JP5610817B2 - ペースト状洗浄料組成物 - Google Patents

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本発明は、泡のつや、泡密度、洗い上がり後のしっとり感が良好な、ペースト状洗浄料組成物に関する。
高級脂肪酸セッケンを主洗浄料とするペースト状洗浄料組成物は、洗浄力と、洗い上がり後のさっぱり感を特徴としており、広く上市されている。かかるペースト状洗浄料組成物には保湿剤を添加することが一般的であり、ソルビトール、マルチトール、ポリエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ジプロピレングリコール、プロピレングリコールなどが配合される(非特許文献1参照)
またカチオン性高分子は特に毛髪用洗浄料の泡質を改善し、洗いあがり後のきしみ感を改善するために用いられている(特許文献1参照)。
新化粧品学第2版(南山堂)第350ページ(2001年発行)
特開2008−184424号公報
従来の高級脂肪酸セッケンを主洗浄料とするペースト状洗浄料組成物は、泡のきめが粗く泡にコシが無い、洗い上がりが突っ張る、という問題点があった。そこで本発明においては、高級脂肪酸石鹸の特長である洗浄力と洗い上がり後のさっぱり感はそのままに、泡が細かくコシ、つやがあり、洗い上がり後しっとり感を有するペースト状洗浄料組成物を提供することを目的とした。
本発明は、成分(A)〜成分(D)、すなわち(A)高級脂肪酸塩と、(B)カチオン性架橋ビニル共重合体と、(C)ポリエチレングリコールと、(D)ソルビトールを含有するペースト状洗浄料組成物に関する。
本発明のペースト状洗浄料組成物は、洗浄力と洗い上がり後のさっぱり感が良好で、泡が細かくコシ、つやがあり、洗い上がり後しっとり感を有する。
本発明のペースト状洗浄料組成物は、成分(A)〜成分(D)、すなわち(A)高級脂肪酸塩と、(B)カチオン性架橋ビニル共重合体と、(C)ポリエチレングリコールと、(D)ソルビトールを含有する。これらの成分に関し、個々に説明する。
本発明で用いる成分(A)高級脂肪酸塩を構成する高級脂肪酸としては、飽和又は不飽和のいずれであってもよく、炭素数8〜24、特に10〜22のものが好ましい。好ましいものの具体例としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ヒドロキシステアリン酸、ヒドロキシデセン酸、ヤシ油脂肪酸、還元ヤシ油脂肪酸、牛脂脂肪酸、還元牛脂脂肪酸、パーム核脂肪酸などが上げられる。これらの高級脂肪酸と塩を形成するアルカリ剤としては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、2−アミノ−2−メチルプロパノール、2−アミノ−2−メチルプロパンジオールなどのアルカノールアミン塩、リジン、アルギニンなどの塩基性アミノ酸塩等が挙げられる。これらのうち、特にカリウム、アルギニンが好ましい。
また、これらの高級脂肪酸塩は、必ずしも脂肪酸塩としてペースト状洗浄料組成物に配合する必要はなく、上記高級脂肪酸と塩基とをそれぞれ別個に添加し、組成物中で脂肪酸塩を形成せしめてもよい。
これらの高級脂肪酸塩は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、ペースト状洗浄料組成物全量に対し30〜60質量%配合される。30質量%未満では充分な洗浄力が得られず、60質量%を超えると結晶の析出などの問題を生じるので好ましくない。
本発明で用いる成分(B)カチオン性架橋ビニル共重合体としては、分子中にカチオン性基と架橋構造とを有するものであれば特に制限されないが、例えば特開平11−71435号公報に記載のカチオン性基含有共重合体が挙げられる。特に、(a)カチオン性基含有不飽和単量体の少なくとも1種と、(b)アミド基含有不飽和単量体の少なくとも1種、及び(c)分子中に2以上の不飽和基を有する架橋性不飽和単量体の少なくとも1種を必須単量体とする単量体混合物を重合してなる、これら単量体に由来する構成単位を有する架橋ビニル共重合体が好ましい。
(a)のカチオン性基含有不飽和単量体としては、ジアルキルアミノアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル類又は(メタ)アクリルアミド類;ジアルキルアミノ基を有するスチレン類、ビニルピリジン類、N−ビニル複素環化合物類;更にこれらアミノ基を有する単量体の酸中和物又は4級アンモニウム塩、(メタ)アクリロイルアルキルトリアルキル4級アンモニウム塩類、ジアリルジアルキル4級アンモニウム塩などが挙げられる。
酸中和物を得るための好ましい酸としては、塩酸、硫酸、酢酸、クエン酸、コハク酸、アジピン酸、スルファミン酸などが挙げられ、4級アンモニウム塩を得るための好ましい4級化剤としては、塩化メチル、ヨウ化メチル等のハロゲン化アルキル、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、硫酸ジ−N−プロピル等の硫酸アルキルが挙げられる。
単量体(a)の好ましい具体例としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、及びこれらを前記の4級化剤で4級化した4級アンモニウム塩、あるいはジメチルジアリルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
(b)のアミド基含有不飽和単量体としては、N−モノアルキル(メタ)アクリルアミド類、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド類、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルピペリドン等が挙げられる。
単量体(b)の好ましい具体例としては、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、N−ビニルピロリドン等が挙げられる。中でも、N,N−ジ置換アクリルアミドを用いた場合に使用感が好ましく、特にN,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド等が好ましい。
(c)の分子中に2以上のビニル基を有する架橋性不飽和単量体としては、多価アルコール又は不飽和アルコールの(メタ)アクリル酸エステル類、ビス(メタ)アクリルアミド類、ジビニル化合物、ポリアリル化合物等が挙げられる。具体的には、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルエーテル、ペンタエリスリトールのアリルエーテル化体、ビニル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート等が、特に好ましい。
単量体(a)、(b)及び(c)は、それぞれ1種以上を用いることができる。
単量体(a)と単量体(b)の共重合比率は、(a)/(b)のモル比で、2/98〜98/2、特に3/97〜60/40であるのが、皮膚への塗布時の使用感を有し、塗布後の皮膚になめらかな感触を付与できる共重合体を提供するために好ましい。
また、単量体(c)の割合は、単量体全量中0.002〜5質量%、特に0.002〜3質量%、更には0.002〜1質量%であるのが、ペースト状洗浄料組成物として適度な粘性と保形性を与える共重合体を提供するために好ましい。
本発明で用いるカチオン性架橋ビニル共重合体は、これらの単量体のほか、更にこれらと共重合可能な他の不飽和単量体を構成成分とすることができる。他の単量体としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;アクリル酸、メタアクリル酸;N−3(−スルホプロピル)−N−アクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムベタイン、N−カルボキシメチル−N−メタクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウムベタイン等のベタイン類などが挙げられる。
本発明で用いる(B)カチオン性架橋ビニル共重合体は、これらの単量体を用いて、常法により、例えば、水溶液重合法、逆相懸濁重合法、沈殿重合法等の方法により製造することができる。市販品としてポリクオタニウム−52(ソフケアKG−310W、花王)を用いることができる。
本発明において(B)カチオン性架橋ビニル共重合体は1種以上を用いることができ、本発明のペースト状洗浄料組成物中の含有量は、0.005〜0.1質量%、特に0.01〜0.1質量%であるのが好ましい。1質量%以上配合すると、曳糸性が高くなりチューブ容器へのバルクの充填が困難になる場合がある。0.005質量%未満の配合では、泡質の低下が見られたり、洗いあがりのしっとり感に影響を及ぼす場合がある。
本発明で用いる成分(C)ポリエチレングリコールとしては、通常洗浄料組成物に配合しうるポリエチレングリコールであれば特に限定されない。ポリエチレングリコールの平均重合度は、4〜50の範囲、特に4〜40の範囲が好ましい。平均重合度が4未満では良好な洗い上がり後のしっとり感を得ることが困難になる場合がある。平均重合度が50を超えるとペーストの硬度が高くなりすぎて洗浄料に向かなくなる場合がある。本発明においてはポリエチレングリコールを1〜10質量%配合する。配合量が1質量%未満の場合、良好な洗い上がり後のしっとり感を得ることが困難になる場合がある。10質量%を超えて配合してもこれ以上のしっとり感を得ることができずべたつきを生じる場合がある。
本発明で用いる成分(D)ソルビトールとしては、通常洗浄料に配合しうるソルビトールであれば特に限定されない。本発明においてはソルビトールを1〜10質量%配合する。1質量%未満の場合、泡のつや、泡の密度などの泡質や洗い上がりのしっとり感に問題が生じる場合がある。10質量%を超えて配合しても、これ以上の泡質改善効果が得られない場合がある。
本発明のペースト状皮膚洗浄料組成物には、上述の必須成分の他に、必要に応じて、通常、医薬品、医薬部外品、皮膚化粧料に配合される、水性成分、油性成分、保湿剤、色素、乳化剤、可溶化剤、紫外線吸収剤、増粘剤、薬剤、香料、樹脂、防菌防黴剤、アルコール類等を適宜配合することができる。
さらに実施例により、本発明の特徴について詳細に説明する。
表1、表2に示す処方にて定法によりペースト状皮膚洗浄料組成物を調製し、使用感の評価を行った。なお表中PEGはポリエチレングリコールの略であり、その後の数字は平均重合度を表す。使用感評価の結果、ポリエチレングリコールを配合していない比較例1は、洗い上がりのしっとり感に欠ける使用感であった。ソルビトールを配合していない比較例2は、泡質が良くなく、洗い上がりのしっとり感に欠ける使用感であった。カチオン性架橋ビニル共重合体であるポリクオタニウム−52を配合していない比較例3は、泡密度が低下してきめの粗い泡質となり、しっとり感に欠ける使用感であった。これら比較例に対し、本願発明の実施例1〜5は、洗浄力と洗い上がり後のさっぱり感が良好で、泡が細かくコシ、つやがあり、洗い上がり後しっとり感を有する使用感であった。
Figure 0005610817
Figure 0005610817
[実施例6] ペースト状洗浄料組成物
(1)精製水 31.97量%)
(2)グリセリン 10.00
(3)1,3−ブチレングリコール 10.00
(4)ソルビトール 5.00
(5)PEG−20 5.00
(6)水酸化カリウム 5.00
(7)ポリクオタニウム−52 0.03
(8)POE(20)グリセロール
モノステアリン酸エステル 2.00
(9)ステアリン酸 12.00
(10)ミリスチン酸 14.00
(11)ラウリン酸 5.00
製法
(1)〜(7)の水相成分と(7)〜(11)の油相成分をそれぞれ75℃に加熱、混合、均一化した後、水相に油相を添加してけん化後冷却する。
実施例6で得られたペースト状洗浄料組成物は、洗浄力と洗い上がり後のさっぱり感が良好で、泡が細かくコシ、つやがあり、洗い上がり後しっとり感を有する使用感であった。

Claims (1)

  1. 成分(A)〜成分(D)、すなわち
    (A)炭素数8〜24の高級脂肪酸塩を30〜60質量と、
    (B)カチオン性架橋ビニル共重合体であるポリクオタニウム−52と、
    (C)ポリエチレングリコールと、
    (D)ソルビトールを含有するペースト状皮膚洗浄料組成物。
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