JP5610253B2 - 燃料電池システムとこれを用いた発電方法 - Google Patents

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Description

本発明は、固体酸化物形燃料電池(SOFC)を用いた燃料電池システムとこれを用いた発電方法に関する。
固体酸化物形燃料電池(SOFC)の実用化のためには、長寿命・高効率化は重要な課題である。イットリア安定化ジルコニア電解質を使用したSOFCの一般的な作動温度は1000℃であるが、この高い作動温度に起因して構成材料間の固相反応等が問題になっている。
近年、上記問題の解決策として、作動温度の低減(600〜800℃)を目指した電極支持型薄膜電解質セルが注目されており、高い出力特性が報告されてはいるが、支持体となる電極の微細構造と長期安定性の相関に関する報告例は少ない。
電気化学会第75回大会講演要旨集 2008年3月 1B22 47ページ
非特許文献1に詳述しているように、定電圧下で通電したときの電流密度は、通電時間の経過に伴い徐々に低下する。さらに発電を継続すると、電流密度の急激な低下を生じる。電流密度は発電前の状態に回復することはなく、その劣化現象は燃料極に起因すると考えられる。
次に、一定の電圧下での連続耐久実験として、通電と開回路状態での保持を繰り返した際の電流密度の変化を観察した結果、開回路状態で一定時間保持することにより電流密度が回復するという現象がある。
また、通電時の電流密度が再度低下するまでの時間は、開回路状態での保持時間と相関があり、そのような可逆的劣化現象は、通電で生成された水蒸気による燃料極内のNiの不活性化、及び燃料供給の阻害が原因であると考えられる。
上記の観察により、燃料極内に蓄積された水蒸気により電池性能が低下したと予想されたので、電池を電解作動させることによる性能回復を試みている。
すなわち、定電圧保持試験により劣化が生じたセルを開回路電圧より高い端子電圧で一定時間保持した後、所定の定電圧下において電流密度の経時変化を観察した結果、電池の電解作動により燃料極内に留まっていた水蒸気が除去されたことが要因になっていると思料される。
そこで本発明は、燃料極内のNiの不活性化、及び燃料供給の阻害による固体酸化物型燃料電池の稼動不能を防止して、発電性能を維持できる燃料電池システムとこれを用いた発電方法の提供を目的としている。
上記目的を達成するための本発明に係る燃料電池システムは、電解質の両側に積層した燃料極と空気極とに、二種類の発電用ガスを互いに分離して流接させることによる発電を行う固体酸化物型燃料電池と、この固体酸化物型燃料電池に接続される外部負荷に電力を送給するものであり、上記固体酸化物型燃料電池の劣化を予防するための予防判定基準情報に基づいて、その固体酸化物型燃料電池が劣化し始めるか否かを判定する劣化予防判定手段と、劣化予防判定手段によって固体酸化物型燃料電池が劣化すると判定したときには、その固体酸化物型燃料電池の劣化を予防する劣化予防手段と、固体酸化物型燃料電池に対して外部負荷を断接する第一の断接器と、既に劣化した固体酸化物型燃料電池を回復させるための基準となる回復判定基準情報に基づいて、固体酸化物型燃料電池が既に劣化しているか否かを判定する劣化回復判定手段と、劣化回復判定手段によって固体酸化物型燃料電池が既に劣化していると判定したときには、その固体酸化物型燃料電池の劣化を回復する劣化回復手段とを設けているとともに、劣化予防手段は、第一の断接器を介して固体酸化物型燃料電池から外部負荷を所定の遮断開放時間だけ遮断開放し、劣化回復手段は、第一の断接器により、劣化予防手段による外部負荷の遮断開放時間よりも長く設定した遮断開放時間だけ外部負荷を遮断開放することを特徴としている。
同上の目的を達成するための本発明に係る発電方法は、電解質の両側に積層した燃料極と空気極とに、二種類の発電用ガスを互いに分離して流接させることによる発電を行う固体酸化物型燃料電池を有し、この固体酸化物型燃料電池に接続される外部負荷に電力を送給する燃料電池システムを用いたものであり、上記固体酸化物型燃料電池の劣化を予防するための予防判定基準情報に基づいて、その固体酸化物型燃料電池が劣化し始めるか否かを判定し、固体酸化物型燃料電池が劣化すると判定したときには、固体酸化物型燃料電池から外部負荷を所定の遮断開放時間だけ遮断開放することにより、その固体酸化物型燃料電池の劣化を予防し、既に劣化した固体酸化物型燃料電池を回復させるための基準となる回復判定基準情報に基づいて、固体酸化物型燃料電池が既に劣化しているか否かを判定し、
固体酸化物型燃料電池が既に劣化していると判定したときには、外部負荷の前記所定の遮断開放時間よりも長く設定した遮断開放時間だけ外部負荷を遮断開放することにより、その固体酸化物型燃料電池の劣化を回復することを内容としている。
本発明によれば、燃料極内のNiの不活性化、及び燃料供給の阻害による固体酸化物型燃料電池の稼動不能になることを防止するとともに、発電性能を維持できる。具体的には、固体酸化物型燃料電池から外部負荷を所定の遮断開放時間だけ遮断開放することにより、固体酸化物型燃料電池の出力端子を開回路状態にして燃料極を還元し、固体酸化物型燃料電池が稼動不能に陥ることを未然に防止できる。また、劣化回復手段が、第一の断接器により、劣化予防手段による外部負荷の遮断開放時間よりも長く設定した遮断開放時間だけ外部負荷を遮断開放することにより、稼動不能に陥っている燃料電池を稼動可能となるように回復させることができ、たとえ何らかの事情により燃料電池が劣化してしまったとしても、その回復を図ることができる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の第一の実施形態に係る燃料電池システムの構成を示すブロック図、図2は、その燃料電池システムの一部をなすコントロールユニットの機能を示すブロック図である。
本発明の第一の実施形態に係る燃料電池システムA1は、一例に係る固体酸化物型燃料電池(以下、単に「燃料電池」という。)10に接続される例えばモータ等の外部負荷15に電力を送給する構成のものである。
具体的には、上記した燃料電池10と外部負荷15の他に、第一の断接器20、燃料を燃料電池10の燃料極10aに送給するための送給ポンプ21、その燃料電池10の空気極10bに空気を送給するためのコンプレッサ22、電圧計23、電流計24、交流抵抗計25及びコントロールユニット(以下、「C/U」と略記する。)30等を有して構成されている。
燃料電池10は、複数のセルユニット12を互いに積層した単一のセルスタックをケース13内に収容したものである。なお、図1には、説明を簡略化するために一つのセルユニット12のみを示している。
セルユニット12は、Niを有する燃料極10aと空気極10bとを電解質10cの両側に対設した固体電解質型セル11…を備えたものであり、その燃料極10aと空気極10bとに、二種類の発電用ガスを互いに分離して流接させることによる発電を行うものである。
二種類の発電用ガスは、例えば空気と炭化水素燃料ガスである。
第一の断接器20は、燃料電池10に対して外部負荷15を断接する例えばリレーであり、外部負荷15に接続する燃料電池10の出力端子14a,14bの中間に配設されている。
この第一の断接器20は、詳細を後述するC/U30の出力ポートに接続されており、そのC/U30から出力される断接信号によって断接動作するようになっている。
上記した出力端子14a,14bの一方には、燃料電池10の出力電流を測定するための上記した電流計24を、また、出力端子14a,14b間には当該出力電圧を測定するための電圧計23と交流抵抗計25をそれぞれ配設している。
上記の電流計23、電圧計24及び交流抵抗計25は、C/U30の入力ポート側に接続されて、各取得した測定値が入力されるようになっている。
本実施形態においては、上記の電流計23と電圧計24とが、燃料電池10の出力を測定する出力測定器である。
また、交流抵抗計25が、燃料電池10の内部交流抵抗を測定するための内部抵抗測定器である。
図2に示すように、C/U30は、CPU(Central Processing Unit)、インターフェース回路等(いずれも図示しない)からなる中央制御部31と、ハードディスク,半導体メモリ等からなるメモリ32とを有するものである。
メモリ32には、中央制御部31に所要の機能を発揮させるためのプログラムの他、燃料電池10の劣化を予防するための予防判定基準情報、既に劣化した燃料電池10を回復させるための回復判定基準情報、第一の断接器20を開放しておく遮断開放時間等が記憶されている。
本実施形態における予防判定基準情報は、燃料電池10の稼動時間(運転時間)であるが、上記した電流計23や電圧計24等の出力測定器によって取得した燃料電池10の出力、又は交流抵抗計25等の内部抵抗測定器で取得した燃料電池10の内部抵抗であってもよい。
「稼動時間」は、例えば実験により劣化するまでの時間を予め計測して得たものである。
電圧計24を用いる場合には、一定電圧下における電流密度の下限値等を予防判定基準情報として適用することができる。
なお、以下には、予防判定基準情報が燃料電池10の稼動時間(運転時間)であるとして説明するが、当該稼動時間に、燃料電池10の出力やその内部交流抵抗を組み合わせたものを予防判定基準情報としてもよい。
また、燃料電池10の出力のみ又はその内部抵抗のみを予防判定基準情報とすることもできることは勿論である。
本実施形態において「劣化」とは、一定電圧下における出力電流密度が経時的に低下して、通常運転によっては回復し得ない状態をいう。これを「稼動不能状態」ということにする。
「通常運転」とは、燃料電池10に外部負荷15を接続した状態において稼動させることをいう。
「回復判定基準情報」は、例えば一定電圧下における電流密度の下限値等である。
メモリ32に記憶されている本燃料電池システムA1に用いるプログラムの実行により、C/U30、従ってまた、中央制御部31は以下の各機能を発揮する。
(1)燃料電池10の劣化を予防するための予防判定基準情報に基づいて、その燃料電池10が劣化し始めるか否かを判定する機能。この機能を「劣化予防判定手段31a」という。
本実施形態においては、上記したようにメモリ32に記憶した燃料電池10の稼動時間であり、この稼動時間が経過したか否かによって、燃料電池10が、従ってまた、固体電解質型セル11が劣化し始めるか否かを判定している。
なお、燃料電池10の出力のみ又はその内部抵抗のみを予防判定基準情報とした場合には、電流計23や電圧計24等の出力測定器又は交流抵抗計25等の内部抵抗測定器を介して、予防判定基準情報を取得する機能、すなわち「基準情報取得手段31d」を設ければよい。
(2)劣化予防判定手段31aによって燃料電池10が劣化すると判定したときには、その燃料電池10の劣化を予防する機能。この機能を「劣化予防手段31b」という。
本実施形態においては、上記第一の断接器20によって、燃料電池10から外部負荷15を、所定の遮断開放時間だけ遮断開放させることによって行っている。
また、本実施形態においては、下記の開放時間判定手段31cによって所定の遮断開放時間が経過したと判定したときには、第一の断接器20によって、燃料電池10に外部負荷15を接続するようにしている。
(3)所定の遮断開放時間が経過したか否かを判定する機能。この機能を「開放時間判定手段31c」という。
(4)メモリ32に記憶されている回復判定基準情報に基づいて、燃料電池10が既に劣化しているか否かを判定する機能。この機能を「劣化回復判定手段31d」という。
既述したように、既に劣化しているか否かの判定基準情報は、一定の電圧下における電流密度の下限値、換言すると所定の閾値である。
(5)劣化回復判定手段31dによって燃料電池10が既に劣化していると判定したときには、その燃料電池10の劣化を回復する機能。この機能を「劣化回復手段31e」という。
本実施形態においては、上記第一の断接器20によって、燃料電池10から外部負荷15を所定の遮断開放時間だけ遮断開放することによって行っている。
この「遮断開放時間」は、既に劣化している燃料電池10の劣化を回復させるためのものであり、上記劣化予防手段31bによる遮断開放時間よりも長く設定している。
そして、上記の開放時間判定手段31cによって所定の遮断開放時間が経過したと判定したときには、第一の断接器20によって、燃料電池10に外部負荷15を接続するようにしている。
上記した構成からなる第一の実施形態に係る燃料電池システムA1の動作について、図3,4を参照して説明する。図3は、燃料電池システムA1における予防動作を示すフローチャート、図4は、燃料電池システムA1における回復動作を示すフローチャートである。
上述した燃料電池システムA1を用いた発電方法は、上記燃料電池10の劣化を予防するための予防判定基準情報に基づいて、その燃料電池10が劣化し始めるか否かを判定し、燃料電池10が劣化すると判定したときには、その燃料電池10の劣化を予防することを内容としたものであり、その詳細は次のとおりである。
まず、図3を参照して予防動作について説明する。
<予防動作>
ステップ1(図中、「S1」と略記する。以下同様。):通常運転を行って、ステップ2に進む。
ステップ2:予防動作を実行するか否かの判定を行う。
例えば実験により予め劣化し始める時間を計測して、C/U30のメモリ32に記憶しておき、その劣化時間と実際の稼動時間と比較照合することにより、予防動作を実行するか否かの判定を行う。
また、例えば2巡目においては、ステップ4で行われた第一の断接器20による遮断開放時間に基づいて、予防動作を実行するか否かの判定を行うようにしてもよい。
ステップ3:燃料電池10の予防動作を実行する。具体的には、第一の断接器20を開駆動することにより、上記燃料電池10から外部負荷15を遮断開放し、換言すると、燃料電池10の出力端子14a,14bを開回路状態にして燃料極10aを還元する。これにより、燃料電池10が稼動不能に陥ることを未然に防止できる。
ステップ4:予防動作を終了するか否かを判定する。例えばメモリ32に所定の遮断開放時間を設定しておき、その遮断開放時間が経過したか否かを判定する。ここで、当該時間が経過していなければステップ3に戻り、当該時間が経過していればステップ5に進む。
上記の遮断開放時間が予防動作の実行時間である。
最適な遮断開放時間は、遮断開放時間を異ならせて予防した他の燃料電池10を用いた通常運転を行って、遮断開放時間と、一定出力の運転効率が悪化するまでの時間との関係を調べることにより把握することができる。
ステップ5:ステップ1の通常運転に戻る。
次に、図4を参照して回復動作について説明する。
<回復動作>
ステップ1(図中、「S1」と略記する。以下同様。):通常運転を行って、ステップ2に進む。
ステップ2:回復動作を実行するか否かの判定を行う。
具体的には、実際に燃料電池10の出力端子14a,14bから出力されている電流密度が、予め設定した電流密度の下限値より小さいか否かを判定し、その下限値よりも小さいと判定すればステップ3に進み、そうでなければステップ1に戻る。
ステップ3:燃料電池10の回復動作を実行する。
具体的には、第一の断接器20を開駆動することにより、上記燃料電池10から外部負荷15を遮断開放し、換言すると、燃料電池10の出力端子14a,14bを開回路状態にして燃料極10aを還元する。
これにより、稼動不能に陥っている燃料電池10を稼動可能となるように回復させることができる。
ステップ4:回復動作を終了するか否かを判定する。
例えばメモリ32に回復のための遮断開放時間を設定しておき、その遮断開放時間が経過したか否かを判定する。ここで、当該時間が経過していなければステップ3に戻り、当該時間が経過していればステップ5に進む。
ステップ5:ステップ1の通常発電運転に戻る。
以上のステップの実行により、たとえ何らかの事情により燃料電池10が劣化してしまったとしても、その回復を図ることができる。
次に、本発明の第二の実施形態に係る燃料電池システムについて、図5,6を参照して説明する。図5は、第二の実施形態に係る燃料電池システムの構成を示すブロック図、図6は、第二の実施形態に係る燃料電池システムの一部をなすコントローラユニットが有する機能を示すブロック図である。
なお、上述した実施形態において説明したものと同等のものについては、それらと同一の符号を付して説明を省略する。
第二の実施形態に係る燃料電池システムA2は、上述した燃料電池システムA1の構成に加えて、電源であるバッテリ40、DC/DCコンバータ41、第二の断接器42、インバータ43及び第三の断接器44を設けた構成のものである。
バッテリ40は、燃料電池10の燃料極10aを還元するための還元用の電力を送給し、また、インバータ43を介して外部負荷15に対して駆動用の電力を送給するためのものである。
DC/DCコンバータ41は、インバータ43又は燃料電池10向けに電圧変換を行うためのものである。
インバータ43は、燃料電池10から出力された直流電力を交流に変換し、また、バッテリ40から送給された直流電力を交流に変換して外部負荷15に給電するためのものである。
なお、図5には、外部負荷15として交流モータ15を接続したものを示している。
第二の断接器42は、DC/DCコンバータ41と燃料電池10との間に介設され、C/U30の出力ポート側に接続されて断接動作するようになっている。
第三の断接器44は、上記DC/DCコンバータ41とインバータ43との間に介設されており、第二の断接器42と同じくC/U30の出力ポート側に接続されて断接動作するようになっている。
C/U30は、メモリ32に記憶されている本燃料電池システムA2に用いるプログラムの実行により、上記燃料電池システムA1の各手段を実現しているが、本実施形態においては、上記した機能の劣化予防手段に代えて、次の機能を発揮する劣化予防手段を設けている。
(7)劣化予防判定手段31aによって燃料電池10が劣化すると判定したときには、上記第一の断接部20を介して燃料電池10から外部負荷15を遮断開放時間だけ遮断開放させ、かつ、第二の断接器42を介してバッテリ40を燃料電池10に接続させる機能。これを「劣化予防手段31f」という。
これにより、燃料極10には還元電流が通電されて、劣化の始まりを未然に防止している。
また、第一の断接部20を介して燃料電池10から外部負荷15を遮断開放時間だけ遮断開放させ、かつ、第二の断接器42を介してバッテリ40を燃料電池10に接続させているので、還元に要する時間を短縮することができる。
上記した構成からなる第二の実施形態に係る燃料電池システムA2の動作については、ステップ3を除き、図3,4において説明したものと同様であるので、ここでは、それら図3,4を参照して、予防動作と回復動作におけるステップ3について説明する。
まず、図3を参照して予防動作について説明する。
<予防動作>
ステップ1において通常運転を行ってステップ2に進み、ステップ2において予防動作を実行するか否かの判定を行ってステップ3に進む。
ステップ3:燃料電池10の予防動作を実行する。
本実施形態においては、上記第一の断接部20を介して燃料電池10から外部負荷15を遮断開放時間だけ遮断開放するとともに、第2の断接器42を介してバッテリ40を燃料電池10に接続する。
これにより、燃料電池10の出力端子14a,14bが開回路状態になり、かつ、バッテリ40からの還元電流が燃料極10aに送給されて、その燃料極10aをより迅速に還元することができる。
より具体的には、第一の断接器20を開駆動、第二の断接器42を閉駆動、及び第三の断接器44を開駆動している。
このとき、DC/DCコンバータ41を制御して、燃料電池10の出力端子14a,14b間の電圧を増大させている。これにより、燃料極10aに還元電流が通電されるようになる。
そして、以後ステップ4以下に進んで同様の処理を行う。
次に、図4を参照して回復動作について説明する。
<回復動作>
ステップ1において通常発電運転を行ってステップ2に進み、ステップ2において予防動作を実行するか否かの判定を行ってステップ3に進む。
ステップ3:燃料電池10の回復動作を実行する。
具体的には、上記第一の断接部20を介して燃料電池10から外部負荷15を遮断開放時間だけ遮断開放するとともに、第二の断接器42を介してバッテリ40を燃料電池10に接続する。これにより、燃料電池10が開回路状態になって燃料極10aが還元されるとともに、バッテリ40からも還元電流が送給されて燃料極10aの還元が促進される。
具体的には、第一の断接器20を開駆動、第二の断接器42を閉駆動、及び第三の断接器44を開駆動する。
また、DC/DCコンバータ41を制御して、燃料電池10の出力端子14a,14b間の電圧を高める。これにより、燃料極10aに還元電流が通電されるようになる。
そして、以後ステップ4に以下に進んで同様の処理を行う。
次に、第三の実施形態に係る燃料電池システムについて、上記した図5,6を参照して説明する。
すなわち、第三の実施形態に係る燃料電池システムA3は、上述した第二の実施形態に係る燃料電池システムA2のハードウェア構成と同一のものであるが、C/U30が有する機能が異なっている。
C/U30は、メモリ32に記憶されている本燃料電池システムA3に用いるプログラムの実行により、上記燃料電池システムA1の各手段を実現しているが、本実施形態においては、上記した機能を有する劣化予防手段に代えて、次の機能を発揮する劣化予防手段と劣化回復手段とを設けている。
(8)劣化予防判定手段31aによって燃料電池10が劣化すると判定したときには、第一の断接器20を介して燃料電池10に外部負荷15を接続し、かつ、第二の断接器42を介してバッテリ40を燃料電池10に接続する機能。これを「劣化予防手段31g」という。
具体的には、第一の断接器20を開駆動、第二の断接器42を閉駆動、及び第三の断接器44を閉駆動する。
第三の断接器44を閉駆動することにより、バッテリ40をインバータ43を介してモータ15に接続して、燃料電池10の劣化を予防しつつ、そのモータ15の回転駆動を継続することができる。
また、DC/DCコンバータ41を制御して、燃料電池10の出力端子14a,14b間の電圧を増大させる。これにより、燃料極10aに還元電流が通電される。
そして、以後ステップ4以下に進んで同様の処理を行う。
これにより、燃料極10には還元電流が通電されて、劣化の始まりを未然に防止している。
(9)第一の断接器20を介して燃料電池10に外部負荷15を接続し、かつ、第二の断接器を介してバッテリ10を燃料電池40に接続する機能。この機能を「劣化回復手段31h」という。
具体的には劣化予防手段31gと、また、予防動作と回復動作についても燃料システムA2において説明したものと同様であるので、ここではそれらの説明を省略する。
次に、他例に係る燃料電池を採用した第四の実施形態に係る燃料電池システムについて、図7,8を参照して説明する。図7は、他例に係る燃料電池の構成を示すブロック図、図8は、第四の実施形態に係る燃料電池システムの一部をなすコントロールユニットが有する機能を示すブロック図である。
以下に説明する第四の実施形態に係る燃料電池システムA4は、燃料電池の構成を除き、第一の実施形態において説明したものと同等の構成になっているので、それらと同等のものに同一の符号を付して説明を省略し、本実施形態においては、主に他例に係る燃料電池について説明する。
他例に係る燃料電池10Aは、燃料ポンプ50,51,52、燃料蒸発器50、セルスタック53、スタック加熱熱交換器54、送給器である循環ブロワ55、分岐バルブ56、ミキサ57、燃料改質器58、改質器過熱熱交換器70、燃焼器59,60、カソード空気加熱器61、空気ブロワ62〜64,69、遮断弁65,66、及び濃度センサ67,68等を有して構成されている。
燃料ポンプ51は、本燃料電池10Aの発電に必要な燃料を燃料蒸発器50に送給するものであり、この燃料ポンプ51と燃料蒸発器50との間には送給パイプ51aが連結されている。
また、燃料ポンプ51は、C/U30の出力ポート側に接続されて適宜駆動されるようになっている。
燃料蒸発器50は、燃料ポンプ51によって送給された燃料を蒸気化するものであり、この燃料蒸発器50とミキサ57との間には送給パイプ50aが接続されている。
ミキサ57は、燃料蒸発器50、分岐バルブ56及び空気ブロワ69から送給される、原燃料、排燃料ガス又は空気を選択的に切り替える機能を有するものであり、燃料改質器58、空気ブロワ69、分岐バルブ56との各間にそれぞれ送給パイプ57a,69a,56aが連結されている。
燃料改質器58は、蒸気化された原燃料を水素リッチな燃料ガスに改質するものであり、これと燃料電池10との間に送給パイプ58aが接続されており、その燃料ガスを燃料極10aに送給するようにしている。
濃度センサ67は、送給パイプ58aを流通する燃料ガスの一酸化炭素、また、濃度センサ68は当該酸素の各濃度をそれぞれ測定するためのものである。
これらの濃度センサ67,68は、例えば燃料電池10から外部負荷15を遮断開放した後、燃料電池10に外部負荷15を再度接続するときの接続基準情報を取得するものである。
劣化予防手段と劣化回復手段は、接続基準情報に基づき、第一の断接器20を介して燃料電池10に外部負荷15を接続することができる。
上記した燃料極10aと上記した分岐バルブ56との間には送給パイプ55aが連結されており、その送給パイプ55aの途中に、燃料極10aから排出された排ガスを循環させるための循環ブロワ55が配設されている。
上記した空気ブロワ69、分岐バルブ56、循環ブロワ55及び遮断弁66は、C/U30の出力ポート側に接続されて適宜駆動されるようになっている。
空気ブロワ62は、本燃料電池10の発電に必要な空気をカソード空気加熱器61に送給するものであり、この空気ブロワ62とカソード空気加熱器61との間には送給パイプ62aが連結されている。
また、空気ブロワ62は、C/U30の出力ポート側に接続されて適宜駆動されるようになっている。
カソード空気加熱器61は、セルスタック53に送給する空気を加熱するものであり、このカソード空気加熱器61と燃料極10aとの間に送給パイプ61aが連結されている。
また、燃料極10aと上記した燃料蒸発器50との間には送給パイプ50bが連結されており、その燃料極10aから排出された空気を燃料蒸発器50に送出して、空気ブロワ62から送給される空気との熱交換を行えるようにしている。
燃焼器59は、燃料ポンプ52と空気ブロワ63とにより送給された燃料と空気とを燃焼させるものであり、この燃焼器59とスタック加熱熱交換器54との間には送給パイプ59aが連結されている。
本実施形態においては、燃焼器59がセル加熱器であるスタック加熱熱交換器54の加熱源である。
スタック加熱熱交換器54は、セルスタック53に密接して配置されており、上記した燃焼器59から送出された加熱ガスによってセルスタック53を加熱するとともに、熱交換を行うためのものである。
また、スタック加熱熱交換器54と上記したカソード空気加熱器61との間には送給パイプ54aが連結されており、そのスタック加熱熱交換器54から排出された加熱ガスをカソード空気加熱器61に送給して、空気極10bに送給される空気との熱交換を行えるようにしている。
燃焼器60は、燃料ポンプ53と空気ブロワ64とにより送給された燃料と空気とを燃焼させるものであり、この燃焼器60と上記した分岐バルブ56との間には送給パイプ60aが連結されている。また、その送給パイプ60aの途中には遮断弁65が配設されている。
燃料ポンプ52,53、空気ブロワ63,64及び遮断弁65,69も、C/U30の出力ポート側に接続されて適宜駆動されるようになっている。
改質器加熱熱交換器70は、燃料改質器58に密接して配置されており、燃焼器60との間に送給パイプ60bが接続されており、燃料極10aから排出されて燃焼器60によって加熱された排出ガスと、燃料改質器58により改質された燃料ガスとの間においては熱交換を行うようにしたものである。
また、改質器加熱熱交換器70と送給パイプ61aとの間に送給パイプ70aが連結されており、改質器加熱熱交換器70から排出された排ガスをカソード空気加熱器61に送給するようにしている。これにより、カソード空気加熱器61における熱交換をさらに効率的に行えるようにしている。
本実施形態においては、燃焼器60が燃料改質器である改質器加熱熱交換器70の加熱源である。
C/U30は、メモリ30に記憶されている本燃料電池システムA3に用いるプログラムの実行により、上記燃料電池システムA1の各手段を実現しているとともに、次の機能を有している。
(9)劣化予防手段31bにより燃料電池10の劣化を予防しているときに、燃焼器59によってスタック加熱熱交換器54を加熱させる機能。この機能を「セル加熱手段31i」という。
具体的には、第一の断接器20を介して燃料電池10から外部負荷15を遮断開放しているときに、燃焼器59によってスタック加熱熱交換器54を加熱させている。
これにより、第一の断接器20を介して燃料電池10から外部負荷15を遮断開放しているときにおけるセルスタック53の温度低下を防止して稼動温度帯域に留めておけるので、燃料電池10の再始動性を高めることができる。
(10)劣化予防手段31bにより燃料電池10の劣化を予防しているときに、燃焼器60によって改質器加熱熱交換器70を加熱させる機能。この機能を「改質器加熱手段31j」という。
これにより、第一の断接器20を介して燃料電池10から外部負荷15を遮断開放しているときにおける燃料改質器58の温度低下を防止することができ、燃料電池10の再始動性を高めることができる。
上述した第四の実施形態に係る燃料電池システムA4の動作について説明する。
燃料電池10の発電に必要な燃料と空気は、それぞれ燃料ポンプ51、空気ブロワ62から導入される。
<燃料極側流路の概要>
燃料ポンプ51から導入された燃料は、燃料蒸発器50で蒸気化される。
燃料蒸発器50は、送球パイプ50bを通じて燃料極10aから排出された排ガスと燃料との熱交換を行って、蒸気化した原燃料を昇温する。
燃料蒸発器50から送出された蒸気化した原燃料は、ミキサ57で空気、燃料極循環ガスと混合され、燃料改質器58に導入される。
このとき、燃料極ガスは、発電により生成された水蒸気と二酸化炭素を含んでいる。これら水蒸気、二酸化炭素及び空気ブロワ69から導入される空気に含まれる酸素は、燃料改質器58及び燃料極10aを含む循環経路内での炭素析出を抑制するために必要である。
燃料改質器58内では、導入された原燃料と酸素による部分酸化反応(発熱反応)、燃料と水蒸気による水蒸気改質反応(吸熱反応)、及びそれらの反応により生成した一酸化炭素と水蒸気によるシフト反応(発熱反応)等が進行する。
そして、燃料改質器58から送出された改質ガスが燃料極10aに導入される。
燃料極10aに導入された燃料に含まれる水素及び一酸化炭素は、空気極10bから電解質膜10cを介して供給される酸素イオンと電気化学反応を起こし、それぞれ水、二酸化炭素を生成する。このとき同時に、電子が電極(外部回路側)に供給される。
そして、燃料極10aを介して排出される排出ガスは循環ブロワ55で昇圧され、これの一部が上記循環経路を循環する。
このときの循環率は、燃料改質器58等での炭素析出抑制に必要な水蒸気及び二酸化炭素量を基に決定される。
余剰の排気ガスは、分岐バルブ56から燃焼器60に導入される。
燃焼器60は、燃料極10aからの排気ガス中の一酸化炭素、水素を、新たに導入する空気と混合して燃焼させ、高温の加熱ガスを生成する。
この加熱ガスは、改質器加熱熱交換器70に導入され、燃料改質器58及び改質ガスの加熱に利用される。
このとき、燃料改質器58の温度は、改質反応に必要な所定の温度に維持する必要がある。
すなわち、燃料改質器58の温度は、改質器加熱熱交換器70から導入される熱量、燃料改質器58で進行する吸熱反応熱量、発熱反応熱量及び入口ガスが持つエンタルピーと熱容量から決まる。
吸熱反応量が多く、燃料改質器58の温度が所定の温度に達しない場合、燃料ポンプ53を介して追加燃料を燃焼器60に導入し、加熱ガスのエンタルピーを増やす。これにより、改質器加熱熱交換器70から導入される熱量が増加し、燃料改質器58の温度を所定の温度に維持することができる。
改質器加熱熱交換器70から排出された加熱ガスは、スタック加熱排気ガスと混合されて、カソード空気加熱器61に導入される。カソード空気加熱器61は上記混合ガスから空気極10bに送出される空気に熱を伝え、当該空気を昇温する。
<空気極側流路の概要>
空気ブロワ62から導入された空気は、前記カソード空気加熱器61により昇温されて、燃料電池10の空気極10bに導入される。空気極10bに導入された空気中に含まれる酸素は、空気極10bで電子と反応し、酸素イオンを生成する。電子は、空気極10bから外部負荷回路を介して供給される。
空気極10bで生成した酸素イオンは、電解質10cを介して燃料極10aへ伝導する。このとき、セルスタック(燃料極10a及び空気極10b)53の温度は、燃料電池反応(アノード反応/カソード反応)に必要な所定の温度に維持する必要がある。燃料極10a及び空気極10bの温度は、それぞれの電極上で進行する反応熱量(電力として取り出されなかった排熱量)、導入される燃料/空気ガスが持つエンタルピー、及びその熱容量から決まる。
このとき、例えば燃料電池10の反応効率が高く、セルスタック53の温度が所定の温度に達しない場合、燃料ポンプ52、空気ブロワ63を介して追加燃料と空気を燃焼器59に導入して高温ガスを生成させ、この高温ガスをスタック加熱熱交換器54へ導入する。
スタック加熱熱交換器54から導入される熱は、セルスタック53内の固体熱伝導の効果により、燃料極/空気極の両極を加熱することができる。これにより、セルスタック53へ熱を供給し、セルスタック53を所定の温度に維持することができる。
スタック加熱熱交換器54から排出された加熱ガスは、燃料改質器58から排出された排気ガスと混合されて、カソード空気加熱器61に導入される。カソード空気加熱器61は上記混合ガスからカソード空気に熱を伝え、空気極10bに送出する空気を昇温する。
次に、本燃料電池システムA4による発電を終了するときの動作について、図9を参照して説明する。図9は、本燃料電池システムA4による発電を終了するときの動作を示すフローチャートである。
ステップ1(図中「S1」と略記する。以下同様。):システム終了指令により、ステップ2に進む。
ステップ2:燃料電池10の予防動作を実行してステップ3に進む。
具体的には、断接器50を開駆動する。図7に示す遮断弁65,66を閉駆動して、燃料流路を閉鎖する。同時に循環ブロワ55を作動させ、還元ガスを燃料極10aに循環させる。これにより燃料極10aが還元される。
ステップ3:予防動作の終了を判定する。例えば、メモリ32に記憶されている遮断開放時間を参照して、当該時間が経過しているか否かを判定することによる。ここで、遮断開放時間を超えていればステップ4に進み、そうでなければステップ2に戻る。
ステップ4:通常の停止制御を行う。
次に、燃料電池の他例について、図10を参照して説明する。図10(A)は、二つの燃料スタックを並列した構成を示すブロック図、同図(B)は、二つの燃料スタックを直列した構成を示すブロック図である。
第一の他例に係る燃料電池10Bは、二つのセルスタック80,81を択一的に切り替えるリレーボックス82を介して並列接続したものであり、また、その燃料電池10Bを燃料電池システムA2,3に用いた構成を想定している。
この構成にした場合、劣化予防判定手段31aは、メモリ32に記憶されている劣化予防判定基準情報に基づいて、いずれかの燃料電池80,81が劣化し始めるか否かを判定し、劣化予防手段31bは、劣化予防判定手段31aによって判定した燃料電池80(81)の劣化を予防する。
具体的には、劣化を予防しようとする燃料電池80(81)を断接器42を介してバッテリ40に接続する。これにより、当該燃料電池80(81)の燃料極10aに還元電流が通電されて予防が行われる。
なお、全ての燃料電池が劣化すると判定したときには、その全ての燃料電池をバッテリ40に接続する。
また、劣化回復判定手段31dは、メモリ32に記憶されている回復判定基準情報に基づいて、いずれかの燃料電池が既に劣化しているか否かを判定し、劣化回復手段31eは、劣化回復判定手段31dによって既に劣化していると判定した燃料電池80(81)の劣化を回復させるようにする。
第二の他例に係る燃料電池10Cは、二つのセルスタック84,85を切替スイッチ86を介して直列にして接続したものであり、この燃料電池10Cを燃料電池システムA2,3に用いた構成を想定している。
この構成の場合、劣化予防判定手段31dは、メモリ32に記憶されている劣化判定基準情報に基づいて、いずれかのセルスタック84,85が劣化し始めるか否かを判定し、劣化予防手段31bは、劣化予防判定手段31aによって判定した燃料電池84(85)の劣化を予防する。
具体的には、例えば燃料電池スタック85の劣化を予防する場合には、切替えスイッチ686によってセルスタック84を切り離す。また、セルスタック84の劣化を予防する場合には、切替えスイッチ86によってセルスタック85を切り離すようにしている。
これにより、当該セルスタック84(85)の燃料極(図示しない)に還元電流が通電されて予防が行われる。
また、劣化回復判定手段31dは、メモリ32に記憶されている回復判定基準情報に基づいて、いずれかのセルスタック84(85)が既に劣化しているか否かを判定し、劣化回復手段31は、劣化回復手段31eによって既に劣化していると判定したセルスタック84(85)の劣化を回復させるようにする。
なお、本例においては、セルスタックを二つ設けた構成のものについて説明したが、二つに限る趣旨ではなく、三つ以上であっても適用できることは勿論である。
なお、本発明は上述した実施形態に限るものではなく、次のような変形実施が可能である。
・以上詳細に説明したが、いずれにしても、上記各実施形態において説明した各構成は、それら各実施形態にのみ適用することに限らず、一の実施形態において説明した構成を、他の実施形態に準用若しくは適用し、さらには、それを任意に組み合わせることができるものである。
・上述した実施形態においては、セル加熱器の加熱源と、改質器加熱器の加熱源とを別体にした構成したものを例示したが、それらを同一の加熱源にするとともに、セル加熱器と改質器加熱器とに加熱ガスを分流する分流路を配設した構成してもよい。
また、加熱ガスに限るものではなく、セル加熱器、改質器加熱器ともに電気ヒータにし、加熱源としてバッテリを採用してもよい。
本発明の第一の実施形態に係る燃料電池システムの構成を示すブロック図である。 同上の燃料電池システムの一部をなすコントロールユニットの機能を示すブロック図である。 同上の燃料電池システムにおける予防動作を示すフローチャートである。 同上の燃料電池システムにおける回復動作を示すフローチャートである。 本発明の第二の実施形態に係る燃料電池システムの構成を示すブロック図である。 同上の燃料電池システムのコントローラユニットが有する機能を示すブロック図である。 他例に係る燃料電池の構成を示すブロック図である。 第四の実施形態に係る燃料電池システムの一部をなすコントロールユニットが有する機能を示すブロック図である。 同上の燃料電池システムによる発電を終了するときの動作を示すフローチャートである。 (A)は、二つの燃料スタックを並列した構成を示すブロック図、同図(B)は、二つの燃料スタックを直列した構成を示すブロック図である。
符号の説明
10 固体酸化物型燃料電池
10c 電解質膜
10a 燃料極
10b 空気極
11 セル
15 外部負荷
20 第一の断接器
23〜25 出力測定器(電圧計、電流計、内部抵抗器)
31a 劣化予防判定手段
31b,31f,31g 劣化予防手段
31c 劣化回復判定手段
31d,31e,31h 劣化回復手段
31i セル加熱手段
31j 改質器加熱手段
32 メモリ
42 第二の断接器
40 電源
59,60 加熱源
70 改質器加熱器(改質器加熱熱交換器)
80,81,84,85 セルスタック
84 セル加熱器(スタック過熱熱交換器)
A1〜A4 燃料電池システム

Claims (13)

  1. 電解質の両側に積層した燃料極と空気極とに、二種類の発電用ガスを互いに分離して流接させることによる発電を行う固体酸化物型燃料電池を有し、その固体酸化物型燃料電池に接続される外部負荷に電力を送給する燃料電池システムであって、
    上記固体酸化物型燃料電池の劣化を予防するための予防判定基準情報に基づいて、その固体酸化物型燃料電池が劣化し始めるか否かを判定する劣化予防判定手段と、
    劣化予防判定手段によって固体酸化物型燃料電池が劣化すると判定したときには、その固体酸化物型燃料電池の劣化を予防する劣化予防手段と、
    固体酸化物型燃料電池に対して外部負荷を断接する第一の断接器と、
    既に劣化した固体酸化物型燃料電池を回復させるための基準となる回復判定基準情報に基づいて、固体酸化物型燃料電池が既に劣化しているか否かを判定する劣化回復判定手段と、
    劣化回復判定手段によって固体酸化物型燃料電池が既に劣化していると判定したときには、その固体酸化物型燃料電池の劣化を回復する劣化回復手段とを設けているとともに、
    劣化予防手段は、第一の断接器を介して固体酸化物型燃料電池から外部負荷を所定の遮断開放時間だけ遮断開放し、
    劣化回復手段は、第一の断接器により、劣化予防手段による外部負荷の遮断開放時間よりも長く設定した遮断開放時間だけ外部負荷を遮断開放することを特徴とする燃料電池システム。
  2. 予防判定基準情報を予め記憶したメモリが設けられており、
    劣化予防判定手段は、メモリに記憶されている予防判定基準情報に基づいて、固体酸化物型燃料電池が劣化し始めるか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 予防判定基準情報は、固体酸化物型燃料電池の稼動時間であることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 固体酸化物型燃料電池の出力を測定する出力測定器が設けられており、
    出力測定器によって取得した固体酸化物型燃料電池の出力を予防判定基準情報としていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  5. 固体酸化物型燃料電池の内部抵抗を測定する内部抵抗測定器が設けられており、
    内部抵抗測定器で取得した固体酸化物型燃料電池の内部抵抗を予防判定基準情報としていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  6. 回復判定基準情報がメモリに記憶されており、
    劣化回復判定手段は、メモリに記憶されている回復判定基準情報に基づいて、固体酸化物型燃料電池が既に劣化しているか否かを判定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  7. 固体酸化物型燃料電池の燃料極を還元するための電源と、その固体酸化物型燃料電池と電源とを断接するための第二の断接器を設けているとともに、
    劣化予防手段は、第一の断接器を介して固体酸化物型燃料電池から外部負荷を所定の遮断開放時間だけ遮断開放し、かつ、第二の断接器を介して電源を固体酸化物型燃料電池に接続することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  8. 固体酸化物型燃料電池の燃料極に、これを還元するための還元用ガスを送給する送給器が設けられており、還元用ガスは改質ガス又は燃料極のオフガスであり、
    劣化予防手段は、第一の断接器を介して固体酸化物型燃料電池から外部負荷を所定の遮断開放時間だけ遮断開放し、かつ、送給器を介して燃料極に還元用ガスを送給することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  9. 固体酸化物型燃料電池は、電解質の両側に燃料極と空気極とを積層したセルを有しているとともに、そのセルを加熱するためのセル加熱器と、このセル加熱器の加熱源とを設けており、
    劣化予防手段により固体酸化物型燃料電池の劣化を予防しているときに、加熱源によってセル加熱器を加熱させるセル加熱手段を有していることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  10. 固体酸化物型燃料電池の燃料極に送給する原燃料を改質するための燃料改質器が設けられているとともに、その燃料改質器を加熱するための改質器加熱器と、この改質器加熱器の加熱源とを設けており、
    劣化予防手段により、固体酸化物型燃料電池の劣化を予防しているときに、加熱源によって改質器加熱器を加熱させる改質器加熱手段を有していることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  11. 固体酸化物型燃料電池は、電解質の両側に燃料極と空気極とを積層したセルを積み重ねた複数のセルスタックを有しており、
    劣化予防判定手段は、予防判定基準情報に基づいて、いずれかのセルスタックが劣化し始めるか否かを判定し、
    劣化予防手段は、劣化予防判定手段によって判定したセルスタックの劣化の予防を行うことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  12. 劣化回復判定手段は、回復判定基準情報に基づいて、いずれかのセルスタックが既に劣化しているか否かを判定し、
    劣化回復手段は、劣化回復判定手段によって既に劣化していると判定したセルスタックの劣化の回復を行うことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  13. 電解質の両側に積層した燃料極と空気極とに、二種類の発電用ガスを互いに分離して流接させることによる発電を行う固体酸化物型燃料電池を有し、この固体酸化物型燃料電池に接続される外部負荷に電力を送給する燃料電池システムを用いた発電方法であって、
    上記固体酸化物型燃料電池の劣化を予防するための予防判定基準情報に基づいて、その固体酸化物型燃料電池が劣化し始めるか否かを判定し、
    固体酸化物型燃料電池が劣化すると判定したときには、固体酸化物型燃料電池から外部負荷を所定の遮断開放時間だけ遮断開放することにより、その固体酸化物型燃料電池の劣化を予防し
    既に劣化した固体酸化物型燃料電池を回復させるための基準となる回復判定基準情報に基づいて、固体酸化物型燃料電池が既に劣化しているか否かを判定し、
    固体酸化物型燃料電池が既に劣化していると判定したときには、外部負荷の前記所定の遮断開放時間よりも長く設定した遮断開放時間だけ外部負荷を遮断開放することにより、その固体酸化物型燃料電池の劣化を回復することを特徴とする燃料電池システムを用いた発電方法。
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