JP3944109B2 - スイッチング電源装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、直流電圧を所望の電圧に変換し、電子機器に供給するスイッチング電源装置であって、特にパルスバイパルス式の過電流保護回路を備えたスイッチング電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開2002−272099号公報
従来、パルスバイパルス式の過電流保護機能を備えたフライバック式のスイッチング電源装置10は、例えば図3に示すように、直流電圧源に接続される入力端子11,12間に、トランスTの1次巻線N1とMOS−FETの主スイッチ素子Q1より成る直列回路が接続され、入力端子11に1次巻線のドットのある側が接続され、ドットのない側が主スイッチ素子Q1に接続されている。トランスTの2次巻線N2には、そのドットのない側が整流用素子であるダイオードD1のアノードに接続され、ダイオードD1のカソードが出力端子13に接続され、2次巻線N2のドットのある側は、基準電位である出力端子14に接続されている。そして、平滑用の出力コンデンサC4が、出力端子13,14に並列に設けられている。
【0003】
さらに、1次側の回路には、制御IC15が設けられ、制御IC15の基準電圧端子1は、抵抗R1とコンデンサC1の直列回路からなるスイッチング周波数設定回路16を介して、入力端子12のグランド電位に接続されている。スイッチング周波数設定回路16の抵抗R1とコンデンサC1間には、制御IC15のスイッチング周波数設定端子2が接続され、制御IC15のグランド端子3は、入力端子12のグランド電位に接続されている。
【0004】
制御IC15の電流検出端子4は、主スイッチ素子Q1のソースに抵抗R4を介して接続されているとともに、抵抗R5を介してグランド電位に接続されている。電流検出端子4は、制御IC15内のパルスバイパルス式の過電流保護回路につながれている。主スイッチ素子Q1に接続され、電流検出端子4に接続された抵抗R4,R5は、主スイッチ素子Q1を流れる電流を電圧に変えて、電流検出端子4を介して制御IC15内の過電流保護回路に検知させる電流検知回路17を構成する。また、主スイッチ素子Q1のソースは、抵抗R5を介してグランド電位に接続されている。制御IC15の制御パルスを出力する駆動端子5は、主スイッチ素子Q1のゲートに接続されている。
【0005】
さらに、制御IC15の電源端子6は、抵抗R10を介して入力端子11に接続されているとともに、ダイオードD2のカソードに接続され、ダイオードD2のアノードが制御IC15等の駆動電源となる第3の巻線N3のドットのない側に接続されている。第3の巻線N3のドットのある側はグランド電位に接続されている。ダイオードD2のカソードは、さらにコンデンサC2を介してグランド電位に接続されている。
【0006】
このスイッチング電源装置10は、制御IC15により駆動される主スイッチ素子Q1がオン・オフし、主スイッチ素子Q1がターンオフしたときに、トランスTの2次側回路の整流用素子であるダイオードD1に電流が流れ出力コンデンサC4を充電し、この動作を繰り返して出力端子13,14に電力を供給する。
【0007】
ここで、図4のグラフの実線に示すように、出力電圧Voは負荷変動にかかわらず制御IC15が駆動パルス幅を制御して一定となるようにしているが、出力電流Ioが定格出力a点を超えたb点に達すると、制御IC15のる過電流保護回路が働き、出力電圧Voが低下し出力電流Ioの増加を抑える。この過電流保護動作は、主スイッチ素子Q1を流れる電流を電圧に変換して、その電流値を制御IC15の電流検出端子4で検出し、検出値が所定の値を越えると、主スイッチ素子Q1をオフ状態として、制御パルス信号のデューティ比をより小さくするものである。これにより、主スイッチ素子Q1に流れる電流のピーク値を所定の値に制限し、主スイッチ素子Q1に過大な電流が流れないようにして、電源出力の過電流を抑えている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、主スイッチ素子Q1に流れる電流のピーク値を検出して制御するだけでは、過電流により電源の出力電圧が低下していくと出力電流が増加し、2次側の整流素子やトランスの巻線に非常に大きな電流が流れてしまうものであった。また、出力電圧がさらに低下し、ゼロボルト付近になると主スイッチ素子Q1のオン時間を限りなくゼロにしなければならないが、制御IC15や主スイッチ素子Q1の動作の遅延などにより、主スイッチ素子Q1のオン時間をそれ以上短くできなくなる。この状態では、さらに過大な電流が電源出力に流れてしまい、トランスや2次側の整流素子が発熱により破壊したりする恐れがある。また、破壊しないようにするには、整流素子やトランスを大型化しなければならず、電源装置の小型化や低コスト化の妨げとなっていた。
【0009】
また、この過電流保護を目的として特許文献1に開示されているスイッチング電源装置も提案されている。このスイッチング電源装置は、出力電圧のレベルを検知して、所定の閾値以下になると、制御ICによる主スイッチ素子の時定数を大きくするように、トランジスタをオンして、時定数設定回路にコンデンサを並列に接続するようにしたものである。
【0010】
しかしながら、特許文献1に開示されたスイッチング電源装置の場合、過電流防止のために所定の閾値で時定数設定回路にコンデンサを並列に付加するため、動作が段階的であり、なめらかな制御ではないものである。また、この過電流保護動作がスイッチング電源の立ち上がり時に作動しないように、動作開始電流値を高めに設定しなければならず、整流素子やトランスの小型化に寄与するという効果が小さいものであった。
【0011】
この発明は、上記従来の技術の問題点に鑑みてなされたもので、簡単な構成の回路で、過電流保護動作により出力電圧が低下した際の過電流を効果的に抑制し、過電流による回路素子の破損を防止し、電源装置の小型化と低コスト化にも寄与するスイッチング電源装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明のスイッチング電源装置は、主スイッチ素子を流れる電流を電圧に変換し、制御回路の電流検出端子に入力し、電源出力の過電流保護動作を行うスイッチング電源装置であって、出力電圧が設定電圧以下になったことを検出すると、上記電流検出端子に入力する電圧をバイアスして入力し、出力電圧の低下により出力電流が増加するほど主スイッチ素子に流れる電流を下げるように動作させるものである。さらに、このバイアス電圧は、スイッチング周波数設定回路に流れる電流をバイパスして形成し、スイッチング周波数設定用コンデンサに流れる電流を減らして、スイッチング周波数を下げるものである。これにより、電源出力に過電流が流れようとする際に、出力電流を制限し、出力短絡時等にも過大な電流が出力側に流れないようにする。
【0013】
この発明は、一対の入力端子間にトランスの1次巻線と主スイッチ素子が直列に接続され、一定の周期内で上記主スイッチ素子をPWM制御する制御IC等の制御回路と、出力端子間に、上記トランスの2次巻線に直列に接続されたダイオードやスイッチング素子等の整流用素子と、並列に設けられたコンデンサ等の平滑回路を備え、上記制御回路にはスイッチング周波数を定めるスイッチング周波数設定回路が接続されているとともに、上記主スイッチ素子に流れる電流を電流検知回路を介して検出して上記制御回路の電流検出端子に入力させ、上記主スイッチ素子に流れる電流が所定の閾値を越えると上記主スイッチ素子をオフさせる過電流保護動作を行うパルスバイパルス過電流保護回路を、上記制御回路に備えたスイッチング電源装置であって、上記トランスに第3の巻線を設け、この第3の巻線により電源出力電圧を検出し、この電源出力電圧が所定の設定値以下に低下すると、上記スイッチング周波数設定回路のコンデンサに流れる電流の一部をバイパスし、そのバイパスした電流を上記電流検知回路に重畳して上記制御回路の電流検出端子で検知することによって、上記主スイッチ素子に流れる電流を抑える方向に上記制御回路を動作させるとともに、上記スイッチング周波数設定回路によるスイッチング周波数を下げて、電源出力の過電流保護動作を行うようにしたスイッチング電源装置である。
【0014】
上記トランスに巻かれた第3の巻線の両端にはダイオードとコンデンサが直列に接続され、上記コンデンサの両端に電源出力電圧に比例した電圧を発生させる電源出力検出回路を設け、この電源出力検出回路の出力が制御端子に接続された制御スイッチ素子を設け、さらに上記制御スイッチ素子の一方の端子を上記スイッチング周波数設定回路に接続し、他方の端子を上記電流検知回路に接続して、電源出力電圧が所定の設定値以下に低下すると、上記制御スイッチ素子がオンして、上記スイッチング周波数設定回路のコンデンサに流れる電流の一部をバイパスし、そのバイパスした電流を上記電流検知回路に重畳し、上記過電流保護動作を行うようにしたスイッチング電源装置である。
【0015】
また、上記第3の巻線により電源出力電圧に比例した正の電圧を得て、上記制御スイッチ素子としてPNPトランジスタを設け、上記電源出力検出回路の出力を上記PNPトランジスタのベースに接続し、このPNPトランジスタのエミッタと上記制御回路の基準電圧端子との間に所定の抵抗を設け、この所定の抵抗の所定電位個所を上記スイッチング周波数設定回路に接続し、上記PNPトランジスタのコレクタを、上記電流検知回路に接続するとともに上記制御回路の電流検出端子に接続し、上記制御回路による電源出力の過電流保護動作が働いた後、所定の電源出力電圧で上記PNPトランジスタをオンさせ上記過電流保護動作を行うスイッチング電源装置である。
【0016】
また、上記第3の巻線により電源出力電圧に比例した負の電圧を得て、上記制御スイッチ素子としてNPNトランジスタを設け、上記電源出力検出回路の出力と上記制御回路の基準電圧端子との間に設けられた所定の抵抗の所定電位個所に上記NPNトランジスタのベースを接続し、上記NPNトランジスタのコレクタと上記制御回路の基準電圧端子との間に抵抗を設け、上記NPNトランジスタのエミッタを、抵抗を介して上記電流検知回路に接続するとともに上記制御回路の電流検出端子に接続し、上記制御回路による電源出力の過電流保護動作が働いた後、所定の出力電圧で上記NPNトランジスタをオンさせ上記過電流保護動作を行うスイッチング電源装置である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図1に基づいてこの発明の第一実施形態のフライバック式スイッチング電源装置について説明する。この実施形態のスイッチング電源装置20は、パルスバイパルス式の過電流保護回路を制御回路である制御IC15内に備えたもので、直流電圧源に接続される入力端子11,12間に、トランスTの1次巻線N1とMOS−FETの主スイッチ素子Q1より成る直列回路が接続され、入力端子11に1次巻線のドットのある側が接続され、ドットのない側が主スイッチ素子Q1に接続されている。トランスTの2次巻線N2には、そのドットのない側が整流用素子であるダイオードD1のアノードに接続され、ダイオードD1のカソードが出力端子13に接続され、2次巻線N2のドットのある側は、基準電位である出力端子14に接続されている。そして、平滑用の出力コンデンサC4が、出力端子13,14に並列に設けられている。
【0018】
さらに、1次側の回路の制御IC15の基準電圧端子1は、抵抗R1とコンデンサC1の直列回路からなるスイッチング周波数設定回路16を介して、入力端子12のグランド電位に接続されている。スイッチング周波数設定回路16の抵抗R1とコンデンサC1間には、制御IC15のスイッチング周波数設定端子2が接続され、制御IC15のグランド端子3は、入力端子12のグランド電位に接続されている。
【0019】
制御IC15の電流検出端子4は、主スイッチ素子Q1のソースに抵抗R4を介して接続されているとともに、抵抗R5を介してグランド電位に接続されている。電流検出端子4は、制御IC15内のパルスバイパルス式の過電流保護回路につながれている。主スイッチ素子Q1に接続され、電流検出端子4に接続された抵抗R4,R5は、主スイッチ素子Q1を流れる電流を電圧に変えて、電流検出端子4を介して制御IC15内の過電流保護回路に検知させる電流検知回路17を構成する。また、主スイッチ素子Q1のソースは、抵抗R5を介してグランド電位に接続されている。制御IC15の制御パルスを出力する駆動端子5は、主スイッチ素子Q1のゲートに接続されている。
【0020】
さらに、制御IC15の電源端子6は、抵抗R10を介して入力端子11に接続されているとともに、ダイオードD2のカソードに接続され、ダイオードD2のアノードが制御IC15等の駆動電源となる第3の巻線N3のドットのない側に接続されている。第3の巻線N3のドットのある側はグランド電位に接続されている。ダイオードD2のカソードは、さらに電源出力検出回路22に接続されている。
【0021】
電源出力検出回路22は、ダイオードD2のカソードにノイズフィルタを構成する抵抗R8,R9が直列に接続され、その中点にノイズフィルタのコンデンサC3の一方の端子が接続され、他方の端子はグランド電位に接続している。抵抗R9はダイオードD3のアノードに接続され、ダイオードD3のカソードがコンデンサC2の一方の端子に接続され、コンデンサC2の他方の端子がグランド電位に接続されている。また、ダイオードD3のカソードは、直列に接続された抵抗R6,R7を介してグランド電位に繋がっている。
【0022】
この電源出力検出回路22の出力である抵抗R6,R7の中点は、制御スイッチ素子であるPNPトランジスタTr1のベースに接続されている。PNPトランジスタTr1のエミッタと制御IC15の基準電圧端子1との間には、抵抗R2,R3が直列に接続され、抵抗R2,R3間にスイッチング周波数設定回路16の抵抗R1の一端が接続されている。そして、PNPトランジスタTr1のコレクタが制御IC15の電流検出端子4に接続されているとともに、電流検知回路17である抵抗R4,R5を介してグランド電位に接続している。
【0023】
この実施形態のスイッチン電源装置20の動作は、制御IC15の制御パルスにより主スイッチ素子Q1がターンオンすると、1次巻線N1及び2次巻線N2のドットのある側が各々プラスとなるが、整流素子D1により2次巻線N2には電流は流れない。この後、制御IC15により、負荷等に合わせてPWM制御されて主スイッチ素子Q1がターンオフする。これにより、2次巻線N2のドットのない側の端子にプラス電圧が発生し、同時に第3の巻線N3のドットのない側の端子にもプラス電圧が発生する。これにより、出力コンデンサC4は、ダイオードD1を経て充電される。また、電源出力検出回路22のコンデンサC2が、抵抗R8,R9及びダイオードD3を介してして充電される。そして、制御IC15によりこの動作を繰り返して、出力端子13,14に電力を供給する。
【0024】
また、電源出力検出回路22では、コンデンサC2が充電されて出力電圧に比例した正の電圧が得られ、抵抗R6,R7により分圧された電位が、PNPトランジスタTr1のベースに印加される。電源出力検出回路22の出力の電位が、制御IC15の基準電圧端子1の電位からPNPトランジスタTr1のベースエミッタ間電圧Vbeを引いた値よりも小さくなると、PNPトランジスタTr1がオンする。このPNPトランジスタTr1がオンする電圧の設定は、電源出力の過電流保護動作が制御IC15により行われ電源出力電圧が低下している状態で、さらに過電流保護動作が必要な状態となる適宜の電源出力電圧に設定する。
【0025】
これにより、PNPトランジスタTr1に制御IC15の基準電圧端子1からスイッチング周波数設定回路16の抵抗R1,コンデンサC1に流れる電流の一部がバイパスされ、電流検知回路17に流れる。そして、電流検知回路17による電圧が制御IC15の電流検出端子4に入力する。このバイパスした電流を電流検知回路17に流すことによって、制御IC15の電流検出端子4に入力する電圧がバイアスされ、電源出力が低下すればするほど、電流検出端子4にかかる電圧を大きくすることになる。これにより、制御IC15は、主スイッチ素子Q1に流れる電流をさらに抑えるために駆動パルスのデューティ比を小さくするように制御する。これとともに、スイッチング周波数設定回路16のコンデンサC1に流れる電流の一部がバイパスされるので、コンデンサC1の充電電流が減少し、主スイッチ素子Q1を駆動するスイッチング周波数が低下し、主スイッチ素子Q1の駆動パルスのデューティ比がより小さくなる。このPNPトランジスタTr1による動作は、先ず図4のグラフの実線に示すように制御IC15による過電流保護動作が作動し始める点bを過ぎた後、例えば点cから、図4の破線で示す動作をするように設定されるので、過電流保護動作が始まる設定値には影響しないものである。
【0026】
この実施形態のスイッチング電源装置20によれば、過電流保護動作により出力電圧が低下しても、図4の破線で示すように、所定の点cにおける出力電圧VoでPNPトランジスタTr1がオンし、上述の過電流保護動作により出力電圧Voの低下によっても出力電流Ioが増加させない。また、起動時や出力短絡からの開放の場合もこの動作が働き、出力の立ち上がりが急峻に成らず、オーバーシュートの発生を抑えるものである。またスイッチング電源装置の負荷となる装置にも過大な電圧をかけてしまうことがなく、このスイッチング電源装置の平滑フィルタの小型化にも寄与する。
【0027】
さらに、一つの電流によりPNPトランジスタTr1を制御し、主スイッチ素子Q1の電流値を制限する動作と、スイッチング周波数を下げると言う二つの動作を行わせるものであり、少ない部品点数で確実な過電流保護動作を機能させることができる。
【0028】
また、過電流保護動作が始まる電流値ではPNPトランジスタTr1はオンしないので、過電流のバラツキには影響せず、過電流設定値のバラツキを考慮して整流素子やトランスを無駄に大きくする必要がなく、この点からもスイッチング電源装置の小型化に寄与する。
【0029】
次に、この発明の第二実施形態のスイッチング電源装置30を図2に示す。ここで上記実施形態と同様の構成は同一符号を付して説明を省略する。この実施形態では、第一実施形態と異なり、制御IC15の電源端子6に接続されたダイオードD2のアノードが、制御IC15等の駆動電源となる第3の巻線N3のドットのある側に接続され、ドットのない側は、グランド電位に接続されている。
【0030】
さらに、ダイオードD2のアノードは電源出力検出回路32に接続され、ダイオードD2のアノードにノイズフィルタを構成する抵抗R8,R9が上記実施形態と同様に接続され、抵抗R9はダイオードD3のカソードに接続され、ダイオードD3のアノードがコンデンサC2の一方の端子に接続され、コンデンサC2の他方の端子がグランド電位に接続されている。また、ダイオードD3のアノードは、直列に接続された抵抗R11,R12を介して制御IC15の基準電圧端子1に繋がっている。
【0031】
この電源出力検出回路32の出力は、抵抗R11,R12の中点が制御スイッチ素子であるNPNトランジスタTr2のベースに接続されている。NPNトランジスタTr2のコレクタは、抵抗R2を介して制御IC15の基準電圧端子1に接続しているとともに、スイッチング周波数設定回路16の抵抗R1に接続している。またNPNトランジスタTR2のエミッタは、抵抗R3を介して制御IC15の電流検出端子4に接続されているとともに、電流検出回路17の抵抗R4,R5を介してグランド電位に接続している。
【0032】
この実施形態の電源出力検出回路32の動作も、上記実施形態の電源出力検出回路32の動作と同様のもので、電源出力検出回路32により電源出力電圧に比例した負の電圧が得られ、抵抗R11,R12の中点の電位が、電流検出端子4の電位とNPNトランジスタTr2のベースエミッタ間電位を加算した値よりも大きくなると、NPNトランジスタTr2がオンする。このNPNトランジスタTr2がオンする電源出力電圧の設定は、電源出力の過電流保護動作が制御IC15により行われ出力電圧が低下している状態で、さらに過電流保護動作が必要な状態となる適宜の電圧に設定する。
【0033】
これにより、NPNトランジスタTr2に、制御IC15の基準電圧端子1からスイッチング周波数設定回路16の抵抗R1,コンデンサC1に流れる電流の一部がバイパスされ、電流検知回路17に流れる。そして、電流検知回路17による電圧が制御IC15の電流検出端子4に入力する。このバイパスした電流を電流検知回路17に流すことによって、制御IC15の電流検出端子4に入力する電圧がバイアスされ、電源出力が低下すればするほど、電流検出端子4にかかる電圧を大きくすることになる。そして、制御IC15は、主スイッチ素子Q1に流れる電流をさらに抑えるために駆動パルスのデューティ比を小さくするように制御する。これとともに、スイッチング周波数設定回路16のコンデンサC1に流れる電流の一部がバイパスされるので、コンデンサC1の充電電流が減少し、主スイッチ素子Q1を駆動するスイッチング周波数が低下し、主スイッチ素子Q1の駆動パルスのデューティ比がより小さくなる。このNPNトランジスタTr2による動作も、図4に示す制御IC15による過電流保護動作が作動し始める点bを過ぎた後、例えば点cから、図4の破線で示す動作をするように設定されるので、過電流保護動作が始まる設定値には影響しないものである。
【0034】
この実施形態のスイッチング電源装置30によっても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0035】
なお、この実施形態のスイッチング電源装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、主スイッチ素子の電流検出は、電流トランスに置き換えても良く、第3の巻線は、制御IC15や主スイッチ素子Q1の駆動用の電源を兼ねたものとして良い。また、抵抗R8,R9,コンデンサC3はノイズフィルタであり、無くても良く他の構成でも良い。さらに、PNPトランジスタは、pチャンネルMOSFETと置き換えても良く、NPNトランジスタは、nチャンネルMOSFETと置き換えても良い。また、他の回路は適宜他の素子や回路と組み合わせたものでも良い。
【0036】
【発明の効果】
この発明のスイッチング電源装置は、電源出力電圧が減少して電源出力に過大な電流が流れることを確実に効果的に防止することができ、電源装置の信頼性を高いものとすることができる。さらに、電源出力に過大な電流が流れないので、整流素子やトランス等の部品を小型化することができ、電源出力電圧のオーバーシュートを防止することもでき、出力平滑フィルタの小型化にも繋がる。また、一つの電流により制御スイッチ素子を制御し、主スイッチ素子の電流値を制限する動作と、スイッチング周波数を下げると言う二つの動作を行わせることができ、少ない部品点数で確実な過電流保護動作を機能させることができる。また、過電流保護動作が始まる電流値では制御スイッチ素子はオンしないので、過電流のバラツキには影響せず、過電流設定値のバラツキを考慮して整流素子やトランスを無駄に大きくする必要がない。以上の点から、この発明は、スイッチング電源装置の小型化軽量化に寄与し、コストダウンにも貢献する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第一実施形態のスイッチング電源装置の概略回路図である。
【図2】この発明の第二実施形態のスイッチング電源装置の概略回路図である。
【図3】従来のスイッチング電源装置の概略回路図である。
【図4】スイッチング電源装置の過電流保護動作が働く状態の出力電圧Voと出力電流Ioを示すグラフである。
【符号の説明】
1 基準電圧端子
2 スイッチング周波数設定端子
3 グランド端子
4 電流検出端子
5 駆動端子
6 電源端子
11,12 入力端子
13,14 出力端子
15 制御IC
16 スイッチング周波数設定回路
17 電流検知回路
20,30 スイッチング電源装置
22,32 電源出力検出回路
N1 1次巻線
N2 2次巻線
N3 第3の巻線
T トランス
Tr1 PNPトランジスタ
Tr2 NPNトランジスタ
Q1 主スイッチ素子
Claims (3)
- 一対の入力端子間にトランスの1次巻線と主スイッチ素子が直列に接続され、一定の周期内で上記主スイッチ素子をPWM制御する制御回路と、出力端子間に、上記トランスの2次巻線に直列に接続された整流用素子と、並列に設けられた平滑回路を備え、上記制御回路にはスイッチング周波数を定めるスイッチング周波数設定回路が接続されているとともに、上記主スイッチ素子に流れる電流を電流検知回路を介して検出して上記制御回路の電流検出端子に入力させ、上記主スイッチ素子に流れる電流が所定の閾値を越えると上記主スイッチ素子をオフさせる過電流保護動作を行うパルスバイパルス過電流保護回路を、上記制御回路に備えたスイッチング電源装置において、
上記トランスに第3の巻線を設け、この第3の巻線の両端にはダイオードとコンデンサが直列に接続され、上記コンデンサの両端に電源出力電圧に比例した電圧を発生させる電源出力検出回路を設け、この電源出力検出回路の出力が制御端子に接続された制御スイッチ素子を設け、さらに上記制御スイッチ素子の一方の端子を上記スイッチング周波数設定回路に接続し、他方の端子を上記電流検知回路に接続して、上記電源出力電圧が所定の設定値以下に低下すると、上記制御スイッチ素子がオンして、上記スイッチング周波数設定回路のコンデンサに流れる電流の一部をバイパスし、そのバイパスした電流を上記電流検知回路に重畳して上記制御回路の電流検出端子で検知することによって、上記主スイッチ素子に流れる電流を抑える方向に上記制御回路を動作させるとともに、上記スイッチング周波数設定回路によるスイッチング周波数を下げて、電源出力の過電流保護動作を行うようにしたことを特徴とするスイッチング電源装置。 - 上記第3の巻線により電源出力電圧に比例した正の電圧を得て、上記制御スイッチ素子としてPNPトランジスタを設け、上記電源出力検出回路の出力を上記PNPトランジスタのベースに接続し、このPNPトランジスタのエミッタと上記制御回路の基準電圧端子との間に所定の抵抗を設け、この所定の抵抗の所定電位個所を上記スイッチング周波数設定回路に接続し、上記PNPトランジスタのコレクタを、上記電流検知回路に接続するとともに上記制御回路の電流検出端子に接続し、上記制御回路による電源出力の過電流保護動作が働いた後、所定の電源出力電圧で上記PNPトランジスタをオンさせ上記過電流保護動作を行うものであることを特徴とする請求項1記載のスイッチング電源装置。
- 上記第3の巻線により電源出力電圧に比例した負の電圧を得て、上記制御スイッチ素子としてNPNトランジスタを設け、上記電源出力検出回路の出力と上記制御回路の基準電圧端子との間に設けられた所定の抵抗の所定電位個所に上記NPNトランジスタのベースを接続し、上記NPNトランジスタのコレクタと上記制御回路の基準電圧端子との間に抵抗を設け、上記NPNトランジスタのエミッタを、抵抗を介して上記電流検知回路に接続するとともに上記制御回路の電流検出端子に接続し、上記制御回路による電源出力の過電流保護動作が働いた後、所定の出力電圧で上記NPNトランジスタをオンさせ上記過電流保護動作を行うものであることを特徴とする請求項1記載のスイッチング電源装置。
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