JP5601483B2 - シリンダ装置及びドアクローザ - Google Patents

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Description

本発明は、扉の開閉を補助するシリンダ装置及びこれを用いたドアクローザに関するものである。
開き戸にスプリングダンパー等のシリンダ装置をリンク結合して、扉の開閉に対してバネ力、減衰力を作用させることにより、扉を自動的に閉じたり、その閉じ開閉速度を調整したり、また、扉を開位置で保持するようにしたドアクローザが知られている。従来、この種のスプリングダンパー等のシリンダ装置を利用したドアクローザとしては、例えば特許文献1に記載されたものがある。
特許文献1に記載されたドアクローザは、圧縮コイルバネのバネ力を作動ロッドの伸長方向に作用させるようにしたスプリングダンパーを開き戸の扉と扉枠との間にリンク結合することにより、扉の開度に応じて、扉が閉じ位置付近にある場合には、閉方向の力を付与し、また、扉が全開位置付近にある場合には、扉を開位置で保持する。
特開2008−2124号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載されたものでは、スプリングダンパーが最も短縮される中間位置にある場合に、比較的強いバネ力が発生してしまうという問題があった
本発明は、上記問題点を解決したシリンダ装置及びこれを用いたドアクローザを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明に係るシリンダ装置は、筒状のシリンダ部材と、
前記シリンダ部材の内部の少なくとも一部に封入された作動流体と、
前記シリンダ部材に対して軸方向に移動可能に支持され、一端が前記シリンダ部材の端部から突出するロッドと、
前記シリンダ部材の一端部に固定されて、前記ロッドが挿通されるロッドガイドと、
前記シリンダ部材の内部に設けられ、前記ロッドの前記シリンダ部材からの突出長さが、所定長さ以上のとき、前記ロッドを突出させる方向にバネ力が付与された状態で前記ロッドがストローク可能とし、所定長さ未満のとき、前記ロッドにバネ力が付与されない状態で前記ロッドがストローク可能とするバネ手段を含むバネ機構と、
前記ロッドの軸方向の移動に対して、減衰力を付与する減衰力発生機構と、
前記シリンダ部材の中間部の内部に固定されて、前記ロッドが挿通される中間ロッドガイドと、
が設けられ、
前記減衰力発生機構は、前記ロッドに連結されて前記シリンダ部材の内部の前記作動流体中を移動するピストンに設けられた作動流体の流路に流通抵抗を付与することによって減衰力を発生させ、
前記バネ手段の一側は前記中間ロッドガイドにより支持され、
前記バネ機構と前記減衰力発生機構とは、前記シリンダ部材内に軸方向に沿って配置され、
前記中間ロッドガイドの内径は、前記ロッドガイドの内径よりも大きいことを特徴とする。
また、本発明に係るドアクローザは、上記シリンダ装置の一側を扉側に、他側を扉枠側 に、回転可能に結合して用いることを特徴とする。
本発明に係るシリンダ装置及びドアクローザによれば、扉の開閉を補助するために望まれる特性を得ることができる。
この発明の一実施例によるスプリングダンパーの縦断面図で、ピストンロッドが最も収縮した状態を示す。 クラッチリングとクラッチボールとを展開して示す外観斜視図。 この発明によるスプリングダンパーを扉に装着した状態を示す線図で、扉が閉まった状態を示す。図1と同様の縦断面図で、ピストンロッドが少し押込まれた状態を示す。 図3に示すスプリングダンパーの縦断面図。 図3と同様の線図で、扉が少し開いた状態を示す。 図1と同様のスプリングダンパーの縦断面図で、ピストンロッドが少し押込まれた状態を示す。 図3と同様の線図で、ピストンロッドの先端がデッドポイントにある状態を示す。 図3と同様の線図で、扉が開放方向に付勢されると共に、制動がかかった状態を示す。 図1と同様のスプリングダンパーの縦断面図で、ピストンロッドが最大限に伸長した状態を示す。 本発明の実施例3に係るシリンダ装置の縦断面図である。 図10に示すシリンダ装置において、ピストンロッドが伸長した状態を示す縦断面図である。 図10に示すシリンダ装置において、ピストンロッドがストローク端まで伸長した状態を示す縦断面図である。 図10に示すシリンダ装置のピストン部を拡大して示す縦断面図である。 図10に示すシリンダ装置のピストンの端面図である。 図10に示すシリンダ装置のシャッタの端面図である。 本発明の実施例3の第1変形例に係るシリンダ装置のピストン部を拡大して示す縦断面図である。 図16に示すシリンダ装置のピストンの端面図である。 図16に示すシリンダ装置のシャッタの端面図である。 本発明の実施例3の第2変形例に係るシリンダ装置の縦断面図である。 本発明の実施例3の第3変形例に係るシリンダ装置のシリンダ部を拡大して示す縦断面図である。
筒状のシリンダ部材と、
前記シリンダ部材に対して軸方向に移動可能に支持され、一端が前記シリンダ部材の端部から突出するロッドと、
前記シリンダ部材の内部に設けられ、前記ロッドの前記シリンダ部材からの突出長さが、所定長さ以上のとき、バネ力を付与し、所定長さ未満のとき、前記ロッドにバネ力を付与しないバネ機構を備えていることを特徴とするシリンダ装置。
開き戸の扉と扉枠との間に、前記扉が閉位置及び開位置にあるとき、伸長状態となり、閉位置と開位置との間の位置にあるとき、短縮状態となるように連結されて、前記扉の開閉を補助するドアクローザであって、
筒状のシリンダ部材と、
前記シリンダ部材に対して軸方向に移動可能に支持され、一端が前記シリンダ部材の端部から突出するロッドと、
前記シリンダ部材の内部に設けられ、前記ロッドの前記シリンダ部材からの突出長さが、所定長さ以上のとき、前記ロッドの突出方向にバネ力を付与し、所定長さ未満のとき、前記ロッドにバネ力を付与しないバネ機構を備えていることを特徴とするドアクローザ。
開き戸の扉と扉枠との間に、前記扉が閉位置及び開位置にあるとき、伸長状態となり、閉位置と開位置との中間位置にあるとき、短縮状態となるように連結されて、前記扉の開閉を補助するドアクローザであって、
作動液が封入されたシリンダと、
前記シリンダに対して軸方向に移動可能に支持され、一端が前記シリンダの端部から突出するロッドと、
前記ロッドに軸周りの回転しないように連結されて前記シリンダ内を2室に区画するピストンと、
前記ピストンに設けられ、前記ピストンによって区画された2室を互いに連通する連通路と、
前記ピストンの端部に回転可能に取付けられて、その回転位置に応じて前記連通路の流路面積を変化させるシャッタと、
前記シリンダの内部に軸周りに回転しないように固定され、前記ロッドをそのストローク端まで移動させたとき、前記シャッタと係合して前記シャッタを前記シリンダに対して回転方向に固定する係合部材と、
前記ロッドの前記シリンダからの突出長さが、所定長さ以上のとき、前記ロッドに突出方向のバネ力を付与し、所定長さ未満のとき、前記ロッドにバネ力を付与しないバネ機構を備えていることを特徴とするドアクローザ。
開き戸の扉と扉枠との間に連結されて、前記扉の開閉を補助するドアクローザであって、
作動液が封入されたシリンダ部材と、
前記シリンダ部材に対して軸方向に移動可能に支持され、一端が前記シリンダ部材の端部から突出するロッドと、
前記ロッドの端部に軸周りの回転しないように連結されて前記シリンダ部材の内部を2室に区画するピストンと、
前記ピストンに設けられ、前記ピストンによって区画された2室を互いに連通する連通路と、
前記ピストンの前記ロッド側の端部に回転可能に取付けられて、その回転位置に応じて前記連通路の流路面積を変化させるシャッタと、
前記シリンダ部材の中間部に軸周りに回転しないように固定され、前記ロッドが軸方向に移動可能に貫通され、前記ロッドの軸方向に沿って作動液の流路を形成し、前記ロッドを突出方向にそのストローク端まで移動させたとき、前記シャッタと係合して前記シャッタを前記シリンダ部材に対して回転方向に固定する係合部材とを備えていることを特徴とするドアクローザ。
また、本発明に係るスプリングダンパーでは、作動油が充填され、ピストンが嵌装される第1シリンダと、筒状のクラッチリングが摺動可能に嵌装される第2シリンダとを軸線方向に沿って、かつ隔壁を介して連接し、上記第1及び第2シリンダの開口端を第1及び第2蓋プラグにより夫々閉塞すると共に、外側にクラッチリングを嵌装し、第2蓋プラグ及び上記隔壁を貫通して、内端に上記ピストンを装着したピストンロッドを設け、上記クラッチリングを半径方向に貫通する少なくとも一つのボール収納孔に夫々クラッチボールを半径方向に移動可能に収納し、一方、第2シリンダの内周面、及び第2シリンダ内におけるピストンロッドの外周面の軸線方向における所定位置に、夫々クラッチボールの一部が係入できる環状の内側及び外側クラッチ溝を形成したので、クラッチボールを内側クラッチ溝とクラッチリングのボール収納孔に跨らせたり、ボール収納孔と外側クラッチ溝との間に跨らせたりすることによって作動力の切替を行い、スプリングダンパーの制御機構を合理的にしてその使用範囲を拡大した。
以下、この発明の一実施例を図面を参照して説明する。
なお、この実施例は、本発明のスプリングダンパーをスイング扉の開閉制御に適用した場合を示す。
図1において符号1はスプリングダンパーのシリンダの全体を示し、このシリンダ1は、作動油が充填され、ピストン2が摺動可能に嵌装される第1シリンダ3と、筒状のクラッチリング4が摺動可能に嵌装される第2シリンダ5とを軸線方向に沿って、かつ隔壁6を介して連設してなる。
図示の実施例では、上記隔壁6はシリンダ筒の段部と、ピストンロッド7と液密に嵌合する隔壁プラグ(付番せず)とからなる。
上記第1及び第2シリンダ3、5の開口端は、夫々第1及び第2蓋プラグ8、9によって閉塞される。
上記シリンダ1に装着されるピストンロッド7は、上記蓋プラグ9及び隔壁6を貫通しており、その第1シリンダ3内に臨む内端にはピストン2が装着されている。
また、ピストンロッドの第2シリンダ5内における部分には、厚肉筒状の上記クラッチリング4が嵌装されている。
上記クラッチリング4には、その筒部を半径方向に貫通するようにして、複数個(図示の実施例では4個)のボール収納孔11、11が等角度間隔で形成されており、各ボール収納孔11にはクラッチボール12が夫々クラッチリングの半径方向に移動可能に収納されている。
一方、第2シリンダ5の内周面、及び第2シリンダ内におけるピストンロッド7の外周面の軸線方向における所定の位置に、夫々クラッチボール12の一部が係入できる環状の内側及び外側クラッチ溝13(図4参照)、14が形成されている。
図示の実施例では、各クラッチ溝は横断面が台形である。
そして、隔壁6とクラッチリング4との間に圧縮コイルばね15が弾装されており、この圧縮コイルばねの弾力によりクラッチリング4は図1で左方に、すなわち、第2シリンダ5から脱出する方向に付勢されているが、図1に示す状態では、クラッチボール12が内側クラッチ溝13とクラッチリングのボール収納孔11との間に跨がっているので、クラッチリング4は第2シリンダの内周面に係止されており、したがって圧縮コイルばねの弾力は第2シリンダ5に担持される。
他方、第1シリンダ内におけるピストン2には、ピストンロッド7の伸長時緩衝する形式のオリフィス装置が設けられている。
かかるオリフィス装置は周知であるから詳細な説明は省略するが、例えば、ピストンを軸線方向に貫通する連通孔16の図1で左側の開口を覆うオリフィス孔付の可撓性のオリフィス板で構成することができる。
なお、このオリフィス装置は、後述の実施例3のピストン部の構造を用いてもよい。
また、図1に示すように、上記クラッチボール12が内側クラッチ溝13とボール収納孔11に跨がってピストンロッド7がクラッチリング4から自由になっているとき、ピストン2と嵌合する第1シリンダ3の内壁が拡径され、逃げ溝17が形成されている。
なお、図1において符号18は第1シリンダ3内に形成された空気室を示し、この空気室18は遊動プラグ19により第1シリンダ3とは液密に区画されて、温度変化による作動油の膨張、収縮を吸収するものであるが、この空気室は従来周知であり、本願発明の要旨ではないので、更に詳細な説明は省略する。
上記のように構成されたこの発明の一実施例によるスプリングダンパーは、図3に示すように、例えばピストンロッドの先端21をブラケットを介して扉22又は扉枠23の一方に、シリンダの基端4をブラケットを介して扉22又は扉枠23の他方に、夫々揺動可能にリンク結合して使用する。
このときのスプリングダンパーの各部材の位置関係は例えば図4に示すごとくである。
そこで、扉を開けていくと、図5に示すようにピストンロッド7をシリンダ1に押込むから、スプリングダンパーのピストンロッド7は図6に示すように右方向に移動する。
このときには、ピストンロッド7の圧縮コイルばね15を押し縮める方向に押動するが、ピストンの図示しない前記オリフィス板が弾性変形し、作動油を連通孔16(図6参照)を通して右方から左方に移動させるので、ピストンロッド7は緩衝されずに軽くシリンダ1内に押込まれる。
なお、ピストンロッド7が図6に示す位置にあるとき、内側及び外側クラッチ溝13、14が軸線方向において整合し、それまで外側クラッチ溝14とボール収納孔11との間に跨がっていたクラッチボール12が内側クラッチ溝13とボール収納孔11との間に跨がるようになり、ピストンロッド7がクラッチリング4から解放されて自由になる。
したがって、ピストンロッド7は圧縮コイルばね15を押し縮める必要が無くなるので更に軽くシリンダ1内に押込まれる。
更に扉を開けると、図7に示すように、扉の蝶番の回動軸25、ピストンロッドの先端21及びシリンダの基端24が一直線上に並び、図1に示すように、ピストンロッド7が最も深くシリンダ内に押込まれる(所謂デッドポイント)。
図7に示す状態から更に扉を開けると、今度は図1に示す状態からピストンロッド7及びピストン2が左方に移動するので、上記オリフィス装置が作動してピストン2に制動がかかるようになるが、このときには、ピストン2の周囲における第1シリンダ3の内周面が拡径されているので、作動油はピストン2の外周面と逃げ溝17との間を図1において左方から右方に流れ、ピストンロッド7は負荷無く左方に移動する。
やがてピストンロッド7は図6に示す位置に迄伸長するが、このときには、扉22は図8に示すように例えば70度位開き、同時にクラッチボール12が外側クラッチ溝14とボール収納孔11との間に跨がるようになり、ピストンロッド7とクラッチリング4とが一体的に連結される。
このときからピストンロッド7は圧縮コイルばね15の弾力を受けるようになり、同時にオリフィス装置が作動すると共に、ピストン2が第1シリンダ3の小径部に移動するので、ピストンロッド7に連結された扉22は緩衝されつつ開放方向に付勢される。
すなわち、この発明によるスプリングダンパーは新規な扉オープナー(扉自動開放装置)となる。
そして、図9に示すように、ピストンロッド7は図9に示すように最大限伸長し、このときにはピストンロッド7は扉22のストッパーとなる。
この状態から扉を閉めていくと、図4に示すようにピストンロッド7は圧縮コイルばね15を押し縮めつつシリンダ内に押込まれていくが、このときにはオリフィス装置は作動しないので、軽く扉は閉まっていく。
更に扉が閉まっていくと、スプリングダンパーは図6及び図1に示す状態まで押込まれ、扉が図7に示す状態(スプリングダンパーは図1に示す状態)より更に閉鎖方向に移動すると、今度はスプリングダンパーのピストンロッド7は伸長を始め、図6に示す状態から、例えば扉の開角度が約20度の状態から、今度は扉の閉鎖方向においてピストンに制動がかかるようになる。
換言すれば、スプリングダンパーは今度はドアクローザとして作動を始め、図4に示す状態で扉を完全に閉鎖すると共に、その閉鎖を弾性的に保持する。
図示の実施例では、圧縮コイルばね15を隔壁6とクラッチリング4との間に弾装するものとしたが、これは第2蓋プラグ9とクラッチリング4との間に弾装するようにすれば、ピストンロッドが収縮するときにこれを緩衝するスプリングダンパーとすることができる(図示せず)。
但し、このときには、設定したピストンの伸長量に応じて、内側及び外側クラッチ溝13、14のピストン2の長さ方向における形成位置を適切に設定するものとする。
本発明の実施例3について図10から図15を参照して説明する。
本実施例に係るシリンダ装置の縦断面図を図10に示す。図10に示すように、シリンダ装置30は、略有底円筒状のシリンダ部材31の開口端部に、内周部がピストンロッド40と摺動するベアリングとなっているロッドガイド32が挿入され、シリンダ部材31の開口端部をカシメることで固定されている。ロッドガイド32の内側には、シリンダ部材内部と外部をシールするゴム製で内部に金属環が埋め込まれたオイルシール33が装着されている。また、シリンダ部材31の中間部の内部に中間ロッドガイド34が取付けられて、この中間ロッドガイド34によってシリンダ部材31の内部が底部側のシリンダ部35と、開口部側のロッド案内部36とに区画されている。なお、この中間ロッドガイド34は、ロッドガイド32と同様にピストンロッド40と摺動するベアリングとしてもよいが、この場合、ロッドガイド32と中間ロッドガイド34との同軸性を高くする必要があるので、中間ロッドガイド34はロッドガイド32よりも内径を大きくした方が製作性がよい。更に、シリンダ部35には、フリーピストン37が摺動可能に嵌合され、フリーピストン37によって、シリンダ部35内が底部側のガス室38と中間ロッドガイド34側のシリンダ室39とに区画されている。
シリンダ部材31には、ロッドガイド32及びオイルシール33を摺動可能かつ液密的に貫通してピストンロッド40が挿入されている。ピストンロッド40の基端側は、中間ロッドガイド34を貫通してシリンダ室39の内部まで延びて、その先端部に減衰力発生機構を構成するピストン41が連結されている。ピストン41は、シリンダ部35に摺動可能に嵌合して、その外周のピストンシール部材としてのOリング41Aにより、シリンダ室39内を中間ロッドガイド34側のロッド側室39Aとフリーピストン37側のボトム側室39Bとの2室に区画している。そして、シリンダ室39及びロッド案内部36内には、作動液が封入され、ガス室38内には大気圧程度の低圧ガスが封入されている。この大気圧程度のガスとは、ピストンロッド40が最大長のときに大気をガス室に導入したものである。よって、使用時は、温度条件等によって、大気圧より高い場合もある。
また、シリンダ装置の要求特性によって、ガス圧は多少高くてもよいが、ガス圧が高いと、後述のフリー区間で多少のバネ力が発生することになるので、望ましくは、シリンダ装置や扉等の取付側のフリクションより小さい力となるガス圧が望ましい。
さらには、ガス室を大気開放してもよい。この場合、大気開放する孔には、フィルタを設けたほうがよい。
シリンダ装置30の中間ロッドガイド34及びピストン41付近の拡大図を図13に示し、ピストン41の中間ロッドガイド34側の端面の拡大図を図14に示す。図13及び図14に示すように、ピストンロッド40の基端部には、縮径された円形断面のガイド部42及び更に縮径された取付部43が形成されている。そして、ピストンロッド40の取付部43がピストン41の中央の取付部43と略同形状の取付開口44を貫通し、その先端部をかしめてピストンロッド40がピストン41に結合されている。取付部43及び取付開口44は、側面部が面取りされた形状であり、これにより、ピストンロッド40とピストン41とは、回転方向にも固定されている。
ピストン41には、ロッド側室39Aとボトム側室39Bとを連通させる連通路45が軸方向に沿って貫通されている。連通路45は、本実施例では、図14に示すように、ピストン41の円周方向に沿って等間隔で3箇所に配置されている。ピストン41の中間ロッドガイド34側の端部には、図15に示す円板状のシャッタ46が取付けられている。シャッタ46は、その円形の中央開口47にピストンロッド40のガイド部42が挿入されて、ピストン41に対して回転可能に支持されている。ピストンロッド40のガイド部42の基部に形成された段部とシャッタ46との間に皿バネ48が介装され、シャッタ46は、皿バネ48のバネ力によってピストン41に押圧されており、そのバネ力に抗して軸方向に移動可能となっている。
シャッタ46には、ピストンの連通路45に対向する部位に、径の異なる複数のオリフィス通路49が貫通されており、シャッタ46を回転させて、複数のオリフィス通路49の内に1つを連通路45に選択的に連通させることにより、連通路45の流路面積を調整できるようになっている。このとき、オリフィス通路49は、3つの連通路45のいずれに連通させてもよく、残りの連通路45は、シャッタ46によって閉鎖されることになる。本実施例では、3つの異なる径のオリフィス通路49が設けられており、シャッタ46の回転位置に応じて連通路45の流路面積を3段階に調整することができる。
なお、オリフィス通路49の数を増加させれば、増加させた分の流路断面積を得られる。また、極小の流路面積を必要とする場合は、オリフィス通路をなくし、シャッタ46とピストン41の接触面等からのリークをオリフィス通路とみなしてもよい。また、この場合、積極的にシャッタ46とピストン41の接触面に溝を設けて流路を形成してもよい。
ピストン41の中間ロッドガイド34側の端面の外周部には、円周方向に沿って複数の円形のディテント凹部50が形成され、シャッタ46の端面の外周部には、ディテント凹部50に対向する部位に略半球面状のディテント凸部51が突出されている。そして、ディテント凹部50及びディテント凸部51によって回転位置割出し手段を構成し、これらの係合により、ピストン41の連通路45とシャッタ46の選択されたオリフィス通路49とが連通するシャッタ46の回転位置を割出すと共にその位置を保持することができる。また、皿バネ48が撓んでシャッタ46が軸方向に移動することにより、ディテント凹部50とディテント凸部51との係合が解除されて、シャッタ46を回転させることができる。本実施例では、シャッタ46には、円周方向に沿って等間隔で3つのディテント凸部51が設けられ、これら3つのディテント凸部51のそれぞれに対して、3つのオリフィス通路49を割出すために3つのディテント凹部50が必要であり、したがって、ピストン41には、3個のディテント凹部50が3箇所に配置され、合計9個のディテント凹部50が設けられている。また、シャッタ46の外周部には、直径方向に沿った2箇所に矩形の切欠52が設けられている。
なお、ディテント凸部51は、シャッタ46に鋼球を埋め込んでもよく、また、シャッタ46を鍛造成型したり、プレス成型や切削によりシャッタ自身で構成してもよい。また、その形状もスムーズにシャッタ46が回転できる形状であれば、円錐等であってもよい。
図13を参照して、中間ロッドガイド34は、外周部に環状溝53が形成され、環状溝53の底部の一部に回り止め凹部54が設けられている。そして、シリンダ部材31を外周側からかしめて内周部にカール部55を突出させ、カール部55を環状溝53に挿入することにより、中間ロッドガイド34を軸方向に固定している。さらに、カール部55の一部を外側からかしめて内側に回り止め凸部56を突出させ、この回り止め凸部56を回り止め凹部54に挿入することにより、中間ロッドガイド34を回転方向に固定している。中間ロッドガイド34には、ピストン41に取付けられたシャッタ46の2つの切欠52に対向させて2つの係合凸部57が突出されている。なお、図13においては、その破断位置の関係で、2つの係合凸部57の一方のみが図示されている。そして、図12に示すように、ピストンロッド40を伸長させ、中間ロッドガイド34の係合凸部57とシャッタ46の切欠52とを係合させると、中間ロッドガイド34は、シャッタ46をシリンダ部材31に対して回転方向に固定する係合部材として機能し、シリンダ部材31とピストンロッド40とを相対回転させることにより、ピストン41に対してシャッタ46を回転させることができる。なお、中間ロッドガイド34は、ピストンロッド40との間に隙間を有しており、ロッド案内部36の内部とシリンダ室39との間に作動液の流路が形成されるようになっている。
また、ピストン41に取付けられたシャッタ46は、上述のオリフィス通路49によってピストン41の連通路45の流路面積を調整するほか、逆止弁の弁体としても機能する。すなわち、連通路45のボトム側室39B側からロッド側室39A側への作動液の流れに対して、シャッタ46が皿バネ48のバネ力に抗して軸方向に移動してピストン41の端面から離間することにより、シャッタ46とピストン41の間が流路となりオリフィス通路49による流通抵抗を付与することなく、この方向の流れを許容する。
図10を参照して、シリンダ部材31のシリンダ部35の内周面には、軸方向に沿って所定の範囲Lにわたって延びるバイパス凹部58が形成されている。本実施例では、バイパス凹部58は、シリンダ部35の周方向に沿って等間隔で3箇所に設けられている。そして、ピストン41がこのバイパス凹部58の範囲Lの間にあるとき、バイパス凹部58とピストン41との間に隙間が生成され、この隙間によってロッド側室39Aとボトム側室39Bとの間で作動液は、殆ど流通抵抗を受けることなく流通する。
なお、バイパス凹部58の中間ロッドガイド34側端部は、ピストン41との間に隙間の断面積が徐々に小さくなるように設定することにより、バイパス凹部58が閉塞される際の油撃を小さくすることができる。
ロッド案内部36には、ピストンロッド40にバネ力を付与するバネ機構Bが設けられている。バネ機構Bの構成について図10を参照して説明する。シリンダ部材31内に円筒状のガイドスリーブ59が挿入、嵌合され、その両端部がオイルシール33及び中間ロッドガイド34に当接して軸方向に固定されている。ガイドスリーブ59の中間部には、内周溝である内周クラッチ溝60が形成されている。本実施例では、ガイドスリーブ58は、内周クラッチ溝60の加工性を考慮して、内周クラッチ溝60の中間ロッドガイド34側の端部でガイドスリーブ59A、59Bに2分割されていが、これらを一体に形成してもよい。ピストンロッド40には、ガイドスリーブ58に対向する部位の中間部に外周クラッチ溝61が形成されている。内周クラッチ溝60及び外周クラッチ溝の側部はテーパ状に形成されている。
なお、ガイドスリーブ59は、強度上、金属製が望ましいが、軽量化のためには、強化された樹脂を用いた方がよい。また、あえてガイドスリーブ59を設けずに、シリンダ部材31の内周クラッチ溝60該当部のみ拡径してシリンダ部材31とガイドスリーブ59を共用化してもよい。
ガイドスリーブ59とピストンロッド40との間には、鋼球からなるボール64(球体)の保持部材である円筒状のクラッチリング62が、これらに対して摺動可能に嵌合されている。クラッチリング62は、図2に示すものと同様の構造であり、その側壁には、径方向貫通する複数のボール穴63が等間隔で放射状に配置され、それぞれのボール穴63には、直径がボール穴63とほぼ等しく、クラッチリング62の肉厚よりも大きいボール64が摺動可能に挿入されている。そして、ガイドスリーブ58の内周クラッチ溝60とピストンロッド40の外周クラッチ溝61とは、深さがほぼ等しく、ボール64の直径は、クラッチリング62の側壁の肉厚と外周溝60及び内周溝61の深さとの和に等しい。これにより、ボール64が挿入されたクラッチリング62がガイドスリーブ58とピストンロッド40との間に挿入された状態では、必ずボール64が外周溝60及び内周溝61の少なくとも一方に挿入された状態となる。中間ロッドガイド34とクラッチリング62との間には、バネ手段である圧縮コイルバネ65が介装されて、クラッチリング62を常時オイルシール33側へ向かって付勢している。
なお、ボール64は必ずしも球体である必要なく、例えば断面円形の環状リングを周方向3個所程度で分断したようなものであってもよい。
シリンダ部35のバイパス凹部58及びバネ機構Bのガイドスリーブの内周クラッチ溝60及びピストンロッド40の内周溝61の配置は、シリンダ装置30の適用条件に応じて適宜設定することができる。本実施例の例では、図10に示すように、ピストンロッド40の外周クラッチ溝61がガイドスリーブ58の内周クラッチ溝60に対して中間ロッドガイド34側にあるとき、ピストン41がバイパス凹部58の範囲Lの範囲内にあり、図11に示すように、ピストンロッド40が伸長して、その外周クラッチ溝61がガイドスリーブ58の内周クラッチ溝60に対してオイルシール33側にあるとき、ピストン41がバイパス凹部58の範囲Lから中間ロッドガイド34側に外れるように設定されている。
シリンダ部材31の底部には、シリンダ装置30をリンク結合するための取付部66がシリンダ部材31の軸周りに回転可能に取付けられ、ピストンロッド40の突出側の先端部には、取付部67が固定されている。なお、この取付部66,67の形状は、扉等の被取付部材に合わせた形状となる。
以上のように構成した本実施例の作用について次に説明する。
シリンダ装置30は、図3、図5、図7及び図8に示す実施形態と同様、取付部66及び取付部67を開き戸の扉22及び扉枠23にリンク結合してドアクローザとして使用することができる。
そして、図7に示すように、扉22が中間位置にあるとき、図10に示すように、ピストンロッド40の外周クラッチ溝61がガイドスリーブの内周クラッチ溝60に対して中間ロッドガイド34側にある。このとき、クラッチリング62のボール穴63に挿入されたボール64がガイドスリーブ58の内周クラッチ溝60に挿入された状態で、ピストンロッド40の外周面によって径方向内側への移動が規制されるので、クラッチリング62は、圧縮コイルバネ65のバネ力に抗して軸方向に固定される。これにより、ピストンロッド40に圧縮コイルバネ65のバネ力は作用しない。この区間をフリー区間という。
また、このフリー区間において、ピストン41は、ピストンロッド40の伸縮に対してシリンダ部35のバイパス凹部45の範囲Lの範囲内でストロークする。このとき、作動液は、ピストン41とバイパス凹部45との間の隙間を殆ど抵抗なく流通するので、ピストンロッド40の伸縮に対して殆ど減衰力は発生しない。なお、ピストンロッド40の伸縮によるロッド案内部38の内部及びシリンダ部39内の容積変化に対して、ガス室38内のガスが圧縮、膨張するが、ガス室38内は大気圧程度の低圧であるため、この圧力はピストンロッド40の伸縮に殆ど影響しない。
このフリー区間では、ピストンロッド40は、殆ど抵抗を生じることなく、自由に伸縮させることができるので、扉22は、図7に示す中間位置にあるとき、シリンダ装置30から殆ど抵抗を受けることなく自由に開閉両方向に移動させることができる。
次に、図5に示すように、扉22を閉じ位置付近まで移動させると、図11に示すように、ピストンロッド40が伸長して、その外周クラッチ溝61がガイドスリーブ58の内周クラッチ溝60に対してオイルシール33側に移動する。このとき、ピストンロッド40の外周クラッチ溝61が、ガイドスリーブ58の内周クラッチ溝60を通過する際、ボール64がピストンロッド40の外周溝64に挿入されて、クラッチリング62は、ガイドスリーブ58に対する軸方向の固定が解除されると共に、ピストンロッド40に対して軸方向に固定される。これにより、圧縮コイルバネ65のバネ力により、クラッチリング62と共にピストンロッド40が伸長方向に付勢され、扉22は、図3に示す閉じ位置まで自動的に移動する。この区間を付勢区間という。
この付勢区間では、図11に示すように、ピストン41は、バイパス凹部58の範囲Lから外れているので、ピストンロッド40の伸長に対して、ロッド側室39A側の作動液がシャッタ46のオリフィス通路49及びピストン41の連通路45を通ってボトム側室39B側へ流れ、オリフィス通路49の流路面積によって減衰力が発生する。これにより、扉22の移動速度を減速することができ、扉22が閉じる際の衝撃及び騒音を軽減することができる。
そして、シャッタ46を回転させてピストン45の連通路45に連通させるオリフィス通路49を選択的に切換えることにより、減衰力を調整することができ、扉22の重量、寸法、所望の閉じ速度等に応じて、あるいは、経年変化や室温の変化等による特性の変化に対して、適切な減衰力を得ることができる。減衰力を切換える際には、図12に示すように、ピストンロッド40を最大突出状態となる位置、すなわち扉22を全開位置に移動させて、中間ロッドガイド34の係合凸部57とシャッタ46の切欠52とを係合させる。この状態で、シリンダ部材31を回転させることにより、シャッタ46を回転させることができる。これにより、シリンダ装置30を開き戸に装着した状態で減衰力を調整することができる。このとき、シャッタ46の回転位置は、ディテント凹部50とディテント凸部51との係合、離脱によるディテント作用によって容易に割出すことができる。なお、シャッタ46の回転位置は、シリンダ部材31及びピストンロッド40にマーキングすることによって目視することができ、また、マーキングがなくても、ディテント凹部50とディテント凸部51とのディテント作用の感触によって認識することができる。本実施例では、図14に示すように3個一組のディテント凹部50が3組、3個のディテント凹部50の間隔(30度)と、隣り合う組のディテント凹部50の間隔(60度)と異っているので、大中小と三段階切り替わった後に、次の大に戻ったことが、この角度の違いで感触として認識できる。
なお、この3個一組のディテント凹部50の各間隔も変えてもよい。
扉22を閉じた状態から開く場合には、ピストンロッド40の短縮よるピストン41のストロークに対して、シャッタ45が逆止弁として作用し、皿バネ48が撓んでシャッタ46がピストン41から離間して連通路45が開き、ボトム側室39B側の作動液がロッド側室39A側へ殆ど流通抵抗なく流れる。これにより減衰力が殆ど発生しないので、圧縮コイルバネ65のバネ力のみに抗して扉22を円滑に開くことができる。
そして、扉22が所定の位置まで開かれると、図10に示すように、ピストンロッド40が短縮して、その外周クラッチ溝61がクラッチリング62と共にガイドスリーブ58の内周クラッチ溝60を通過する際、ボール64がガイドスリーブ58の外周溝60に挿入されて、クラッチリング62は、ピストンロッド40に対する軸方向の固定が解除されると共に、ガイドスリーブ58に対して軸方向に固定される。これにより、ピストンロッド40は、圧縮コイルバネ65のバネ力から開放されて自由に移動できるようになり、付勢区間からフリー区間に切り替わる。
また、図8に示すように、扉22を全開位置付近まで移動させると、再び図11に示す付勢区間となり、ピストンロッド40が伸長することにより、上述の扉を閉じ位置付近まで移動させた場合と同様、クラッチリング62がピストンロッド40側に固定されて、圧縮コイルバネ65のバネ力によってピストンロッド40が伸長し、ピストンロッド40の伸長に対してオリフィス通路49による減衰力が作用する。これにより、扉22は、自動的に全開位置に移動して保持される。このとき、扉22の移動速度を減速することができ、扉22が全開となる際の衝撃及び騒音を軽減することができる。
次に、上記本実施例3の第1乃至第3変形例について、図16乃至図20を参照して説明する。なお、以下の説明において、図10乃至図15に示す実施例3に対して、同様の部分には同一の符号を用いて、異なる部分についてのみ詳細に説明する。
第1変形例について、図16乃至図18を参照して説明する。本変形例のピストン41付近の拡大縦断面図を図16に示し、ピストン41の中間ロッドガイド34側の端面を図17に示し、また、シャッタ46のピストン41側の端面を図18に示す。
本変形例では、図16乃至図18に示すように、上記実施例3に対して、シャッタ46は、皿バネ48が省略されて軸方向に固定されており、シャッタ46を逆止弁として機能させる代りに独立した逆止弁68が設けられている。また、ディテント凹部50及びディテント凸部51が省略され、代りに、逆止弁68がディテント機構を兼ねている。
逆止弁68の構造について説明する。ピストン41には、ロッド側室39Aとボトム側室39Bとを連通させる逆止弁通路69が設けられている。逆止弁通路69のシャッタ46側の開口部は、拡径されてテーパ状のシート部70が形成されている。一方、シャッタ46には、シート部70に対向する部位に弁穴71が形成され、弁穴71の底部に、ロッド側室39Aに開口する通路72が貫通されている。そして、弁穴71内にチャックボール73を挿入してシート部70に着座させ、弁穴71の底部とチェックボール73との間に圧縮コイルバネである弁バネ74が介装されている。
これにより、逆止弁68は、ボトム側室39B側からロッド側室39A側への作動液の流れに対して、弁バネ74が撓んでチェックボール73がシート部70から離座することにより、この方向の流れを許容する。一方、反対方向の流れに対しては、チェックボール73がシート部70に押付けられることによって遮断する。
次に逆止弁68のディテント機能について説明する。逆止弁通路69は、図17に示すように、連通路45の内周側に円周方向に沿って複数設けられており、チェックボール73が弁バネ74のバネ力に抗して後退しながらシート部70のテーパ面を上ることにより、シャッタ46を回転させることができる。また、チェックボール73が弁バネ74のバネ力によってテーパ状のシート部70に押圧されてセンタリングされることにより、シャッタ46の回転位置を割出すとともに、その位置を保持することができる。そして、3つの連通路45のそれぞれに対して、3つのオリフィス通路49のそれぞれの位置を割出すために、これらの配置に対応して、円周方向に3個ずつ3箇所に配置されている。
このように構成したことにより、本変形例に係るシリンダ装置は、上記実施例3と同様の作用効果を奏することができる。
次に、上記実施例3の第2変形例について、図19を参照して説明する。図19は、本変形例の全体の縦断面図を示している。
図19に示すように、本変形例では、上記実施例3に対して、2分割されたスリーブ58は、一体化されると共に、さらに、中間ロッドガイド34と一体化されている。オイルシール33が中間ロッドガイド34に装着され、また、中間ロッドガイド34とシリンダ部材31との間にOリング75が設けられて、中間ロッドガイド34で作動液がシールされており、ロッド案内部36の内部に作動液が封入されていない。これにより、上記実施例3と同様の作用効果を奏すると共に、作動液の量を少なくすることができ軽量化を図ることができる。
次に、上記実施例3の第3変形例について、図20を参照して説明する。図20は、本変形例のシリンダ部39の付近の拡大縦断面図を示している。
図20に示すように、本変形例では、上記実施例3に対して、ピストン41及びシャッタ46の取付向き及び配置が反転されて、シャッタ46がボトム側室39B側に配置され、更に、シャッタ46は、軸方向に固定されて、シャッタ46を逆止弁の弁体として機能させる代りに独立した逆止弁76が設けられている。また、シャッタ46がボトム側室39B側に配置されたことに対応して、中間ロッドガイド34の係合凸部57が省略され、代りに、ボトム側室39にシャッタ46の切欠52に係合可能な係合部材77が取付けられている。
逆止弁76は、ピストン41にロッド側室39Aとボトム側室39Bとを連通する逆弁通路78を設け、ピストン41のロッド側室39側の端部に、逆止弁通路78を開閉するディスクバルブ79を取付けて、逆止弁通路78のボトム側室39B側からロッド側室39A側への作動液の流れのみを許容するようにしたものである。なお、シャッタ46には、逆止弁通路78をボトム側室39Bに常時連通させる複数の通路80が設けられている。
係合部材77は、外周溝81を有する環状部材であり、シリンダ部39内に嵌合され、シリンダ部材31の側壁を外側から内側へかしめることによって、軸方向及び軸周りの回転方向に固定されている。また、係合部材77には、ピストン41に取付けられたシャッタ46の切欠52に対向させて係合凸部82が突出されており、ピストンロッド40を短縮させて、ピストン41をシリンダ部材31の底部側に移動させることにより、係合凸部82をシャッタ46の切欠52に係合できるようになっている。
これにより、上記実施例3と同様の作用効果を奏することができる。また、減衰力を調整する際には、ピストンロッド40を短縮させ、係合部材77の係合凸部82をシャッタ46の切欠52に嵌合させた状態で、シリンダ部材31を回転させる。これにより、シャッタ46の外周部が僅かに撓んでディテント凹部50及びディテント凸部51を係脱しながらシャッタ46を回転させることができ、所望の減衰力に切換えることができる。
なお、上記各実施例では、減衰力を油液の流れる流路面積を絞ることによって得ているるが、いわゆる摩擦ダンパのように、ピストンとシリンダの間の摩擦によって減衰力を得てもよく、減衰力を発生できる構造であればよい。但し、流体、特に油液を用いることで、最も安定した減衰力を得ることができる。
また、ドアクローザとして前記各実施例のシリンダ装置を用いる場合は、周りに化粧ケースを設けたほうがよい。特に油液を用いた場合、ピストンロッドにほこり等が着くので、ケースをつけることが望ましい。
なお、前記実施例3では、ピストンロッド40を最大長または最小長としたときに、シャッタ46を回転させる構成としたが、シャッタの厚みを厚くし、係合凸部57、82の軸方向長さを長くすることで、最大長または最小長の少し手前でも減衰力調整が可能となる。これにより、本シリンダ装置を取り付けの際に、取り付ける者が、多少取り付け位置をずらして取り付けても減衰力の調整が可能となる。
また、係合凸部57、82を多少、軸方向に移動可能とすることでも同様の効果を得ることができる。
1 シリンダ、2 ピストン、3 第1シリンダ、4 クラッチリング、5 第2シリンダ、6 隔壁、7 ピストンロッド、8 第1蓋プラグ、9 第2蓋プラグ、11 ボール収納孔、12 クラッチボール、13 内側クラッチ溝、14 外側クラッチ溝、15 圧縮コイルばね、16 連通孔、17 逃げ溝、18 空気室、19 遊動プラグ、21 先端、22 扉、23 扉枠、24 基端、25 回動軸、30 シリンダ装置、31 シリンダ部材、40 ピストンロッド、B バネ機構

Claims (4)

  1. 筒状のシリンダ部材と、
    前記シリンダ部材の内部の少なくとも一部に封入された作動流体と、
    前記シリンダ部材に対して軸方向に移動可能に支持され、一端が前記シリンダ部材の端部から突出するロッドと、
    前記シリンダ部材の一端部に固定されて、前記ロッドが挿通されるロッドガイドと、
    前記シリンダ部材の内部に設けられ、前記ロッドの前記シリンダ部材からの突出長さが、所定長さ以上のとき、前記ロッドを突出させる方向にバネ力が付与された状態で前記ロッドがストローク可能とし、所定長さ未満のとき、前記ロッドにバネ力が付与されない状態で前記ロッドがストローク可能とするバネ手段を含むバネ機構と、
    前記ロッドの軸方向の移動に対して、減衰力を付与する減衰力発生機構と、
    前記シリンダ部材の中間部の内部に固定されて、前記ロッドが挿通される中間ロッドガイドと、
    が設けられ、
    前記減衰力発生機構は、前記ロッドに連結されて前記シリンダ部材の内部の前記作動流体中を移動するピストンに設けられた作動流体の流路に流通抵抗を付与することによって減衰力を発生させ、
    前記バネ手段の一側は前記中間ロッドガイドにより支持され、
    前記バネ機構と前記減衰力発生機構とは、前記シリンダ部材内に軸方向に沿って配置され、
    前記中間ロッドガイドの内径は、前記ロッドガイドの内径よりも大きいことを特徴とするシリンダ装置。
  2. 前記バネ機構は、前記ロッドの外周部に設けられた外周クラッチ溝と、前記外周クラッチ溝に対向して前記シリンダ部材の内側に設けられた内周クラッチ溝と、前記ロッドの前記シリンダ部材からの突出長さが所定長さ以上のとき、前記外周クラッチ溝と係合して前記ロッドに対して軸方向に固定されると共に前記シリンダ部材に対して軸方向に移動可能となり、前記ロッドの前記シリンダ部材からの突出長さが所定長さ未満のとき、前記内周クラッチ溝と係合して前記シリンダ部材に対して軸方向に固定されると共に前記ロッドに対して軸方向に移動可能となるクラッチ手段とを備え、
    前記バネ手段は、前記クラッチ手段を付勢することを特徴とする請求項1に記載のシリンダ装置。
  3. 前記クラッチ手段は、前記外周クラッチ溝及び前記内周クラッチ溝の少なくとも一方に係合した状態で、前記内周クラッチ溝が設けられた前記シリンダ部材側の内周面と前記ロッドの外周面との間に挿入される複数の球体と、前記球体を保持する保持部材とを備えていることを特徴とする請求項2に記載のシリンダ装置。
  4. 請求項1に記載のシリンダ装置の一側を扉側に、他側を扉枠側に、回転可能に結合して用いることを特徴とするドアクローザ。
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