JP5610518B2 - 洗濯乾燥機 - Google Patents

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Description

本発明は洗濯乾燥機に関する。
洗濯機が衣類乾燥機の役割も果たす洗濯乾燥機が近年人気を集めている。洗濯乾燥機には、ドラム式洗濯機に乾燥機能を備えさせたものや、パルセータにより起こした水流で洗濯を行う従来型の洗濯機に乾燥機能を備えさせたものがある。後者の洗濯乾燥機の例を特許文献1、2に見ることができる。
特許文献1に記載された洗濯乾燥機は、洗濯兼脱水槽を高速回転させながら送風ファンと温風加熱手段に通電する第1の乾燥運転を実施した後、洗濯兼脱水槽の回転速度を第1の乾燥運転のときよりも低くし、温風加熱手段の能力をアップし、除湿手段を作動させる第2の乾燥運転を実施する。洗濯乾燥機の内部で温風を循環させつつ除湿手段を作動させることにより、衣類は乾燥する。
特許文献2に記載された洗濯乾燥機は、投入された衣類の洗濯、脱水、及び乾燥を行う槽と、この槽を回転駆動する槽駆動手段と、衣類に熱風を供給する熱風供給手段と、赤外線を検知する温度検出手段と、制御手段を備え、温度検出手段は、熱風供給手段によって熱風を供給された衣類の素材及び乾燥の進行に応じて振幅の異なる検知信号を出力し、制御手段は温度検出手段の出力の振幅に基づいて衣類の素材及び乾燥状況を判定し、この判定に基づいて槽駆動手段を制御する。ここでも衣類の乾燥は、洗濯乾燥機の内部で温風を循環させつつ除湿手段を作動させることにより行われる。
特開2010−11924号公報 特開2010−42118号公報
洗濯乾燥機に除湿手段を設けると、構造が複雑化しコスト高になる上、特許文献1、2に記載のもののように、除湿冷却水に空気を接触させて空気を露点温度以下に冷却し、空気中の水分を結露させるという除湿原理を用いるものでは、除湿冷却水のコストも無視できない。
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、除湿手段に頼ることなく高い効率をもって洗濯物を乾燥させることができる洗濯乾燥機を提供することを目的とする。
本発明の好ましい実施形態によれば、洗濯乾燥機は、外箱と、前記外箱に収容される水槽と、前記水槽に収容され、底部にパルセータが設けられた脱水槽と、前記脱水槽に空気を吹き込む送風機と、前記送風機が吹き出す空気を加熱するヒータと、前記脱水槽からの排気を可能とする排気ダクトと、前記脱水槽の内部と前記送風機の空気流入部を結ぶ還流ダクトと、前記送風機の空気流入部に設けられ、前記還流ダクトおよび/または前記水槽の外部からの空気流入を可能とする風路切替機構と、全体制御を司る制御部と、前記脱水槽の内部温度を検知してその値を前記制御部に出力する温度センサ、または、前記脱水槽の内部湿度を検知してその値を前記制御部に出力する湿度センサを備え、前記制御部は、乾燥工程において、最初、前記還流ダクトからのみ空気が流入するように前記風路切替機構を切り替えて前記送風機を運転する内気循環モードの乾燥を実行し、前記脱水槽の内部温度が所定値まで上昇した後、または、前記脱水槽の内部湿度が所定値まで上昇した後、前記還流ダクトと前記水槽外部の両方から空気が流入するように前記風路切替機構を切り替えて前記送風機を運転する混合循環モードの乾燥、または前記水槽外部からのみ空気が流入するように前記風路切替機構を切り替えて前記送風機を運転する外気導入モードの乾燥を実行する。
本発明の好ましい実施形態によれば、上記構成の洗濯乾燥機において、前記制御部は、前記混合循環モードの乾燥を実行するときは、前記脱水槽内部温度に応じて、または前記脱水槽内湿度に応じて、前記風路切替機構の開き方を変えるものであり、前記内気循環モードから前記混合循環モードに切り替わった当初は前記水槽外部から空気を流入させる外気導入ダクトからの空気流入量の比率を多くし、前記脱水槽の内部の温度が下がってきたら、または、前記脱水槽の内部の湿度が下がってきたら、前記還流ダクトからの空気流入量の比率を多くする
本発明の好ましい実施形態によれば、上記構成の洗濯乾燥機において、前記制御部は、前記混合循環モードまたは前記外気導入モードの乾燥を実行するとき、一時的に前記脱水槽を高速回転させる。
本発明の好ましい実施形態によれば、上記構成の洗濯乾燥機において、前記脱水槽は周壁に脱水のための孔を備えないタイプのものである。
本発明によると、洗濯物から水分を奪った空気を外部に排気することにより洗濯物を乾燥させるから、特に除湿手段を設ける必要がない。そして、乾燥工程の最初の段階では内気循環モードにより熱が外部に出ないようにし、脱水槽内部の温度が上昇してから、または、脱水槽内部の湿度が上昇してから、混合循環モードまたは外気導入モードに切り替えて脱水槽に外部の空気を導入し、また脱水槽からの排気を行うようにしたので、当初から外気を導入し、排気も行う方式と異なり、脱水槽内部の温度がなかなか上昇しないといったことがなく、省エネルギーで、且つ短時間で乾燥を行うことができる。
本発明の実施形態に係る洗濯乾燥機の概略構造を示す断面図である。 図1と同様の断面図で、図1と異なる動作状態を示すものである。 図1と同様の断面図で、図1及び図2と異なる動作状態を示すものである。 前記洗濯乾燥機のブロック構成図である。
図1に示す洗濯乾燥機1は、直方体形状の外箱10を有する。外箱10の内部には、洗剤を溶かした水またはすすぎ用の水(以下これらを総称して「洗濯水」という)を溜める、洗濯槽を兼ねる脱水槽30と、脱水槽30を収容する水槽20が収容される。水槽20も脱水槽30も上面が開口した円筒形のカップの形状を呈しており、各々軸線を垂直にし、水槽20を外側、脱水槽30を内側とする形で同心的に配置される。
水槽20は図示しないサスペンション部材によって吊り下げられる。サスペンション部材は水槽20の外面下部と外箱10の内面コーナー部とを連結する形で計4箇所に配備され、水槽20を水平面内で揺動できるように支持する。
外箱10の内部には、水槽20と脱水槽30にとり天井の役割を果たす水平仕切板11が設けられており、この水平仕切板11と水槽20の上端を弾性体からなるベローズ21が連結する。これにより、水平仕切板11と水槽20の上端との隙間を通って空気が出入りすることはなくなる。
外箱10の天面部と水平仕切板11には、脱水槽30に洗濯物を投入したり、脱水槽30から洗濯物を取り出したりするための洗濯物投入口(図示せず)が形成される。洗濯物投入口には一端を支点として開閉する蓋(図示せず)が設けられる。
脱水槽30は上方にテーパ状に広がる周壁を有する。この周壁には、その最上部に環状に配置した複数個の脱水孔を除き、液体を通すための開口部はない。すなわち脱水槽30はいわゆる「孔なし」タイプである。脱水槽30の上部開口部の縁には、洗濯物の脱水のため脱水槽30を高速回転させたときに振動を抑制する働きをする環状のバランサ31が装着される。脱水槽30の内部底面には槽内で洗濯水の流動を生じさせるためのパルセータ32が配置される。
水槽20の下面には駆動ユニット40が取り付けられる。駆動ユニット40は、モータ41、モータ41にベルトで連結されたクラッチ42、及びブレーキ43を含み、クラッチ42から脱水軸44とパルセータ軸45を上向きに突出させている。クラッチ42は電磁力で動作し、脱水軸44とパルセータ軸45のどちらがモータ41に連結するかを切り替える。ブレーキ43は脱水軸44に制動をかけるためのものであって、電磁力でブレーキ解除操作がなされる。
脱水軸44とパルセータ軸45は、脱水軸44を外側、パルセータ軸45を内側とする二重軸構造となっており、水槽20の中に入り込んだ後、脱水軸44は脱水槽30に連結されてこれを支える。パルセータ軸45はさらに脱水槽30の中に入り込み、パルセータ32に連結してこれを支える。脱水軸44と水槽20の間、及び脱水軸44とパルセータ軸45の間には各々水もれを防ぐためのシール部材が配置される。
脱水槽30に対し3個のダクトが設けられる。その1は送風機50が吹き出す空気を上方から脱水槽30に吹き込む吹き込みダクト51、その2は脱水槽30の内部と送風機50の空気流入部とを結ぶ還流ダクト52、その3は洗濯物投入口の蓋が閉じられているときに脱水槽30からの排気を可能とする排気ダクト53である。
吹き込みダクト51の内部には、送風機50が吹き出す空気を加熱するヒータ54が設けられる。空気があまり高温になると、洗濯乾燥機1の内部の合成樹脂製部品が溶けるおそれが生じるので、吹き込みダクト51からの吹き出し温度が90℃を超えない程度に設定しておくのがよい。ヒータ54にはPTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータを用いることができる。
送風機50の空気流入部には吸気フィルタ55が設けられ、排気ダクト53には排気フィルタ56が設けられる。吸気フィルタ55は異物(主に繊維)が送風機50に吸い込まれたり、ヒータ54に付着して焦げたりするのを防ぐためのものである。排気フィルタ56は、排気によって繊維が室内にまき散らされるのを防ぐためのものである。
送風機50の空気流入部には、還流ダクト52に加えて、水槽20の外部から送風機50に空気を流入させる外気導入ダクト57が接続されている。還流ダクト52と外気導入ダクト57の合流部に風路切替機構60が設けられる。風路切替機構60の主体をなすのは電動式の切替弁61である。切替弁61は、還流ダクト52を開き外気導入ダクト57を閉ざす態勢(図1参照)、還流ダクト52を閉ざし外気導入ダクト57を開く態勢(図3参照)、及びその中間の態勢(図2参照)に角度変更可能である。
洗濯乾燥機1の制御システムは図4に示す構成となっている。洗濯乾燥機1全体の制御を司る制御部70はマイクロコンピュータを中核として構成され、様々な構成要素から出力信号を受け取り、また様々な構成要素に対し制御信号を出力する。
制御部70に信号を出力する構成要素には、外箱10の天面に設けられた操作部71、洗濯物投入口の蓋が開いているか閉じているかを検知する蓋開閉センサ73、脱水槽30の内部の水位を検知する水位センサ74、脱水槽30の内部の温度を検知してその値を制御部70に出力する温度センサ75、及び脱水槽30の内部の湿度を検知してその値を制御部に出力する湿度センサ76が含まれる。温度センサ75と湿度センサ76は、脱水槽30の内部に存在する必要はなく、脱水槽30から流出する空気の温度または湿度を測定できる位置に存在していればよい。
制御部70から制御信号を受けて動作を行う構成要素には、既出のモータ41、クラッチ42、ブレーキ43、送風機50、ヒータ54、及び風路切替機構60の他、操作部71に隣接して設けられる表示部72と、脱水槽30に給水を行う給水弁77が含まれる。
さらに、正イオンと負イオンからなるプラズマクラスターイオン(以下「PCI」の略称を用いる)を発生するPCI発生器80と、PCIを機外に放出するPCI放出弁81が含まれる。
PCI発生器80は吹き込みダクト51の外側に設けられ、吹き込みダクト51の中にPCIを放出する。吹き込みダクト51には、PCI発生器80の下流側に、PCIを機外に放出するPCI機外放出ダクト82が分岐形成されており、吹き込みダクト51とPCI機外放出ダクト82の分岐部に、PCI放出弁81が配置されている。PCI放出弁81は、ソレノイドまたはモータを動力源として動作するものであり、吹き込みダクト51を開きPCI機外放出ダクト82を閉ざす姿勢(図1の実線状態)と、PCI機外放出ダクト82を開き、吹き込みダクト51も一部開く姿勢(図1の破線状態)のいずれかの姿勢をとる。
洗濯乾燥機1の動作につき説明する。洗濯物投入口の蓋を開け、脱水槽30に洗濯物と洗剤を投入する。蓋を閉じ、操作部71の中の操作ボタン群を操作して洗濯条件を選び、スタートボタンを押せば、制御部70は洗濯工程をスタートさせる。
洗濯工程では、制御部70は最初給水弁77を開き、脱水槽30に給水する。脱水槽30に所定量の水が溜まったところで制御部70は給水弁77を閉じ、クラッチ42の操作によりパルセータ軸45をモータ41に連結し、モータ41を駆動する。これによりパルセータ32が回転し、脱水槽30の中の水を攪拌する。投入されていた洗剤は水に溶け、その水の中で洗濯物が揺り動かされることにより、洗濯が行われる。この時ブレーキ43は脱水槽30に制動をかけ、脱水槽30が水流で動かされるのを防いでいる。
所定時間経過後モータ41は停止し、洗濯工程は終了する。この後、すすぎ工程の前の脱水工程に入る。制御部70はクラッチ42の操作により脱水軸44をモータ41に連結し、ブレーキ43による制動を解除した上で、モータ41を駆動する。これにより脱水槽30が脱水回転を行う。パルセータ32も脱水槽30と共に回転する。
脱水槽30が高速で回転すると、洗濯物は遠心力で脱水槽30の周壁に押し付けられ、洗濯物に含まれていた洗濯水も周壁の内面に集まってくるが、前述の通り、脱水槽30は上方にテーパ状に広がっているので、遠心力を受けた洗濯水は脱水槽30の内面を上昇する。洗濯水は脱水槽30の上端、バランサ31の下まで上昇したところで脱水孔から放出され、水槽20の内面で受け止められる。水槽20の内面で受け止められた洗濯水は水槽20の底部に流れ落ち、図示しない排水ホースを通って外箱10の外に排水される。
所定の脱水時間が経過した後、制御部70はモータ41を停止し、ブレーキ43による制動を復活させて脱水槽30の回転を止める。そしてすすぎ工程に入る。
すすぎ工程で制御部70は、給水弁77を開き、脱水槽30に給水する。脱水槽30に所定量の水が溜まったところで、制御部70はクラッチ42の操作によりパルセータ軸45をモータ41に連結し、モータ41を駆動する。これによりパルセータ32が回転し、脱水槽30の中の水が攪拌され、すすぎが行われることになる。
すすぎ方法としては、給水弁77を閉じておいて行う「ためすすぎ」を選択することもできるし、給水弁77を開いて水を流し続ける「オーバーフローすすぎ」を選択することもできる。すすぎの途中で脱水を実行し、洗濯物に含まれている洗剤が速やかに抜けるようにしてもよい。
すすぎ工程が終了したら脱水工程を実行し、その後乾燥工程に移る。
乾燥工程の最初の段階では、制御部70は、風路切替機構60を図1の態勢にする。すなわち切替弁61に、還流ダクト52を開き、外気導入ダクト57を閉ざす姿勢をとらせる。その上で送風機50を駆動し、ヒータ54に通電する。すると吹き込みダクト51から温風が吹き出し、脱水槽30に吹き込まれる。温風は脱水槽30の内部を加熱した後、全量が還流ダクト52に吸い込まれ、送風機50に戻される。これが、洗濯乾燥機1の内部だけで空気を循環させる「内気循環モード」である。
内気循環モードでは、温風が洗濯乾燥機1の外に出ないため、熱が脱水槽30の内部にこもり、脱水槽30の内部の温度が速やかに上昇する。洗濯物からの水の蒸発は50℃以上で活発になるため、50℃以上の温度まで速やかに上昇させることを目指す。脱水槽30の内部の洗濯物に温風が均等に当たるよう、制御部70は脱水槽30を脱水時の回転数よりも低い回転数で回転させる。
脱水槽30の内部の温度が上昇するにつれ、洗濯物から水分が蒸発し、内気循環の空気は水分を多く含むことになる。脱水槽30は孔なしタイプであるため、脱水槽30から外に漏れる空気量が少なく、脱水槽30と水槽20の間の空間は空気が対流し循環する空間とはならない。このように、空気が対流し循環する空間がほぼ脱水槽30の内部に限定されるため、対流と循環が効率良く進められ、温度が速やかに上昇する。
内気循環の結果、脱水槽30の内部温度が所定値まで上昇したことを温度センサ75が検知したら、制御部70は乾燥モードを「混合循環モード」に切り替える。
混合循環モードでは、制御部70は風路切替機構60を図2の態勢にする。すなわち切替弁61を、還流ダクト52と外気導入ダクト57の両方から空気が送風機50に流入する角度に置く。これにより、還流ダクト52に吸い込まれる空気量が減少し、吹き込みダクト51から吹き出される空気の全量を還流ダクト52で引き受けることができなくなる。還流ダクト52で引き受けられなかった分の空気は、排気ダクト53を通じて機外に排出される。
排気ダクト53から排出される空気は水分を多く含む空気であるため、脱水槽30から水分が効率よく排出される。一方、脱水槽30内の空気が全て排気ダクト53から排出される訳ではなく、一部は還流ダクト52経由で循環するので、脱水槽30の内部の高温状態が維持され続ける。これにより、洗濯物からの水分蒸発率は高い値を保つ。
混合循環モードの乾燥を続けた結果、湿度センサ76の検知する湿度の値が所定値まで下がったら、制御部70は送風機50とモータ41の駆動を止め、ヒータ54への通電を停止する。そして表示部72に乾燥終了の旨を表示させる。あるいは、表示に加え、それを音声で報知する。
内気循環モードから混合循環モードへの切り替えにあたり、上記の説明では、脱水槽30の内部の温度が所定値まで上昇したことを温度センサ75が検知したことをもって切り替えの条件としたが、脱水槽30の内部湿度が所定値まで上昇したことを湿度センサ76が検知したことをもって切り替えの条件とするように構成することもできる。
混合循環モードの乾燥を実行するとき、制御部70に、風路切替機構60の開き方を変えて、還流ダクト52から流入する空気量と外気導入ダクト57から流入する空気量の比率を変化させる制御を行わせることができる。例えば、温度センサ75が検知する脱水槽30の内部の温度に応じて、内気循環モードから混合循環モードに切り替わった当初は外気導入ダクト57からの空気流入量の比率を多くし、脱水槽30からできるだけ大量の水分を速やかに排出することとし、その結果、脱水槽30の内部温度が下がってきたら、還流ダクト52からの空気流入量の比率を多くして温度回復に努める、といった制御を行わせることができる。
あるいは、湿度センサ76が検知する脱水槽30の内部の湿度に応じて、内気循環モードから混合循環モードに切り替わった当初は外気導入ダクト57からの空気流入量の比率を多くし、脱水槽30からできるだけ大量の水分を速やかに排出することとし、その結果
脱水槽30の内部の湿度が下がってきたら、脱水槽30の内部温度も下がったものと判断し、還流ダクト52からの空気流入量の比率を多くして温度と水分蒸発量の回復に努める、といった制御を行わせることもできる。
混合循環モードで乾燥工程を終えるのでなく、その後に「外気導入モード」の乾燥を追加するように動作シーケンスを設定することも可能である。
外気導入モードでは、制御部70は風路切替機構60を図3の態勢にする。すなわち切替弁61に、還流ダクト52を閉じ、外気導入ダクト57を開く姿勢をとらせる。これにより、還流ダクト52に吸い込まれる空気はゼロとなり、吹き込みダクト51から吹き出される空気は全て排気ダクト53から機外に排出されることになる。
混合循環モードと外気導入モードでは、制御部70に、脱水槽30を一時的に高速回転させる制御を行わせることができる。これにより、脱水槽30の内部の対流の風速が上がり、洗濯物からの水分の蒸発と、蒸発した水分の排気ダクト53を通じての排出を促進することができる。
洗濯開始の前に洗濯条件を選ぶとき、乾燥工程でPCIを発生する設定にしておけば、
乾燥工程に移行後、制御部70はPCI発生器80を動作させ、吹き込みダクト51の内部にPCIを放出させる。この時PCI機外放出弁81は、吹き込みダクト51を開き、PCI機外放出ダクト82を閉ざす姿勢(図1の実線状態)をとっており、放出されたPCIは全量脱水槽30に吹き込まれる。
温風と共に脱水槽30に吹き込まれたPCIは洗濯物に付着し、除菌作用、防カビ作用、脱臭作用などを発揮する。洗濯物だけでなく、脱水槽30、還流ダクト52、風路切替機構60、吸気フィルタ55、送風機50、及び吹き出しダクト51にもPCIの上記作用が及び、これらの構成要素は良好な衛生状態に保たれる。内気循環モードと混合循環モードの間中、PCI発生器80はPCIの発生を続行する。外気導入モードでもPCI発生器80を動作させてもよい。
洗濯乾燥機1が置かれた部屋あるいは空間の除菌、防カビ、脱臭を目的として、洗濯をしないときに洗濯乾燥機1を「PCI機外放出モード」で運転することもできる。この時PCI放出弁81は、PCI機外放出ダクト82を開き、吹き込みダクト51も一部開く姿勢(図1の破線位置)をとる。PCI発生器80と送風機50の両方を駆動すると、PCI発生器80から放出されたPCIの大部分はPCI機外放出ダクト82より機外に放出される。PCI機外放出ダクト82から放出されたPCIは洗濯乾燥機1が置かれた部屋あるいは空間に拡散し、除菌、防カビ、脱臭などの作用を行う。
PCI放出弁81は吹き込みダクト51を完全に閉ざしている訳ではなく、一部開放状態としているので、送風機50から吹き出された風の一部とPCI発生器80から放出されたPCIの一部は脱水槽30に入り、還流ダクト52から送風機50に戻る。このため、送風機50を通る気流が常に確保される。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
本発明は洗濯乾燥機に広く利用可能である。
1 洗濯乾燥機
10 外箱
20 水槽
30 脱水槽
32 パルセータ
40 駆動ユニット
50 送風機
51 吹き込みダクト
52 還流ダクト
53 排気ダクト
54 ヒータ
57 外気導入ダクト
60 風路切替機構
61 切替弁
70 制御部
75 温度センサ
76 湿度センサ
80 PCI発生器
81 PCI放出弁
82 PCI機外放出ダクト

Claims (4)

  1. 外箱と、前記外箱に収容される水槽と、前記水槽に収容され、底部にパルセータが設けられた脱水槽と、前記脱水槽に空気を吹き込む送風機と、前記送風機が吹き出す空気を加熱するヒータと、前記脱水槽からの排気を可能とする排気ダクトと、前記脱水槽の内部と前記送風機の空気流入部を結ぶ還流ダクトと、前記送風機の空気流入部に設けられ、前記還流ダクトおよび/または前記水槽の外部からの空気流入を可能とする風路切替機構と、全体制御を司る制御部と、前記脱水槽の内部温度を検知してその値を前記制御部に出力する温度センサ、または、前記脱水槽の内部湿度を検知してその値を前記制御部に出力する湿度センサを備え、
    前記制御部は、乾燥工程において、最初、前記還流ダクトからのみ空気が流入するように前記風路切替機構を切り替えて前記送風機を運転する内気循環モードの乾燥を実行し、前記脱水槽の内部温度が所定値まで上昇した後、または、前記脱水槽の内部湿度が所定値まで上昇した後、前記還流ダクトと前記水槽外部の両方から空気が流入するように前記風路切替機構を切り替えて前記送風機を運転する混合循環モードの乾燥、または前記水槽外部からのみ空気が流入するように前記風路切替機構を切り替えて前記送風機を運転する外気導入モードの乾燥を実行することを特徴とする洗濯乾燥機。
  2. 前記制御部は、前記混合循環モードの乾燥を実行するときは、前記脱水槽の内部温度に応じて、または前記脱水槽の内部湿度に応じて、前記風路切替機構の開き方を変えるものであり、
    前記内気循環モードから前記混合循環モードに切り替わった当初は前記水槽外部から空気を流入させる外気導入ダクトからの空気流入量の比率を多くし、前記脱水槽の内部の温度が下がってきたら、または、前記脱水槽の内部の湿度が下がってきたら、前記還流ダクトからの空気流入量の比率を多くすることを特徴とする請求項1に記載の洗濯乾燥機。
  3. 前記制御部は、前記混合循環モードまたは前記外気導入モードの乾燥を実行するとき、一時的に前記脱水槽を高速回転させることを特徴とする請求項1または2に記載の洗濯乾燥機。
  4. 前記脱水槽は周壁に脱水のための孔を備えないタイプのものであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の洗濯乾燥機。
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