JP5604080B2 - 糸条交絡装置 - Google Patents

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Description

本発明は、走行する糸に交絡を付与する糸条交絡装置に関する。
特許文献1に記載の糸条交絡装置においては、複数の交絡片が、一方向に配列された状態で互いに接合されている。各交絡片には、それぞれ、上記一方向に関する一方の側面において開口した糸走行空間、他方の側面において開口した流体噴射孔、及び、流体噴射孔に連通する流体供給流路が形成されており、隣接する2つの交絡片が互いに接合されることにより、一方の交絡片に形成された糸走行空間と、他方の交絡片に形成された流体噴射孔とが連通する。また、これら2つの交絡片が互いに接合されることにより、これらの接合面の間に、糸走行空間に糸を挿入するためのスリット(糸挿入隙間)が形成される。
そして、糸がスリットから糸走行空間に挿入され、この糸が糸走行空間を走行している状態で、流体噴射孔から糸走行空間に空気などの流体が噴射されると、糸走行空間内の流体の流れによってこの糸に交絡が付与される。このとき、糸走行空間は、糸の走行方向及びスリットから糸走行空間への糸の挿入方向と直交する方向に関して奥広がりになっているため、流体噴射孔から糸走行空間に噴射された流体は、糸走行空間内を螺旋状に流れる。そして、この螺旋状の流体の流れにより、効率よく糸に交絡を付与することができる。
特開2009−108441号公報
ここで、このように2つの交絡片を接合することによって、糸走行空間と流体噴射孔とを連通させる場合、2つの交絡片の接合面における平面度が低いと、2つの交絡片の接合面の間に不要な隙間ができ、スリットから糸走行空間に糸が挿入される際に、糸がこの隙間に引っかかってしまう虞がある。あるいは、交絡片がセラミックス材料などにより形成されている場合には、2つの交絡片の接合面における平面度が低いと、接合時に交絡片に力が加えられたときに、接合面の一部分に応力が集中して、交絡片が破損してしまう虞もある。交絡片の接合面の平面度が高く、2つ部材の接合面が十分に密着していれば、これらの問題は生じないが、このためには、交絡片の接合面を平面度の高いものとする研磨加工など工程などが必要となり、糸条交絡装置の製造に手間がかかることとなる。
本発明の目的は、糸の引っかかりや、製造時の破損が生じにくく、且つ、製造が容易な糸条交絡装置を提供することである。
第1の発明に係る糸条交絡装置は、交絡対象としての糸が走行する糸走行空間と、前記糸走行空間に連通しており、糸をその走行方向と直交する挿入方向から前記糸走行空間に挿入可能とする糸挿入隙間と、前記糸走行空間に流体を噴射するための流体噴射孔とを備えており、前記糸走行空間が、前記走行方向及び前記挿入方向と直交する方向に関して奥広がりであり、前記糸走行空間、前記糸挿入隙間及び前記流体噴射孔が、1つの基材に形成され、前記基材がセラミックス材料からなり、前記走行方向及び前記挿入方向と直交する方向において、前記糸挿入隙間が、前記糸走行空間よりも狭く、前記糸走行空間及び前記糸挿入隙間の壁面が、前記セラミックス材料の結晶成長により形成された凹凸を有する面となっており、前記糸走行空間及び前記糸挿入隙間の壁面における表面粗さRaの値が0.3〜1.2の範囲にあることを特徴とするものである。
これによると、糸走行空間が奥広がりになっているため、流体噴射孔から糸走行空間に噴射された流体は、螺旋状に糸走行空間を流れることとなり、この螺旋状の流体の流れにより糸走行空間内の糸に効率よく交絡を付与することができる。
さらに、糸走行空間、糸挿入隙間及び流体噴射孔が1つの基材に形成されているため、2つの部材が互いに接合されることによってこれらが形成されている場合のような接合面が存在しない。したがって、上述したような糸が接合面の間の隙間に引っかかったり、部材の接合時に、平面度が低い接合面の一部に応力が集中して、部材が破損したりするといった問題が生じることもない。
また、上述したような接合面が存在しないため、接合面の平面度を高くするために研磨加工を行う必要などもなく、糸条交絡装置を容易に製造することができる。
また、これによると、凹凸のある糸走行空間及び糸挿入隙間の壁面と、糸との接触面積が小さくなり、その結果、糸の毛羽立ちを防止することができる。
また、基材においては、糸走行空間や糸挿入隙間の壁面以外の部分においてもセラミックス材料が結晶成長することとなるが、上述したのと同様、糸走行空間、糸挿入隙間及び流体噴射孔が1つの基材に形成されているため、2つの部材が互いに接合される場合のような接合面がなく、接合面の間の隙間に糸が引っかかったり、接合時に部材が破損したりすることがない。
また、これによると、糸走行空間の壁面及び糸挿入隙間の壁面と糸との接触面積を確実に小さくすることができ、糸の毛羽立ちを効果的に防止することができる。
本発明によれば、糸を効率よく交絡することができる。さらに、糸走行空間、糸挿入隙間及び流体噴射孔が、2つの部材が互いに接合されることによって形成されている場合のような、接合面の間の隙間に糸が引っかかったり、部材の接合時に接合面の一部分に応力が集中して部材が破損したりするといった問題が生じることもない。また、糸条交絡装置を容易に製造することができる。
第1実施形態に係る糸条交絡装置の斜視図である。 図1のII−II線断面図である。 図2の一点鎖線で囲まれた部分の拡大図である。 第1実施形態において、糸条交絡装置が2つの部材が接合されることによって形成されているとした場合の図2相当の図である。 第2実施形態に係る糸条交絡装置ユニットの斜視図である。 図5のVI−VI線断面図である。 第2実施形態において、糸条交絡装置が2つの部材が接合されることによって形成されているとした場合の図6相当の図である。 一変形例における図6相当の図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1形態に係る糸条交絡装置の構成を示す斜視図である。図2は、図1のII−II線断面図である。図3は、図2の一点鎖線で囲まれた部分の拡大図である。なお、第1実施形態では、図1〜図3に示すように、糸走行方向、糸挿入方向及び高さ方向を規定して説明を行う。ここで、糸走行方向、糸挿入方向及び高さ方向は、互いに直交している。
図1〜図3に示すように、第1実施形態に係る糸条交絡装置1は、アルミナなどのセラミックス材料からなる基材11に、糸走行空間12、糸挿入隙間13、流体噴射孔14、流体供給流路15、2つのボルト取り付け孔16などが形成されたものであり、取り付け板9の上面に配置されている。ここで、取り付け板9は、例えば、マルチフィラメント糸Yを製造する紡糸機と、マルチフィラメント糸Yをボビンに巻き取る巻き取り装置との間の搬送経路の途中に設けられる、交絡部材1を設置するための部材である。
また、基材11は、略直方体形状を有しており、糸挿入隙間13よりも下側の部分が、上側の部分よりも、図2の左方に突出している。また、基材11は、図2における左側の壁面11aが、高さ方向に関して糸挿入隙間13に近い部分ほど、糸挿入方向に関して基材11の内側(図2の右側)に入り込んだ曲面となっている。
糸走行空間12は、基材11の高さ方向に関する略中央部に形成されており、糸走行方向に関して基材11の全長にわたって延びているとともに、基材11の糸走行方向に関する両端面において開口している。
また、糸走行空間12は、挿入部12aと奥部12bとからなる。挿入部12aは、糸走行空間12の下端部を形成している部分であり、糸挿入方向に関する幅が、糸走行方向の全長にわたって一定となっている。また、後述するように、糸走行空間12には、挿入部12a側からマルチフィラメント糸Yが挿入される。奥部12bは、挿入部12aの上端に接続されており、糸走行方向から見て糸挿入方向を長手方向とする略楕円形状であるとともに、糸挿入方向に関する幅が挿入部12aよりも広くなっている。そして、このように、挿入部12aと奥部12bとからなる糸走行空間12は、糸走行方向及び糸挿入方向と直交する高さ方向に関して奥広がりになっている。
糸挿入隙間13は、挿入部12aの図2における左側の壁面の下端部から左方に、基材11の図中左側の壁面まで延びており、この壁面において開口している。より詳細には、糸挿入隙間13は、基材11の図2における左側の側面のうち、糸挿入方向に関して最も基材11の内側に入り込んだ部分において開口している。また、糸挿入隙間13は、糸走行空間12と同様、糸走行方向に関して、基材11の全長にわたって延びているとともに、基材11の糸走行方向に関する両端面において開口している。
また、図3において太線で示す、糸走行空間12及び糸挿入隙間13の壁面は、基材11を形成するセラミックス材料の結晶成長により形成された凹凸を有する面となっており、その表面粗さRaが0.8程度となっている。ここで、表面粗さRaとは、日本工業規格(JIS)によって定義された、表面の粗さを示す尺度のことであり、粗さ曲線を中心線から折り返し、その粗さ曲線と中心線によって得られた面積を長さで割った値をマイクロメートルで表わしたものである。
そして、このように、糸走行空間12及び糸挿入隙間13が形成されていることにより、図1〜図3に示すように、糸走行方法に延びたマルチフィラメント糸Yを、糸挿入隙間13の図3における左側の開口から挿入部12a、さらには奥部12bに挿入することができるようになっている。
このとき、基材11の壁面11aは、高さ方向に関して糸挿入隙間13に近づくほど、糸挿入方向に関して基材11の内側に入り込んだ曲面となっているため、マルチフィラメント糸Yを壁面11aに沿って移動させることにより、マルチフィラメント糸Yを容易に糸挿入隙間13に挿入することができる。
さらに、糸挿入隙間13の壁面が、凹凸を有する面となっているため、この面を凹凸の非常に小さい(例えば、表面粗さRaが0.1〜0.2程度の)面とした場合と比較して、糸挿入隙間13の壁面とマルチフィラメント糸Yとの接触面積が小さくなる。これにより、マルチフィラメント糸Yが糸挿入隙間13を通過する際に、マルチフィラメント糸Yが、糸挿入隙間13の壁面との摩擦によって毛羽立ってしまうのを防止することができる。
そして、糸挿入隙間13から糸走行空間12に挿入されたマルチフィラメント糸Yは、糸走行空間12内を走行する。このとき、糸走行空間12の壁面が、凹凸を有する面となっているため、この面を凹凸の非常に小さい面とした場合と比較して、糸走行空間12の壁面とマルチフィラメント糸Yとの接触面積が小さくなる。これにより、糸走行空間12を走行するマルチフィラメント糸Yが、糸走行空間12の壁面との摩擦によって毛羽立ってしまうのを防止することができる。
流体噴射孔14は、挿入部12aの下側の壁面の、糸走行方向に関する略中央部から下方に延びている。また、流体噴射孔14は、糸挿入方向に関する長さが挿入部12aよりも短くなっている。なお、流体噴射孔14の糸挿入方向に関する長さは、挿入部12aよりも短いことには限られず、挿入部12a以上となっていてもよい。
流体供給流路15は、流体噴射孔14の下方に配置されており、その上端が、流体噴射孔14に連通しているとともに、その下端が、取り付け板9に形成された、空気などの流体が流れる流体流路8に連通している。
そして、このように流体噴射孔14及び流体供給流路15が形成されていることにより、流体流路8を流れる流体が、流体供給流路15を流れて流体噴射孔14から糸走行空間12に噴射される。このとき、糸走行空間12に噴射された流体は、流体噴射孔14から糸走行方向の両側に流れる。さらに、糸走行空間12は、上述したように高さ方向に関して奥広がりになっているため、糸走行空間12に噴射された流体は、図3に矢印で示したように、挿入部12a及び奥部12bを上方に流れて奥部12bの上側の壁面に衝突し、衝突した流体は、さらに奥部12bの壁面に沿って流れる。
以上のことから、流体噴射孔14から糸走行空間12に噴射された流体は、糸走行空間12内を、螺旋状に流れてその糸走行方向に関する両端部の開口から外部に流れ出る。そして、糸走行空間12内を走行するたマルチフィラメント糸Yには、この螺旋状の流体の流れにより効率よく交絡が加えられる。
2つのボルト取り付け孔16は、基材11の図2における右端部に配置されている。また、2つのボルト取り付け孔16は、糸走行方向に配列されているとともに、基材11をその高さ方向に貫通している。そして、ボルト取り付け孔16にボルト7が取り付けられることにより、糸条交絡装置1が、取り付け板9に固定されている。
ここで、糸条交絡装置1の製造方法について説明する。糸条交絡装置1を製造するには、例えば成型などによって、糸走行空間12、糸挿入隙間13、流体噴射孔14、流体供給流路15、2つのボルト取り付け孔16などが形成された基材11を形成し、この基材11を焼成する。
続いて、糸走行空間12及び糸挿入隙間13の壁面を研磨加工することによって、これらの壁面を凹凸の非常に小さい(例えば、表面粗さRaが0.1〜0.2程度の)面とする。次に、基材11を、上記焼成時の焼成温度よりも高い温度(例えば1000℃程度)で加熱することにより、基材11を形成するセラミックス材料を結晶成長させる。これにより、凹凸が非常に小さい面であった糸走行空間12及び糸挿入隙間13の壁面が、凹凸を有する(例えば、表面粗さRaが0.8程度の)面となる。以上のようにして、糸条交絡装置1は製造される。
ここで、本実施の形態とは異なり、例えば、図4に示すように、糸条交絡装置が、糸走行空間12が形成された部材31と、流体噴射孔14及び流体供給流路15が形成された部材32とが互いに接合されたもの(以下、糸条交絡装置30とする)であり、部材31と部材32とが接合されることによって、その接合面の間に糸挿入隙間13が形成されたものであるとすると、セラミックス材料の結晶成長のために部材31、32を加熱したときに、部材31、32は、糸走行空間12及び糸挿入隙間13以外の部分においても結晶成長が起こり、その結果、部材31、32の接合面が平面度の低いものとなってしまう。
そして、部材31、32の接合面における平面度が低いと、部材31と部材32とを接合したときに、これらの接合面の間に不要な隙間ができてしまい、糸挿入隙間13から糸走行空間12にマルチフィラメント糸Y糸を挿入する際に、マルチフィラメント糸Yがこの隙間に引っかかってしまう虞がある。あるいは、糸条交絡装置30の製造時、部材31と部材32とを接合するために力が加えられたときに、平面度の低い部材31、32の接合面の一部分に応力が集中し、部材31、32が破損してしまう虞がある。
ここで、セラミックス材料を結晶成長させた後、部材31、32の接合面を研磨加工するなどして、接合面を平面度の高いものとすれば、上述したようなマルチフィラメント糸Yの引っかかりや部材の破損などは起こりにくい。しかしながら、この場合には、セラミックス材料を結晶成長させた後、さらに、部材31、32の接合面を研磨加工する工程などが必要となり、糸条交絡装置30の製造に手間がかかってしまう。
なお、セラミックス材料を結晶成長させて糸走行空間12及び糸挿入隙間13の壁面を凹凸のある面にしないとしても、成型により形成され、その後焼成された部材31、32においては、その接合面の平面度はそれほど高いものではないため、成型により部材31、32を形成した後、研磨加工行うなどして接合面の平面度を高くする必要があり、上述したのと同様、糸条交絡装置30の製造に手間がかかってしまう。
これに対して、本実施形態では、糸走行空間12、糸挿入隙間13、流体噴射孔14及び流体供給流路15が1つの基材11に形成されているため、糸条交絡装置30を部材31と部材32を接合して形成する場合のような接合面が存在しない。したがって、上述したような糸の引っかかりや、製造時の部材の破損などの問題は生じない。
また、糸条交絡装置30を部材31と部材32とを接合することにより形成する場合のような接合面が存在しないため、接合面を精度よく形成するための研磨加工などを行う必要もなく、糸条交絡装置1を容易に製造することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明に係る第2実施形態について説明する。図5は、第2実施形態に係る糸条交絡装置ユニットの斜視図である。図6は図5のVI−VI線断面図である。なお、図5、図6では、後述する複数の糸条交絡装置101のうち2つだけを図示している。また、第2実施形態では、図5、図6に示すように、糸走行方向、糸挿入方向及び配列方向を規定して説明を行う。ここで、糸走行方向、糸挿入方向及び配列方向は、互いに直交する方向となっている。
図5、図6に示すように、第2実施形態に係る糸条交絡装置ユニット100は、複数の糸条交絡装置101が、取り付け板102の上面に形成された溝102a上に配列方向に配列されることによって形成されている。
複数の糸条交絡装置101は、それぞれ、アルミナなどのセラミックス材料からなる基材111に、糸走行空間112、糸挿入隙間113、流体噴射孔114、流体供給流路115、切り欠き116などが形成されたものである。
糸走行空間112は、第1実施形態の糸走行空間12(図1〜図3参照)と同様、挿入部112aと奥部112bとからなる、糸走行方向及び糸挿入方向と直交する配列方向に関して奥広がりとなった空間であり、また、糸挿入隙間113及び流体噴射孔114は、それぞれ、第1実施形態の糸挿入隙間13及び流体噴射孔14(図1〜図3参照)と同様の構成を有するものであるため、ここではその詳細な説明を省略する。
流体供給流路115は、流体噴射孔114の図6における左側において糸走行方向に延びており、その上端が、流体噴射孔114に接続されているとともに、その下端が、取り付け板102に形成された、空気などの流体が流れる流体流路104の接続口104aに接続されている。
そして、このように流体噴射孔114及び流体供給流路115が形成されていることにより、流体流路104を流れる流体が、流体供給流路115を流れて流体噴射孔114から糸走行空間112に噴射される。
2つの切り欠き116は、基材111の下端部に形成されており、基材111の糸走行方向に関する両端面から、それぞれ、基材111の糸走行方向に関する内側に向かって延びている。また、切り欠き116は、配列方向に関して基材111の全長にわたって延びている。
ここで、取り付け板102の上面には、糸走行方向に関する両端部に、それぞれ、配列方向に関して基材111の全長にわたって延びた固定板103が配置されている。各固定板103は、配列方向に関する外側の端部がボルト104によって取り付け板102に固定されているとともに、内側の端部が切り欠き116の内部に入り込んでいる。これにより、基材111は、互いに連結されるとともに、取り付け板102に固定される。
そして、糸条交絡装置101においても、糸走行空間112が奥広がりになっているため、第1実施形態と同様、流体噴射孔114から糸走行空間112に噴射された流体が、糸走行空間112内を螺旋状に流れ、この螺旋状の流体の流れによって、糸走行空間112内を走行するマルチフィラメント糸Yに、効率よく交絡が加えられる。
また、図6において太線で示す、糸走行空間112及び糸挿入隙間113の壁面が、凹凸を有する(表面粗さRaが0.8程度の)面となっているため、第1実施形態と同様、糸挿入隙間113から糸走行空間112に挿入される、あるいは、糸走行空間112を走行するマルチフィラメント糸Yが、糸走行空間112や糸挿入隙間113の壁面との摩擦によって毛羽立ってしまうのを防止することができる。
次に、糸条交絡装置ユニット100(糸条交絡装置101)の製造方法について説明する。糸条交絡装置ユニット100を製造するには、複数の糸条交絡装置101を製造し、これらの糸条交絡装置101を溝102a上に配置するとともに、ボルト104により固定板103を取り付け板102に取り付けることによって、複数の糸条交絡装置101を互いに連結するとともに取り付け板102に固定する。
糸条交絡装置101を製造する方法は、第1実施形態と同様であり、まず、成型などによって、糸走行空間112、糸挿入隙間113、流体噴射孔114、流体供給流路115、切り欠き116などが形成された基材111を形成し、この基材111を焼成する。そして、研磨加工などによって糸走行空間112及び糸挿入隙間113の壁面を凹凸の非常に小さい(例えば、表面粗さRaが0.1〜0.2程度の)面とし、次に、基材111を加熱して基材111を形成するセラミックス材料を結晶成長させることにより、糸走行空間112及び糸挿入隙間113の壁面を凹凸のある(例えば表面粗さが0.8程度の)面にする。
ここで、第2実施形態においても、例えば、図7に示すように、糸条交絡装置が、糸走行空間112が形成された部材131と、流体噴射孔114及び流体供給流路115が形成された部材132とが互いに接合されたものであり、部材131と部材132とが接合されることによって、その接合面の間に糸挿入隙間113が形成されたもの(以下、糸条交絡装置130とする)であるとすると、部材131、132の接合面における平面度が低い場合には、第1実施形態と同様、部材131と部材132との間に不要な隙間ができ、この隙間にマルチフィラメント糸Yが引っかかってしまう、あるいは、部材131と部材132とを接合するために部材131、132に力が加えられたときに、接合面の一部分に応力が集中し、部材131、132が破損してしまう虞がある。
これに対して、第2実施形態においても、糸走行空間112、糸挿入隙間113、流体噴射孔114及び流体供給流路115が1つの基材111に形成されているため、糸条交絡装置130を部材131と部材132を接合して形成する場合のような接合面が存在しない。したがって、上述したような糸の引っかかりや、製造時の部材の破損などの問題は生じない。
また、糸条交絡装置130を部材131と部材132とを接合することにより形成する場合のような接合面が存在しないため、接合面を精度よく形成するための研磨加工などを行う必要もなく、糸条交絡装置101を容易に製造することができる。
次に第1、第2実施形態に種々の変更を加えた変形例について説明する。ただし、本実施の形態と同じ構成を有する部分については同じ符号を付し、適宜その説明を省略する。
第2実施形態では、糸走行空間112と流体供給流路115とが、糸条交絡装置101の配列方向に並んでいたがこれには限られない。
一変形例では、図8に示すように、糸条交絡装置101の代わりに、基材141に糸走行空間142、糸挿入隙間143、流体噴射孔144、流体供給流路145などが形成された糸条交絡装置140が複数配列されている。そして、糸条交絡装置140においては、糸走行空間142の奥部142bが挿入部142aの図中上方に位置しており、流体噴射孔144及び流体供給流路145が糸走行空間142の図中下方に配置されて糸挿入方向(図中上下方向)に延びている。また、配列された複数の糸条交絡装置140の間には、糸挿入隙間143に連通する糸挿入方向に延びた隙間146が形成されており、マルチフィラメント糸Yは、隙間146及び糸挿入隙間143を順に通過して糸走行空間142に挿入される。
この場合には、糸走行空間142と流体供給流路145とが、糸条交絡装置140の配列方向と直交する方向に並んでいるため、各糸条交絡装置140の配列方向に関する長さを、第2実施形態のように糸走行空間112と流体供給流路115とが配列方向に並んだ糸条交絡装置101よりも短くすることができる。これにより、複数の糸条交絡装置140が配列されることによって形成される交絡装置ユニットの配列方向に関する長さも短くすることができる。交絡装置ユニットは、配列される糸条交絡装置の数が多い場合には、どうしても配列方向に長尺なものとなってしまうが、本変形例では、上述したように、交絡装置ユニットの配列方向に関する長さが長くなってしまうのを極力抑えることで、装置のコンパクト化が実現される。
また、第1、第2実施形態では、奥部12b、112bが糸走行方向から見て略楕円形状となっていたが、これには限られず、糸挿入方向に関する長さが挿入部12a、112aよりも長くなっており、糸走行空間12、112が糸走行方向及び糸挿入方向と直交する方向(高さ方向、配列方向)に関して奥広がりになっていれば、糸走行方向から見た奥部12b、112bの形状は、円形、台形、多角形など楕円以外の形状であってもよい。
また、第1、第2実施形態では、糸走行空間12、112及び糸挿入隙間13、113の壁面がセラミックス材料の結晶成長により形成された凹凸を有する面となっており、その表面粗さRaが0.8程度となっていたが、これらの壁面が上記のような凹凸を有する面となっていれば、その表面粗さRaはこれには限られない。ただし、マルチフィラメント糸とこれらの壁面との摩擦を低減して、マルチフィラメント糸Yの毛羽立ちを防止するという観点からは、表面粗さRaが、0.3〜1.2の範囲にあることが好ましい。さらには、これらの壁面を、凹凸の非常に小さい(例えば、表面粗さRaが0.1〜0.2程度の)面としてもよい。
また、糸走行空間12、112及び糸挿入隙間13、113の壁面がセラミックス材料の結晶成長により形成された凹凸を有する面となっている場合には、糸走行空間12、112が奥広がりになっていなくても、糸挿入隙間13、113から糸走行空間12、112にマルチフィラメント糸Yが挿入される際、及び、マルチフィラメント糸Yに交絡が付与される際に、マルチフィラメント糸Yが、これらの壁面との摩擦によって毛羽立ってしまうのを防止することができる。
1 糸条交絡装置
11 基材
12 糸走行空間
13 糸挿入隙間
14 流体噴射孔
101 糸条交絡装置
111 基材
112 糸走行空間
113 糸挿入隙間
114 流体噴射孔
140 糸条交絡装置
141 基材
142 糸走行空間
143 糸挿入隙間
144 流体噴射孔

Claims (1)

  1. 交絡対象としての糸が走行する糸走行空間と、
    前記糸走行空間に連通しており、糸をその走行方向と直交する挿入方向から前記糸走行空間に挿入可能とする糸挿入隙間と、
    前記糸走行空間に流体を噴射するための流体噴射孔とを備えており、
    前記糸走行空間が、前記走行方向及び前記挿入方向と直交する方向に関して奥広がりであり、
    前記糸走行空間、前記糸挿入隙間及び前記流体噴射孔が、1つの基材に形成され、
    前記基材がセラミックス材料からなり、
    前記走行方向及び前記挿入方向と直交する方向において、前記糸挿入隙間が、前記糸走行空間よりも狭く、
    前記糸走行空間及び前記糸挿入隙間の壁面が、前記セラミックス材料の結晶成長により形成された凹凸を有する面となっており、
    前記糸走行空間及び前記糸挿入隙間の壁面における表面粗さRaの値が0.3〜1.2の範囲にあることを特徴とする糸条交絡装置。
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