JPH0694064A - 油圧緩衝器の減衰力調整装置 - Google Patents

油圧緩衝器の減衰力調整装置

Info

Publication number
JPH0694064A
JPH0694064A JP26953392A JP26953392A JPH0694064A JP H0694064 A JPH0694064 A JP H0694064A JP 26953392 A JP26953392 A JP 26953392A JP 26953392 A JP26953392 A JP 26953392A JP H0694064 A JPH0694064 A JP H0694064A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
port
pressure
extension
side leaf
damping force
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP26953392A
Other languages
English (en)
Inventor
Akihisa Oota
晶久 太田
Kazuyo Horiba
千誉 堀場
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KYB Corp
Original Assignee
Kayaba Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kayaba Industry Co Ltd filed Critical Kayaba Industry Co Ltd
Priority to JP26953392A priority Critical patent/JPH0694064A/ja
Publication of JPH0694064A publication Critical patent/JPH0694064A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fluid-Damping Devices (AREA)
  • Vehicle Body Suspensions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 伸・圧の減衰力を独立して設定でき、正確に
スピーディに組付ができる。 【構成】 ピストンには第1の伸ポート36aと第1の
圧ポート36bを形成し、伸ポートの下部口端に第1の
伸側リーフバルブ31を設け、圧ポートの上部口端には
第1の圧側リーフバルブ53が設けられ、更にピストン
ロッドにはその上方において上部油室に開口する中空ハ
ウジング26とディスク50を設け、このディスクには
上部油室に開口する第2の伸ポート33aと第2の圧ポ
ート33bを形成し、これらポートの各出口端に第2の
伸側リーフバルブ52と第2の圧側リーフバルブ29を
設け、第2の伸側と圧側リーフバルブは前記第1の伸側
と圧側リーフバルブのクラッキング圧よりそれぞれ小さ
く設定され、ピストンロッドには前記第2の伸ポートと
第2の圧ポートを下部油室を連通するバイパスを設け、
バイパス内にはバイパスの開口面積を調整するバルブを
設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の車体と車軸間に
介装されて路面からの衝撃エネルギーを吸収,緩和させ
る二輪車,四輪車等における油圧緩衝器の減衰力調整装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種、従来の油圧緩衝器として図10
に示す構造のものが知られている。これは、シリンダ1
内にピストン2を介してピストンロッド3が移動自在に
挿入され、ピストン2はシリンダ1内に上下二つの油室
A,Bを区画し、シリンダ1の外周にはリザーバ室Cが
区画されている。
【0003】ピストン2には二つの油室A,Bを連通す
る伸ポート4と圧ポート5が穿たれ、伸ポート4の吐出
側口端にはスプリングで付勢されている伸バルブ6が開
閉自在に設けられると共に、圧ポート5の口端には圧バ
ルブ7が設けられている。
【0004】ピストンロッド3には油室A,Bを連通す
る連通孔13と通路14が形成され、ピストンロッド3
内に回転自在に挿入されたロータリバルブには可変オリ
フィス10が形成され、ロータリバルブは外部からコン
トロールロッド15を介して回転操作される。
【0005】ピストンロッド3の下端にはピストン等を
締め付け保持するピストンナット16が設けられ、この
ピストンナット16には、通路14に対向する伸オリフ
ィスとチェックバルブが組み込まれている。
【0006】シリンダ1の下部にはベースバルブが設け
られている。
【0007】上記油圧緩衝器では可変オリフィス10が
閉じており、その時の伸長時にはピストン2が左行し、
油室Aの油が伸ポート4より伸バルブ6を撓ませて油室
Bに流れ、その時の抵抗により油室A,B間に差圧が発
生し、伸バルブ6による伸側高減衰力が発生する。
【0008】この際ピストンロッド3の排出体積分の油
量がリザーバ室Cよりベースバルブを介して油室Bに供
給される。
【0009】他方、圧縮時にはピストン2が右行し、油
室Bの油が圧ポート5より圧バルブ7を撓ませて油室A
に流れ、その時油室A,B間に差圧が発生するから圧縮
時の高減衰力が発生する。
【0010】この際ピストンロッド3の侵入量体積分の
油はベースバルブより油室Bの油をリザーバ室Cに戻す
が、ベースバルブの抵抗で油室Bの圧力は上昇すると共
にベースバルブによる減衰力を発生する。
【0011】更にコントロールロッドを回転し、可変オ
リフィス10を連通孔13に開口すると、伸長時には前
記の伸バルブ4を流れる流路に加え、可変オリフィス1
0から通路14を通り、ピストンナット16内の伸オリ
フィスより油室Bに油が流れる。
【0012】従って、前記の場合に比べて抵抗が小さく
なり、油室A,B間の差圧も小さくなり、低減衰力が発
生することになる。
【0013】この場合、通常ピストンナット16内の伸
オリフィスの方が可変オリフィスより小さく設定されて
おり、伸行程の低減衰力はこの伸オリフィオスにより制
御される。
【0014】次に、圧縮行程時には前記の圧バルブ7を
通る流路に加え、通路14と可変オリフィス13を通る
流れが発生し、その結果、前記の高減衰力に比べて抵抗
が小さくなり、油室A,B間の差圧も小さくなり、低減
衰力が発生する。
【0015】この時の減衰力は可変オリフィス13によ
り主に制御される。
【0016】上記の油圧緩衝器における減衰力特性は図
1に示され、可変オリフィス13を閉じた時の伸側及び
圧側高減衰力特性はグラフa1,a2で示され、可変オ
リフィス13を開いた時の伸側及び圧側低減衰力特性は
グラフb1,b2で示される。
【0017】即ち、ピストンの低速域では伸バルブ6、
圧バルブ7をバイパスするオリフィスの面積が変更され
て2乗特性の発生減衰力は比較的大巾に変えられるが、
伸バルブ6、圧バルブ7のクラッキング設定圧は圧力、
流量にかかわらず一定で変らない為、伸バルブ6、圧バ
ルブ7が開くまではピストン速度(又は油の流量)に対
して減衰力(又は油室A,B間の差圧)は2乗特性とな
ってもバルブ6又は7が開いた後のバルブ特性について
はグラフb1,b2となり、ピストン速度が中速、或は
高速域では高減衰力特性a1,a2に比べてそれ程大き
な差は無い。
【0018】従って、自動車の乗り心地面においても、
荒れた路面や悪路等の速いピストン速度が発生する状況
では所望通りの低減衰力が得られないという問題があ
る。
【0019】この為ピストン速度の低速域から高速域ま
で大きな減衰力の変化が得られ、しかも高減衰力と低減
衰力に大きな差が得られるようにし、更に又、低減衰力
の特性を2乗特性でなく、比較的リニアな特性にでき、
併せて伸側時とハード、ソフトの特性を単独に設定でき
る油圧緩衝器の減衰力調整装置として、例えば特開平3
−51545号公報に開示されたものが開発されてい
る。
【0020】この油圧緩衝器はピストンに設けた伸・圧
二つのポートの口端にそれぞれ伸側リーフバルブと圧側
リーフバルブを開閉自在に設け、更にピストン上方にデ
ィスクを設け、このディスクに設けた上下に分岐する第
3のポートの上下各口端にそれぞれクラッキング圧の異
なる第1のリーフバルブと第2のリーフバルブを開閉自
在に設け、第2、第3のリーフバルブは内周又は外周が
選択的に撓み得るように成形すると共に前記伸側リーフ
バルブと圧側リーフバルブのクラッキング圧より小さく
設定され、ディスクとピストンロッドに第3のポートを
下部油室を連通するバイパスを設け、バイパス内には当
該バイパスの開口面積を調整するバルブを設けたことを
特徴とするものである。
【0021】この油圧緩衝器では、バイパスが閉じてい
る時は、伸側リーフバルブと圧側リーフバルブによる伸
・圧の高減衰力が発生し、バイパスが開口している時
は、バイパスを流れる流路と第1の各伸・圧リーフバル
ブを流れる流路とが形成され、極低速から中速域では第
1、第2のリーフバルブが順次開き、高速域になると伸
側・圧側の各リーフバルブが開き、更にバイパス内のバ
ルブ制御によりバイパスの開口面積に応じた中間、又は
低減衰力が得られる。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】上記公開公報に開示さ
れた油圧緩衝器は第1の各伸・圧リーフバルブが伸圧共
用であるため伸側と圧側の減衰力をそれぞれ単独で設定
できず、減衰力のばらつきが大きい不具合がある。
【0023】又、各第1の伸・圧リーフバルブがフロー
ティングしているために組付性が悪い不具合がある。
【0024】更に、各第1の伸・圧リーフバルブとディ
スクとが単独でピストンロッドに組付けられるために組
付の作業性が悪く、正確に組み付けるのが困難である。
【0025】そこで、本発明の目的は伸・圧の減衰力を
独立して設定でき、組付性が良く、正確にスピーディに
組付ができる油圧緩衝器の減衰力調整装置を提供するこ
とである。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の構成はシリンダ内にピストンを介してピス
トンロッドが移動自在に挿入され、ピストンはシリンダ
内に上下二つの油室を区画し、ピストンには二つの油室
を連通する第1の伸ポートと第1の圧ポートを形成し、
伸ポートの下部口端に第1の伸側リーフバルブを開閉自
在に設け、圧ポートの上部口端には第1の圧側リーフバ
ルブが開閉自在に設けられ、更にピストンロッドにはピ
ストン上方において上部油室に開口する中空ハウジング
と当該ハウジング内に組み込まれたディスクを設け、こ
のディスクには上部油室に開口する第2の伸ポートと第
2の圧ポートを形成し、第2の伸ポートと第2の圧ポー
トの各出口端にそれぞれ第2の伸側リーフバルブと第2
の圧側リーフバルブを開閉自在に設け、当該第2の伸側
リーフバルブと第2の圧側リーフバルブは前記第1の伸
側リーフバルブと第1の圧側リーフバルブのクラッキン
グ圧よりそれぞれ小さく設定され、ピストンロッドには
前記第2の伸ポートと第2の圧ホートを下部油室を連通
するバイパスを設け、バイパス内には当該バイパスの開
口面積を調整するバルブを設けたことを特徴とするもの
である。
【0027】
【作 用】バイパスが閉じている時は、第1の伸側リー
フバルブと第1の圧側リーフバルブによる伸・圧の高減
衰力が発生し、バイパスが開口している時は、バイパス
を流れる流路と第2の各伸側・圧側リーフバルブを流れ
る流路とが形成され、極低速から中速域では第2の伸側
・圧側リーフバルブが開き、高速域になると第1の伸側
・圧側の各リーフバルブが開き、更にバイパス内のバル
ブ制御によりバイパスの開口面積に応じた中間、又は低
減衰力が得られる。
【0028】
【実施例】以下本発明の一実施例を図1乃至図4にもと
づいて説明する。
【0029】インナーシリンダ17内にピストン18を
介してピストンロッド19が移動自在に挿入され、ピス
トンロッド19はベアリングとパッキンを貫通して外部
に突出している。
【0030】ピストンロッド19は上端が車両の車体に
連結され、インナーシリンダ17とその外側のアウター
シリンダ20はロアキャップとブラケットを介して車軸
側に連結される。ピストンロッド19には下方に延びる
カバーが連結されている。
【0031】インナーシリンダ17内にはピストン18
によって上下二つの油室21,22が区画され、インナ
ーシリンダ17の外側にはこれと同芯状に配置したアウ
ターシリンダ20が設けられ、インナーシリンダ17と
アウターシリンダ20との間にはリザーバ23が区画さ
れ、上部油室21はベアリングに設けた通路とチェック
シールを介してリザーバ23と連通し、同じく下部油室
22はベースバルブを介してリザーバ23と連通してい
る。
【0032】ピストンロッド19の下部にはバルブスト
ッパ27と間座28と、上部第2の圧側リーフバルブ2
9とディスク50と、第2の伸側リーフバルブ52と間
座51と、カラー24と、上部油室21に開口する中空
なハウジング26と、間座58と、第1の圧側リーフバ
ルブ53と、ピストン18と、第1の伸側リーフバルブ
31と、伸側メインバルブ54と、スプリング55と、
ピストンナット35とが直列に順次差し込まれ、これら
の部材はピストンロッド19の段部とピストンナット3
5とで挟持されている。
【0033】この際ハウジング26内にはあらかじめ、
第2の伸側・圧側リーフバルブ29,52と、ディスク
50と間座28,51とが組み込まれており、これらを
ユニット化して一度にピストンロド19に組付けるよう
にしている。
【0034】ピストン18には上下二つ油室21,22
を連通する第1の伸側ポート36aと第1の圧側ポート
36bが軸方向に穿たれている。
【0035】圧側ポート36bの上部口端には第1の圧
側リーフバルブ53が開閉自在に配置され、この第1の
圧側リーフバルブ53は圧縮時に外周が上方に撓む。
【0036】第1の伸側ポート36aの下部口端には第
1の伸側リーフバルブ31が開閉自在に配置され、この
第1の伸側リーフバルブ31は伸長時に外周が下方に撓
む。
【0037】第1の伸側リーフバルブ31の下部はメイ
ンバルブ54を介してスプリング55によって常時閉じ
方向に付勢されている。
【0038】ピストン18より上方にはハウジング26
内のディスク50が設けられ、このディスク50にはデ
ィスク50の上下端に出口を有して上部油室21に開口
する第2の伸ポート33aと第2の圧ポート33bが貫
通して設けられ、当該各ポート33a,33bの出口端
には第2の伸側リーフバルブ52と第2の圧側リーフバ
ルブ29がそれぞれ開閉自在に設けられている。
【0039】第2の伸側リーフバルブ52と第2の圧側
リーフバルブ29のクラッキング圧は第1の伸側リーフ
バルブ31と第1の圧側リーフバルブ53のクラッキン
グ圧より小さく設定されている。
【0040】各第2の伸・圧33a,33bは後述する
ように下部油室22にピストンロッド19内のバイパス
を介して開閉される。
【0041】ピストンロッド19には下部油室22に開
口する通路44と、孔46とが形成され、通路44内に
は中空な筒状ストッパ47と同じく筒状のロータリバル
ブ39が挿入され、ロータリバルブ39には通路44と
連通する通路41と可変ポート41aが形成され、この
通路41はポート41aを介してピストンロッド19に
半径方向に穿った通孔40とカラー24に穿った通孔5
6とに選択的に開閉されるようになっている。
【0042】通孔40,56は、前記ディスク50内の
第2の伸側・圧側ポート33a,33bに常時開口して
いる。
【0043】ロータリバルブ39は孔46内に回転自在
に挿入されたコントロールロッド27と接続され、この
コントロールロッド27をピストンロッド21の上端外
部から回転操作するとロータリバルブ39が同一方向に
回転し、ロータリバルブ39の可変ポートたるポート4
1aの開口面積が調整されながら全開から全閉まで操作
される。
【0044】ポート41aは同一又は複数の内径の異な
るポートから構成され、ロータリバルブ39を回転して
任意のポートを通路に選択して開口させてもよい。
【0045】前記ポート33a,33bと、ハウジング
26の内部と、ポート56と、通孔40と、通路41,
44はバイパス36cを構成し、このバイパス36cが
ロータリバルブ39により開閉されると共に開いている
時はその開口面積が調整されるものである。
【0046】尚、前記したピストン部におけるバルブ機
構と通路との基本的な構成は伸長時は図2の回路図で示
され、圧縮時は図3の回路図で示される。
【0047】次に作動について述べる。
【0048】ロータリバルブ39のポート41aが通路
40に対してそれぞれ全開しているとする。
【0049】この状態で伸長作動すると、第1の伸側リ
ーフバルブ31のクラッキング圧は第2の伸側リーフバ
ルブ52より高くされ、且つ、スプリング55により高
くなっいるから、極低速域では第2の伸側リーフバルブ
52を押し開き、バイパス36cより下部油室22に流
れる。
【0050】ピストン速度が高速になって、第2の伸側
リーフバルブ52で発生する差圧が大きくなり、第1の
伸側リーフバルブ31のクラッキング圧より高くなると
第1の伸側リーフバルブ31が開く。
【0051】従って、低中速域では減衰力は第2の伸側
リーフバルブ52のみで決定され、高速域では第1の伸
側リーフバルブ31と第2のリーフバルブ52が並列に
組合された図4の低減衰力特性Fr2となる。
【0052】この際ピストンロッド19の排出体積分に
相当する油はリザーバ23よりベースバルブに設けたチ
ェック弁を開いて抵抗なく下部油室22へ補充される。
【0053】更に圧側作動時には、ベースバルブの抵抗
で圧が立ち、下部油室22の油が、前記とは逆に流れ
る。
【0054】即ち、第1の圧側リーフバルブ52のクラ
ッキング圧は高くとってあり、低中速域では下部油室2
2の油がバイパス36cより流れ、第2の圧側リーフバ
ルブ29が開き上部油室21に流れる。
【0055】ピストン速度が高速になると第2の圧側リ
ーフバルブ29で発生する差圧が大きくなり第1の圧側
リーフバルブ53のクラッキング圧より大きくなるとこ
れを開いてポート36bより上部油室21にも流れる。
【0056】従って低・中速域ではベースバルブと第2
の圧側リーフバルブ29より減衰力が発生し、高速域で
は更に第1の圧側リーフバルブ53が並列に組合された
図4の減衰力特性Fc2とされる。
【0057】一方、ピストンロッド侵入量体積分の油は
ベースバルブを介してリザーバ23に流出する。
【0058】次に、ロータリバルブ39を回転して、ポ
ート41aを全閉すると高減衰力が得られる。即ち、ポ
ート41aが通路40と遮断されるとバイパス36aに
は油は流れない。この為、伸長時には上部油室21の油
がポート36aより第1の伸側リーフバルブ31の外周
を撓ませ、下部油室22に流出する。
【0059】一方、ピストンロッド21の排出体積分の
油はリザーバ23よりベースバルブのチェック弁を介し
て、下部油室22に補充される。
【0060】この場合、伸側リーフバルブ31のみによ
る高減衰力が発生し、伸側の減衰力特性は図4のグラフ
Fr1となる。
【0061】更に圧縮作動時には、先ず、ピストンロッ
ド侵入量体積分の油が下部油室22よりベースバルブを
介してリザーバ23に流出し、ベースバルブの抵抗で下
部油室22の圧力が上昇する。
【0062】一方、下部油室22の一部の油は、ポート
36bより第1の圧側リーフバルブ53のみに作用し、
この第1の圧側リーフバルブ53の外周を上方に撓ま
せ、上部油室21に流出する。
【0063】この際、第1の圧側リーフバルブ53とベ
ースバルブによる高減衰力が発生し、圧側減衰力特性は
図5のグラフFc1で示されるものとなる。
【0064】次にロータリバルブ39のポート41aを
半開にしたり、又は複数のポートのうち小さなポートを
選択したような場合にはポート41aの開口量に応じた
中間の減衰力が発生する。この場合油の流れは上記ポー
ト41aを全開した低減衰力時と全く同じである。
【0065】但し、ポート41aが絞られているため、
可変ポート41aの絞りによる2乗抵抗が加えられた特
性となり、低減衰力時に比べて低いピストン速度で伸側
リーフバルブ31のクラッキング圧に達する。
【0066】その結果、伸側中間減衰力特性はグラフF
r3で示される。
【0067】尚、ピストンロッドの排出体積分の油はリ
ザーバ23より下部油室22に供給される。他方、圧縮
作動時には、前記ポート41aを全開した場合と同じ流
れとなる。
【0068】この場合バイパス36aは絞られているか
ら、可変ポート41aの絞りによる2乗抵抗が加えら
れ、この結果、圧側の中間減衰力特性は図4の特性Fc
3で示されるように中間の減衰力特性となる。
【0069】ピストンロッド侵入量体積分の油はベース
バルブよりリザーバ23に流出される。
【0070】以上のように、実用範囲を中速域までにと
れば、伸側高減衰力時は第1の伸側リーフバルブ31の
特性により、圧側高減衰力は第1の圧側リーフバルブ5
2の特性により、伸側低減衰力は第2の伸側リーフバル
ブ52の特性により単独に決定される。
【0071】圧側低減衰力の減衰力も第2の圧側リーフ
バルブ29で決まり、第2の圧側リーフバルブ29の特
性を適当に選ぶことにより、組合された特性を任意に設
定できる。
【0072】又、減衰力の変化幅も高減衰力,低減衰力
で単独のバルブで設定できるため大きくとれ、しかも、
低減衰力がほぼリニアな特性を得ることができる。
【0073】上記の実施例において、第1、第2の伸側
リーフバルブ31,52と第1,第2の圧側リーフバル
ブ53,29の剛性の設定によっては、図5の特性が得
られる。
【0074】即ち、微低速域はソウト乃至ハードまで殆
ど減衰力差がなく、中乃至高速域になるに従って減衰力
差が大きくなるような特性を設定できる。
【0075】この結果、荒れた路面や悪路等での姿勢変
化(ピストン速度低速域)は小さく抑え、かつ速いピス
トン速度域での乗り心地を向上することができ、ラリー
車等の悪路走破性を向上することが可能である。
【0076】次に図6乃至図9は本発明の他の実施例を
示す。
【0077】これは図1の実施例の構造に第2のバイパ
ス36dとしてピストンロッド19に上部油室21に開
口する通孔59を穿ち、ロータリバルブ39にこの通孔
59に開閉される可変オリフィスたる同一又は内径の異
なる複数のポート41bを形成したものである。
【0078】その他の構造は図1の実施例と同じであ
り、同一の構造は同一の符号を付すことで説明は省略す
る。この実施例の回路図は図7、図8に示されている。
【0079】可変オリフィスたるポート41a,41b
が閉じているときは図1の実施例と同じく高減衰力が発
生し、伸側・圧側高減衰力特性は図9の特性Fr1,F
c1で示される。
【0080】可変オリフィスたるポート41a,41b
が全開しているときは、図1の実施例と同じく、ポート
41aを流れるバイパス流れに加えて、ポート41bを
流れる第2のバイパス流れが生じ、ポート41aとポー
ト41bとによる剛性の伸側・圧側の低減衰力が発生す
る。
【0081】この時の特性は図9の特性Fr2,Fc2
で示さされる。
【0082】更にポート41a,41bを半開にしたと
きは油の流れは全開にしたときと同じであるが、開口面
積が小さくなっているために第1の伸側・圧側リーフバ
ルブ31,53のクラッキング圧に達するピストン速度
が低速域に移動した形となり、伸側・圧側の減衰力特性
は図9の特性Fr3,Fc3で示される。
【0083】以上のように、実用範囲を中速域まに取れ
ば、伸側高減衰力時は第1の伸側リーフバルブ31の特
性により、圧側高減衰力時は第1の圧側リーフバルブ5
3の特性により決定される。
【0084】伸側低減衰力は第2の伸側リーフバルブ5
2と可変オリフィスたるポート41a,41bにより単
独で決定され、圧側低減衰力もポート41a,42bと
第2の圧側リーフバルブ29により決まる。
【0085】また、減衰力の変化幅も高減衰力、低減衰
力で単独の各第2の伸・圧リーフバルブ52,29で設
定できるため大きくとれ、しかも、低減衰力がほぼリニ
アな特性を売ることができる。
【0086】また可変オリフィスたるポート41bを付
加したことから、図1の実施例に対してソフト側の低減
衰域が2乗特性となり、特に乗心地の向上を図れる。
【0087】
【発明の効果】本発明によれば、次の効果が得られる。
【0088】イ)図4、図5、図9の減衰力特性から明
らかなように、高減衰力特性Fr1及びFc1と、低減
衰力特性Fr2及びFc2との間には低速域から高速域
まで大きな減衰力の差が得られ、この結果、荒れた路面
や悪路等の速いピストン速度が発生する状況での自動車
等の乗心地が向上する。
【0089】ロ) 同じく、低減衰力の特性Fr2及び
Fc3が2乗特性でなく、比較的リニアな特性として得
られる。
【0090】ハ) 伸側・圧側時のハード、ソフトの減
衰力特性が単独で設定できる。
【0091】ニ) 第2の伸側リーフバルブと第2の圧
側リーフバルブが独立して設けられているから、伸圧の
減衰力を単独で設定できる。
【0092】ホ)第2の伸・圧リーフバルブとディスク
はハウジング内に設けられているから、これらはハウジ
ングと共にユニット化され、一度に組付けられるから位
置決め、組付け作業が向上し、組付性の向上を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る油圧緩衝器である。
【図2】伸側時の回路図である。
【図3】圧側時の回路図である。
【図4】減衰力特性を示すグラフである。
【図5】剛性を変えた時の減衰力特性を示すグラフであ
る。
【図6】他の実施例に係る油圧緩衝器の一部縦断正面図
である。
【図7】伸側時の回路図である。
【図8】圧側時の回路図である。
【図9】減衰力特性を示すグラフである。
【図10】従来の油圧緩衝器の縦断正面図である。
【図11】従来の減衰力特性を示すグラフである。
【符号の説明】
17 シリンダ 18 ピストン 19 ピストンロッド 21,22 油室 26 ハウジング 29 第2の圧側リーフバルブ 31 第1の伸側リーフバルブ 33a 第2の伸ポート 33b 第2の圧ポート 36a 第1の伸ポート 36b 第1の圧ポート 36c バイパス 39 ロータリバルブ 41a 可変オリフィスたるポート 41b 可変オリフィスたるポート 50 ディスク 52 第2の伸側リーフバルブ 53 第1の圧側リーフバルブ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ内にピストンを介してピストン
    ロッドが移動自在に挿入され、ピストンはシリンダ内に
    上下二つの油室を区画し、ピストンには二つの油室を連
    通する第1の伸ポートと第1の圧ポートを形成し、伸ポ
    ートの下部口端に第1の伸側リーフバルブを開閉自在に
    設け、圧ポートの上部口端には第1の圧側リーフバルブ
    が開閉自在に設けられ、更にピストンロッドにはピスト
    ン上方において上部油室に開口する中空ハウジングと当
    該ハウジング内に組み込まれたディスクを設け、このデ
    ィスクには上部油室に開口する第2の伸ポートと第2の
    圧ポートを形成し、第2の伸ポートと第2の圧ポートの
    各出口端にそれぞれ第2の伸側リーフバルブと第2の圧
    側リーフバルブを開閉自在に設け、当該第2の伸側リー
    フバルブと第2の圧側リーフバルブは前記第1の伸側リ
    ーフバルブと第1の圧側リーフバルブのクラッキング圧
    よりそれぞれ小さく設定され、ピストンロッドには前記
    第2の伸ポートと第2の圧ポートを下部油室を連通する
    バイパスを設け、バイパス内には当該バイパスの開口面
    積を調整するバルブを設けたことを特徴とする油圧緩衝
    器の減衰力調整装置。
JP26953392A 1992-09-11 1992-09-11 油圧緩衝器の減衰力調整装置 Pending JPH0694064A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26953392A JPH0694064A (ja) 1992-09-11 1992-09-11 油圧緩衝器の減衰力調整装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26953392A JPH0694064A (ja) 1992-09-11 1992-09-11 油圧緩衝器の減衰力調整装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0694064A true JPH0694064A (ja) 1994-04-05

Family

ID=17473714

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26953392A Pending JPH0694064A (ja) 1992-09-11 1992-09-11 油圧緩衝器の減衰力調整装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0694064A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007270921A (ja) * 2006-03-30 2007-10-18 Showa Corp 減衰力調整ダンパ
JP2009257456A (ja) * 2008-04-16 2009-11-05 Kayaba Ind Co Ltd 緩衝器

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007270921A (ja) * 2006-03-30 2007-10-18 Showa Corp 減衰力調整ダンパ
JP2009257456A (ja) * 2008-04-16 2009-11-05 Kayaba Ind Co Ltd 緩衝器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6966412B2 (en) Position-sensitive shock absorber
US6302248B1 (en) Damping force control type hydraulic shock absorber
JPH07233840A (ja) 減衰力可変型ショックアブソーバ
US4800994A (en) Hydraulic damper of adjustable damping force type
JPH023056B2 (ja)
JPH07332425A (ja) 減衰力調整式油圧緩衝器
JP2918293B2 (ja) 減衰力可変型緩衝器
JPH0694064A (ja) 油圧緩衝器の減衰力調整装置
JP5284673B2 (ja) 緩衝器
JP4955610B2 (ja) ロータリバルブ
JPH0424197Y2 (ja)
JPH0518509Y2 (ja)
JPH0519626Y2 (ja)
JP6632923B2 (ja) 緩衝器
JP3348234B2 (ja) 減衰力調整式油圧緩衝器
JPH02217637A (ja) 減衰力可変型液圧緩衝器
JPH0326338Y2 (ja)
JP2002161940A (ja) フロントフォーク
JPH0424196Y2 (ja)
JPH0516423Y2 (ja)
JPH0433475Y2 (ja)
JPH1026168A (ja) 油圧緩衝器の減衰力調整装置
JP2588393B2 (ja) 油圧緩衝器の減衰力調整装置
JP5057394B2 (ja) ロータリバルブ
JP2537802Y2 (ja) 減衰力可変型液圧緩衛器