JP2010133074A - 糸繋ぎ接合部および糸繋ぎ接合部を有する炭素繊維の製造方法。 - Google Patents
糸繋ぎ接合部および糸繋ぎ接合部を有する炭素繊維の製造方法。 Download PDFInfo
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Abstract
耐炎化工程中においても蓄熱による糸切れを防止しできる糸繋ぎ接合部および糸繋ぎ接合部を有する炭素繊維の製造方法を提供する。
【解決手段】
焼成工程通過中の前駆体繊維束の終端部と、次に焼成工程を通過させようとするボビンに巻き取られた前駆体繊維束の始端部ないしは接続媒体となる繊維束とを長手方向に相互に重ね合わせ接合されてなる糸繋ぎ接合部において、糸繋ぎ接合部は2つの繊維束が開繊されてなる放熱部と、放熱部の両端に繊維束の幅方向に複数の部分絡合をもつ絡合部を備えていることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
第1と第2の前駆体繊維束の末端部同士の400mmを重ね合わせ、図2に示す糸繋ぎ装置を用いて、接合させた。このとき、交絡処理手段は3つ用い、交絡処理手段の各交絡ノズルのスペックは流体噴射孔径がφ1.5mm、孔ピッチが2.5mmで、流体噴射孔列が2列備わっており、その流体噴射孔列間の長さLは30mmである。また、第1と第2の繊維束には丸棒による弛緩機構により、9.0%の弛緩量を付与し、0.4MPaの圧縮空気を2秒間噴射した。これにより、形成された糸繋ぎ接合部は全部で3個であり、各糸繋ぎ接合部は1つの放熱部と2つの絡合部を備えている。各放熱部の長さXは42mm、放熱部の幅方向の長さは、開繊前の繊維束長さの1.6倍である。各絡合部には部分絡合を4個含み、絡合部の長さYは14mmである。その結果、表1に示すとおり、連続原糸と比較して、耐炎化炉通過可能な温度が10℃低下する程度で、低下幅を小さくすることができた。また、通過可能な工程張力も7kg/stで、工程通過率も95%であった。さらに、焼成後得られた接合部は扁平状で均一な接合であったため、隣接する繊維束に混繊するようなこともなかった。
第1と第2前駆体繊維束の末端部と、接続媒体である炭素繊維束をそれぞれ400mm重ね合わせ、図2に示す糸繋ぎ装置を用いて、第1の前駆体繊維束と炭素繊維束、炭素繊維束と第2の前駆体繊維束とを接合させた。接続媒体にはフィラメント数24,000本の炭素繊維束を用いた。また、この炭素繊維束の熱伝導率は55W/m・Kであった。このとき、用いた交絡処理手段は3つであり、交絡処理手段の各交絡ノズルのスペックは流体噴射孔径がφ1.5mm、孔ピッチが2.5mmで、流体噴射孔列が2列備わっており、その流体噴射孔列間の長さLは30mmである。また、第1の繊維束と炭素繊維束、炭素繊維束と第2の繊維束には、丸棒による弛緩機構により、9.0%の弛緩量を付与し、0.4MPaの圧縮空気を2秒間噴射した。これにより、第1の繊維束と炭素繊維束との間に3個の糸繋ぎ接合部、炭素繊維束と第2の繊維束との間に3個の糸繋ぎ接合部が形成された。各糸繋ぎ接合部は1つの放熱部と2つの絡合部を備えており、各放熱部の長さXは42mm、放熱部の幅方向の長さは、開繊前の繊維束長さの1.6倍である。各絡合部には部分絡合を4個含み、絡合部の長さYは14mmである。このとき、第1の繊維束と第2の繊維束は、図5に示すように500mmの距離を置いて離れており、この中間部分については圧縮空気が噴射されない。その結果、表1に示すとおり、連続原糸と同等の耐炎化炉通過可能な温度であり、耐炎化炉の炉内温度を低下させることなく、接合部を通過させることができた。また、通過可能な工程張力も7kg/stと十分な結束強度を有しており、さらには工程通過率も100%であり、接合部の状態も良好であった。
フィラメント数24,000本のポリアクリル系前駆体繊維束の末端部同士の400mmを重ね合わせ、図2に示す糸繋ぎ装置を用いて、第1と第2の繊維束を接合させた。このとき、交絡処理手段は3つ用い、交絡処理手段の各交絡ノズルのスペックは流体噴射孔径がφ3.0mm、孔ピッチが6.0mmで、流体噴射孔列は1列である。第1と第2の繊維束には丸棒による弛緩機構により、7.0%の弛緩量を付与し、0.4MPaの圧縮空気を2秒間噴射した。これにより、形成された糸繋ぎ接合部は全部で3個であるが、各糸繋ぎ接合部には放熱部はなく、絡合部を1つずつ備えている。また、各絡合部には部分絡合を2個含み、絡合部の長さYは5mmである。その結果、接合部が除熱されないため焼損しやすく、耐炎化炉通過可能な温度が240℃となり、連続原糸と比較して大きく低下した。また、各部分絡合のバラツキが大きいため、通過可能な工程張力も5kg/stと低下し、工程通過率も80%と好ましいものではなかった。
B:放熱部
C:絡合部
D:部分絡合
X:放熱部の繊維束方向の長さ
Y:部分絡合の繊維束方向の長さ
1:交絡処理手段
1a:上部交絡ノズル
1b:下部交絡ノズル
2:クランプ機構
3:弛緩機構
4:第1の繊維束
5:第2の繊維束
6:第3の繊維束(接続媒体)
Claims (11)
- 第1の繊維束の末端部と第2の繊維束の末端部とを長手方向に相互に重ね合わせ、接合されてなる糸繋ぎ接合部において、前記糸繋ぎ接合部は前記第1の繊維束と前記第2の繊維束とが互いに絡み合わされてなり、前記糸繋ぎ接合部は絡み合わされた繊維束が開繊されてなる放熱部と、前記放熱部の両端部に繊維束の幅方向に複数の部分絡合をもつ絡合部を備えていることを特徴とする糸繋ぎ接合部。
- 第1の繊維束と第2の繊維束が炭素繊維前駆体繊維束であって、請求項1記載の糸繋ぎ接合部を有する前駆体繊維束を焼成してなる炭素繊維。
- 炭素繊維の前駆体繊維束である第1の繊維束の末端部と第2の繊維束の末端部とを長手方向に相互に重ね合わせ、その重ね合わせ部に、繊維束の幅方向に直列に複数の流体噴射孔が開口され、前記流体噴射孔の列が繊維束方向に間隔をあけ2列配置された少なくとも1組の交絡処理手段により加圧流体を噴射して、前記第1の繊維束と前記第2の繊維束の単繊維を互いに絡み合わせ、絡み合わされた繊維束が開繊されてなる放熱部と、前記放熱部の両端部に繊維束の幅方向に複数の部分絡合をもつ絡合部を備えた糸繋ぎ接合部を形成させることを特徴とする前駆体繊維束の製造方法。
- 前記2列に配置された流体噴射孔列の列間隔が、20〜100mmであり、流体噴射孔列における流体噴射孔の配列ピッチが、1.7〜4.5mmである請求項3に記載の前駆体繊維束の製造方法。
- 請求項3もしくは4に記載の前駆体繊維束の製造方法で得られた糸繋ぎ接合部を有する炭素繊維の前駆体繊維束を焼成することを特徴とする炭素繊維の製造方法。
- 第1の繊維束と第2の繊維束を、接続媒体を介して接合されてなる糸繋ぎ接合部であって、前記糸繋ぎ接合部は前記第1の繊維束と前記接続媒体、前記接続媒体と前記第2の繊維束とが互いに絡み合わされてなり、前記糸繋ぎ接合部は絡み合わされた繊維束が開繊されてなる放熱部と、前記放熱部の両端部に繊維束の幅方向に複数の部分絡合をもつ絡合部を備えていることを特徴とする糸繋ぎ接合部。
- 接続媒体が非発熱性でかつ熱伝導率が3W/m・K以上700W/m・K以下の接続媒体であることを特徴とする請求項6記載の糸繋ぎ接合部。
- 第1の繊維束と第2の繊維束が炭素繊維前駆体繊維束であって、請求項7記載の糸繋ぎ接合部を有する前駆体繊維束を焼成してなる炭素繊維。
- 炭素繊維の前駆体繊維束である第1の繊維束の末端部と第2の繊維束の末端部を、接続媒体の長手方向にそれぞれ重ね合わせ、その重ね合わせ部に、繊維束の幅方向に直列に複数の流体噴射孔が開口され、前記流体噴射孔の列が繊維束方向に間隔をあけ2列配置された少なくとも1組の交絡処理手段により加圧流体を噴射して、前記第1の繊維束と前記前記接続媒体、前記接続媒体と前記第2の繊維束とを互いに絡み合わせ、絡み合わされた繊維束が開繊されてなる放熱部と、前記放熱部の両端部に繊維束の幅方向に複数の部分絡合をもつ絡合部を備えた糸繋ぎ接合部を形成させることを特徴とする前駆体繊維束の製造方法。
- 前記2列に配置された流体噴射孔列の列間隔が、20〜100mmであり、流体噴射孔列における流体噴射孔の配列ピッチが、1.7〜4.5mmである請求項9に記載の前駆体繊維束の製造方法。
- 請求項9もしくは10に記載の前駆体繊維束の製造方法で得られた糸繋ぎ接合部を有する炭素繊維の前駆体繊維束を焼成することを特徴とする炭素繊維の製造方法。
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