以下に本発明の実施形態について図面を参照して説明するが、本発明は、この実施形態に限定されない。また発明の用途やここで示す用語等はこれに限定されるものではない。
(第1実施形態)
図1は、本発明に係る画像形成装置の一実施形態を示すタンデム型カラープリンタの概略構成図である。図1において、画像形成装置1は、用紙11を収容する給紙部10と、給紙部10の上方に配設される4個の画像形成部30a〜30dと、画像形成部30a〜30dの上方に配設される露光器33a〜33dと、露光器33a〜33dの上方に配設される現像剤コンテナ120a〜120dと、画像形成部30a〜30dの左方に配設される定着部40と、給紙部10の右方に配設される用紙搬送路20と、画像形成装置1の上部に用紙11を排出する排出部50とを備えている。
給紙部10は、用紙11を収容する給紙カセット13を備えており、給紙ローラ21の回転動作により、給紙カセット13から用紙11を1枚ずつ用紙搬送路20に送り出す。用紙搬送路20は搬送ローラ対及び搬送ガイド等を備え、送り出された用紙を画像形成部30a〜30dに向けて搬送する。また、手差しトレイ23は、給紙部10に載置されていないサイズの用紙等を別途供給するもので、フィードローラ22にて用紙を1枚ずつ用紙搬送路20に送り出す。
画像形成部30a〜30dは、用紙搬送ベルト38の用紙搬送方向の上流側(図1の右側)からシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色に対応させて設けられている。各画像形成部30a〜30dは、回転可能な感光体31a〜31dを有するとともに、感光体31a〜31dの周りにその回転方向の上流側から順に、帯電器32a〜32dと、現像器34a〜34dと、転写ローラ35a〜35dと、クリーナー36a〜36dが配設されている。
感光体31a〜31dは、感光層を形成する感光材料として、アモルファスシリコン感光体が用いられ、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色に対応させて設けられる。感光層は有機感光体(OPC感光体)でもよい。現像器34a〜34dは、感光体31a〜31dの右方に配設され、現像ローラや撹拌スクリュー等を有し、感光体31a〜31dにトナーを供給する。帯電器32a〜32dは感光体31a〜31d表面を一様に帯電させる。
露光器33a〜33dは、パーソナルコンピュータ等から画像入力部(図略)に入力された原稿画像データに基づいて、各感光体31a〜31d表面に図1の破線で示すようにレーザ光を照射する。照射されたレーザ光により、各感光体31a〜31d表面には静電潜像が形成され、この静電潜像が各現像器34a〜34dにより現像される。
無端状の用紙搬送ベルト38は、駆動ローラ62及び従動ローラ61間に張架されるとともに、感光体31a〜31dに対向して設けられ、感光体31a〜31dとの間に用紙を搬送する走行路を形成する。各転写ローラ35a〜35dは、用紙搬送ベルト38を挟んで各感光体31a〜31dに対向し用紙搬送ベルト38に圧接すると、転写ニップ部を形成する。用紙搬送ベルト38の回転とともに所定のタイミングで、各転写ニップ部において、各感光体31d〜31aのトナー像が搬送される用紙11に順次転写される。
現像剤コンテナ120a〜120dは、それぞれシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのいずれかの色のトナーを含む現像剤を収容する。現像剤コンテナ120aは現像器34aにブラックの現像剤を供給し、現像剤コンテナ120bは現像器34bにイエローの現像剤を供給し、現像剤コンテナ120cは現像器34cにマゼンタの現像剤を供給し、現像剤コンテナ120dは現像器34dにシアンの現像剤を供給する。
定着部40は、画像形成部30aの下流側に配設され、画像形成部30a〜30dにてトナー像が転写された用紙11を加熱及び加圧して用紙11にトナー像を溶融定着させる。定着部40を通過した用紙11は、用紙搬送路15を介して排出部50へ排出される。
図2は、上述の画像形成装置1に用いられる現像器の構成を示す断面平面図である。なお、以下の説明では、図1に示す感光体31dに対応する現像器34dの構成及び動作について説明するが、現像器34a〜34cの構成及び動作については現像器34dと同様であり、説明を省略し、また各色の現像器及び感光体を示すa〜dの符号を省略する。
現像器34は、トナー担持体としての現像ローラ72と、現像剤担持体としての磁気ローラ71と、パドルミキサー82と、撹拌スクリュー83と、規制部材84と、トナー濃度検知手段であるトナー濃度センサ37、及び現像容器41を備える。
現像容器41は、現像器34の外郭を構成し、その内部に磁性キャリアと非磁性のトナーからなる現像剤を収容する。また、現像容器41の上壁には現像剤搬入口42が設けられる。現像剤搬入口42は、現像剤コンテナ120(図1参照)から新たな現像剤を現像容器41内に補給するための開口である。更に、現像容器41には、現像ローラ72を感光体31に向けて露出させる開口が形成されている。
撹拌スクリュー83は、現像剤を撹拌して、現像剤中のトナーを所定のレベルに帯電させる。これによりトナーは、キャリアに保持される。また、撹拌スクリュー83が回転すると、現像剤がパドルミキサー82側に搬送され、撹拌スクリュー83とパドルミキサー82との間で現像剤が循環する。パドルミキサー82が回転して、現像剤を磁気ローラ71に供給する。
磁気ローラ71は、非磁性の金属材料で円筒状に形成される回転可能な回転スリーブ73と、その内側に回転不能に取り付けられる磁極部材74とを備える。
磁極部材74は複数の磁極を有する磁石からなりその磁力にて現像剤に含まれるキャリアを回転スリーブ73の外周面に引き付ける。回転スリーブ73の外周面では、帯電した現像剤が磁気ブラシを形成して担持される。
回転スリーブ73は磁極部材74の外周面と所定の隙間を有し回転可能に支持される。回転スリーブ73が回転すると、磁気ブラシが回転スリーブ73上を図2の矢印方向に搬送される。規制部材84は搬送される磁気ブラシを所定の層厚になるように規制する。そして回転スリーブ73には、直流電圧88aに交流電圧88bを重畳したバイアス電圧が印加される。磁気ブラシは、回転スリーブ73上に担持されてさらに搬送され、近接位置Tで現像ローラ72に接触すると、磁気ブラシのトナーのみが、回転スリーブ73に印加されたバイアスに応じて、現像ローラ72に供給される。
現像ローラ72は、磁気ローラ71から供給されたトナー薄層を担持し、図示しないモータとギヤからなる駆動機構により、図2の矢印方向に回転することにより、トナー薄層を感光体31側に搬送する。また、現像ローラ72には、直流電圧87aに交流電圧87bを重畳した現像バイアスが印加される。
現像ローラ72と感光体31の近接する位置に形成される現像領域Dにおいて、現像バイアス電位と感光体31の露光部位の電位との電位差により、現像ローラ72表面に担持されたトナーが感光体31に飛翔する。飛翔したトナーは矢印A方向に回転する感光体31上の露光部位に順次付着し、感光体31上の静電潜像が現像される。
また、現像容器41の底面近傍には、現像容器41内に収容される現像剤のトナー濃度を検知するためのトナー濃度センサ37が配設される。トナー濃度センサ37は、一定時間間隔で現像容器41内の現像剤の透磁率を検知し、この透磁率に基づいてトナー濃度を検知する。トナー濃度センサ37の検知結果に基づいて、現像容器41内のトナー濃度が適正な濃度を保持するように、後述する現像剤コンテナ120から現像容器41にトナーを含んだ現像剤が補給される。
次に、現像剤補給器である現像剤コンテナについて図3を用いて説明する。図3は現像剤コンテナを概略的に示す断面平面図である。
現像剤コンテナ120は、未使用の現像剤を貯留するコンテナ容器121と、補給口121aと、搬送部材122と、撹拌部材123と、搬送モータ131、撹拌モータ133とを備える。
補給口121aは、コンテナ容器121の底部で容器の長手方向の一端部に形成され、現像器34の現像剤搬入口42(図2参照)に向けて現像剤を供給する開口である。
撹拌部材123は、その軸部から径方向の片側に延び、且つ容器の長手方向に展開されるフイルム状の撹拌羽根123aを有し、撹拌羽根123aの回転によって、コンテナ容器121内の現像剤が撹拌され、撹拌された現像剤を搬送部材122側に搬送する。
搬送部材122はその軸部の周りに長手方向に一定のピッチで螺旋状に形成される搬送スクリュー122aを有する。また、搬送部材122は、コンテナ容器121内の底部に設けられ、補給口121aに対向して配置される。搬送部材122が回転すると、撹拌された現像剤が搬送スクリュー122aにて補給口121aに向かって搬送され、そして、コンテナ容器121内の現像剤は補給口121aを介して現像器34に供給されることになる。
搬送モータ131は、搬送部材122を回転させるDCモータからなり、例えば、ブリッジ回路にパルス電圧を印加してパルス電圧のオンとオフを繰り返すことによって、回転駆動させられる。
撹拌モータ133は、撹拌部材123を回転させるDCモータからなり、例えば、ブリッジ回路にパルス電圧を印加してパルス電圧のオンとオフを繰り返すことによって回転駆動させられ、更に、パルス電圧のオン期間を変えることにより、撹拌モータ133は第1の回転速度である高速回転と第2の回転速度である低速回転とに切り替えられる。尚、撹拌モータ133はステッピングモータを用いて、高速回転と低速回転に切り替えてもよい。
撹拌部材123の撹拌羽根123aは、その軸部から半径方向に搬送スクリュー122aの外縁まで延び、搬送スクリュー122aの外縁に接触可能である。
コンテナ容器121内に現像剤が十分に貯留されている場合には、撹拌部材123が回転すると、撹拌羽根123aは現像剤による回転抵抗を受けるために、フイルム状の撹拌羽根123aがこの回転抵抗にて撓む。従って、撹拌羽根123aは搬送スクリュー122aの外縁に接触することなく回転し、搬送部材122は現像剤を撹拌して搬送スクリュー122aに搬送する。そして、搬送モータ131が定速で回転駆動すると、搬送部材122はその速度に応じた一定量の現像剤を補給口121aから現像器34に補給する。
一方、現像剤コンテナ120内の現像剤が現像器34に補給され、コンテナ容器121内に現像剤が減少し、例えば、撹拌羽根123aが現像剤から露出している場合には、撹拌部材123が回転しても、撹拌羽根123aには現像剤の抵抗による羽根の撓みが発生しにくい。このために、撹拌羽根123aが搬送スクリュー122aの外縁に接触しながら回転して、現像剤は搬送スクリュー122aに搬送される。このように、撹拌羽根123aが搬送スクリュー122aの外縁に接触しながら回転すると、現像器34への現像剤補給量は搬送部材122の回転速度とともに撹拌部材123の回転速度の影響を受ける。つまり、搬送モータ131が定速で回転駆動していても、撹拌モータ133が低速で回転駆動しているときは、現像器34への現像剤補給量は比較的に少なく、逆に、撹拌モータ133が高速で回転駆動しているときは、現像器34への現像剤補給量は比較的に多くなる。
更に、現像剤コンテナ120内に現像剤が十分に貯留されているときには、現像器34に略一定量の現像剤が補給されるが、現像剤コンテナ120内の現像剤が少なくなると、現像剤をコンテナ容器121内に十分に貯留している時に比べると、現像器34への現像剤の補給量が減少する。この現像剤補給量の減少と上記の撹拌モータ133の回転速度について詳しく説明する。
図4は撹拌モータ133を高速で回転させた場合の現像剤補給量を示すグラフであり、図5は撹拌モータ133を低速で回転させた場合の現像剤補給量を示すグラフである。これらのグラフの横軸には現像剤コンテナ120からの現像剤の総補給量(単位;g)をとり、縦軸には単位時間(ここでは2分)における現像剤補給量(単位;g、現像剤補給速度に相当)をとっている。尚、図4の現像剤の補給特性を示す現像剤コンテナをA型コンテナ、図5の現像剤の補給特性を示す現像剤コンテナをB型コンテナとする。
A型及びB型コンテナには当初110gの現像剤が収容され、搬送モータ131はともに120rpmで回転駆動する。A型コンテナの撹拌モータ133は40rpmで回転駆動し、B型コンテナの撹拌モータ133は24rpmで回転駆動する。搬送モータ131は現像器34に現像剤を補給する時に回転し、撹拌モータ133は現像器34が作動している時に回転する。
図4から明らかなように、A型コンテナでは現像剤の補給当初(図4の現像剤総補給量0g)から単位時間当たりの現像剤補給量(現像剤補給速度)が略一定であり、総補給量105g(総補給量が95%)近傍で現像剤補給速度が急激に低下している。
一方、図5に示すように、B型コンテナでは現像剤の補給当初から総補給量80g(総補給量が70%)近傍まで現像剤補給速度が略一定であり、それ以降、現像剤補給速度が徐々に低下し、総補給量110g(総補給量が100%)直近で急激に低下している。
通常、現像器34への補給により現像剤コンテナ120から現像剤が減少していき略無くなるときに、現像剤エンドを設定し、画像形成装置1の操作パネル等に現像剤エンドが表示される。この現像剤エンドの警告表示にてユーザーは現像剤コンテナ120の交換、あるいは現像剤の補充を行なう。更に、ユーザーが交換用の現像剤コンテナ等を準備する時間が取れるように、現像剤エンド前の間近のときにニアエンドを設定し、画像形成装置1の操作パネルにニアエンドが表示される。
ここで、現像剤補給量に応じてニアエンドと現像剤エンドを設定すると、現像剤コンテナ120の補給特性によってユーザーへの現像剤コンテナの交換等の操作性が異なってくる。例えば、図4、図5に示す現像剤補給量が3.5g/2分になったときにニアエンドを設定・表示し、また、現像剤補給量が1.5g/2分になったときに現像剤エンドを設定・表示するとする。A型コンテナ(図4参照)では、現像剤エンドの表示は現像剤コンテナ120の現像剤が空になる直近に行われるために、現像剤コンテナ120の現像剤を無駄なく使用することができる。しかし、ニアエンドが表示される直前に、現像剤エンドが表示されることになり、現像剤コンテナ120の交換のための準備時間がとりにくくなる。一方、B型コンテナ(図5参照)でも、現像剤エンドの表示は現像剤コンテナ120の現像剤が空になる直近に行われるために、現像剤コンテナ120の現像剤を無駄なく使用することができる。しかし、ニアエンドの表示は現像剤補給速度が徐々に低下する領域となり、現像剤エンドの表示に対してニアエンドの表示タイミングがばらつき易くなり、ニアエンドの表示と現像剤エンドの表示との期間が不安定となる。
そこで、図6に示すような現像剤の補給特性を備えるように現像剤コンテナ120の搬送モータ131と撹拌モータ133の回転速度を制御する。尚、この現像剤コンテナ120をC型コンテナとする。
C型コンテナには当初110gの現像剤が収容され、搬送モータ131は120rpmで回転駆動する。撹拌モータ133は、現像剤の補給当初から所定の期間(所定の総現像剤補給量)となるまで24rpm(低速)で回転駆動し、それ以降は40rpm(高速)で回転する。図6によると、現像剤総補給量100g(現像剤総補給量が90%)近傍で低速回転から高速回転に切り替えていることになる。このように撹拌モータ133の回転速度を切り替えることにより、ニアエンドの表示から現像剤エンドの表示までの期間が安定し、その期間が適切な長さとなり、現像剤コンテナ120の交換のための準備時間を取ることができ、また、現像剤コンテナ120の現像剤を無駄なく使用することができる。
現像剤エンド及びニアエンドの設定と撹拌モータ133の回転制御について図7、図8を用いて説明する。図7は制御部の周辺を示すブロック図であり、図8は現像剤の補給の制御を示すフローチャートである。
図7に示すように、本実施形態では、前述のトナー濃度センサ37と搬送モータ131及び撹拌モータ133と、搬送モータ131を駆動させる第1駆動回路132と、撹拌モータ133を駆動させる第2駆動回路134と、印刷する画像データを外部から入力する画像入力部128と、印字率算出部141と、積算印字率記憶部151と、表示部156と、制御部160とを備える。そして本実施形態では、現像器34内のトナー濃度を検知し、また、画像形成する出力画像の印字率を算出し、それらの検知及び算出結果に基づいて、撹拌モータ133の回転速度を制御するとともに表示部156に現像剤エンド及びニアエンドの表示を行なう。
制御部160は、マイクロコンピュータ、RAM及びROMの記憶素子等で構成され、記憶素子に設定されたプログラム及びデータに従って、画像入力部128から入力される信号及びトナー濃度センサ37にて検知し入力される信号に基づき、第2駆動回路134と表示部156とを制御する。
印字率算出部141は、画像入力部128から制御部160を介して送られる画像データに基づいて、画像形成する用紙全体に対する文字等の印字するデータの割合(印字率)を算出する。この印字率は、画像全面をベタ画像としたときに使用されるトナー量に対し、各画像形成に使用するトナー量の割合でもある。印字率に対応するトナー使用量が、制御部160のROM等の記憶素子に保存されている。
積算印字率記憶部151は、RAM等の書き換え可能な記憶素子からなり、印字率算出部141から制御部160を介して送られる印字率を積算する。つまり、積算印字率記憶部151は、現像剤コンテナ120が画像形成装置1に装着された時から用紙に画像形成が行なわれる毎に各画像の印字率を積算し、その積算した印字率を保存していく。
トナー濃度センサ37は、前述のように、現像容器41(図2参照)の現像剤の透磁率を検知し、この透磁率に基づいてトナー濃度を検知する。トナー濃度が高い場合にはトナー濃度センサ37の出力電圧は低くなり、トナー濃度が低い場合にはトナー濃度センサ37の出力電圧は高くなる。そして、制御部160のROM等の記憶素子には、トナー濃度が予め設定された複数の閾値X、Y、Zが保存されている。
制御部160は、閾値X、Y、Zに対してトナー濃度センサ37の出力値を比較して、その結果に応じて、現像剤コンテナ120から現像器34への現像剤の補給の要否、印刷する紙間の変更、強制補給の要否を判定する。
表示部156は、液晶素子からなる操作パネルを有し、現像剤コンテナ120の現像剤の残量が少なくなると、ニアエンド及び現像剤エンドの表示を行なう。制御部160は、トナー濃度センサ37の検知結果に基づいてニアエンドを設定し、ニアエンドの設定に基づいて表示部156にニアエンドの表示を指令する。また、制御部160は、積算印字率記憶部151の積算印字率から算出したトナー使用量に基づいて、現像剤エンドを設定し、現像剤エンドの設定に基づいて表示部156に現像剤エンドの表示を指令する。
第1駆動回路132は搬送モータ131にパルス電圧を印加するブリッジ回路からなり、パルス電圧の印加にて搬送モータ131を回転駆動させる。制御部160は第1駆動回路132に駆動信号を送り、第1駆動回路132は駆動信号に基づいて搬送モータ131を定速で回転駆動させる。
第2駆動回路134は撹拌モータ133にパルス電圧を印加するブリッジ回路からなり、パルス電圧の印加にて撹拌モータ133を回転駆動させる。制御部160は第2駆動回路134に低速駆動信号または高速駆動信号を送り、第2駆動回路134は低速駆動信号に基づいて撹拌モータ133を低速で回転駆動させ、高速駆動信号に基づいて撹拌モータ133を高速で回転駆動させる。低速及び高速駆動信号はニアエンドの設定に基づいて切り替えられる。
制御部160は撹拌モータ133と表示部156等を制御し、その制御方法の詳細を図8とともに図1〜図3、図7を用いて説明する。
図8に示すように、ステップ1で、感光体31と、現像器34の現像ローラ72、磁気ローラ71、パドルミキサー82、及び撹拌スクリュー83と、現像剤コンテナ120の撹拌部材123等が回転し、画像形成部30にてトナー像が用紙に転写され、トナー像が転写された用紙が定着される。このとき、第2駆動回路134に低速駆動信号が送られ、第2駆動回路134は撹拌モータ133を低速(24rpm)回転駆動させている。そして、印刷が行なわれているときには、撹拌モータ133にて撹拌部材123は回転している。
ステップ2で、印字率算出部141は、画像入力部128から制御部160を介して送られる画像データに基づいて印字率を算出する。また、この印字率は印刷ごとに積算され積算印字率として積算印字率記憶部151に保存される。
ステップ3で、トナー濃度センサ37の出力値と閾値Xを比較し、トナー濃度センサ37の出力値がトナー濃度の閾値Xを超えないときには、ステップ4で、トナー濃度が十分大きいために現像剤コンテナ120から現像器34に現像剤を補給しない。つまり、第1駆動回路132に駆動信号を送らないために、搬送モータ131は回転しない。この状態で、次の印刷を行なうためにステップ1に戻り、ステップ2、3を繰り返して実行する。ステップ3で、トナー濃度センサ37の出力値がトナー濃度の閾値Xを超えるときには、ステップ5を実行する。
ステップ5で、トナー濃度センサ37の出力値と閾値Yを比較する。トナー濃度センサ37の出力値がトナー濃度の閾値Yを超えないときには、トナー濃度は比較的に大きいが閾値Xより小さくなったので、ステップ6で、印字率算出部141にて算出した印字率に相当する現像剤量を補給する。現像剤を補給するために、第1駆動回路132に駆動信号を送り、搬送モータ131を回転させる。印字率に相当する現像剤量が補給されると、搬送モータ131の回転を停止させる。この現像剤補給時に撹拌モータ133は低速回転している。そして、次の印刷を行なうためにステップ1に戻り、ステップ2、3、5を繰り返して実行する。ステップ5で、トナー濃度センサ37の出力値がトナー濃度の閾値Yを超えるときには、トナー濃度が比較的小さくなったために、ステップ7を実行する。
ステップ7で、トナー濃度センサ37の出力値と閾値Zを比較する。トナー濃度センサ37の出力値がトナー濃度の閾値Zを超えないときには、閾値Yを超えているために、トナー濃度が比較的小さくなっている。そこで、ステップ8で、現像器34内で現像剤を十分に撹拌してから次の印刷を行なうために、印刷する紙間が大きくなるように制御し、更に、印字率算出部141にて算出した印字率に相当する現像剤量を補給する。現像剤を補給するには、ステップ6と同様に、第1駆動回路132に駆動信号を送り、搬送モータ131を回転させる。印字率に相当する現像剤量が補給されると、搬送モータ131の回転を停止させる。この現像剤補給時に撹拌モータ133は低速回転している。この状態で、次の印刷を行なうためにステップ1に戻り、ステップ2、3、5、7を繰り返して実行する。ステップ7で、トナー濃度センサ37の出力値がトナー濃度の閾値Zを超えるときには、トナー濃度がさらに小さくなったために、ステップ9を実行する。
ステップ9では、現像器34に現像剤を強制的に補給する。前記のステップのように印刷を行いながら現像剤の補給の制御を行っても、所定のトナー濃度を保つことが困難になっており、画質の劣化や現像剤の劣化を引き起こす可能性があるため、印刷を中断して現像剤を所定の期間(例えば60秒間)だけ補給する。つまり、現像剤を補給するために、所定の期間、第1駆動回路132に駆動信号を送り、搬送モータ131を回転駆動させ、また、第2駆動回路134に低速駆動信号を送り、撹拌モータ133を低速(24rpm)回転駆動させることで、撹拌部材123及び搬送部材122が回転し、現像剤が現像剤コンテナ120から現像器34に補給される。
現像剤の強制補給が必要である場合には、現像剤コンテナ120の現像剤量が少なくなっており(例えば、現像剤の残量10%程度)、ステップ10で、ニアエンドの設定を行なう。ニアエンドの設定に基づいて、ステップ11で第2駆動回路134への送信信号を低速駆動信号から高速駆動信号に切り替え、ステップ12で表示部156にニアエンドの表示を行なわせる。
ステップ11で第2駆動回路134は低速駆動信号から高速駆動信号に切り替えてられているために、ステップ13の印刷時には、撹拌モータ133は高速(40rpm)回転駆動する。また、感光体31、現像ローラ72等が所定の回転を行い、画像形成部30にてトナー像が用紙に転写され、トナー像が転写された用紙が定着される。
ステップ14で、印字率算出部141は、画像入力部128から制御部160を介して送られる画像データに基づいて印字率を算出する。また、この印字率は積算印字率記憶部151にて積算保存される。
ステップ15で、積算印字率がP(例えば200)%に達したか否かを判定する。この積算印字率はステップ10でニアエンドを設定してからの積算印字率であり、この積算印字率を積算印字率記憶部151から読み出す。ニアエンドの設定時には現像剤コンテナ120の現像剤の残量が10%程度になっており、この状態から積算印字率P%相当の印刷が行なわれると、現像剤コンテナ120の現像剤が略無くなることになる。ステップ15で、積算印字率がP%に達していないなら、ステップ13に戻り、積算印字率がP%になるまで印刷を繰り返す。
ステップ15で積算印字率がP%になると、ステップ16で現像剤エンドの設定を行い、表示部156に現像剤エンドの表示を行なわせる。
上記第1実施形態によれば、画像形成装置1は、現像剤コンテナ120から現像器34に現像剤を補給し、現像剤コンテナ120の現像剤が略無くなると現像剤エンドを設定し表示するとともに現像剤エンドの設定前において現像剤コンテナ120の現像剤が所定量以下になるとニアエンドを設定し表示する。更に、画像形成装置1は、現像剤コンテナ120内の現像剤を撹拌する撹拌部材123を回転させる撹拌モータ133と、撹拌部材123にて撹拌、搬送される現像剤を現像剤コンテナ120から現像器34に搬送する搬送部材122と、この搬送部材122を回転させる搬送モータ131と、撹拌モータ133を高速回転(第1の回転速度)と低速回転(第2の回転速度)とに切り替え可能であって、ニアエンドが設定されると撹拌モータ133を低速回転から高速回転に切り替える制御部160とを備える。
この構成によると、現像剤が撹拌部材123にて撹拌され、撹拌された現像剤が搬送部材122にて現像剤コンテナ120から現像器34に供給される。現像剤コンテナ120に現像剤が十分に貯留されている場合には、搬送部材122の回転に応じて単位時間あたりの現像器34への現像剤補給量は一定である。しかし、現像剤コンテナ120内の現像剤の残量が少なくなると、単位時間あたりの現像剤補給量は撹拌部材123の回転の影響を受けることになる。つまり、現像剤コンテナ120が空になる直近に、撹拌部材123が高速で回転すると単位時間あたりの現像剤補給量は急激に低下する。一方、撹拌部材123が低速で回転すると現像剤コンテナ120が空になるまで単位時間あたりの現像剤補給量は緩やかに低下する。そこで、撹拌モータ133を当初には低速回転し、ニアエンドが設定されると撹拌モータ133を低速回転から高速回転に切り替える。このようにすると、ニアエンドの表示から現像剤エンドの表示までの期間が安定し、その期間が適切な長さとなり、現像剤コンテナ120の交換のための準備時間を取ることができ、また、現像剤コンテナ120の現像剤を無駄なく使用することができる。
また、上記第1実施形態によれば、現像器34内の2成分現像剤のトナー濃度を検知するトナー濃度センサ37を備え、制御部160は、現像剤コンテナ120の装置本体への装着時から撹拌モータ133を低速で回転させ、トナー濃度センサ37の検知結果に基づいてニアエンドが設定されると撹拌モータ133を低速回転から高速回転に切り替える。
この構成によると、トナー濃度センサ37の検知結果に基づいてニアエンドが設定されるので、ニアエンドの設定されるタイミングが安定し、更に撹拌モータ133を低速回転から高速回転に切り替えるタイミングが現像剤コンテナ120内の現像剤の残量に対して一定となる。
また、上記第1実施形態によれば、搬送部材122は現像剤を搬送する螺旋状の搬送スクリュー122aを有し、撹拌部材123は、回転することで搬送スクリュー122aに接触可能であるとともに現像剤を撹拌するフイルム状の撹拌羽根123aを有する。
この構成によると、現像剤コンテナ120の現像剤の残量が少なくなると、撹拌羽根123aが搬送スクリュー122aに接触することになり、撹拌部材123の回転速度に対応して、搬送部材122は現像器34へ現像剤を正確に補給することができる。
(第2実施形態)
図9は第2実施形態に係る現像剤の補給の制御を示すフローチャートである。第2実施形態は、制御部160の周辺の構成部材が第1実施形態と同じであり、第1実施形態の制御のフローチャートに現像剤コンテナ120の装着時からの印字率を積算するステップを付加したものであり、第1実施形態と異なる制御のフローチャートについて説明し、以降、第1実施形態と同じ部分の説明を省略する。
図9に示すように、ステップ1で、感光体31と、現像器34の現像ローラ72、磁気ローラ71、パドルミキサー82、及び撹拌スクリュー83と、現像剤コンテナ120の撹拌部材123等が回転し、画像形成部30にてトナー像が用紙に転写され、トナー像が転写された用紙が定着される。このとき、第2駆動回路134に高速駆動信号が送られ、第2駆動回路134は撹拌モータ133を高速(40rpm)回転駆動させている。画像形成が行なわれているときには、撹拌モータ133にて撹拌部材123は回転している。
ステップ2で、印字率算出部141は、画像入力部128から制御部160を介して送られる画像データに基づいて印字率を算出する。また、この印字率は印刷ごとに積算され積算印字率として積算印字率記憶部151に保存される。
ステップ3で、トナー濃度センサ37の出力値と閾値Xを比較し、トナー濃度センサ37の出力値がトナー濃度の閾値Xを超えないときには、ステップ4で、トナー濃度が十分大きいために現像剤コンテナ120から現像器34に現像剤を補給しない。つまり、第1駆動回路132に駆動信号を送らないために、搬送モータ131は回転しない。この状態で、次の印刷を行なうためにステップ1に戻り、ステップ2、3を繰り返して実行する。ステップ3で、トナー濃度センサ37の出力値がトナー濃度の閾値Xを超えるときには、ステップ5を実行する。
ステップ5で、トナー濃度センサ37の出力値と閾値Yを比較する。トナー濃度センサ37の出力値がトナー濃度の閾値Yを超えないときには、トナー濃度は比較的に大きいが閾値Xより小さくなったので、ステップ6で、印字率算出部141にて算出した印字率に相当する現像剤量を補給する。現像剤を補給するために、第1駆動回路132に駆動信号を送り、搬送モータ131を回転させる。印字率に相当する現像剤量が補給されると、搬送モータ131の回転を停止させる。この現像剤補給時に撹拌モータ133は高速回転している。そして、次の印刷を行なうためにステップ1に戻り、ステップ2、3、5を繰り返して実行する。ステップ5で、トナー濃度センサ37の出力値がトナー濃度の閾値Yを超えるときには、トナー濃度が比較的小さくなったために、ステップ7を実行する。
ステップ7で、トナー濃度センサ37の出力値と閾値Zを比較する。トナー濃度センサ37の出力値がトナー濃度の閾値Zを超えないときには、閾値Yを超えているために、トナー濃度が比較的小さくなっている。そこで、ステップ8で、現像器34内で現像剤を十分に撹拌してから次の印刷を行なうために、印刷する紙間が大きくなるように制御し、更に、印字率算出部141にて算出した印字率に相当する現像剤量を補給する。現像剤を補給するには、ステップ6と同様に、第1駆動回路132に駆動信号を送り、搬送モータ131を回転させる。印字率に相当する現像剤量が補給されると、搬送モータ131の回転を停止させる。この現像剤補給時に撹拌モータ133は高速回転している。この状態で、次の印刷を行なうためにステップ1に戻り、ステップ2、3、5、7を繰り返して実行する。ステップ7で、トナー濃度センサ37の出力値がトナー濃度の閾値Zを超えるときには、トナー濃度がさらに小さくなったために、ステップ9を実行する。
ステップ9では、現像器34に現像剤を強制的に補給する。前記のステップのように印刷を行いながら現像剤の補給の制御を行っても、所定のトナー濃度を保つことが困難になっており、画質の劣化や現像剤の劣化を引き起こす可能性があるため、印刷を中断して現像剤を所定の期間(例えば60秒間)だけ補給する。つまり、現像剤を補給するために、所定の期間、第1駆動回路132に駆動信号を送り、搬送モータ131を回転駆動させ、また、第2駆動回路134に高速駆動信号を送り、撹拌モータ133を高速(40rpm)回転駆動させることで、撹拌部材123及び搬送部材122が回転し、現像剤が現像剤コンテナ120から現像器34に補給される。
現像剤の補給が完了すると、ステップ10で、感光体31、現像ローラ72等が所定の回転を行い、画像形成部30にてトナー像が用紙に転写され、トナー像が転写された用紙が定着される。ステップ11で、印字率算出部141は、画像入力部128から制御部160を介して送られる画像データに基づいて印字率を算出する。また、この印字率は積算印字率記憶部151にて積算保存される。
ステップ12で、積算印字率が所定値に達したか否かを判定する。この積算印字率は現像剤コンテナ120の装着時からの印字率を積算したものであり、現像剤コンテナ120の装着時からの現像剤の使用量に対応している。ステップ12で、この積算印字率を積算印字率記憶部151から読み出し、積算印字率が所定値に達していないなら、ステップ10に戻り、積算印字率が所定値になるまで印刷を繰り返す。
ステップ12で積算印字率が所定値になると、ステップ13で撹拌モータ133駆動信号を高速回転駆動から低速回転駆動に切り替え、ステップ14で印刷を行い、ステップ15で画像データに基づいて算出した印字率を積算印字率記憶部15に積算保存する。
次に、現像剤の強制補給からの搬送モータ131の累積回転数が所定の回転数になると、ステップ16でニアエンドの設定を行なう。
ニアエンドの設定に基づいて、ステップ17で第2駆動回路134への送信信号を低速駆動信号から高速駆動信号に切り替え、ステップ18で表示部156にニアエンドの表示を行なわせる。
ステップ17で第2駆動回路134は低速駆動信号から高速駆動信号に切り替えてられているために、ステップ19の印刷時には、撹拌モータ133は高速(40rpm)回転駆動する。また、感光体31、現像ローラ72等が所定の回転を行い、画像形成部30にてトナー像が用紙に転写され、トナー像が転写された用紙が定着される。
ステップ21で、積算印字率がP(例えば200)%に達したか否かを判定する。この積算印字率はステップ16でニアエンドを設定してからの積算印字率であり、この積算印字率を積算印字率記憶部151から読み出す。ニアエンドの設定時には現像剤コンテナ120の現像剤の残量が10%程度になっており、この状態から積算印字率P%相当の印刷が行なわれると、現像剤コンテナ120の現像剤が略無くなることになる。ステップ21で、積算印字率がP%に達していないなら、ステップ19に戻り、積算印字率がP%になるまで印刷を繰り返す。
ステップ21で積算印字率がP%になると、ステップ22で現像剤エンドの設定を行い、表示部156に現像剤エンドの表示を行なわせる。
上記第2実施形態によれば、現像に使用する現像剤量を形成画像における印字率として算出する印字率算出部141と、現像剤コンテナ120の装置本体への装着時から印字率を積算記憶する積算印字率記憶部151とを更に備え、制御部160は、現像剤コンテナ120の装置本体への装着時から撹拌モータ133を高速回転で回転させ、積算印字率記憶部151から読み出した積算印字率が所定の印字率になると撹拌モータ133を高速回転から低速回転に切り替え、次に、ニアエンドが設定されると撹拌モータ133を低速回転から高速回転に切り替える。
この構成によると、印字率の大きい画像を多数印刷しても、印刷の生産性が低下することがない。また、ニアエンドの表示から現像剤エンドの表示までの期間が安定し、その期間が適切な長さとなり、現像剤コンテナ120の交換のための準備時間を取ることができ、また、現像剤コンテナ120の現像剤を無駄なく使用することができる。
尚、上記実施形態では、磁性キャリアと非磁性のトナーからなる現像剤を収容する現像剤コンテナ120に適用した例を示したが、本発明はこれに限らず、現像剤コンテナ120は2成分現像剤のトナーのみを収容するものであってもよい。