JP5609777B2 - スイッチング電源装置 - Google Patents

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Description

本発明は、直流電圧を所望の電圧に変換するスイッチング電源装置であって、特に過電流保護回路を備えたスイッチング電源装置に関する。
過電流保護回路を備えたスイッチング電源装置として、例えば、図3(特許文献1の図3に相当)に示されるような、直流電源E2が接続される入力端子31・32間に、トランスT2の1次巻線N21とMOS−FETを用いた主スイッチング素子Q21とからなる直列回路が接続され、トランスT2の1次巻線N21のドットのある側(巻き始め側)には、入力端子31側に接続され、ドットのない側(巻き終わり側)には、主スイッチング素子Q21が接続されたスイッチング電源装置10がある。
トランスT2の2次側回路においては、トランスT2の2次巻線N22のドットのない側(巻き終わり側)と出力端子41との間に、ダイオードD21を用いた整流用素子が接続されている。出力端子41・42間には負荷抵抗R29が接続される。負荷抵抗R29の一方の端子が出力端子41に接続される一方、負荷抵抗R29の他方の端子が基準電位である出力端子42に接続されている。そして、2次巻線N22のドットのある側(巻き始め側)は、出力端子42に接続されている。
また、トランスT2の2次巻線N22および負荷抵抗R29と並列に、平滑用コンデンサC24が接続されている。
さらに、トランスT2の1次側回路には、制御回路35が設けられている。
制御回路35の基準電圧端子は、抵抗R25とコンデンサC22の直列回路からなるスイッチング周波数設定回路36を介して、グランド電位である入力端子32に接続されている。
制御回路35のスイッチング周波数設定端子は、スイッチング周波数設定回路36の抵抗R25とコンデンサC22との接続点に接続され、制御回路35のGND端子は、入力端子32に接続されている。
制御回路35の電流検出端子は、主スイッチング素子Q21のソースに抵抗R27を介して接続されると共に、抵抗R27および抵抗R28を介して入力端子32に接続されている。なお、抵抗R27および抵抗R28によって電流検出回路37を構成しており、主スイッチング素子Q21に流れる電流を検出している。
また、制御回路35の電流検出端子は、制御回路35内で過電流保護回路(図示せず)に接続されており、電流検出回路37から検出された電流を検出して過電流保護回路に検知させている。
また、制御回路35の制御パルスを出力する駆動端子は、主スイッチング素子Q21のゲートに接続されている。
さらに、制御回路35の電源端子は、抵抗R26を介して入力端子31に接続されると共に、ダイオードD22のカソードに接続されている。
また、ダイオードD22のカソードは、コンデンサC23を介して入力端子32に接続されている。
ダイオードD22のアノードは、制御回路35の駆動電源となる第3の巻線N23のドットのある側(巻き始め側)に接続されている。
また、第3の巻線N23のドットのない側(巻き終わり側)は、入力端子32に接続されている。
以上のような構成を有するスイッチング電源装置10は、制御回路35により駆動される主スイッチング素子Q21がオン、オフし、主スイッチング素子Q21がターンオフしたときに、トランスT2の2次側回路の整流用素子であるダイオードD21に電流が流れて平滑用コンデンサC24を充電する。そして、この動作を繰り返すことによって、出力端子に接続された負荷抵抗R29に電圧を出力できるようになっている。
しかしながら、上記のような構成を有するスイッチング電源装置10において、過電流が発生した場合は、主スイッチング素子Q21に流れる電流のピーク値を検出して、それに基づき、制御回路35によって主スイッチング素子Q21に流れる電流を抑えるだけである。
そのため、過電流により出力電圧の低下が続くと、出力電流が増加し続け、トランスT2の2次側回路におけるダイオードD21やトランスT2の巻線に過大な電流が流れてしまう問題があった。したがって、トランスT2やダイオードD21を大型化させる必要があり、スイッチング電源装置10の小型化や低コスト化の妨げになっていた。
そこで、特許文献1には、図4(特許文献1の図2に相当)に示すような、出力電圧が低下した際の過電流を、過電流保護回路により効果的に抑制するスイッチング電源装置が開示されている。
図4におけるスイッチング電源装置30は、トランスT2の1次側に、主スイッチング素子Q31の他にNPN型トランジスタTr32を有し、NPN型トランジスタTr32のベースに抵抗R42を接続し、エミッタに抵抗R33を介して電流検出回路37を接続すると共に、制御回路35の電流検出端子を接続し、コレクタに抵抗R35とコンデンサ32からなるスイッチング周波数設定回路36を介して制御回路35のスイッチング周波数設定端子を接続している。
また、電源出力検出回路42に接続された抵抗R42とR41との接続点がNPN型トランジスタTr32のベースに接続されている。
この図4におけるスイッチング電源装置30によると、電源出力検出回路42により電源出力電圧に比例した負の電圧が得られる。そして、抵抗R41およびR42の接続点の電位が電流検出端子の電位とNPN型トランジスタTr32のベース−エミッタ間電位を加算した値よりも大きくなると、NPN型トランジスタTr32がオンし、スイッチング周波数設定回路36に流れる電流がNPN型トランジスタTr32にバイパスされることによって、電流検出回路37にその電流を検知させて制御回路35が主スイッチング素子Q31に流れる電流を抑えるようになっている。
また、NPN型トランジスタQ31がオンしてスイッチング周波数設定回路36に流れる電流がバイパスされることによって、主スイッチング素子Q31を駆動するスイッチング周波数が低下し、主スイッチング素子Q31の駆動パルスのデューティ比を小さくすることによって主スイッチング素子Q31に流れる電流を抑えるようになっている。
特開2004−320917号公報
図4のスイッチング電源装置30によると、電源出力検出回路32により電源出力電圧に比例した負の電圧が得られ、抵抗R41およびR42の接続点の電位が電流検出端子の電位とNPN型トランジスタTr32のベース−エミッタ間電位を加算した値よりも大きくなると、NPN型トランジスタTr32がオンし、スイッチング周波数設定回路16に流れる電流がNPN型トランジスタTr2にバイパスされることによって、電流検出回路17にその電流を検知させて制御ICが主スイッチング素子Q1に流れる電流を抑えるようになっている。
しかしながら、上記の回路構成では、周囲温度の変化による、制御回路35の電流検出端子の電圧変動を十分に抑制できるものとはいえなかった。
本発明は、過電流時において、周囲温度の変化による、制御回路の電流検出端子の電圧変動を十分に抑制でき、過電流保護動作のバラツキを抑制することができるスイッチング電源装置を提供することを目的とする。
本発明のスイッチング電源装置は、トランスの1次巻線に直列接続された主スイッチング素子により、入力端子間に印加される入力直流電圧を制御回路によるPWM制御の下にスイッチングし、前記トランスの2次巻線に誘起された電圧を直流化して得た電圧を出力電圧として出力端子間に接続された負荷に供給するスイッチング電源装置において、
前記制御回路のスイッチング周波数設定端子に接続され、前記主スイッチング素子のスイッチング周波数を定めるスイッチング周波数設定回路と、前記制御回路の電流検出端子に接続され、前記主スイッチング素子に流れる電流を検出する電流検出回路と、過電流により前記出力電圧が低下するとオフからオンに切り換わる制御スイッチング素子と、
をさらに備え、
前記制御回路は、前記電流検出回路を介して検出される前記主スイッチング素子に流れる電流が上昇し所定の閾値を超えると、過電流保護動作を実行するものであり、
前記トランスには、前記出力電圧に応じた電圧が発生する第3の巻線が設けられ、
前記第3の巻線の両端にはダイオードとコンデンサとが直列接続され、前記ダイオードと前記コンデンサとの接続部位と前記スイッチング周波数設定回路との間に、第1の抵抗と第2の抵抗とからなる直列回路と、第3の抵抗と第4の抵抗とからなる直列回路とが並列に接続され、前記第3の抵抗と前記第4の抵抗との接続部位に前記制御スイッチング素子の制御端子が接続され、前記制御スイッチング素子の電流路の一端が前記スイッチング周波数設定回路に接続され、前記制御スイッチング素子の電流路の他端が前記入力直流電圧の基準電位側に導通接続され、前記第1の抵抗と前記第2の抵抗との接続部位が前記制御回路の電流検出端子と前記電流検出回路とに接続され、
過電流により前記出力電圧が低下すると、前記第1の抵抗と前記第2の抵抗との接続部位の電位が上昇することにより、前記制御回路の電流検出端子の電圧を上昇させるとともに、前記第3の抵抗と前記第4の抵抗との接続部位の電位の上昇により前記制御スイッチング素子がオンし、前記スイッチング周波数設定回路のコンデンサから流れる充電電流の一部をバイパスさせ、前記主スイッチング素子のスイッチング周波数を低下させることを特徴とする。
上記の構成によれば、主スイッチング素子に流れる電流が上昇し所定の閾値を超えると、過電流保護動作が実行される。ここで、過電流により出力電圧が低下すると、
(1)第1の抵抗と第2の抵抗との接続部位の電位が上昇することにより、制御回路の電流検出端子の電圧が上昇する。これにより、過電流時に主スイッチング素子に流れる電流値が絞り込まれる。
(2)また、第3の抵抗と第4の抵抗との接続部位の電位の上昇により制御スイッチング素子がオンし、スイッチング周波数設定回路のコンデンサから流れる充電電流の一部がバイパスされ、主スイッチング素子のスイッチング周波数が低下する。これにより、主スイッチング素子の駆動パルスのデューティ比がさらに小さくなり、過電流時に主スイッチング素子に流れる電流値が絞り込まれる。
このように、上記(1)の作用と(2)の作用とにより、過電流時における主スイッチング素子に流れる電流値の絞り込みを速やかに行うことができ、過電流垂下特性を改善することができる。
しかも、制御回路の電流検出端子に第1の抵抗と前記第2の抵抗との接続部位を接続しているので、周囲温度の変化による電流検出端子の電圧変動を比較的小さく抑えることができる。これにより、周囲温度の変化による過電流保護動作のバラツキを抑え、過電流時の保護動作を確実に実行させることができる。
本発明のスイッチング電源装置によると、電源出力電圧が所定の設定値以下に低下した場合に、制御スイッチング素子がオンになり、スイッチング周波数設定回路に流れる電流の一部が制御スイッチング素子にバイパスされる。これにより、スイッチング周波数設定回路によって定められたスイッチング周波数が低下するため、制御回路によって主スイッチング素子の駆動パルスのデューティ比が小さくされ、主スイッチング素子に流れる電流が抑えられる。
これにより、トランスやトランス2次側の整流用素子を大きくする必要がなくなり、スイッチング電源装置を小型化および軽量化することができる。
さらに、制御回路の電流検出端子に、第1の抵抗と第2の抵抗との接続部位が接続されているため、周囲温度の変化による、電流検出端子の電圧変動を小さくすることができ、過電流保護動作のバラツキを抑制することができる。
本実施形態に係るスイッチング電源装置の回路図である。 本実施形態に係るスイッチング電源装置の過電流保護動作が働く状態の出力電圧と出力電流を示すグラフである。 従来のスイッチング電源装置の回路図である。 従来の他のスイッチング電源装置の回路図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
(スイッチング電源装置の回路構成)
図1に示すように、本実施形態に係るスイッチング電源装置1は、過電流保護回路を制御回路15内に備えたものであり、直流電源Eに接続される入力端子11・12間に、トランスTの1次巻線N1とMOSFETの主スイッチング素子Q1とからなる直列回路が接続されている。トランスTの1次巻線N1のドットのある側(巻き始め側)は、入力端子11側に接続され、ドットのない側(巻き終わり側)には、主スイッチング素子Q1が接続されている。
トランスTの2次側回路においては、トランスTの2次巻線N2のドットのない側(巻き終わり側)に、整流用素子であるダイオードD1が負荷抵抗R9と直列に接続されており、負荷抵抗R9の一方の端子は基準電位であるグランド端子に接続されている。そして、2次巻線N2のドットのある側(巻き始め側)は、基準電位であるグランド電位に接続されている。
また、トランスT2の2次巻線N2および負荷抵抗R9と並列に、平滑用コンデンサC4が接続されている。
さらに、トランスTの1次側回路には、制御回路15が設けられている。制御回路15は、一定の周期内で主スイッチング素子Q1をPWM制御して過電流を抑える過電流保護動作を行うものであり、基準電圧端子、電源端子、駆動端子、スイッチング周波数設定端子、GND端子、および、電流検出端子を有している。
制御回路15の基準電圧端子は、抵抗R5とコンデンサC2の直列回路からなるスイッチング周波数設定回路16を介して、グランド電位である入力端子12に接続されている。
スイッチング周波数設定回路16の抵抗R5とコンデンサC2との接続点には、制御回路15のスイッチング周波数設定端子が接続され、制御回路15のGND端子は、入力端子12に接続されている。
制御回路15の電流検出端子は、主スイッチング素子Q1のソースに抵抗R7を介して接続されると共に、抵抗R7および抵抗R8を介して入力端子12に接続されている。なお、抵抗R7および抵抗R8によって、電流検出回路17を構成しており、主スイッチング素子Q1に流れる電流を検出している。
また、制御回路15の電流検出端子は、制御回路15内で図示しない過電流保護回路に接続されており、電流検出回路17から検出された電流を検出して過電流保護回路に検知させている。
また、制御回路15の制御パルスを出力する駆動端子は、主スイッチング素子Q1のゲートに接続されている。
さらに、制御回路15の電源端子は、抵抗R6を介して入力端子11に接続されると共に、ダイオードD2のカソードに接続されている。
また、ダイオードD2のカソードは、コンデンサC3を介して入力端子12に接続されている。なお、このコンデンサC3は、電源電圧を安定させるためのものである。
ダイオードD2のアノードは、制御回路15の駆動電源となる第3の巻線N3のドットのある側(巻き始め側)に接続されている。
また、第3の巻線N3のドットのない側(巻き終わり側)は、入力端子12に接続されている。
ここで、第3の巻線N3は、トランスTに設けられることで、2次巻線N2に係る電源出力電圧に応じた電圧が発生されるようになっている。
さらに、ダイオードD2のアノードは、電源出力検出回路19に接続されている。
電源出力検出回路19は、ダイオードD2のアノードに接続されたダイオードD3と、ダイオードD3のアノードに直列接続されたコンデンサC1とから構成され、コンデンサC1の他方側はトランスTの第3の巻線N3のドットのない側に接続されていると共に、入力端子12に接続されている。換言すれば、電源出力検出回路19は、第3の巻線N3に並列に接続される。
また、制御回路15の基準電圧端子には、NPNトランジスタからなる制御スイッチング素子Q2のコレクタが接続されている。
制御スイッチング素子Q2のエミッタは、抵抗R10を介して入力端子12に接続されている。
制御スイッチング素子Q2のベースには、第3の抵抗である抵抗R3および第4の抵抗である抵抗R4が接続されており、抵抗R3の他方側は制御スイッチング素子Q2のコレクタおよび制御回路15の基準電圧端子に接続され、抵抗R4の他方側はダイオードD3のアノードとコンデンサC1との接続点に接続されている。つまり、制御スイッチング素子Q2は、ベース(制御端子)が抵抗R3と抵抗R4との接続部位に接続され、エミッタ(電流路の一端)がスイッチング周波数設定回路16に接続され、コレクタ(電流路の他端)が入力直流電圧の基準電位側に導通接続されている。
さらに、制御回路15の基準電圧端子には、分圧回路18が接続されている。
分圧回路18は、基準電圧端子に接続された第1の抵抗である抵抗R1と、ダイオードD3とコンデンサC1との接続点に接続された第2の抵抗である抵抗R2とから構成される。具体的に、分圧回路18は、スイッチング周波数設定回路16に接続される抵抗R1に、抵抗R2の一端が直列接続されてなるものである。抵抗R1と抵抗R2との接続部位は、制御回路15の電流検出端子に接続されると共に、電流検出回路17の抵抗R7に接続されている。
つまり、分圧回路18は、抵抗R3および抵抗R4と並列にされて制御回路15の基準電圧端子に接続されており、抵抗R2と抵抗R4は電源出力検出回路19のコンデンサC1を介してグランド電位である入力端子12に接続されている。
換言すれば、分圧回路18は、抵抗R1と抵抗R2との接続部位に電流検出端子が接続され、抵抗R1とスイッチング周波数設定回路16との接続部位に前記基準電圧端子が接続されるように設けられる。また、抵抗R3および抵抗R4は、一端が抵抗R1に接続される抵抗R2の他端と制御回路15の基準電圧端子との間に直列接続されるように設けられる。
(スイッチング電源装置の動作)
上記のような構成を有するスイッチング電源装置1の動作を説明する。
先ず、制御回路15の制御パルスにより主スイッチング素子Q1がターンオンすると、1次巻線N1および2次巻線N2のドットのある側が夫々プラスの電位となる。この時、整流用素子であるダイオードD1により、2次巻線N2には電流は流れない。
その後、制御回路15により、負荷などに合わせてPWM制御されて主スイッチング素子Q1がターンオフする。これにより、2次巻線N2のドットのない側の端子にプラス電圧が発生し、同時に第3の巻線N3のドットのある側の端子にプラス電圧が発生する。そして、ダイオードD1を介して平滑用コンデンサC4が充電される。
このように、制御回路15によってこの動作が繰り返されることにより、出力端子41・42間に接続された負荷抵抗R9に出力する。
一方、電源出力検出回路19においては、コンデンサC1が充電されて出力電圧に比例した負の電圧が得られる。
そして、抵抗R3と抵抗R4とにより分圧された電圧が、制御スイッチング素子Q2のベースに印加される。
ここで、過電流によって電源出力電圧が所定の設定値以下に低下した場合、抵抗R3と抵抗R4との分圧点の電位が次第に高くなる。つまり、制御スイッチング素子Q2のベースの電位が次第に高くなっていく。この時、制御スイッチング素子Q2のベース電位が、制御スイッチング素子Q2のベース−エミッタ間の電位よりも大きくなった場合に、制御スイッチング素子Q2がオフからオンに切り換わる。
なお、この制御スイッチング素子Q2がオンに切り換わる電源出力電圧の設定値は、電源出力の過電流保護動作が制御回路15により行われて出力電圧が低下している状態で、さらに過電流保護動作が必要な状態となる適宜の電圧に設定することができる。
これにより、制御スイッチング素子Q2に、制御回路15の基準電圧端子からスイッチング周波数設定回路16の抵抗R5、コンデンサC2に流れる電流の一部がバイパスされる。
その結果、スイッチング周波数設定回路16によって定められたスイッチング周波数が低下する。そのため、制御回路15によって第1過電流保護動作が行われ、主スイッチング素子Q1の駆動パルスのデューティ比が小さくなり、主スイッチング素子Q1に流れる電流が抑えられる。
また、同時に、過電流によって電源出力電圧が所定の設定値以下に低下した場合、分圧回路18における抵抗R1と抵抗R2との接続部位(分圧点)の電位が高くなる。つまり、抵抗R1と抵抗R2との接続部位(分圧点)に、電源出力電圧に比例した電圧が印加されており、この電圧は電源出力電圧が上昇するほど、高くなる。
そして、抵抗R1と抵抗R2との分圧点に印加された電圧は、制御回路15の電流検出端子に入力される。
これにより、過電流によって電源出力電圧が所定の設定値以下に低下した場合、制御回路15によって第2過電流保護動作が行われ、制御回路15の電流検出端子に入力された電圧に基づいて、主スイッチング素子Q1に流れる電流が抑えられる。
このとき、制御回路15の電流検出端子に、抵抗R1と抵抗R2との接続部位が接続されているため、制御回路15が、電源出力検出回路19が検出した電源出力電圧を分圧回路18を介して検出することになる。これにより、周囲温度の変化による、電流検出端子の電圧変動を小さくすることができ、過電流保護動作のバラツキを抑制することができる。
このように、過電流によって電源出力電圧が所定の設定値以下に低下した場合、制御回路15によって第1過電流保護動作および第2過電流保護動作の2段階の制御が行われ、過電流時に主スイッチング素子Q1に流れるピーク電流をより絞り込むことができる。
例えば、図2に示すように、従来、電源出力電圧の低下に対して、破線で示したようなカーブで出力電流を抑えていたが、本実施形態に係るスイッチング電源装置1によれば、実線で示したようなカーブで、出力電流を抑えることができる。
以上のように、本実施形態に係るスイッチング電源装置によれば、制御回路15が、電源出力電圧が所定の設定値以下に低下した場合に、制御スイッチング素子Q2がオフからオンに切り換わってスイッチング周波数設定回路16に流れる電流の一部がバイパスされ、スイッチング周波数が下がることによって、主スイッチング素子Q1に流れる電流を抑える第1過電流保護動作と、電源出力電圧が所定の設定値以下に低下した場合に、分圧回路18の電圧を電流検出端子から検出し、この電圧に基づいて主スイッチング素子Q1に流れる電流を抑える第2過電流保護動作とをさらに行っている。
これによれば、電源出力電圧が所定の設定値以下に低下した場合、制御スイッチング素子Q2がオンになり、スイッチング周波数設定回路16に流れる電流の一部が制御スイッチング素子Q2にバイパスされる。これにより、スイッチング周波数設定回路16によって定められたスイッチング周波数が低下するため、制御回路15によって主スイッチング素子Q1の駆動パルスのデューティ比が小さくされ、主スイッチング素子Q1に流れる電流が抑えられる。このように、制御回路15の第1過電流保護動作によって、主スイッチング素子Q1に流れる電流を抑えることで、トランスTに対する過電流を抑えることができる。
一方、電源出力電圧が所定の設定値以下に低下した場合に、分圧回路18の電圧が電流検出端子に入力される。
これにより、電源出力電圧に基づいて制御回路15によって主スイッチング素子Q1に流れる電流が抑えられる。このように、制御回路15の第2過電流保護動作によって、主スイッチング素子Q1に流れる電流を抑えることで、トランスTに対する過電流を抑えることができる。
以上のように、制御回路15は、トランスTがオンされることに基づく第1過電流保護動作と、電圧検出回路18から検出された電圧に基づく第2過電流保護動作を実行し、このような2段階の制御によって、トランスに対する過電流を抑える。そのため、スイッチング電源装置1の信頼性をより高いものとすることができる。これにより、トランスTやトランス2次側の整流用素子D1を大きくする必要がなくなり、スイッチング電源装置1を小型化および軽量化することができる。
また、制御回路15の電流検出端子に抵抗R1と抵抗R2との接続部位が接続されているため、周囲温度の変化による、電流検出端子の電圧変動を小さくすることができ、過電流保護動作のバラツキを抑制することができる。
また、本実施形態に係るスイッチング電源装置1は、第3の巻線N3に並列に接続されるダイオードD3およびコンデンサC1から構成され、電源出力電圧を検出する電源出力検出回路19をさらに備え、制御スイッチング素子Q2は、ダイオードD3とコンデンサC1との接続点に接続された分圧回路18の電圧に基づいてオンされる。
これによれば、電源出力電圧が所定の設定値以下に低下した場合に、電源出力検出回路19のコンデンサC1には、電源出力電圧に比例した電圧が充電される。これに伴い、制御スイッチング素子Q2にかかる電圧が変化してオンになり、スイッチング周波数設定回路16に流れる電流の一部が制御スイッチング素子Q2にバイパスされる。
そして、スイッチング周波数設定回路16によって定められたスイッチング周波数が低下するため、制御回路15によって主スイッチング素子Q1の駆動パルスのデューティ比が小さくされ、主スイッチング素子Q1に流れる電流が抑えられる。
以上、本発明の実施例を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、具体的構成などは、適宜設計変更可能である。
本発明は、過電流保護回路を備えたスイッチング電源装置に適用することができる。
1 スイッチング電源装置
10 スイッチング電源装置
11 入力端子
12 入力端子
15 制御回路
16 スイッチング周波数設定回路
17 電流検出回路
18 分圧回路
19 電源出力検出回路
31 入力端子
32 入力端子
35 制御回路
36 スイッチング周波数設定回路
37 電流検出回路
41 出力端子
42 出力端子

Claims (1)

  1. トランスの1次巻線に直列接続された主スイッチング素子により、入力端子間に印加される入力直流電圧を制御回路によるPWM制御の下にスイッチングし、前記トランスの2次巻線に誘起された電圧を直流化して得た電圧を出力電圧として出力端子間に接続された負荷に供給するスイッチング電源装置において、
    前記制御回路のスイッチング周波数設定端子に接続され、前記主スイッチング素子のスイッチング周波数を定めるスイッチング周波数設定回路と、
    前記制御回路の電流検出端子に接続され、前記主スイッチング素子に流れる電流を検出する電流検出回路と、
    過電流により前記出力電圧が低下するとオフからオンに切り換わる制御スイッチング素子と、
    をさらに備え、
    前記制御回路は、前記電流検出回路を介して検出される前記主スイッチング素子に流れる電流が上昇し所定の閾値を超えると、過電流保護動作を実行するものであり、
    前記トランスには、前記出力電圧に応じた電圧が発生する第3の巻線が設けられ、
    前記第3の巻線の両端にはダイオードとコンデンサとが直列接続され、前記ダイオードと前記コンデンサとの接続部位と前記スイッチング周波数設定回路との間に、第1の抵抗と第2の抵抗とからなる直列回路と、第3の抵抗と第4の抵抗とからなる直列回路とが並列に接続され、前記第3の抵抗と前記第4の抵抗との接続部位に前記制御スイッチング素子の制御端子が接続され、前記制御スイッチング素子の電流路の一端が前記スイッチング周波数設定回路に接続され、前記制御スイッチング素子の電流路の他端が前記入力直流電圧の基準電位側に導通接続され、前記第1の抵抗と前記第2の抵抗との接続部位が前記制御回路の電流検出端子と前記電流検出回路とに接続され、
    過電流により前記出力電圧が低下すると、前記第1の抵抗と前記第2の抵抗との接続部位の電位が上昇することにより、前記制御回路の電流検出端子の電圧を上昇させるとともに、前記第3の抵抗と前記第4の抵抗との接続部位の電位の上昇により前記制御スイッチング素子がオンし、
    前記スイッチング周波数設定回路のコンデンサから流れる充電電流の一部をバイパスさせ、前記主スイッチング素子のスイッチング周波数を低下させることを特徴とするスイッチング電源装置。
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