以下、図面に従って本発明を適用したカメラを用いて好ましい実施形態について説明する。本発明の好ましい実施形態に係わるカメラは、デジタルカメラであり、撮像部を有し、この撮像部によって被写体像を画像データに変換し、この変換された画像データに基づいて、被写体像を本体の背面に配置した表示部にライブビュー表示する。撮影者はライブビュー表示を観察することにより、構図や撮影タイミングを決定する。動画撮影時には、動画の画像データが記録媒体に記録される。記録媒体に記録された画像データは、再生モードを選択すると、表示部に再生表示することができる。動画再生にあたっては、ユーザがカメラを水平方向に移動させると、その移動量に応じた位置のコマが表示される。
図1は、本発明の第1実施形態に係るカメラの電気系を主とする全体構成を示すブロック図である。撮影レンズ216は、被写体像を形成するための複数の光学レンズから構成され、フォーカスおよびズーム機構218によって、ピント調節およびズーミングのために駆動される。撮影レンズ216の光路上には、絞り220、シャッタ224、および撮像素子214が配置されている。
絞り220は、撮影レンズ216を透過した被写体光束の光量を調節し、絞り駆動機構222によって絞り220の開口量が駆動制御される。シャッタ214は、撮影レンズ216を透過した被写体光束の開閉を行い、シャッタ駆動機構226によってシャッタ開口時間(シャッタ速度)が制御される。
撮像素子214は、撮影レンズ216によって結像される被写体像を光電変換し、画像信号を出力する。撮像素子214としては、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の二次元固体撮像素子を使用できることはいうまでもない。撮像素子214は、撮像素子変位機構228によって、撮影レンズ216の光路と直交する平面内において、X方向およびY方向に変位される。撮像素子変位機構228は、角速度検出回路230および加速度検出回路250によって検出された信号に基づいて、カメラに加えられた手振れの影響を除去するように、撮像素子214を移動させる。
撮像素子214は撮像素子インターフェース(以下、「撮像素子IF」と称す)回路212に接続されている。撮像素子IF回路212は、撮像素子214から画像信号を読み出し、増幅等の種々の処理を行い、システムコントローラ100に画像信号を出力する。
前述のフォーカスおよびズーム機構218、絞り駆動機構222、シャッタ駆動機構226、撮像素子IF回路212、および撮像素子変位機構228は、システムコントローラ100に接続されている。システムコントローラ100は、種々の処理を行うためのハードウエア回路と、プログラムに従って動作するCPU110を有し、カメラ全体の制御を行う。システムコントローラ100内には、CPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)110、画像処理回路122、圧縮・伸張回路124、AF制御回路126、AE制御回路128、ADコンバータ130、タイマカウンタ132、画像認識回路140が設けられている。
CPU110は、フラッシュメモリ340に記憶されているプログラムに従って、カメラ全体の制御を行う。ADコンバータ130は、撮像素子IF回路212から出力された画像信号や、角速度検出回路230や加速度検出回路250から出力される検出信号を入力し、これらの信号をAD変換する。
画像処理回路122は、ADコンバータ130によってAD変換された画像データに対して、デジタル的増幅(デジタルゲイン調整処理)、色補正、ガンマ(γ)補正、コントラスト補正、白黒・カラーモード処理、ライブビュー表示用処理といった各種の画像処理を行う。
圧縮・伸張回路124は、後述するSDRAM(Dynamic Random Access Memory)350に一時記憶された画像データをJPEG方式やTIFF方式等で圧縮する。なお、画像圧縮はJPEG方式やTIFF方式に限らず、他の圧縮方法も適用できる。
AF制御回路126は、自動焦点制御回路であり、撮像素子214からの出力に基づく画像データ中の高周波成分を抽出し、この高周波成分がピークとなるように、フォーカスおよびズーム機構218によって撮影レンズ216のフォーカス位置を制御する。また、AE制御回路128は、自動露出制御回路であり、画像データに基づいて被写体輝度を検出し、この被写体輝度を用いて適正露光となるように絞り値、シャッタ速度、ISO感度等の制御を行う。
タイマカウンタ132は、計時動作やカウント動作を行うことができ、後述するように、動画の撮影開始からの時間を測定する。また、画像認識回路140は、画像データに基づいて、被写体像の中に人物や動物等が存在するか否かを判定する。
システムコントローラ100には、前述のフォーカスおよびズーム機構218等の他に、角速度検出回路230、加速度検出回路250、時計回路280、表示素子駆動回路312、タッチパネル駆動回路322、ソケット332、フラッシュメモリ340、SDRAM350、操作スイッチ380が接続されている。
角速度検出回路230内には、X軸ジャイロ232およびY軸ジャイロ234が配置されている。X軸はカメラの長手方向に沿った軸であり、Y軸はX軸と直交し、カメラの短手方向に沿った軸である。X軸ジャイロ232はX軸周りの角速度に応じた信号を出力し、Y軸ジャイロ234はY軸周りの角速度に応じた信号を出力する。X軸ジャイロ232とY軸ジャイロ234の各出力は角速度センサ処理回路236に接続されている。角速度センサ処理回路236は、各ジャイロから出力される角速度信号について増幅処理等の各種処理を行い、システムコントローラ100に出力し、AD変換する。
加速度検出回路250内には、加速度センサ252が配置されており、カメラに加えられた加速度に応じた加速度信号を加速度センサ処理回路254に出力する。加速度センサ処理回路254は、加速度信号の増幅処理等の各種処理を行い、システムコントローラ100に出力し、AD変換を行う。時計回路280は、日時情報をシステムコントローラ100に出力する。
表示素子314は、カメラの背面等に配置され、LCD(液晶)パネルや有機ELパネル等の表示用モニタを有する。表示素子駆動回路312は、表示素子314に接続されており、システムコントローラ100からの信号に基づいて、表示素子314に画像を表示する。本実施形態においては、表示素子314には、ライブビュー表示、記録された静止画や動画のクイックビューや再生表示、およびメニュー画面等の制御用画像が表示される。
表示素子314の前面、または表示素子314と一体にタッチパネル324が配置されている。タッチパネル324は、タッチパネル駆動回路322に接続されており、タッチパネル駆動回路322は、ユーザが表示素子314の表面をタッチした際に、そのタッチ位置等を検出し、システムコントローラ100に出力する。
メモリカード334は、撮像素子214によって取得された静止画や動画の画像データを記録するための記録媒体であり、ソケット332に脱着自在である。ソケット332は、メモリカード334が装着されると、メモリカード334に画像データを書き込み、また読出し可能である。
フラッシュメモリ340は、電気的に書込み可能な不揮発性のメモリであり、前述したようにカメラを制御するためのプログラムが記憶されている。また、プログラム以外にも、各種調整値等のデータが記憶されている。SDRAM350は、電気的に書込み可能な揮発性のメモリであり、撮像素子214によって取得された画像信号に基づく画像データを一時的に記憶する。
操作スイッチ380は、ユーザがカメラに対して各種動作を指示するための操作部材である。操作スイッチ380としては、レリーズスイッチ、モードダイヤル、十字キー、確定キー等の各種操作部材が含まれる。
次に、図2および図3を用いて、本実施形態における動画の再生方法について説明する。図2は、ユーザ20がカメラ10を水平方向に移動させながら、カメラ10に記録された動画31の画像を再生する様子を示している。動画31は、時刻0から時刻T0の間で撮影されたものであり、図2では、仮想的な表示である。
X軸方向は、前述したように、カメラ10の長手方向(水平方向)であり、また、ユーザ20の正面をX軸で0とし、移動範囲の左端を−X0、移動範囲の右端を+X0とする。今、ユーザ20がカメラ10をX軸方向に−X0から+X0に向けて、水平に移動させると、カメラ10の移動に応じて表示素子314には動画31のコマが表示される。すなわち、動画31の再生開始を位置(−X0)に、再生終了を位置(+X0)に対応させ、カメラ10内の角速度検出回路230および加速度検出回路250の出力を積分することによってカメラ10の位置を検出し、検出された位置に対応する動画31のコマを表示素子314に表示する。
なお、角速度検出回路230によってY軸回りの角速度が検出されるので、角速度を積分することによりY軸回りの回動角を求め、これからX軸方向に沿っての移動量を算出する。また加速度検出回路250によってX軸方向の加速度が検出されるので、この加速度を積分することにより、X軸方向の移動量を算出するようにしてもよい。
図3(a)は、カメラ10の表示素子314に複数の動画の代表画像(図示の例では4つ)が表示されている場合を示している。ユーザは、再生したい動画をタッチすると、タッチパネル324からのタッチ信号に基づいて、ユーザがタッチした動画を特定し、図3(b)に示すように、動画の代表画像を拡大表示する。拡大表示した状態で、カメラ10を左側(図2における(−X0)の方向)に移動させると、移動量に応じた時間だけ前の画像が図3(c)に示すように表示される。一方、カメラ10を右側(図2における+X0の方向)に移動させると、移動量に応じた時間だけ後の画像が図3(d)に示すように表示される。ユーザが鑑賞したコマを決め、再生釦等の操作ボタンを操作すると、動画の再生を開始する。
次に、図4に示すフローチャートを用いて、本実施形態におけるカメラ制御の動作を説明する。このフローチャートは、フラッシュメモリ340に記憶されたプログラムに基づいて、CPU110が実行する。
カメラ制御の動作を開始すると、まず、撮影モードか否かを判定する(S1)。ここでは、操作スイッチ380のモードダイヤルによって、撮影モードが設定されたか否かを判定する。この判定の結果、撮影モードが設定されていた場合には、次に、撮像及び表示を行う(S3)。ここでは、撮像素子214によって取得した画像信号に基づいて、表示素子314にライブビュー表示を行う。
撮像および表示を行うと、次に、撮影開始か否かの判定を行う(S5)。ここでは、操作スイッチ380の内のレリーズ釦が操作されたか否かを判定する。なお、本実施形態においては、動画撮影モードが設定されている場合には、レリーズ釦が操作されると、動画撮影を開始し、再度、レリーズ釦が操作されると動画撮影を終了する。なお、専用の動画釦を設け、動画撮影の開始と終了を指示するようにしても勿論かまわない。
ステップS5における判定の結果、撮影開始でない場合には、ステップS1に戻る。一方、判定の結果、撮影開始であった場合には、次に、タイマカウンタ132のカウントを0にリセットする(S7)。続いて、動画撮影を開始する(S9)。ここでは、撮像素子214によって取得された動画の画像信号を処理し、SDRAM350に一時記憶する。また、タイマカウントする(S11)。ここでは、タイマカウンタ132によって計時動作を行う。
次に、撮影終了か否かの判定を行う(S13)。前述したように、再度、レリーズ釦が操作されると、動画撮影を終了する。この判定の結果、撮影終了でなかった場合には、ステップS9に戻り、動画撮影を続行する。一方、判定の結果、撮影終了であった場合には、タイマカウンタ132によって計時された時間TをT1とし(S15)、計時時間Tと各画像を関連付けて記録する(S17)。ここでは、図2において説明したように、撮影開始の時刻T=0と撮影終了時刻T=T1を、動画31の撮影開始時の画像と撮影終了時の画像に相当するように関連付け、さらに時刻T=0と時刻T=T1の間に撮影された動画の各画像に経過時間を関連付ける。各画像とタイマカウントTとの関連付けが終わると、メモリカード334に動画の画像データの記録を行う。記録が終わると、ステップS1に戻る。
ステップS1における判定の結果、撮影モードでなかった場合には、再生モードを実行する。まず、撮影画像ファイルを一覧表示する(S21)。ここでは、メモリカード334に記録されている動画の中から代表画像を読み出し、表示素子314に一覧表示する。一覧表示の仕方としては、例えば、図3に示したように、サムネイル表示する。続いて、戻るか否かの判定を行う(S22)。一覧表示が表示されると共に、「戻る」アイコンが表示されるので、このステップでは、「戻る」アイコンがタッチされたか否かを判定する。この判定の結果、「戻る」であった場合には、ステップS1に戻る。
ステップS22における判定の結果、「戻る」でなかった場合には、次に、選択されたか否かの判定を行う(S23)。ここでは、例えば、図3を用いて説明したように、ユーザが動画を選択するために、表示素子314をタッチしたか否かによって判定する。この判定の結果、選択されていない場合には、ステップS22に戻る。
ステップS23における判定の結果、撮影画像ファイルのいずれかが選択されると、次に、代表画像の拡大を行う(S25)。ここでは、図3(b)に示すように選択された動画の代表画像を表示素子314に拡大表示する。続いて、戻るか否かの判定を行う(S26)。代表画像が表示されると共に、「戻る」アイコンが表示されるので、このステップでは、「戻る」アイコンがタッチされたか否かを判定する。この判定の結果、「戻る」であった場合には、ステップS1に戻る。一方、判定の結果、「戻る」でなかった場合には、再生を開始するか否かの判定を行う(S27)。ここでは、ユーザが動画再生釦等の操作により再生開始の指示を行ったか否かを判定する。
ステップS27における判定の結果、再生開始であった場合には、次に、代表画像の表示中であるか否かを判定する(S29)。再生を開始する前は、代表画像を表示したままであることから、このステップでは、代表画像が表示されたままであるか否かを判定する。この判定の結果、代表画像の表示中の場合には、次に、先頭コマ表示を行う(S31)。ここでは、メモリカード334に記憶された動画のファイルの中から先頭コマの画像を読み出し、表示する。
ステップS31において先頭コマを表示すると、またはステップS29における判定の結果、代表画像の表示中でなかった場合には、次に、再生コマから動画再生を行う(S33)。すなわち、ステップS31において先頭コマを表示した場合には、その先頭コマから動画再生を開始し、またステップS29における判定の結果代表画像表示中でなかった場合には、再生中の動画の再生コマから動画再生を続行する。
ステップS33において動作再生を行うと、次に、再生終了か否かの判定を行う(S35)。ここでは、動画再生釦等の操作により再生終了が指示されたか否かを判定する。すなわち、本実施形態においては、再度、動画再生釦等により再生終了指示の操作がなされると、再生を終了する。この判定の結果、再生終了でなかった場合には、ステップS29に戻り、動画再生を続行する。一方、再生終了であった場合には、再生を終了し、ステップS25に戻る。
ステップS27における判定の結果、再生開始でなかった場合には、すなわち、動画の再生を行わない場合には、移動量再生開始を行うか否かの判定を行う(S40)。通常の動画再生を開始しない状態で、ユーザがカメラ10を移動させると、この動き量に応じた動画のコマの表示を禁止したい場合がある。そこで、本実施形態においては、動き量に応じた動画のコマ表示を許可する移動量再生モードをメニュー画面もしくは専用操作部材の操作によって設定するようにしている。このステップS40においては、移動量再生モードが設定されているか否かを判定する。この判定の結果、移動量再生モードが設定されていない場合には、ステップS26に戻る。
ステップS40における判定の結果、移動量再生モードに設定されていた場合には、移動量の検出を開始し、X方向に動きが有り、かつY方向に動きがないかを判定する(S41)。すなわち、ここでは、ユーザがカメラ10を水平方向に移動させるが、この際、垂直方向に移動させることがないかを判定する。図2を用いて説明したように、本実施形態においては、ユーザがカメラ10を水平方向に移動させる場合に、水平方向の位置に応じた動画のコマを再生する。
ステップS41における判定の結果、X方向に動きがあり、かつY方向に動きがなかった場合には、その時の動き量を判定しXとする(S43)。ここでは、角速度検出回路230や加速度検出回路250の検出出力に基づいて、X=0からの動き量をXとして求める。
動き量を判定すると、次に、(X−(−X0))×T1/2X0のタイミングのコマを表示する(S45)。前述したように、カメラ10の移動範囲が、(−X0)から(X0)の範囲であり、この範囲を動画の再生時間T1に対応させていることから、このステップでは、カメラの動き量Xに応じた動画のコマを求め、表示する。このため、カメラを水平方向に沿って左右に動かすと、表示素子314には、動き量に応じたコマが順次に表示される。この表示は、あたかもコマ送り・戻し、早送り・戻しのようであり、また、任意のコマを簡単に表示することができる。なお、この段階では、動き量に応じて指定された動画のコマが表示されるのみであり、動画再生は開始されない。
動画のコマを表示すると、次に、戻るか否かの判定を行う(S47)。表示素子314には、指定された動画のコマが表示されると共に、「戻る」アイコンが表示されるので、このステップでは、「戻る」アイコンがタッチされたか否かを判定する。この判定の結果、「戻る」アイコンがタッチされない場合には、ステップS41に戻る。このため、カメラ10の動きに応じて、指定される動画のコマが変化する。
一方、ステップS47における判定の結果、「戻る」アイコンがタッチされると、ステップS27に進み、再生開始となると、ステップS33において、指定された動画のコマから動画再生が開始される。なお、本実施形態においては、表示素子314に「戻る」アイコンを表示するようにしているが、これに限らず、例えば、戻り用の操作部材を設けてもよい。
このように、本実施形態においては、X方向に移動があり、Y方向に移動がない場合、すなわち、表示素子314の表示面に直交する方向に傾きがなく、かつ直交する方向への位置変化がない状態で、カメラが移動する場合には、このときの移動量に応じた動画のコマを表示することができる。連続的に移動させれば、あたかも早送りもしくは早戻しのような表示となり、その中でユーザが希望するコマが見つかれば、移動を停止させればよい。この表示されたコマから動画再生を開始することができる。
次に、本発明の第2実施形態について、図5ないし図8を用いて説明する。第1実施形態においては、カメラ10の水平方向の動きに応じて動画のコマを指定していたが、第2実施形態においては、水平方向には動かないが垂直方向に動きが有る場合には、隣接する動画ファイルの選択を行うことができる。また、第1実施形態においては、X方向での位置を検出していたが、第2実施形態においては、カメラ10を水平方向に回動した際の回動角を測定し、動画のコマ指定を行うようにしている。本実施形態の構成は、図1に示した第1実施形態における電気的構成と同様であることから、詳しい説明は省略する。
次に、図5および図6を用いて、本実施形態における動画の再生方法について説明する。図5は、第1実施形態における図2に対応する図であり、ユーザ20がカメラ10を水平方向に移動させながら、カメラ10に記録された動画31の画像を再生する様子を示している。動画31は、時刻T=0から時刻T=T0の間で撮影されたものであり、図5においても、仮想的な表示である。
X軸方向は、前述したように、カメラ10の長手方向(水平方向)であり、ユーザ20の正面を0度とし、カメラ10を水平方向に移動させたときの角度をθとする。ユーザ20がカメラ10を(−θ0)から+θ0に向けて、水平に移動させると、カメラ10の移動に応じて表示素子314には動画31のコマが表示される。すなわち、動画31の再生開始を角度(−θ0)に、再生終了を角度(+θ0)に対応させ、カメラ10内の角速度検出回路230および加速度検出回路250の出力に基づいてカメラ10の角度θを検出し、検出された角度θに対応する動画31のコマを表示素子314に表示する。ここで、角度θは、Y軸回りの角速度を積分することにより求めることができる。
本実施形態においては、カメラ10を水平方向に移動させた際の回動の角度θに加えて、水平方向とは直交する垂直方向に移動させた際の回動の角度φも検出し、この角度φに応じて、再生する動画のファイルを変更するようにしている。ここで、角度φは、X軸周りの角速度を積分することにより求めることができる。図6は、ユーザ20がカメラ10を垂直方向に移動させながら、カメラ10に記録された動画の画像を再生する様子を示している。
ユーザ20の正面を0度とし、カメラ10を垂直方向に移動させたときの角度をφとする。ユーザ20がカメラ10を(+φ0)から(−φ0)に向けて、垂直に移動させると、カメラ10の移動に応じて表示素子314には動画31〜34の動画の代表画像が表示される。すなわち、動画31を角度(+θ0)に、動画34を角度(−θ0)に対応させ、カメラ10内の角速度検出回路230および加速度検出回路250の出力に基づいてカメラ10の角度φを検出し、検出された角度φに対応する動画ファイルの代表画像を表示素子314に表示する。
次に、図7に示すフローチャートを用いて、本実施形態におけるカメラ制御の動作を説明する。このフローチャートも、フラッシュメモリ340に記憶されたプログラムに基づいて、CPU110が実行する。このカメラ制御のフローにおいて、ステップS1〜S17、およびS21〜S40は、第1実施形態の図4に示したフローと同一であるので、同一の処理には同一のステップ番号を付し、詳しい説明は省略する。
ステップS5において動画の撮影を開始、ステップS13において動画の撮影を終了すると、第1実施形態と同様に、ステップS17において、タイマカウンタ132によって計時された時間と動画の画像を関連付けて記録する。この記録を行うと、次に、ファイル数カウントをFとする(S18)。このファイル数カウントは、動画撮影の開始から終了までの間に撮影された動画が1つのファイルであり、動画撮影が終了するたびに、カウントF1が1つずつアップする。
続いて、レックビューを行う(S19)。このステップにおいて、撮影終了直後に撮影画像を表示素子314に再生し、ユーザによる撮影画像の確認を可能とする。このレックビュー動作の詳細は、図8を用いて後述する。レックビューを行うと、ステップS1に戻る。
ステップS1における判定の結果、撮影モードでなかった場合には、再生モードに移り、第1実施形態と同様に、ステップS21〜S35において、通常の動画再生を実行する。そして、ステップS27における判定の結果、再生開始でなく、ステップS40における判定の結果、移動量再生を開始した場合には、次に、角度θに動きが有り、かつ角度φに動きがないかを判定する(S51)。ここでは、図5を用いて説明したように、カメラ10が水平方向にのみ移動し、垂直方向に移動していないかを判定する。
ステップS51における判定の結果、判定条件を満たした場合には、次に、角速度積分に基づいて角度θを求める(S63)。ここでは、X軸ジャイロ232の出力を角速度センサ処理回路236によって角速度信号を積分し、角度θを求める。続いて、((θ−(−θ0))×T1/2θ0に対応するタイミングのコマ表示を行う(S65)。ここでは、ステップS63において求めた角度θ、移動範囲の端部の角度(−θ0)および(θ0)、およびステップS15において求めたカウントT1を用いて、水平方向に移動した角度θに対応する動画のコマを、メモリカード334から読み出し、表示素子312に表示する。
ステップS51における判定の結果、判定条件を満たさなかった場合には、次に、角度θに動きがなく、かつ角度φに動きがあるか否かを判定する(S53)。ここでは、図6を用いて説明したように、水平方向に動きがないが、垂直方向にのみ動きがあるかを判定し、垂直方向にのみに動きがあった場合には、垂直方向の移動量に応じて、動画のファイルを指定することができる。
ステップS53における判定の結果、この判定条件を満たさない場合には、ステップS25に戻る。ステップS25において代表画像が拡大表示されて後、再生開始が指示されず、また、カメラ10に対して水平方向および垂直方向の動きがないことから、代表画像の表示を継続する。
ステップS53における判定の結果、判定条件が満たされると、次に、角速度積分に基づいて角度φを求める(S55)。ここでは、Y軸ジャイロ234の出力を角速度センサ処理回路236によって角速度信号を積分し、角度φを求める。
続いて、((φ−(−φ0))×F1/2φ0に対応する動画の代表画像の表示を行う(S57)。ここでは、ステップS55において求めた角度φ、移動範囲の端部の角度(−φ0)および(φ0)、およびステップS18において求めたファイル数カウントF1を用いて、垂直方向に移動した角度φに対応する動画の代表画像をメモリカード334から読み出し、表示素子314に表示する。
代表画像を表示すると、次に、ファイル選択を行う(S59)。垂直方向に移動するたびに、選択される動画が変更されることから、このステップでは、動画ファイル選択の確定を行う。動画ファイルの選択の確定方法としては、選択用操作部材の操作や、またカメラ10を横に振った際の動き検出等、適宜、検出して行うようにすればよい。選択がなされない場合には、動画ファイルを選択しないままでステップS61に進む。
ステップS59においてファイル選択を処理すると、またはステップS65においてコマ表示を行うと、次に、戻るか否かの判定を行う(S61)。ここでは、図4のステップS47と同様に、表示素子314に、「戻る」アイコンが表示されるので、このステップでは、「戻る」アイコンがタッチされたか否かを判定する。この判定の結果、「戻る」アイコンがタッチされない場合には、ステップS51に戻る。このため、カメラ10の動きに応じて、指定される動画の代表画像またはコマが変化する。
一方、ステップS61における判定の結果、「戻る」アイコンがタッチされた場合には、ステップS26に進む。ステップS57における代表画像の表示やステップS65におけるコマ表示では、代表画像や指定された動画のコマが静止画的に表示されるだけであるが、ステップS27において再生を開始すると、指定されたコマから動画の再生が開始される。
次に、ステップS19におけるレックビューについて、図8に示すフローチャートを用いて説明する。このレックビューのフローに入ると、まず、代表画像の表示を行う(S81)。ここでは、ステップS5〜S13の間で撮影した動画の中から選択された代表画像を表示素子314に表示する。
代表画像を表示すると、次に、ステップS51と同様に、角度θに動きがあり、かつ角度φに動きがないかを判定する(S85)。この判定の結果、判定条件を満たしていた場合には、次に、ステップS63と同様に、角速度積分に基づいて角度θを求める(S87)。ここでは、角速度検出回路230において角速度信号を積分し、角度θを求める。
続いて、ステップS65と同様に、((θ−(−θ0))×T1/2θ0に対応するタイミングのコマ表示を行う(S89)。ここでは、ステップS63において求めた角度θ、移動範囲の端部の角度(−θ0)および(θ0)、およびステップS15において求めたカウントT1を用いて、水平方向に移動した角度θに対応する動画のコマを表示する。
ステップS89におけるコマ表示を行うと、またはステップS83における判定の結果、判定条件を満たさなかった場合には、所定時間が経過したか否かを判定する(S85)。所定時間としては、レックビューとして通常表示される時間であり、例えば、2〜30秒程度の時間である。この判定の結果、所定時間が経過していなかった場合には、ステップS83に戻り、一方、所定時間が経過すると、元のフローに戻る。
このように、本実施形態におけるレックビューのフローにおいては、動画の撮影直後になされるレックビュー表示において、カメラ10を水平方向に移動すると、図5を用いて説明したように、移動量に応じた位置(角度θ)に対応する動画のコマの表示がなされる。このため、動画撮影された画像のコマを簡単に確認することができる。なお、ステップ27やS33と同様、再生のための処理を追加し、指定されたコマから動画再生を開始するようにしても構わない。
以上説明したように、本発明の第2実施形態においては、水平方向の動きに加えて垂直方向の動きを検出し(角度φ)、この動き量に応じて、動画ファイルの選択を行うことができる。このため、異なる動画ファイルを簡単に検索することが可能となる。
また、第2実施形態においては、動画撮影終了後になされるレックビュー表示の際に、水平方向にカメラ10を動かすと、この移動量に応じた位置(角度θ)に対応する動画のコマ表示がなされる。このため、撮影直後に、撮影した動画を簡単に確認することが可能となる。
以上説明したように、本発明の各実施形態においては、水平方向と垂直方向への動きを検出し、一方への動きがあり、他方への動きがない場合には、一方への動き量に応じて、動画のコマを表示するようにしている。このため、動画の再生にあたって、コマ送り・戻し、早送り・戻しを直感的に行い、任意のコマを簡単に読み出すことができる。
また、動画を最初から最後まで任意の時間で見ようとした場合、早送りやスロー送り等の操作が面倒であるが、本発明の実施形態においては、カメラを動かせる範囲を動画の最初と最後に割り当てていることから、この範囲内で適宜、カメラを移動させることにより、任意の時間で鑑賞することが可能となる。動画を任意の時間内で再生させる方法として、スライダー操作も考えられる。しかし、携帯機器を保持しながらスライダー操作を行うとすると、両手が必要となるのに対して、本実施形態においては、片手で操作することが可能である。
なお、本発明の各実施形態においては、水平方向にカメラを移動させた場合に、動画のコマ表示を行っていたが、水平方向に限らず、いずれかの方向でもよい。また、複数の画像を順次表示する例として、動画の場合について説明したが、動画に限らず、連写の場合にも適用することができる。
また、本発明の各実施形態においては、ステップS11において、タイマをカウントし、ステップS17において、経過時間(タイマカウント値)と動画の各画像を関連付けて記録していた。しかし、動画のフレームレートが分かっている場合には、タイマによるカウント動作を省略しても経過時間と動画の各画像を関連付けることが可能である。例えば、フレームレートが30fpsの場合には、撮影開始から10秒後では300番目のフレーム(画像)となる。また、連写撮影の場合には、連写速度が不明の場合であることが多く、各コマと撮影時の経過時間を関連付けて記録することが望ましい。
また、本発明の各実施形態においては、携帯機器として、デジタルカメラを用いて説明したが、カメラとしては、デジタル一眼レフカメラでもコンパクトデジタルカメラでもよく、ビデオカメラ、ムービーカメラのような動画用のカメラでもよく、さらに、携帯電話や携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assist)、ゲーム機器等に内蔵されるカメラでも構わない。いずれにしても、撮影可能な携帯機器であれば、本発明を適用することができる。
本発明は、上記実施形態にそのまま限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素の幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。