JP5613019B2 - 画像形成装置、その制御方法、およびプログラム - Google Patents

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本発明は、像担持体への露光走査を行うことで、該像担持体上に静電潜像を形成する画像形成装置およびその制御方法に関する。
一般に電子写真方式による画像形成装置においては、感光体ドラムや感光体ベルトの感光体(像担持体)上に、レーザ光等で露光することによって画像信号に応じた静電潜像を形成し、これを現像した後に記録媒体等に転写することで、画像を形成している。その際、レーザ光は順次一次元方向に、例えば左から右へ主走査するとともに、該主走査方向と略直交する方向、例えば、上から下へ副走査していく方式が用いられている。従って像担持体上には、主走査方向の直線(以下、走査線と称する)が副走査方向に一定間隔(以下、基準走査線間隔と称する)で多数平行に形成される。
このような画像形成装置による形成画像には、各種の原因によって、画像濃度の濃淡による横縞(以下、バンディングと称する)が発生し、画像の品質が著しく損なわれてしまうという問題があった。
例えば、像担持体の速度誤差によって走査線の間隔に誤差が生じ、バンディングが発生する。すなわち、感光体全面にわたって一様に露光しようとしても、その回転速度が速い場合には走査線間隔が広くなるため露光量が小さくなり、遅い場合には走査線間隔が狭くなるため露光量が大きくなることにより、形成画像に濃度の濃淡が生じる。
また、レーザ光の照射強度誤差によってもバンディングが発生する。すなわち、感光体全面にわたって一様に露光しようとしても、レーザ光の照射強度が弱い場合には露光量が小さくなり、照射強度が強い場合にはときは露光量が大きくなることで、やはり形成画像に濃度の濃淡が生じる。
このようなバンディングを補正するための手法として、像担持体の速度誤差による走査線の位置誤差を検知し、該位置誤差から直前の走査線との間隔を算出し、該間隔に基づいて露光量の調整を行う方法が提案されている。(例えば、特許文献1参照)
特開平2−131956号公報
一般に形成画像の画像濃度は周辺走査線の粗密の影響を受ける。したがって、露光量の調整によるバンディング補正を行う際には、現在の走査線に加えて周辺の走査線の位置情報が必要となる。しかしながら、上記特許文献1に記載の方法では、補正に用いる走査線間隔情報が、現在の走査線とその直前の走査線との間隔情報のみであり、また、特に補正率等を算出するものではないため、十分な補正が行えない場合がある。
本発明は、着目走査線とその前後の走査線の位置情報から該着目走査線に対する露光量の補正率を算出することで、高精度なバンディング補正を行うことを目的とする。
上記目的を達成するための一手段として、本発明の画像形成装置は以下の構成を備える。
すなわち、走査方向に移動する像担持体に対し、該副走査方向と直交する方向である主走査方向に露光手段による露光走査を行うことで、該像担持体上に静電潜像を形成する画像形成装置であって、
前記像担持体に前記露光手段による露光走査を行う際の、該像担持体上での前記副走査方向の走査位置を示す位置情報を取得する走査線位置取得手段と、
走査線位置取得手段により取得された、前記像担持体に前記露光手段による露光走査を行う着目走査線についての前記位置情報と、該着目走査線より前に露光走査された露光済み走査線についての前記位置情報とに基づいて、前記着目走査線と着目走査線に後続して露光されることになる後続走査線との前記副走査方向における予測される距離を示す第1の走査線間隔と、前記着目走査線と前記露光済み走査線との前記副走査方向における距離を示す第2の走査線間隔と、を算出する走査線間隔算出手段と、
前記第1および第2の走査線間隔を用いて算出される前記着目走査線における予測濃度を算出する予測濃度算出手段と、
め定められた着目走査線における基準とする濃度と前記予測濃度が等しくなるように、該着目走査線の露光量に対する補正率を算出する補正率算出手段と、
前記着目走査線に対して設定された露光量に対し、前記補正率を乗じることで補正を施す露光量補正手段とを有することを特徴とする。
本発明によれば、着目走査線とその前後の走査線の位置情報から該着目走査線に対する露光量の補正率を算出することで、高精度なバンディング補正が可能となる。
第1実施形態における画像形成装置の概要構成図、 感光体ドラム上での走査線位置を示す模式図、 感光体ドラム上での走査線位置の変動を表す模式図、 第1実施形態における露光量補正処理を示すフローチャート、 第1実施形態におけるバンディング補正に係る構成を示すブロック図、 光学位置センサの一例を示す模式図、 第1実施形態における走査線位置テーブルの一例を示す図、 第1実施形態における走査線位置と走査線間隔の関係を表す模式図、 第1実施形態における補正率算出処理の概念図、 画像形成装置が行う各処理の動作順序を示す模式図、 第2実施形態におけるバンディング補正に係る構成を示すブロック図、 第2実施形態における露光量補正処理を示すフローチャート、 第2実施形態における走査線位置テーブルの一例を示す図、 第2実施形態における走査線位置と走査線間隔の関係を表す模式図、 第1実施形態におけるバンディング補正の概要を示す模式図、である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の実施の形態は特許請求の範囲に関る本発明を限定するものではなく、また、本実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
<第1実施形態>
●装置構成
図1は、本施例形態における画像形成装置の構成を示す図である。同図において外部装置3は、不図示のハードディスクドライブ、コンピュータ、サーバ、ネットワーク等とのインターフェースを有し、プリンタコントローラ1に対して画像データの入力を行う。プリンタコントローラ1は、詳細は後述するが、入力画像データの受取り、ハーフトーン処理、露光量算出処理、露光量補正処理を行う。またプリンタコントローラ1は、プリンタエンジン2に対して、制御命令や情報の送受信及び画像データの送信を行う。
プリンタエンジン2は、プリンタエンジン制御部201や各デバイス、および各センサから構成される。ここで、各デバイスとは像担持体や紙搬送系の駆動に用いるモータ等であり、各センサとはエンコーダ、光学式位置センサ等である。プリンタエンジン制御部201は、プリンタコントローラ1からの入力や各センサからの情報に応じて、各デバイスの制御を行う。プリンタエンジン2においては、副走査方向に移動する帯電した像担持体に対し、該副走査方向と直交する主走査方向に露光走査を行うことで、該像担持体上に複数の走査線からなる画像を形成する。
以下、図1に示すプリンタエンジン2の内部構成について説明する。201はプリンタエンジン制御部である。401は、電子写真プロセスにおける帯電、露光、現像、転写の際に用いられる、像担持体としての感光体ドラムである。402は、感光体ドラム401を帯電させる帯電器である。403は、入力画像データに応じて半導体レーザを駆動し、ポリゴンミラーにて感光体ドラム401上を露光走査して静電潜像を記録するレーザスキャナである。404は感光体ドラム401上に記録された静電潜像をトナーにより現像する現像器である。405は感光体ドラム401上のトナー像を紙等の記録媒体に転写する転写器である。406は、記録媒体に転写したトナー像を熱と圧力によって定着させる定着器である。501は、感光体ドラム401の回転位置(ドラム位置)を検出するエンコーダである。502は、レーザスキャナ403によるレーザ照射の副走査方向の位置を検出する光学式位置センサである。503は、レーザ照射を検出してBD信号(水平同期信号)を出力するBDセンサである。
なお、本実施形態では説明を簡単にするために、画像形成装置として単一の画像形成ステーション(感光体ドラム401、帯電器402、現像器404等を含む)のみからなる構成を示した。一般にカラー画像形成装置であれば、例えばシアン、マゼンタ、イエロー、及びブラックの各色に対する画像形成ステーションが転写器405上にその移動方向に沿って順次配列される場合がある。また、1つの感光体ドラム401の周囲に各色の現像器404を周囲に沿って配列する場合がある。あるいは、回転可能な筐体に各色の現像器404を配置する場合があり、所望の現像器404を感光体ドラム401に対向させて所望の色の現像を行う。
各画像形成ステーションでは、回転する感光体ドラム等の像担持体(以下、ドラムと称する)を、レーザ光等で露光することによって画像を形成する。その際、ドラムの回転速度が一定となるよう制御し、かつ、レーザ光による各走査線の書き出しタイミングの時間間隔が一定となるよう制御することで、走査線を等間隔としている。その詳細を、図2を用いて以下に説明する。図2に示すドラムは半径がrであり、一定の角速度ωで回転するよう制御されている。また、各走査線の書き出しタイミングの時間間隔はt0で一定となるよう制御されている。まず1番目の走査線を走査するが、このときの書き出しタイミングにおいて、時刻を0、感光体表面での走査線位置を0とする。次に2番目の走査線を走査する際の書き出しタイミングを、時刻t0、ドラムの回転角度t0ωとすると、角度と円弧長の関係から、ドラム表面での走査線位置はrt0ωとなる。すると図2に示すように3番目の走査線を走査する際の書き出しタイミングにおいては、時刻が2t0であり、ドラムは2t0ωだけ回転しているので、ドラム表面での走査線位置は2rt0ωとなる。以下同様に、n番目の走査線を走査する際の書き出しタイミングにおける時刻t(n)及びドラム表面での走査線位置Db(n)は、それぞれ以下の式により算出できる。
t(n)=(n-1)t0 ・・・(1)
Db(n)=(n-1)rt0ω ・・・(2)
以上のように画像形成装置においては、走査線間隔がrt0ωで一定となるように、各種制御を行っている。ところが、各種の原因によって走査線間隔に誤差が生じることがある。その主な原因として、ドラムの回転速度の変動とポリゴンミラーの面倒れ(複数ある反射面の角度ばらつき)によるレーザ照射の位置誤差が挙げられる。ここで図3(a),(b)を用いて、ドラムの回転速度の変動、およびポリゴンミラーの面倒れによって、レーザ照射の位置誤差が発生する様子を示す。図3(a)に示すように、ドラムの回転速度が変化すると、ドラム表面での実際の走査線位置Da(n)は、(2)式で求めた走査線位置Db(n)とは異なるものとなる。同図によれば、n番目走査線の本来の位置はDb(n)となるはずであるが、実際にはドラムの回転角が大きくなっているため、実際の走査線位置はDa(n)となり、走査線位置としてDx(n)分の誤差が生じる。また図3(b)に示すように、ポリゴンミラーの面倒れによりレーザ光の反射角が変わると、レーザ照射の位置に誤差が発生する。同図によれば、照射位置ズレがない場合のn番目走査線位置は本来Db(n)となるはずであるが、照射位置ズレがある場合には、該ズレに応じた分、走査線位置が変動(変動量Lx(n))する。
●バンディング補正概要
以下、本実施形態におけるバンディング補正の概要について、図15の模式図を用いて説明する。図15(a)は理想的な画像形成例を示す図であり、a1に示すように等しい強度、等しい走査線間隔でレーザを走査することで、a2に示すような濃度が均一な画像を形成することができる。しかしながら実際には図15(b)に示すように、走査線間隔は等間隔とならなずに誤差を含むため、b1に示すように走査線間隔に粗密が生じる。このとき形成画像においてはb2に示すように、たとえ等しい強度でレーザ照射がなされたとしても、走査線間隔が密になる部分では濃く、逆に疎になる部分では薄く、画像が形成される。このように画像内で走査線間隔に応じて濃淡が変化することで、バンディングが発生する。
本実施形態における画像形成装置は、レーザ光量(露光量)を調整することにより、このバンディングを補正するものである。本実施形態によるバンディング補正例を図15(c)に示す。すなわち、上記b1と同様に走査線間隔に粗密が存在する状態でのレーザ走査を示すc1に対し、本実施形態ではc1'に示すように、走査線間隔の粗密に応じて照射強度を変えたレーザ走査がなされるように補正する。c1'によれば、レーザ照射強度を走査線間隔が密になる部分では弱く、疎になる部分では強くなるように制御している。これにより、c2に示すように形成画像において走査線間隔の粗密による画像の濃淡を打ち消し、バンディングを補正する。
●露光量補正処理
上述したように、本実施形態では走査線間隔に応じて露光量を補正することにより、バンディングを補正する。以下、本実施形態における露光量補正処理について説明する。
図5は、図1に示した本実施形態の画像形成装置において、特にバンディング補正に係る構成を示すブロック図であり、図1と同様の構成には同一番号を付してある。プリンタコントローラ1において、101は画像データ格納部であり、画像形成対称となる例えば8ビット画像を格納している。102はハーフトーン処理部であり、画像データ格納部101からの8ビットの多値画像に対して周知のハーフトーン処理を施すことによって、例えば2値画像に変換する。103は露光量算出部であり、2値画像に応じた露光量を算出する。104は走査線位置検出部であり、詳細は後述するが、プリンタエンジン2内の感光体ドラム401の回転角θを動的に検出して現在の走査線位置情報を算出し、これを走査線位置格納部105に格納する。106は走査線間隔算出部であり、走査線位置格納部105に格納された複数の走査線の位置情報から、走査線間隔を算出する。そして露光量補正率算出部107において、該走査線間隔に基づいて露光量補正率を算出し、露光量補正部109で該露光量補正率に応じて、実際の露光量を補正する。これにより、露光量補正部109で補正された補正済み露光量が、プリンタエンジン2に送られ、実際のレーザ走査に反映される。
以下、本実施形態の露光量補正処理の流れを図4のフローチャートを用いて説明する。なお図4に示す処理は、レーザ光の走査毎に行われる処理であり、すなわちn番目の走査線を走査する際の処理である。つまり一枚の画像であれば、画像の高さに応じた回数分、すなわち副走査方向の画素数分、図4に示す処理が繰り返される。
まずS401で走査線位置検出部104が、エンコーダ501から感光体ドラム401の回転角θを取得して走査線位置誤差Dx(n)を算出し、さらに光学位置センサ502からレーザ照射位置変動量Lx(n)を取得して走査位置誤差Px(n)を算出する。この算出方法の詳細については後述する。算出された走査線位置誤差Px(n)は走査線位置格納部105に出力される。
次にS402で走査線位置格納部105が、走査線位置誤差Px(n)を受けると、予め格納されている走査線位置テーブルを更新する。走査線位置テーブルには、現在の走査線(以下、着目走査線)の理論上の走査線位置を基準として、それ以前に露光走査がなされた走査線(以下、露光済み走査線)についての相対的な位置情報が予め格納されている。S402ではこの走査線位置テーブルを走査線位置誤差Px(n)に応じて更新するが、その詳細については後述する。
次にS403で走査線間隔算出部106が、S402で更新した走査線位置テーブルを用いて、着目走査線とその周辺の走査線との間隔を算出する。詳細には、感光体ドラム401上の副走査方向における、着目走査線と該着目走査線に後続して露光されることになる走査線(以下、後続走査線)との距離を示す第1の走査線間隔、及び着目走査線と露光済み走査線との距離を示す第2の走査線間隔を算出する。この走査線間隔算出処理の詳細については後述する。
次にS404で露光量補正率算出部107が、走査線間隔に応じた補正率算出処理を行うが、その詳細については後述する。
そしてS405で露光量補正部109が、S404で算出された補正率に応じた露光量補正を行う。この補正処理は以下の(14)式に従う。すなわち、算出した補正率Rを、着目走査線に対して設定された理論上の露光量Eに乗算して、今回書き込むべき露光量E'を決定する。
E'=R・E ・・・(14)
●走査線位置検出処理(S401)
以下、上記S401における走査線位置検出部104での走査線位置検出処理について、詳細に説明する。走査線位置検出部104はまず、エンコーダ501から感光体ドラム401の移動量を示す回転角θを取得する。エンコーダ501は、感光体ドラム401の回転に対応したパルス信号を発生し、これを積算することで感光体ドラム401の回転角θを出力する。走査線位置検出部104は回転角θから、レーザ照射位置に誤差がない場合に得られるであろう実際の走査位置Da(n)を以下の(3)式より算出する。なお、rは感光体ドラム401の半径である。
Da(n)=r・θ ・・・(3)
ここで上述したように、理論上の走査線位置Db(n)は上記(2)式により表されるため、走査線位置の理論値と実際値との誤差Dx(n)は以下の(4)式により算出される。
Dx(n)=Db(n)−Da(n) ・・・(4)
走査線位置検出部104は次に、光学位置センサ502からレーザ照射位置変動量Lx(n)を取得する。ここで図6に、光学位置センサ502の模式図を示し、その概要を説明する。光学位置センサ502は、レーザ光を検出するとパルス信号を出力する受光素子601を三角形のスリット602で覆った構成になっており、走査位置に応じたパルス幅の信号を出力する。例えば、603をレーザ光照射基準位置とし、この位置にレーザ光が照射されると光学位置センサ502は幅w1のパルス信号を出力し、これを基準パルス幅とする。そして604の位置にレーザ光が照射された場合、基準位置603に対して下方向に照射位置がずれるため、センサがレーザ光を受光する時間が長くなり、出力信号のパルス幅w2が基準パルス幅w1よりも長くなる。光学位置センサ502は、このパルス幅の変化からレーザ照射位置の変動量を算出する。例えばスリット602の形状を直角三角形とし、直角の隣辺がレーザ走査方向と平行であるとすると、レーザ光照射時のパルス幅w2と基準パルス幅w1の差分に比例係数をかけることで、照射位置変動量を求めることができる。この比例係数は、直角三角形の斜辺の傾きにより決まり、傾きが45度である場合の比例係数は1となり、パルス幅の差分がそのままレーザ照射位置の変動量となる。このように、光学位置センサ502が出力する信号のパルス幅から、照射位置の変動量Lxを求めることができる。
走査線位置検出部104は次に、以下の(5)式により走査位置誤差Px(n)を算出し、走査線位置格納部105へ出力する。
Px(n)= Dx(n)+Lx(n) ・・・(5)
●走査線位置テーブル更新処理(S402)
以下、上記S402における走査線位置格納部105での走査線位置テーブル更新処理について、詳細に説明する。図7(a)は、走査線位置格納部105に格納されている走査線位置テーブルの一例を示す図である。このテーブルには、着目走査線の理論上の走査線位置を基準とする、露光済み走査線についての感光体ドラム401表面における副走査方向の相対的な位置情報(以下、相対位置情報)が、走査線番号と対応付けられて格納されている。例えば、走査線番号n番目に対応する位置情報を更新する直前には、走査線番号n-1,n-2に対応する位置情報としては、前回n-1番目の走査線を走査した際の位置情報が格納されている。すなわち、n-1番目の走査線の理論上の走査位置を基準とする、相対位置情報が格納されている。このため、これら相対位置情報を、n番目の走査線についての理論上の走査位置を基準とするように更新する。
以下、テーブル更新方法処理の具体的な手法について説明する。走査線位置格納部105は、走査線番号nの処理時に、走査線番号n-2に対応する相対位置情報を以下の(6)式により更新する。なお、同式においてXは、走査線が副走査方向に平行に形成される際に理論上一定となる走査線間隔を示す基準走査線間隔である。
Pn(n-2)=Pn-1(n-2)+X ・・・(6)
同様に、走査線番号n-1に対応する相対位置情報を以下の(7)式により更新する。
Pn(n-1)=Pn-1(n-1)+X ・・・(7)
次に、S401で取得した走査位置誤差Px(n)を用いて、走査線番号nに対応する相対位置情報を以下の(8)式により更新する。
Pn(n)=Px(n) ・・・(8)
走査線位置格納部105では上述したように、現在処理中のn番目の走査線の2本前から、すなわち走査線3本分の相対位置情報が更新される。
なお、走査線位置テーブルは、一つの画像のプリント処理が終わる毎に、図7(b)に示すように、基準走査線間隔Xにより初期化される。これは、プリント開始時の走査線位置情報は前回のプリントと連続性を有さないためである。なお本実施形態では、走査線位置テーブルの初期値として走査線位置誤差がない場合を想定した例を示したが、例えば感光体ドラム401表面における画像以外の領域に予めレーザ光を走査して、より正確な初期位置情報を得る方法等も考えられる。
●走査線間隔算出処理(S403)
以下、上記S403における走査線間隔算出部106での走査線間隔算出処理について、詳細に説明する。図8は、感光体ドラム401上の副走査方向における走査線位置と走査線間隔の関係を表す模式図である。走査線間隔算出部106では、着目走査線nと、その直後に走査されるであろう後続走査線n+1との間隔である第1の走査線間隔G^(n,n+1)を予測により算出する。また、着目走査線nと、その直前に走査された露光済み走査線n-1との間隔である第2の走査線間隔G^(n,n-1)も、予測により算出する。第1の走査線間隔G(n,n+1)の実際の値は、それぞれの位置情報Pn+1(n+1)とPn+1(n)との差分から算出できるはずである。以下、走査線a,bの間隔として、推定値をG^(a,b)、実際値をG(a,b)と表記する。ところが、n番目の走査線を走査する時点においては、Pn+1(n+1)は未来の情報であるため、処理時には取得できない。そこで本実施形態では、既に検出して走査線位置テーブルに格納されている、露光済み走査線の相対位置情報を用いて、第1の走査線間隔G^(n,n+1)及び第2の走査線間隔G^(n,n-1)を推定する。
ここで、本実施形態における走査線間隔の推定値算出式の一例を示す。以下の(9)式が第1の走査線間隔の推定値算出式、(10)式が第2の走査線間隔の推定値算出式の例である。
G^(n,n+1)=Pn(n)−Pn(n-1) ・・・(9)
G^(n,n-1)=Pn(n-1)−Pn(n-2) ・・・(10)
このような推定は、線形予測法として知られるものである。線形予測法は、将来の値を事前に観測された値の線形写像として予測する手法であり、一般的には以下の(11)式により記述される。なお(11)式において、Σは順番を示す変数iの全範囲による総和を示す。また、x^(k)は予測値、x(k-i)は事前に観測された実測値、aiは予測係数である。
x^(k)=Σaix(k-i) ・・・(11)
(11)式を本実施形態に合わせて書き直すと、以下の(12)式のようになる。
G^(n,n+1)=ΣaiG(n-i,n-i+1) ・・・(12)
一般に線形予測法においては、予測係数aiをパラメータとして、誤差|x(k)-x^(k)|が最小となるものを選択する。本実施形態ではこの予測係数aiをi=1では1、i≠1では0として、上記(12)式を以下の(13)式のように適用し、走査線間隔の推定を行う。
G^(n,n+1)=G(n-1,n) ・・・(13)
そのため、上記(9)式に示すように第1の走査線間隔G^(n,n+1)は、着目走査線位置とその直前の走査線位置との差分、すなわち、それぞれの相対位置であるPn(n)とPn(n-1)との差分として算出される。同様に、上記(10)式に示すように第2の走査線間隔G^(n,n-1)は、Pn(n-1)とPn(n-2)との差分として算出される。
なお、予測係数aiとしては、予め取得した測定値から適切なものを選ぶことが可能であり、また、これに応じて走査線位置テーブルに格納する相対位置情報の数を変えられることは言うまでもない。さらに、本実施形態では走査線間隔予測の手法として線形予測法を用いる例を示したが、カルマンフィルタを用いるものや画像形成装置の動きを模したシミュレータを利用する等、他の予測手法を用いることも可能である。
●補正率算出処理(S404)
以下、S404における補正率Rの算出処理について詳細に説明する。補正率R算出処理においては、走査線間隔の誤差により発生するバンディングを低減するように、露光量を補正する際の補正率Rを算出する。即ち、以下に説明する着目走査線位置での予測濃度OD1とOD2とを等しくするように、補正率Rを定める。ここでOD1とは、走査線間隔の誤差が無く、理論上の露光量Eで露光した際の形成画像における、着目走査線位置での予測濃度である。OD2は、走査線間隔の誤差が有り、補正後の露光量R・Eで露光した際の形成画像における、着目走査線位置での予測濃度である。予測濃度OD1とOD2は、着目走査線とその周辺の走査線との間隔を用いて、それぞれ以下の(15),(16)式により予測される。(15),(16)式中のshは、理論上の露光量Eで孤立ドットを印字した際の濃度分布を表す関数であり、Xは基準走査線間隔である。また、iの変動範囲は{-1,1}である。
OD1=sh(0)+Σsh(iX) ・・・(15)
OD2=R×sh(0)+Σsh(G^(n,n+i)) ・・・(16)
(15)および(16)式について、図9を用いて詳細に説明する。なお図9においては、周辺の走査線に印字されるドットとしてはその前後の走査線のもののみを示している。各走査線は所定の幅を持って重なって印字されるため、ある走査線位置での濃度は、当該走査線を含む周辺走査線の、注目位置での濃度の和として算出される。(15)式の右辺第1項は、当該走査線を理論上の露光量Eで露光した際の注目位置での濃度であり、図9(a)において901で示される濃度に相当する。(16)式の右辺第1項は、当該走査線を補正後の露光量R・Eで露光したものであり、R倍の露光をしたことで濃度もR倍となっている。(15)式の右辺Σの項は、走査線位置誤差がない場合の周辺走査線の注目位置での濃度の和であり、図9(a)において互いに902で示される濃度の和に相当する。(16)式の右辺Σの項は、走査線位置誤差がある場合の周辺走査線の注目位置での濃度の和であり、図9(b)においてそれぞれ903,904で示される濃度の和に相当する。同図に示すように902,903,904の濃度は当該走査線と周辺走査線との間隔に依存するため、902と903、及び、902と904は異なるものとなる。
なお、周辺走査線内の注目位置における濃度としては、画像中の全ての走査線についての和を算出する必要があるが、ある程度遠い走査線であればその濃度値が十分に小さいため、無視できる。そこで本実施形態においては、着目走査線に対する前後1つずつの走査線についてのみ、その和を算出するものとする。
本実施形態では、(15)式で求まるOD1と(16)式で求まるOD2とが等しくなるような補正率Rを、以下の(17)式により算出する。
R=1+{1/sh(0)}・Σ{sh(iX)-sh(G^(n,n+i))} ・・・(17)
なお、(17)式中のG^(n,n+i)は、S403で求めた第1の走査線間隔G^(n,n+1)及び第2の走査線間隔G^(n,n-1)である。
●処理タイミング
本実施形態では以上のように露光量が補正されることによって、バンディング補正を実現している。ここで、本実施形態における露光量補正に伴う各部の処理タイミングについて説明する。
図10は、本実施形態の画像形成装置における各処理の動作タイミングを模式的に示す図である。同図において、1001が記録媒体、1002が記録媒体1001上に形成される画像領域を示す。1003が、画像形成時におけるレーザ光の1主走査ラインを示し、レーザ光が光学位置センサ502を通過後に、記録媒体1001上の画像領域1002の走査が行われることを示している。
以下、1主走査ラインの走査時における各処理のタイミングについて説明する。まずレーザ信号1004は、画像信号1008と、BD信号(水平同期信号)を検出するための検出信号1007に分けることができ、これを受けてレーザスキャナ403のレーザダイオードが発光する。まず検出信号1007は、BDセンサ503がレーザ光で走査されるであろうタイミングの前に立ち上がる。BDセンサ503がレーザ光を検知するとBD信号1005を生成する。レーザ信号1004は、BD信号1005の検出タイミングからレーザ光が光学位置センサ502を走査し終わるのに十分な時間1009まで検出信号1007として発光される。そしてレーザ信号1004は、BD信号1005の検出タイミングから所定の時間1010が経過した後、画像信号1008として発光する。所定の時間1010は、感光体ドラム401に対する光学位置センサ502の設置位置およびポリゴンミラーの回転速度等に依存するが、プリンタコントローラ1において露光量補正を行うに十分な時間である必要がある。
光学位置センサ502はレーザ光の副走査位置を検出し、レーザ位置検出信号1006に示すタイミングで走査線位置検出部104へ出力する。一方、エンコーダ501は感光体ドラム401の回転角を検出し、ドラム位置検出信号1011に示すタイミングで走査線位置検出部104へ出力する。そして露光量補正部109が、レーザ位置検出信号1006とドラム位置検出信号1011による検出結果に基づいてレーザ光量を調整することで、画像信号1008としてレーザ信号1004が出力される。
●変形例
なお本実施形態では、走査線位置格納部105に格納されている走査線位置テーブルに、各走査線の、着目走査線の理論上の走査線位置を基準とする、感光体ドラム401表面における副走査方向の位置情報を格納する例を示した。しかしながら走査線位置テーブルの内容はこの例に限定されるものではなく、例えば感光体ドラム401表面における直前の走査線との距離を格納するようにしても良い。同様に、走査線位置テーブルに3つの走査線位置を格納する例を示したが、この本数は限定されず、走査線位置を格納する走査線は何本であっても良い。
また本実施形態では、S404の補正率算出処理において、着目走査線に対し直前と直後の2つの走査線による2つの走査線間隔を用いる例を示したが、この走査線間隔数も限定されない。すなわち、着目走査線を含む露光済みおよび後続する走査線による複数の走査線間の間隔からの予測が可能であれば、使用する走査線間隔はいくつであっても良い。また、ドット濃度が露光量Eおよび補正率Rに比例するものとしたが、これが成り立たない場合、露光量とドット濃度の関係を示すルックアップテーブル(LUT)や関数等を用いることで、同等の処理を行うことが可能である。また、走査線上の注目位置での予測濃度を孤立ドットの和から求めたが、こうした関係が成り立たない場合には、予め作成したLUTを用いて予測濃度や補正率を算出しても良い。また、補正率Rを算出する(17)式においては、周辺の走査線の露光量に補正がかかっていないことを前提としているが、レーザ光の走査毎に補正率Rを記憶しておくこと等により、周辺走査線の補正量を該算出式に反映させることも可能である。
また本実施形態では、S403の走査線間隔算出処理において、走査線間隔の全てを予測により算出する例を示したが、走査線間隔の一部を予測により算出し、残りは実際に検知した間隔を用いるようにしても良い。すなわち、走査線位置テーブルに格納されていない、後続走査線位置(Pn+1以降)に係る走査線間隔については予測により算出し、それ以外の走査線間隔については実測値より算出しても良い。例えば、走査線位置テーブルに格納された着目走査線位置(Pn)および露光済み走査線位置(Pn以前)に係る走査線間隔については、実際に検出された走査線位置誤差より算出しても良い。
以上説明したように本実施形態によれば、着目走査線とその周辺の露光済み走査線および後続走査線の位置誤差情報を用いて、露光量補正率を算出する。これにより、走査線の疎密による画像濃度の変動を、走査線の露光強度の変調により補正することができ、精度の良いバンディング補正を行うことが可能となる。
<第2実施形態>
以下、本発明に係る第2実施形態について説明する。上述した第1実施形態では、1つのレーザで露光を行う構成からなる画像形成装置における露光量補正について説明した。第2実施形態では、同時に走査する複数のレーザを備え、かつインタレース露光を行う画像形成装置における露光量補正について説明する。
●装置構成
第2施例形態における画像形成装置は、上述した第1実施形態において図1に示した構成に対し、1つのレーザによるレーザスキャナ403に替えて、複数のレーザからなるマルチレーザスキャナ407を有する。そしてマルチレーザスキャナ407の1回の露光走査により、複数本の走査線を互いに所定の走査線数分の間隔を空けて形成するインタレース露光を行う。
図11は、第2実施形態の画像形成装置において、特にバンディング補正に係る構成を示すブロック図であり、上述した第1実施形態における図5と同様の構成には同一番号を付し、説明を省略する。すなわち図11においては、図5に示す構成に対し、レーザスキャナ403に替えてマルチレーザスキャナ407を備えたことのみが異なる。
マルチレーザスキャナ407は、入力画像データに応じて3つの半導体レーザを駆動し、ポリゴンミラーにて感光体ドラム401上を同時に走査して潜像を記録するものであり、2つに分割されたインタレース露光を行う。インタレース露光とは、画像を上から順に走査するのではなく、所定の走査線数分の間隔を空けた飛び越し走査を繰り返す露光方式である。この飛び越し走査の間隔を埋めるために必要となる走査回数を、分割数と称する。第2実施形態では3つの半導体レーザを駆動し、2つに分割されたインタレース露光を行う例を示す。すなわち、k回目の走査では、レーザAを用いて走査線3k+2を走査し、レーザBを用いて走査線3kを走査し、レーザCを用いて走査線3k-2を走査する。そして、次回のk+1回目の走査では、レーザAを用いて走査線3k+5を走査し、レーザBを用いて走査線3k+3を走査し、レーザCを用いて走査線3k+1を走査する。すなわち、k回目とk+1回目の2回の走査によって、3k-2,3k,3k+1,3k+2,3k+3,3k+5の6本の走査線が形成され、3k〜3k+3まではインタレースの間隔が埋まり、全走査線が形成されていることが分かる。そして1回の走査毎に、感光体ドラム401は3走査線分に相当する回転角分、回転する。
●露光量補正処理
以下、第2実施形態における露光量補正処理について、図12のフローチャートを用いて詳細に説明する。
まずS1401で、走査線位置検出部104による走査線位置検出処理を行う。すなわち、1回の走査ごとに、上述した第1実施形態におけるS401と同様の処理を、3つのレーザそれぞれについて行い、レーザA,B,Cのそれぞれによる走査線位置誤差PxA,PxB,PxCを算出し、走査線位置格納部105へ出力する。
次にS1402で、走査線位置格納部105は予め格納されている走査線位置テーブルを更新する。ここで図13(a)に、第2実施形態における走査線位置テーブルの一例を示す。このテーブルには、現在の走査(着目走査)におけるレーザAによる走査線の理論上の走査線位置を基準とする、感光体ドラム401表面における各走査線の副走査方向の相対的な位置情報が、走査線番号と対応付けられて格納されている。なお、第2実施形態においてレーザAが走査線nを走査する際に、走査線n-1は次の走査で露光される走査線であってまだ走査されていないため、その位置情報については該テーブルに保持しない。
ここで、第2実施形態における走査線位置テーブルの更新処理について詳細に説明する。走査線位置格納部105はまず、基準走査線間隔Xを用いて走査線n-5および走査線n-3の位置を以下の(18),(19)式により更新する。
P(n-5)=P(n-2)+3X ・・・(18)
P(n-3)=P(n)+3X ・・・(19)
(18),(19)式によればすなわち、前回の更新時に格納した走査線nの位置に基準走査線間隔Xの3倍を加算して走査線n-3の位置とし、前回の更新時に格納した走査線n-2の位置に基準走査線間隔Xの3倍を加算して走査線n-5の位置とする。これは、1回の走査毎に感光体ドラム401が3走査線分回転することによる。
走査線位置格納部105は次に、走査線n-4、走査線n-2および走査線nの相対位置を、以下の(20)〜(22)式に示すように走査線位置誤差により更新する。なお、PxA,PxBおよびPxCはそれぞれ、S1401で算出したレーザA、レーザBおよびレーザCによる走査線位置誤差である。
P(n-4)=PxC+4X ・・・(20)
P(n-2)=PxB+2X ・・・(21)
P(n) =PxA ・・・(22)
なお、第2実施形態における走査線位置テーブルも、第1実施形態と同様に一つの画像のプリント処理が終わる毎に図13(b)に示すように基準走査線間隔Xにより初期化される。
以上のようにS1402の走査線位置テーブル更新処理が終了すると、S1403〜S1405でレーザBに対する露光量補正を行い、さらにS1406〜S1408でレーザCに対する露光量補正を行う。すなわち第2実施形態では、レーザAの露光量はそのままでレーザB,Cの露光量を補正することで、バンディング補正を実現する。第2実施形態においては、着目走査によって形成される複数本の走査線のうち、2本の露光済み走査線に挟まれる走査線(レーザCによる走査線)を上述した第1実施形態における着目走査線として、バンディング補正を行うことを特徴とする。ただし、露光済み走査線の少なくとも1本と隣接する走査線(レーザBによる走査線)であれば、簡単な予測によりバンディング補正を行うことが可能であるため、以下ではレーザB,Cに対する露光量補正を行う例を示す。
以下、レーザBに対する露光量補正について説明する。まずS1403では走査線間隔算出部106が、着目走査内におけるレーザBによる走査線とその周辺の走査線との間隔算出処理を行う。ここで図14に、第2実施形態における走査線位置と走査線間隔の関係を模式的に示す。走査線間隔算出部106では、レーザBによる走査線n-2と、その直後の走査線n-1とによる第1の走査線間隔G^(n-2,n-1)を以下の(23)式により算出する。また、走査線n-2とその直前の走査線n-3とによる第2の走査線間隔G^(n-2,n-3)を、以下の(24)式により算出する。
G^(n-2,n-1)=X ・・・(23)
G^(n-2,n-3)=P(n-2)−P(n-3) ・・・(24)
第1の走査線間隔G(n-2,n-1)の実際の値は、P(n-1)とP(n-2)との差分から算出することができるが、第2実施形態では(23)式に示すようにその値を基準走査線間隔Xとして予測している。これは、走査線n-1がまだ印字されておらず、その相対位置P(n-1)を取得することができないためである。なお、走査線n-1では位置誤差が発生しないものと仮定している。
次にS1404で露光量補正率算出部107が、レーザBの補正率RBを算出する。すなわち、走査線間隔の誤差により発生するバンディングを低減するように、レーザBの露光量に対する補正率RBを、以下の(25)式により算出する。
RB=1+{1/sh(0)}・Σ{sh(iX)-sh(G^(n-2,n-2+i))} ・・・(25)
なお、(25)式中のshは、レーザBの理論上の露光量EBで孤立ドットを印字した際の濃度分布を表す関数であり、Xは基準走査線間隔である。また、iの変動範囲は{-1,1}である。そしてG^(n-2,n-2+i)は、S1403で求めた第1の走査線間隔G^(n-2,n-1)及び第2の走査線間隔G^(n-2,n-3)である。(25)式の導出過程については、上述した第1実施形態における(17)式の導出過程から容易に類推できるため、ここでは説明を省略する。
そしてS1405で露光量補正部109が、S1404で算出されたレーザBの補正率RBに応じて、レーザBの露光量補正処理を行う。この補正処理は以下の(26)式に従う。すなわち、算出した補正率RBをレーザBの理論上の露光量EBに乗算して、今回書き込むべき露光量EB'を決定する。
EB'=RB・EB ・・・(26)
以上のようにレーザBに対する露光量補正が終了すると、次にレーザCに対する露光量補正を行う。まずS1406で走査線間隔算出部106が、S1402で更新した走査線位置テーブルの情報を用いて、着目走査内におけるレーザCによる走査線とその周辺の走査線との間隔算出処理を行う。すなわち、走査線n-4と走査線n-3とによる第1の走査線間隔G^(n-4,n-3)および、走査線n-4と走査線n-5とによる第2の走査線間隔G^(n-4,n-5)を、以下の(26),(27)式により算出する。
G^(n-4,n-3)=P(n-3)−P(n-4) ・・・(26)
G^(n-4,n-5)=P(n-4)−P(n-5) ・・・(27)
次にS1407で露光量補正率算出部107が、レーザCの補正率RCを算出する。すなわち、走査線間隔の誤差により発生するバンディングを低減するように、レーザCの露光量に対する補正率RCを、以下の(28)式により算出する。
RC=1+{1/sh(0)}・Σ{sh(iX)-sh(G^(n-4,n-4+i))} ・・・(28)
なお、(28)式中のshは、レーザCの理論上の露光量ECで孤立ドットを印字した際の濃度分布を表す関数であり、Xは基準走査線間隔である。また、iの変動範囲は{-1,1}である。そしてG^(n-4,n-4+i)は、S1406で求めた第1の走査線間隔G^(n-4,n-3)及び第2の走査線間隔G^(n-4,n-5)である。(28)式の導出過程についても、上述した第1実施形態における(17)式の導出過程から容易に類推できるため説明を省略する。
次にS1408で露光量補正部109が、S1407で算出されたレーザCの補正率RCに応じて、レーザCの露光量補正処理を行う。この補正処理は以下の(29)式に従う。すなわち、算出した補正率RCをレーザCの理論上の露光量ECに乗算して、今回書き込むべき露光量EC'を決定する。
EC'=RC・EC ・・・(29)
以上説明したように第2実施形態によれば、マルチレーザによるインタレース露光を行う画像形成装置において、着目走査線と、既に走査されている周辺走査線の位置誤差情報を用いて、レーザ毎の露光量補正率を算出し、露光強度を変調する。したがって、周辺走査線との走査線間隔として、予測値でなく実測値に基づいた高精度のバンディング補正を行うことが可能となる。
なお第2実施形態では、着目走査における複数本の走査線のうち、2本の露光済み走査線に挟まれるレーザCの走査線と、少なくとも1本の露光済み走査線と隣接するレーザBの走査線とについて、露光量補正を行う例を示した。もちろん、レーザCの走査線のみについて露光量補正を行い、レーザBの走査線についてはレーザAの走査線同様、特に補正を行わないように構成することも可能である。
なお第2実施形態では、同時に走査するレーザ数が3、インタレース露光による分割数が2である構成を例としたが、本発明はこの例に限定されず、それぞれが複数であれば適用可能である。
<その他の実施形態>
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のプロセッサ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

Claims (8)

  1. 走査方向に移動する像担持体に対し、該副走査方向と直交する方向である主走査方向に露光手段による露光走査を行うことで、該像担持体上に静電潜像を形成する画像形成装置であって、
    前記像担持体に前記露光手段による露光走査を行う際の、該像担持体上での前記副走査方向の走査位置を示す位置情報を取得する走査線位置取得手段と、
    走査線位置取得手段により取得された、前記像担持体に前記露光手段による露光走査を行う着目走査線についての前記位置情報と、該着目走査線より前に露光走査された露光済み走査線についての前記位置情報とに基づいて、前記着目走査線と着目走査線に後続して露光されることになる後続走査線との前記副走査方向における予測される距離を示す第1の走査線間隔と、前記着目走査線と前記露光済み走査線との前記副走査方向における距離を示す第2の走査線間隔と、を算出する走査線間隔算出手段と、
    前記第1および第2の走査線間隔を用いて算出される前記着目走査線における予測濃度を算出する予測濃度算出手段と、
    め定められた着目走査線における基準とする濃度と前記予測濃度とが等しくなるように、該着目走査線の露光量に対する補正率を算出する補正率算出手段と、
    前記着目走査線に対して設定された露光量に対し、前記補正率を乗じることで補正を施す露光量補正手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記走査線間隔算出手段は、前記着目走査線と該着目走査線に隣接する前記後続走査線との距離を前記第1の走査線間隔として算出し、記着目走査線と該着目走査線に隣接する前記露光済み走査線との距離を前記第2の走査線間隔として算出することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記走査線位置取得手段が取得する前記着目走査線についての前記位置情報、前記像担持体上における該着目走査線の理論上の位置を基準とした相対位置を示す情報であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記走査線位置取得手段は、前記露光済み走査線については取得されている前記位置情報に基準走査線間隔を加算することで該位置情報を更新ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記走査線間隔算出手段は、前記第2の走査線間隔を、既に取得されている前記露光済み走査線についての前記位置情報を用いた予測により算出することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 副走査方向に移動する像担持体に対し、該副走査方向と直交する方向である主走査方向への露光手段による1回の露光走査で複数本の走査線を互いに所定の走査線数分の間隔を空けて形成する画像形成装置であって、
    前記像担持体に前記露光手段による露光走査を行う際の、該像担持体上で前記副走査方向に形成される複数本の走査線のそれぞれの走査位置を示す位置情報を取得する走査線位置取得手段と、
    前記走査線位置取得手段により取得された、前記像担持体に前記露光手段の着目走査によって形成される複数本の走査線についての前記位置情報と、該着目走査より前に露光走査された露光済み走査線についての前記位置情報とに基づいて、前記着目走査によって形成される複数本の走査線のうち、前記露光済み走査線に挟まれる走査線を着目走査線として、前記副走査方向において該着目走査線と該着目走査線を挟む走査線のそれぞれとの距離を示す第1および第2の走査線間隔を出する走査線間隔算出手段と、
    前記第1および第2の走査線間隔を用いて算出される前記着目走査線における予測濃度を算出する予測濃度算出手段と、
    め定められた着目走査線における基準とする濃度と前記予測濃度とが等しくなるように、前記着目走査線の露光量に対する補正率を算出する補正率算出手段と、
    前記着目走査線に対して設定された露光量に対し、前記補正率を乗じること補正を施す露光量補正手段と、を有し、
    前記露光手段は、前記着目走査の際に、前記着目走査線については前記露光量補正手段で補正された露光量による露光走査を行い、前記着目走査線でない走査線については予め設定された露光量による露光走査を行うことを特徴とする画像形成装置。
  7. 露光手段、走査線位置取得手段、査線間隔算出手段、予測濃度算出手段、補正率算出手段、および露光量補正手段を有し、副走査方向に移動する像担持体に対し、該副走査方向と直交する方向である主走査方向に前記露光手段による露光走査を行うことで、該像担持体上に静電潜像を形成する画像形成装置の制御方法であって、
    前記走査線位置取得手段が、前記像担持体に前記露光手段による露光走査を行う際の、該像担持体上での前記副走査方向の走査位置を示す位置情報を取得する走査線位置取得ステップと、
    前記走査線間隔算出手段が、該走査線位置取得手段により取得された、前記像担持体に前記露光手段による露光走査を行う着目走査線についての前記位置情報と、該着目走査線より前に露光走査された露光済み走査線についての前記位置情報とに基づいて、前記着目走査線と着目走査線に後続して露光されることになる後続走査線との前記副走査方向における予測される距離を示す第1の走査線間隔と、前記着目走査線と前記露光済み走査線との前記副走査方向における距離を示す第2の走査線間隔と、を算出する走査線間隔算出ステップと、
    前記予測濃度算出手段が、前記第1および第2の走査線間隔を用いて算出される前記着目走査線における予測濃度を算出する予測濃度算出ステップと、
    前記補正率算出手段が、予め定められた着目走査線における基準とする濃度と前記予測濃度とが等しくなるように、該着目走査線の露光量に対する補正率を算出する補正率算出ステップと、
    前記露光量補正手段が、前記着目走査線に対して設定された露光量に対し、前記補正率を乗じることで補正を施す露光量補正ステップと有することを特徴とする制御方法
  8. 画像形成装置のプロセッサで実行されることにより、該プロセッサを請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置の各手段として機能させるためのプログラム。
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