JP2010133074A - 糸繋ぎ接合部および糸繋ぎ接合部を有する炭素繊維の製造方法。 - Google Patents

糸繋ぎ接合部および糸繋ぎ接合部を有する炭素繊維の製造方法。 Download PDF

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Abstract

【課題】
耐炎化工程中においても蓄熱による糸切れを防止しできる糸繋ぎ接合部および糸繋ぎ接合部を有する炭素繊維の製造方法を提供する。
【解決手段】
焼成工程通過中の前駆体繊維束の終端部と、次に焼成工程を通過させようとするボビンに巻き取られた前駆体繊維束の始端部ないしは接続媒体となる繊維束とを長手方向に相互に重ね合わせ接合されてなる糸繋ぎ接合部において、糸繋ぎ接合部は2つの繊維束が開繊されてなる放熱部と、放熱部の両端に繊維束の幅方向に複数の部分絡合をもつ絡合部を備えていることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、繊維束の末端部同士を接合する糸繋ぎ接合部およびその糸繋ぎ接合部を用いて繊維束を接合する炭素繊維の製造方法に関するものである。
一般に炭素繊維製造工程において、炭素繊維製造の前駆体となるポリアクリル系前駆体繊維束は、ボビンなどに巻き上げられた形態あるいは箱の中に折り畳み積層された形態を経て、焼成工程に供給されている。従って、これらの前駆体繊維束を連続的に焼成し、炭素繊維に転換していくためには、ボビンに巻き上げられた形態の前駆体繊維束あるいは箱体内に収容されている前駆体繊維束の始端部を、何らかの手段で焼成工程を通過中の前駆体繊維束の終端部に接合する必要がある。
この前駆体繊維束の末端部同士を接合することにより、前駆体繊維束を連続的に炭素繊維の製造工程に供給して操業性を向上させる手段として、炭素繊維の前駆体となるポリアクリル系前駆体繊維束の末端部同士を加圧流体により交絡させて接合する方法が知られている(特許文献1参照。)。
しかしながら、この方法により炭素繊維の前駆体繊維束の末端部同士を接合させることは可能ではあるが、形成された糸繋ぎ接合部では繊維束密度が高くなるため、耐炎化工程で前駆体繊維束自身の発熱により酸化反応が暴走しやすいという問題があった。そのため、糸繋ぎ接合部が焼き切れたり焼損してしまうという課題があり、蓄熱による糸繋ぎ接合部の糸切れを防止するためには、耐炎化炉工程の温度を低下させなければない。この耐炎化工程温度の低下幅が大きいと熱処理時間が長くなりすぎてしまうため、生産性を著しく低下させるものであった。
また、前駆体繊維束のフィラメント数が多い場合、ノズルから噴射される加圧流体が前駆体繊維束全体に当たらなくなり、前駆体繊維束が単繊維レベルで混繊交絡せず、いくつかの小束に分かれて絡まるようになる。このような小束の絡まりが絡合部に不均一に生じると、局部的に前駆体繊維束密度が高い部分ができて蓄熱しやすくなるだけでなく、絡まりが不十分となり、結束強度も弱くなる。その結果、工程張力に耐えられず破断するか、糸繋ぎ接合部が素抜けてしまうという課題があった。
これらに対する対策として、例えば、ポリアクリル系前駆体繊維束と接続媒体として耐炎化糸とで接合させる方法が講じられてきた(特許文献2参照。)。しかしながら、この方法においては、蓄熱量を低減させる効果はあるものの除熱が十分でないため、前駆体繊維束密度が高くなる接合部では、依然として糸切れなどが発生しやすい。従って、糸繋ぎ接合部が耐炎化工程を通過する際には、炉内温度を低下させなければならなかった。また、耐炎化糸とポリアクリル系前駆体繊維束は、繊維束の捌け具合が異なるため、ポリアクリル系前駆体繊維束と耐炎化糸が十分に混繊せず、均一に交絡されない。そのため、両者の繊維束同士が素抜けてしまい、防災のために耐炎化炉を停止させてしまうという問題があった。
他にも、圧縮空気により形成される交絡接合ではなく、末端部同士を分割し、編み込んで接合する方法も講じられているが(特許文献3参照。)、この場合、接続方法がこぶ結びであるため、結び目が引き締められて繊維束密度が高くなり、蓄熱による糸切れが発生する。また、各接合部の結束強度がバラツキつくため、結束強度の弱い接続部には応力が集中し、結束強度の弱い接合部から順に破断してしまうという問題があった。
特開平6−206667号公報 特開平10−226918号公報 特開2007−46177号公報
そこで本発明の目的は、上述した問題点に鑑み、糸繋ぎ接合部の蓄熱を低減し、焼成工程において接合部が蓄熱により焼き切れたりすることなく、工程通過可能である糸繋ぎ接合部、およびその糸繋ぎ接合部を用いて繊維束を接合する炭素繊維の製造方法を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成せんとするものであって、本発明の糸繋ぎ接合部は、第1の繊維束の末端部と第2の繊維束の末端部とを長手方向に相互に重ね合わせ、接合されてなる糸繋ぎ接合部において、前記糸繋ぎ接合部は前記第1の繊維束と前記第2の繊維束とが互いに絡み合わされてなり、前記糸繋ぎ接合部は絡み合わされた繊維束が開繊されてなる放熱部と、前記放熱部の両端部に繊維束の幅方向に複数の部分絡合をもつ絡合部を備えていることを特徴とする糸繋ぎ接合部である。
本発明の糸繋ぎ接合部の好ましい態様によれば、前記の第1の繊維束と第2の繊維束は炭素繊維前駆体繊維束であって、本発明では、その糸繋ぎ接合部を有する前駆体繊維束を焼成して炭素繊維とすることができる。
また、本発明の前駆体繊維束の製造方法は、炭素繊維の前駆体繊維束である第1の繊維束の末端部と第2の繊維束の末端部とを長手方向に相互に重ね合わせ、その重ね合わせ部に、繊維束の幅方向に直列に複数の流体噴射孔が開口され、前記流体噴射孔の列が繊維束方向に間隔をあけ2列配置された少なくとも1組の交絡処理手段により加圧流体を噴射して、前記第1の繊維束と前記第2の繊維束の単繊維を互いに絡み合わせ、絡み合わされた繊維束が開繊されてなる放熱部と、前記放熱部の両端部に繊維束の幅方向に複数の部分絡合をもつ絡合部を備えた糸繋ぎ接合部を形成させることを特徴とする前駆体繊維束の製造方法である。
本発明では、上記の前駆体繊維束の製造方法で得られた糸繋ぎ接合部を有する炭素繊維の前駆体繊維束を焼成することにより炭素繊維とすることができる。
また、本発明の糸繋ぎ接合部は、第1の繊維束と第2の繊維束を、接続媒体を介して接合されてなる糸繋ぎ接合部において、前記糸繋ぎ接合部は前記第1の繊維束と前記接続媒体、前記接続媒体と前記第2の繊維束とが互いに絡み合わされてなり、前記糸繋ぎ接合部は絡み合わされた繊維束が開繊されてなる放熱部と、前記放熱部の両端部に繊維束の幅方向に複数の部分絡合をもつ絡合部を備えていることを特徴とする糸繋ぎ接合部である。
本発明の糸繋ぎ接合部の好ましい態様によれば、前記の接続媒体は非発熱性でかつ熱伝導率が3W/m・K以上700W/m・K以下の接続媒体である。
本発明の糸繋ぎ接合部の好ましい態様によれば、前記の第1の繊維束と第2の繊維束は炭素繊維前駆体繊維束であって、本発明では、その糸繋ぎ接合部を有する前駆体繊維束を焼成して炭素繊維とすることができる。
また、本発明の前駆体繊維束の製造方法は、炭素繊維の前駆体繊維束である第1の繊維束の末端部と第2の繊維束の末端部を、接続媒体の長手方向にそれぞれ重ね合わせ、その重ね合わせ部に、繊維束の幅方向に直列に複数の流体噴射孔が開口され、前記流体噴射孔の列が繊維束方向に間隔をあけ2列配置された少なくとも1組の交絡処理手段により加圧流体を噴射して、前記第1の繊維束と前記前記接続媒体、前記接続媒体と前記第2の繊維束とを互いに絡み合わせ、絡み合わされた繊維束が開繊されてなる放熱部と、前記放熱部の両端部に繊維束の幅方向に複数の部分絡合をもつ絡合部を備えた糸繋ぎ接合部を形成させることを特徴とする前駆体繊維束の製造方法である。
本発明では、上記の前駆体繊維束の製造方法で得られた糸繋ぎ接合部を有する炭素繊維の前駆体繊維束を焼成することにより炭素繊維とすることができる。
本発明の糸繋ぎ接合部を有する繊維束によれば、焼成工程中において破断したり素抜けたりすることなく、糸繋ぎ束接合部の蓄熱を抑制し、さらには除熱することができる。これにより、焼成工程における炉内温度を低下させることなく接合部を通過させることができるため、連続的に炭素繊維を製造することが可能となり、操業性を大幅に向上させることができる。
次に、本発明の望ましい形態について説明する。
まず、本発明にかかる炭素繊維製造工程の一実施形態について説明する。炭素繊維製造用原糸であるポリアクリル系前駆体繊維束を製造する工程の速度と焼成工程の速度は大幅に異なるため、前駆体繊維束はボビンに巻き上げられるか、もしくは箱体内に折りたたみ積層されて収容され、その後焼成工程に供給される。以下、焼成工程を通過している前駆体繊維束を第1の繊維束、次に焼成工程を通過させようとする前駆体繊維束を第2の繊維束とし、各繊維束がボビンに巻き上げられた形態で供給される場合について説明する。
ボビンに巻き上げられた第1の繊維束は、ボビンから引き出された後、焼成工程における耐炎化炉内にて耐炎化処理される。この耐炎化処理においては、第1の繊維束が酸化性雰囲気下に通常180〜400℃の温度で加熱処理され、耐炎化糸とされる。耐炎化糸は、炭化炉内で炭化処理され、炭素繊維とされる。炭素繊維には、表面処理工程で必要に応じてサイジング剤付与等の表面処理が施され、巻取工程で巻き取られて炭素繊維の製品とされる。ボビンに巻き取られた第1の繊維束が終端部にくると、この第1の繊維束の終端部に、次のボビンに巻き取られている第2の繊維束の始端部が接合される。すなわち、前駆体繊維束の末端部同士が接合され、接合された第2の繊維束が続けて焼成され、連続的に炭素繊維が製造される。
本発明は、上記の耐炎化工程通過中での糸繋ぎ接合部の蓄熱による糸切れ、および工程通過中における繊維束の破断を防止するものであり、その糸繋ぎ接合部について次の2つの態様がある。
その1の態様は、第1の繊維束の末端部と第2の繊維束の末端部とを長手方向に相互に重ね合わせ、接合されてなる糸繋ぎ接合部において、前記糸繋ぎ接合部は前記第1の繊維束と前記第2の繊維束とが互いに絡み合わされてなり、前記糸繋ぎ接合部は絡み合わされた繊維束が開繊されてなる放熱部と、前記放熱部の両端部に繊維束の幅方向に複数の部分絡合をもつ絡合部を備えている糸繋ぎ接合部である。
このような糸繋ぎ接合部は、炭素繊維の前駆体繊維束の接合に好適である。このような前駆体繊維束は、炭素繊維の前駆体繊維束である第1の繊維束の末端部と第2の繊維束の末端部とを長手方向に相互に重ね合わせ、その重ね合わせ部に、繊維束の幅方向に直列に複数の流体噴射孔が開口され、前記流体噴射孔の列が繊維束方向に間隔をあけ2列配置された少なくとも1組の交絡処理手段により加圧流体を噴射して、前記第1の繊維束と前記第2の繊維束の単繊維を互いに絡み合わせ、絡み合わされた繊維束が開繊されてなる放熱部と、前記放熱部の両端部に繊維束の幅方向に複数の部分絡合をもつ絡合部を備えた糸繋ぎ接合部を形成させることにより製造することができる。
その2の態様は、第1の繊維束と第2の繊維束を、接続媒体を介して接合されてなる糸繋ぎ接合部であり、前記糸繋ぎ接合部は前記第1の繊維束と前記接続媒体、前記接続媒体と前記第2の繊維束とが互いに絡み合わされてなり、前記糸繋ぎ接合部は絡み合わされた繊維束が開繊されてなる放熱部と、前記放熱部の両端部に繊維束の幅方向に複数の部分絡合をもつ絡合部を備えている糸繋ぎ接合部である。
この2の態様の糸繋ぎ接合部も、炭素繊維の前駆体繊維束の接合に好適である。このような前駆体繊維束は、炭素繊維の前駆体繊維束である第1の繊維束の末端部と第2の繊維束の末端部を、接続媒体の長手方向にそれぞれ重ね合わせ、その重ね合わせ部に、繊維束の幅方向に直列に複数の流体噴射孔が開口され、前記流体噴射孔の列が繊維束方向に間隔をあけ2列配置された少なくとも1組の交絡処理手段により加圧流体を噴射して、前記第1の繊維束と前記前記接続媒体、前記接続媒体と前記第2の繊維束とを互いに絡み合わせ、絡み合わされた繊維束が開繊されてなる放熱部と、前記放熱部の両端部に繊維束の幅方向に複数の部分絡合をもつ絡合部を備えた糸繋ぎ接合部を形成させることにより製造することができる。
次に、本発明の糸繋ぎ接合部の好ましい態様について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の糸繋ぎ接合部の一例を示す概略平面図である。本発明の糸繋ぎ接合部Aでは、図1に示すように、2つの繊維束の末端部同士を重ね合わせ形成される糸繋ぎ接合部Aにおいて、2つの繊維束が開繊されてなり、熱を外部に放出させることができる放熱部Bと、その放熱部Bの両端部に、繊維束の幅方向に複数の部分絡合Dをもつ絡合部Cを備えている。
この放熱部Bとは、後述する交絡処理手段から圧縮空気が直接繊維束にあたり、繊維束が単繊維レベルまで開繊され、2つの繊維束の末端部同士が交絡せずに混繊している領域のことを指し、単繊維同士が接着せず、外気と接する状態にあることが好ましい。図1において、放熱部Bの長さXは短すぎると、放熱効果が小さくなり、長すぎると糸繋ぎ装置全体が大型化されてしまうので、放熱部Bの長さXは30mm≦X≦100mmであることが好ましく、より好ましくは35mm≦X≦50mmである。また、開繊された放熱部Bの幅方向の長さは、開繊される前の繊維束の幅方向の長さの1.5倍以上2倍以下になるようにすることが好ましい。このとき、放熱部Bの幅方向の長さが、開繊前の繊維束の幅方向の長さの1.5倍未満であると、開繊不十分となり、十分な放熱効果が得られないことがある。また、放熱部Bの幅方向の長さが、開繊前の繊維束の幅方向の長さの2倍より大きい場合には、放熱部Bが大きくなりすぎて、工程通過中に隣糸同士で混繊してしまうことがある。
このように、放熱部Bを有することにより絡合部Cに蓄熱された熱を外部に放出させてやることができるため、糸繋ぎ接合部に蓄積される熱量を低減させてやることができ、蓄熱による糸切れを大幅に低減させることができる。
また絡合部Cとは、繊維束の幅方向に4個以上10個以下の複数の部分絡合Dを有する領域のことを指す。部分絡合Dとは、2つの繊維束が単繊維レベルで互いに絡み合い、巻き付いた部分のことを指し、図1では放熱部Bの両端部に存在する8つの編み目状に交絡したもののことをいう。図1において、絡合部Cの長さYは短すぎると、結束強度が小さくなり、長すぎると糸繋ぎ装置全体が大型化されてしまうので、絡合部Cの長さYは8mm≦Y≦30mmであることが好ましく、より好ましくは10≦Y≦18mmである。
このような形態の絡合部Cを形成することにより、繊維束を細かく分割させた絡合部Cにすることができる。すなわち、4個以上の部分絡合Dがある場合には、各部分絡合Dに含まれるフィラメント数を総フィラメント数の1/4以下にすることができる。例えば、フィラメント数が12,000本である第1の繊維束と、フィラメント数が12,000本である第2の繊維束を接合させた場合、各部分絡合Dに含まれるフィラメント数は約6,000本となる。すなわち、各部分絡合Dにおける繊維束の高密度化を防ぐことができるため、蓄熱を抑制させることができる。部分絡合Dが11個以上である場合には、各部分絡合Dに含まれるフィラメント数が少なくなり、1つの部分絡合Dがもつ結束強度が低下してしまい、工程張力に耐えられず破断しやすくなる。
また、各部分絡合は均一な交絡であるため、本発明の糸繋ぎ接合部は十分な結束強度をもつことができる。
図2は、本発明で用いられる糸繋ぎ装置の一実施態様を示す概略側面図である。本発明の糸繋ぎ接合部を形成する糸繋ぎ装置としては、図2に示す構成の装置を挙げることができる。
本発明の糸繋ぎ接合部の形成手段としては、ブラシ付の加圧ローラーにより、第1の繊維束の末端部と第2の繊維束の末端部を接合させたり、第1の繊維束の末端部と第2の繊維束の末端部を編み込み接合させてもよいが、これらの手法の場合、接合部が毛羽立ってしまい、糸繋ぎ接合部の結束強度が低下する。またこれらの手法では、繊維束の幅方向に均一な部分絡合を形成させることが困難である。そのため、本発明では、糸繋ぎ接合部の形成手段として、加圧流体を噴射させる交絡手法が用いられる。
具体的に図2を用いて説明すると、上部交絡ノズル1aと下部交絡ノズル1bとが1組となった交絡処理手段1が、接合しようとする2つの繊維束4、5の長手方向に所定の間隔をおいて等間隔に並設されている。上部交絡ノズル1a下面および下部交絡ノズル1b上面には、複数の流体噴射孔が繊維束4、5の幅方向に直列で、かつ、繊維束方向に間隔をあけ2列並列して開口されている。交絡処理手段1の繊維束4、5の長手方向の両端には、繊維束4、5を把持するための一対のクランプ機構2が備わっており、その交絡処理手段1とクランプ機構2の間には、繊維束4、5を弛緩し、接合部の結束強度を上げるための弛緩機構3が備わっている。各クランプ機構2は交絡処理手段1から所定の間隔をおいて設置され、重ね合わされた繊維束4、5が滑り落ちたりしないよう把持されていればよい。弛緩機構3は、2本の繊維束4、5を弛緩させればよく、個々の弛緩量を規制しやすくするために重錘や棒で繊維束4、5を押し下げることが好ましい。
次に、この糸繋ぎ装置を用いた、2つの繊維束4、5を接続する方法について説明する。まず、焼成工程を通過中の第1の繊維束4の終端部と、次に焼成工程を通過させる第2の繊維束5の始端部とを重ね合わせて、交絡処理室内に設置する。各終端部はそれぞれ350mmから500mm重ね合わせることが好ましい。各繊維束4、5は、厚さが0.1mmから1.0mmの扁平状にして重ね合わせておくことにより、流体処理による接合部で、2つの繊維束4、5を単繊維レベルまで開繊させ、かつ十分に混繊し絡合させることができ好ましい。
次に、交絡処理手段1に隣接して設けられている弛緩機構3によって、交絡処理手段1の近傍にそれぞれ弛緩部分を形成する。具体的には、例えば重錘を用いて、その重みで2つの繊維束4、5を押し下げて緩ませる。このとき、弛緩程度としては5〜25%が好ましい。この弛緩程度が5%未満では、交絡の掛かり具合が弱くなるため、接合部の結束強度が低下してしまい、逆に弛緩程度が25%を超えると、絡合部が大きくなるため、蓄熱により糸切れが生じやすくなる。
次に、クランプ機構2が2つの繊維束を把持して、2つの繊維束4、5の重なりが崩れないよう固定する。次に、さきほど繊維束4、5を弛緩させた重錘を外し、各交絡処理手段1の上部交絡ノズル1aと下部交絡ノズル1bから加圧流体を噴射する。すると、各クランプ機構2間で2つの繊維束4、5が交絡されて接合部が形成され、弛緩させた繊維束4、5の弛みがなくなる。また、噴射する流体には液体や気体など加圧して供給可能なものが用いられ、作業性と経済性の面で、通常は空気が好ましく用いられる。
次に、本発明の糸繋ぎ接合部の形成方法の仕組みについて、図3と図4を用いて具体的に説明する。図3は、本発明の糸繋ぎ接合部を形成する方法にかかる複数の流体噴射孔を備えた交絡処理手段の概略部分縦断面図であり、図4は、本発明の糸繋ぎ接合部を形成する方法にかかる交絡処理手段の概略側面図である。
交絡処理手段1における上部交絡ノズル1aと下部交絡ノズル1bにより形成される交絡処理室内において、図3に示すように繊維束方向に垂直に交絡処理手段1の断面をみたとき、流体噴射孔は上部交絡ノズル1aの流体噴射孔と下部交絡ノズル1bの流体噴射孔が直列に複数開口されている。従って、この流体噴射孔から圧縮空気を噴射させると、細く強い線速をもった圧縮空気が得られ、交絡処理室内に均一な渦が複数発生する。これにより、2つの繊維束4、5を単繊維レベルまで細かく開繊させることができる。開繊された2つの繊維束4,5は、固定されているクランプ機構2を基点に交絡処理手段1に向かって交絡を形成していく。また、このような均一な複数の渦により、2つの繊維束4,5は小束に分割でき、絡合部には複数の部分絡合が形成される。また、繊維束4、5の幅方向に均等に細く強い線速をもつ圧縮空気を噴射することで、分割される小束に含まれるフィラメント数を同程度にすることができ、繊維束4、5の幅方向に均一の部分絡合が複数形成される。すなわち、結束強度のバラツキが少ない複数の部分絡合をもつ絡合部が形成できる。次に、熱を外部に放出できる放熱部を形成するためには、交絡処理手段1の流体噴射孔列が繊維束4、5の長手方向に間隔をあけ2列並列して開口されていることが必要である。この2列の噴射孔列の間では、交絡を形成させていく基点がないため、この列の間では交絡が掛からず、開繊された状態が維持される。つまり、2列の噴射孔列の間が無効空間となり、開繊されて放熱しやすい放熱部が形成される。したがって、図4に示すように2列の噴射孔列の間では放熱部、交絡処理手段1とクランプ機構2の間には、絡合部が形成される。
このように放熱部と絡合部を両有する糸繋ぎ接合部を得るためには、交絡処理手段1の流体噴射孔列が繊維束4、5の長手方向に間隔をあけ2列並列して開口されていることが必要である。上部交絡ノズル1a下面および下部交絡ノズル1b上面に開口される流体噴射孔列が1列である場合には、繊維束4、5を開繊された状態で維持することができない。したがって、クランプ機構2の間に挟まれた繊維束4、5の中央まで交絡が形成されるため、熱を外部に放出できる放熱部を形成することができない。また、流体噴射孔列が1列であっても交絡処理時間を短縮し、見掛け上放熱部を形成させることも可能であるが、この場合、交絡処理時間が短くなり、十分な結束強度をもつ絡合部が形成できず、工程通過中に破断しやすくなる。流体噴射孔列が3列以上ある場合には、圧縮空気量が増えてしまうだけでなく、放熱部の繊維束が圧縮空気により傷められ、工程通過中に破断しやすくなる。また、2列の流体噴射孔列間の長さLは、20mm≦L≦100mmであることが好ましく、より好ましくは25mm≦L≦55mmである。長さLが20mm未満の場合には、放熱部が小さくなり十分な放熱効果をもつ放熱部が得られ難く、長さLが100mmより大きい場合には放熱部が必要以上に大きくなってしまうことがある。
流体噴射孔のピッチは1.7mm〜4.5mmであることが好ましく、流体噴射孔の径はφ1.2〜2.5mmであることが好ましい。また、流体噴射孔の加工の精度を考えると、各噴射孔間には、ある程度の肉厚が必要であり、流体噴射孔の配列ピッチPは、孔径HDに対し、0.5mm以上大きいことが好ましい。流体噴射孔のピッチが1.7mmより狭い場合、細く強い線速をもつ圧縮空気が得られず、スリット状の圧縮空気となるため、繊維束を単繊維レベルまで開繊し、かつ交絡させることができないことがある。逆に流体噴射孔のピッチが4.5mmより広い場合には、各部分絡合が大きくなり、部分絡合に含まれるフィラメント数が増加するため、蓄熱を抑制することができないことがある。流体噴射孔の径についても、流体噴射孔の径が小さい場合には十分な線速をもつ圧縮空気が得られず、繊維束を開繊し、交絡させることができないことがある。逆に流体噴射孔の径が大きい場合には、各流体噴射孔から噴出される圧縮空気の線速が太くなるため、単繊維レベルまで開繊させることができず、開繊不十分となり、十分な放熱効果が得られないことがある。
圧縮空気のエア圧は、0.3〜0.6MPaであることが好ましい。エア圧が0.3MPaより低い場合には、繊維束4、5の開繊が不十分となり複数の部分絡合をもつ絡合部を形成させることが困難である。エア圧が0.6MPaを超える場合には、繊維束4、5が加圧流体により傷められて破断しやすくなってしまう。
また、本発明の1つの糸繋ぎ接合部は、2つの繊維束4、5を共に、予め幅方向に複数の繊維束に分割し、複数の交絡処理装置にて形成された接合部を合わせて得ることも可能である。しかしながら、作業性が悪化するだけでなく、繊維束を分割する際に繊維束が毛羽立ってしまい、接合強度が低下してしまうため、幅方向に一括で処理する交絡処理手段から形成されることが好ましい。
図5は、前駆体繊維束を接続媒体を介して接合させた本発明の他の糸繋ぎ接合部を例示説明する概略側面図である。
図5に示すように、第1の繊維束4と第2の繊維束5の間に接続媒体として、150〜400℃の温度の雰囲気温度下において発熱量が好ましくは500cal/g以下で、かつ熱伝導率が好ましくは3W/m・K以上700W/m・Kである、第3の繊維束6を用い、本発明の糸繋ぎ接合部を形成することができる。この場合、例えば、第1の繊維束4の終端部と、接続媒体とを重ね合わせ、あるいは、接続媒体と第2の繊維束5の始端部とを重ね合わせて、交絡処理室内に設置する。各終端部と接続媒体はそれぞれ350mmから500mm重ね合わせることが好ましい。このとき、非発熱性で、かつ熱伝導率が3W/m・K以上700W/m・Kの接続媒体を使用することにより、耐炎化処理中における発熱量を大幅に低減させることができるだけでなく、耐炎化工程通過中に第1の繊維束4と第2の繊維束5の絡合部に蓄熱される熱量の除熱も促進させてやることができるため、蓄熱による糸切れを大幅に低減させてやることができる。接続媒体には炭素繊維などが好適に用いられる。
本発明の糸繋ぎ接合部は、好ましくはフィラメント数12,000本以上60,000本以下であり、さらに単繊維繊度が好ましくは0.7デニール以上1.5デニール以下のポリアクリル系前駆体繊維束の糸繋ぎに特に有効であり、本発明の糸繋ぎ接合部が焼成工程を通過しても、蓄熱による糸切れを防止することができるため、耐炎化炉内の温度を低下させることなく、連続的に炭素繊維を製造することが可能となる。
以下、実施例をあげて本発明の効果を具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
本発明の実施例では、先に炭素繊維の製造工程の一実施形態として説明した製造工程中の耐炎化炉を用いて、糸繋ぎ接合部が耐炎化炉を通過可能である炉内温度と、耐炎化炉内温度245℃における通過可能な工程張力を測定した。さらに、操業性の指標として、耐炎化炉内温度が245℃で、工程張力が5kg/st下における工程通過率を測定した。耐炎化時間はいずれも60分とし、各水準について耐炎化炉内温度は温度制御の変動幅を考慮して、1℃刻みとした。また、サンプル数20で工程を通過できた数を工程通過率とした。本発明の実施例において耐炎化した前駆体繊維束は、単繊維繊度が0.9デニールであり、フィラメント数が24,000本のポリアクリル系前駆体繊維束である。各実施例と各比較例について、結果を表1にまとめた。
(実施例1)
第1と第2の前駆体繊維束の末端部同士の400mmを重ね合わせ、図2に示す糸繋ぎ装置を用いて、接合させた。このとき、交絡処理手段は3つ用い、交絡処理手段の各交絡ノズルのスペックは流体噴射孔径がφ1.5mm、孔ピッチが2.5mmで、流体噴射孔列が2列備わっており、その流体噴射孔列間の長さLは30mmである。また、第1と第2の繊維束には丸棒による弛緩機構により、9.0%の弛緩量を付与し、0.4MPaの圧縮空気を2秒間噴射した。これにより、形成された糸繋ぎ接合部は全部で3個であり、各糸繋ぎ接合部は1つの放熱部と2つの絡合部を備えている。各放熱部の長さXは42mm、放熱部の幅方向の長さは、開繊前の繊維束長さの1.6倍である。各絡合部には部分絡合を4個含み、絡合部の長さYは14mmである。その結果、表1に示すとおり、連続原糸と比較して、耐炎化炉通過可能な温度が10℃低下する程度で、低下幅を小さくすることができた。また、通過可能な工程張力も7kg/stで、工程通過率も95%であった。さらに、焼成後得られた接合部は扁平状で均一な接合であったため、隣接する繊維束に混繊するようなこともなかった。
(実施例2)
第1と第2前駆体繊維束の末端部と、接続媒体である炭素繊維束をそれぞれ400mm重ね合わせ、図2に示す糸繋ぎ装置を用いて、第1の前駆体繊維束と炭素繊維束、炭素繊維束と第2の前駆体繊維束とを接合させた。接続媒体にはフィラメント数24,000本の炭素繊維束を用いた。また、この炭素繊維束の熱伝導率は55W/m・Kであった。このとき、用いた交絡処理手段は3つであり、交絡処理手段の各交絡ノズルのスペックは流体噴射孔径がφ1.5mm、孔ピッチが2.5mmで、流体噴射孔列が2列備わっており、その流体噴射孔列間の長さLは30mmである。また、第1の繊維束と炭素繊維束、炭素繊維束と第2の繊維束には、丸棒による弛緩機構により、9.0%の弛緩量を付与し、0.4MPaの圧縮空気を2秒間噴射した。これにより、第1の繊維束と炭素繊維束との間に3個の糸繋ぎ接合部、炭素繊維束と第2の繊維束との間に3個の糸繋ぎ接合部が形成された。各糸繋ぎ接合部は1つの放熱部と2つの絡合部を備えており、各放熱部の長さXは42mm、放熱部の幅方向の長さは、開繊前の繊維束長さの1.6倍である。各絡合部には部分絡合を4個含み、絡合部の長さYは14mmである。このとき、第1の繊維束と第2の繊維束は、図5に示すように500mmの距離を置いて離れており、この中間部分については圧縮空気が噴射されない。その結果、表1に示すとおり、連続原糸と同等の耐炎化炉通過可能な温度であり、耐炎化炉の炉内温度を低下させることなく、接合部を通過させることができた。また、通過可能な工程張力も7kg/stと十分な結束強度を有しており、さらには工程通過率も100%であり、接合部の状態も良好であった。
(比較例1)
フィラメント数24,000本のポリアクリル系前駆体繊維束の末端部同士の400mmを重ね合わせ、図2に示す糸繋ぎ装置を用いて、第1と第2の繊維束を接合させた。このとき、交絡処理手段は3つ用い、交絡処理手段の各交絡ノズルのスペックは流体噴射孔径がφ3.0mm、孔ピッチが6.0mmで、流体噴射孔列は1列である。第1と第2の繊維束には丸棒による弛緩機構により、7.0%の弛緩量を付与し、0.4MPaの圧縮空気を2秒間噴射した。これにより、形成された糸繋ぎ接合部は全部で3個であるが、各糸繋ぎ接合部には放熱部はなく、絡合部を1つずつ備えている。また、各絡合部には部分絡合を2個含み、絡合部の長さYは5mmである。その結果、接合部が除熱されないため焼損しやすく、耐炎化炉通過可能な温度が240℃となり、連続原糸と比較して大きく低下した。また、各部分絡合のバラツキが大きいため、通過可能な工程張力も5kg/stと低下し、工程通過率も80%と好ましいものではなかった。
Figure 2010133074
図1は、本発明の糸繋ぎ接合部の一例を示す概略平面図である。 図2は、本発明で用いられる糸繋ぎ装置の一実施態様を示す概略側面図である。 図3は、本発明の糸繋ぎ接合部を形成する方法にかかる複数の流体噴射孔を備えた交絡処理手段の概略部分縦断面図である。 図4は、本発明の糸繋ぎ接合部を形成する方法にかかる交絡処理手段の概略側面図である。 図5は、前駆体繊維束を接続媒体を介して接合させた本発明の他の糸繋ぎ接合部を例示する概略側面図である。
A:糸繋ぎ接合部
B:放熱部
C:絡合部
D:部分絡合
X:放熱部の繊維束方向の長さ
Y:部分絡合の繊維束方向の長さ
1:交絡処理手段
1a:上部交絡ノズル
1b:下部交絡ノズル
2:クランプ機構
3:弛緩機構
4:第1の繊維束
5:第2の繊維束
6:第3の繊維束(接続媒体)

Claims (11)

  1. 第1の繊維束の末端部と第2の繊維束の末端部とを長手方向に相互に重ね合わせ、接合されてなる糸繋ぎ接合部において、前記糸繋ぎ接合部は前記第1の繊維束と前記第2の繊維束とが互いに絡み合わされてなり、前記糸繋ぎ接合部は絡み合わされた繊維束が開繊されてなる放熱部と、前記放熱部の両端部に繊維束の幅方向に複数の部分絡合をもつ絡合部を備えていることを特徴とする糸繋ぎ接合部。
  2. 第1の繊維束と第2の繊維束が炭素繊維前駆体繊維束であって、請求項1記載の糸繋ぎ接合部を有する前駆体繊維束を焼成してなる炭素繊維。
  3. 炭素繊維の前駆体繊維束である第1の繊維束の末端部と第2の繊維束の末端部とを長手方向に相互に重ね合わせ、その重ね合わせ部に、繊維束の幅方向に直列に複数の流体噴射孔が開口され、前記流体噴射孔の列が繊維束方向に間隔をあけ2列配置された少なくとも1組の交絡処理手段により加圧流体を噴射して、前記第1の繊維束と前記第2の繊維束の単繊維を互いに絡み合わせ、絡み合わされた繊維束が開繊されてなる放熱部と、前記放熱部の両端部に繊維束の幅方向に複数の部分絡合をもつ絡合部を備えた糸繋ぎ接合部を形成させることを特徴とする前駆体繊維束の製造方法。
  4. 前記2列に配置された流体噴射孔列の列間隔が、20〜100mmであり、流体噴射孔列における流体噴射孔の配列ピッチが、1.7〜4.5mmである請求項3に記載の前駆体繊維束の製造方法。
  5. 請求項3もしくは4に記載の前駆体繊維束の製造方法で得られた糸繋ぎ接合部を有する炭素繊維の前駆体繊維束を焼成することを特徴とする炭素繊維の製造方法。
  6. 第1の繊維束と第2の繊維束を、接続媒体を介して接合されてなる糸繋ぎ接合部であって、前記糸繋ぎ接合部は前記第1の繊維束と前記接続媒体、前記接続媒体と前記第2の繊維束とが互いに絡み合わされてなり、前記糸繋ぎ接合部は絡み合わされた繊維束が開繊されてなる放熱部と、前記放熱部の両端部に繊維束の幅方向に複数の部分絡合をもつ絡合部を備えていることを特徴とする糸繋ぎ接合部。
  7. 接続媒体が非発熱性でかつ熱伝導率が3W/m・K以上700W/m・K以下の接続媒体であることを特徴とする請求項6記載の糸繋ぎ接合部。
  8. 第1の繊維束と第2の繊維束が炭素繊維前駆体繊維束であって、請求項7記載の糸繋ぎ接合部を有する前駆体繊維束を焼成してなる炭素繊維。
  9. 炭素繊維の前駆体繊維束である第1の繊維束の末端部と第2の繊維束の末端部を、接続媒体の長手方向にそれぞれ重ね合わせ、その重ね合わせ部に、繊維束の幅方向に直列に複数の流体噴射孔が開口され、前記流体噴射孔の列が繊維束方向に間隔をあけ2列配置された少なくとも1組の交絡処理手段により加圧流体を噴射して、前記第1の繊維束と前記前記接続媒体、前記接続媒体と前記第2の繊維束とを互いに絡み合わせ、絡み合わされた繊維束が開繊されてなる放熱部と、前記放熱部の両端部に繊維束の幅方向に複数の部分絡合をもつ絡合部を備えた糸繋ぎ接合部を形成させることを特徴とする前駆体繊維束の製造方法。
  10. 前記2列に配置された流体噴射孔列の列間隔が、20〜100mmであり、流体噴射孔列における流体噴射孔の配列ピッチが、1.7〜4.5mmである請求項9に記載の前駆体繊維束の製造方法。
  11. 請求項9もしくは10に記載の前駆体繊維束の製造方法で得られた糸繋ぎ接合部を有する炭素繊維の前駆体繊維束を焼成することを特徴とする炭素繊維の製造方法。
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