JP5607560B2 - 金属部品の製造方法 - Google Patents
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Description
(a)先ず、金属の平板を、金属部品形状の深さまで絞る絞り工程を行い、半割り筒部4と、フランジ5の基となる平面状のフランジ部を形成する。
(b)次に、前記フランジ部の中央部を、その外形が所定の形状となるように切り抜く端切り工程を行う。
(c)次に、フランジ部の一部を、切断すると共に、フランジ部に対して直角に曲げて切り曲げ部を形成する切り曲げ工程を行う。
(d)次に、前記切り曲げ部を、フランジ5の付け合せ面(半割り筒部4の突出側と反対側面)と同一平面に沿って切り抜く寄せ端切り工程を行う。
これにより金属部品2,3を製造する(例えば、特許文献1参照)。
金属板を、フランジ形成部において最も深い部位が、前記フランジの最終位置よりも深くなるように絞って、曲面状の余肉部を形成する余肉部形成工程と、
前記余肉部を塑性変形させて、前記フランジの最終位置に位置する平面状の部分と、前記曲がり部を形成する絞り工程とを有することを特徴とするものである。
前記余肉部を、前記フランジの最終位置よりも深く、かつ、前記余肉部形成工程において最も深く絞った位置よりも浅い位置まで絞って、平面状の予備フランジを形成する第1絞り工程と、
前記予備フランジを、前記フランジの最終位置まで突き出して、予備フランジの肉を、半割り筒部方向に向って塑性流動させて、前記平面状の部分と、前記曲がり部を形成する第2絞り工程とからなるとよい。
前記予備フランジを所定形状に切り抜く端切り工程と、
前記予備フランジの両側部の一部を、該予備フランジに対して直角となるように、切断しながら曲折して切り曲げ部を形成する切り曲げ工程を有し、
前記第2絞り工程の後に、
前記切り曲げ部を、前記平面状の部分における前記半割り筒部と反対側の面と同一平面に切り抜く寄せ端切り工程を有するとよい。
[実施例1]
図1乃至図9は本発明の実施例1を示す。
先ず、図2に示すように、前記金属板10を、第1のパンチ11と第1のダイ12との間に介在させた後に、図3に示すように、この金属板10を第1のパンチ11と第1のダイ12を用いて絞り加工を行い、複数の半割り筒部4と、隣り合う半割り筒部4,4間に全体的に下方へ湾曲する曲面状の余肉部13とを一体的に形成する。該余肉部13の最も深く絞った位置の下面13aは、図3に示すように、フランジ5の最終(製品)の下面5c(図4参照)の位置(以下において、最終位置という)P1よりも深く、すなわち、フランジ5の最終位置P1よりも半割り筒部4と反対側方向に位置するように形成する。
次に、図4に示すように、第2のパンチ15と第2のダイ16とを用いて絞り加工を行い、前記余肉部13を、その下面が、フランジ5の最終位置P1と同位置となるまで突き上げて平面状のフランジ部5aと、曲がり部6を形成する。このときの曲がり部6の曲率は、金属板10の材質、板厚、半割り筒部4、フランジ5の形状等により任意に設定する。
次に、図5に示すように、固定切刃17の上に、前記絞り工程で成形した中間品を載置し、その上部よりパッド18で前記中間品を押えた状態で、可動切刃20を前記中間品の上方から降下させて、フランジ部5aの中央部を、所定形状に切り抜く。図5における5dは、切り抜かれたスクラップを示す。
次に、図6に示すように、固定切刃21の上に、前記端切り工程で成形した中間品を載置し、その上部よりパッド22で前記中間品を押えた状態で、可動式の切り曲げ刃23を降下させて切り曲げる。この切り曲げの際に、フランジ部5aの両側部に位置し、図7において点線で示すように、接続部7となる部分7a,7a間に位置するフランジ部の一部5bと、その後方のフランジ部の本体部5eとの間24において切断するとともに、フランジ部の一部5bをフランジ部の本体部5eに対して下方に直角に曲げて、切曲げ部26を形成するとともに、フランジ5を形成する。
次に、図8に示すように、固定切刃28の上に、前記切り曲げ工程で成形した中間品を載置して、可動切刃29を、フランジ5の下面5cと同一平面に沿って、切曲げ部26方向に移動させ、切曲げ部26をフランジ5の下面5cと同一平面に沿って切り抜く。これにより、接続部7とその接合面7bが形成される。図8における26aは、切断された切曲げ部を示す。
本発明の製造方法は、曲面状の余肉部13を形成し、この余肉部13を突き上げてフランジ部5aと曲がり部6を形成したことにより、余肉部13の余肉(材料)を、絞り工程において曲がり部6方向に塑性流動させて、曲がり部6に集めることができる。そのため、本発明の曲がり部6は、前記従来技術の平板を一度の絞り工程で形成した曲がり部と比較して、曲がり部6の板厚を厚くすることができ、曲がり部6の外側の半径R2を、従来技術の外側の半径R1ものよりも小さくすることができる。これにより、図9に示すように、金属部品2,3のフランジ5,5同士を重ね合わせた時に、フランジ5,5の両端部に形成される三角状の空隙8を、従来技術のものよりも小さくでき、金属部品2,3同士の溶接の際の溶接不良を低減することができる。
前記実施例1においては、曲がり部6を成形した後に、フランジ部5aの一部を、切り曲げ工程により切り曲げるため、前記空隙8を小さくするために曲がり部6の外側の半径R2を小さくすると、切り曲げ工程により、曲げた部分の外側に、ショックラインが発生する虞がある。
前記実施例1と同様の金属板10を用い、本実施例においては、板厚tが2.5mmのステンレス製の平板を用いた。
先ず、図2,3に示すように、前記実施例1と同様に、前記金属板10を、第1のパンチ11と第1のダイ12を用いて絞り加工を行い、複数の半割り筒部4と、隣り合う半割り筒部4,4間に全体的に下方へ湾曲する曲面状の余肉部13とを一体的に形成する。該余肉部13の最も深く絞った位置の下面13aは、図3に示すように、フランジ5の最終位置P1よりも深くなるように形成する。
次に、図10に示すように、第3のダイ31と第3のパンチ32とを用いて絞り加工を行い、前記余肉部13を、その下面35bが、フランジ5の最終位置P1よりも深く、かつ、最も深く絞った位置よりも浅い位置に平面状の予備フランジ35が位置するように絞り加工を行って、予備フランジ35と、その予備フランジ35と半割り筒部4との間の予備曲がり部36を形成する。
次に、図11に示すように、前記実施例1と略同様に、固定切刃37の上に、前記絞り工程で成形した中間品を載置し、その上部よりパッド38で前記中間品を押えた状態で、可動切刃40を前記中間品の上方から降下させて、予備フランジ35の中央部を、所定形状に切り抜く。図11における35dは、切り抜かれたスクラップを示す。
次に、図12に示すように、前記実施例1と略同様に、固定切刃41の上に、前記端切り工程で成形した中間品を載置し、その上部よりパッド42で前記中間品を押えた状態で、可動式の切り曲げ刃43を降下させて切り曲げる。この切り曲げの際に、予備フランジ35の両側部に位置し、接続部7となる部分7a,7a間に位置する予備フランジ35の一部と、その後方の予備フランジ35の本体部との間(図7に示す符号24と同様の場所)において切断するとともに、予備フランジ35の一部を、予備フランジ35の本体部に対して下方に直角に曲げて、切曲げ部46を形成する。
次に、図13に示すように、前記切り曲げ工程で成形した中間品を第4のダイ47上に載置し、第4のダイ47と第4のパンチ48とを用いて、予備フランジ35を、その下面35bが、フランジ5の最終位置P1と同位置となるまで突き出し(突き上げ)て、フランジ5と曲がり部6を形成する。
次に、図14に示すように、前記実施例1と同様に、固定切刃28の上に、前記切り曲げ工程で成形した中間品を載置して、可動切刃29を、フランジ5の下面5cと同一平面に沿って、切曲げ部46方向に移動させ、切曲げ部46をフランジ5の下面5cと同一平面に沿って切り抜く。これにより、接続部7とその接合面7bが形成される。図14における46aは、切断された切曲げ部を示す。
本実施例2においても、前記実施例1と同様の作用、効果を奏することができる。
前記実施例1,2においては、接続部7を形成するために、端切り工程と、切り曲げ工程と、寄せ端切り工程を行ったが、特開2005−36724号公報に記載の排気マニホールドのように、接続部7を用いず半割り筒部4の先縁部とフランジ5の先縁部とが揃った金属部品2,3を用い、その半割り筒部4,4内に他の金属管を嵌合させて結合する場合には、前記実施例1,2における端切り工程と、切り曲げ工程と、寄せ端切り工程を行わずに、金属部品2,3を製造しても良い。
4 半割り筒部
5 フランジ
6 曲がり部
10 金属板
13 余肉部
35 予備フランジ
26,46 切り曲げ部
P1 フランジの最終位置
Claims (4)
- 複数の半割り筒部と、隣り合う半割り筒部間に設けた平面状のフランジと、前記半割り筒部とフランジとを連結する曲がり部を有する金属部品の製造方法において、
金属板を、フランジ形成部において最も深い部位が、前記フランジの最終位置よりも深くなるように絞って、曲面状の余肉部を形成する余肉部形成工程と、
前記余肉部を塑性変形させて、前記フランジの最終位置に位置する平面状の部分と、前記曲がり部を形成する絞り工程とを有することを特徴とする金属部品の製造方法。 - 前記絞り工程は、
前記余肉部を、前記フランジの最終位置よりも深く、かつ、前記余肉部形成工程において最も深く絞った位置よりも浅い位置まで絞って、平面状の予備フランジを形成する第1絞り工程と、
前記予備フランジを、前記フランジの最終位置まで突き出して、予備フランジの肉を、半割り筒部方向に向って塑性流動させて、前記平面状の部分と、前記曲がり部を形成する第2絞り工程とからなることを特徴とする請求項1記載の金属部品の製造方法。 - 前記予備フランジの形成位置は、前記フランジの最終位置に対して、前記金属板の板厚以下分だけ深いことを特徴とする請求項2記載の金属部品の製造方法。
- 前記第2絞り工程の前に、
前記予備フランジを所定形状に切り抜く端切り工程と、
前記予備フランジの両側部の一部を、該予備フランジに対して直角となるように、切断しながら曲折して切り曲げ部を形成する切り曲げ工程を有し、
前記第2絞り工程の後に、
前記切り曲げ部を、前記平面状の部分における前記半割り筒部と反対側の面と同一平面に切り抜く寄せ端切り工程を有することを特徴とする請求項2又は3記載の金属部品の製造方法。
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