JPH10226918A - 炭素繊維とその製造方法および製造装置 - Google Patents

炭素繊維とその製造方法および製造装置

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JPH10226918A
JPH10226918A JP9047255A JP4725597A JPH10226918A JP H10226918 A JPH10226918 A JP H10226918A JP 9047255 A JP9047255 A JP 9047255A JP 4725597 A JP4725597 A JP 4725597A JP H10226918 A JPH10226918 A JP H10226918A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 太い前駆体繊維束を使用する際にも、耐炎化
処理に伴う問題を解消し、安定して低コストで炭素繊維
を製造する。 【解決手段】 フィラメント数が30,000本以上の
前駆体繊維束の末端部同士が、耐炎化温度において非発
熱性である接続媒体を介して、単糸レベルの絡合により
接続されていることを特徴とする炭素繊維製造用原糸、
それを用いて製造した炭素繊維、およびその製造方法と
製造装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭素繊維とその製
造方法および製造装置に関し、とくに、炭素繊維の原糸
である前駆体繊維の接続技術に関する。
【0002】
【従来の技術】炭素繊維は、従来の航空機、スポーツ用
途に加え、建築・土木、エネルギー関係の産業用途にも
立ち上がり始め、急速に需要が伸びている。この伸びを
さらに加速するために、より低コストの炭素繊維が望ま
れている。低コスト化の手段の一つとして、多フィラメ
ントの糸を高密度で焼成し、炭素繊維の生産性を向上さ
せる方法があるが、糸条密度を高くすると、耐炎化工程
での糸自身の発熱により酸化反応が暴走しやすいという
問題がある。そのため、糸条密度を高くする場合には、
暴走反応による糸切れを防止するため、耐炎化工程での
耐炎化温度を通常の温度よりも低い温度に設定し、長時
間をかけて耐炎化する必要がある。しかし、この耐炎化
温度の低下幅が大きいと、耐炎化時間が長くなりすぎ
て、せっかく高糸条密度焼成を行っても生産性向上には
結び付かない。
【0003】高糸条密度焼成でのもう一つの問題は、繊
維束自身の糸条密度よりも繊維束端部同士の接続部の糸
条密度の方が高いので、暴走反応が起きやすいというこ
とである。焼成工程の原糸である前駆体繊維束は、通常
ボビンやスプールなどに巻き上げられたり、箱体内に収
容された形態で供給されるので、これらの前駆体繊維を
連続的に焼成し炭素繊維に転換するためには、上記の巻
き上げられたり箱体内に収容されている前駆体繊維の繊
維束末端部を何らかの手段でその前の前駆体繊維束の末
端部に接続してやる必要がある。
【0004】接続方法としては、特公昭53−2341
1号公報に記載されているように、前駆体繊維束を結び
合わせて耐炎化した後結び目を切断除去し、改めて結び
直して炭化する方法、特開昭54−50624号公報に
記載の接合部にシリコングリース等の耐炎性化合物を付
与する方法、特開昭56−37315号公報に記載の前
駆体繊維束の両末端部を予め熱処理し、特殊な結び方で
接続して焼成する方法や、特開昭58−208420号
公報に記載の高速流体処理により絡合する方法などがあ
る。しかし、これらいずれの方法においても、結合部で
糸条密度が繊維束自身の糸条密度よりも相当高くなるた
め、耐炎化処理時に蓄熱による焼損、糸切れなどが発生
しやすい。
【0005】また、特公昭60−2407号公報では、
蓄熱を抑制するために、耐炎化糸または炭素繊維を介在
させているが、接続方法がこぶ結びであるため、結び目
が引き締められて糸条密度が高くなり蓄熱抑制効果が小
さい。
【0006】これらを改善する方法として、特公平1−
12850号公報では、前駆体繊維束同士または前駆体
繊維束と耐炎化糸を高速流体処理により絡合する方法が
挙げられている。図1は、その実施例を示す図である。
これは、結合する繊維束同士の末端部2aを単に束状の
まま重ねてノズル1の処理室4内に配置し、約5〜60
%弛緩させた後、高速流体処理を施す方法である。ま
た、耐炎化糸を介在させる接続方法は、耐炎化糸が耐炎
化工程においてほとんど発熱しないので、前駆体繊維束
同士の接続に比べて、接続部での蓄熱が少ないという効
果がある。
【0007】この方法で使用されるノズルは、図1に示
すように小さな絡合処理室4に設けられた2つのノズル
孔3から噴射される高速噴射流体が絡合処理室内でぶつ
かって乱流が発生し、繊維束を開繊、絡合させる構造で
あるため、フィラメント数の少ない繊維束については十
分に開繊、絡合させることができる。
【0008】しかし、絡合させる繊維束のフィラメント
数が多くなると、ノズルから噴射された噴射流体が、繊
維束全体に当たらなくなり、繊維束が単糸レベルで混繊
せず、幾つかの小束に分かれて絡まるようになる。この
ような小束の絡まりが結合部に不均一に生じると、局部
的に繊維束繊維の糸条密度の高い部分ができて蓄熱しや
すくなる。また、絡まりも弱いため、接合強度も弱くな
る。上記公報に記載されている各実施例においても、フ
ィラメント数12,000本までの繊維束でしか実施さ
れておらず、本方法を用いて、フィラメント数30,0
00本以上の前駆体繊維束の末端部同士を直接接続また
は耐炎化糸を介在させて接続しても、上述した理由によ
り耐炎化工程で、破断するか蓄熱による焼き切れが発生
する。
【0009】それに加えて、多フィラメント糸の場合、
収容状態から解舒するときの取り扱い性向上のために、
繊維束に捲縮をかけて集束性を持たせる場合があるが、
捲縮のかかった繊維束は嵩高で、各単糸が少しずつ絡ま
り合っているため、捲縮のかかったトウ状前駆体繊維束
の末端部同士の接続を上記特公平1−12850号公報
の方法を用いて実施することはさらに困難である。この
場合、捲縮により集束した繊維束同士を重ねて高速流体
処理を施しても、繊維束同士が捲縮のため単糸レベルで
開繊せず、また、嵩高で綿状であるため、繊維の単糸レ
ベルでの動きが抑制されて、繊維束同士が充分に混繊せ
ず、従って、絡合が不均一で接合強度も非常に低い。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した問
題点に鑑み、フィラメント数30,000本以上の太い
前駆体繊維束を流体処理により接合する場合に、接合部
の結束強度向上と接合される繊維束同士の均一な混繊及
び絡合、蓄熱の抑制を実現し、耐炎化工程において接続
部が破断したり、焼き切れたりすることなく工程通過可
能で、かつ前駆体繊維束の耐炎化処理温度に対する前駆
体繊維束接続部の耐炎化処理温度の低下幅を小さくでき
る炭素繊維製造用原糸、炭素繊維とその製造方法及び製
造装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の炭素繊維製造用原糸は、フィラメント数が
30,000本以上の前駆体繊維束の末端部同士が、耐
炎化温度において非発熱性である接続媒体を介して、単
糸レベルの絡合により接続されていることを特徴とする
ものからなる。
【0012】ここで耐炎化温度において非発熱性である
とは、耐炎化温度においてDSC(示差走査熱量計)法
で求めた量が500cal/g以下であることをいい、
詳細については後述する。
【0013】上記前駆体繊維束の末端部と接続媒体と
は、たとえば流体処理、とくに高速流体処理による絡合
により接続されている。また、耐炎化温度において非発
熱性である接続媒体としては、耐炎化糸を用いることが
できる。
【0014】本発明に係る炭素繊維は、このような炭素
繊維製造用原糸を用いて製造したものである。
【0015】また、本発明に係る連続的炭素繊維の製造
方法は、フィラメント数が30,000本以上の前駆体
繊維束の末端部同士を、耐炎化温度において、非発熱性
である接続媒体、たとえば耐炎化糸を介して、単糸レベ
ルの絡合により接続し、次いで焼成することを特徴とす
る方法からなる。
【0016】前駆体繊維束の末端部と接続媒体との接続
には、たとえば、上記前駆体繊維束の各末端部を扁平状
になるように開繊するとともに、接続媒体の一例である
耐炎化糸の末端部を開繊した後(たとえば、各々4,0
00本/mm以下となるように扁平状に開繊した後)、
開繊された耐炎化糸と前駆体繊維束を重ね合わせた状態
で、流体処理による絡合により接続する方法を用いるこ
とができる。
【0017】また、本発明に係る連続的炭素繊維の製造
方法は、フィラメント数が30,000本以上の太い前
駆体繊維束の末端部同士を、前記の非発熱性である接続
媒体を介さずに、流体処理による絡合により直接接続
し、次いで焼成することを特徴とする方法からなる。
【0018】この場合の前駆体繊維束の末端部同士の接
続には、前駆体繊維束の各末端部を扁平状に開繊した後
(たとえば、各々4,000本/mm以下となるように
扁平状に開繊した後)、開繊された前駆体繊維束の末端
部同士を重ね合わせた状態で、流体処理による絡合によ
り接続する方法を用いることができる。
【0019】さらに、前駆体繊維束の末端部同士を直接
接続する場合には、糸繋ぎ部の蓄熱により焼損、糸切れ
を防止するため、耐炎化反応抑制効果のある薬液(耐炎
化反応抑制剤)を糸繋ぎ部に付与する方法を用いること
ができる。このような製造方法に用いる耐炎化反応抑制
剤として、硼酸水を使用できる。
【0020】また、本発明に用いる前駆体繊維束として
は、捲縮のかかった(捲縮加工された)繊維束と、捲縮
のかかっていない繊維束の両方を用いることができる。
【0021】また、本発明に用いる前駆体繊維束とし
て、捲縮のかかった繊維束であって、繊維束の末端部の
接続部分のみを捲縮除去した前駆体繊維束を用いること
ができる。たとえば、前記流体処理による絡合を施す前
に、絡合処理される前駆体繊維束端部を熱処理により捲
縮除去する方法を用いることができる。
【0022】さらに、本発明に係る繊維束接続部に非発
熱性の接続媒体を介する炭素繊維の製造装置は、前駆体
繊維束の末端部同士を接続媒体を介在させて接続する装
置であって、前駆体繊維束の末端部同士を各々開繊した
状態で保持する前駆体繊維束保持手段と、接続媒体を開
繊した状態で保持する接続媒体保持手段と、両手段にそ
れぞれ保持された前駆体繊維束の末端部と接続媒体の末
端部を重ね合わせた後、前駆体繊維束と接続媒体が重ね
合わされた部分に流体を噴射して絡合処理を施す流体処
理手段とを有することを特徴とするものからなる。
【0023】また、本発明に係る繊維束接続部に上記接
続媒体を介さない炭素繊維の製造装置は、前駆体繊維束
の末端部同士を直接接続する装置であって、前駆体繊維
束の末端部同士を各々開繊した状態で保持する前駆体繊
維束保持手段と、前駆体繊維束の末端部同士が重ね合わ
された部分に流体を噴射して絡合処理を施す流体処理手
段とを有することを特徴とするものからなる。
【0024】上記の炭素繊維の製造装置においては、接
続すべき前駆体繊維束の各末端部の保持手段と、流体処
理手段の他に、さらに、接続する前駆体繊維束の流体処
理を施す部分に、事前に熱処理による捲縮除去処理を施
す捲縮除去手段が設けられていてもよい。
【0025】このような装置を用いることにより、上述
した炭素繊維製造用原糸、さらには炭素繊維を製造する
ことが可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の望ましい実施の
形態を、図面を参照しながら説明する。まず、本発明に
係る(連続的)炭素繊維の製造方法および製造装置を好
適に用い得る炭素繊維製造工程の一実施形態について説
明する。炭素繊維製造用原糸である前駆体繊維を製造す
る工程の速度と、焼成工程の速度とは大幅に異なるた
め、前駆体繊維は、通常、繊維束としてボビンに巻き上
げられた状態あるいは箱体(キャン)内に折りたたみ積
層されて収容された状態にて、焼成工程に供給される。
以下に、前駆体繊維がキャンに収容された状態で供給さ
れる場合について説明する。
【0027】キャンに収容されていた原糸としての前駆
体繊維束は、キャンから引き出された後、耐炎化炉内で
耐炎化処理される。この耐炎化処理においては、糸条が
酸化性雰囲気下に200〜350℃で加熱処理され、耐
炎化糸とされる。耐炎化糸は、炭化炉内で炭化処理さ
れ、炭素繊維とされる。炭素繊維には、表面処理工程で
必要に応じて、サイジング剤付与等の表面処理が施さ
れ、巻取工程で巻き取られて炭素繊維の製品とされる。
キャンに収容されていた前駆体繊維束が終端部にくる
と、次のキャンに収容されている前駆体繊維束の始端部
が接続される。つまり、前駆体繊維束の末端部同士が接
続される。接続された前駆体繊維束が続けて焼成され、
連続的に炭素繊維が製造される。本発明は、とくに太い
フィラメント数の多い原糸を用いる炭素繊維の製造方法
において、耐炎化工程前での原糸同士の接続方法を、耐
炎化処理における不都合の発生を防止しつつ、改良する
ものである。
【0028】とくにフィラメント数が30,000本以
上の前駆体繊維束が対象となり、キャンから繰り出され
る前駆体繊維束が終端にくると、次のキャンが準備され
て、前駆体繊維束の末端部同士が接続される。
【0029】本発明の接続方法には、各末端部に耐炎化
温度において非発熱性の接続媒体を介する方法と、各末
端部を接続媒体を介さないで直接接続する方法とがあ
る。
【0030】まず、前駆体繊維束の各末端部を、接続媒
体を介して接続する方法について説明する。
【0031】図2は、前駆体繊維束2の各末端部を接続
媒体を介して単糸レベルの絡合により接続する方法の一
例を示す概略側面図である。前駆体繊維束2の各末端部
2a同士は、図2に示すように、接続媒体10を介して
接続される。12は、後述の(高速)流体処理による交
絡部を示している。この接続媒体10は、耐炎化温度に
おいて非発熱性のものであり、そのような接続媒体10
としてたとえば耐炎化糸を用いることができる。
【0032】ここで「耐炎化温度において非発熱性であ
る」とは、DSC(示差走査熱量計)法により求めた発
熱量が500cal/g以下であることをいう。
【0033】測定方法は以下の通りである。 (1)測定装置 : 示差走査熱量計(DSC)を使用する。 (2)サンプルの調製: 耐炎化糸等2mgを3mm程度に粉砕してアルミパン に挿入する。 (3)測定条件 : 測定雰囲気;空気(大気)中 温度 ;10℃/分の昇温速度で室温から400 ℃まで昇温する。 (4)発熱量の求め方 図3に示すように、得られた発熱曲線の200℃におけ
る点と400℃における点との間に直線を引き、該直線
と発熱曲線とで囲まれた面積を発熱量(cal/g)と
する。図3には、前駆体原糸と耐炎化糸の特性例を示し
てある。
【0034】上記のような非発熱性の接続媒体を介し
て、前駆体繊維束の末端部同士が次のように接続され
る。望ましい接続方法として、前駆体繊維束と耐炎化糸
の末端部を各々扁平状に開繊した後、開繊された前駆体
繊維束の各末端部に接続媒体の両端部を重ね合わせた状
態で、流体処理による絡合により接続する方法が適用で
きる。
【0035】予め流体処理を施す部分の繊維束を扁平状
に開繊して重ね合わせておくことにより、流体処理によ
る絡合部で、前駆体繊維束と接続媒体とを単糸レベルで
均一に混繊し、かつ充分に絡合させることができる。こ
のとき、繊維束が充分に開繊されていないと、繊維束が
束状のまま絡合したり、前駆体繊維束と接続媒体との混
繊が不均一となる場合がある。そのため、各繊維束の末
端部の開繊は、予め充分に開繊されていることが望まし
く、とくにフィラメント数を4,000本/mm以下と
することが望ましい。
【0036】また、接続媒体として耐炎化糸を使用する
場合、前駆体繊維束の性状、フィラメント数、形態、破
断強度等に応じて、介在させる耐炎化糸のフィラメント
数を適正な範囲に選ぶことが望ましい。前駆体繊維束の
フィラメント数をGとした場合、接続媒体として使用す
る耐炎化糸のフィラメント数Fが、前駆体繊維束のフィ
ラメント数Gに対して少なくなるにつれて、結束力も低
下するので、耐炎化工程での付与張力に対して、接続部
が耐えられなくなる場合があり、耐炎化工程通過率が低
下する要因となる。逆に耐炎化糸のフィラメント数F
が、前駆体繊維束のフィラメント数Gに対して多くなる
につれて、接続部の前駆体繊維束を接続媒体が覆う形態
となり、前駆体繊維束の耐炎化反応熱を除熱し難くな
る。この結果として、接続部の蓄熱を抑制する効果が低
下する方向になる。このため、本発明において、接続媒
体として介在させる耐炎化糸のフィラメント数は、接続
する前駆体繊維束の性状、フィラメント数、形態、破断
強度等に応じて適正な範囲を選ぶことが望ましく、特に
接続媒体として介在させる耐炎化糸のフィラメント数F
は、前駆体繊維束のフィラメント数Gに対して、 0.4×G≦F≦1.5×G の関係にあることが望ましい。これは、後述する実施例
から導き出されたものである。
【0037】図4〜図6は、上述の接続方法の具体例を
それぞれ示している。図4に示す例では、前駆体繊維束
11の扁平形状に開繊された末端部11aと接続媒体1
0の両端部との接続方法を示している。この例では、接
続媒体10と前駆体繊維束の末端部11aとが、噴射流
体によって列状に交絡され(交絡部12)、互いに絡合
されている。流体噴射ノズルの構造については後述す
る。
【0038】図5に示す例では、扁平形状に開繊された
前駆体繊維束11の末端部11aと接続媒体10とが、
噴射流体によって多点状に交絡され(交絡部13)、互
いに絡合されている。
【0039】図6に示す例では、扁平形状に開繊された
前駆体繊維束11の末端部11aと接続媒体10とが、
積層部の略全面にわたって、噴射流体により網状に交絡
され(交絡部14)互いに絡合されている。
【0040】図4〜図6の例では、接続媒体が片面のみ
に配置されているが、それ以外に、接続媒体が、前駆体
繊維束の末端部を、両面から挟むようにしてもかまわな
い。
【0041】図4〜図6に示したような絡合には、(高
速)流体処理を適用することが好ましく、噴射流体とし
てはスチーム、水、エア等が利用できるが、作業性、経
済性の面で、とくに(高速)噴射エアによる方法が好ま
しい。たとえば図7、8に示すようなエア交絡ノズル装
置21を用いることができる。図7は、エア交絡ノズル
装置の具体例の一例を示す概略構成図である。図8は図
7に示すエア交絡ノズル装置による流体処理方法の概略
構成図である。該装置21は流体処理を施す繊維束を処
理室内に配置するため、たとえば図7のようにノズル上
部21aとノズル下部21bに分離する構造とすること
が望ましい。エア交絡ノズル装置21内に前駆体繊維束
11の末端部11aと接続媒体10とを扁平状に開繊さ
れて重ね合わされた状態で配置した後、図8に示すよう
にノズル上部21aとノズル下部21bが結合し、上下
両側から、均圧室23a、23bで均圧化された後ノズ
ル孔22から噴射される高速エアにより、末端部の繊維
束を単糸レベルに開繊するとともに交絡させて、開繊さ
れた末端部11aと接続媒体10とを絡合することがで
きる。
【0042】上述したように、本発明では、予め、扁平
状に開繊した繊維束全体に、均等に噴射エアをあてるこ
とができるノズル構造としているので、フィラメント数
が多い繊維束でも、繊維束を単糸レベルで開繊させ、均
一に混繊・絡合させることができる。
【0043】エア交絡ノズル装置に供給されるエアの圧
力は、単糸繊度、フィラメント数、捲縮の有無、油剤の
付着状況、ノズル形状によって適正値は異なるが、エア
交絡装置の入口部で、少なくとも、ゲージ圧0.2MP
a以上、0.4〜0.8MPaの範囲が望ましい。圧力
が低すぎると、交絡不足で結束力が低下し、圧力が高す
ぎると単糸切れ等の交絡部損傷が発生する。
【0044】また、ノズル孔22の配置構成により、ま
た、エア交絡ノズル装置21を繊維束延設方向に走査
し、その際にエアを連続的に噴射したり断続的に噴射し
たりすることにより、図4〜図6に示したような絡合状
態が得られる。また、エア交絡ノズル装置21を複数個
並べて設置し、各場所で流体処理を実施してもよい。
【0045】ノズルの具体的な構造としては、たとえば
図9や図10に示すような構造を採用できる。図9に示
す例では、ノズル本体31の上下部に、互いに対向する
ように各々一列にノズル孔32が配列されている。処理
室33内に配置された前駆体繊維束と耐炎化糸の末端部
がノズル孔32から噴射されるエアによって繊維束全体
が単糸レベルに開繊され、両者が絡合される。
【0046】上記のノズル孔32においては、上下の向
かい合うノズル孔は、互いに対向させて噴流がぶつかる
ようにしてもよいし、向かい合うノズル孔の位置をずら
して旋回流が発生するようにしても絡合が可能である。
【0047】図10に示す例では、ノズル本体41の上
部側に、2個一対の斜めに延びるノズル孔42が複数組
配列されている。各ノズル孔42から噴射されるエアに
よって、処理室43内に配置された前駆体繊維束と耐炎
化糸の末端部が単糸レベルに開繊され、両者が絡合され
る。
【0048】上述した図4〜図6のような接続媒体を介
しての接続は、たとえば、図11、12に示すような方
法、装置を用いて行われる。図11に示すように、一対
の繊維束保持部61を2組有する前駆体繊維束保持手段
62a、62bが間隔をもたせて直列に配置され、前駆
体繊維束保持手段62a、62bに、各前駆体繊維束1
1の末端部11a、11a(終端部と始端部)がそれぞ
れ保持される。一対の繊維束保持部63を2組有する接
続媒体保持手段64に、たとえば耐炎化糸からなる接続
媒体10が保持され、保持された接続媒体10の両端部
が前駆体繊維束11の各末端部11a、11a上に重ね
合わされるように掛け渡される。
【0049】このとき、流体処理による絡合処理の結合
強化と均一化のため、前駆体繊維束の末端部11aおよ
び接続媒体10を前記前駆体繊維束保持手段62a、6
2bと前記接続媒体保持手段64に保持させる際に、各
繊維束と接続媒体を捻れなく扁平状に開繊させた状態で
保持させることが望ましい。とくに各繊維束と接続媒体
は、4,000本/mm以下に開繊されていることが望
ましい。こうすることにより、前駆体繊維束と接続媒体
が、単糸レベルで均一に混繊でき、かつ結束力も向上す
る。
【0050】この状態で、図12に示すように、交絡ノ
ズル65を、該交絡ノズル65の処理室65a内に上記
重ね合わせた各末端部11aと接続媒体10とが配置さ
れるように設け、ノズル65からの噴射流体によって所
望の接続状態を得る。接続は、たとえば、ノズル65を
移動させることによって、所定長にわたって行われる方
法をとってもよい。ノズル65は図示のように2個配置
して、左右同時に作動させるようにしてもよいし、1個
のノズルを用いて左右の部分を順次接続処理するように
してもよい。また、複数のノズルを所定の場所に配置し
て、各場所で流体処理による結合を行えば、1個のノズ
ルを動かす必要がない。また、ノズル65による流体処
理の前に、前記の重ね合わされて保持された繊維束と接
続媒体を弛ませるようにすると、結合しやすくなる。
【0051】図13に示す接続方法および接続装置は、
図12の方法、装置をさらに改善するもので、図4に示
す列状の交絡を複数箇所に施して接続するものである。
接続手順は、図11のように各前駆体繊維束と接続媒体
を保持した後、図12のように両者を重ね合わせて配置
する。
【0052】次に、図13の(a)で示すように交絡を
実施する箇所にそれぞれエア交絡ノズル65を設置す
る。各エア交絡ノズル65の両側にはリラックス保持手
段66が所定の間隔で設置され、重ね合わされて配置さ
れた前駆体繊維束と接続媒体を保持する。この後、図1
3(b)で示すように前駆体繊維束保持部61と接続媒
体保持部63が開放して、エア交絡ノズル65とリラッ
クス保持部66が図13(b)に示すようにそれぞれ移
動して、繊維束の交絡される箇所を弛ませる。続いて、
各エア交絡ノズル65により各箇所で絡合処理を施すこ
とで図4に示すような接続方法、接続状態が可能とな
る。
【0053】この方法では、繊維束に充分な弛みを与え
ることができるため、交絡がかかりやすく、絡合を強化
できる。また、各交絡箇所のリラックス率を、各々設定
できるので、望ましい結束形態、結束強度が得られる。
図4に示す接続の方法の場合、交絡箇所の数は、結束強
度のばらつき減少のために3〜5箇所程度とすることが
望ましい。
【0054】上記のような接続方法においては、接続媒
体として、耐炎化温度において非発熱性である接続媒体
が用いられるので、接続部が多少太くなっても、耐炎化
炉内における耐炎化処理時の発熱量が小さく抑えられ、
過大加熱による糸切れ等の不都合の発生が回避される。
その結果、フィラメント数が30,000本以上の太い
前駆体繊維束の末端部同士の接続部を耐炎化処理する際
に、耐炎化温度を実質的に大きく低下させることなく、
かつ、耐炎化処理速度(糸条の走行速度)を低下させる
ことなく耐炎化可能となる。したがって、最終的に、太
い炭素繊維束を連続的に製造することが可能となり、炭
素繊維を低コストで製造することが可能となる。
【0055】とくに、前駆体繊維束の末端部を開繊して
接続媒体と流体処理による絡合により接続する方法は、
繊維束を結んだり、従来技術による流体処理により接続
する場合のように、こぶやねじれた部分ができて結束部
が締まるようなことがない。このため、原糸が比較的太
い繊維束であっても、接続部においては、単位面積当た
りあるいは単位体積当たり、発熱量の少ない形態に保持
できるので、非発熱性の接続媒体を使用することと相ま
って過大発熱や蓄熱をより確実に抑制することができ
る。その結果、接続部が炉内を通過することを考慮した
としても、耐炎化炉の温度をそれ程低く設定しなくて済
み、太い前駆体繊維束を効率よくかつ安定して所定の状
態まで耐炎化処理でき、工業的に高い生産性をもってし
かも低コストで炭素繊維を製造することができる。
【0056】さらに、上述した前駆体繊維束の末端部を
開繊して接続媒体と流体処理による絡合により接続する
方法は、前駆体繊維束の末端部同士を、接続媒体を介さ
ずに、直接接続する方法にも適用できる。
【0057】従来技術により太い前駆体繊維束の末端部
を接続しようとすると、フィラメント数が多すぎて、流
体処理を施しても絡合が弱く糸条密度が不均一となっ
て、結束力不足、局所的な高糸条密度による蓄熱、焼損
が発生する。
【0058】しかし、本発明による繊維束を流体処理に
より開繊させて絡合させる方法によれば、太い前駆体繊
維束の末端部同士を直接接続しても、従来技術に比較し
て結束力が大幅に向上し、また、接続部においては、単
位面積当たりあるいは単位体積当たり、発熱量の少ない
形態の接続が均一に行え、過大発熱や蓄熱を抑制でき
る。
【0059】太い前駆体繊維束同士の末端部を開繊させ
て直接絡合させる方法は、上述した接続媒体を間に介す
る方法と基本的に同様な方法で実施できる。
【0060】具体的には、前駆体繊維束の末端部同士を
開繊した状態で重ね合わせて接合する方法であって、噴
射流体、たとえば噴射エアによる絡合(交絡による絡
合)が好ましい。
【0061】絡合形態の具体例は、図4〜図6に示した
図の前駆体繊維束11の末端部11a(終端部)に接続
された接続媒体10の代わりに、次の前駆体繊維束11
の末端部11a(始端部)が接続された形態とすること
ができる。図4の列状交絡、図5の多点状交絡、図6の
全面交絡等の形態により絡合することができる。
【0062】また、その際の絡合には、接続媒体を介す
る方法と同様に、たとえば、図8に示したようなエアノ
ズル装置21を用いて、図中の前駆体繊維束11の末端
部と接続媒体10のかわりに、前駆体繊維束11の末端
部(終端部)と、次の前駆体繊維束11の末端部(始端
部)とを重ね合わせてノズル内に配置し、ノズル孔22
から噴射される流体により、重ね合わされた両末端部を
単糸レベルに開繊するとともに、絡合する方法を用いる
ことができる。
【0063】上述した接続媒体を介さないで直接前駆体
繊維束の末端部同士を接続するのには、たとえば図1
1、図12に示した接続媒体を介しての接続方法および
装置と同様なもので容易に実施できる。具体的には、図
11、12の前駆体繊維束保持手段62に前駆体繊維束
の末端部(終端部)11aを保持させ、接続媒体保持手
段64に、接続媒体10の代わりに、次の前駆体繊維束
の末端部(始端部)11aを保持させる。この場合、も
う一つの前駆体繊維束保持手段62bは必要ない。次に
図12に示すように、前記前駆体繊維束(終端部)11
aと前記前駆体繊維束(末端部:接続媒体10の代わ
り)を重ね合わせてエア交絡ノズル65によって、流体
処理による絡合処理を施すものである。
【0064】このとき、流体による絡合処理の絡合強化
と均一化のため、前駆体繊維束末端部(終端部および始
端部)を捻れなく扁平状に開繊させた状態で保持させる
ことが望ましい。とくに、各繊維束は4,000本/m
m以下に開繊されていることが望ましい。
【0065】また、図13に示す接続方法および装置に
ついても、接続媒体保持手段64に、接続媒体10の代
わりに、次の前駆体繊維束の末端部(始端部)11aを
保持させることにより、前駆体繊維束の末端部同士の接
続を容易に実施できる。
【0066】さらに、上述した前駆体繊維束の末端部を
接続媒体を介して接続する方法、および前駆体繊維束の
末端部同士を直接接続する方法においては、繊維束を予
め開繊した状態で配置した後、流体処理を施すため、接
続する前駆体繊維束が捲縮がかっているものであって
も、ある程度の結束強度で接続可能である。
【0067】ただし、捲縮のかかった前駆体繊維束は、
綿状で、単糸が絡まっているため、接続する繊維束同士
の混繊が不十分となりやすい。
【0068】これを解決する手段として、本発明による
接続方法では、捲縮のかかった前駆体繊維束の末端の接
続部分のみに捲縮除去を施すことができる。
【0069】ここでいう捲縮除去とは、高速流体処理に
よる絡合の強化が目的であるため、捲縮がかかり単糸が
絡み合った綿状の繊維束を張力を負荷して真っ直ぐにし
た状態に保持し、短時間の熱処理を施して、各単糸があ
る程度真っ直ぐで、かつ単糸の絡み合いが無くなれば充
分である。
【0070】そのため、熱処理の手段は、ホットエア、
スチーム、面状ヒーターによるプレスなど様々な手段が
適用可能である。
【0071】図14は、繊維束の末端部のみを、短時間
で捲縮除去する方法および装置の具体例を示す概略側面
図である。捲縮のかかった前駆体繊維束11の末端部1
1aは、繊維束保持手段68a、68bで保持され、次
に前駆体繊維束保持手段68a、68bが離れる方向に
移動して、捲縮のかかった繊維束の繊維束保持手段68
a、68bにより挟まれた前駆体繊維束の末端部11a
の捲縮を引き延ばして真っ直ぐにする。このとき、繊維
束保持手段68a、68bの移動は所定の間隔となるよ
うにしてもよいし、繊維束に負荷される張力が所定の荷
重となるようにしてもよい。
【0072】その後、繊維束の上下両面から面状ヒータ
ー69で挟むことにより、短時間で捲縮が除去できる。
具体的には、たとえば面状ヒーター69の温度80〜1
80℃、さらに好ましくは100〜150℃程度で、3
〜10秒間程度プレスすれば充分である。
【0073】図14に示した捲縮除去手段は、非常に簡
単であるため、前述した図11、12、13の接続方法
および接続装置に容易に組み込むことが可能である。
【0074】ところで、上述した前駆体繊維束同士を直
接接続する方法では、耐炎化温度において非発熱性の接
続媒体を介して接続する方法に比べ、接続部の前駆体繊
維密度が2倍となるため、接続媒体を介在させる場合に
比べ、蓄熱しやすい。
【0075】これを緩和する手段として、本発明では、
太い前駆体繊維束同士を直接接続した部分に、耐炎化反
応抑制剤を付与する方法を採ることができる。
【0076】耐炎化反応抑制剤を付与することにより、
発熱反応が抑制されるため、接続部の蓄熱を抑えること
が可能となり、耐炎化工程での焼損、糸切れ等の不都合
を回避できる。耐炎化反応抑制剤としては、とくに硼酸
水が望ましい。
【0077】
【実施例】以下、実施例を挙げて、本発明の内容をより
具体的に説明する。本発明による効果を確認するため、
先に炭素繊維の製造工程の一実施形態として説明した製
造工程中の耐炎化炉を用いて以下のような耐炎化炉走行
テストを実施した。キャンに収容された前駆体繊維束
は、耐炎化炉に導かれて所定の温度で、一定時間耐炎化
される。キャンのある場所に次の前駆体繊維束の入った
キャンを用意し、後に詳述する糸繋ぎ方法により、キャ
ンに収容された前駆体繊維束の末端部と次の前駆体繊維
束の始端部を接続した。接続部は、ガイドバーや、ドラ
イブステーションを通過して、熱風循環式の耐炎化炉に
入る。耐炎化時間は60分とし、各水準について耐炎化
炉内温度を変化させて、通糸可能な上限温度を測定し、
その温度における耐炎化工程通過率を測定した。炉内温
度制御の変動幅があるため、測定温度は、5℃きざみと
した。
【0078】耐炎化炉を通過した接続部は、続いて、窒
素雰囲気1500℃にて炭化処理され、炭化炉通過後、
ワインダーを用いてボビンに巻き上げられた。耐炎化炉
内で前駆体繊維束にかかる張力は、初期には約6kgf
/st、後期には繊維束が収縮して9kgf/st程度
であった。
【0079】また、耐炎化する前駆体繊維束は、単糸デ
ニール1.5d、フィラメント数70,000本のポリ
アクリル系前駆体繊維束である。この繊維束には、キャ
ンからの立ち上げ、糸道通過を容易にするため、捲縮が
かかっている。各実施例、比較例を表1にまとめた。
【0080】〈ブランク〉ブランクとして、フィラメン
ト数70,000本(70K)の前駆体繊維束自体(接
続部なし)について、耐炎化炉を通過可能な上限温度
と、工程通過率を測定した。結果は、耐炎化可能な上限
温度が235℃であり、耐炎化温度を240℃に設定す
ると前駆体繊維束が焼き切れた。また、耐炎化温度23
5℃では、耐炎化工程、炭化工程の工程通過率は、共に
100%であった。
【0081】〈実施例1〉フィラメント数70,000
本の前駆体繊維束の末端部同士を、耐炎化糸を介在させ
て接続した。このとき、介在させる耐炎化糸のフィラメ
ント数を、36,000本、48,000本、60,0
00本、100,000本として、4種類の接続サンプ
ルを作製した。
【0082】接続手段は、図14の捲縮除去手段と、図
13の繊維束の接続装置を使用し、図4に示す形態とな
るように接続を実施した。交絡数は、図4と同様に各重
ね合わせ部に4列とした。以下に手順を示す。
【0083】(1)図14の捲縮除去手段を用いて、前
駆体繊維束の末端部を捲縮除去する。(表面温度100
℃〜130℃の面状ヒーターで引き延ばした状態の繊維
束を両面から5秒間プレスする。) (2)図13(a)に示すように、捲縮除去した前駆体
繊維束と接続媒体である耐炎化糸を、それぞれ幅25m
mに扁平状に開繊(拡幅)した後、重ね合わせて保持さ
せる。 (3)図13(b)に示すように、各エア交絡箇所を弛
ませ、各エア交絡ノズル65から圧空を噴射して、絡合
処理を施す。エア交絡ノズルは、図11に示した形状で
あり、絡合処理空間の横幅は、50mm、隙間は6mm
のものを使用した。また、ノズルから噴射される圧空の
供給元での圧力は、0.5MPaとした。 (4)接続された前駆体繊維束と耐炎化糸の各末端部の
余った邪魔な部分を切断除去して、接続部が図4に示す
形態となるようにする。上記の手段で作製した接続部
は、エア交絡部が充分均一に混繊・絡合しており、小束
でにじれるような形態の絡合は発生しなかった。
【0084】こうして接続した前駆体繊維束の接続部
を、耐炎化炉に通過させ、通過可能な上限温度を測定し
た。また、同一条件による前駆体繊維束の接続部を作製
し、耐炎化炉を通過可能な上限温度に設定した状態での
接続部の耐炎化工程通過率、及び次の炭化工程の通過率
を測定した。その結果、表1に示す通り、ブランクと比
較して、耐炎化炉の通過可能な上限温度が、同等あるい
は、5℃程度低下する程度で、低下幅を非常に小さくで
きた。また、耐炎化炉の温度を、通過可能な上限温度に
設定して、からの接続部を走行させたところ、耐炎
化工程、炭化工程を通過し、ワインダーによりボビンに
巻き上げられた。特に、交絡部の形態が、扁平状で、均
一な絡合であるため、溝付きローラーに収まり易かっ
た。
【0085】〈比較例1〉フィラメント数70,000
本の前駆体繊維束の末端部同士を、特公平1−1285
0号公報に記載の従来技術であるエア交絡方法により接
続した。エア交絡ノズルは、図1に示す構造のノズル
で、フィラメント数の多い繊維束用に、絡合処理室と、
ノズル孔径を大きくしたものを使用した。交絡点数は、
実施例1と同様に、接続する繊維束同士の重ね合わせ部
を4点で交絡した。接続する束状の繊維束同士を重ねた
状態で上記ノズルの絡合処理室内に配置し、ノズルに供
給する圧空圧を0.5MPaとして、エア交絡処理を実
施した。上記方法によるエア交絡では、フィラメント数
の多い繊維束が、幾つかの小束に分かれて、捻れるよう
な絡合形態となった。
【0086】作製された接続部について、実施例1と同
様な方法で、耐炎化炉を通過可能な上限温度及び工程通
過率を測定した。その結果、耐炎化炉内で、捻れるよう
に絡合したエア交絡部が蓄熱・焼損しやすく、耐炎化炉
通過可能な上限温度が220℃となり、ブランクに比べ
て大きく低下した。また、結束力が実施例1に比べ、大
幅に弱く、また、ばらつきが大きいため、220℃にお
ける耐炎化工程通過テストでは、接続部の素抜けや、破
断が多発した。
【0087】〈比較例2〉フィラメント数70,000
本の前駆体繊維束の末端部同士を、特公平1−1285
0号公報に記載の従来技術であるエア交絡方法により、
フィラメント数60,000本の耐炎化糸を介在させて
接続した。接続方法は、比較例1と同一方法とした。上
記方法によるエア交絡では、比較例1と同様に前駆体繊
維束と耐炎化糸がそれぞれ、幾つかの小束に分かれて、
捻れるような絡合形態となった。
【0088】作製された接続部について、実施例1と同
様な方法で、耐炎化炉を通過可能な上限温度及び工程通
過率を測定した。その結果、耐炎化炉内で、比較例1に
比べると、耐炎化糸を介在させたことによる蓄熱抑制効
果があり、耐炎化炉通過可能な上限温度が225℃とな
ったが、ブランクに比べて大きく低下した。また、比較
例1と同様に、結束力が実施例1に比べて大幅に弱く、
また、ばらつきが大きいため、225℃における耐炎化
工程通過テストでは、接続部の素抜けや、破断が多発し
た。
【0089】上述した実施例1と比較例1、2から、本
発明の接続方法は、従来技術に比べて、接合部の結束強
度向上と接合される繊維束同士の均一な混繊及び結合、
蓄熱の抑制効果を達成していることが判る。特に、実施
例1の〜の結果から、介在させる耐炎化糸のフィラ
メント数Fは、前駆体繊維束のフィラメント数Gに対し
て、0.4×G≦F≦1.5×Gの範囲にあることが好
ましく、特に、0.6×G≦F≦1.0×Gの範囲にあ
ることが望ましい。
【0090】〈実施例2〉フィラメント数60,000
本(60K)の耐炎化糸を介在させて、フィラメント数
70,000本(70K)の前駆体繊維束の末端部同士
を接続した。接続手段は、実施例1と同じで前記の
(1)〜(4)の手順で実施したが、(2)の各繊維束
を開繊させる幅を、25mmではなく14mmとした。
この接続方法で作製した、接続部は、実施例1のに比
べると、エア交絡部の混繊・絡合にばらつきがあった。
結果は、ブランクと比較して、実施例1のに比べる
と、耐炎化炉通過可能な上限温度、工程通過率とも少し
低いが、比較例2に比べると、大幅に改善されている。
【0091】実施例2では、表1に示すように、エア交
絡前の各繊維束の末端部の開繊幅が、4000本/mm
より大であるのに対して、実施例1、3、4では400
0本/mm以下となっており各繊維束を充分に開繊した
上で、絡合処理している。このことから、本発明の接続
方法を、より好ましい方法で実施するためには、接続す
る各繊維束の末端部の開繊幅を各々4000本/mm以
下となるように予め扁平状に開繊した後、重ね合わせて
交絡することが望ましい。
【0092】〈実施例3〉フィラメント数70,000
本の前駆体繊維束の末端部同士を、耐炎化糸を介在させ
ずに直接接続した。接続手段は、実施例1と同様である
が、前駆体繊維束の末端部と耐炎化糸を重ね合わせる代
わりに、前駆体繊維束の末端部同士を重ね合わせて接続
している。交絡数は4列とした。上記の手段で作製した
接続部は、エア交絡部が充分均一に混繊・絡合してお
り、小束でねじれるような形態の絡合は発生しなかっ
た。
【0093】こうして接続した接続部を、耐炎化炉に通
過させ、通過可能な上限温度を測定した。結果は、接続
部での前駆体繊維束の高密度化のため、接続部が蓄熱し
やすく、耐炎化炉通過可能な上限温度が225℃となっ
た。ブランクに比べて低下したが、比較例1に比べて高
く改善されている。また、225℃で接続部を走行させ
たところ、耐炎化工程、炭化工程を通過し、ワインダー
によりボビンに巻き上げられた。特に、交絡部の形態
が、扁平状で、均一な絡合であるため、溝付きローラー
に収まり易かった。この方法は、耐炎化糸を介在させる
方法よりも、生産性が低下するが、実施例1に比べて簡
便な方法であるので、耐炎化炉内温度を下げてもよい条
件下においては充分生産に適用できる。
【0094】〈実施例4〉実施例3と同一の方法でフィ
ラメント数70,000本の前駆体繊維束の末端部同士
を直接接続した後、耐炎化反応抑制剤として、接続部に
硼酸水を付与した。結果は、耐炎化炉を通過可能な上限
温度が235℃となり、ブランクと同等の条件で、耐炎
化炉を通過させることができた。但し、硼酸水を付与し
た部分は反応が抑制されて耐炎化が遅れているため、こ
のまま炭化処理しても焼き切れる。そのため、接続部に
硼酸処理を施す場合には、接続部が耐炎化炉に通過した
後で、硼酸水のついた部分を切断・除去し、再接続する
ことが望ましい。
【0095】上記の実施例及び比較例から、本発明にか
かる前駆体繊維束の接続形態は、連続的炭素繊維を工業
的に製造するに際し、特にその耐炎化処理に対して、極
めて効果的であることが判る。
【0096】
【表1】
【0097】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
特にフィラメント数30,000本以上の太い前駆体繊
維束を流体処理により接合する場合に、接合部の結束強
度向上と接続される繊維束同士の均一な混繊及び絡合、
蓄熱の抑制を実現し、耐炎化工程において接続部が破断
したり、焼き切れたりすることなく工程通過可能で、か
つ前駆体繊維束の耐炎化処理温度に対する前駆体繊維束
接続部の耐炎化処理温度の低下幅を小さくすることがで
き、高品質の炭素繊維を低コストで製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術である接続方法の一実施形態に係るエ
ア交絡ノズルの斜視図である。
【図2】本発明に係る前駆体繊維束同士の接続部の概略
側面図である。
【図3】接続媒体の発熱量の求め方を示す特性図であ
る。
【図4】接続部の一例を示す概略構成図である。
【図5】接続部の別の例を示す概略構成図である。
【図6】接続部のさらに別の例を示す概略構成図であ
る。
【図7】接続に用いるノズル装置の一例の概略構成図で
ある。
【図8】図7に示すノズル装置による流体処理方法を示
す概略図である。
【図9】ノズル本体の一例を示す透視斜視図である。
【図10】ノズル本体のさらに別の一例を示す透視斜視
図である。
【図11】接続方法および接続装置の一例を示す概略斜
視図である。
【図12】図11の方法および装置を用いた接続方法を
示す概略側面図である。
【図13】接続装置および接続方法の別の一例を示す概
略側面図である。
【図14】捲縮除去手段の一例を示す概略側面図であ
る。
【符号の説明】
1 従来の交絡ノズル装置 2 前駆体繊維束からなる糸条 2a 前駆体繊維束の末端部 3 ノズル孔 4 処理室 10 接続媒体 11 前駆体繊維束 11a 前駆体繊維束の末端部 12、13、14 交絡部 21 交絡ノズル装置 21a 交絡ノズル上部 21b 交絡ノズル下部 22 ノズル孔 23a、23b 均圧室 31、41 交絡ノズル本体 32、42 ノズル孔 33、43 処理室 61、63、68a、68b 繊維束保持部 62a、62b 前駆体繊維束保持手段 64 接続媒体保持手段 65 交絡ノズル 65a 交絡処理室 66 リラックス保持部 69 面状ヒーター

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィラメント数が30,000本以上の
    前駆体繊維束の末端部同士が、耐炎化温度において非発
    熱性である接続媒体を介して、単糸レベルの絡合により
    接続されていることを特徴とする炭素繊維製造用原糸。
  2. 【請求項2】 前記接続媒体が耐炎化糸である、請求項
    1の炭素繊維製造用原糸。
  3. 【請求項3】 前記耐炎化糸のフィラメント数Fが、接
    続される前駆体繊維束のフィラメント数Gに対して、
    0.4×G≦F≦1.5×Gの範囲にある、請求項2の
    炭素繊維製造用原糸。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の炭
    素繊維製造用原糸を用いて製造した炭素繊維。
  5. 【請求項5】 フィラメント数が30,000本以上の
    前駆体繊維束の末端部同士を、耐炎化温度において、非
    発熱性である接続媒体を介して単糸レベルの絡合により
    接続し、次いで焼成することを特徴とする、炭素繊維の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 前記接続媒体が耐炎化糸である、請求項
    5の炭素繊維の製造方法。
  7. 【請求項7】 耐炎化糸と前駆体繊維束の末端部を各々
    4,000本/mm以下となるように扁平状に開繊した
    後、開繊された耐炎化糸と前駆体繊維束を重ね合わせた
    状態で、流体処理による絡合により接続することを特徴
    とする、請求項6の炭素繊維の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記前駆体繊維束が捲縮加工された繊維
    束であって、前記流体処理による絡合を施す前に、絡合
    処理される繊維束端部を熱処理により捲縮除去すること
    を特徴とする、請求項7の炭素繊維の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記前駆体繊維束の末端部の接続に介在
    する耐炎化糸のフィラメント数Fが、接続される前駆体
    繊維束のフィラメント数Gに対して、0.4×G≦F≦
    1.5×Gの範囲にある、請求項6ないし8のいずれか
    に記載の炭素繊維の製造方法。
  10. 【請求項10】 フィラメント数が30,000本以上
    の前駆体繊維束の末端部同士を、流体処理による絡合に
    より接続し、次いで焼成することを特徴とする、炭素繊
    維の製造方法。
  11. 【請求項11】 前駆体繊維束の各末端部を各々4,0
    00本/mm以下となるように扁平状に開繊した後、開
    繊された前駆体繊維束の末端部同士を重ね合わせた状態
    で、流体処理による絡合により接続することを特徴とす
    る、請求項10の炭素繊維の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記前駆体繊維束が捲縮加工された繊
    維束であって、前記流体処理による絡合を施す前に、絡
    合処理される繊維束端部を熱処理により捲縮除去するこ
    とを特徴とする、請求項10または11の炭素繊維の製
    造方法。
  13. 【請求項13】 前記流体処理による絡合を施した後、
    流体処理部に耐炎化反応抑制剤を付与することを特徴と
    する、請求項10ないし12のいずれかに記載の炭素繊
    維の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記耐炎化反応抑制剤が硼酸水であ
    る、請求項13の炭素繊維の製造方法。
  15. 【請求項15】 前駆体繊維束の末端部同士を接続媒体
    を介在させて接続する装置であって、前駆体繊維束の末
    端部同士を各々開繊した状態で保持する前駆体繊維束保
    持手段と、接続媒体を開繊した状態で保持する接続媒体
    保持手段と、両手段にそれぞれ保持された前駆体繊維束
    の末端部と接続媒体の末端部を重ね合わせた後、前駆体
    繊維束と接続媒体が重ね合わされた部分に流体を噴射し
    て絡合処理を施す流体処理手段とを有することを特徴と
    する、炭素繊維の製造装置。
  16. 【請求項16】 前駆体繊維束の末端部同士を直接接続
    する装置であって、前駆体繊維束の末端部同士を各々開
    繊した状態で保持する前駆体繊維束保持手段と、前駆体
    繊維束の末端部同士が重ね合わされた部分に流体を噴射
    して絡合処理を施す流体処理手段とを有することを特徴
    とする、炭素繊維の製造装置。
  17. 【請求項17】 さらに、接続する前駆体繊維束の流体
    処理を施す部分に、事前に熱処理による捲縮除去処理を
    施す捲縮除去手段が設けられている、請求項15または
    16の炭素繊維の製造装置。
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