JP5614089B2 - 樹脂複合物の溶解処理装置、及び、樹脂複合物の溶解処理方法 - Google Patents
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Description
また、電気製品等の樹脂製の廃材が複数の樹脂(たとえば、下地としてのポリプロピレン樹脂と表面に塗膜としてのポリウレタン樹脂)を含んでいる場合、複数の樹脂を含む樹脂複合物から再利用する樹脂(たとえば、ポリプロピレン樹脂)を回収することが要望されており、様々な技術が研究開発されている。
また、上記の樹脂複合物を処理する際、低コストで効率よく連続的に処理することが要望されていた。すなわち、地球資源の有効活用などを積極的に促進するためには、経済性や生産性などに優れた実用的な技術を確立し、その実用的な技術を広く普及させる必要があるからである。
図1は、本発明の第一実施形態にかかる溶解処理装置を説明するための要部の概略図を示している。
図1において、本実施形態の溶解処理装置1は、投入手段2、溶解槽3a、3b、3c、回収排出手段5、及び、処理液再利用手段6を備えた構成としてある。
この溶解処理装置1は、少なくともポリウレタン樹脂とポリプロピレン樹脂とで形成された樹脂複合物10(適宜、複合物10と略称する。)のポリウレタン樹脂(図示せず)を溶解して、ポリウレタン樹脂を分離し、ポリプロピレン樹脂11を排出(回収)する。
本実施形態では、複合物10は、通常、下地としてのポリプロピレン樹脂(PP)、及び、表面に塗膜としてのポリウレタン樹脂などを含んでいる。なお、本発明の樹脂複合物は、少なくともポリウレタン樹脂とポリプロピレン樹脂とで形成されたものを総称している。
また、複合物10は、粉砕手段(図示せず)により、最大長が約数mm(好ましくは、約2mm〜10mm、より好ましくは、約2mm〜6mm)となるよう粒子状にあらかじめ粉砕してある(ペレット化してある)。さらに、上記サイズにペレット化したものを処理すると、溶解処理後に得られるポリプロピレン樹脂11を再利用する際に再度ペレット化する必要がないので、低コスト化を図ることができる。
投入手段2は、ネットコンベア21、洗浄装置22、及び、ホッパー23などを有している。この投入手段2は、ペレット状の複合物10を溶解槽3aに投入する。
ネットコンベア21は、ペレット状の複合物10のサイズより細かいメッシュのワイヤーネットを有しており、載置された複合物10をホッパー23まで搬送する。このようにすると、複合物10を連続的に投入することができ、バッチ方式と比べると、効率よく複合物10を処理することができる。
また、ホッパー23は、下端が溶解槽3aと連通しており、ネットコンベア21から落下する複合物10は、ホッパー23を介して、溶解槽3aに投入される。
本実施形態の溶解槽手段は、三つの単一槽、すなわち、溶解槽3a、3b、3cを有する多段連続装置としてある。また、溶解槽3a、3b、3cは、投入された複合物10のポリウレタン樹脂を溶解する処理液12が貯留されている。このように、多段構成を有することにより、各溶解槽3a、3b、3c内における処理液12及び複合物10などの滞留時間分布を均一にすることができる。すなわち、連続的に投入される複合物10が、投入されてから極めて短時間で多段連続装置から出てしまうといった不具合を防止し、トータル的に所定の処理時間を維持することができる。したがって、回収後再利用されるポリプロピレン樹脂11の品質(ポリプロピレン樹脂11にポリウレタン樹脂が残っているといった不具合が発生しないこと。)を向上させることができる。
なお、溶解槽手段は、上記の構成に限定されるものではなく、たとえば、後述する横型多段槽41や縦型多段槽42、43などのように、多段構成を有していればよい。また、単一槽の数量は、三つに限定されるものではなく、滞留時間分布の要求などに応じて設定される。
また、溶解槽3bと溶解槽3cも、上記と同様に連通している。
さらに、溶解槽3cと回収排出手段5は、弁34及び配管36を介して連通されている。弁34は、溶解槽3cの上部(あるいは、中段部)と接続し、配管36の下流側の端部は、回収排出手段5のネットコンベア53上に位置している。これにより、弁34が開かれると、位置エネルギーにより、溶解槽3cの処理液12(溶解されたポリウレタン樹脂を含む。)及びポリプロピレン樹脂11などが回収槽51内のネットコンベア53上に放出される。
また、本実施形態の弁34は、図示してないが、溶解槽3a、3b、3cの下部と接続していてもよく、これにより、液面に投入される複合物10が、極めて短時間で弁34から出てしまうといった不具合を防止することができる。
撹拌手段31は、羽根車、シャフト及びモータなどを有しており、槽内の処理液12を撹拌する。ここで、羽根車の形状は、複合物10を処理液12中により均一に分散させるため、上下循環運動をもたらす形状が好ましい。この理由は、通常、ポリプロピレン樹脂は処理液12に浮き、フィラー等は沈むが、上下循環運動をもたらすように撹拌することにより、これらをほぼ均一に分散させることができるからである。
さらに、冷却手段33は、槽内の上部の気体(この気体は、ほぼ処理液12の蒸気である。)を冷却する熱交換器などを有しており、熱交換器に冷却水を循環させることにより、処理液12の蒸気を冷却して槽内の処理液12に戻し、処理液12を再利用することができる。
すなわち、本実施形態では、処理液12の液温は、約145℃ (ポリプロピレン樹脂の軟化温度より10℃程度低い温度)としてある。
また、槽内の圧力は、常圧としてある。これにより、耐圧構造とする必要がなくなり、設備費用のコストダウンを図ることができる。
また、各溶解槽3a、3b、3cの合計の溶解処理時間は、溶解速度や必要な溶解度などに応じて設定されるが、通常、10数分〜10時間程度である。
また、投入される複合物10に対して、通常、2倍〜20倍程度、好ましくは3倍〜6倍(容積比)の処理液12が供給される。
本実施形態の処理液12は、溶剤としてのベンジルアルコールと、触媒としてのリン酸三カリウムとを含んでいる。
また、処理液12は、上記に限定されるものではなく、アルコール類、ケトン類又はエーテル類を含んでいればよい。このようにすると、大気圧下であっても、短時間でポリウレタン樹脂を溶解することができる。したがって、耐圧構造などを必要としないので、設備費用のコストダウンを図ることができ、また、溶解するまでの時間が短縮でき、ランニング費用のコストダウンを図ることができる。
なお、処理液12によるポリウレタン樹脂の溶解には、処理液12によるポリウレタン樹脂の膨潤、ポリウレタン樹脂の分解、ポリウレタン樹脂の複合物10からの剥離、処理液12への溶解などが含まれる。
回収排出手段5は、回収槽51、洗浄装置52、及び、ネットコンベア53などを有している。また、回収槽51と洗浄装置52は、並べて設置され、ネットコンベア53は、上流側の部分が回収槽51内に収められ、中央側の部分が洗浄装置52内に収められる状態で、設置される。この回収排出手段5は、溶解槽3cから排出される溶解されたポリウレタン樹脂を含む処理液12と溶解されないポリプロピレン樹脂11とを分離し、処理液12を回収し、ポリプロピレン樹脂11を排出する。
また、洗浄装置52の洗浄液が、処理液12(通常、触媒成分を含まない処理液)とほぼ同じ成分としてあるので、ポリプロピレン樹脂11に悪影響を与えるといった不具合を防止することができる。また、たとえば、蒸発器61によって得られる処理液12を利用することもでき、洗浄液の管理などが容易となり、使い勝手などを向上させることができる。
なお、ネットコンベア53から排出されたポリプロピレン樹脂11は、後の別工程で乾燥され、ポリプロピレン樹脂11として再利用される。
処理液再利用手段6は、残渣分離手段としての蒸発器61、温度制御手段62、及び、触媒槽65などを有している。この処理液再利用手段6は、蒸発器61が、回収槽51に回収された処理液12から残渣を分離し、残渣を分離した処理液12を再利用する。
なお、本実施形態の処理液再利用手段6は、触媒槽65を有しているが、これに限定されるものではなく、たとえば、触媒槽65を備えない構成としてもよい。
そして、蒸発器61によって分離された溶剤は、処理液12として溶解槽3aに供給され再利用される。これにより、ランニング費用のコストダウンを図ることができる。
また、分離された残渣は、系外に排出され、補助燃料等として(たとえば、C重油相当として)再利用される。このように、溶解処理装置1は、複合物10を、ほぼ完全に再利用することができ、処理装置としての付加価値を向上させることができる。
冷却用熱交換器63aは、バルブなどを介して回収槽51と連通しており、冷却水を循環させることにより、回収槽51に回収された処理液12の一部を冷却する。そして、冷却した処理液12は、必要に応じて触媒槽65を経由して、溶解槽3aに供給される。
また、加温用熱交換器63bは、バルブなどを介して回収槽51と連通しており、温度センサや温度コントローラにより制御される自動制御弁64が、熱媒油を循環させると、回収槽51に回収された処理液12の一部を加温する。そして、加温した処理液12は、必要に応じて触媒槽65を経由して、溶解槽3aに供給される。
したがって、装置の立上時や通常運転時は、加温用熱交換器63aで、溶解槽3aに所定の温度の処理液12を供給することができ、溶解槽3a内の処理液12の温度を安定させることができる。
また、装置の立ち下げ時や緊急時は、冷却用熱交換器63bで、系内処理液の温度を所定温度まで下げて安全に装置を止めることができる。
触媒槽65は、ステンレス製のカートリッジフィルターとほぼ同じ構成としてあり、上述した触媒(固体)が、ステンレス製の金網で作ったカートリッジの中に収納されている。また、触媒槽65は、三方弁66などを介して冷却用熱交換器63a及び加温用熱交換器63bと連通しており、三方弁66が開かれると、処理液12が供給される。この触媒槽65は、温度制御手段62からの処理液12が槽内を循環すると、触媒中の有効成分が処理液12中に移動する。すなわち、触媒槽65を用いることにより、効率よく触媒中の有効成分を処理液12中に移動させることができる。
図2は、本発明の一実施形態にかかる溶解処理方法を説明するための概略フローチャート図を示している。
図2に示すように、溶解処理装置1は、まず、投入手段2のネットコンベア21が、載置されたペレット状の複合物10を搬送する。このようにすると、複合物10を連続的に投入することができ、バッチ方式と比べると、効率よく複合物10を処理することができる。
続いて、ネットコンベア21が、洗浄された複合物10をホッパー23まで搬送し、ネットコンベア21から落下した複合物10が、ホッパー23を介して、溶解槽3aに投入される(ステップS1)。
なお、回収槽51に回収した処理液12には、フィラー(サイズは、微小(最大長が約1mm未満)である。)、塗膜固形物(ポリプロピレン樹脂から剥離したが、完全に溶解していない微小な(最大長が約1mm未満の)塗膜片)などの残渣が含まれている。
また、洗浄装置52の洗浄液が、処理液12(通常、触媒成分を含まない処理液)とほぼ同じ成分としてあるので、ポリプロピレン樹脂11に悪影響を与えるといった不具合を防止することができる。また、たとえば、蒸発器61によって得られる処理液12を利用することもでき、洗浄液の管理などが容易となり、使い勝手などを向上させることができる。
なお、ネットコンベア53から回収容器などに排出されたポリプロピレン樹脂11は、後の別工程で乾燥され、ポリプロピレン樹脂11として再利用される。
ここで、処理液再利用手段6は、蒸発器61が、回収槽51に回収された処理液12の一部(通常、一部であるが、全部であってもよい。)を抜き出して、蒸発工程(ステップS41)を経て溶剤と、フィラーや塗膜固形物などの残渣とを分離する。
そして、蒸発器61によって分離された溶剤は、処理液12として溶解槽3aに供給され再利用される。これにより、ランニング費用のコストダウンを図ることができる。
また、分離された残渣は、図示してないが、系外に排出され、補助燃料等として(たとえば、C重油相当として)再利用される。このように、溶解処理装置1は、複合物10を、ほぼ完全に再利用することができ、処理装置としての付加価値を向上させることができる。
また、バッチ方式と比べると、複合物10を連続的に投入することにより、効率よく処理することができる。さらに、処理液12を再利用することができるので、ランニング費用のコストダウンを図ることができる。
次に、溶解処理装置1の他の実施形態などについて、図面を参照して説明する。
図3は、本発明の第二実施形態にかかる溶解処理装置の溶解槽手段を説明するための要部の概略図であり、(a)は正面方向の断面図を示しており、(b)はA−A矢視図を示している。
図3において、本実施形態の溶解処理装置は、上述した第一実施形態の溶解処理装置1と比べると、溶解槽3a、3b、3cの代わりに横型多段槽41を備えた点などが相違する。なお、本実施形態の他の構成は、溶解処理装置1とほぼ同様としてある。
したがって、図3において、図1と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
仕切板411は、横型多段槽41をほぼ三等分するように、二箇所に設けられており、隣接する溶解槽を仕切っている。また、仕切板411は、下部の中央に、ほぼ矩形状の連通孔412が形成されている。なお、仕切板411の位置や形状などは、上記に限定されるものではなく、たとえば、処理液12や複合物10の撹拌状態、及び、処理液12に対する複合物10の比重などに応じて設定される。
さらに、仕切板411の下流側には、仕切板411と対向するように、ほぼ矩形状のじゃま板414が立設されている。また、じゃま板414の位置や形状などは、たとえば、処理液12や複合物10の流れ状態などに応じて設定される。
なお、横型多段槽41は、図示してないが、加温手段32や冷却手段33を有している。
この際、じゃま板414によって、処理液12などは、上方向や左右方向などに流れるので、第一の連通孔412から第二の連通孔412へほぼ直線的に流れるといった不具合を効果的に防止することができる。
なお、その他の構成などは、溶解処理装置1とほぼ同様としてある。
本実施形態では槽の数を3としているが、上記に限定されるものではなく、例えば、処理液12や複合物10などに応じて設定される。
図4は、本発明の第三実施形態にかかる溶解処理装置の溶解槽手段を説明するための要部の概略断面図を示している。
図4において、本実施形態の溶解処理装置は、上述した第一実施形態の溶解処理装置1と比べると、溶解槽3a、3b、3cの代わりに縦型多段槽42を備えた点などが相違する。なお、本実施形態の他の構成は、溶解処理装置1とほぼ同様としてある。
したがって、図4において、図1と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
仕切板421は、縦型多段槽42をほぼ三等分するように、二箇所に設けられており、隣接する溶解槽を仕切っている。また、仕切板421は、縁部にほぼ円形状の連通孔422が形成されている。なお、槽の数や仕切板421の位置や形状などは、上記に限定されるものではなく、たとえば、処理液12や複合物10の撹拌状態などに応じて設定される。
また、撹拌手段424は、三つの羽根車、シャフト及びモータなどを有しており、各溶解槽内の処理液12を撹拌する。
なお、本実施形態では、第一の連通孔422の上方に第二の連通孔422を設けてあるが、これに限定されるものではなく、たとえば、第一の連通孔422に対して周方向に異なる位置に、第二の連通孔422を設けてもよい。このようにすると、第一の連通孔422から第二の連通孔422へほぼ直線的に流れるといった不具合を効果的に防止することができる。
また、ポンプ426は、通常、容積型のポンプであり、吸い込み口が混合層427と連通している。
また、混合層427は、複合物10及び処理液12が供給される。
なお、縦型多段槽42は、図示してないが、加温手段32や冷却手段33を有している。
これにより、縦型多段槽42は、ポンプ426によって第一の溶解槽(下側の溶解槽)に複合物10及び処理液12が供給され、第一の溶解槽から第二の溶解槽(中段の溶解槽)に、処理液12、複合物10及びポリプロピレン樹脂11などが流れ、第二の溶解槽から第三の溶解槽(上側の溶解槽)に、処理液12、複合物10及びポリプロピレン樹脂11などが流れ、第三の溶解槽から配管36に、処理液12(溶解されたポリウレタン樹脂を含む。)及びポリプロピレン樹脂11などが流れる。
この際、昇降板423がじゃま板として機能し、処理液12などは、上方向や左右方向などに流れるので、第一の連通孔422から第二の連通孔422へほぼ直線的に流れるといった不具合を効果的に防止することができる。
また、本実施形態では、ポンプ426を用いて、処理液12などを第一の溶解槽に供給しているが、これに限定されるものではなく、たとえば、混合層427を第一の溶解槽の上方に設け、位置エネルギーを利用して、処理液12などを第一の溶解槽に供給してもよい。
さらに、昇降板423の代わりに、じゃま板(図示せず)を設ける構成としてもよい。
また、本実施形態は、様々な応用例を有している。
次に、本実施形態の応用例について、図面を参照して説明する。
図5は、本発明の第三実施形態の応用例にかかる連続溶解処理装置の溶解槽手段を説明するための要部の概略断面図を示している。
図5において、本応用例の溶解処理装置は、上述した第三実施形態の溶解処理装置と比べると、昇降板423などの代わりに、バイパス用の弁432や配管433などを備えた点などが相違する。なお、本実施形態の他の構成は、第三実施形態の溶解処理装置とほぼ同様としてある。
したがって、図5において、図4と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
また、隣接する各溶解槽は、バイパス用の弁432や配管433などによって連通されている。
なお、その他の構成や動作は、第三実施形態の溶解処理装置とほぼ同様としてある。
また、本応用例では槽の数を3としているが、上記に限定されるものではなく、例えば、処理液12や複合物10などに応じて設定される。
また、本発明は、樹脂複合物の溶解処理方法の発明としても有効である。
本実施形態の樹脂複合物の溶解処理方法は、上述した溶解処理装置1を用いて、少なくともポリウレタン樹脂とポリプロピレン樹脂とで形成された複合物10を処理する方法としてある。
すなわち、本実施形態の樹脂複合物の溶解処理方法は、図2に示すように、まず、投入手段2のネットコンベア21によって、載置されたペレット状の複合物10が搬送される。このようにすると、複合物10を連続的に投入することができ、バッチ方式と比べると、効率よく複合物10を処理することができる。
続いて、ネットコンベア21によって、洗浄された複合物10をホッパー23まで搬送し、ネットコンベア21から落下した複合物10が、ホッパー23を介して、溶解槽3aに投入される(ステップS1)。
ここで、蒸発器61によって、回収槽51に回収された処理液12の一部(通常、一部であるが、全部であってもよい。)を抜き出して、蒸発工程(ステップS41)を経て溶剤と、フィラーや塗膜固形物などの残渣とを分離する。
そして、蒸発器61によって分離された溶剤は、処理液12として溶解槽3aに供給され再利用される。これにより、ランニング費用のコストダウンを図ることができる。
また、分離された残渣は、図示してないが、系外に排出され、補助燃料等として(たとえば、C重油相当として)再利用される。このように、溶解処理装置1は、複合物10を、ほぼ完全に再利用することができ、処理方法としての付加価値を向上させることができる。
また、バッチ方式と比べると、複合物10を連続的に投入することにより、効率よく処理することができる。さらに、処理液12処理液を再利用することができるので、ランニング費用のコストダウンを図ることができる。
例えば、溶解処理装置1は、粉砕された複合物10が供給される構成としてあるが、これに限定されるものではなく、たとえば、投入手段2が粉砕手段(図示せず)を有する構成としてもよい。このようにすると、溶解処理装置1の付加価値を向上させることができる。
2 投入手段
3a、3b、3c 溶解槽
5 回収排出手段
6 処理液再利用手段
10 複合物
11 ポリプロピレン樹脂
12 処理液
21 ネットコンベア
22 洗浄装置
23 ホッパー
31 撹拌手段
32 加温手段
33 冷却手段
34 弁
35 配管
36 配管
41 横型多段槽
42 縦型多段槽
43 縦型多段槽
51 回収槽
52 洗浄装置
53 ネットコンベア
61 蒸発器
62 温度制御手段
63a 冷却用熱交換器
63b 加温用熱交換器
64 自動制御弁
65 触媒槽
66 三方弁
411 仕切板
412 連通孔
413 昇降板
414 じゃま板
421 仕切板
422 連通孔
423 昇降板
424 撹拌手段
425 弁
426 ポンプ
427 混合層
431 仕切板
432 弁
433 配管
Claims (10)
- 少なくともポリウレタン樹脂とポリプロピレン樹脂とで形成された樹脂複合物の溶解処理装置において、
前記樹脂複合物を投入する投入手段と、
投入された前記樹脂複合物の前記ポリウレタン樹脂を溶解する処理液が貯留され、多段構成を有する溶解槽手段と、
前記溶解槽手段から排出される溶解された前記ポリウレタン樹脂を含む前記処理液と溶解されない前記ポリプロピレン樹脂とを分離し、前記処理液を回収し、前記ポリプロピレン樹脂を排出する回収排出手段と、
前記回収排出手段により回収された前記処理液を前記溶解槽手段に供給して前記処理液として再利用する処理液再利用手段と、を備え、
前記処理液再利用手段は、残渣分離手段と温度制御手段とを有し、
前記残渣分離手段が前記回収された処理液の一部から残渣を分離し、
前記温度制御手段が前記回収された処理液の残部の処理液の温度を制御し、
前記処理液再利用手段が、
残渣の分離された処理液と温度の制御された処理液とを前記溶解槽手段に供給する
ことを特徴とする樹脂複合物の溶解処理装置。 - 前記処理液が、アルコール類、ケトン類又はエーテル類を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の樹脂複合物の溶解処理装置。
- 前記投入手段が、ネットコンベア及び洗浄装置を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂複合物の溶解処理装置。
- 前記溶解槽手段が多槽連続装置であり、前記多槽連続装置の複数の溶解槽が、撹拌手段、加温手段及び冷却手段を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂複合物の溶解処理装置。
- 前記溶解槽手段が横型多段槽であり、隣接する溶解槽を仕切る連通孔の形成された仕切板、前記連通孔を開閉する昇降板、前記連通孔の下流側に設けられたじゃま板、撹拌手段、加温手段及び冷却手段を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂複合物の溶解処理装置。
- 前記溶解槽手段が縦型多段槽であり、隣接する溶解槽を仕切る仕切板、隣接する前記溶解槽を開閉可能に連通させる連通手段、撹拌手段、加温手段及び冷却手段を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂複合物の溶解処理装置。
- 前記回収排出手段が、回収槽、ネットコンベア及び洗浄装置を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の樹脂複合物の溶解処理装置。
- 前記処理液再利用手段が、触媒槽を有し、前記触媒槽で用いられる触媒が、アルカリ金属のリン酸塩又は炭酸塩であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の樹脂複合物の溶解処理装置。
- 前記残渣分離手段が、蒸発器であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の樹脂複合物の溶解処理装置。
- 少なくともポリウレタン樹脂とポリプロピレン樹脂とで形成された樹脂複合物の溶解処理方法において、
前記樹脂複合物を投入する投入工程と、
多段構成を有する溶解槽手段に貯留された処理液を用いて、投入された前記樹脂複合物の前記ポリウレタン樹脂を溶解する溶解工程と、
前記溶解槽手段から排出される溶解された前記ポリウレタン樹脂を含む前記処理液と溶解されない前記ポリプロピレン樹脂とを分離し、前記処理液を回収し、前記ポリプロピレン樹脂を排出する回収排出工程と、
前記回収排出工程において回収された前記処理液を前記溶解槽手段に供給して前記処理液として再利用する処理液再利用工程と、を有し、
前記処理液再利用工程は、残渣分離工程と温度制御工程とを有し、
前記残渣分離工程では前記回収された処理液の一部から残渣を分離し、
前記温度制御工程では前記回収された処理液の残部の処理液の温度を制御し、
前記処理液再利用工程では、
残渣の分離された処理液と温度の制御された処理液とを前記溶解槽手段に供給する
ことを特徴とする樹脂複合物の溶解処理方法。
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