JP5603736B2 - 固体酸化物形燃料電池用単セル - Google Patents

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Description

この発明は、固体酸化物形燃料電池に用いる固体酸化物形燃料電池用の単セルに関する。
本発明の固体酸化物形燃料電池用単セルは、直接火炎固体酸化物燃料電池に好ましく使用できる。
固体酸化物形燃料電池(以下、SOFCともいう)は、電解質として固体酸化物を使用すること、動作環境が高温であることに特徴がある。SOFCは、平板型、筒型、又はハニカム型など様々な形状のものが考案され、実用化が図られている。
SOFCの一種に、固体電解質構造体を挟んで空気極と燃料極とを備えた固体酸化物形燃料電池用単セルの燃料極を火炎の還元炎に曝し、還元炎の成分を燃料として発電を行なう直接火炎固体酸化物燃料電池(以下、DFFCともいう)がある。
DFFCは通常のSOFCと比べると簡易な構造で発電が可能であるという利点がある反面、単セルの燃料極を火炎に曝すために、燃料極に火炎中の煤(炭素の微粒子)が付着し、それによって単セルの出力が低下してしまうという問題点があった。
この対策として、特許文献1には、アノードに1種以上のアルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物を含有させることによって燃料極への煤の付着を抑制する方法が提案されている。
一方、当社が出願済みである特許文献2、或いは特許文献3などのように、固体電解質構造体が多層構造になっており、燃料極側の層(燃料極を形成するための面を形成する層)を多孔質層としたSOFCの単セルがあり、このような単セルをDFFCに用いた場合には、多孔質内に煤が溜まりやすく、単セルの出力の低下が顕著であった。
特開2008−140652号公報(特許請求の範囲等) 特願2010−001775明細書 特開2009−230874号公報(特許請求の範囲等)
本発明者は、固体酸化物形燃料電池用単セルへの煤の付着を抑制し、出力を長時間にわたって維持できる方法を検討し、本発明に至った。
本発明は、燃料極への煤の付着を抑えることによって、煤の付着を原因とする出力の低下を抑制できる固体酸化物形燃料電池用単セルを提供することを目的とする。
本発明の固体酸化物形燃料電池用単セルは、固体電解質構造体を挟んで空気極と燃料極とを備え、燃料極が酸化コバルトで被覆厚み2〜30μmで被覆されていることを特徴とする。
この固体酸化物形燃料電池用単セルは、前記固体電解質構造体が、固体電解質の層を2層以上積層した多層構造であって、燃料極側に固体電解質の多孔質層を備え、燃料極が前記多孔質層の気孔内面にも形成された構造であってもよい。また、そのような構造である場合には、燃料極が形成された気孔内面も酸化コバルトで燃料極を閉塞させることなく被覆されていることが好ましい。
なお、燃料極側に固体電解質の多孔質層を備えた固体電解質構造体の気孔内面に燃料極を形成して酸化コバルトを被覆する場合には、前記燃料極を形成する燃料極材料100質量部に対して、被覆される酸化コバルトが10〜100質量部であることが好ましい。
本発明によれば、燃料極への煤の付着を抑えることによって、煤の付着を原因とする出力の低下を抑制できる固体酸化物形燃料電池用単セルを提供することができる。
本発明の固体酸化物形燃料電池用単セル(以下、単に「単セル」ともいう。)は、固体電解質構造体を挟んで空気極と燃料極とを備え、燃料極が酸化コバルトで被覆された構成をもつ。
このような構成の単セルは、DFFCに使用した場合においても、燃料極への煤の付着を抑えることによって、煤の付着を原因とする出力の低下を抑制できる。また、DFFCでの利用に限らず、例えば、内部改質型SOFC等のSOFCにおいて燃料ガスに煤が含まれた場合においても、燃料極への煤の付着を抑えて出力の低下を抑制できる。
本発明の単セルの構成は、固体電解質構造体が固体電解質の層を2層以上積層した多層構造であって、燃料極側に固体電解質の多孔質層を備え、燃料極が前記多孔質層の気孔内面にも形成されているような単セルに好適に用いられる。このような構成の単セルは、多孔質層の気孔内に煤が溜まりやすいため、本発明の効果がより有効に発揮される。
なお、燃料極を形成した気孔内面も酸化コバルトで被覆することによって、燃料極への煤の付着をより抑制することができる。
以下に、単セルの各構成要素の詳細を説明する。
(固体電解質構造体)
固体電解質構造体は、固体電解質材料によって形成された構造体であり、その形状は通常のSOFCに用いられる形状であれば特に制限しない。具体的な形状としては、例えば、平板などの板型、円筒などの筒型、ハニカム型などが挙げられる。このような固体電解質構造体は、公知の製造方法によって作製すればよい。
前記固体電解質材料とは、酸素イオン導電性を有するセラミックス材料のことであって、具体的には、蛍石型の結晶構造を取るものとして、イットリア安定化ジルコニア(8YSZ)又はイットリア部分安定化ジルコニア(3YSZ)の他に、スカンジアで安定化した上、セリアもしくはアルミナがドープされたジルコニア(ScSZ)、あるいは、ガドリニウムもしくはサマリウムをドープしたセリア(GDC、SDC)などがあげられる。またペロブスカイト型結晶構造としてはストロンチウムやマグネシウムあるいはコバルトなどをドープしたランタンガレート(LSGM、LSGMC)などを使用することもできる。これらは、1種類で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。また、これらの固体電解質材料に不純物を含むものや、その他の種類のものであっても酸素イオン導電性を有するセラミックスであれば固体電解質材料として使用することができる。
また、ある種のペロブスカイト系組成物などにみられるプロトン導電性のある電解質も、酸素イオン導電性を有し、本発明の趣旨をそこなうものではない。
固体電解質構造体は、気孔率及び組成が均一な一体の固体電解質材料からなる単層構造であってもよいし、気孔率及び/又は組成が異なる固体電解質材料の層を2層以上積層させた多層構造であってもよい。
(燃料極・空気極)
前記固体電解質構造体を挟んで空気極と燃料極とを形成すると、燃料極への燃料ガスの供給と空気極への酸化剤ガスの供給とによって発電可能なSOFC用単セルが得られる。
空気極は固体電解質構造体に空気極材料を付着させることによって、燃料極は固体電解質構造体に燃料極材料を付着させることによって形成する。空気極及び燃料極の形成方法は、SOFC用単セルの空気極と燃料極を形成する方法として公知の方法を採用すればよい。
前記燃料極材料としては、Ni、Fe、Co、Pt、Pd、Ru、Agなどの酸化物の単独もしくは混合を用いることができる。またそれらを前記した固体電解質材料である3YSZ、8YSZ、ScSZ、GDC、SDC、LSGMなどと混合したサーメットとして用いることもできる。これらの材料によって形成された燃料極は、還元した際に導電性がでると同時に、前記した固体電解質基板や多孔質固体電解質層を形成する固体電解質と熱膨張係数が近似していて、供給ガスや反応生成物の通過を妨げない粗構造を取ることが望ましい。
前記空気極材料としては、Co、Fe、Cr、Mnなどの複合酸化物があげられる。前記複合酸化物としては、SSC;(Sm,Sr)CoO、LSM;(La,Sr)MnO、LSC;(La,Sr)CoO、(La,Sr)(Fe,Co)O、LNF;(LaNi0.6Fe0.4)、(La,Ca)MnOなどがある。また、Pt、Ag、Pdなどの金属を用いることも可能である。これらの材料によって形成された空気極は、酸化雰囲気でも導電性を有し、前記した固体電解質基板や多孔質固体電解質層を形成する固体電解質と熱膨張係数が近似していて、供給ガスや反応生成物の通過を妨げない粗構造を取ることが望ましい。
なお、固体電解質構造体が多層構造であって、燃料極側の層(燃料極を形成するための面を形成する層)として連続気孔を有する固体電解質の多孔質層を備えている場合、その多孔質層の気孔内面にも燃料極を形成することによって、燃料極に三相界面をより多く形成でき、高出力の燃料電池が得られる。更に、空気極側の層(空気極を形成するための面を形成する層)としても連続気孔を有する固体電解質の多孔質層を備えている場合には、その多孔質層の気孔内面に空気極を形成することで、より高出力の燃料電池を得やすい。
このように、多孔質層の気孔内面にも空気極や燃料極を形成する場合には、空気極材料粉末あるいは燃料極材料粉末を溶媒に分散させたスラリー(又はペースト)を固体電解質構造体に被覆して、必要に応じて乾燥工程を経た後に焼成する製造方法を採用することが好ましい。スラリーを用いれば、気孔内面に空気極材料粉末あるいは燃料極材料粉末を容易に付着させることができる。このスラリーには、必要に応じて有機高分子(水溶性合成樹脂、合成樹脂エマルション等)など、空気極材料粉末あるいは燃料極材料粉末と溶媒以外の成分を含有させてもよい。
多孔質層の気孔内面に前記スラリーを付着させるには、多孔質層をスラリーに浸漬させるなどして、スラリーを多孔質層に浸透させればよい。また、多孔質層にスラリーが浸透しにくい場合には、スラリーに圧力をかけたり、真空引きしたりして強制的にスラリーを気孔内に送り込めばよい。
(酸化コバルト)
前記燃料極を酸化コバルトで被覆することによって、燃料極への煤の付着を抑えることができる。それによって、煤の付着を原因とする固体酸化物形燃料電池の出力の低下を抑制できる。
酸化コバルトは、燃料極に被覆しても、燃料極材料の焼成温度以下であれば焼結して燃料極を閉塞させることがなく、燃料極への気体(燃料ガス等)の供給や燃料極からの気体(水蒸気ガス等)の排出を妨げないので濃度過電圧を悪化させない。また発電時には還元され導電性を発現するので抵抗過電圧を悪化させることもない。
酸化コバルトとしては、CoO(一酸化コバルト)、Co(三酸化二コバルト)、Co(四酸化三コバルト)などが挙げられる。これらの酸化コバルトは、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
これらの酸化コバルトで燃料極を被覆する方法は特に限定されない。燃料極に酸化コバルトを付着させればよく、例えば、酸化コバルトの粉末を溶媒に分散させたスラリーで燃料極を被覆して、必要に応じて乾燥工程を経た後に焼成する方法を採用することができる。なお、このスラリーには、必要に応じて有機高分子(水溶性合成樹脂、合成樹脂エマルション等)など、空気極材料粉末あるいは燃料極材料粉末と溶媒以外の成分を含有させてもよい。
また、燃料極が固体電解質の多孔質層の気孔内面にも形成されている場合には、前記した気孔内面に燃料極を形成する方法と同様に、酸化コバルトを含有したスラリーを気孔内に浸透させて被覆すればよい。
酸化コバルトは、燃料極に被覆厚み1〜50μm(より好ましくは2〜30μm)で被覆することが好ましい。被覆厚みが薄すぎると煤の付着を抑制できない。逆に、被覆厚みは厚すぎると燃料極への燃料ガスの供給を妨げる恐れがある。また、上記被覆厚みで十分な煤の抑制効果があり、これ以上の被覆厚みで被覆しても煤の付着抑制効果は変わらない。そのため、単セルの容量や重量が増える等のデメリットがあっても、被覆厚みを厚くするメリットがない。
なお、燃料極側に固体電解質の多孔質層を備えた固体電解質構造体を用い、その気孔内面に燃料極を形成して酸化コバルトを被覆する場合には、被覆厚みが明確に測定できないため、燃料極材料100質量部に対して酸化コバルト10〜100質量部(より好ましくは20〜60質量部)となるように被覆することがこの好ましい。酸化コバルトの量が少なすぎると煤の付着を抑制できない。逆に、多すぎると燃料極への燃料ガスの供給を妨げる恐れがある。
なお、多孔質層の気孔の容積を100容量部としたとき、気孔内に形成する燃料極の燃料極材料は5〜50容量部(より好ましくは10〜40容量部)とすることが好ましい。気孔の容積に比べて燃料極材料を多くしすぎると、燃料極への燃料ガスの供給を妨げる場合がある。逆に、少なすぎると三相界面が少なく、単セルが十分な出力を発揮できない。
(実施例1)
固体電解質構造体としてLSGMからなり、外径20mm、長さ25mm、厚み500μmの円筒型の固体電解質(気孔率0.5容量%以下)を用いた。
まず、燃料極材料としてニッケル粉末(平均粒子系1μm)8質量部、LSGM(平均粒子径1μm)2質量部、ポリビニルブチラールのブチルセロソルブ15質量%溶液4質量部を分散混合して、燃料極材料スラリーを調整した。
この燃料極材料スラリーを前記固体電解質構造体の筒の内側に塗布した。
次に、空気極材料としてSSCを10質量部、ポリビニールブチラールのブチルセロソルブ15質量%溶液4質量部を分散混合して、空気極材料スラリーを調整した。
この空気極材料スラリーを前記固体電解質構造体の筒の外側に塗布した。
その後、燃料極材料スラリーと空気極材料スラリーを乾燥させた後、固体電解質構造体を1200℃で3時間焼成して、固体電解質構造体を挟んで空気極と燃料極とを備えた単セルを得た。
この単セルは2つ作製し、その内の1つは以下の手順によって、燃料極を酸化コバルトで被覆した。
酸化コバルトとして、CoO(一酸化コバルト)粉末とCo(四酸化三コバルト)粉末の混合物を用いた。
これらの混合比は、質量比で1:1であった。
また、粉末の平均粒子径は1.0μmであった。
前記の酸化コバルト10質量部、ポリビニールブチラールのブチルセロソルブ15質量%溶液4質量部を分散混合して、酸化コバルト含有スラリーを調整した。
この酸化コバルト含有スラリーを単セルの燃料極上に塗布した。
その後、酸化コバルト含有スラリーを乾燥させた後、単セルを1150℃で2時間焼成して、燃料極を酸化コバルトで被覆した単セルを得た。
なお、酸化コバルトの被覆厚みは20μmであった。
燃料極への煤の付着の抑制効果について、以下の手順で評価した。
まず、燃料極を酸化コバルトで被覆しなかった単セルと、燃料極を酸化コバルトで被覆した単セルにそれぞれインターコネクターを取り付けた。
その後、ブタンガスを燃焼するガスバーナーの火炎を単セルの筒内に形成して、単セルの燃料極を火炎の還元炎に曝して、3時間発電を行なった。
発電終了後に、燃料極への煤の付着を目視によって観察した結果、燃料極を酸化コバルトで被覆しなかった単セルは燃料極に煤が付着して黒くなっていたが、燃料極を酸化コバルトで被覆した単セルには煤の付着がほとんど見られなかった。
また負荷を掛け出力を測定した結果、酸化コバルトで被覆しなかったセルの出力は3時間後には5%劣化していたが、酸化コバルトで被覆したセルの出力劣化率は1%以下であった。
この結果より、燃料極を酸化コバルトで被覆することによって、燃料極への煤の付着を大幅に抑えられ、単セルの出力の低下を抑制できることが分かる。
(実施例2)
固体電解質構造体として、LSGMからなり、外径20mm、長さ25mm、厚み500μmの円筒型の緻密質固体電解質(気孔率0.5容量%以下)の内側の全面に、LSGMの多孔質層(気孔は連続気孔であり、気孔率約50容量%)を厚み500μmで形成した2層構造の固体電解質を用いた。
なお、この固体電解質構造体の多孔質層は、固体電解質粉末としてLSGM粉末(平均粒子径0.8μm)、分散剤としてポリアクリル酸系分散剤、造膜性を有する有機高分子水溶液としてポリビニルアルコールの15質量%水溶液、起泡剤としてタンパク質系界面活性剤、増粘剤としてセルロース系増粘剤を用い、これらを固体電解質粉末20質量部、水5質量部、分散剤0.1質量部、有機高分子水溶液3質量部、起泡剤0.2質量部、増粘剤0.1質量部の割合で混合攪拌して得たスラリーを容積が2倍になるまで泡立てて得た泡状スラリーを用いて形成したものである。
前記の円筒型の緻密質固体電解質の円筒内側の全面にこの泡状スラリーを塗布して乾燥させた後、緻密質固体電解質の内面に付着した泡状スラリー乾燥体をその厚みが500μmになる様に削り取り、1450℃で5時間焼成して2層構造の固体電解質とした。
まず、実施例1で用いたものと同じ燃料極材料スラリーを固体電解質構造体の筒の内側に塗布した。塗布する際には、固体電解質構造体の筒内を真空にして真空引きを行い、その後で燃料極材料スラリーを筒内に充填することでスラリーを多孔質層に含浸させて、燃料極材料を気孔内部まで送り込んだ。その後、筒内から燃料極材料スラリーを抜き取り、多孔質層の表面及び気孔内に付着している燃料極材料スラリーだけが残った。
次に、実施例1で用いたものと同じ空気極材料スラリーを前記固体電解質構造体の筒の外側に塗布した。
その後、燃料極材料スラリーと空気極材料スラリーを乾燥させた後、固体電解質構造体を1200℃で3時間焼成して、固体電解質構造体を挟んで空気極と燃料極とを備えた単セルを得た。なお、燃料極材料は固体電解質構造体の表面だけでなく、多孔質層の気孔内部にも付着し、気孔内面にも燃料極が形成されていた。
この単セルは2つ作製し、その内の1つは以下の手順によって、燃料極を酸化コバルトで被覆した。
実施例1で用いたものと同じ酸化コバルト含有スラリーを固体電解質構造体の筒の内側に塗布した。塗布する際には、固体電解質構造体の筒内を真空にして真空引きを行い、その後で酸化コバルト含有スラリーを筒内に充填することでスラリーを多孔質層に含浸させて、酸化コバルトを気孔内部まで送り込んだ。その後、筒内から燃料極材料スラリーを抜き取り、多孔質層の表面及び気孔内に付着している酸化コバルト含有スラリーだけが残った。
その後、酸化コバルト含有スラリーを乾燥させた後、単セルを1150℃2時間焼成して、燃料極を酸化コバルトで被覆した単セルを得た。なお、酸化コバルトは固体電解質構造体の表面に形成された燃料極だけでなく、多孔質層の気孔内部に形成された燃料極にも付着し、気孔内面の燃料極も酸化コバルトによって被覆されていた。
なお、この単セルに塗布した燃料極材料スラリーと酸化コバルト含有スラリーの質量と、各スラリーに含有されている燃料極材料及び酸化コバルトの含有率から算出した、燃料極材料100質量部に対する酸化コバルトの質量は35質量部であった。
燃料極への煤の付着の抑制効果について、実施例1と同様の手順で評価した。
発電終了後に、燃料極への煤の付着を目視によって観察した結果、燃料極を酸化コバルトで被覆しなかった単セルは燃料極に煤が付着して黒くなっており、表面から確認できる気孔内に煤が溜まっていた。しかし、燃料極を酸化コバルトで被覆した単セルには表面にも気孔内にも煤の付着がほとんど見られなかった。
また負荷を掛け出力を測定した結果、酸化コバルトで被覆しなかったセルの出力は3時間後には7%劣化していたが、酸化コバルトで被覆したセルの出力劣化率は1%以下であった。
この結果より、燃料極側に固体電解質の多孔質層を備えた固体電解質構造体の多孔質層の気孔内面にも燃料極を形成した場合においても、燃料極を酸化コバルトで被覆することによって、燃料極への煤の付着を大幅に抑えられ、単セルの出力の低下を抑制できることが分かる。



Claims (3)

  1. 固体電解質構造体を挟んで空気極と燃料極とを備えた固体酸化物形燃料電池用単セルであって、燃料極が酸化コバルトで被覆厚み2〜30μmで被覆されていることを特徴とする固体酸化物形燃料電池用単セル。
  2. 前記固体電解質構造体が、固体電解質の層を2層以上積層した多層構造であって、燃料極側に固体電解質の多孔質層を備え、燃料極が前記多孔質層の気孔内面にも形成されており、更に、燃料極が形成された気孔内面が酸化コバルトで燃料極を閉塞させることなく被覆されていることを特徴とする請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池用単セル。
  3. 前記燃料極を形成する燃料極材料100質量部に対して、被覆される酸化コバルトが10〜100質量部であることを特徴とする請求項2に記載の固体酸化物形燃料電池用単セル。
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