JP5606621B2 - パネル駆動装置 - Google Patents
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Description
また、ガイド溝が上下方向に形成されているため、可動モニタが開ききった状態で上下方向の振動が加わった際にはガイドローラがガイド溝に沿って動くことができ、振動に対して弱いという課題もあった。
実施の形態1.
図1に示すパネル駆動装置1は、パネル2と本体装置3からなり、この本体装置3は樹脂製のパネル収納部4と金属製のシャーシ7とから構成されている。本体装置3の前面に設けられたパネル収納部4は、本体装置3の前方に開くことのできるパネル2を収納するものであり、音楽CD(Compact Disc)およびDVD(Digital Versatile Disc)等の記録媒体を本体装置3から出し入れするメディア挿入口5と、パネル2の下部を前後方向に往復駆動させるパネル下部駆動部材6が出入りする開口部とが開設されている。パネル2をパネル収納部4に収納した状態(以下、パネル収納状態)では、パネル2がパネル収納部4に起立状態で収納されている。一方、記録媒体を本体装置3から出し入れする際には、図1に示すように、パネル2の下部をパネル下部駆動部材6により前方に押し出しつつ回動させて開ききった状態(以下、パネル開状態)にしてメディア挿入口5を露出させる。
図2(a)はパネル駆動装置1のパネル収納状態の側面図であり、パネル2の側面上部に設けられたガイド機構の拡大図を図2(b)に示す。図3(a)はパネル開状態の側面図であり、ガイド機構の拡大図を図3(b)に示す。図4は、ガイド機構を図2(a)に示すAA線に沿って切断した断面図である。また、ガイド機構の斜視図を図5に、分解斜視図を図6に示す。
なお、図示例では粘弾性ローラ14を環状のゴム部材で形成し、内周面の溝をガイドローラ11の凸部に嵌合させて、ガイドローラ11に非同期で回転可能に取り付ける。また、粘弾性ローラ14が軸方向に粘弾性変形しやすいよう、肉厚にし、さらにローラ部13から離間させる。
なお、図示例では、パネル2の両側面に向いたパネル収納部4の壁面を一段高くして溝壁面16を形成しているが、これに限定されるものではなく、パネル2の背面に向いたパネル収納部4の壁面をそのまま溝壁面16として利用してもよい。
また、パネル2が開ききった状態では、粘弾性ローラ14がガイド溝15の下方向の溝壁面20に弾接する。
図7(a)および図7(b)は、パネル収納状態におけるガイド機構の断面図である。ガイド溝15に係合した粘弾性ローラ14は、このガイド溝15に設けられた収納側圧接部18により、パネル2を本体装置3側に押さえるように押し潰されている。そして、ガイドローラ11のローラ部13が、粘弾性ローラ14の弾性力により溝壁面16に押し付けられた状態となっている。このため、ローラ部13と溝壁面16とのがたつきが防止でき、異音が発生しない。
また、粘弾性ローラ14はローラ部13より外側(ガイド溝15の底面側)に取り付けられているので、横方向の振動が発生した場合、樹脂製のローラ部13はガイド溝15の底面に接触せず、粘弾性ローラ14の側面がガイド溝15の底面に弾接する。よって異音が発生しない。また、図示例ではガイドローラ11の先端側がガイド溝15の底面に接触することになるが、接触面積は小さいので、発生する異音も小さい。
一方、先立って説明した特許文献1では、弾性ローラがガイドローラのローラ部より内側に取り付けられているので、横方向の振動が発生した場合は、ガイドローラのローラ部の側面がガイド溝の底面に接触する。従って、本実施の形態1より大きい異音が発生することになる。
図8は、ガイド機構の変形例を示す断面図である。図8に示すように、粘弾性ローラ14の側面に、ガイドローラ11の先端面よりも飛び出した突出部22を設ける。これにより、矢印で示す横方向に振動が加わった場合、ガイド溝15の底面23と粘弾性ローラ14の突出部22とが接触するようになり、異音の発生を低減できる。
なお、図示例では粘弾性ローラ14に突出部22を設ける構成にしたが、これに限定されるものではなく、ガイドローラ11を変形して、粘弾性ローラ14の側面から先端面が飛び出さないようにしてもよい。
ねじれ方向に力が発生してガイドローラ11が傾いた状態を図9に示す。図9に示すように、粘弾性ローラ14の弾性力を受けて軸ガタの分だけガイドローラ11が傾き、軸穴12とガイド軸10とが常に当接した状態になるため、軸ガタが無く、振動による異音の発生を抑制できる。また、ローラ部13は粘弾性ローラ14の弾性力を受けて溝壁面16に片当たりした状態になるので、がたつかない。
パネル2を、図2に示すパネル収納状態から図3に示すパネル開状態へ回動させるためには、不図示の駆動装置によりパネル下部駆動部材6を本体装置3内からパネル2側へ押し出す。このとき、パネル2の上部はガイド溝15に係合された粘弾性ローラ14と、溝壁面16に当接したローラ部13とにより溝壁面16に沿って下方向へ移動しながら、終端の溝壁面20まで案内される。そのため、パネル2は下部を前方へスライド移動しながら回転支点8を中心に倒れることになる。
また、粘弾性ローラ14が収納側圧接部18を超えて下方向へ移動するとき、パネル2に働く捩りコイルばね9の付勢力により、ローラ部13が溝壁面16に押し付けられた状態で回転するので、がたつかない。
また、ガイドローラ11の軸穴12とガイド軸10とに隙間があっても、パネル収納状態の場合と同じようにガイドローラ11が傾いて軸穴12とガイド軸10とが常に当接した状態になるため、異音が発生しづらい。
一方、本実施の形態1ではガイド溝15とは別にガイド壁を設ける必要がないので、パネル2を開いたときに見える凹凸が少ない。また、本体装置3よりパネル2側の溝壁面17に凸部(収納側圧接部18と開側圧接部19)を設けたので、この凹凸はユーザから見えづらく、意匠性を損なうことは無い。
さらに、パネル収納部4を一段高くして溝壁面16を設けてローラ部13を当接する構成にしたが、パネル収納部4の壁面に直接ローラ部13を当接する構成にしてもよく、この構成の場合には意匠性をより向上させることができる。
また、上記構成に捩りコイルばね9を併用することで、ばね力でパネル2をガイド溝15終端の溝壁面20に押さえ付ける作用も働き、さらに異音の発生を抑制できる。
本実施の形態2では、ガイド機構における横方向の振動に対する異音対策を説明する。なお、ガイド機構以外のパネル駆動装置1の構成は図1〜図9の構成と同一であるため、以下ではこれらの図を援用して説明する。
図10に示すように、粘弾性ローラ14の側面からガイドローラ11の先端部24が飛び出したような形状にし、さらに、ガイド軸10とガイドローラ11との間にスプリングワッシャ(弾性部材)25を挿入して、ガイドローラ11の先端部24をガイド溝15の底面23に押し付ける構成にしてもよい。ガイドローラ11とガイド溝15の底面23との間の隙間が無くなり、また、スプリングワッシャ25により常にパネル2を左右両端から押さえるように保持力が働くため、横方向の振動に対し、耐振性能を向上させることができる。
なお、ガイドローラ11とパネル収納部4は共に樹脂部材であるため、先端部24を底面23に押し付けたとしても摺動抵抗は十分に小さく、パネル2の開閉動作に支障はない。
Claims (7)
- 本体装置の前面に配置されたパネルと、
前記本体装置の前面で前記パネルを起立状態に収納するパネル収納部と、
前記パネルの下部両側面に回動自在に連結され、前記パネルを回動させながら前後方向に駆動するパネル下部駆動部材と、
前記パネルの両側面に向いた前記パネル収納部の壁面に上下方向に形成された、断面がコの字状のガイド溝と、
前記パネルの上部両側面に回転自在に取り付けられ、前記ガイド溝の一方の壁面に沿って移動して前記パネルの上部を上下方向に案内するガイドローラと、
前記ガイドローラの先端側に取り付けられ、前記ガイド溝の前記一方の壁面に対面した他方の壁面に圧接して粘弾性変形し、前記ガイドローラを前記一方の壁面に押し付ける粘弾性ローラとを備え、
前記パネルと前記パネル下部駆動部材の連結部に、当該パネルを前記本体装置側に倒す方向に付勢する付勢部材を取り付け、
前記ガイド溝は、下方向の壁面で前記粘弾性ローラに弾接してパネルを開状態に支え、かつ、当該ガイド溝の前記本体装置より前記パネル側の壁面の、前記パネル開状態の前記粘弾性ローラが接する部分に凸部を設けて前記粘弾性ローラを圧接し、
前記粘弾性ローラは、径方向および軸方向に粘弾性変形可能な環状部材である
ことを特徴とするパネル駆動装置。 - ガイド溝の、本体装置よりパネル側の壁面に、粘弾性ローラを圧接する凸部を設けたことを特徴とする請求項1記載のパネル駆動装置。
- 粘弾性ローラは、ガイドローラのローラ部に離間して配置されることを特徴とする請求項1記載のパネル駆動装置。
- ガイドローラのローラ部は、粘弾性ローラよりも大径であって、かつ、当該粘弾性ローラに離間して配置されていることを特徴とする請求項1記載のパネル駆動装置。
- ガイドローラとパネルの間に、当該ガイドローラ先端側をガイド溝の底面に押し付ける弾性部材を取り付けたことを特徴とする請求項1記載のパネル駆動装置。
- 粘弾性ローラに圧接して軸方向に粘弾性変形させ当該粘弾性ローラと一体になったガイドローラをパネル側に押し付けるテーパ部を、ガイド溝に設けたことを特徴とする請求項1記載のパネル駆動装置。
- 粘弾性ローラは、ガイドローラとは非同期で回転可能に取り付けられたことを特徴とする請求項1記載のパネル駆動装置。
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