JP5284673B2 - 緩衝器 - Google Patents

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Description

この発明は、緩衝器の改良に関する。
従来、特に、減衰力を調節することが可能な緩衝器にあっては、たとえば、シリンダと、シリンダ内に移動自在に挿入されるピストンロッドと、シリンダ内に摺動自在に挿入されてピストンロッドの外周に装着されシリンダ内を上方室と下方室とに区画するとともに上方室と下方室とを連通する主減衰通路を備えたピストンと、主減衰通路を迂回して上方室と下方室とを連通するバイパス路とを備え、当該バイパス路の途中に設けたロータリバルブによってバイパス路における流路面積を変更して減衰力を調整するものがある。
減衰力調整を可能とするための構造として、詳しくは、バイパス路をピストンロッドの先端から開口して下方室に通じる中空孔と、ピストンロッドの外周であってピストンより上方室側に装着される仕切部材によって形成されるとともに当該仕切部材に形成される流路によって上方室に連通される部屋と、ピストン外周から開口して主減衰通路を回避してピストン内周へ通じるソフト流路と、ピストンロッドに設けられて中空孔と部屋とを連通するハード側ポートと、ピストンロッドに設けられて中空孔とソフト流路とを連通するソフト側ポートとで形成し、ピストンロッドの中空孔内に周方向に回動可能にロータリバルブの弁体を収容し、この弁体は、筒状とされて、ハード側ポートに対向可能なハード側のオリフィス孔と、ソフト側ポートに対向可能なソフト側のオリフィス孔を備えている(たとえば、特許文献1参照)。
そして、この緩衝器にあっては、弁体とハウジングとでロータリバルブを形成して、弁体をハウジングに対し回動させることにより上記ポートとオリフィス孔との重なり(ラップ)の度合いを変化させて流路面積を変化させ、作動油がロータリバルブを通過するときの圧力損失を変化させることができ、これによって緩衝器の発生する減衰力を調整することが可能である。
特開2008−39065号公報(図1)
上述のように、上記したロータリバルブの弁体は、ピストンロッド内に収容されており、当該緩衝器の減衰特性(ピストン速度に対する発生減衰力の特性)をソフトからハードまで広範に渡って調整させるべく、一対のソフト側のオリフィス孔のほかに二対のハード側のオリフィス孔をバイパス路中に並列させているが、ハード側のオリフィス孔をピストンロッドのピストンより上方側に装着される仕切部材によって形成される部屋に通じさせるとともに、ソフト側のオリフィス孔をピストンに設けたソフト流路に通じさせる都合上、どうしても長尺となってしまう。
また、ピストンの上方室側面からピストンの内周へと通じるソフト流路をピストンに設ける加工は、面倒であり、それゆえ従来技術におけるピストンは3分割された3つのピースを組み合わせることでソフト流路の形成を簡単にする構造を採用しており、ソフト流路を後加工するにしてもピストンを分割したピースで形成するにしても、従来緩衝器にはこのソフト流路を持たない一般的なピストンを使用することができない。
このようにロータリバルブを利用して減衰力調整を実現する緩衝器にあっては、特別なピストンと長尺な弁体が必要であり、製造コストが嵩むことになる。
そこで、本発明は、上記した不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、減衰力調整を可能とする緩衝器の製造コストを低減することである。
上記した目的を解決するために、本発明における課題解決手段は、シリンダと、上記シリンダ内に移動自在に挿入されるピストンロッドと、上記シリンダ内に摺動自在に挿入されて上記ピストンロッドの外周に装着され上記シリンダ内を上方室と下方室とに区画するとともに当該上方室と当該下方室とを連通する主減衰通路を備えたピストンと、上記主減衰通路を迂回して上記上方室と上記下方室とを連通するバイパス路と、上記バイパス路の途中に設けたロータリバルブとを備えた緩衝器において、上記バイパス路を、上記ピストンロッドの先端から開口して上記下方室に通じる中空孔と、上記ピストンロッドの外周であって上記ピストンより上記上方室側に装着される仕切部材によって形成されるとともに当該仕切部材に形成される流路によって上記上方室に連通される部屋と、上記仕切部材と上記ピストンとの間に介装されるスペーサに設けたソフト流路と、上記ピストンロッドに設けられて上記中空孔と上記部屋とを連通するハード側ポートと、上記ピストンロッドに設けられて上記中空孔と上記ソフト流路とを連通するソフト側ポートとで形成し、上記中空孔内に周方向に回動可能にロータリバルブの弁体を収容し、上記弁体は、筒状とされて、上記ハード側ポートに対向可能なハード側のオリフィス孔と、上記ソフト側ポートに対向可能なソフト側のオリフィス孔を備えており、上記主減衰通路及び上記バイパス路は上記ピストン内において連通しないことを特徴とする。
本発明の緩衝器によれば、仕切部材とピストンとの間にスペーサを介装し、当該スペーサにソフト流路を形成しているので、ロータリバルブにおける弁体を従来緩衝器に比較して軸方向に短縮することができる。
さらに、スペーサにソフト流路を形成しているので、ピストンにソフト流路を形成する必要がなくなるため、ソフト流路を持たない一般的なピストンを使用することができるようになる。
上記の通り、ロータリバルブにおける弁体を軸方向に短縮でき、特別なピストンの利用を強いられないので、製造コストが低減され経済的に有利となる。
以下、図に基づいて本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の一実施の形態における緩衝器の一部拡大縦断面図である。図2は、ロータリバルブの弁体の側面図である。
さて、本発明の緩衝器Dは、図1に示すように、シリンダ1と、シリンダ1内に移動自在に挿入されるピストンロッド2と、シリンダ1内に摺動自在に挿入されてピストンロッド2の外周に装着されシリンダ1内を上方室R1と下方室R2とに区画するとともに上方室R1と下方室R2とを連通する主減衰通路3a,3bを備えたピストン3と、主減衰通路3a,3bを迂回して上方室R1と下方室R2とを連通するバイパス路4と、バイパス路4の途中に設けられてバイパス路4の流路面積を変更するロータリバルブ5とを備えて構成され、シリンダ1内には作動油等の作動流体が封入されている。そして、この緩衝器Dにあっては、上記したロータリバルブ5によってバイパス路4における流路面積を変更することで減衰力調整を行うようになっている。
なお、図示はしないが、シリンダ1の図1中上下端は封止部材(図示せず)で封止されており、シリンダ1は密閉状態下に保持されている。また、作動流体が液体である場合、緩衝器Dが伸縮する際に、ピストンロッド2がシリンダ1内に進入あるいはシリンダ1から退出することによって、シリンダ1内で過不足となる液体量を補償するため、図示はしないが、シリンダ1内の下方に挿入されるフリーピストンで区画される気体室あるいはシリンダ1内に連通されるリザーバが設けられることは当然である。
以下、各部材について詳細に説明すると、シリンダ1は筒状に形成されており、図1中上端にはピストンロッド2を摺動自在に軸支するロッドガイド(図示せず)が設けられている。
ピストンロッド2は、図1中下端から開口して下方室R2に臨む中空孔2aと、中空孔2aに連なって図示しない上端に通じるコントロールロッド挿通孔2bを備え、その先端となる図1中下端の外周には、ピストン3と、ピストン3より図1中上方となる上方室R1側にスペーサ6、仕切部材7が装着されている。
そして、ピストンロッド2の中空孔2a内には、ロータリバルブ5における筒状の弁体8が回転可能に収容されている。
また、ピストンロッド2の下方側は、小径に設定されて小径部2cと段部2dが形成されるとともに、小径部2cには、中空孔2aをピストンロッド外へ連通して互いに向き合って配置される、すなわち、円周方向に180度の間隔を持って配置される上下二対のハード側ポート2e,2fと、中空孔2aをピストンロッド外へ連通して互いに向き合う一対のソフト側ポート2gとが開穿されている。なお、この実施の形態の場合、上記したハード側ポート2e,2fは円形とされ、ソフト側ポート2gはピストンロッド2の長手方向に沿う長孔とされているが、形状はこれに限定されない。
ピストン3は、環状に形成され、上方室R1と下方室R2とを連通し緩衝器Dが伸長するときに作動流体が通過するとともに伸側の主減衰通路3aと、上方室R1と下方室R2とを連通し緩衝器Dが圧縮するときに作動流体が通過する圧側の主減衰通路3bとを備えている。そして、このピストン3の上下にはリーフバルブV1,V2がそれぞれ積層されており、主減衰通路3aの出口端となる下端をリーフバルブV1で開閉し、反対に主減衰通路3bの出口端となる上端をリーフバルブV2で開閉するようになっている。
したがって、緩衝器Dが伸長作動する際に、上記リーフバルブV1は、伸側の主減衰通路3aを通過して上方室R1から下方室R2へ移動する作動流体の流れに抵抗を与えて緩衝器Dに伸側の減衰力を発生させ、他方のリーフバルブV2は、緩衝器Dが圧縮作動する際に、圧側の主減衰通路3bを通過して下方室R2から上方室R1へ移動する作動流体の流れに抵抗を与えて緩衝器Dに圧側の減衰力を発生させるようになっている。
スペーサ6は、有底筒状に形成されて、底部にピストンロッド2の小径部2cの挿通を許容する孔6aが設けられるとともに、筒部6bには内外を連通する切欠6cが設けられ、ピストンロッド2の小径部2cの外周に組みつけられている。なお、切欠6cは、筒部6bの端部に設けてもよく、筒部6bの中間に孔状に設けてもよい。この実施の形態の場合、スペーサ6は、ピストン3の上方に積層されるリーフバルブV2に直接積層されるようになっており、リーフバルブV2の撓み量を規制するバルブストッパとして機能させるようにしてもよい。
仕切部材7は、ピストンロッド2の小径部2cの外周に組みつけられる環状のバルブディスク9と、バルブディスク9とピストンロッド3の外周に組み付けられる有底筒状のキャップ10とを備えており、バルブディスク9とキャップ10とで上方室R1内に部屋11を仕切っている。
詳しくは、バルブディスク9は、その上下を貫通する伸側通路9aと、圧側通路9bとを備えている。
そして、伸側通路9aの出口端はバルブディスク9の図1中下方に積層したリーフバルブV3によって開閉され、伸側通路9aは緩衝器Dが伸長行程時のみに開放される一方通行の通路に設定され、通過する作動流体にリーフバルブV3で抵抗を与えるようになっている。反対に、圧側通路9bの出口端はバルブディスク9の図1中上方に積層したリーフバルブV4によって開閉され、圧側通路9bは緩衝器Dが圧縮行程時のみに開放される一方通行の通路に設定され、通過する作動流体にリーフバルブV4で抵抗を与えるようになっている。なお、予め、リーフバルブV3,V4における撓み剛性は、ピストン3に積層されているリーフバルブV1,V2における撓み剛性より小さく設定しているので、リーフバルブV1,V2における開弁圧より低い開弁圧によって伸側通路9aおよび圧側通路9bが開放されるようになっている。
また、キャップ10は、有底筒状に形成されており、底部にピストンロッド2の小径部2cの挿通を許容する孔10aが設けられるとともに、筒部の開口部がバルブディスク9の外周に嵌合されている。そして、このキャップ10の底部とバルブディスク9との間には、有底筒状であってキャップ10より小径に設定されるバルブ抑え12が介装されており、当該バルブ抑え12は、底部でリーフバルブV3の内周のバルブディスク9からの浮き上がりを阻止してリーフバルブV3を外開きに設定している。また、バルブ抑え12は、筒部12aに切欠12bを備えており、当該切欠12bによって内外を連通するようになっている。なお、切欠12bは、筒部12aの端部に設けてもよく、筒部12aの中間に孔状に設けてもよい。
そして、ピストンロッド2の小径部2cには、図1中上から順に、ピストンロッド2の段部2dによってピストンロッド2に対して上方への移動が規制されたバルブストッパ13、リーフバルブV4、バルブディスク9、リーフバルブV3、バルブ抑え12、キャップ10、スペーサ6、リーフバルブV2、ピストン3、リーフバルブV1およびリーフバルブV1の撓み量を規制する環状のバルブストッパ14が組みつけられ、ピストンロッド2の最下端に螺子締結されるピストンナット15によって上記した各部材がピストンロッド2に固定される。
このように、各部材がピストンロッド2に組みつけられ固定された状態において、スペーサ6の筒部6bにピストンロッド2に設けたソフト側ポート2gが対向し、さらに、バルブ抑え12の筒部12aにピストンロッド2に設けたハード側ポート2e,2fが対向するようになっており、下方室R2に臨む中空孔2aは、ソフト側ポート2gおよびスペーサ6に設けた切欠6cを介して上方室R1へ連通されるとともに、ハード側ポート2e,2f、バルブ抑え12に設けた切欠12b、バルブディスク9とキャップ10によって仕切られた部屋11およびバルブディスク9に設けた伸側通路9aと圧側通路9bを介して上方室R1へ連通されている。
したがって、この実施の形態では、バイパス路4は、ピストンロッド2の先端から開口して下方室R2に通じる中空孔2aと、ソフト側ポート2g、スペーサ6に設けた切欠6c、ハード側ポート2e,2f、バルブ抑え12に設けた切欠12b、部屋11、伸側通路9aと圧側通路9bとで構成されており、この場合、当該仕切部材7に形成される流路はバルブディスク9に設けた伸側通路9aおよび圧側通路9bによって形成され、ソフト流路はスペーサ6に設けた切欠6c、ソフト側ポート2g、及びソフト側のオリフィス孔21によって構成されている
なお、仕切部材7に設ける流路として機能する伸側通路9aと圧側通路9bは一方通行に設定されて、リーフバルブV3,V4で開閉するようになっているため、リーフバルブV3,V4の開弁圧に達するまでは対応する伸側通路9aおよび圧側通路9bは閉じられて、バイパス路4は中空孔2a、ソフト側ポート2g、およびスペーサ6に設けた切欠6cを介して上方室R1と下方室R2を連通するようになっている。
つづいて、ピストンロッド2の中空孔2a内に収容されるロータリバルブ5における筒状の弁体8は、その外周面を中空孔2a内周面に摺接させており、周方向へ回転可能とされ、その上端は、ピストンロッド2のコントロールロッド挿通孔2b内に挿入されたコントロールロッド16に連結されている。
このコントロールロッド16は、ピストンロッド2の上端に固定される図外のステッピングモータの出力軸に連結されており、ステッピングモータを駆動することによって、弁体8をピストンロッド2に対して周方向に所定の回転角度毎にステップ回転させることができるようになっている。
また、ピストンロッド2の中空孔2a内であって弁体8より図1中下方には筒状のストッパ18が圧入されており、このストッパ18により弁体8のピストンロッド2からの脱落を阻止している。さらに、ストッパ18と弁体8との間には筒状であって樹脂製のベアリング17が介装されており、弁体8の滑らかな回転を保証している。
そして、弁体8は、側部に内外を連通しピストンロッド2の小径部2cに形成したハード側ポート2e,2fに対向可能な上下二対のハード側のオリフィス孔19,20と、ソフト側ポート2gに対向可能な一対のソフト側のオリフィス孔21とを備えている。
そして、オリフィス孔19,20は、図2に示すように、ともに、円形孔19a,20aと、周方向に沿いそれぞれ円形孔19a,20aに連通されるスリット19b,20bと備えて構成されており、スリット19b,20b自体も弁体8の肉厚を貫通して弁体8の内外を連通するようになっている。また、オリフィス孔21は、図2に示すように、弁体8の軸線に沿うとともにソフト側ポート2gと同形状の長孔21aと、周方向に沿い長孔21aに連通される溝21bと備えて構成されており、長孔21aは弁体8の内外を連通するが溝21b自体は弁体8の肉厚を貫通せず長孔21aに連なるのみで弁体8の内外を連通しないようになっている。
そして、上記オリフィス孔21をソフト側ポート2gに対向させることで、ソフト側の流路である切欠6cと弁体8内が連通され、この切欠6cと弁体8およびピストンロッド2の中空孔2aを介して上方室R1と下方室R2とが連通状態とされ、オリフィス孔21をソフト側ポート2gに対向させずに弁体8の側面をソフト側ポート2gに対向させてソフト側ポート2gを閉塞すると、上方室R1と下方室R2との連通が遮断されるようになっており、また、ソフト側ポート2gとオリフィス孔21の重なり度合いを変化させることでソフト側ポート2gとオリフィス孔21とで作られる流路における流路面積を変化させることができるようになっている。なお、長孔21aをポート2gに対向させずに、溝21bのみをポート2gに対向させる場合、流路面積を極めて小さくすることができるとともに弁体8の回転に対する流路面積の変化割合を小さくすることができるが、溝21bを設置するか否かは任意であり廃止することも可能である。
同様に、上記オリフィス孔19,20をそれぞれ対応するハード側ポート2e,2fに対向させることで、部屋11と弁体8内とが連通され、バルブディスク9に積層されるリーフバルブV3,V4の一方が開けば上方室R1と下方室R2とが連通状態とされ、オリフィス孔19,20をハード側ポート2e,2fに対向させずに弁体8の側面をハード側ポート2e,2fに対向させてハード側ポート2e,2fを閉塞すると、空間11を介しての上方室R1と下方室R2との連通が遮断されるようになっており、また、ハード側ポート2e,2fとオリフィス孔19,20の重なり(ラップ)度合いを変化させることによって、ハード側ポート2e,2fとオリフィス孔19,20とで作られる流路における流路面積を変化させることができるようになっている。
また、オリフィス孔19,20は、オリフィス孔21の長孔21aより周方向に幅が長い円形孔19a,20aのみならず、さらには、溝21bより長いスリット19b,20bを備えているため、オリフィス孔21の長孔21aをソフト側ポート2gに正対させた状態から弁体8をオリフィス孔19,20のスリット19b,20bをハード側ポート2e,2fへ対向させるように周方向に回転させていくと、オリフィス孔19,20がハード側ポート2e,2fに対向し得なくなる以前にオリフィス孔21がソフト側ポート2gに対向できずにソフト側ポート2gが閉塞されるようになっている。そして、オリフィス孔21をソフト側ポート2gに正対させた状態では、つまり、長孔21aをポート2gに完全に対面させた状態では、オリフィス孔19,20の円形孔19a,20aもハード側ポート2e,2fに正対して、バイパス路4の流路面積は最大となり、弁体8をオリフィス孔19,20のスリット19b,20bをハード側ポート2e,2fへ対向させるように周方向に回転させていくと、徐々にバイパス路4における流路面積が減じられて、最終的には、ソフト側ポート2gのみならずハード側ポート2e,2fも弁体8の側面で閉塞されて流路面積が0の状態となってバイパス路4が閉じられることになる。
このように、ロータリバルブ5は、上記した弁体8と弁体8を収容する中空孔2aを備えてハウジングとして機能するピストンロッド2とで構成されており、上述のようにピストンロッド2に対して弁体8を回転させることで、バイパス路4における流路面積を変化させることができるようになっている。
そして、緩衝器Dが伸縮する際に、オリフィス孔21とソフト側ポート2gとが連通状態である場合には、作動流体は、各リーフバルブV1,V2で開閉する主減衰通路3a,3bに優先して、このオリフィス孔21とソフト側ポート2gを通過して上方室R1と下方室R2とを行き来する。このとき、オリフィス孔19,20はハード側ポート2e,2fに対向しているが、緩衝器Dの伸縮速度が低速域にあると上方室R1あるいは下方室R2内の圧力がリーフバルブV3,V4の開弁圧に達せずに伸側通路9aおよび圧側通路9bが閉塞されたままとなり、緩衝器Dの伸縮速度が高速域にあって上方室R1あるいは下方室R2内の圧力がリーフバルブV3,V4の開弁圧に達して伸側通路9aあるいは圧側通路9bが開放されても、リーフバルブV3,V4における抵抗が大きいため、作動流体は、優先的にオリフィス孔21とソフト側ポート2gを通過して上方室R1と下方室R2とを行き来する。
そして、オリフィス孔21とソフト側ポート2gとが連通状態であるときに、バイパス路4における流路面積が大きく流路抵抗が小さくなるので、緩衝器Dにおける減衰係数(伸縮速度に対する減衰力の傾き)が最小となって、緩衝器Dはソフトな減衰力を発生することになる。
これに対して、弁体8を上記した状態から回転させて、オリフィス孔21とソフト側ポート2gとのラップ面積を小さくしていくと、作動流体がオリフィス孔21とソフト側ポート2gとを通過する際の抵抗が大きくなり、これを通過しづらくなり、リーフバルブV3,V4における撓み剛性がリーフバルブV1,V2における撓み剛性より小さく設定されているので、作動流体はリーフバルブV3,V4を押し開いて、オリフィス孔19,20を介して上方室R1と下方室R2を行き来するようになる。オリフィス孔19,20とハード側ポート2e,2fのラップ面積を変化させることによって減衰力調節することができ、さらに、緩衝器の伸縮速度が速くなると、最終的には、ピストン2に積層されたリーフバルブV1,V2が開くようになる。この場合にも、オリフィス孔19,20を介しても上方室R1と下方室R2の作動流体が交流することから、オリフィス孔19,20とハード側ポート2e,2fのラップ面積を変化させることによって減衰力調節することができることになり、オリフィス孔19,20とハード側ポート2e,2fのラップ面積が小さくなればなるほど、流路面積が小さくなって、緩衝器Dにおける減衰係数が大きくなって、主減衰通路3a,3bを迂回するバイパス路4における流路抵抗が大きくなり、緩衝器Dはハードな減衰力を発生することになる。
さて、このように構成された緩衝器Dにあっては、仕切部材7とピストン3との間にスペーサ6を介装し、当該スペーサ6にソフト流路を形成しているので、ロータリバルブ5における弁体8を従来緩衝器に比較して少なくともリーフバルブV2とバルブストッパの厚み分は軸方向に短縮することができる。
さらに、スペーサ6にソフト流路を形成しているので、ピストン3にソフト流路を形成する必要がなくなるため、ソフト流路を持たない一般的なピストンを使用することができるようになる。
このように、本発明の緩衝器Dによれば、ロータリバルブ5における弁体8を軸方向に短縮でき、特別なピストンの利用を強いられないので、製造コストが低減され経済的に有利となる。
なお、ハード側のオリフィス孔とこれに対向するハード側ポートの設置数、オリフィス孔19,20,21およびハード側ポート2e,2fおよびソフト側ポート2gの形状は、任意であり、緩衝器Dにて達成しようとする減衰特性に応じて適する形状に設定することができる。
以上で、緩衝器Dの一実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されない。
本発明の一実施の形態における緩衝器の一部拡大縦断面図である。 ロータリバルブの弁体の側面図である。
符号の説明
1 シリンダ
2 ピストンロッド
2a ピストンロッドにおける中空孔
2b ピストンロッドにおけるコントロールロッド挿通孔
2c ピストンロッドにおける小径部
2d ピストンロッドおける段部
2e,2f ピストンロッドにおけるハード側ポート
2g ピストンロッドにおけるソフト側ポート
3 ピストン
3a,3b 主減衰通路
4 バイパス路
5 ロータリバルブ
6 スペーサ
6a スペーサにおける孔
6b スペーサにおける筒部
6c ソフト流路としての切欠
7 仕切部材
8 ロータリバルブにおける弁体
9 バルブディスク
9a 伸側通路
9b 圧側通路
10 キャップ
10a キャップにおける孔
11 部屋
12 バルブ抑え
12a バルブ抑えにおける筒部
12b バルブ抑えにおける切欠
13,14 バルブストッパ
15 ピストンナット
16 コントロールロッド
17 ベアリング
18 ストッパ
19,20 ハード側のオリフィス孔
19a,20a 円形孔
19b,20b スリット
21 ソフト側のオリフィス孔
21a オリフィス孔における長孔
21b オリフィス孔における溝
D 緩衝器
R1 上方室
R2 下方室
V1,V2,V3,V4 リーフバルブ

Claims (2)

  1. シリンダと、上記シリンダ内に移動自在に挿入されるピストンロッドと、上記シリンダ内に摺動自在に挿入されて上記ピストンロッドの外周に装着され上記シリンダ内を上方室と下方室とに区画するとともに当該上方室と当該下方室とを連通する主減衰通路を備えたピストンと、上記主減衰通路を迂回して上記上方室と上記下方室とを連通するバイパス路と、上記バイパス路の途中に設けたロータリバルブとを備えた緩衝器において、上記バイパス路を、上記ピストンロッドの先端から開口して上記下方室に通じる中空孔と、上記ピストンロッドの外周であって上記ピストンより上記上方室側に装着される仕切部材によって形成されるとともに当該仕切部材に形成される流路によって上記上方室に連通される部屋と、上記仕切部材と上記ピストンとの間に介装されるスペーサに設けたソフト流路と、上記ピストンロッドに設けられて上記中空孔と上記部屋とを連通するハード側ポートと、上記ピストンロッドに設けられて上記中空孔と上記ソフト流路とを連通するソフト側ポートとで形成し、上記中空孔内に周方向に回動可能にロータリバルブの弁体を収容し、上記弁体は、筒状とされて、上記ハード側ポートに対向可能なハード側のオリフィス孔と、上記ソフト側ポートに対向可能なソフト側のオリフィス孔を備えており、上記主減衰通路及び上記バイパス路は上記ピストン内において連通しないことを特徴とする緩衝器。
  2. 上記スペーサは、上記ピストンロッドの挿通を許容する孔が設けられた底部と、内外を連通する切欠が設けられた筒部とを有して有底筒状に構成されており、上記ソフト流路は、上記切欠、上記ソフト側ポート及上記ソフト側のオリフィス孔によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の緩衝器。
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