JP5609752B2 - 止着用クリップ - Google Patents

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Description

本発明は、止着用クリップに関する。詳しくは、表皮材の一部をクッションパッドに形成された吊込み溝内に吊り込んで止着させられるようにする止着用クリップに関する。
従来、車両用シートにおいて、表皮材をクッションパッドの表面に密着させた状態に張設するために、表皮材の所々の面部を、樹脂製の止着用クリップを用いて、クッションパッドに形成された吊込み溝内に吊り込んで止着させるようにした構成が知られている(下記特許文献1参照)。上記止着用クリップは、表皮材の裏面に取り付けられた吊込み部を差し込んで係止させるためのチャック部と、クッションパッドの吊込み溝内に一部が露呈するように埋設された止着用のワイヤーに引掛けられて係止されるフック部と、を有する。上記フック部は、互いに横並び状に対向配置されたガイド片とフック片とにより構成され、これらの間にワイヤーが押し込まれることで、ガイド片が外側へ押し撓まされてフック片との間の隙間が空いて、ワイヤーがフック片に掛かる位置まで案内されて入り込む構成となっている。
実用新案登録第3163446号公報
しかし、上記特許文献1に開示された技術では、フック部をワイヤーに押し込む際に、クッションパッドの成形不具合によって吊込み溝内にクッションパッドの肉部が膨出している場合に、この膨出部によってフック部の押し込みが阻害されて、ワイヤーへの挿入荷重が大きくなってしまうという問題がある。本発明は、上記問題を解決するものとして創案されたものであって、本発明が解決しようとする課題は、表皮材を止着用クリップによって吊り込む吊込み溝内にクッションパッドの成形不具合により肉部が張り出していても、止着用クリップを吊込み溝内に差し込んで係止させるための挿入荷重が重くならないようにすることにある。
上記課題を解決するために、本発明の止着用クリップは次の手段をとる。
第1の発明は、表皮材の一部をクッションパッドに形成された吊込み溝内に吊り込んで止着させられるようにする止着用クリップであって、表皮材に取り付けられた吊込み部を係着させることのできるチャック部と、クッションパッドの吊込み溝内に設けられた係止部材に差し込まれることで係止部材に弾性的に引掛けられて係着される鉤状のフック片を有するフック部と、を有する。フック片には、その係止部材に差し込まれて引掛けられる鉤状に曲げ返された部位の差し込み方向側の面部上に、同差し込み方向側に向かって部分的に突出する突起が形成されている。
この第1の発明によれば、フック片に突起が形成されていることにより、フック部を吊込み溝内の係止部材に差し込む際に、吊込み溝内にクッションパッドの成形不具合により肉部が張り出していても、突起がこの不具合の肉部にかかることで、フック片を不具合の肉部によってずらされることなく真っ直ぐに差し込めるようになる。したがって、上記のような不具合の肉部が張り出していても、止着用クリップを吊込み溝内に差し込んで係止させる挿入荷重が重くならないようにすることができる。
第2の発明は、上述した第1の発明において、フック片の鉤状に曲げ返された先端部分の中央に、先端側に向かって先細り状に尖った尖り部が形成されているものである。
この第2の発明によれば、フック片の先端部分の中央に尖り部が形成されていることにより、フック部を吊込み溝内に差し込んで係止部材に引掛ける際に、尖り部が不具合の肉部を突き退けるように作用して、フック片が係止部材に引掛かりやすくなる。したがって、フック部を係止部材に差し込んで引掛けるための操作荷重を軽減することができる。
第3の発明は、上述した第2の発明において、尖り部と突起とが、フック片において差し込み方向側に直線状に並んで設けられているものである。
この第3の発明によれば、フック部の差し込みによって突起が不具合の肉部にかかって突き退けた部位上を尖り部が通るようになり、尖り部によって不具合の肉部を突き退けやすくすることができる。
実施例1の表皮材の吊込み構造を示す断面図である。 図1の状態を斜めの角度から見て示した斜視図である。 止着用クリップの斜視図である。 吊込み部をチャック部に差し込む前の状態を示した段階図である。 吊込み部をチャック部に限界位置まで差し込んだ状態を示した段階図である。 吊込み部がチャック部に係止された状態を示した段階図である。 フック部をワイヤーに差し込む前の状態を示した段階図である。 ワイヤーの差し込みによりフック部が押し広げられた状態を示した段階図である。 ワイヤーが湾曲面に当たる位置まで差し込まれた状態を示した段階図である。 フック部をワイヤーに限界位置まで差し込んだ状態を示した段階図である。 フック部がワイヤーに係止された状態を示した段階図である。
以下に、本発明を実施するための形態について、図面を用いて説明する。
始めに、実施例1の止着用クリップ10の構成について、図1〜図11を用いて説明する。本実施例の止着用クリップ10は、図1〜図2に示すように、車両用シートのシートクッション1において、布材から成る表皮材3をウレタン樹脂の発泡体より成るクッションパッド2の表面に密着させた状態に張設するために、表皮材3の所々の面部を、クッションパッド2に形成された吊込み溝2A内に吊り込んで止着させるために用いられるものである。具体的には、上記止着用クリップ10は、シートクッション1の着座部となる中央部とその側方に膨らんで形成されるサイドサポート部との間の境界箇所など、表皮材3の張設に「浮き」や「皺」などの不具合が発生しうる箇所において、このような不具合を生じさせないように表皮材3の一部を、同箇所に沿って形成されたクッションパッド2の吊込み溝2A内に吊り込んで止着させることにより、表皮材3をクッションパッド2の表面に良好に密着させた状態に張設できるようにするものである。
上記止着用クリップ10は、ポリプロピレンやポリエチレン等の合成樹脂材料により一体成形されており、チャック部11と、フック部12と、を有する。チャック部11は、表皮材3の裏面部に取り付けられた吊込み部3Cを差し込みにより係着させられるようになっている。フック部12は、クッションパッド2の吊込み溝2A内に一部が露呈するように埋設された止着用のワイヤー2Cに引掛けて係着させられるようになっている。ここで、ワイヤー2Cが本発明の「係止部材」に相当する。上記チャック部11は、詳しくは、上記吊込み部3Cを図示上方側から間に差し込むことで、この吊込み部3Cを両側から囲い込んで抜け止め可能に係止させた状態となる一対の挟持片11Aを有する。
上記一対の挟持片11Aは、図3に示すように、チャック部11の底面部11E上の互いに離間する2箇所の位置から、それぞれ図示上方側に向かって斜め外方側に開くように延出し、その途中から、真っ直ぐ上方側に向かって延出する形に形成されている。これら挟持片11Aの上端部には、それぞれ、互いに対向する側(内側)に向かって垂直に延びる閉じ部11Bが形成されており、各閉じ部11Bの内側の端部には、図示下方側に向かって突出する係合突起11Cが形成されている。上記各閉じ部11Bは、互いの対向する内側面の間に隙間が設定されており、この隙間から上述した吊込み部3Cを上方側から間に差し込めるようになっている。
ここで、図1〜図2に示すように、上記吊込み部3Cは、上記表皮材3の吊込み溝2A内に吊り込まれる箇所の裏面部において、次のように取り付けられている。すなわち、吊込み部3Cは、上記表皮材3のクッションパッド2の中央部に被覆される面材の縁部とサイドサポート部に被覆される面材の縁部とが互いに表皮材3の裏面側に出っ張るように面合わせされて縫合された縫合部3Aに対し、この縫合部3Aと一緒に縫合された吊込み布3Bの図示下端側の縁部に一体的に結合されて設けられている。上記吊込み布3Bは、縫合部3Aが形成された長手方向の広い領域に亘って連続的に長く形成されて設けられており、吊込み部3Cは、この吊込み布3Bの所々の箇所に、その一つ一つは長尺状に形成されて断続的に複数設けられている。上記吊込み布3Bの吊込み部3Cが結合されていない箇所は、部分的に切り欠かれて布長が短くなっており、吊込み部3Cを設定した各布箇所が独立して曲げ撓ませやすくなっている。また、上記各吊込み部3Cをクッションパッド2の吊込み溝2A内に吊り込んで止着させるための止着用クリップ10、及び止着用クリップ10を係着させるためのワイヤー2Cの露呈部(止着溝2B)は、それぞれ、各吊込み部3Cの設定箇所に対応した長手方向の各箇所に断続的に複数並んで設けられている。
上記吊込み部3Cは、図2及び図4に示すように、その差し込みの先端側となる下端側に向けて形状が先細り状に延びる逆三角形の断面形状に形成され、その先細り形状の両側面を成す各面が、それぞれ、外側に膨らむように湾曲した傾斜面3C1として形成されている。また、吊込み部3Cの図示上方側の面部上には、その両端側の部位に、それぞれ上方側に向かって突出する係合突起3C2が形成されている。これら係合突起3C2は、吊込み部3Cの長手方向に連続的に延びる条状に形成されている。上記吊込み部3Cは、図4〜図6に示すように、上記止着用クリップ10のチャック部11に対し、次のように差し込まれて係着される。
すなわち、図4に示すように、上記吊込み部3Cを、上記チャック部11の両挟持片11Aの閉じ部11Bの間の隙間内に差し込むように下方側へ押し込むことにより、各閉じ部11Bが吊込み部3Cの各傾斜面3C1によって両外側に押し開けられるように力を受ける。これにより、図5に示すように、各挟持片11Aが、その底面部11Eと結合された下端部を支点に両外側に押し開かれるように撓み変形して、両挟持片11Aの間の隙間内に吊込み部3Cが差し込まれる。この吊込み部3Cの差し込みは、図5に示すように、吊込み部3Cが両閉じ部11Bとの当接から下方側へ抜けて、吊込み部3Cの先端部(下端部)がチャック部11の底面部11E上に設けられた立板状のストッパ11Fに押し付けられて受け止められる位置まで行えるようになっている。この差し込みにより、吊込み部3Cとの当接から外れた両挟持片11Aが復元変形して両閉じ部11Bが開口を閉じる方向(内方向)に移動して、吊込み部3Cが、上記閉じられた両挟持片11Aによって両側から挟持されると共に、両閉じ部11Bによってチャック部11から抜けないように囲い込まれた状態となる。ここで、ストッパ11Fは、上記両挟持片11Aの根元部間を繋ぐように、これらと底面部11Eとに結合された状態で形成されている。
上記吊込み部3Cの差し込みの後、その差し込みの操作から手が離されることにより、図6に示すように、吊込み部3Cが、ストッパ11Fの復元に伴う弾発力によって、差し込み方向とは反対方向に押し返される。これにより、吊込み部3Cは、その上面部上の両端部に形成された各係合突起3C2が各閉じ部11Bに押し当てられて係止されると共に、各係合突起3C2の両内側に、各閉じ部11Bの内側の端部に形成された各係合突起11Cがそれぞれ位置付けられるようになっている。これにより、吊込み部3Cは、その使用時に、表皮材3にかかる張力作用によって、チャック部11に対して図示右方側や左方側、或いは長手方向側に斜めに引張られるような力がかけられても、上記係合突起3C2,11C同士の係合により、チャック部11から外れないように強い力で抜け止めされた状態に保持されるようになっている。
次に、フック部12の構成について説明する。図3に示すように、フック部12は、互いに横並び状に対向配置されたガイド片12A及びフック片12Bと、チャック部11の底面部11Eの底面側に形成された受止片12Cと、を有する。ガイド片12Aは、上記チャック部11の一方側の挟持片11Aの上方側に真っ直ぐ延出する上部側領域の外側の面部上から下方側へ垂下するように延出して形成されている。また、フック片12Bは、上記チャック部11の他方側の挟持片11Aの上方側に斜めに延出する下部側領域の外側の面部上から延出して、下方側へ向かってガイド片12Aと対向する内側に鉤状に曲げ返されるように延出する形に形成されている。受止片12Cは、チャック部11の底面部11Eの底面側に凹状の湾曲面12C1を形成するように形成されている。上記フック部12は、図7〜図11に示すように、これをクッションパッド2の吊込み溝2A内に露呈するワイヤー2Cに押し込むように操作することにより、ワイヤー2Cをガイド片12Aとフック片12Bの先端部分とによって形成される先細り状の隙間内へと導く(図7参照)と共に、ガイド片12Aとフック片12Bとがそれぞれ互いの間の隙間を広げるように外側へ撓んで(図8参照)、ワイヤー2Cをガイド片12Aとフック片12Bと受止片12Cとによって囲まれた空間12D内に入り込ませて(図9〜図10参照)、ワイヤー2Cをフック片12Bによって抜け止め可能に引掛けて係着させた状態(図11参照)とする構成となっている。
詳しくは、図3に示すように、上記ガイド片12Aには、そのフック片12Bと対向する下部側領域の内側の面部上に、図示上方側に向かって突出量が次第に大きくなっていく形に傾斜するガイド突起12A1が形成されている。また、フック片12Bは、その鉤状に曲げ返された先端部分の中央に、先端側に向かって先細り状に尖って突出する形の尖り部12B1が形成されており、図7に示すように、その自由状態では、尖り部12B1が上述したガイド片12Aのガイド突起12A1と互いに近接した状態をとるように形成されている。また、受止片12Cは、図8〜図10に示すように、上記ガイド片12Aとフック片12Bの先端部分との間の隙間内に差し込まれたワイヤー2Cを、その湾曲面12C1の形状によって、フック片12Bの曲げ返された部位の直上位置にくるように案内して位置決めするように機能するものとなっている。上記湾曲面12C1は、上記フック片12Bの曲げ返し部位の直上位置に、その凹みの最も深い部位がくるように形成されており、図10に示すように、差し込まれてきたワイヤー2Cがその面上に当接することで、ワイヤー2Cをその最も深く凹む面位置に移動させるようになっている。
上記フック部12は、先に、前述した表皮材3の裏面部に取り付けられた吊込み部3Cを止着用クリップ10のチャック部11に差し込んで係着させた状態にしてから、クッションパッド2の吊込み溝2A内に露呈するワイヤー2Cに押し込まれることでワイヤー2Cに係着される。ここで、図2に示すように、上記ワイヤー2Cは、クッションパッド2の発泡成形時にインサートされることで、吊込み溝2Aよりも更に深い箇所に埋まり込んだ状態で設けられており、吊込み溝2Aの所々の箇所に吊込み溝2Aよりも更に深く凹むように形成された止着溝2Bにより、その一部が外部に露呈された状態とされて設けられている。
上記構成のフック部12は、これを上述した止着溝2B内に露呈するワイヤー2Cに押し込んで、図7に示すようにワイヤー2Cをガイド片12Aのガイド突起12A1とフック片12Bの尖り部12B1との間の隙間内に差し込むことにより、ガイド片12Aとフック片12Bとがそれぞれワイヤー2Cの押し込み力によって、それらの根元部となるチャック部11の各側面部との結合端部を支点にそれぞれ両外側に押し開かれるように撓み変形し(図8参照)、ワイヤー2Cを両者の間の隙間を通して受止片12Cの湾曲面12C1上に当接する位置まで受け入れる(図9参照)。これにより、ガイド片12A及びフック片12Bが、ワイヤー2Cとの当接状態から外れて復元変形し、ガイド突起12A1とフック片12Bの尖り部12B1との間の開口隙間が閉じられる。詳しくは、上記ワイヤー2Cの差し込み時におけるガイド片12Aとフック片12Bの撓み変形は、前述したようにガイド片12Aの方がフック片12Bよりも高い位置(ワイヤー2Cが差し込まれる方向に対して遠い位置)でチャック部11の側部に結合されており、その片持ち状とされた片の長さが長くなっていることから、ガイド片12Aの方がフック片12Bよりもより大きく外側に撓み変形しやすくなっている。
上記フック部12のワイヤー2Cへの差し込みは、図10に示すように、フック部12の押し込み力によって、上記受止片12Cの湾曲面12C1上に当接したワイヤー2Cが湾曲面12C1の形状による案内によって、湾曲面12C1の凹みが最も深くなる箇所まで移動する位置まで行うことができ、この差し込みによって、ワイヤー2Cがフック片12Bの曲げ返された部位の直上位置に位置付けられた状態となる。したがって、次に、上記フック部12の差し込みの操作から手が離されることにより、図11に示すように、止着用クリップ10が表皮材3にかかる張力によって差し込み方向とは反対方向に引張り込まれて、ワイヤー2Cがフック片12Bに掛かった状態となって係着される。これにより、表皮材3の一部が、クッションパッド2の吊込み溝2A内に吊り込まれて止着された状態とされて保持される。
ここで、上記フック片12Bの曲返された下端側部位の外側部には、フック片12Bが曲げ返される方向とは反対方向に曲げ返される形の治具掛部12B2が形成されている。この治具掛部12B2は、フック部12に係着されたワイヤー2Cを、フック部12との係着から外す際に、図示しないドライバー等の治具をその曲返された溝形状内に差し込んでフック片12Bを外側に強制的に曲げ変形させることで、ガイド片12Aとの間の隙間を広げてワイヤー2Cを外し出せるようにするためのものである。
ところで、図3及び図7に示すように、上述したフック部12のガイド片12Aとフック片12Bには、それぞれ、上記ワイヤー2Cが間に差し込まれるフック部12の開口隙間を形成する互いの対向する面部上に、ワイヤー2Cに向けての差し込み方向側に突出する突起12A2,12B3が形成されている。具体的には、ガイド片12Aに形成された突起12A2は、ガイド片12Aのガイド突起12A1が傾斜状に立ち上がっていく根元側の端部箇所に1個山状に突出する形となって形成されている。また、フック片12Bに形成された突起12B3は、フック片12Bの底面側となる鉤状に曲げ返された部位の差し込み方向側の面部上に山状に突出する形に2個並んで形成されている。これら突起12B3は、フック片12Bに形成された上述した尖り部12B1と、互いに差し込み方向側に一直線上に並んだ位置に形成されている。
上述した各突起12A2,突起12B3は、それぞれ、図7〜図10に示すように、フック部12を吊込み溝2A内のワイヤー2Cに差し込む際に、吊込み溝2A内にクッションパッド2の成形不具合によりクッションパッド2の肉部(不具合の肉部2D)が張り出して形成されていても、各突起12A2,12B3がこの不具合の肉部2Dにかかることで、ガイド片12Aやフック片12Bを上記不具合の肉部2Dによって外側へ押しずらされないように真っ直ぐに差し込めるようにする機能をするものとなっている。ここで、上述した不具合の肉部2Dは、図2に示すように、クッションパッド2の発泡成形時に、クッションパッド2内に予めワイヤー2Cをインサートして、その所々の部分を止着溝2Bから外部に露呈させられるように形作る際に、ワイヤー2Cの形状が邪魔をして止着溝2Bがうまく形成されず、その溝内に形状が張り出して残ってしまうものである。この不具合の肉部2Dは、例えばワイヤー2Cと止着溝2Bの底部とに跨る山状の形に形成され、フック部12の差し込みを阻害するものとなる。
したがって、図7〜図10に示すように、上記のような不具合の肉部2Dが形成されている場合、それが山状の形となっているか否かに関わらず、ガイド片12Aとフック片12Bとの間にワイヤー2Cを差し込むことにより、上記不具合の肉部2Dがガイド片12Aとフック片12Bとの間に挟まり込んで、ガイド片12Aとフック片12Bが、上記不具合の肉部2Dによって両外側へ押しやられるように力を受ける。このように、フック部12の差し込みに滑りが発生することにより、フック部12の差し込みに必要な力が大きくなってしまうばかりでなく、ガイド片12Aやフック片12Bの差し込み位置が、ワイヤー2Cから外側へ離れた位置となってしまい、フック片12Bをワイヤー2Cに適切に引掛けられなくなるおそれが生じる。しかしながら、本実施例の構成では、上記ガイド片12Aとフック片12Bとにそれぞれ突起12A2,12B3が形成されていることにより、上記ワイヤー2Cへの差し込み時に、各突起12A2,12B3が不具合の肉部2Dにかかるため、ガイド片12Aやフック片12Bが不具合の肉部2Dの形状によって外側へ押しやられるように案内されることなく、比較的真っ直ぐに差し込まれるようになっている。したがって、上記不具合の肉部2Dによってフック部12の差し込み荷重が阻害されて重くなる度合いを軽減することができる。
また、上記各突起12A2,12B3の掛かりによって、ガイド片12Aやフック片12Bが比較的外側へずらされることなく真っ直ぐに差し込まれることから、ガイド片12Aのガイド突起12A1やフック片12Bの先端である尖り部12B1は、ワイヤー2Cの傍らを通ってワイヤー2Cから外側へ離れないところに位置して保持されるようになる。したがって、図9〜図11に示すように、フック部12をワイヤー2Cに差し込んだ後、止着用クリップ10が表皮材3にかかる張力作用によって差し込み方向とは反対方向に引張り込まれることで、フック片12Bにワイヤー2Cを適切に引掛けることができる。詳しくは、上記フック片12Bは、その先端部に尖り部12B1が形成されていることにより、そのワイヤー2Cへの差し込み時や、上記反対方向に引張り込まれる時に、尖り部12B1が不具合の肉部2Dを引掻いたり不具合の肉部2Dに突き刺さったりすることで、フック片12Bが不具合の肉部2Dの弾発力によって押し退けられる抵抗が減らされて、ワイヤー2Cに良好に差し込まれて掛けられるようになっている。
このように、本実施例の止着用クリップ10によれば、フック片12Bに突起12B3が形成されていることにより、フック部12を吊込み溝2A(止着溝2B)内のワイヤー2Cに差し込む際に、止着溝2B内にクッションパッド2の成形不具合の肉部2Dが張り出していても、突起12B3がこの不具合の肉部2Dにかかることで、フック片12Bを不具合の肉部2Dによってずらされることなく真っ直ぐに差し込めるようになる。したがって、上記のような不具合の肉部2Dが張り出していても、止着用クリップ10を止着溝2B内に差し込んで係止させる挿入荷重が重くならないようにすることができる。また、フック片12Bの先端部分の中央に尖り部12B1が形成されていることにより、フック部12を止着溝2B内に差し込んでワイヤー2Cに引掛ける際に、尖り部12B1が不具合の肉部2Dを突き退けるように作用して、フック片12Bがワイヤー2Cに引掛かりやすくなる。したがって、フック部12をワイヤー2Cに差し込んで引掛けるための操作荷重を軽減することができる。また、フック片12Bにおいて、尖り部12B1と突起12B3とが差し込み方向側に直線状に並んで設けられていることにより、フック部12の差し込みによって各突起12B3が不具合の肉部2Dにかかって突き退けた部位上を尖り部12B1が通るようになり、尖り部12B1によって不具合の肉部2Dを突き退けやすくすることができる。
以上、本発明の実施形態を1つの実施例を用いて説明したが、本発明は上記実施例のほか各種の形態で実施できるものである。例えば、本発明の止着用クリップは、車両用シートのシートクッション以外にも、シートバック等の他のシート構造部において、表皮材の一部をクッションパッドに形成された吊込み溝内に吊り込んで止着させるためのものとして用いることができる。また、上記車両用シート以外の各種の同様の構成(表皮材の一部をクッションパッドに形成された吊込み溝内に吊り込んで止着させる構成)に対しても、本発明の止着用クリップを適用することができる。また、ガイド片やフック片に形成される突起は、1個であっても2個以上の複数であってもどちらでも構わない。また、突起は少なくともフック片にあれば良く、ガイド片には設けられていなくても構わない。ガイド片は、その機能上、フック片とは異なり、ワイヤー(係止部材)への差し込み方向側に鉤状に曲げ返された部位面を持たないため、不具合の肉部に突き刺さるような鋭角な形状とすることができるものであるからである。
1 シートクッション
2 クッションパッド
2A 吊込み溝
2B 止着溝
2C ワイヤー(係止部材)
2D 不具合の肉部
3 表皮材
3A 縫合部
3B 吊込み布
3C 吊込み部
3C1 傾斜面
3C2 係合突起
10 止着用クリップ
11 チャック部
11A 挟持片
11B 閉じ部
11C 係合突起
11E 底面部
11F ストッパ
12 フック部
12A ガイド片
12A1 ガイド突起
12A2 突起
12B フック片
12B1 尖り部
12B2 治具掛部
12B3 突起
12C 受止片
12C1 湾曲面
12D 空間

Claims (3)

  1. 表皮材の一部をクッションパッドに形成された吊込み溝内に吊り込んで止着させられるようにする止着用クリップであって、
    前記表皮材に取り付けられた吊込み部を係着させることのできるチャック部と、
    前記クッションパッドの前記吊込み溝内に設けられた係止部材に差し込まれることで該係止部材に弾性的に引掛けられて係着される鉤状のフック片を有するフック部と、を有し、
    前記フック片には、その前記係止部材に差し込まれて引掛けられる鉤状に曲げ返された部位の差し込み方向側の面部上に、同差し込み方向側に向かって部分的に突出する突起が形成されていることを特徴とする止着用クリップ。
  2. 請求項1に記載の止着用クリップであって、
    前記フック片の鉤状に曲げ返された先端部分の中央に、先端側に向かって先細り状に尖った尖り部が形成されていることを特徴とする止着用クリップ。
  3. 請求項2に記載の止着用クリップであって、
    前記尖り部と前記突起とが、前記フック片において差し込み方向側に直線状に並んで設けられていることを特徴とする止着用クリップ。
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