖状または分枝鎖状の脂
肪族炭化水素基、例えばアルキル基、好ましくは炭素数
1〜10のアルキル基、アルケニル基、好ましくは炭素
数2〜10のアルケニル基、アルキニル基、好ましくは
炭素数2〜10のアルキニル基、などが挙げられる。該
アルキル基としては、例えばメチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチ
ル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオ
ペンチル、tert−ペンチル、1−エチルプロピル、
ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、
2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2
−エチルブチル、ヘキシル、ペンチル、オクチル、ノニ
ル、デシルなどが挙げられる。該アルケニル基として
は、例えばビニル、アリル、イソプロペニル、1−プロ
ペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、
2−ブテニル、3−ブテニル、2−エチル−1−ブテニ
ル、3−メチル−2−ブテニル、1−ペンテニル、2−
ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、4−メ
チル−3−ペンテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニ
ル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニル
などが挙げられる。該アルキニル基としては、例えばエ
チニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニ
ル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2
−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−
ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘ
キシニル、5−ヘキシニルなどが挙げられる。
【0009】環AにおけるQ以外の置換基としての脂環
式炭化水素基としては、飽和または不飽和の脂環式炭化
水素基、例えばシクロアルキル基、シクロアルケニル
基、シクロアルカジエニル基などが挙げられる。該シク
ロアルキル基としては、例えばシクロプロピル、シクロ
ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプ
チル、シクロオクチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチ
ル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.
2.1]オクチル、ビシクロ[3.2.2]ノニル、ビ
シクロ[3.3.1]ノニル、ビシクロ[4.2.1]
ノニル、ビシクロ[4.3.1]デシルなどの炭素数3
〜10程度のシクロアルキル基が挙げられる。該シクロ
アルケニル基としては、例えば2−シクロペンテン−1
−イル、3−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘ
キセン−1−イル、3−シクロヘキセン−1−イルなど
の炭素数5〜6程度のシクロアルケニル基が挙げられ
る。該シクロアルカジエニル基としては、例えば2,4
−シクロペンタジエン−1−イル、2,4−シクロヘキ
サジエン−1−イル、2,5−シクロヘキサジエン−1
−イルなどの炭素数5〜6程度のシクロアルカジエニル
基が挙げられる。環AにおけるQ以外の置換基としての
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素およびヨウ
素があげられる。
【0010】環AにおけるQ以外の置換基としての置換
されていてもよいアミノ基としては、直鎖状または分枝
鎖状の脂肪族炭化水素基(好ましくは、炭素数1〜10
のアルキル、炭素数2〜10のアルケニルなど)、脂環
式炭化水素基(好ましくは、炭素数3〜7のシクロアル
キルなど)、芳香族基(上記環Aで表される芳香族炭化
水素残基または芳香族複素環残基と同様の基;好ましく
は、フェニルなど)または炭素数2〜10のアシル基
(好ましくは、炭素数2〜10のアルカノイル、ベンゾ
イルなど)が1または2個アミノ基(−NH2基)に置
換したもの(例、メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチ
ルアミノ、ジエチルアミノ、ジブチルアミノ、ジアリル
アミノ、シクロヘキシルアミノ、フェニルアミノ、N−
メチル−N−フェニルアミノ、アセチルアミノ、プロピ
オニルアミノ、ベンゾイルアミノ等)などがあげられ
る。環AにおけるQ以外の置換基としての置換されてい
てもよいアシルとしては、ホルミルまたは直鎖状または
分枝鎖状の脂肪族炭化水素基(好ましくは、炭素数1〜
10のアルキル、炭素数2〜10のアルケニルなど)、
脂環式炭化水素基(好ましくは、炭素数3〜7のシクロ
アルキル、炭素数3〜7のシクロアルケニルなど)、あ
るいは上記芳香族基(好ましくは、フェニル、ピリジル
など)とカルボニル基とが結合したもの(例、アセチ
ル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリ
ル、イソバレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、ヘプタ
ノイル、オクタノイル、シクロブタノイル、シクロペン
タノイル、シクロヘキサノイル、シクロヘプタノイル、
クロトニル、2−シクロヘキセンカルボニル、ベンゾイ
ル、ニコチノイル等)があげられる。
【0011】環AにおけるQ以外の置換基としての陰イ
オンを形成し得る基あるいはそれに変じ得る基として
は、例えば、エステル化またはアミド化されていてもよ
いカルボキシル、テトラゾリル、リン酸、スルホン酸な
どが挙げられ、これらの基が置換されていてもよい低級
アルキル基(例、低級(C1-4)アルキルなど)またはア
シル基(例、低級(C2-5)アルカノイルなど)などで保
護されていてもよく、生体内の生物学的すなわち生理条
件下(例えば、生体内酵素等による酸化、還元あるいは
加水分解などの生体内反応など)で、プロトンを放出し
うる基またはそれに変じうる基であればよい。
【0012】該エステル化またはアミド化されていても
よいカルボキシルとしては、例えば式−CO−D〔式
中、Dは水酸基、置換されていてもよいアミノ(例え
ば、アミノ、N−低級(C1-4)アルキルアミノ、N,
N−ジ低級(C1-4)アルキルアミノなど)または置換
されていてもよいアルコキシ{例、アルキル部分が水酸
基,置換されていてもよいアミノ(例、アミノ、N−低
級(C1-4)アルキルアミノ、N,N−ジ低級(C1-4
アルキルアミノ(ジメチルアミノ、ジエチルアミノな
ど)、ピペリジノ、モルホリノなど),ハロゲン,低級
(C1-6)アルコキシ、低級(C1-6)アルキルチオある
いは置換されていてもよいジオキソレニル(例、5−メ
チル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イルな
ど)で置換されていてもよい低級(C1-6)アルコキシ
基、または式−O−CH(R4)−OCOR5〔式中、R
4は水素、炭素数1〜6の直鎖もしくは分枝状の低級ア
ルキル基(例、メチル、エチル、n−プロピル、イソプ
ロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペ
ンチル、イソペンチル、ネオペンチルなど)、炭素数2
〜6の直鎖もしくは分枝状の低級アルケニル基(例、ビ
ニル、アリル、イソプロペニル、2−メタリル、3−メ
タリル、3−ブテニルなど)または炭素数3〜8のシク
ロアルキル基(例、シクロペンチル、シクロヘキシル、
シクロヘプチルなど)を示し、R5は炭素数1〜6の直
鎖もしくは分枝状の低級アルキル基(例、メチル、エチ
ル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソ
ブチル、sec−ブチル、t −ブチル、n−ペンチル、イ
ソペンチル、ネオペンチルなど)、炭素数2〜6の直鎖
もしくは分枝状の低級アルケニル基(例、ビニル、アリ
ル、イソプロペニル、2−メタリル、3−メタリル、3
−ブテニルなど)、炭素数3〜8のシクロアルキル基
(例、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチ
ルなど)、炭素数3〜8のシクロアルキル(例、シクロ
ペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなど)もし
くはハロゲン、ニトロ、低級(C1-4)アルキルなどで
置換されていてもよいフェニル、ナフチルなどのアリー
ル基で置換された炭素数1〜3の低級アルキル基(例、
ベンジル、p−クロロベンジル、フェネチル、シクロペ
ンチルメチル、シクロヘキシルメチルなど)、炭素数3
〜8のシクロアルキルもしくはハロゲン、ニトロ、低級
(C1-4)アルキルなどで置換されていてもよいフェニ
ル、ナフチルなどのアリール基で置換された炭素数2〜
3の低級アルケニル基(例、シンナミル等のビニル、プ
ロペニル、アリル、イソプロペニルなどのアルケニル部
を持つものなど)、ハロゲン、ニトロ、低級(C1-4
アルキルなどで置換されていてもよいフェニル、ナフチ
ルなどのアリール基(例、フェニル、p−トリル、ナフ
チルなど)、炭素数1〜6の直鎖もしくは分枝状の低級
アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、n−プロポキ
シ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、se
c−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、イ
ソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシなど)、炭素数
2〜8の直鎖もしくは分枝状の低級アルケニロキシ基
(例、アリロキシ、イソブテニロキシなど)、炭素数3
〜8のシクロアルキルオキシ基(例、シクロペンチルオ
キシ、シクロヘキシルオキシ、シクロヘプチルオキシな
ど)、炭素数3〜8のシクロアルキル(例、シクロペン
チル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなど)もしくは
ハロゲン、ニトロ、低級(C1-4)アルキルなどで置換
されていてもよいフェニル、ナフチルなどのアリール基
で置換された炭素数1〜3の低級アルコキシ基(例、ベ
ンジロキシ、フェネチロキシ、シクロペンチルメチロキ
シ、シクロヘキシルメチロキシなどのメトキシ、エトキ
シ、n−プロポキシ、イソプロポキシなどのアルコキシ
部を持つものなど)、炭素数3〜8のシクロアルキル
(例、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチ
ルなど)もしくはハロゲン、ニトロ、低級(C1-4)ア
ルキルなどで置換されていてもよいフェニル、ナフチル
などのアリール基で置換された炭素数2〜3の低級アル
ケニロキシ基(例、シンナミロキシ等のビニロキシ、プ
ロペニロキシ、アリロキシ、イソプロペニロキシなどの
アルケニロキシ部を持つものなど)、ハロゲン、ニト
ロ、低級(C1-4)アルキルなどで置換されていてもよ
いフェノキシ、ナフトキシなどのアリールオキシ基
(例、フェノキシ、p−ニトロフェノキシ、ナフトキシ
など)を示す〕で表わされる基など}を示す〕で表され
る基などが挙げられる。
【0013】上記陰イオンを形成し得る基あるいはそれ
に変じ得る基としては、生物学的すなわち生理条件下
(例えば、生体内酵素による酸化、還元あるいは加水分
解などの生体内反応など)でプロトンを放出しうる基ま
たはそれに変じうる基であればいずれであってもよい
が、なかでも、カルボキシル、エステル化されたカルボ
キシル(例、低級(C1-4)アルキルエステル(メチル
エステル、エチルエステルなど)または上記した式−O
−CH(R4)−OCOR5で示される基がカルボニルと
結合したエステルなど)、保護されていてもよいテトラ
ゾリル、ヒドロキシメチルなどが好ましい。上記一般式
(I)中、Raで表される置換されていてもよい芳香族
炭化水素残基における芳香族炭化水素残基としては、単
環式または縮合多環式芳香族炭化水素基が挙げられ、例
えばフェニル、ナフチル(1−ナフチル,2−ナフチ
ル)、アントリル、フェナントリル、アセナフチレニル
などが挙げられ、なかでもフェニル、1−ナフチル、2
−ナフチルなどが好ましい。
【0014】Raで表される芳香族炭化水素残基は、そ
の任意の位置に置換基を1個以上、好ましくは1ないし
3個有していてもよい。かかる置換基としては、脂肪族
鎖式炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素
基、芳香族複素環基、非芳香族複素環基、ハロゲン原
子、置換されていてもよいアミノ基、置換されていても
よいアシル基、置換されていてもよい水酸基、置換され
ていてもよいチオール基、アミド化もしくはエステル化
されていてもよいカルボキシル基、エステル化されてい
てもよいホスホノ基などが挙げられる。該脂肪族鎖式炭
化水素基としては、直鎖状または分枝鎖状の脂肪族炭化
水素基、例えばアルキル基、好ましくは炭素数1〜10
のアルキル基、アルケニル基、好ましくは炭素数2〜1
0のアルケニル基、アルキニル基、好ましくは炭素数2
〜10のアルキニル基、などが挙げられる。該アルキル
基としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプ
ロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、ter
t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、
tert−ペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、
イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメ
チルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチ
ル、ヘキシル、ペンチル、オクチル、ノニル、デシルな
どが挙げられる。該アルケニル基としては、例えばビニ
ル、アリル、イソプロペニル、1−プロペニル、2−メ
チル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、
3−ブテニル、2−エチル−1−ブテニル、3−メチル
−2−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3
−ペンテニル、4−ペンテニル、4−メチル−3−ペン
テニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセ
ニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニルなどが挙げられ
る。該アルキニル基としては、例えばエチニル、1−プ
ロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニ
ル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、
3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、2
−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−
ヘキシニルなどが挙げられる。
【0015】該脂環式炭化水素基としては、飽和または
不飽和の脂環式炭化水素基、例えばシクロアルキル基、
シクロアルケニル基、シクロアルカジエニル基などが挙
げられる。該シクロアルキル基の好適な例としては、例
えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、
シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ビ
シクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.
2]オクチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシ
クロ[3.2.2]ノニル、ビシクロ[3.3.1]ノ
ニル、ビシクロ[4.2.1]ノニル、ビシクロ[4.
3.1]デシルなどの炭素数3〜10程度のシクロアル
キル基が挙げられる。該シクロアルケニル基の好適な例
としては、例えば2−シクロペンテン−1−イル、3−
シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−
イル、3−シクロヘキセン−1−イルなどの炭素数5〜
6程度のシクロアルケニル基が挙げられる。該シクロア
ルカジエニル基の好適な例としては、例えば2,4−シ
クロペンタジエン−1−イル、2,4−シクロヘキサジ
エン−1−イル、2,5−シクロヘキサジエン−1−イ
ルなどの炭素数5〜6程度のシクロアルカジエニル基が
挙げられる。該芳香族炭化水素基としては、単環式また
は縮合多環式芳香族炭化水素基が挙げられ、好適な例と
しては、例えばフェニル、ナフチル、アントリル、フェ
ナントリル、アセナフチレニルなどが挙げられ、なかで
もフェニル、1−ナフチル、2−ナフチルなどが好まし
い。
【0016】該芳香族複素環基としては、芳香族単環式
複素環基(例、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾ
リル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリ
ル、イミダゾリル、ピラゾリル、1,2,3−オキサジ
アゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4
−オキサジアゾリル、フラザニル、1,2,3−チアジ
アゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−
チアジアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,
4−トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジ
ニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニルな
ど)、芳香族縮合複素環基(例、ベンゾフラニル、イソ
ベンゾフラニル、ベンゾ[b]チエニル、インドリル、
イソインドリル、1H−インダゾリル、ベンゾイミダゾ
リル、ベンゾオキサゾリル、1,2−ベンゾイソオキサ
ゾリル、ベンゾチアゾリル、1,2−ベンゾイソチアゾ
リル、1H−ベンゾトリアゾリル、キノリル、イソキノ
リル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、
フタラジニル、ナフチリジニル、プリニル、プテリジニ
ル、カルバゾリル、α−カルボリニル、β−カルボリニ
ル、γ−カルボリニル、アクリジニル、フェノキサジニ
ル、フェノチアジニル、フェナジニル、フェノキサチイ
ニル、チアントレニル、フェナトリジニル、フェナトロ
リニル、インドリジニル、ピロロ[1,2−b]ピリダ
ジニル、ピラゾロ[1,5−a]ピリジル、イミダゾ
[1,2−a]ピリジル、イミダゾ[1,5−a]ピリ
ジル、イミダゾ[1,2−b]ピリダジニル、イミダゾ
[1,2−a]ピリミジニル、1,2,4−トリアゾロ
[4,3−a]ピリジル、1,2,4−トリアゾロ
[4,3−b]ピリダジニルなど)などが挙げられる。
【0017】該非芳香族複素環基としては、例えばオキ
シラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、
ピロリジニル、テトラヒドロフリル、チオラニル、ピペ
リジニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チオ
モルホリニル、ピペラジニルなどが挙げられる。該ハロ
ゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素が
あげられる。該置換されていてもよいアミノ基として
は、直鎖状または分枝鎖状の脂肪族炭化水素基(好まし
くは、炭素数1〜10のアルキル、炭素数2〜10のア
ルケニルなど)、脂環式炭化水素基(好ましくは、炭素
数3〜7のシクロアルキルなど)、芳香族基(上記環A
で表される芳香族炭化水素残基または芳香族複素環残基
と同様の基;好ましくは、フェニルなど)または炭素数
2〜10のアシル基(好ましくは、炭素数2〜10のア
ルカノイル、ベンゾイルなど)が1または2個アミノ基
(−NH2基)に置換したもの(例、メチルアミノ、ジ
メチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ、ジブチ
ルアミノ、ジアリルアミノ、シクロヘキシルアミノ、フ
ェニルアミノ、N−メチル−N−フェニルアミノ、アセ
チルアミノ、プロピオニルアミノ、ベンゾイルアミノ
等)などがあげられる。該置換されていてもよいアシル
としては、ホルミルまたは直鎖状または分枝鎖状の脂肪
族炭化水素基(好ましくは、炭素数1〜10のアルキ
ル、炭素数2〜10のアルケニルなど)、脂環式炭化水
素基(好ましくは、炭素数3〜7のシクロアルキル、炭
素数3〜7のシクロアルケニルなど)、あるいは上記芳
香族基(好ましくは、フェニル、ピリジルなど)とカル
ボニル基とが結合したもの(例、アセチル、プロピオニ
ル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリ
ル、ピバロイル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタ
ノイル、シクロブタノイル、シクロペンタノイル、シク
ロヘキサノイル、シクロヘプタノイル、クロトニル、2
−シクロヘキセンカルボニル、ベンゾイル、ニコチノイ
ル等)があげられる。
【0018】該置換されていてもよい水酸基としては、
水酸基およびこの水酸基に適宜の置換基、特に水酸基の
保護基として用いられるものを有した、例えばアルコキ
シ、アルケニルオキシ、アラルキルオキシ、アシルオキ
シ、アリールオキシなどがあげられる。該アルコキシと
しては、炭素数1〜10のアルコキシまたは炭素数4〜
7のシクロアルキルオキシ(例、メトキシ、エトキシ、
プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキ
シ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチル
オキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、ヘ
キシルオキシ、ヘプチルオキシ、ノニルオキシ、シクロ
ブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシル
オキシなど)などが挙げられる。該アルケニルオキシと
しては、アリル(allyl)オキシ、クロチルオキシ、2
−ペンテニルオキシ、3−ヘキセニルオキシ、2−シク
ロペンテニルメトキシ、2−シクロヘキセニルメトキシ
などの炭素数2〜10のアルケニルオキシまたは炭素数
4〜7のシクロアルケニルオキシなどが挙げられる。該
アラルキルオキシとしては、例えばフェニル−C1-4
ルキルオキシ(例、ベンジルオキシ、フェネチルオキシ
など)が挙げられる。該アシルオキシとしては、炭素数
2〜4のアルカノイルオキシ(例、アセチルオキシ、プ
ロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、イソブチリルオキ
シなど)が好ましい。該アリールオキシとしては、ハロ
ゲン、ニトロ、低級(C1-4)アルキルなどで置換され
ていてもよいフェノキシ、ナフトキシなどのアリールオ
キシ(例、フェノキシ、4−クロロフェノキシなど)が
挙げられる。
【0019】該置換されていてもよいチオ−ル基として
は、チオ−ル基およびこのチオ−ル基に適宜の置換基、
特にチオ−ル基の保護基として用いられるものを有し
た、例えばアルキルチオ、アラルキルチオ、アシルチオ
などがあげられる。該アルキルチオとしては、炭素数1
〜10のアルキルチオまたは炭素数4〜7のシクロアル
キルチオ(例、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチ
オ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、
sec−ブチルチオ、tert−ブチルチオ、ペンチル
チオ、イソペンチルチオ、ネオペンチルチオ、ヘキシル
チオ、ヘプチルチオ、ノニルチオ、シクロブチルチオ、
シクロペンチルチオ、シクロヘキシルチオなど)などが
挙げられる。該アラルキルチオとしては、例えばフェニ
ル−C1-4アルキルチオ(例、ベンジルチオ、フェネチ
ルチオなど)などがあげられる。該アシルチオとして
は、炭素数2〜4のアルカノイルチオ(例、アセチルチ
オ、プロピオニルチオ、ブチリルチオ、イソブチリルチ
オなど)などが挙げられる。該アミド化されていてもよ
いカルボキシル基としては、カルバモイル基、N−モノ
置換カルバモイル基(例、メチルカルバモイル、エチル
カルバモイル、シクロヘキシルカルバモイル、フェニル
カルバモイルなど)、N,N−ジ置換カルバモイル基
(例、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、
ジブチルカルバモイル、ジアリルカルバモイル、N−メ
チル−N−フェニルカルバモイル等)など、置換されて
いてもよいアミノ基[例、直鎖状または分枝鎖状の脂肪
族炭化水素基(好ましくは、炭素数1〜10のアルキ
ル、炭素数2〜10のアルケニルなど)、脂環式炭化水
素基(好ましくは、炭素数3〜7のシクロアルキルな
ど)、芳香族基(上記環Aで表される芳香族炭化水素残
基または芳香族複素環残基と同様の基;好ましくは、フ
ェニルなど)または炭素数2〜10のアシル基(好まし
くは、炭素数2〜10のアルカノイル、ベンゾイルな
ど)が1または2個アミノ基(−NH2基)に置換した
もの(例、メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミ
ノ、ジエチルアミノ、ジブチルアミノ、ジアリルアミ
ノ、シクロヘキシルアミノ、フェニルアミノ、N−メチ
ル−N−フェニルアミノ、アセチルアミノ、プロピオニ
ルアミノ、ベンゾイルアミノ等)など]がカルボニル基
とが結合したものがあげられる。
【0020】該エステル化されていてもよいカルボキシ
ル基のエステル体としては、カルボキシル基と炭素数1
〜6のアルキル基が結合したもの、例えばメトキシカル
ボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、
イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソ
ブトキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニル、t
ert−ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニ
ル、ヘキシルオキシカルボニル等、カルボキシル基と炭
素数3〜6のアルケニル基が結合したもの、アリル(al
lyl)オキシカルボニル、クロチルオキシカルボニル、
2−ペンテニルオキシカルボニル、3−ヘキセニルオキ
シカルボニル等、カルボニル基とアラルキル基(例、フ
ェニル−C1-4アルキルなど)が結合したもの、例えば
ベンジルオキシカルボニル、フェネチルオキシカルボニ
ル等が挙げられる。該エステル化されていてもよいホス
ホノ基としては、P(O)(OR6)(OR7)[式中、R6
よびR7は同一または異なって水素あるいは低級
(C1-6)アルキル(例、メチル,エチル,プロピル,
イソプロピル,ブチル,イソブチル,sec−ブチル,
tert−ブチル,ペンチル,イソペンチル,ネオペン
チル,ヘキシルなど)を示すか、または互いに結合して
環を形成していてもよい]で表される基が挙げられる。
【0021】一般式(I)中、Raで表される置換され
ていてもよい炭化水素残基における置換基は、さらにそ
れぞれ適当な置換基を1個以上、好ましくは1〜3個置
換可能な位置に有していてもよい。かかる置換基として
は、例えば低級(C1-6)アルキル基(例、メチル、エ
チル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、
sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペ
ンチル、ネオペンチル、ヘキシルなど)、低級
(C2-6)アルケニル基(例、ビニル、アリル、イソプ
ロペニル、1−プロペニル、2−メチル−1−プロペニ
ル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−
エチル−1−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1
−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−
ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニル、1−ヘキセ
ニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニ
ル、5−ヘキセニルなど)、低級(C2-6)アルキニル
基(例、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、
1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペン
チニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチ
ニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニ
ル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニルなど)、炭素数3
〜7のシクロアルキル基(例、シクロプロピル、シクロ
ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプ
チルなど)、アリール基(例、フェニル、1−ナフチ
ル、2−ナフチルなど)、芳香族複素環基、非芳香族複
素環基、アシル基、カルバモイル基、N−モノ置換カル
バモイル基(例、直鎖状または分枝鎖状の脂肪族炭化水
素基(好ましくは、炭素数1〜10のアルキル、炭素数
2〜10のアルケニルなど)、脂環式炭化水素基(好ま
しくは、炭素数3〜7のシクロアルキルなど)、芳香族
基(上記環Aで表される芳香族炭化水素残基または芳香
族複素環残基と同様の基;好ましくは、フェニルなど)
または炭素数2〜10のアシル基(好ましくは、炭素数
2〜10のアルカノイル、ベンゾイルなど)などの置換
基を1個有するカルバモイル、例えば、メチルカルバモ
イル、エチルカルバモイル、シクロヘキシルカルバモイ
ル、フェニルカルバモイルなど)、N,N−ジ置換カル
バモイル基(例、直鎖状または分枝鎖状の脂肪族炭化水
素基(好ましくは、炭素数1〜10のアルキル、炭素数
2〜10のアルケニルなど)、脂環式炭化水素基(好ま
しくは、炭素数3〜7のシクロアルキルなど)、芳香族
基(上記環Aで表される芳香族炭化水素残基または芳香
族複素環残基と同様の基;好ましくは、フェニルなど)
または炭素数2〜10のアシル基(好ましくは、炭素数
2〜10のアルカノイル、ベンゾイルなど)などの置換
基を2個有するカルバモイル、例えば、ジメチルカルバ
モイル、ジエチルカルバモイル、ジブチルカルバモイ
ル、ジアリルカルバモイル、N−メチル−N−フェニル
カルバモイル等)、スルファモイル基、N−モノ置換ス
ルファモイル基(例、直鎖状または分枝鎖状の脂肪族炭
化水素基(好ましくは、炭素数1〜10のアルキル、炭
素数2〜10のアルケニルなど)、脂環式炭化水素基
(好ましくは、炭素数3〜7のシクロアルキルなど)、
芳香族基(上記環Aで表される芳香族炭化水素残基また
は芳香族複素環残基と同様の基;好ましくは、フェニル
など)または炭素数2〜10のアシル基(好ましくは、
炭素数2〜10のアルカノイル、ベンゾイルなど)など
の置換基を1個有するスルファモイル、例えば、メチル
スルファモイル、エチルスルファモイル、シクロヘキシ
ルスルファモイル、フェニルスルファモイルなど)、
N,N−ジ置換スルファモイル基(例、直鎖状または分
枝鎖状の脂肪族炭化水素基(好ましくは、炭素数1〜1
0のアルキル、炭素数2〜10のアルケニルなど)、脂
環式炭化水素基(好ましくは、炭素数3〜7のシクロア
ルキルなど)、芳香族基(上記環Aで表される芳香族炭
化水素残基または芳香族複素環残基と同様の基;好まし
くは、フェニルなど)または炭素数2〜10のアシル基
(好ましくは、炭素数2〜10のアルカノイル、ベンゾ
イルなど)などの置換基を2個有するカルバモイル、例
えば、ジメチルスルファモイル、ジエチルスルファモイ
ル、ジブチルスルファモイル、ジアリルスルファモイ
ル、N−メチル−N−フェニルスルファモイル等)、カ
ルボキシル基、低級(C1-6)アルコキシカルボニル基
(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロ
ポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキ
シカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec−ブト
キシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、ペン
チルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル
等)、低級(C1-6)アルキルチオ基(例、メチルチ
オ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブ
チルチオ、イソブチルチオ、sec−ブチルチオ、te
rt−ブチルチオ、ペンチルチオ、イソペンチルチオ、
ネオペンチルチオ、ヘキシルチオなど)、アリ−ルチオ
基(例、フェニルチオ、1−ナフチルチオ、2−ナフチ
ルチオなど)、スルホ基、シアノ基、ハロゲン原子
(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、ホスホノ基など
が挙げられる。該芳香族複素環基、非芳香族複素環基、
アシル基としては、前記Raで表される置換されていて
もよい芳香族炭化水素残基における置換基として定義し
たのと同様なものが挙げられる。
【0022】一般式(I)中、Raとしては、例えば、
【化8】 (式中、R3はシアノまたは陰イオンを形成しうる基あ
るいはそれに変じ得る基を示し、Xはフェニレン基とフ
ェニル基が直接または原子鎖2以下のスペーサーを介し
て結合していることを示す)で表される基を示すものが
挙げられる。R3としての陰イオンを形成しうる基(プ
ロトンとして遊離しうる水素原子を有する基)あるいは
それに変じ得る基としては、以下に示すようなN,S,
Oのうちの1個または2個以上を含む5〜7員(好まし
くは5〜6員)の単環状の置換されていてもよい複素環
残基(好ましくは、脱プロトン化し得る水素原子を有す
る含窒素複素環残基)または生体内でそれに変じ得る基
が挙げられる。例えば、
【化9】 などが挙げられ、また、式R3で表される基と該基が結
合するフェニル基との結合は、上記に示すような炭素−
炭素結合だけでなく、上記式中g=−NH−を示す時な
どは複数個存在する窒素原子の1つを介して結合してい
てもよい。例えば、
【0023】
【化10】 〔上記式中、gは−CH2−、−NR8−、O原子または
−S(O)m−を示し、>=Z,>=Z’および>=Z''
はそれぞれカルボニル基,チオカルボニル基または酸化
されていてもよい硫黄原子(例、S,S(O),S
(O)2など)(好ましくはカルボニルまたはチオカルボ
ニル基、さらに好ましくはカルボニル基)を示し、mは
0,1または2を示し、R8は水素原子または置換され
ていてもよい低級アルキル基(例、メチル,エチル,プ
ロピル,イソプロピル,ブチル,sec-ブチル, t-ブチル
などの低級(C1-4)アルキル)を示す。〕
【0024】R3としては、例えば2,5−ジヒドロ−5
−オキソ−1,2,4−オキサジアゾール環残基、2,5
−ジヒドロ−5−チオキソ−1,2,4−オキサジアゾー
ル環残基または2,5−ジヒドロ−5−オキソ−1,2,
4−チアジアゾール環残基のようなプロトンドナーとし
ての−NHや−OH基とプロトンアクセプターとしての
カルボニル基,チオカルボニル基またはスルフィニル基
等を同時に有する基が好ましい。また、R3で示される
複素環残基は、環上の置換基が結合して縮合環を形成し
ていてもよいが、R3としては、5−6員環さらに5員
環の複素環残基が好ましい。 R3としては、とりわけ式
【化11】 〔式中、iは−O−または−S−を示し、jは>C=
0,>C=Sまたは>S(O)m を示し、mは0,1また
は2を示す〕で示される基(なかでも、2,5−ジヒド
ロ−5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イ
ル,2,5−ジヒドロ−5−チオキソ−1,2,4−オキ
サジアゾール−3−イル,2,5−ジヒドロ−5−オキ
ソ−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)が好まし
い。R3の置換位置は、オルト,メタ,パラのいずれの
位置でもよいが、なかでもオルト位が好ましい。
【0025】また、上記複素環残基(R3)は下記に示
すような互変異性体が存在する。例えば、
【化12】 のようなa,bおよびcの3つの互変異性体が存在する
が式
【化13】 で示される複素環残基は上記のa,bおよびcすべてを
含むものである。さらに、R3としての陰イオンを形成
しうる基またはそれに変じ得る基としては、カルボキシ
ル基、テトラゾリル基、リン酸基、スルホン酸基(好ま
しくはテトラゾリル)などでもよく、これらの基が置換
されていてもよい低級アルキル基またはアシル基などで
保護されていてもよく、生物学的すなわち生理的条件下
(例えば、生体内酵素などによる酸化、還元あるいは加
水分解などの生体内反応など)で、または化学的に陰イ
オンを形成しうる基またはそれに変じ得る基であればい
ずれでもよい。
【0026】前記R3としては、シアノ、置換されてい
てもよい低級(C1-4)アルキル(例、メチル,トリフ
ェニルメチル,メトキシメチル,エトキシメチル,p−
メトキシベンジル,p−ニトロベンジルなどのように、
低級(C1-4)アルコキシで置換されていてもよい低級
(C1-4)アルキルまたはハロゲン、ニトロ、低級(C1
-4)アルコキシなどで置換されていてもよいフェニルを
1〜3個有する低級(C1-4)アルキルなど)もしくは
アシル基(例、低級(C2-5)アルカノイル,ベンゾイ
ルなど)で保護されていてもよいテトラゾリルあるいは
カルボキシル基が好ましい。R3の置換位置としては、
オルト、メタ、パラのいずれの位置でもよいが、なかで
もオルト位が好ましい。Xは隣接するフェニレン基とフ
ェニル基が直接または原子鎖2以下のスペーサーを介し
て結合していること(好ましくは直接結合)を示し、原
子鎖2以下のスペーサーとしては、直鎖部分を構成する
原子数が1または2である2価の鎖であればいずれでも
よく、側鎖を有していてもよい。具体的には低級(C
1-4)アルキレン、−CO−,−O−,−S−,−NH
−,−CO−NH−,−O−CH2−,−S−CH2−,
−CH=CH−などが挙げられる。
【0027】一般式(I)中、R1で表されるエステル
化またはアミド化されていてもよいカルボキシル基とし
ては、例えば、式−CO−D〔式中、Dは水酸基、置換
されていてもよいアミノ(例えば、アミノ、N−低級
(C1-4)アルキルアミノ(例、メチルアミノ,エチル
アミノなど)、N,N−ジ低級(C1-4)アルキルアミ
ノ(例、ジメチルアミノ,ジエチルアミノ,ジブチルア
ミノなど)など)または置換されていてもよいアルコキ
シ(好ましくは、低級(C1-6)アルコキシ基)〕で表
される基などが挙げられるが、好ましくは、エステル化
されていてもよいカルボキシル基、さらに好ましくは低
級(C1-6)アルキルオキシカルボニル(例、t−ブチ
ルオキシカルボニルなど)が挙げられる。
【0028】置換基R1としては、本発明における接触
水素化に耐え得るものであればいずれでもよいが、接触
水素化後除去し易いものが好ましい。例えば、カルボキ
シル及びその金属塩(例、リチウム,カリウム,ナトリ
ウムなどのアルカリ金属塩、マグネシウム,カルシウム
などのアルカリ土類金属塩など)、低級(C1-6)アル
キルオキシカルボニル(例、メトキシカルボニル、エト
キシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキ
シカルボニル、イソブチルオキシカルボニル、t−ブト
キシカルボニル、t−アミルオキシカルボニルなど)、
低級(C3-6)シクロアルキルオキシカルボニル(例、
シクロブトキシカルボニル、シクロペンチルオキシカル
ボニル、シクロヘキシルオキシカルボニルなど)、1−
アダマンチルオキシカルボニル、イソボルニルオキシカ
ルボニル、低級(C2-6)アルケニルオキシカルボニル
(例、ビニルオキシカルボニル、アリルオキシカルボニ
ルなど)、フェニル−低級(C2-3)アルケニルオキシ
カルボニル(例、シンナミルオキシカルボニルなど)、
フェニルオキシカルボニル、8−キナノイルオキシカル
ボニル、フェニル−低級(C1-3)アルキルオキシカル
ボニル(例、ベンジルオキシカルボニルなど)等が挙げ
られるが、特にt−ブトキシカルボニルなどが好まし
い。Qで表される還元によりアミノ基にかわり得る基と
しては、ニトロ、ニトロソ、ヒドロキシアミノ、アジド
またはヒドラジンなどが挙げられる。
【0029】本発明において、一般式(I)としては、
例えば、一般式(I'):
【化14】 (式中、R1はエステル化またはアミド化されていても
よいカルボキシル基を示し、R2は陰イオンを形成し得
る基またはそれに変じ得る基を示し、R3は陰イオンを
形成しうる基またはそれに変じ得る基を示し、環AはR
2で表わされる基以外にさらに置換基を有していてもよ
いベンゼン環を示す)で表される化合物が挙げられる。
【0030】本発明において、原料となるアリールメチ
ルアミン誘導体(例、ベンジルアミン誘導体など)のR
1による保護体は、例えば、原料となるアリールメチル
アミン誘導体とカーボネート誘導体を反応させる方法、
アミンのカルバメート体をアリールメチルハライド
(例、ベンジルハライド)と反応させる方法のいずれか
の方法で得ることができる。ここで、アリールとは、芳
香族炭化水素基を意味する。アリールメチルアミン誘導
体とカーボネート誘導体との反応では、例えば、塩基性
条件下(例、トリエチルアミン,ピリジン,炭酸カリウ
ム,炭酸ナトリウム,水酸化カリウム,水酸化ナトリウ
ムなど)、通常の溶媒中(例、クロロホルム,塩化メチ
レン,テトラヒドロフラン,アセトニトリル,ピリジ
ン,水など)で反応させて、アリールメチルアミン誘導
体のR1による保護体を得る。カーボネート誘導体とし
ては、クロロ炭酸エステル(例、メチルエステル,エチ
ルエステル,t−ブチルエステルなど)、無水炭酸エス
テルなどが挙げられる。反応条件としては、通常アリー
ルメチルアミン誘導体1モルに対して、1〜3モル程度
の上記カーボネート誘導体および1〜3モル程度の塩基
存在下、氷温ないし溶媒還流温度程度(例、0℃〜10
0℃程度)で約1〜10時間程度で行うのが好ましい。
一方、アミンのカルバメート体とアリールメチルハライ
ドとの反応は、塩基存在下、行うものである。アミンの
カルバメート体1モルに対して、塩基1〜3モル程度お
よびアリールメチルハライド1〜3モル程度を使用し
て、通常ジメチルホルムアミド,ジメチルアセトアミ
ド,ジメチルスルホキシド,アセトニトリル,アセト
ン,メチルエチルケトン,テトラヒドロフラン,ジオキ
サンなどの溶媒中で行う。かかる塩基としては、水素化
ナトリウム,t−ブトキシカリウム,炭酸カリウムおよ
び炭酸ナトリウムなどを用いる。アリールメチルハライ
ドは塩化物,臭化物,ヨウ化物などとして用いる。反応
条件としては、用いる塩基、アリールメチルハライドの
組み合わせによって異なるが、通常、氷温ないし溶媒還
流温度程度(例、0℃〜100℃程度)で1〜10時間
程度行うのが好ましい。また、保護基R1がアミド化さ
れたカルボキシル基である場合には、アミド化されたカ
ルボキシル基で保護したアミン誘導体をアリールメチル
ハライド(例、ベンジルハライドなど)と反応させる方
法で得ることができる。反応は相当するアミン誘導体を
アリールメチルハライドと塩基存在下行うものである。
相当するアミン誘導体1モルに対して、塩基1〜3モル
程度およびアリールメチルハライド1〜3モル程度を使
用して、通常ジメチルホルムアミド,ジメチルアセトア
ミド,ジメチルスルホキシド,アセトニトリル,アセト
ン,メチルエチルケトン,テトラヒドロフラン,ジオキ
サンなどの溶媒中で行う。かかる塩基としては、水素化
ナトリウム,t−ブトキシカリウム,炭酸カリウムおよ
び炭酸ナトリウムなどを用いる。アリールメチルハライ
ドは塩化物,臭化物,ヨウ化物などとして用いる。反応
条件としては、用いる塩基、アリールメチルハライドの
組み合わせによって異なるが、通常、氷温ないし溶媒還
流温度程度(例、0℃〜100℃程度)で1〜10時間
程度行うのが好ましい。
【0031】このようにして得られたアリールメチルア
ミンのR1による保護体は、脱アリールメチル化が進行
することなく官能基(還元によりアミノ基にかわり得る
基)をPd系触媒で水素化できる。溶媒としては、水素
化反応に使用される溶媒であればいずれでもよいが、好
ましくは、水の他、メタノール、エタノールなどのアル
コール、ジクロルメタン、ジクロルエタンなどのハロゲ
ン化炭化水素、トルエン、ベンゼンなどの芳香族炭化水
素、エーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶
媒、酢酸エチルなどの酢酸エステル、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。反応
は、通常、水素雰囲気ないし約100Kg/cm2の圧
力範囲で、好ましくは水素雰囲気ないし約20Kg/c
2の圧力範囲で行われる。反応温度は、通常、約−1
0℃ないし約100℃、好ましくは、約0℃ないし約6
0℃の範囲で行われる。パラジウム系触媒としては、Q
で表される基をアミノ基へ還元できるものであればいず
れでもよいが、例えば、パラジウムブラック,パラジウ
ムカーボン,パラジウムアルミナ,パラジウムシリカ,
パラジウムシリカアルミナ,パラジウムゼオライト,パ
ラジウムチタニア,酸化パラジウムなどが挙げられる。
【0032】接触還元反応後、常法により簡単にR1
除去できる。例えば、還元反応生成物1モルに対して、
1〜20モル程度の酸を用いて除去することができる。
反応は、通常水の他、メタノール,エタノールなどのア
ルコール、ジクロルメタン,ジクロルエタンなどのハロ
ゲン化炭化水素、トルエン,ベンゼンなどの芳香族炭化
水素、エーテル,テトラヒドロフランなどのエーテル系
溶媒、酢酸エチルなどの酢酸エステル、アセトニトリル
などの溶媒中で行う。酸としては、酢酸,ギ酸,トリフ
ルオロ酢酸などの酸やヨウ化トリメチルシラン,AlCl
3などで容易に除去できる。反応条件は用いる酸および
溶媒の組み合わせによって異なるが、氷温ないし溶媒還
流温度程度(例、0℃〜100℃程度)で、0.5〜2
0時間程度、好ましくは0.5〜10時間程度で行われ
る。本発明は、例えば医薬として有用なアンギオテンシ
ンII拮抗作用を有するベンズイミダゾール誘導体の重要
な中間原料であるアルキル 1−(2′−シアノビフェ
ニル−4−イル)メチル−2−エトキシベンズイミダゾ
ール−7−カルボキシラートの製造に有利に使用され
る。この化合物は特開平4−364171号公報などの
方法によって強力なアンギオテンシンII拮抗作用を有す
るベンズイミダゾール誘導体へ導くことができる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下に、実施例および参考例を挙
げて、本発明を更に詳しく説明するが、これらは本発明
の単なる実例に過ぎず、本発明がこれらに限定されるも
のではない。
【0034】
【実施例】
実施例1 メチル 2−[N−tert−ブトキシカルボニル−N
−(2′−シアノビフェニル−4−イル)メチルアミ
ノ]−3−ニトロベンゾアート(7.37g)、5%P
d炭素(0.64g)をテトラヒドロフラン(30m
l)およびメタノール(30ml)に混ぜ、室温、水素
圧4.0Kg/cm2で約6時間反応した。Pd炭素を
濾去後、濾液を濃縮してメチル 3−アミノ−2−[N
−tert−ブトキシカルボニル−N−(2′−シアノ
ビフェニル−4−イル)メチルアミノ]ベンゾアート
(6.52g、収率95.0%)を含む油状物を得た。
この油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジ
クロルメタン:メタノール=100:3)に付し、メチ
ル 3−アミノ−2−[N−tert−ブトキシカルボ
ニル−N−(2′−シアノビフェニル−4−イル)メチ
ルアミノ]ベンゾアートを得た。1 H−NMR(90MHz,DMSO-d6)δ:1.2
9(6H,s),1.49(3H,s),3.51(3
H,s),4.25(2H,d),5.07(2H,b
r),6.98〜7.97(11H,m). 実施例2 メチル 3−アミノ−2−[N−tert−ブトキシカ
ルボニル−N−(2′−シアノビフェニル−4−イル)
メチルアミノ]ベンゾアート(6.48g)を酢酸エチ
ル(38ml)に溶解し、約10℃で濃塩酸(14.3
4g)滴下後、約25℃で1時間反応した。反応液に水
(25ml)を加え、6N水酸化ナトリウムで中和し、
酢酸エチル(50ml)を加えて抽出した後、分液し得
られた有機層を濃縮して、メチル 3−アミノ−2−
(2′−シアノビフェニル−4−イル)メチルアミノベ
ンゾアート(4.89g、収率96.6%)を含む油状
物を得た。
【0035】実施例3 メチル 2−[N−tert−ブトキシカルボニル−N
−[2′−(N−トリフェニルメチル−1H−テトラゾ
ール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチルアミ
ノ]−3−ニトロベンゾアート(2.65g)、5%P
d炭素(0.14g)をテトラヒドロフラン(13m
l)およびメタノール(13ml)に混ぜ、室温、水素
圧4.0Kg/cm2で5時間反応後、5%Pd炭素
(0.14g)を追加し、さらに8時間反応した。Pd
炭素を濾去後、濾液を濃縮してメチル3−アミノ−2−
[N−tert−ブトキシカルボニル−N−[2′−
(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イ
ル]メチルアミノ]ベンゾアート(1.60g、収率9
4.5%)を含む油状物(2.48g)を得た。この油
状物にメタノール(10ml)を加えて晶出し、結晶を
濾取するとメチル 3−アミノ−2−[N−tert−
ブトキシカルボニル−N−[2′−(1H−テトラゾー
ル−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチルアミノ]
ベンゾアート(結晶:0.88g、収率51.8%)を
得た。1 H−NMR(90MHz,DMSO-d6)δ:1.1
9(6H,s),1.36(3H,s),3.42(3
H,s),4.41(2H,br),6.88〜7.6
2(11H,m).
【0036】参考例1 メチル 2−[N−(2′−シアノビフェニル−4−イ
ル)メチルアミノ]−3−ニトロベンゾアート(1.9
7g)、5%Pd炭素(0.21g)をテトラヒドロフ
ラン(20ml)およびメタノール(10ml)に混
ぜ、室温、水素圧4.0Kg/cm2で1.5時間反応
した。Pd炭素を濾去後、濾液を高速液体クロマトグラ
フィー分析により脱ベンジルされた2−(4−メチルフ
ェニル)ベンゾニトリル(1.23g、収率89.2
%)が生成した。
【0037】
【発明の効果】本発明のアリールメチルアミン誘導体
(例、ベンジルアミン誘導体など)の製造法によると、
工業的に有利なPd触媒での接触水素化法において、脱
アリールメチル化を抑制することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 521/00 // C07B 61/00 300

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I): 【化1】 (式中、環AはQ以外にさらに置換基を有していてもよ
    い芳香族炭化水素または芳香族複素環残基を示し、R1
    はエステル化またはアミド化されていてもよいカルボキ
    シル基を示し、Raは置換されていてもよい芳香族炭化
    水素残基を示し、Qは還元によりアミノ基に変わり得る
    基を示す)で表される化合物をパラジウム触媒で接触還
    元させた後、R1基を除去することを特徴とする、 【化2】 (式中、各記号は前記と同意義を示す)で表される化合
    物の製造法。
  2. 【請求項2】R1がエステル化されていてもよいカルボ
    キシル基である請求項1記載の製造法。
  3. 【請求項3】エステル化されていてもよいカルボキシル
    基がアルキルオキシカルボニルである請求項2記載の製
    造法。
  4. 【請求項4】アルキルオキシカルボニルがt−ブチルオ
    キシカルボニルである請求項3記載の製造法。
  5. 【請求項5】Raが式: 【化3】 (式中、R3はシアノまたは陰イオンを形成しうる基も
    しくはそれに変じ得る基を示し、Xはフェニレン基とフ
    ェニル基が直接または原子鎖2以下のスペーサーを介し
    て結合していることを示す)で表される基である請求項
    1記載の製造法。
  6. 【請求項6】陰イオンを形成しうる基が、脱プロトン化
    しうる水素原子を有する、置換されていてもよい5ない
    し7員の単環状複素環残基あるいはそれに変じ得る基で
    ある請求項5記載の製造法。
  7. 【請求項7】一般式(I)で表される化合物が一般式: 【化4】 (式中、R1はエステル化またはアミド化されていても
    よいカルボキシル基を示し、R2は陰イオンを形成し得
    る基またはそれに変じ得る基を示し、R3は陰イオンを
    形成しうる基またはそれに変じ得る基を示し、環AはR
    2で表わされる基以外にさらに置換基を有していてもよ
    いベンゼン環を示す)で表される化合物である請求項1
    記載の製造法。
JP7173817A 1994-07-12 1995-07-11 アリールメチルアミン誘導体の接触還元法 Withdrawn JPH0881421A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012036104A (ja) * 2010-08-04 2012-02-23 Dainippon Printing Co Ltd カンデサルタンシレキセチルの製造法

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