JP5609402B2 - 端子接続構造 - Google Patents

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Description

本発明は、端子接続構造に関する。
従来、ボルトを用いた端子接続構造として、例えば下記特許文献1に記載のものが知られている。このものは、端子台にナットを設け、このナットにボルトを締め込むことにより、電線側端子と機器側端子とをボルト締結するようにしている。このようなボルト締結構造においては、ボルトが正規の締め込み方向に対して斜め方向に締め込まれる、いわゆる斜め締めが発生する場合がある。斜め締めが発生すると、端子同士が接続不良となり、接続信頼性が低下してしまう。
そこで、下記特許文献2に記載のように、ボルト締結後にカバーを取り付けることにより、斜め締めを検知できるようにしたものなどが知られている。しかしながら、このものは、ボルトの締結方法自体を改善したものではなく、根本的に斜め締めの問題を解決したものではない。
その点、下記特許文献3に記載のものは、ボルト締結部の上方にボルト誘導部を立ち上げて形成し、このボルト誘導部の内周面をテーパ状に形成することで、ボルトをナット側に誘導するテーパ面を形成し、このテーパ面によってボルトが正規の締め込み方向に誘導されるようにしたものである。これにより、ボルトの斜め締めを防ぐようにしている。
特開2006−4733号公報 特開2003−9351号公報 特開2000−332446号公報
しかしながら、上記特許文献3のものは、テーパ面によってボルトが案内された位置からボルトがナットに螺合し始める位置までボルトを手動で押し込む必要があり、この間に不用意な力がボルトにかかることで、ボルトの斜め締めが発生するおそれがある。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、ボルトの斜め締めの発生を抑制することを目的とする。
本発明の端子接続構造は、第1端子と第2端子とが、ボルトを介して接続される端子接続構造であって、ねじ孔が形成されたナットと、前記ナットを回り止めした状態で有する端子台と、第1挿通孔を有し、当該第1挿通孔が前記ナットの前記ねじ孔の中心軸と同軸上に位置するように前記端子台に配置される前記第1端子と、仮保持用ねじ孔を有し、当該仮保持用ねじ孔の中心軸前記ナットの前記ねじ孔の前記中心軸と同軸上に位置するように前記第1端子に重ねられる前記第2端子と、前記仮保持用ねじ孔に螺合可能であると共に前記第1挿通孔挿入され前記ナットの前記ねじ孔に螺合可能な軸部と、前記軸部の端部に形成された頭部とを有する前記ボルトと、前記ボルトに対し前記軸部と前記頭部との間に前記軸部の軸周りに回転可能に設けられ、前記ナットの前記ねじ孔の中心軸方向に沿って延びると共に前記ナットの側方に回り込むように延びる延出部を備えたガイド部と、を備え、前記第2端子の端面は前記ナットの前記ねじ孔の中心軸方向から見て前記ナットの側方に位置して前記延出部と接触するようになっており、前記第2端子の端面には突部が設けられ、前記延出部には前記突部と係合可能であって前記ナットの前記ねじ孔の中心軸方向に沿って延びる案内溝が形成され、前記突部が前記案内溝に係合することにより前記ボルトが前記ナットの前記ねじ孔の中心軸方向に沿った正規姿勢で前記ナットへと案内可能とされており、前記ボルトの前記軸部は、前記頭部よりも前記ナットの前記ねじ孔の中心軸方向の先端側に位置する小径部と、当該小径部よりも前記ナットの前記ねじ孔の中心軸方向の先端側に位置し、かつ、前記小径部よりも径が大きい大径部とを有し、前記大径部は、前記第2端子の前記仮保持用ねじ孔及び前記ナットの前記ねじ孔に螺合可能なねじ部が形成され、前記小径部は、前記仮保持用ねじ孔と同等以上の長さを有し、前記大径部は、前記第2端子の前記仮保持用ねじ孔と前記ナットの前記ねじ孔と同時に螺合した状態になるようになっており、前記大径部が前記第1端子及び第2端子を超えて前記ナットの前記ねじ孔と螺合したとき、前記小径部が前記仮保持用ねじ孔内に位置する、ところに特徴を有する。
このような構成によると、突部と案内溝とにより、ボルトを、ナットの中心軸方向に沿った正規姿勢で当該ナットへと案内することができる。このため、ボルトの斜め締めの発生を抑制することができる。しかも、突部と案内溝とは、ボルトとナットの間ではなく、ナットの中心軸方向から見てナットの側方において係合するので、ボルトが突部や案内部と干渉することを抑制しつつ、当該ボルトをナットに締め込むことができる。
また、このような構成によると、ボルトのねじ部を、中心軸がナットの中心軸方向に沿った仮保持用ねじ孔に螺合させることでボルトを上記正規姿勢で端子に仮保持させることができる。
また、このような構成によると、ボルトは、小径部と、当該小径部よりも上記中心軸方向の先端側に位置し、かつ、当該小径部よりも径が大きい大径部とを有し、大径部が第1端子及び第2端子を超えてナットと螺合したとき、小径部が仮保持用ねじ孔内に位置する。このとき、小径部は大径部よりも径が小さく仮保持用ねじ孔と螺合しないため、大径部がナットに螺合することにより、第1端子と第2端子とを確実に締結することができる。
本発明の実施の態様として、以下の構成が好ましい。
前記第2端子の左右の端面には、前記突部が1対設けられ、両突部は、前記中心軸方向から見て前記ナットの両側にそれぞれ位置し、前記延出部は1対設けられており、各延出部には前記案内溝が形成され、両案内溝は前記各突部にそれぞれ係合可能である構成としてもよい。
このような構成によると、一対の突部と一対の案内溝とがナットの両側でそれぞれ係合する。従って、例えば1つの突部と1つの案内溝のみが係合する構成に比べて、より安定的に、ボルトを正規姿勢でナットへと案内することができる。
端子台は、ナットを、第1端子及び第2端子側に付勢する付勢手段を有する構成としてもよい。
このような構成によると、ナットは、弾性部材によって中心軸方向の上方に付勢されるため、ボルトに螺合され易くなる。
本発明によれば、ボルトの斜め締めの発生を抑制することができる。
実施形態1の端子接続構造1の部分的側断面図 端子接続構造1を斜め上方から見た斜視図 電線側コネクタを斜め上方から見た斜視図 機器側端子を斜め上方から見た斜視図 ボルトを斜め上方から見た斜視図 ガイド部材を斜め上方から見た斜視図 機器側コネクタ部分を拡大した部分的側断面図(ボルト仮保持状態) 端子接続構造の側面図(ボルト仮保持状態) 機器側コネクタ部分を拡大した部分的側断面図(ボルトと第2ボルト挿通孔との螺合解除時) 端子接続構造の側面図(ボルトと第2ボルト挿通孔との螺合解除時)
本発明の一実施形態の端子接続構造1について図1から図10の図面を参照しながら説明する。各図において紙面左右方向(X軸方向)を端子接続構造1の前後方向、紙面奥行き方向(Y軸方向)を左右方向、紙面上下方向(Z軸方向)を上下方向とする。
(端子接続構造の全体構成)
図1は端子接続構造1の部分的側断面図であり、図2は端子接続構造1を斜め上方から見た斜視図である。端子接続構造1では、機器側コネクタ10と電線側コネクタ30を接続する場合を例示している。機器側コネクタ10は、自動車用のインバータなどの機器(図示せず)と一体に形成されており、この機器は、図2に示すように、機器本体を収容してなる機器側ケース20を備えた構成とされている。この機器側ケース20は金属製で、自動車のボディ(図示せず)に固定されている。この機器側ケース20により、機器側ケース20内に収容された機器本体や導電路などから発生する電磁波を遮断することができる。
(電線側コネクタの構成)
図3は電線側コネクタ30を斜め上方から見た斜視図である。電線側コネクタ30は合成樹脂製の電線側ハウジング31を有している。電線側ハウジング31は、横長の長円形状をなす嵌合部33を備えており、この嵌合部33の内部に、複数の電線側端子32(「第1端子」の一例)が装着されている。各電線側端子32の先端は、嵌合部33の嵌合面から前方に突出する態様で装着されており、この突出した部分には、第1ボルト挿通孔34(「第1挿通孔」の一例)が貫通形成されている。
嵌合部33の外周面には、取付溝33Aが周設されており、この取付溝33Aにシールリング40が嵌着される。シールリング40は、図1に示すように、取付溝33Aと取付孔20Aの内周面との双方に対して密着しており、取付孔20Aと嵌合部33との間から機器側ケース20の内部側に水が浸入することを規制している。
電線側ハウジング31を覆う位置には、金属製のシールドシェル36が装着されている。シールドシェル36における機器側ケース20との対向縁には、取付部37が全周方向に亘って張り出し形成されている。この取付部37は、上部が前方に折り曲げられ、その折り曲げ部分の左右端側には、ボルト孔37Aが貫通形成されており、このボルト孔37Aにボルト(図示せず)を挿入して機器側ケース20に締め込むことにより、シールドシェル36が機器側ケース20に対して導通可能に接続、固定されている。
シールドシェル36において電線側ハウジング31を覆う筒状の本体部38には、導電路に沿って複数の電線39を一括して覆う編組線41が圧着接続されるようになっている。圧着にあたっては、編組線41を覆うようにしてカシメリング42を配置し、このカシメリング42を本体部38に対してかしめ付けることによって行う。
(機器側コネクタの構成)
機器側コネクタ10は合成樹脂製の端子ホルダ11を有している。図2に示すように、端子ホルダ11の左右両側面には、機器側ケース20に対する取付部17が張り出し形成されている。取付部17には、ボルト孔17Aが貫通形成されており、このボルト孔17Aにボルト(図示せず)を挿入して機器側ケース20に締め込むことにより、機器側コネクタ10が機器側ケース20に固定されている。また、機器側ケース20には、取付孔29が貫通形成されており、この取付孔29を介して電線側コネクタ30が機器側コネクタ10に接続されている。
(1)ナット収容部
端子ホルダ11は、略方形のブロック状をなした複数のナット収容部12(「端子台」の一例)が左右方向に連なった形状を有する(図2参照)。各ナット収容部12は、上方に開口したナット収容空間12Aが形成されており、この収容空間12A内にナット13が回り止めされた状態で収容されている。
具体的には、ナット13は、環状をなす。より具体的には、ナット13は、上下方向から見て、外形が例えば六角形であり、中央部分に、ボルト50の軸部52と螺合可能なねじ孔13Aが貫通形成されている。ナット13は、その頂角部分が収容空間12A内の側壁12Bに当接することにより、回り止めがされている。本実施形態ではねじ孔13Aの中心軸方向が上下方向と平行であるものとする。
なお、ナット13と収容空間12Aの底面との間にはばね座金18(「付勢手段」の一例)が設けられている。これにより、ナット13は、ばね座金18により上方に付勢され、ボルト50に螺合され易くなっている。また、端子ホルダ11は、隣合うナット収容部12同士の間には、仕切壁14が上方に突出するように形成されており、この仕切壁14により次述する機器側端子(バスバー)21(「第2端子」の一例)同士が接触して短絡することが規制されている。
(2)機器側端子
図4は機器側端子21を斜め上方から見た斜視図である。各ナット収容部12には、機器側端子21が装着されている。具体的には、機器側端子21は、ナット13の上方に配されるナット側接続部分22、機器側に電気的に接続される機器側接続部分23、及び、両接続部分22、23を連結する連結部分24を有し、これらが導電性の金属部材によって一体形成されている。ナット側接続部分22は、ボルト50を挿通可能な第2ボルト挿通孔25(「第2挿通孔」の一例)が貫通形成されている。この第2ボルト挿通孔25は、ナット13のねじ孔13Aと略同軸上に配置される。ここで、「略同軸」とは、厳密な意味で同軸である場合に限らず、斜め締めによる悪影響が実質的に生じない範囲で軸ずれが生じた場合も含まれる(以下、同じ)。
また、ナット側接続部分22は電線側端子32よりも上下方向の幅寸法が大きく、第2ボルト挿通孔25は、その一部または全部が後述するボルト50の大径部54と螺合可能なねじ孔25A(「仮保持用ねじ孔」の一例)とされている。これにより、ボルト50は、第2ボルト挿通孔25に螺合することにより、その軸部52を上下方向に沿った姿勢(以下、「正規姿勢」という)で仮保持させることができる(図1参照)。
図1,2に示すように、ナット側接続部分22及び連結部分24は、全体として、ナット収容部12の上方、前方及び下方を覆うC字状をなし、ナット収容部12に装着される。具体的には、各ナット収容部12には、上面側に、1対の第1係止部15が設けられ(図1,2参照)、下面側に、第2係止部16(ランス)が撓み可能に設けられている(図1参照)。1対の第1係止部15が、ナット側接続部分22の左右端面28に係止し、第2係止部16が、連結部分24に形成された被係止部26(係止孔)に係止することにより、機器側端子21は、ナット収容部12に位置決め固定される。
機器側接続部分23には、バスバー接続孔27が貫通形成されている。このバスバー接続孔27には、機器に連なる機器側バスバー(図示せず)がボルト(図示せず)により締結されるようになっている。
(3)ボルト
図5はボルト50を斜め上方から見た斜視図である。ボルト50は、ボルト頭部51(「頭部」の一例)と軸部52とを有する。軸部52は、小径部53及び大径部54を有する。小径部53は、ボルト頭部51の下側に位置し、大径部54は、小径部53の下側に位置する。
小径部53の外径は、第1ボルト挿通孔34及び第2ボルト挿通孔25の内径よりも小さくなっており、小径部53は、クリアランスを持って第1ボルト挿通孔34及び第2ボルト挿通孔25に挿通可能とされている。なお、小径部53は、各図に例示するように、その外周面にねじ山を形成しない構成が好ましい。また、小径部53の上下方向における長さは、第2ボルト挿通孔25の上下方向における長さと同等以上である。
大径部54の外径は、小径部53の外径よりも大きく、ナット13及び第2ボルト挿通孔25の内径に対応した大きさであり、大径部54の外周面にはねじ部55が形成されているため、大径部54は、ナット13及び第2ボルト挿通孔25に螺合可能になっている。
(4)ボルトの斜め締めを抑制するための構成
図4に示すように、機器側端子21の機器側接続部分23の左右端面28(「接触部」の一例)には、1対の突部28Aが一体的に設けられている。各突部28Aは、下方に向かうほど機器側接続部分23から離間するよう傾斜する第1テーパ面28Bが形成されている。
図6は、ガイド部材60を斜め上方から見た斜視図である。ガイド部材60は、1対の延出部分61、及び、両延出部分61の上端を連結する連結部分62を有して、全体として逆U字状をなす。連結部分62には、ボルト50の軸部52が挿通可能であって、ボルト頭部51が挿通不能な第3ボルト挿通孔63が貫通形成されており、これにより、ガイド部材60は、ボルト50に対し軸部52の軸周りに回転可能に設けることができる。
両延出部分61同士の間隔は、図2に示すように、機器側端子21の機器側接続部分23の左右端面28同士の間隔と略同等であり、当該各左右端面28に接触可能とされている。そして、各延出部分61には、上記突部28Aと係合可能であって、上下方向に延びる案内溝64が形成されている。なお、案内溝64は、延出部分を貫通したものでも、有底のものでもよい。また、各延出部分61の下面部分には、下方に向かうほど機器側接続部分23から離間するよう傾斜する第2テーパ面65が形成されており、上記突部28Aの第1テーパ面28Bと共に、延出部分61と突部28Aとが円滑に係合させる役割を果たす。
(電線側端子と機器側端子の締結工程)
端子接続構造1は以上のような構成であって、続いて端子接続構造1を利用して電線側端子32と機器側端子21とを締結する工程の一例について説明する。
(1)機器側端子へのボルトの仮保持
図7は機器側コネクタ10部分を拡大した部分的側断面図(ボルト仮保持状態)であり、図8は端子接続構造1の側面図(ボルト仮保持状態)である。
作業者は、まず、ボルト50の大径部54を、機器側端子21に形成された第2ボルト挿通孔25のねじ孔25Aに螺合させる。ここで、前述したように第2ボルト挿通孔25は、ナット13のねじ孔13Aと略同軸上であって、当該第2ボルト挿通孔25の中心軸は、機器側端子21に略直交する。このため、ボルト50を、正規の挿通方向(上下方向)に沿った姿勢(以下、「正規姿勢」という)で機器側端子21に仮保持させることができる。
このような構成により、作業者は、機器側コネクタ10を、ボルト50が脱落せずに仮保持した状態で搬送するなどの取り扱いが可能になる。また、ボルト50を機器側端子21に仮保持した状態で、機器側コネクタ10と電線側コネクタ30との組み付け作業を行うことができる。
次に、作業者は、図7に示すように、機器側端子21の下に電線側端子32が重なるように、機器側コネクタ10と電線側コネクタ30とを配置する。また、このとき、図8に示すように、ガイド部材60の案内溝64の下端部に、機器側端子21の突部28Aを係合させる。これにより、ボルト50を、上記正規姿勢に、より安定的に維持させることができる。なお、ボルト50は、機器側コネクタ10と電線側コネクタ30とが上記のように配置された後に、第2ボルト挿通孔25に螺合されてもよい。
作業者が、仮止め状態のボルト50を、更に、第2ボルト挿通孔25に締め込んでいくと、ボルト50の大径部54の先端が、第2ボルト挿通孔25と連通する第1ボルト挿通孔34を通ってナット13のねじ孔13A内へと向かう。このとき、突部28Aは案内溝64により下方向に案内されるため、ボルト50を、上記正規姿勢のままでナット13のねじ孔13A内へと近付けることができる。
この際、ボルト50に、例えば上記上下方向に対して斜め方向からの外力が加わる場合でも、突部28Aと案内溝64が、その外力に抗して、ボルト50を正規姿勢でねじ孔13Aに向けて案内する。これにより、ボルト50が上下方向に対して傾斜した姿勢でナット13のねじ孔13Aと螺合する、いわゆる斜め締めの発生を抑制することができる。
また、一対の突部28Aと一対の案内溝64とがナット13の両側、換言すればナット13を間に挟んだ位置でそれぞれ係合する。従って、例えば1つの突部28Aと1つの案内溝64のみが係合する構成に比べて、より安定的に、ボルト50を正規姿勢でナット13へと案内することができる。
(2)ボルトとナットとの螺合開始
作業者が、第2ボルト挿通孔25にボルト50を締め込む作業を続けると、大径部54が第2ボルト挿通孔25に螺合し始める。ここで、大径部54の上下方向における長さは、第2ボルト挿通孔25とナット13のねじ孔13Aとの離間距離よりも長いので、大径部54は、第2ボルト挿通孔25とナット13のねじ孔13Aとに同時に螺合した状態になる。これにより、ボルト50を、第2ボルト挿通孔25との螺合により正規姿勢のままで、ねじ孔13Aとの螺合に移行させることができ、より確実に斜め締めの発生を抑制することができる。
(3)ボルトと第2ボルト挿通孔との螺合解除
図9は機器側コネクタ10部分を拡大した部分的側断面図(ボルトと第2ボルト挿通孔との螺合解除時)であり、図10は端子接続構造1の側面図(ボルトと第2ボルト挿通孔との螺合解除時)である。
作業者が、第2ボルト挿通孔25にボルト50を締め込む作業を更に続けると、図9に示すように、大径部54が第1ボルト挿通孔34及び第2ボルト挿通孔25を通り抜けてナット13のねじ孔13Aと螺合しているとき、小径部53は、第2ボルト挿通孔25内に位置している。これにより、小径部53は第2ボルト挿通孔25に螺合せず、空回り状態となる(螺合解除)。このため、ボルト50は、第2ボルト挿通孔25に対して上下方向に自由に移動可能になる。その結果、更に、大径部54がねじ孔13Aに締め込まれるに連れて、ボルト頭部51とナット13との距離が縮まっていき、ボルト頭部51とナット13との間で機器側端子21と電線側端子32とを強固に挟み込んで締結することができる。
また、このときも、図10に示すように、突部28Aは案内溝64により下方向に案内されるため、ボルト50を、上記正規姿勢のままでナット13に締め込むことができる。この際、ボルト50に、例えば上記上下方向に対して斜め方向からの外力が加わる場合でも、突部28Aと案内溝64が、その外力に抗して、ボルト50を正規姿勢でねじ孔13Aに向けて案内する。これにより、斜め締めの発生を抑制することができる。
しかも、ガイド部材60は、前述したように、ボルト50の軸部52の基端側から左右方向に延出し、更にその先端部分が下方に折り曲がるようにして、機器側端子21の左右各端面28に回り込む形状をなし、その先端部分(延出部分)に案内溝64が形成されている。即ち、突部28Aと案内溝64はボルト50とナット13との間ではなく、上下方向から見てナット13の側方にて係合する。
従って、ボルト50が突部28Aや案内溝64と干渉することを抑制しつつ、当該ボルト50をナット13に締め込むことができる。このため、本実施形態では、図9,10に示すように、ボルト50を、ナット13に締め込んだとき、ボルト50が上部に突出することなく、そのボルト頭部51を機器側端子21に接近させることができる。即ち、機器側コネクタ10の上下方向における小型化を図ることができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、2組の突部28A及び案内溝64が、ナット13を両側から挟むように配置される構成を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限られない。例えば突部28A及び案内溝64が1組、又は、3組以上備える構成でもよい。
(2)上記実施形態では、ガイド部材60に案内溝64が形成され、機器側端子21に突部28Aが設けられた構成を例に挙げたが、参考例として、例えば、ガイド部材60に突部28Aが設けられ、機器側端子21、電線側端子32及びナット収容部12の少なくとも1つに案内溝64が形成された構成でもよい。
(3)上記実施形態では、突部28Aが機器側端子21に設けられた構成を例に挙げて説明したが、参考例として、例えば突部28Aが、電線側端子32やナット収容部12の側面に設けられた構成でもよい。要するに、突部28Aと案内溝64とが、上下方向から見てナット13の側方にて係合すればよい。
(4)上記実施形態では、ガイド部材60は金属製としたが、合成樹脂などの非導電性材料で形成してもよい。
(5)上記実施形態では、ナット13を上方に付勢するためにばね座金18を用いた例を説明したが、本発明はこれに限られない。ナット13を付勢可能なものであれば、例えば、コイルばね、板ばね等の弾性部材でもよい。また、ゴム弾性を有する合成樹脂でもよい。
(6)上記実施形態においては、第2ボルト挿通孔25に、ねじ孔25Aを形成する構成としたが、本発明はこれに限られない。ナット側接続部分22に、公知のカシメナットをカシメ付ける構成としてもよい。また、ねじ孔25Aは、公知のバーリング加工により形成してもよい。
(7)参考例として、ボルト50の軸部52の全長に亘って大径部54と同じものが形成されたボルト50を使用してもよい。この場合には、第2ボルト挿通孔25に、ねじ孔25Aを設けない構成とすることにより、ボルト50とナット13との間で、機器側端子21と電線側端子32とを締結することができる。
(8)上記実施形態では、ガイド部材60の連結部分62には、ボルト50の軸部52が挿通可能であって、ボルト頭部51が挿通不能な第3ボルト挿通孔63が形成される構成としたが、本発明はこれに限られない。連結部分62には、ボルト50の小径部53が挿通可能であって、大径部54が挿通不能な第3ボルト挿通孔63を形成し、ボルト50は、軸部52とボルト頭部51とを別体に形成し、ボルト50の小径部53を第3ボルト挿通孔63に挿通させた後、ボルト頭部51を小径部53の先端に溶接等により固着する構成としてもよい。
10・・・機器側コネクタ
11・・・端子ホルダ
12・・・ナット収容部
13・・・ナット
18・・・ばね座金
20・・・機器側ケース
21・・・機器側端子
25・・・第2ボルト挿通孔
28・・・左右端面
28A・・・突部
30・・・電線側コネクタ
32・・・電線側端子
34・・・第1ボルト挿通孔
50・・・ボルト
53・・・小径部
54・・・大径部
60・・・ガイド部材
61・・・延出部分
64・・・案内溝

Claims (3)

  1. 第1端子と第2端子とが、ボルトを介して接続される端子接続構造であって、
    ねじ孔が形成されたナットと、
    前記ナットを回り止めした状態で有する端子台と、
    第1挿通孔を有し、当該第1挿通孔が前記ナットの前記ねじ孔の中心軸と同軸上に位置するように前記端子台に配置される前記第1端子と、
    仮保持用ねじ孔を有し、当該仮保持用ねじ孔の中心軸前記ナットの前記ねじ孔の前記中心軸と同軸上に位置するように前記第1端子に重ねられる前記第2端子と、
    前記仮保持用ねじ孔に螺合可能であると共に前記第1挿通孔挿入され前記ナットの前記ねじ孔に螺合可能な軸部と、前記軸部の端部に形成された頭部とを有する前記ボルトと、
    前記ボルトに対し前記軸部と前記頭部との間に前記軸部の軸周りに回転可能に設けられ、前記ナットの前記ねじ孔の中心軸方向に沿って延びると共に前記ナットの側方に回り込むように延びる延出部を備えたガイド部と、を備え、
    前記第2端子の端面は前記ナットの前記ねじ孔の中心軸方向から見て前記ナットの側方に位置して前記延出部と接触するようになっており、前記第2端子の端面には突部が設けられ、
    前記延出部には前記突部と係合可能であって前記ナットの前記ねじ孔の中心軸方向に沿って延びる案内溝が形成され
    前記突部が前記案内溝に係合することにより前記ボルトが前記ナットの前記ねじ孔の中心軸方向に沿った正規姿勢で前記ナットへと案内可能とされており、
    前記ボルトの前記軸部は、前記頭部よりも前記ナットの前記ねじ孔の中心軸方向の先端側に位置する小径部と、当該小径部よりも前記ナットの前記ねじ孔の中心軸方向の先端側に位置し、かつ、前記小径部よりも径が大きい大径部とを有し、
    前記大径部は、前記第2端子の前記仮保持用ねじ孔及び前記ナットの前記ねじ孔に螺合可能なねじ部が形成され、
    前記小径部は、前記仮保持用ねじ孔と同等以上の長さを有し、
    前記大径部は、前記第2端子の前記仮保持用ねじ孔と前記ナットの前記ねじ孔と同時に螺合した状態になるようになっており、
    前記大径部が前記第1端子及び第2端子を超えて前記ナットの前記ねじ孔と螺合したとき、前記小径部が前記仮保持用ねじ孔内に位置する、端子接続構造。
  2. 前記第2端子の左右の端面には、前記突部が1対設けられ、両突部は、前記中心軸方向から見て前記ナットの両側にそれぞれ位置し、
    前記延出部は1対設けられており、各延出部には前記案内溝が形成され、両案内溝は前記各突部にそれぞれ係合可能である、請求項1に記載の端子接続構造。
  3. 前記端子台は、前記ナットを、前記第1端子及び前記第2端子側に付勢する付勢手段を有する、請求項1または請求項2に記載の端子接続構造。
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