JP5598239B2 - 光照射装置 - Google Patents
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Description
そして、3D映像表示装置においては、観察者の左目および右目のそれぞれに認識させる左目用映像と右目用映像とを区別するために、パターン化位相差フィルムが用いられている。
このようなパターン化位相差フィルムの製造において、紫外光などの活性エネルギー線を光重合性液晶材料層92に対して広範囲にわたって照射することによって量産性を高めるために、通常、ロングアーク型の放電ランプを具えた光照射装置が用いられ、マスク95は、遮光部96および透光部97が伸びる方向(図18において紙面に垂直な方向)が、ロングアーク型の放電ランプの長手方向に直交するよう配置される。
すなわち、ロングアーク型の放電ランプは線光源であるために、光学系によって、放電ランプから放射される光を当該放電ランプの長手方向において互いに平行な平行光とすることができない。このため、図19に示すように、マスク95の透光部97を透過する光の一部が、マスク95にその面方向に対して斜交して入射されることにより、被照射物である光重合性液晶材料層92における遮光部96の縁部の直下に位置する領域に照射される結果、マスク95のパターンに忠実で解像度の高いパターンを有する液晶ポリマー層93を形成することが困難である。
各々前記一方向に垂直な方向に伸びる線状の多数の遮光部および多数の透光部が前記一方向に交互に並んで配置されてなるマスクとを備えてなり、
各々光吸収性を有する複数の遮光板が、各々前記リフレクタの光軸に沿って前記一方向に対して垂直に伸びる姿勢で、前記一方向に並んで配設されていることを特徴とする。
断面が放物線状の光反射面を有するシリンドリカルミラーよりなる集光部材をさらに備えた構成とされていることが好ましい。
前記被照射物がフィルム状のものであり、前記搬送手段は、前記被照射物に接して搬送するローラーを有し、
前記集光部材は、前記光出射部からの光を前記一方向に伸びる線状に集光して、前記ローラーに接する箇所において前記被照射物に照射する構成とすることができる。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る光照射装置の構成の概略を示す斜視図であり、図2は、図1に示す光照射装置をA−Aで切断して示す側面断面図、図3は、図1に示す光照射装置をB−Bで切断して示す平面断面図、図4は、第1の実施の形態に係る光照射装置における光出射部の構成の概略を示す正面図である。
この第1の実施の形態に係る光照射装置は、例えばパターン化位相差フィルムを製造するために用いられるものであって、複数例えば3つ以上の光源素子12よりなる光源素子列11を有する光出射部10と、この光出射部10からの光を、後述する光源素子12が並ぶ一方向に伸びる線状に集光する集光部材20と、この集光部材20からの光をストライプ状に整形するマスク30と、例えば位相差フィルム製造用の光重合性液晶材料若しくは配向膜材料よりなる被照射物Wを搬送する搬送手段40とを備えている。
この集光部材20は、目的とする波長の紫外光のみを反射させ、不要な可視光および赤外光を透過させるコールドミラーコーティングが施されてなるものであってもよい。
図5は、マスク30の具体的な構成の一例を示す説明図であり、(A)は平面図、(B)は側面図である。このマスク30においては、例えば石英ガラスよりなる透光性基板31の一面に、例えばクロムよりなる多数の線状の遮光膜32が所要の間隔で離間して並ぶよう配置されており、遮光膜32が形成された領域によって線状の遮光部35が形成され、隣接する遮光膜32間の領域によって透光部36が形成されている。このマスク30には、図5(A)において破線Lbで示すように、遮光部35および透光部36が並ぶx方向に伸びる帯状の光が入射される。
また、被照射物Wは、後述するローラー41に接した状態で搬送されることにより、マスク30と被照射物Wとの間のギャップは、当該被照射物Wがy方向に搬送されるにつれて変動するため、マスク30における集光部材20からの光が入射される有効照射幅は、マスク30と被照射物Wとの間のギャップの許容変動値や、ローラー41の半径を考慮して可能な範囲で小さく設定することが好ましい。これは、以下の理由による。すなわち、被照射物Wが搬送されてマスク30の直下領域を通過する際には、被照射物Wとマスク30との間のギャップは、先ず、被照射物Wがy方向に移動するにつれて小さくなり、マスク30の中央位置の直下に到達した後には、被照射物Wがy方向に移動するにつれて大きくなるが、最小有効照射幅が大きい程、ギャップの変動幅も大きくなるため、後述するマスク30のパターンに忠実で高解像度のパターンを形成することができないからである。 具体的には、図6に示すように、マスク30と被照射物Wとの間のギャップの許容変動値をa、ローラー41の半径をrとしたとき、有効照射幅dは、d=√{r2 −(r−a)2 }×2により求めることができる。この式において、理論上は、被照射物Wを厚みを勘案することが必要であるが、被照射物Wの厚みは、ローラー41の半径に比較して極めて小さいため、無視することができる。具体的な例を挙げると、マスク30と被照射物Wとの間のギャップの許容変動値が50μm、ローラー41の半径rが300mmである場合には、有効照射幅dは約11mm以下であることが好ましい。従って、上記した光出射部10におけるショートアーク型の各放電ランプ13からの放射光を、各リフレクタ15および集光部材20によりx方向に伸びる線状に集光することが、かかる有効照射幅dの範囲内に光を集光させるために有効であり、ひいては、マスク30のパターンに忠実で高解像度のパターンを形成することに繋がる。
被照射物がフィルム状のものである場合には、搬送手段40が被照射物Wに接して当該被照射物Wを搬送するローラー41を有するので、ローラー41の偏芯を少なくすることにより、マスク30と、ローラー41に接したフィルム状の被照射物Wとの間のギャップを一定に保つことができる。
なお、ローラー41に水冷機構を設けることにより、被照射物Wに高照度の紫外光が照射された場合でも、被照射物Wに接したローラー41により被照射物Wを冷却することができるので、被照射物Wのシュリンクなどの変形を防止することができる。
遮光板70の各々は、一端部(図4において上端部)が、光源素子列11の上方において遮光板70と垂直な方向に伸びるよう設けられた板状の一端側支持部材75によって支持されて固定されていると共に、他端部(図4において下端部)が、光源素子列11の下方において遮光板70と垂直な方向に伸びる板状の他端側支持部材77によって支持されて固定されている。
先ず、図7(A)に示すように、フィルム基材51上に、液状の配向膜用材料を塗布して乾燥または硬化することによって配向膜用材料層52Aを形成し、当該配向膜形成用材料層52Aに対してラビング処理を施すことにより、図7(B)に示すように、フィルム基材51上に配向膜52を形成する。次いで、図7(C)に示すように、配向膜52上に光重合性液晶材料層53Aを形成する。その後、光重合性液晶材料層53Aに対し、上記の光照射装置によって選択的露光処理を行って、光重合性液晶材料層53Aの一部を硬化させることにより、図7(D)に示すように、ストライプ状にパターン化された液晶ポリマー層53が形成される。そして、配向膜52上に残留する光重合性液晶材料層53Aを除去することにより、図7(E)に示すように、フィルム基材51上に配向膜52を介してストライプ状に液晶ポリマー層53が形成されてなるパターン化位相差フィルムが得られる。
すなわち、このようなリフレクタ15Aを備えた光源素子12においては、放電ランプ13からリフレクタ15Aの光出射面17の開口縁の4辺部に向かって放射される光は、切り欠きを介して直接的に、あるいは、図10に示すように、当該4辺部において切り欠き151を塞ぐようリフレクタ15Aの光軸Cと平行に設けられた、各光源素子12間を仕切る光照射装置の隔壁19により反射されて、出射される。当該4辺部より出射される光は、例えばリフレクタの光軸Cに対して斜交する理想的な光路から外れた迷光M1〜M3となるところ、本発明の光照射装置によれば、当該迷光M1〜M3を、遮光板70によって吸収して遮光し、集光部材20及びマスク30に入射することを防止することができ、ひいては、被照射物Wに照射されることを確実に防止することができるので、上記効果を確実に得ることができる。
図11は、本発明の第2の実施の形態に係る光照射装置における光出射部の構成の概略を示す正面図である。この第2の実施の形態に係る光照射装置は、光出射部を除き、第1の実施の形態に係る光照射装置と同様の構成である。
この光照射装置における光出射部10は、2つの光源素子列11A,11Bが互いに同方向に伸びて並ぶよう配置されて構成されている。具体的に説明すると、光源素子列11A,11Bの各々は、複数の光源素子12が一方向(x方向)に並ぶよう配置されて構成され、光源素子12の各々は、ショートアーク型の放電ランプ13と、この放電ランプ13を取り囲むよう配置された、当該放電ランプ13からの光を反射するリフレクタ15Aとを有する。放電ランプ13は、第1の実施の形態に係る光照射装置におけるものと同様の構成である。リフレクタ15Aは、図9に示すような、光出射方向前方側から見たときの光出射面17の開口縁の外周輪郭が略方形状とされるよう加工された構成のものである。
そして、2つの光源素子列11A,11Bは、一方の光源素子列11Aに係る光源素子12における放電ランプ13の電極間中心点と、当該光源素子12に最も接近する、他方の光源素子列11Bに係る光源素子12における放電ランプ13の電極間中心点とを結ぶ直線Tが、x方向に伸びる直線Xと斜交するよう配置されている。
また、他方の光源素子列11Bに係る遮光板70Bの各々は、一端部(図11において上端部)が中央支持部材76によって支持されて固定されていると共に他端部(図11において下端部)が、他方の光源素子列11Bの下方において遮光板70Bと垂直な方向に伸びる板状の他端側支持部材77によって支持されて固定されている。
一端側支持部材75、中央支持部材76および他端側支持部材77は、光吸収性を有するものであっても、光吸収性を有さないものであってもよい。
また、各々の遮光板70A、70Bの厚みは例えば0.5〜2mm程度であり、光出射面17の開口幅に比して十分に小さいため、一方の光源素子列11A(他方の光源素子列11B)における光源素子12の前方位置に、他方の光源素子列11B(一方の光源素子列11A)における遮光板70B(70A)の一部が位置される構成とされることによって、被照射物W上に線状に集光される光の照度分布に与える影響は、実際上、無視できるほど小さいものである。
図13は、本発明の第3の実施の形態に係る光照射装置の構成の概略を示す側面断面図である。
この第3の実施の形態に係る光照射装置は、例えばパターン化位相差フィルムを製造するために用いられるものであって、複数例えば3つ以上の光源素子12よりなる光源素子列11を有する光出射部10と、この光出射部10からの光を、後述する光源素子12が並ぶ一方向(x方向)に伸びる線状に集光する集光部材20と、この集光部材20からの光をストライプ状に整形するマスク30と、被照射物Wを搬送する搬送手段40とを備えている。ここで、マスク30および搬送手段40は、第1の実施の形態に係る光照射装置におけるマスク30および搬送手段40と同様の構成である。
集光部材20におけるシリンドリカル凸レンズ22は、光出射部10における各リフレクタ15の光軸Cに垂直な光出射面17の前方において、その凸面が光出射面となる向きに、その焦点fが平面ミラー23によって投影される被照射物Wの表面上に位置されるよう配置されている。
集光部材20における平面ミラー23は、マスク30の上方において、当該平面ミラーの光反射面24が、リフレクタ15の光軸Cに対して例えば45°の角度で傾いた状態で配置されている。
図14は、本発明の第4の実施の形態に係る光照射装置の構成の概略を示す側面断面図である。
この第4の実施の形態に係る光照射装置は、例えばパターン化位相差フィルムを製造するために用いられるものであって、集光部材20とマスク30との間の光路上に偏光素子45が配置されていることを除き、第1の実施の形態に係る光照射装置と同様の構成である。
偏光素子45は、特に限定されるものではないが、例えば、ガラス若しくは石英ガラスよりなる矩形の透明基板の一面に、例えばアルミニウムや銀などの光反射率が高い金属材料よりなる多数の金属ワイヤーが当該透明基板の一辺に平行な方向に沿って一定の間隔で配置されてなるワイヤーグリッド偏光素子により構成されている。
このような偏光素子(ワイヤーグリッド偏光素子)45においては、金属ワイヤーの配置ピッチの約2倍以上の波長の光が照射されたときに、当該光を構成する振動成分のうち、金属ワイヤーが伸びる方向に振動する成分を反射若しくは吸収すると共に、金属ワイヤーが伸びる方向と垂直な方向に振動する成分を透過することによって、直線偏光光とされる。
先ず、図15(A)に示すように、フィルム基材51上に、液状の光配向膜用材料を塗布して乾燥または硬化することによって光配向膜用材料層55Aを形成する。
次いで、光配向膜用材料層55Aに対して、上記の光照射装置によって直線偏光光による選択的露光処理を行うことにより、図15(B)に示すように、フィルム基材51上にストライプ状にパターニングされた第1の光配向膜55を形成する。
更に、適宜の光照射装置によって、上記図15(B)で照射した偏光光と90°偏光方向が異なる直線偏光光により全面露光処理を行うことにより、図15(C)に示すように、隣接する第1の光配向膜55間に第2の光配向膜56を形成する。
次いで、図15(D)に示すように、第1の光配向膜55および第2の光配向膜56の表面上に、光重合性液晶材料層57Aを形成し、その後、光重合性液晶材料層57Aに対し、適宜の光照射装置によって全面露光処理を行って、当該光重合性液晶材料層57Aを硬化させることにより、図15(E)に示すように、第1の光配向膜55上に形成された第1の液晶ポリマー層部分57およびこの第1の液晶ポリマー層部分57とは液晶の配向状態が異なる第2の液晶ポリマー層部分58がストライプ状にパターン化されてなる液晶ポリマー層59が形成され、以て、パターン化位相差フィルムが得られる。
一端側支持部材75Aおよび他端側支持部材77Aには、図17に示すように、リフレクタ15の光軸C方向に沿って伸びる凹溝79A,79Bが形成されており、他端側支持部材77Aの凹溝79Bに遮光板構成部材701〜704の他端部が嵌合されると共に一端側支持部材75Aの凹溝79Aに遮光板構成部材701〜704の一端部が遮光板構成部材701〜704の一端面と凹溝79Aの内面との間に間隙Kが形成されるよう遊嵌状態で挿入され、これにより、各々の遮光板構成部材701〜704が支持されている。
また、偏光素子が配置される位置は、光出射部とマスクとの間の光路上であればよく、従って、集光部材とマスクとの間の光路上に限定されず、例えば光出射部と集光部材との間の光路上であってもよい。
また、第3の実施の形態において、光を被照射物に対側面から照射する場合には、平面ミラーでなくてもよい。
11,11A,11B 光源素子列
12 光源素子
13 放電ランプ
14 発光管
15,15A リフレクタ
151 切り欠き
16 光反射面
17 光出射面
18 固定部材
19 隔壁
C リフレクタの光軸
F リフレクタの焦点
20 集光部材
21 光反射面
22 シリンドリカル凸レンズ
23 平面ミラー
f 集光部材の焦点
30 マスク
31 透光性基板
32 遮光膜
35 遮光部
36 透光部
W 被照射物
G 最小ギャップ
40 搬送手段
41 ローラー
O ローラーの回転中心軸
45 偏光素子
51 フィルム基材
52A 配向膜用材料層
52 配向膜
53A 光重合性液晶材料層
53 液晶ポリマー層
55A 光配向膜用材料層
55 第1の光配向膜
56 第2の光配向膜
57A 光重合性液晶材料層
57 第1の液晶ポリマー層部分
58 第2の液晶ポリマー層部分
59 液晶ポリマー層
70,70A,70B,70C 遮光板
701、702、703、704 遮光板構成部材
75,75A 一端側支持部材
76 中央支持部材
77,77A 他端側支持部材
79A,79B 凹溝
M1〜M3 迷光
K 間隙
90 フィルム基材
91 配向膜
92 光重合性液晶材料層
93 液晶ポリマー層
95 マスク
96 遮光部
97 透光部
Claims (5)
- ショートアーク型の放電ランプ、および、当該放電ランプを取り囲むよう配置された、当該放電ランプからの光をその光軸と平行方向に反射するリフレクタよりなる光源素子の複数が、一方向に並んで配置されてなる光源素子列を有する光出射部と、
各々前記一方向に垂直な方向に伸びる線状の多数の遮光部および多数の透光部が前記一方向に交互に並んで配置されてなるマスクとを備えてなり、
各々光吸収性を有する複数の遮光板が、各々前記リフレクタの光軸に沿って前記一方向に対して垂直に伸びる姿勢で、前記一方向に並んで配設されていることを特徴とする光照射装置。 - 前記リフレクタは、その光軸を中心とする回転放物面状の光反射面を有するものであり、
断面が放物線状の光反射面を有するシリンドリカルミラーよりなる集光部材をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の光照射装置。 - 前記光出射部は、それぞれ同方向に伸びる少なくとも2つの光源素子列を有してなり、これらの光源素子列は、一の光源素子列に係る光源素子における放電ランプの電極間中心点と、当該光源素子に最も接近する、他の光源素子列に係る光源素子における放電ランプの電極間中心点とを結ぶ直線が、前記一方向に伸びる直線と斜交するように配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光照射装置。
- 前記遮光板が、前記リフレクタの光軸方向に並設された複数の遮光板構成部材からなることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の光照射装置。
- 被照射物を前記マスクにおける透光部が伸びる方向に搬送する搬送手段を有し、
前記被照射物がフィルム状のものであり、前記搬送手段は、前記被照射物に接して搬送するローラーを有し、
前記集光部材は、前記光出射部からの光を前記一方向に伸びる線状に集光して、前記ローラーに接する箇所において前記被照射物に照射することを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の光照射装置。
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