JP5602754B2 - シリンジとシリンジ本体の製造装置とシリンジ本体の製造方法 - Google Patents

シリンジとシリンジ本体の製造装置とシリンジ本体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、液体を注入するシリンジ本体と、該シリンジ本体内に注入された液体を押し出すプランジャと、該プランジャの先端部に取り付けられるガスケットと、を具備したシリンジ、該シリンジに適用されるシリンジ本体の製造装置及び該シリンジ本体の製造装置を使用することによって実行されるシリンジ本体の製造方法に関する。
体内に薬液等の液体を注入する場合に、薬液等を封入したシリンジ(プレフィルドシリンジともいう)が使用されている。シリンジは液体を注入するシリンジ本体(シリンジバレルともいう)と、該シリンジ本体内に注入された液体を押し出すプランジャと、該プランジャの先端部に取り付けられるガスケットと、を具備することによって構成されている。
前記シリンジの性能を求める一つの要因としてシリンジ本体とガスケットとの間の接触面のすべり性がある。前記接触面のすべり性が悪いとガスケットの低速時の摺動抵抗値が大きくなったり、ガスケットにびびるような抵抗を生じさせてガスケットの動きを悪くする。従って、前記接触面のすべり性が悪いシリンジを透析装置等の定速注入器で使用した場合には、抵抗値のリミットを越えて異常信号を発信させたり、ガスケットを過度に変形させて液漏れ等を生じさせることになる。
前記接触面のすべり性が悪くなる主要因は、シリンジ本体がすべり性が悪い合成樹脂である環状ポリオレフィン樹脂等を原料として多く成形されていることにある。そこで、下記の特許文献1に示すようにシリンジ本体の内壁面にシリコンを噴射し塗布する技術が従来から行われており、前記接触面のすべり性の改善が図られている。
また、前記接触面のすべり性を改善するための別の技術として、ガスケットの一部を窪ませたり、ガスケットの表面をラミネートコーティングする技術も提案されている。また、前記接触面のすべり性の改善とは直接、関係ないが、シリンジ本体内の液体中に発生する気泡を防止する技術としてシリンジ本体の内部表面にコロナ放電処理を行う技術が下記の特許文献2に示すように開示されている。
特開平7−149544号公報 国際公開第2008/075460号公報
しかし、シリンジ本体の内壁面にシリコンを塗布し薬液を充填後保存すると、シリコンが凝集し、シリコンが不均一な状態で存在するようになるため、前記接触面のすべり性が悪くなることが明らかになってきた。前記接触面のすべり性の低下は、シリンジ本体の内壁面に塗布するシリコンの量を増やしたり、ガスケットの表面に塗布するシリコン塗布量を増やしたりしても改善できず、シリンジ本体の内壁面に対するシリコンの密着性を高める目的でシリンジ本体の内壁面にコロナ放電処理も試みてもシリコンの凝集が更に顕著に現れてしまうという逆効果の結果が確認された。
また、前記ガスケットの一部に窪みを形成したり、ガスケットの表面をラミネートコーティングする技術を採用した場合には、ガスケットのコストアップにつながり、ラミネートするフィルムに皺が入らないようにする別途の高度の技術が必要になってしまう。特に、ラミネートするフィルムに皺が発生してしまうと、皺が発生した部分に隙間が生じてシリンジ本体内の薬液等の液漏れを生じさせることになる。
本発明は、このような点に基づいてなされたものでその目的とするところは、簡単な構成で安価にシリンジ本体の内周面のすべり性を向上させてガスケットの摺動性を改善した操作性に優れたシリンジ、該シリンジに適用されるシリンジ本体の製造装置及び該シリンジ本体の製造装置を使用することによって実行されるシリンジ本体の製造方法を提供することにある。
前記目的を達成するべく本発明の請求項1によるシリンジは、液体を注入する合成樹脂製のシリンジ本体と、該シリンジ本体に注入された液体を押し出すプランジャと、該プランジャの先端部に取り付けられるガスケットと、を具備したシリンジにおいて、
前記シリンジ本体の内周面にはシリコンが塗布されており、該シリコンの塗布後にシリンジ本体の内周面に塗布されたシリコンの表面にコロナ放電処理によってシリコンの凝集を抑えてシリコンの均一性を向上する表面改質層が形成されていることを特徴とするものである。
また、請求項2によるシリンジは、請求項1記載のシリンジにおいて、シリンジ本体は、環状オレフィン系コポリマーによって形成されていることを特徴とするものである。
また、請求項3によるシリンジ本体の製造装置は、シリンジ本体を成形する成形装置と、成形したシリンジ本体の内周面にシリコンを塗布するシリコン塗布装置と、シリコンが塗布されたシリンジ本体の内周面にコロナ放電処理によってシリコンの凝集を抑えてシリコンの均一性を向上する表面改質層を形成するコロナ放電装置と、を具備していることを特徴とするものである。
また、請求項4によるシリンジ本体の製造方法は、シリンジ本体を成形するシリンジ本体成形工程と、成形したシリンジ本体の内周面にシリコンを塗布するシリコン塗布工程と、シリコンが塗布されたシリンジ本体の内周面にコロナ放電処理によってシリコンの凝集を抑えてシリコンの均一性を向上する表面改質層を形成するコロナ放電処理工程と、を具備していることを特徴とするものである。
そして、前記手段によって以下のような作用が得られる。まず、本発明のシリンジによればシリンジ本体の内周面にシリコンを塗布することによって、シリンジ本体の内周面が平滑になって、ガスケットを内嵌した時の摺動性が向上する。また、前記シリコンの塗布後、薬液充填前にコロナ放電処理を施すことによって、シリコンの凝集が抑えられ、シリコンが均一な状態に保たれるため長時間に亘って安定した摺動性が得られるようになる。従って、構造が簡単で安価なガスケットの摺動性に優れるシリンジを提供できるようになる。
また、前記シリンジ本体を環状オレフィン系コポリマーによって形成した場合には、シリンジ本体の透明度が向上して外部からの視認性が良好になる他、すべり性の悪い環状オレフィン系コポリマーの性状が改善されてすべり性が向上する。
また、本発明のシリンジ本体の製造装置によれば、既存のシリンジ本体の製造ラインにコロナ放電装置を設置するだけの簡単な設備の追加によってガスケットを装填した時の摺動性に優れるシリンジ本体を安価に効率良く製造できるようになる。
また、本発明のシリンジ本体の製造方法によれば、既存のシリンジ本体の製造方法において、シリコン塗布工程の次にコロナ放電処理工程を追加するだけの簡単な構成によって、ガスケットを装填した時の摺動性に優れるシリンジ本体を安価に効率良く製造できるようになる。
本発明によるシリンジ、シリンジ本体の製造装置及びシリンジ本体の製造方法によると、簡単な構成で安価にシリンジ本体の内周面のすべり性を向上させてガスケットの摺動性を改善することができる。また、前記ガスケットの摺動性はシリンジ本体に薬液を充填して保存後も継続して維持される。
本発明の実施の形態を示す図で、組立て後のシリンジを示す側面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、シリンジ本体を示す側断面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、シリンジ本体の製造方法におけるシリンジ本体成形工程を示す側断面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、シリンジ本体の製造方法におけるシリコン塗布工程を示す側断面図である。 本発明の実施の形態を示す図で、シリンジ本体の製造方法におけるコロナ放電処理工程を示す側断面図である。 本発明の効果を試すために行った摺動性評価試験に使用したシリンジ本体とガスケットを示す中央縦断半断面図である。 シリコン塗布前にコロナ放電処理を実行した場合の摺動性評価試験の結果を図表化して示す説明図である。 シリコン塗布前にコロナ放電処理を実行した場合の摺動抵抗値と変位の関係を示すグラフである。 シリコン塗布後にコロナ放電処理を実行した場合の摺動性評価試験の結果を図表化して示す説明図である。 シリコン塗布後にコロナ放電処理を実行した場合の摺動抵抗値と変位の関係を示すグラフである。
以下、図1〜図6に示す実施の形態を例にとって本発明を実施するための形態を説明する。
本発明のシリンジ1は、透析装置等の定速注入器に取り付けられることによって一例と使用され、例えば20mLの液体Lがシリンジ本体3内に注入されたシリンジ1であれば前記定速注入器に取り付けられることによって、約5時間かけてシリンジ本体3内の液体Lが体内に自動的に持続注入される。
シリンジ1は、液体Lを注入するシリンジ本体3と、シリンジ本体3内に注入された液体Lを押し出すプランジャ5と、プランジャ5の先端部7に取り付けられるガスケット9とを備えることによって構成されている。
シリンジ本体3は、一端が閉塞された透明な円筒容器状の部材で一例として透明度が高く視認性に優れる環状オレフィン系コポリマー等の硬質のプラスチック材料によって形成されている。
シリンジ本体3の開放された他端側にはフランジ状に外方に張り出した指掛け部11が形成されており、シリンジ本体3の閉塞された一端面には、シリンジ本体3の周胴部13よりも縮径されたノズル部15が形成されている。また、該ノズル部15には、未使用状態では図1に示すようにキャップ18が取り付けられ、ノズル部15の開口19が封止されるようになっている。
プランジャ5は、前記シリンジ本体3と同様の硬質プラスチック材料等によって形成されている。そして、該プランジャ5は、前記シリンジ本体3の周胴部13内に挿嵌されるロッド21と、該ロッド21における基端部23に形成されている一例として円板状の押圧板25と、先端部7に設けられており、前記ガスケット9を取り付けるための図示しない雄ネジ部とを備えることによって構成されている。
ガスケット9は、例えばブチルゴム等の柔軟性を有する合成ゴム材料等によって形成されている。該ガスケット9は、天面部29が閉塞されたキャップ状の部材で、天面部29は一例として中心が高くなった傘状の形状を有しており、前記天面部29の周縁には、前記プランジャ5の基端部23側に向けて延びる所定長さの胴部35が一体に形成されている。
尚、前記胴部35の外周面には、前記シリンジ本体3の内周面14に直接、摺接する複数の環状突部39A、39B、39Cが設けられている。
また、本発明のシリンジ1にあっては、本発明の特徴的構成として前記シリンジ本体3の内周面14に対して、シリコンが塗布されており、図2に示すようなシリコン層43が形成されている。また、前記シリコンの塗布後、その表面にはコロナ放電処理が施されており、更に前記シリコン層43の表面には、コロナ放電処理によってシリコンの凝集が抑えられた表面改質層45が形成されている。
次に、このようにして構成される本発明のシリンジ1の主要な構成部材であるシリンジ本体3を製造する本発明のシリンジ本体の製造装置51の構成と、該シリンジ本体の製造装置51を使用することによって実行される本発明のシリンジ本体の製造方法をシリンジ本体3の製造の流れに沿って説明する。
(1)シリンジ本体の成形(図3参照)
シリンジ本体3を成形する場合には、射出成形機等の成形装置53を使用して、金型55のキャビティ内に溶融状態の樹脂ペレット原料を流し込み固化することによって一例として成形される。
尚、前記成形装置53は、本発明のシリンジ本体の製造装置51の構成部材になっており、前記成形装置53を使用してシリンジ本体3を成形する本工程が、本発明のシリンジ本体の製造方法における構成要素のシリンジ本体成形工程になっている。
(2)シリンジ本体内周面へのシリコンの塗布(図4参照)
前記成形装置53によって成形されたシリンジ本体3は、本発明のシリンジ本体の製造方法の構成要素であるシリコン塗布工程に供給されて、本発明のシリンジ本体の製造装置51の構成部材であるシリコン塗布装置57を使用して、シリコン本体3の周胴部13内に挿入された塗布ノズル59からシリコンをシリンジ本体3の内周面14に向けて噴霧し、シリコン層43を形成する。
(3)シリコン表面へのコロナ放電処理(図5参照)
前記シリコン塗布装置57によって内周面14にシリコン層43が形成されたシリンジ本体3は、本発明のシリンジ本体の製造方法の構成要素であるコロナ放電処理工程に供給されて、本発明のシリンジ本体の製造装置51の構成部材であるコロナ放電装置61を使用して、前記シリコン層43の表面にコロナ放電処理が施される。
具体的には、前記シリコン塗布工程で内周面14にシリコンが塗布されたシリンジ本体3をノズル部15側を先にして誘電体で覆われた処理容器63内に入れ、更に、シリンジ本体3の開放された基端部側からシリンジ本体3の周胴部13内に棒状の放電電極65を挿入する。
次いで、図示しない高周波電源により供給される高周波・高電圧出力を放電電極65と処理容器63間に印加することでコロナ放電を発生させ、処理容器63内のコロナ放電下に置かれているシリンジ容器3におけるシリコン層43の表面をコロナ放電処理する。
コロナ放電処理が実行されたシリコン層43の表面には、放電自体の物理的な表面改質と極性官能基生成による化学的な表面改質の相乗効果によって著しい漏れ性の向上が得られる表面改質層45が形成される。
(4)キャップの装着・薬液の充填・ガスケットの打栓
前記コロナ放電処理工程でコロナ放電処理が施されたシリンジ本体3は、ノズル部15にキャップ18を装着して開口19を封止し、シリンジ本体3の周胴部13内に所定量の薬液Lを充填する。また、薬液Lの充填後、シリンジ本体3の開放された基端部側から天面部29を先にした状態でガスケット9を打栓し、開放されたシリンジ本体3の基端部を閉塞することで薬液Lが充填された製品となるシリンジ本体3が得られる。
そして、本発明のシリンジ本体の製造装置51は、上述した成形装置53と、シリコン塗布装置57と、コロナ放電装置61と、を備えることによって基本的に構成され、本発明のシリンジ本体の製造方法は、上述したシリンジ本体成形工程と、シリコン塗布工程と、コロナ放電処理工程と、を備えることによって基本的に構成されている。
次に、本発明の効果を試すために行った摺動性評価試験の内容と結果について説明する。
まず、本試験では、図6に示すように内径Dが20.1mm、肉厚tが1mm、材質が環状オレフィン系コポリマー(COC)、液体容量が20mLのシリンジ本体3と、第1ピーク直径D1が20.55mm、第2ピーク直径D2が20.35mm、第3ピーク直径D3が20.60mm、全長Hが14mm、材質がブチルゴム製のガスケット9を使用して(A)シリコン塗布前にコロナ放電処理を実施したものと実施しないものの比較試験と、(B)シリコン塗布後にコロナ放電処理を実施したものと実施しないものの比較試験を実施した。
また、前記試験には、圧縮試験機を使用し、前記シリンジ本体3内に20mLの薬液Lを充填し、前記ガスケット9で打栓したものを室温で1ヶ月保存したものを検体とした。そして、注入速度が0.05mm/min(1mL/h)、シリンジ内圧力が338mmHgの条件下で摺動性評価試験を実施した。
(A)シリコン塗布前にコロナ放電処理を実施した場合(図7、図8参照)
本比較試験では、コロナ放電の処理レベルをぬれ指数73mN/mに設定し、コロナ放電処理を実施した場合と実施しない場合とで2回ずつ試験を実施して摺動抵抗値(N)を計測し、その平均値を求めた。尚、前記ぬれ指数は、ぬれ張力試験法(JIS K6768)で使用されるぬれ性の指標となる数値であり、コロナ放電による表面改質のレベルを示している。
その試験結果は、図7、8に示す通りであり、コロナ放電処理を実施した場合の方が逆に摺動抵抗値(N)が大きくなって逆効果であり、図8に示すようにシリコンの凝集がより顕著に発生するという結果が得られた。
(B)シリコン塗布後にコロナ放電処理を実施した場合(図9、10参照)
本比較試験では、コロナ放電の処理レベルをぬれ指数73mN/m、65mN/m、55mN/m、44mN/mの4段階とし、コロナ放電処理を実施した場合と実施しない場合とで2回〜4回試験を実施して摺動抵抗値(N)を計測し、その平均値を求めた。
その試験結果は図9、10に示す通りであり、コロナ放電処理を実施した場合の方が実施しない場合に比べて摺動抵抗値(N)がコロナ放電の処理レベルに関係なく低い値を示した。また、図10に示すようにシリコンの凝集はコロナ放電処理を実施した場合と実施しない場合の両方で顕著な発生は見られなかったが、シリコンの均一性はコロナ放電処理を実施した場合の方が格段に優れていることが確認できた。
従って、前記2つの比較試験の結果から明らかなように、シリコン塗布後にコロナ放電処理を実施した本発明のシリンジ1は、コロナ放電処理をシリコン塗布後に実施することによって、シリコン層43の表面を改質してシリコンの凝集を抑えてシリコンの均一性を向上させ、シリコンを塗布することによって得られたシリンジ本体3の内周面14のすべり性を維持、発揮できるようにしていることが確認できた。
尚、本発明のシリンジ1、シリンジ本体の製造装置51及びシリンジ本体の製造方法は、前記の実施の形態のものに限定されず、その発明の要旨内での設計変更が可能である。例えば、シリンジ本体3を形成している合成樹脂材料としては、上述した環状オレフィン系コポリマーに限らず、環状ポリオレフィン樹脂(COP)やポリプロピレン樹脂(PP)等の他の硬質プラスチック材料が採用可能であり、これらの材質のシリンジ本体の場合にも、前記と同様の処理を行うことにより、同様の効果を発揮できる。
また、前述したコロナ放電処理後に実施したキャップ18の装着は、シリコン塗布前の成形直後のシリンジ本体3に対して実施することが可能であるし、シリコン塗布後コロナ放電処理前の段階のシリンジ本体3に対して実施することも可能である。
本発明は、液体を注入するシリンジ本体と、シリンジ本体内に注入された液体を押し出すプランジャと、プランジャの先端部に取り付けられるガスケットと、を具備したシリンジの製造、使用分野等で利用でき、特に、シリンジ本体の内周面のすべり性を向上させてガスケットが安定して円滑に摺動できるようにしたい場合に利用可能性を有する。
1 シリンジ
3 シリンジ本体
5 プランジャ
7 先端部
9 ガスケット
11 指掛け部
13 周胴部
14 内周面
15 ノズル部
18 キャップ
19 開口
21 ロッド
23 基端部
25 押圧板
29 天面部
35 胴部
39 環状突部
43 シリコン層
45 表面改質層
51 シリンジ本体の製造装置
53 成形装置
55 金型
57 シリコン塗布装置
59 塗布ノズル
61 コロナ放電装置
63 処理容器
65 放電電極
L 液体
D 内径
t 肉厚
D1 第1ピーク直径
D2 第2ピーク直径
D3 第3ピーク直径
H 全長

Claims (4)

  1. 液体を注入する合成樹脂製のシリンジ本体と、該シリンジ本体に注入された液体を押し出すプランジャと、該プランジャの先端部に取り付けられるガスケットと、を具備したシリンジにおいて、
    前記シリンジ本体の内周面にはシリコンが塗布されており、該シリコンの塗布後にシリンジ本体の内周面に塗布されたシリコンの表面にコロナ放電処理によってシリコンの凝集を抑えてシリコンの均一性を向上する表面改質層が形成されていることを特徴とするシリンジ。
  2. シリンジ本体は、環状オレフィン系コポリマーによって形成されていることを特徴とする請求項1記載のシリンジ。
  3. シリンジ本体を成形する成形装置と、
    成形したシリンジ本体の内周面にシリコンを塗布するシリコン塗布装置と、
    シリコンが塗布されたシリンジ本体の内周面にコロナ放電処理によってシリコンの凝集を抑えてシリコンの均一性を向上する表面改質層を形成するコロナ放電装置と、を具備していることを特徴とするシリンジ本体の製造装置。
  4. シリンジ本体を成形するシリンジ本体成形工程と、
    成形したシリンジ本体の内周面にシリコンを塗布するシリコン塗布工程と、
    シリコンが塗布されたシリンジ本体の内周面にコロナ放電処理によってシリコンの凝集を抑えてシリコンの均一性を向上する表面改質層を形成するコロナ放電処理工程と、を具備していることを特徴とするシリンジ本体の製造方法。
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