JP5604978B2 - 固形石けん組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、固形石けん組成物に関し、さらに詳しくは起泡性が良好で、クリーミーな泡質であり、使用後のしっとり感に優れ、ひび割れ、べたつきや発汗といった外観上の不具合が生じ難い固形石けん組成物に関する。
従来より顔や身体用の皮膚用洗浄剤には、脂肪酸塩である石けんが使用されている。石けんは容易に製造できると共に優れた起泡性を有し、さっぱりとした洗い上がりが好まれているためである。中でも固形石けんは最も一般的な皮膚用洗浄剤として広く使用されている。しかしながら、敏感肌の人の中には石けん特有の洗い上がりのさっぱり感をつっぱり感として感じる場合があった。
このような洗い上がりのつっぱり感を改善し、しっとりとした感触にする試みが数多くなされてきた。例えば、石けんに、グリセリンエステルや脂肪酸などの油分を添加する方法、アルギニンで中和した脂肪酸を使用する方法(特許文献1参照)、スルホコハク酸アルキル塩等、ベタイン型両性界面活性剤、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体および酸化チタン等の粉体を添加する方法(特許文献2参照)等が検討されてきた。
また、使用時の感触をさらに改善するため、泡質をクリーミーにすることが検討されてきた。泡質をクリーミーにする技術としては、例えば、石けんに、多価アルコールおよび脂肪酸アルカノールアミドを添加する方法(特許文献3参照)、トレハロースとモウソウチク抽出物を添加する方法(特許文献4参照)等が知られている。
しかしながら、使用感や泡質の改善がなされた上述の石けん組成物においても、使用感や泡質の改善が十分ではない場合があり、また固形石けんとしたときのひび割れや、透明固形石けんとしたときのべたつきや発汗といった外観上の不具合が生じるおそれがあった。
特開2001−329297号公報 特開2006−169453号公報 特開2002−60796号公報 特開2009−256535号公報
そこで本発明の目的は、起泡性が良好で、クリーミーな泡質であり、使用後のしっとり感に優れ、ひび割れ、べたつきや発汗といった外観上の不具合が生じ難い固形石けん組成物を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明者らは鋭意検討した結果、特定のアミノ酸誘導体、脂肪酸塩、特定の多価アルコールおよび水を特定の比率で組み合わせることで上記目的を達成できることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、下記(a),(b),(c)および(d)からなり、(a)+(b)+(c)+(d)の合計が100質量%である固形石けん組成物である。
(a)式(1)で示されるアルギニン誘導体0.01〜15質量%、
(b)脂肪酸塩30〜99質量%、
(c)グリセリン、スクロース、ソルビトール、グリコシルトレハロースから選ばれる1種以上の多価アルコール0.1〜50質量%、
(d)水
Figure 0005604978
(式中、R1およびR2はそれぞれ水素原子またはヒドロキシプロピル基であり、R1およびR2の少なくとも1つはヒドロキシプロピル基である。R3は水素原子、アルカリ金属原子、アルカノールアミンのカチオン性残基である。)
本発明によれば、起泡性が良好で、クリーミーな泡質であり、使用後のしっとり感に優れ、ひび割れ、べたつきや発汗といった外観上の不具合が生じ難い固形石けん組成物を得ることができる。
固形石けんにおけるひび割れ評価試験の模式図である。
以下、本発明の実施形態を説明する。本発明の固形石けん組成物は、下記(a)式(1)で示されるアルギニン誘導体、(b)脂肪酸塩、(c)グリセリン、スクロース、ソルビトール、グリコシルトレハロースから選ばれる1種以上の多価アルコールおよび(d)水からなる。
〔(a)アルギニン誘導体〕
本発明に用いられる(a)成分のアルギニン誘導体は式(1)で示され、式(1)中のR1およびR2は水素原子またはヒドロキシプロピル基であり、R1およびR2の少なくとも1つはヒドロキシプロピル基である。起泡性、泡質、しっとり感に優れる点で、R1およびR2がいずれもヒドロキシプロピル基であることがより好ましい。
Figure 0005604978
また、式(1)において、R3は水素原子、アルカリ金属原子、アルカノールアミンのカチオン性残基である。アルカリ金属原子としては、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム等が挙げられる。アルカノールアミンのカチオン性残基とは、式(1)中のR3が水素原子であるときのカルボン酸部分とアルカノールアミンとで形成される塩において、カルボン酸由来のアニオン性部分を除くカチオン性部分のことをいう。アルカノールアミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどが挙げられる。
本発明においては、これらアルギニン誘導体のうちから1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の上記式(1)で表されるアルギニン誘導体は、アルギニンとプロピレンオキシドを水溶媒中、無触媒で反応させることにより得ることができる。具体的には、所定濃度のアルギニン水溶液を調製し、pH無調整で、加温しながら、撹拌下、プロピレンオキシドを滴下しながら反応を行うことで、式(1)で表されるアルギニン誘導体が得られる。但し、式(1)中のR3がアルカリ金属原子またはアルカノールアミンのカチオン性残基である場合、アルギニンとプロピレンオキシドとの反応の後、水酸化ナトリウム、アルカノールアミンといったアルカリ剤と反応させることにより、式(1)で表されるアルギニン誘導体を得ることができる。また、得られたアルギニン誘導体を種々の有機酸や無機酸でpH調製をすることで、アルギニン誘導体の酸付加塩としてもよい。
なお、本発明においては、反応終了後のアルギニン誘導体含有水溶液を用いて本発明の固形石けん組成物を調製しても良い。また、出発原料としてのアルギニンは、D体、L体およびDL体のいずれも使用することができる。
〔(b)脂肪酸塩〕
本発明で使用する(b)成分の脂肪酸塩は、例えば炭素数12〜18を主とする脂肪酸と塩基性化合物とを反応させて得られるものである。
脂肪酸としては、牛脂、ヤシ油、パーム油、パーム核油、オリーブ油、コーン油、ヒマワリ油、ナタネ油、キャノーラ油、ダイズ油、ヒマシ油やこれらの油脂の硬化油、半硬化油等から得られる脂肪酸またはそれらを精製して得られる脂肪酸や純度を上げた単体脂肪酸を使用することができ、前述の油脂そのものや脂肪酸メチルエステルも使用することができる。泡立ち、泡質の点から、牛脂、パーム油、オリーブ油、ヒマワリ油等から得られる長鎖脂肪酸と、ヤシ油、パーム核油等から得られる中鎖脂肪酸とが質量比5/5〜9/1(長鎖脂肪酸/中鎖脂肪酸)で混合された混合脂肪酸、または炭素数12〜18の飽和脂肪酸を組み合わせたものを用いるのが好ましい。
塩基性化合物としては、アルカリ金属、または上述のアルカノールアミンが用いられ、泡立ち、泡質の点から好ましくはアルカリ金属の水酸化物である水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が用いられる。
〔(c)多価アルコール〕
本発明で使用する(c)成分はグリセリン、スクロース、ソルビトール、グリコシルトレハロースから選ばれる1種以上の多価アルコールである。透明固形石けんを調製する場合には、これらの多価アルコールを二種以上併用するのが好ましい。
〔各成分の含有量〕
本発明の固形石けん組成物における各成分の含有量は、それぞれ(a)成分が0.01〜15質量%、(b)成分が30〜99質量%、(c)成分が0.1〜50質量%、残部が(d)成分の水であり、(a)+(b)+(c)+(d)の合計が100質量%である。
本発明に使用する(a)成分は0.01〜15質量%であり、好ましくは0.1〜15質量%、より好ましくは0.5〜14質量%である。(a)成分が0.01質量%未満では、クリーミーな泡質としっとり感が得られない場合がある。一方、(a)成分が15質量%を超えても配合量に見合った効果が得られず経済的に不利である。
本発明で使用する(b)成分は30〜99質量%であり、好ましくは33〜95質量%、より好ましくは35〜90質量%である。(b)成分が30質量%未満であると、十分な泡立ちが得られない場合がある。
本発明で使用する(c)成分は0.1〜50質量%であり、好ましくは0.3〜45質量%、より好ましくは0.5〜40質量%である。また本発明の固形石けん組成物を透明固形石けんとする場合には、(c)成分を30〜50質量%含有させるのが好ましい。(c)成分が0.1質量%未満であると、しっとり感が得られない場合やひび割れが生じる場合があり、50質量%を超えると十分な泡立ちが得られない場合や、透明固形石けんとしたときにべたつきや発汗を生じる場合がある。
本発明で使用する(d)成分の水は、機械練り方式で固形石けんとする場合は8〜16質量%、枠練り方式で固形石けんとする場合は12〜25質量%であることが、本発明の固形石けん組成物を効率よく生産できるため好ましい。
本発明の固形石けん組成物は、機械練り方式または枠練り方式で製造することができるが、透明固形石けんを製造する場合には、枠練り方式が好ましい。枠練り方式で透明固形石けんを製造するには、例えば、あらかじめ溶解した脂肪酸あるいは脂肪酸エチルエステルに、(c)成分の多価アルコール、エタノールおよび水を加え、塩基性化合物で中和した後、さらに(a)成分のアルギニン誘導体を加える。なお、式(1)中のR3がアルカリ金属原子またはアルカノールアミンのカチオン性残基であるアルギニン誘導体を(a)成分として用いる場合には、脂肪酸あるいは脂肪酸エチルエステルとともに、式(1)中のR3が水素原子であるアルギニン誘導体を塩基性化合物で中和しても良い。次に、型枠に流し込んで石けんを固化した後、適当な大きさに切り取って乾燥室で乾燥する。乾燥後、荒磨き、型打ち、仕上げ磨きを行うことにより枠練り、透明固形石けんを得ることができる。
本発明で得られる固形石けん組成物は粉砕工程や乾燥工程、分球工程等を経て粉末石けんとして用いてもよい。
本発明の固形石けん組成物には、本発明の特徴を損なわない範囲で、洗浄剤に通常用いられる成分、例えば、油性原料、保湿剤、界面活性剤、増粘剤、酸化防止剤、キレート剤、香料、着色料、動植物抽出物等を適宜配合することができる。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。まず、本発明の実施例で用いるアルギニン誘導体1、2の合成例を示す。
〔アルギニン誘導体1の合成例〕
L−アルギニン174g(1モル)をイオン交換水406gに溶解し、オートクレーブに仕込み、オートクレーブ内の空気を乾燥窒素で置換した。次に60℃にオートクレーブを加温し、滴下装置によりプロピレンオキシド58g(1モル)を1時間かけて徐々に滴下し、滴下終了後、さらに6時間攪拌した。反応終了後、30分間乾燥窒素でバブリングして未反応のプロピレンオキシドを除去し、オートクレーブから反応生成物を取り出した。この反応生成物に対し、固形分濃度が25質量%になるようにイオン交換水を加え、アルギニン誘導体の25質量%水溶液を調製した。L−アルギニンおよびアルギニン誘導体1の25質量%水溶液の全アミン価はそれぞれ642.0および122.3であり、全アミン価より求めたアルギニン誘導体1の平均付加モル数は0.94モルであった。なお、全アミン価の測定は「医薬部外品原料規格2006(薬事日報社編) 別記II 規格各条」掲載の「L−アルギニン」の「定量法」に準じて行った。
〔アルギニン誘導体2の合成例〕
L−アルギニン174g(1モル)をイオン交換水406gに溶解し、オートクレーブに仕込み、オートクレーブ内の空気を乾燥窒素で置換した。次に60℃にオートクレーブを加温し、滴下装置によりプロピレンオキシド116g(2モル)を1時間かけて徐々に滴下し、滴下終了後、さらに6時間攪拌した。反応終了後、30分間乾燥窒素でバブリングして未反応のプロピレンオキシドを除去し、オートクレーブから反応生成物を取り出した。この反応生成物に対し、固形分濃度が25質量%になるようにイオン交換水を加え、アルギニン誘導体の25質量%水溶液を調製した。アルギニン誘導体1と同様に、全アミン価を測定した結果、アルギニン誘導体2の25質量%水溶液の全アミン価は99.6であり、全アミン価より求めたアルギニン誘導体2の平均付加モル数は1.84モルであった。
アルギニン誘導体1,2と、表1に示す組成の混合脂肪酸1〜4と、表2に示す塩基性化合物と、表3に示す共通配合原料を用いて、下記の方法により表4および表5に示す固形石けんを調製した。なお、混合脂肪酸1〜4はパーム微水添脂肪酸とヤシ系脂肪酸または単体脂肪酸を適宜配合して調製した。表1中のC12はラウリン酸、C14はミリスチン酸、C16はパルミチン酸、C18はステアリン酸、C18:1はオレイン酸、C18:2はリノール酸、C18:3はリノレン酸である。表1に示す原料脂肪酸のヨウ素価は基準油脂試験法3.3.3-1996に準じて測定した。
〔調製例1(実施例1)〕
5L双腕式混練機(入江商会(株)製PNV−5型)を用いてパーム油半硬化脂肪酸700g、ヤシ油脂肪酸300gを70℃で溶解した後、表2に示す塩基性化合物の28%塩基性化合物水溶液を用いて中和した。中和点はフェノールフタレイン指示液を用いて確認した。加熱攪拌により水分10質量%程度まで乾燥し石けん素地を得た。この石けん素地に表3に示す共通配合成分、表4に示す(a)成分および(c)成分を所定の割合で添加して、口金にハチノス状の金具を付けたプロッダー(日本化工機(株)製「ミニソーププロッダー」)とロールミル(アイメックス(株)製「BR-150型ベンチロール」)で3回混練した後、プロッダーでソープバーとし、これを足踏み式型打ち機で型打ちして、60×40×15mmの大きさの固形石けんを得た。得られた固形石けんの乾燥減量をJIS-K3304 に準じて測定し、これを水の含量とした。
実施例及び比較例には以下の化合物を使用した。
グリセリン・・・・・・・日油(株)「RG」
スクロース・・・日本粉末薬品(株)「日本薬局方白糖」
ソルビトール・・・東和化成工業(株)「ソルビット D−70」
グリコシルトレハロース・・・(株)林原生物化学研究所「トルナーレ」
ラウリン酸・・・・・・日油(株)「NAA−122」
L−アルギニン・・・味の素ヘルシーサプライ(株)「L−アルギニンCグレード」
グルタミン酸アルギニン・・・味の素ヘルシーサプライ(株)「L−アルギニンL−グルタミン酸」
ヤシ脂肪酸アルギニン・・・味の素ヘルシーサプライ(株)「アミノソープAR−12」
28%塩基性化合物水溶液・・・試薬特級グレードの塩基性化合物に蒸留水を加え濃度28質量%とした。
Figure 0005604978
Figure 0005604978
Figure 0005604978
表4および表5に示す組成(質量%)で、調製例1と同様に調製して、実施例2〜5、比較例1〜4の固形石けんを得た。得られた実施例1〜5および比較例1〜4の固形石けんに対し、起泡性、泡質、しっとり感、ひび割れについて、それぞれ下記の基準によって評価を行った。
(起泡性)10名の女性(10代〜30代)をパネラーとし、石けんを手に取って泡立てた際の泡立ちについて下記の基準に基づき評価した。
2点・・泡が速やかに立ち、良好な泡立ちと感じた場合
1点・・泡が立つまで若干時間を要すると感じた場合
0点・・泡が立つまで非常に時間を要し、泡立ちが悪いと感じた場合
なお、全てのパネラーの合計点から以下の通り判定した。
○・・合計点が14〜20点であり、かつ0点を付けた人がいない。
△・・合計点が7〜13点である。
×・・合計点が0〜6点である。
(泡質)10名の女性(10代〜30代)をパネラーとし、石けんを泡立てた際の泡質について下記の基準に基づき評価した。
2点・・非常にクリーミーな泡質であると感じた場合
1点・・少しクリーミーであるがさらにクリーミーであることが望ましいと感じた場合
0点・・クリーミーではないと感じた場合
なお、全てのパネラーの合計点から以下の通り判定した。
○・・合計点が14〜20点であり、かつ0点を付けた人がいない。
△・・合計点が7〜13点である。
×・・合計点が0〜6点である。
(しっとり感)10名の女性(10代〜30代)をパネラーとし、石けんの使用感について下記の基準に基づき評価した。
2点・・つっぱり感、ぬめり感がなく、洗い上がりが良好である。
1点・・わずかにつっぱり感、ぬめり感がある。
0点・・つよいつっぱり感、ぬめり感がある。
なお、全てのパネラーの合計点から以下の通り判定した。
○・・合計点が14〜20点であり、かつ0点を付けた人がいない。
△・・合計点が7〜13点である。
×・・合計点が0〜6点である。
(ひび割れ)固形石けんを約20℃の水中に90分間浸漬したのち取り出し、一昼夜20℃恒温槽で放置乾燥した。放置後の石けん表面の亀裂を観察し、下記の基準で評価した。なお、図1に示すように、固形石けん1は、鰐口状に折り曲げた針金2の端部で挟んで固定し、針金2の頂部を糸3で吊るして、水中への浸漬および放置乾燥を行い試験した。
○・・全くひび割れがない。
△・・浅い、または小さいひび割れがある。
×・・深い、または大きいひび割れがある。
Figure 0005604978
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表4に示すように実施例1〜5では、(a)成分の式(1)で示されるアルギニン誘導体を0.01〜15質量%、(b)成分の脂肪酸塩を30〜99質量%、(c)成分の多価アルコールを0.1〜50質量%含有することによって、いずれも良好な起泡性、泡質、しっとり感およびひび割れ防止効果を有する固形石けんを得ることができる。
これに対して表5の比較例1は、式(1)で示されるアルギニン誘導体を含有しないので、泡質、しっとり感、ひび割れ防止で十分な効果が得られていない。また比較例2は、式(1)で示されるアルギニン誘導体を用いずに、L−アルギニンを含有するので、起泡性、ひび割れ防止効果が不十分であり、実施例3はグルタミン酸アルギニンを含有するので、泡質、ひび割れ防止効果が不十分であり、実施例4はヤシ脂肪酸アルギニンを含有するので、泡質、しっとり感およびひび割れ防止効果が不十分であった。
さらに、アルギニン誘導体1,2と、表1に示す組成の混合脂肪酸1〜3と、表6に示す塩基性化合物と、表7に示す共通配合原料を用いて、下記の方法により表8に示す透明固形石けんを調製した。
〔調製例2(実施例6)〕
還流装置と攪拌機を有する四ツ口フラスコを用いて、温度80℃でパーム油微水添脂肪酸700gとラウリン系脂肪酸300gを混合溶解する。ついで、攪拌しながら水150gとエタノール600gを加える。つぎに、あらかじめ調製した表6に示す塩基性化合物の28%塩基性化合物水溶液(水酸化ナトリウム/水酸化カリウム=100%/0%)をゆっくりと加え均一になるまで攪拌混合する。つぎに、表7の共通配合成分、表8に示す(a)成分および(c)成分を所定の割合で加え、均一に混合する。少量を取り出しフェノールフタレイン指示薬にて微紅色であることを確認する。微紅色でなければ、28%塩基性化合物水溶液または脂肪酸により調整する。
つぎに、円筒形の型枠(φ65mm)に流し込み、室温で12時間放冷して固化する。完全に固化したことを確認し型枠より取り出し、厚み30mmに切る。切断した透明固形石けんを1ヶ月間室温にて乾燥する。ついで、型打ち、磨きを行い、さらに一夜乾燥させた後に仕上げ磨きを行って直径65mm、厚み23mmの大きさの透明固形石けんを得た。
Figure 0005604978
Figure 0005604978
表8に示す組成(質量%)で、調製例2と同様に調製して、実施例7〜9、比較例5および6の透明固形石けんを得た。得られた実施例6〜9および比較例5,6の透明固形石けんに対し、起泡性、泡質、しっとり感について固形石けんと同様の基準で評価し、さらに、透明性とべたつきや発汗について下記の基準によって評価を行った。
(透明性)10名のパネラー(10代〜30代)により、透明固形石けんの透明性を目視にて、また4ポイントのカタカナを書いた紙の上に透明固形石けんを乗せることにより判定し、10名の合計値を求めて評価した。
2点・・・曇りがなく透明であり、4ポイントの文字が容易に判別できる。
1点・・・わずかに曇りがあるが透明であり、4ポイントの文字が判別できる。
0点・・・曇りや濁りがあり、4ポイントの文字を判別できないか、一部または全部が白濁している。
なお、全てのパネラーの合計点から以下の通り判定した。
○・・・合計点が14〜20点で、かつ0点を付けた人がいない。
△・・・合計点が7〜13点で、かつ0点を付けた人がいない。
×・・・合計点が0〜6点であるか、または0点を付けた人がいる。
(べたつき・発汗)湿度85%(温度23℃)の恒温槽に12時間放置した後の試料の表面の状態を目視及び手触りにより以下の判定基準で判断した。
○・・・べたつきや発汗は認められない。
△・・・わずかにべたつきや発汗が認められる。
×・・・顕著にべたつきや発汗が認められる。
Figure 0005604978
表8に示すように実施例6〜9では、(a)成分の式(1)で示されるアルギニン誘導体を0.01〜15質量%、(b)成分の脂肪酸塩を30〜99質量%、(c)成分の多価アルコールを0.1〜50質量%含有することによって、優れた透明性を有すると共にべたつきや発汗が起こりにくく、また使用時の起泡性に優れると共にクリーミーな泡質で使用感に優れ、使用後はしっとりとした保湿効果に優れた枠練り透明固形石けんが得られることが判る。
これに対して、比較例5は、式(1)で示されるアルギニン誘導体を含有しないので、泡質、しっとり感、べたつき・発汗で十分な効果が得られていない。比較例6は、式(1)で示されるアルギニン誘導体を用いずに、L−アルギニンを含有するので、起泡性、透明性が不十分であった。
1:固形石けん
2:針金
3:糸

Claims (1)

  1. 下記(a),(b),(c),(d)からなり、(a)+(b)+(c)+(d)の合計が100質量%である固形石けん組成物。
    (a)式(1)で示されるアルギニン誘導体0.01〜15質量%、
    (b)脂肪酸塩30〜99質量%、
    (c)グリセリン、スクロース、ソルビトール、グリコシルトレハロースから選ばれる1種以上の多価アルコール0.1〜50質量%、
    (d)水
    Figure 0005604978
    (式中、R1およびR2はそれぞれ水素原子またはヒドロキシプロピル基であり、R1およびR2の少なくとも1つはヒドロキシプロピル基である。R3は水素原子、アルカリ金属原子、アルカノールアミンのカチオン性残基である。)
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