JP5608903B2 - 高分子タンニンの高粘性溶液及びゲルの製造方法 - Google Patents
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(1)高分子タンニン水溶液を、アルキルグリコシド系界面活性剤及びN−アシルアミノ酸系界面活性剤から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤で処理することを含む高分子タンニンの高粘性溶液又はゲルの製造方法。
(2)高分子タンニンが縮合型タンニンである前記(1)に記載の方法。
(3)縮合型タンニンがカキタンニンである前記(2)に記載の方法。
(4)アルキルグリコシド系界面活性剤がアルキルチオグリコシドである前記(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5)N−アシルアミノ酸系界面活性剤がN−ラウロイルサルコシンもしくはN−ステアロイルグルタミン酸又はそれらの塩である前記(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(6)界面活性剤がn−ヘプチル−β−D−チオグルコシドもしくはN−ラウロイルサルコシンナトリウム、又はこれらの組み合わせである前記(1)〜(5)のいずれかに記載の方法。
(7)前記(1)〜(6)のいずれかに記載の方法によって得られた高分子タンニン高粘性溶液を有機溶媒又は水含有有機溶媒で処理することを含む高分子タンニンゲルの製造方法。
(8)有機溶媒又は水含有有機溶媒による処理が水含有有機溶媒による透析である前記(7)に記載の方法。
(9)前記(1)〜(6)のいずれかに記載の方法によって得られる高分子タンニン高粘性溶液。
(10)前記(1)〜(8)のいずれかに記載の方法によって得られる高分子タンニンゲル。
タンニンは、植物の果実、葉、種子、樹皮、心材等から抽出される天然物であり、環境に優しい物質である。タンニンには、ピロガロール系の加水分解型タンニンとカテコール系の縮合型タンニンがある。
本発明において、高粘性溶液とは、処理前の高分子タンニン水溶液よりも粘度が高い溶液をいう。
R1−CO−N(R2)−CH(R3)−COOM (I)
(式中、R1は直鎖又は分岐鎖の炭素数7〜21のアルキル基又はアルケニル基を示し、R2は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基もしくはアルケニル基を示し、R3は水素原子又は−(CH2)pR4(R4は水素原子、水酸基又は−COOMを示し、pは1〜4の整数を示す。)を示し、Mは水素原子、アルカリ金属又はアルカノールアミンを示す。)
本発明には、必要に応じ本発明の効果を損なわない範囲で、各種添加剤を用いることができる。
1.カキタンニンの抽出と精製
<カキタンニンの抽出>
サンプルは2009年7月13日に鹿児島大学農学部付属唐湊果樹園で摘果した渋柿(品種:平種無)を用いた。
(1)まず包丁で果実の皮をむき、1センチ四方のダイズ状に切りジューサーを用いて果汁を絞り出した。
(2)その後果汁に含まれるKTの酸化防止のため0.5%となるようにL−アスコルビン酸を加えポリボトルに詰めて−20℃で冷凍保存した。
以下の実験では、この冷凍保存されたKT溶液を冷蔵庫や常温で自然解凍して用いた。
カキタンニン(KT)溶液に含まれる比較的大きな夾雑物を除去するために、KT溶液約180mlを遠心チューブに取り大型冷却遠心機(RB−18IV)を用いて7500rpmで30分間遠心分離した。その上澄み液を遠心チューブに約35ml取り更に15000rpmで30分間遠心分離し、無色透明な上澄み液をサンプルとして用いた(やや薄黄色や薄緑色を呈することもある)。
まず、KT溶液250mlと特級エタノール(ナカライテスク)250mlの混合液を調製した。エタノールを混合させる目的は、ろ過膜にKTが付着し、ろ過が滞留することを防ぐためである。このKT溶液とエタノールの混合液500mlをサンプルとし(エタノール濃度50%が特に好ましい)、連続15回(ろ液が100mlになると1回とカウントされる)の限外ろ過を行った。また、100mlろ過されると50%のエタノールが入った薄め液タンクから100ml自動的に補水された。連続15回のろ過を行うために薄め液タンクには1.5L以上の50%エタノールを準備した。
(80/100)15=0.03518
より夾雑物終濃度3.52%となった。通常、約70時間要した。ろ過の終了したKT溶液500mlを回収し、ロータリーエバポレータRII(BUCHI)でエタノールを蒸留除去した。最終液量は約250mlとなり、次にこのKT溶液の濃度を測定した。
精製カキタンニン:1%水溶液:無臭でかつほぼ無色透明である。
電気伝導度:188μS/cm、酸化還元電位:72.8mV、pH:6.6
5%水溶液の粘度:6.36cPの特性を持つ。
それ以外に、紫外部検出器を装備したゲル浸透クロマトグラフィーで高分子側にカキタンニン以外の高分子物質は検出されない。
(目的)
カテキンの標準曲線を用いてカキタンニン(KT)溶液の濃度を測定する。
ポリフェノールの還元性を利用して、アルカリ性でリンタングステン、モリブデン酸を還元して生じる青色を比色定量した。
前記1.において自動連続限外ろ過装置により精製したカキタンニン(KT)を用いて調製した。5.2%KT溶液に表3に示す各種界面活性剤を0%、1%、2%、4%となるように添加した。N−ラウロイルサルコシンナトリウム(NLS)においては、0%、1%、2%、4%、6%になるように添加した。また、n−ヘプチル−β−D−チオグルコシド(HTG)においては、0%、6%、8%になるように添加した。各濃度のサンプル量は2mlで、それぞれを試験管に用意した。コントロールは、RO水に前記と同じ濃度になるように界面活性剤を添加したものを用いた。界面活性剤を添加した全ての溶液をVORTEX−GENIE 2(エムエス機器(株))を用いて撹拌し、冷蔵庫で約30分間冷却した後、音叉振動式(SV−1H型)粘度計(エー・アンド・デイ(株))を用いて粘度を測定した。なお、測定温度は一律19.5℃で行った。
水含有アセトン(75%)で透析することによりカキタンニン(KT)の溶液中にあるN−ラウロイルサルコシンナトリウム(NLS)を除去した。
Claims (8)
- 高分子タンニン水溶液を、アルキルグリコシド系界面活性剤及びN−アシルアミノ酸系界面活性剤から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤で処理することを含む高分子タンニンの高粘性溶液又はゲルの製造方法。
- 高分子タンニンが縮合型タンニンである請求項1記載の方法。
- 縮合型タンニンがカキタンニンである請求項2記載の方法。
- アルキルグリコシド系界面活性剤がアルキルチオグリコシドである請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- N−アシルアミノ酸系界面活性剤がN−ラウロイルサルコシンもしくはN−ステアロイルグルタミン酸又はそれらの塩である請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- 界面活性剤がn−ヘプチル−β−D−チオグルコシドもしくはN−ラウロイルサルコシンナトリウム、又はこれらの組み合わせである請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法によって得られた高分子タンニン高粘性溶液を有機溶媒又は水含有有機溶媒で処理することを含む高分子タンニンゲルの製造方法。
- 有機溶媒又は水含有有機溶媒による処理が水含有有機溶媒による透析である請求項7記載の方法。
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