JP5597322B1 - 自律走行装置の走行情報生成装置、方法、及びプログラム、並びに自律走行装置 - Google Patents

自律走行装置の走行情報生成装置、方法、及びプログラム、並びに自律走行装置 Download PDF

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Abstract

移動者に自律走行装置の存在を確実に認識させ、自律走行装置をより安全に走行させることを課題とする。建物内の移動者の位置を所定時刻毎に位置取得部で取得して移動者の位置を時系列に記録した位置履歴DBより移動者の移動方向と速度を移動情報算出部で算出し、自律走行装置の走行情報を自律走行装置DBに記録し、移動者の位置と移動方向と速度と走行情報より自律走行装置と移動者とが所定距離以内に接近する接近時刻を接近時刻算出部で算出し、移動者の位置と移動方向と障害物DBに記録された障害物の位置より移動者の注視位置を注視位置取得部で取得し、移動者の位置と移動方向と注視位置より移動者の注視領域を注視領域算出部で算出し、障害物の位置と接近時刻と注視領域より接近時刻より所定時刻前に注視領域へ自律走行装置を走行させる走行情報を走行情報生成部で生成する。

Description

本発明は、人が往来する空間において、人の種別を識別した結果に基づき経路計画を行うことのできる自律走行装置の走行情報生成装置、自律走行装置、自律走行装置の走行情報生成方法、自律走行装置の走行情報生成プログラムに関する。
従来、自律走行装置の走行制御方法として、人が自律走行装置に対して正面を向いている度合いに基づいて、人が自律走行装置に気付いているか否かを判断し、その判断結果に基づいて、自律走行装置の動作を切り替える技術が知られている(特許文献1参照)。
特開2004−280451号公報
しかしながら、上記従来の技術では、人を識別する際に、歩行による移動者であるか、車椅子による移動者であるか等、人の種別までを判別していなかったため、移動者の種別によって異なる注視位置の特性を考慮した、自律走行装置の走行を行うことができなかった。
そこで、本発明の目的は、自律走行装置をより安全に走行させるため、移動者の種別に応じた注視特性に基づいて、自律走行装置の走行制御を行うことにより、移動者に自律走行装置の存在をより確実に認識させうる、自律走行装置の走行情報生成装置、自律走行装置、自律走行装置の走行情報生成方法、自律走行装置の走行情報生成プログラムを提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の1つの態様によれば、
建物内の移動者の位置を所定の時刻毎又は時間に対応付けて取得する位置取得部と、
前記位置取得部より取得した前記移動者の種別を識別する移動者識別部と、
前記移動者の位置及び種別を時系列に記録する位置履歴データベースと、
前記位置履歴データベース内の情報より前記移動者の移動方向及び移動速度を算出する移動情報算出部と、
前記建物内を予め定められた経路に従って走行する自律走行装置が第1の位置から第2の位置までを走行するための走行情報を記録する自律走行装置データベースと、
前記位置取得部より取得した前記移動者の位置と、前記移動情報算出部より算出した前記移動者の移動方向及び移動速度と、前記自律走行装置データベースに記録された前記走行情報とより、前記自律走行装置と前記移動者とが所定の距離以内に接近する接近時刻を算出する接近時刻算出部と、
前記建物内に存在する静止物体の位置を、前記静止物体を注視する傾向にある移動者の情報と共に記録した環境データベースと、
前記移動者の位置及び種別と、前記移動者の移動方向と、前記静止物体の位置とに基づいて、前記移動者の注視位置を取得する注視位置取得部と、
前記移動者の位置及び種別と、前記移動者の移動方向と、前記注視位置とに基づいて、前記移動者の注視領域を算出する注視領域算出部と、
前記静止物体の位置と、前記接近時刻と、前記注視領域とを基に、前記接近時刻算出部より算出した前記接近する時刻より所定の時刻前に、前記注視領域算出部より算出した前記注視領域内へ前記自律走行装置を走行させる走行情報を生成する走行情報生成部と、
を備える自律走行装置の走行情報生成装置を提供する。
これらの概括的かつ特定の態様は、システム、方法、コンピュータプログラム並びにシステム、方法及びコンピュータプログラムの任意の組み合わせにより実現してもよい。
本発明の前記態様によれば、移動者に自律走行装置の存在をより確実に認識させることができて、移動者の種別に応じて、自律走行装置を適切に走行させることができる走行情報を、走行情報生成装置で生成することができる。
本発明のこれらと他の目的と特徴は、添付された図面についての好ましい実施形態に関連した次の記述から明らかになる。この図面においては、
図1は、通常歩行者と車椅子利用者との注視点位置の違いを示す説明図、 図2は、車椅子利用者と通常歩行者との注視領域の違いを示す説明図、 図3は、第1実施形態に係る自律走行装置の走行経路の変更を示す説明図、 図4Aは、第1実施形態に係る自律走行装置の走行情報生成装置の機能構成を示すブロック図、 図4Bは、第1実施形態に係る自律走行装置の走行情報生成装置の観測装置の機能構成を示すブロック図、 図5は、第1実施形態に係る自律走行装置が存在する環境図、 図6は、タグに記録されている情報の一例を示す図、 図7は、位置履歴データベースの一例を示す図、 図8Aは、第1実施形態に係る環境データベースの障害物情報の一例を示す図、 図8Bは、第1実施形態に係る環境データベースの注視位置情報1の一例を示す図、 図8Cは、第1実施形態に係る環境データベースの注視位置情報2の一例を示す図、 図8Dは、第1実施形態に係る環境データベースの注視位置情報3の一例を示す図、 図8Eは、第1実施形態に係る環境データベースの注視位置情報4の一例を示す図、 図9Aは、自律走行装置データベースの形状情報の一例を示す図、 図9Bは、自律走行装置データベースのタグ位置情報の一例を示す図、 図9Cは、自律走行装置データベースの速度情報の一例を示す図、 図9Dは、自律走行装置データベースの移動経路情報の一例を示す図、 図10Aは、車椅子利用者の注視位置の一例を示す説明図、 図10Bは、車椅子利用者の注視位置の別の一例を示す説明図、 図11は、第実施形態に係る車椅子利用者の注視領域の一例を示す説明図、 図12は、車椅子利用者の時間軸を含めた注視領域の一例を示す図、 図13Aは、コンフィギュレーションスペースの一例を示すコンフィギュレーション作成前の図、 図13Bは、コンフィギュレーションスペースの一例を示すコンフィギュレーション作成後の図、 図14は、第1実施形態にかかる走行情報生成装置での走行情報生成の大まかな流れを示すフローチャート、 図15は、第1実施形態に係る走行情報生成装置の全体処理を示すフローチャート、 図16は、時間軸を含めたコンフィギュレーションスペースの一例を示す図、 図17Aは、ダイクストラ法による走行経路の生成を示す図、 図17Bは、ダイクストラ法による走行経路の生成を示す図、 図17Cは、ダイクストラ法による走行経路の生成を示す図、 図17Dは、ダイクストラ法による走行経路の生成を示す図、 図17Eは、ダイクストラ法による走行経路の生成を示す図、 図17Fは、ダイクストラ法による走行経路の生成を示す図、 図18Aは、Aアルゴリズムを経路生成部で利用して経路の生成を行う例において、注視領域を示す図、 図18Bは、Aアルゴリズムを経路生成部で利用して経路の生成を行う例において、生成された最短経路を示す図、 図18Cは、Aアルゴリズムを経路生成部で利用して経路の生成を行う例において、自律走行装置が注視領域内に進入するときの危険性を考慮した重み付けを説明するための図、 図18Dは、Aアルゴリズムを経路生成部で利用して経路の生成を行う例において、危険性を加味した経路を示す図、 図19は、車椅子利用者の注視領域の特性を示す説明図、 図20は、第2実施形態に係る自律走行装置の走行情報生成装置の機能構成を示すブロック図、 図21は、第2実施形態における患者情報蓄積部の一例を示す図、 図22Aは、第2実施形態に係る環境データベースの一例を示す図、 図22Bは、第2実施形態に係る環境データベースの一例の説明図、 図23は、第2実施形態に係る車椅子利用者の注視領域の特性を示す説明図、 図24は、第3実施形態に係る自律走行装置の走行情報生成装置の機能構成を示すブロック図、 図25は、第3実施形態において患者情報蓄積部の一例を示す図、 図26は、第3実施形態において注視領域の大きさに応じた自律走行装置の走行経路の変化の一例を示す説明図、 図27は、第1実施形態の変形例にかかる自律走行装置の走行情報生成装置の機能構成を示すブロック図である。
(本発明の基礎となった知見)
例えば、車椅子による移動者は、通常の歩行による移動者(以後、「通常歩行者」ともいう。)と比較して、足元の障害物を注視する割合が多く、左右の確認を行う余裕が少ないという特性を有している、ことが知られている(非特許文献1:木村一裕、清水浩志郎「歩行空間における車いす利用者の注視特性と歩行者流動」土木計画学研究・論文集 No.12,1995)。図1に、前記論文中に記載されている、車椅子利用者と通常歩行者との注視位置の相違図を示す。図1の下側の(b)に示す通常歩行者は、全体的に満遍なく周囲の状況を確認している。これに対して、図1の上側の(a)に示す車椅子利用者は、進行方向と路面の確認に注視する割合が多いことが分かる。
図2に、病院などの建物内で廊下に椅子又はロッカー等の障害物が存在していた場合における、通常歩行者と車椅子利用者との注視する領域の違いを示す。図2の左側の(a)に示すように、通常歩行者10は、廊下(床)11に椅子又はロッカー等の障害物12が存在していたとしても、その注視する領域は廊下全体である。一方、車椅子利用者13は、廊下11の端に椅子等の障害物12が存在していた場合、廊下全体ではなく、その障害物12を注視する。よって、車椅子利用者13は、廊下11の端の障害物12に対し、通常歩行者10と比較して、注視する領域の影響を受け易い。
このことから、自律走行装置14と対面している人が車椅子利用者13であった場合、たとえ、車椅子利用者13が自律走行装置14に対して正面を向いている度合いが高かったとしても、車椅子利用者13は、廊下11の障害物12を注視しているなどの理由により、自律走行装置14に気付いていない可能性がある。
そこで、車椅子利用者13が障害物12の方に注視している場合、自律走行装置14の走行経路を、車椅子利用者13が注視している領域の近くになるよう設定することで、車椅子利用者13に自律走行装置14の存在を気付かせることができる。図3に、車椅子利用者13が廊下11を移動している際に、廊下11に障害物12が存在しない場合と存在する場合と、それぞれの自律走行装置14の経路を示す。図3に示すように、廊下11に障害物12が存在する場合、車椅子利用者13の注視する領域の方向に自律走行装置14が走行することで、車椅子利用者13に自律走行装置14の存在を気付かせることができる。
例えば、ベビーカーを押している移動者、又は、高齢者向けの電動四輪車についても、同様の傾向があると言える。また、病院内においては、例えば、内科に診療中の患者は内科の案内板に注視する傾向が高いという事ができる。
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
以下、図面を参照して本発明における実施形態を詳細に説明する前に、本発明の種々の態様について説明する。
本発明の第1態様によれば、建物内の移動者の位置を所定の時刻毎又は時間に対応付けて取得する位置取得部と、
前記位置取得部より取得した前記移動者の種別を識別する移動者識別部と、
前記位置取得部と前記移動者識別部とでそれぞれ取得した前記移動者の位置及び種別を時系列に記録する位置履歴データベースと、
前記位置履歴データベース内の情報より前記移動者の移動方向及び移動速度を算出する移動情報算出部と、
前記建物内を予め定められた経路に従って走行する自律走行装置が第1の位置から第2の位置までを走行するための走行情報を記録する自律走行装置データベースと、
前記位置取得部より取得した前記移動者の位置と、前記移動情報算出部より算出した前記移動者の移動方向及び移動速度と、前記自律走行装置データベースに記録された前記走行情報とより、前記自律走行装置と前記移動者とが所定の距離以内に接近する接近時刻を算出する接近時刻算出部と、
前記建物内に存在する静止物体の位置を、前記静止物体を注視する傾向にある移動者の情報と共に記録した環境データベースと、
前記移動者の位置及び種別と、前記移動者の移動方向と、前記静止物体の位置とに基づいて、前記移動者の注視位置を取得する注視位置取得部と、
前記移動者の位置及び種別と、前記移動者の移動方向と、前記注視位置とに基づいて、前記移動者の注視領域を算出する注視領域算出部と、
前記静止物体の位置と、前記接近時刻と、前記注視領域とを基に、前記接近時刻算出部より算出した前記接近する時刻より所定の時刻前に、前記注視領域算出部より算出した前記注視領域内へ前記自律走行装置を走行させる走行情報を生成する走行情報生成部と、
を備える自律走行装置の走行情報生成装置を提供する。
前記態様によれば、移動者に自律走行装置の存在をより確実に認識させることができて、移動者の種別に応じて、自律走行装置を適切に走行させることができる走行情報を、走行情報生成装置で生成することができる。
本発明の第2態様によれば、建物内の車椅子による移動者の位置を所定の時刻毎又は時間に対応付けて取得する位置取得部と、
前記位置取得部より取得した前記移動者の位置を時系列に記録する位置履歴データベースと、
前記位置履歴データベース内の情報より前記移動者の移動方向及び移動速度を算出する移動情報算出部と、
前記建物内を予め定められた経路に従って走行する自律走行装置が第1の位置から第2の位置までを走行するための走行情報を記録する自律走行装置データベースと、
前記位置取得部より取得した前記移動者の位置と、前記移動情報算出部より算出した前記移動者の移動方向及び移動速度と、前記自律走行装置データベースに記録された前記走行情報とより、前記自律走行装置と前記移動者とが所定の距離以内に接近する接近時刻を算出する接近時刻算出部と、
前記建物内の障害物の位置を記録した障害物データベースと、
前記移動者の位置と、前記移動者の移動方向と、前記障害物の位置とに基づいて、前記移動者の注視位置を取得する注視位置取得部と、
前記移動者の位置と、前記移動者の移動方向と、前記注視位置とに基づいて、前記移動者の注視領域を算出する注視領域算出部と、
前記障害物の位置と、前記接近時刻と、前記注視領域とを基に、前記接近時刻算出部より算出した前記接近する時刻より所定の時刻前に、前記注視領域算出部より算出した前記注視領域内へ前記自律走行装置を走行させる走行情報を生成する走行情報生成部と、
を備える自律走行装置の走行情報生成装置を提供する。
前記態様によれば、移動者(例えば車椅子利用者)に自律走行装置の存在をより確実に認識させることができて、移動者が存在する場合でも、自律走行装置を適切に走行させることができる走行情報を、走行情報生成装置で生成することができる。よって、このような構成によれば、自律走行装置に対向する移動者が車椅子利用者の場合には、車椅子利用者が注視する割合の高い足元の障害物を注視する領域内に自律走行装置を走行させることによって、車椅子利用者に対して自律走行装置の存在をより確実に認識させることのできる経路を生成することができる。
本発明の第3態様によれば、前記注視位置取得部は、前記移動者の位置と、前記移動者の移動方向及び移動速度と、前記障害物の位置とに基づいて、前記移動者の注視位置を取得し、
前記注視領域算出部は、前記移動者の位置と、前記移動者の移動方向及び移動速度と、前記注視位置とに基づいて、前記移動者の注視領域を算出する、
第2の態様に記載の自律走行装置の走行情報生成装置を提供する。
前記態様によれば、現時刻(注視位置取得部が移動者の注視位置を取得するために利用した、移動体の位置情報が位置取得部によって得られた時刻)以降の、移動者から見た相対的な注視位置を予測できる。よって、このような構成によれば、自律走行装置は、将来的に前記移動者の注視位置となる領域内に自律走行装置が予め移動しておくことによって、前記移動者に対して、余裕をもって前記自律走行装置の存在を認識させることのできる経路を生成することができる。
本発明の第4態様によれば、前記注視領域算出部は、前記移動者の高さをも参照して前記注視領域が算出される、第2の態様に記載の自律走行装置の走行情報生成装置を提供する。
前記態様によれば、移動者(例えば、車椅子利用者)の高さをも考慮することによって、より正確に前記移動者から見た相対的な注視位置を予測することができる。よって、このような構成によれば、前記移動者に対して、より確実に自律走行装置の存在を認識させることのできる経路を生成することができる。
本発明の第5態様によれば、前記移動者の高さは、前記移動者が所持するIDタグに記録されている、身長情報、もしくは、年齢情報、もしくは、座高情報の何れかに基づいて推定される、第4の態様に記載の自律走行装置の走行情報生成装置を提供する。
前記態様によれば、移動者の高さを移動者毎に設定することによって、より正確に前記移動者から見た相対的な注視位置を予測することができる。よって、このような構成によれば、前記移動者に対して、より確実に自律走行装置の存在を認識させることのできる経路を生成することができる。
本発明の第6態様によれば、前記走行情報生成部は、前記自律走行装置と前記移動者との位置関係、又は/且つ、前記自律走行装置と前記障害物との位置関係に基づいて、前記接近時刻算出部より算出した前記接近時刻より所定の時刻前に、前記注視領域算出部より算出した前記注視領域内へ前記自律走行装置を走行させる走行情報を生成する、第1〜5のいずれか1つの態様に記載の自律走行装置の走行情報生成装置を提供する。
前記態様によれば、移動者の移動状態及び静止障害物の位置情報(言い換えれば、自律走行装置と移動者(例えば車椅子利用者)との位置関係、及び、前記自律走行装置と障害物との位置関係)を考慮することによって、前記自律走行装置と前記移動者との距離が十分離れていない場合には、前記移動者の安全を確保するため、前記自律走行装置を直ちに前記移動者の注視領域に向かわせ、前記自律走行装置と前記移動者との距離が十分離れている場合には、前記自律走行装置の安全を確保するため、慎重に(例えば、走行速度を落として)前記移動者の注視領域に向かわせることができる。よって、このような構成によれば、前記移動者の安全性を優先しつつ、移動者の移動状態及び静止障害物の位置情報(前記自律走行装置と前記移動者と前記障害物の位置関係)によっては、前記自律走行装置の安全も加味した走行を行う経路を生成することができる。なお、十分離れていない場合とは、一例として、自律走行装置を直ちに(例えば、自律走行装置の走行誤差、移動者が自律走行装置に気付くための時間などを考慮した1〜数秒程度の後)注視領域に向かわせないと、前記所定の時間内に、前記自律走行装置を前記注視領域内に進入させることができない状況などを意味する。
本発明の第7態様によれば、前記走行情報生成部より生成された前記走行情報は、前記自律走行装置データベースに記録される、第1〜6のいずれか1つの態様に記載の自律走行装置の走行情報生成装置を提供する。
本発明の第8態様によれば、前記建物は病院であり、前記移動者は患者であるとき、前記病院内において前記患者を識別するための識別子を前記患者は保有しており、
前記識別子に対して前記病院内での前記患者が受診する診療科の情報を蓄積している患者情報蓄積部をさらに備え、
前記環境データベースにおいては、さらに、前記患者情報蓄積部で蓄積されている診療科に関する掲示情報と、前記病院内での前記掲示情報の掲示位置に関する情報とが蓄積されており、
前記位置取得部は、前記移動者が保有する前記識別子の情報を検出し、
前記位置取得部で検出された前記識別子に対応する前記患者の診療科の情報と、前記診療科に対する前記環境データベースで蓄積されている前記掲示情報の病院内での掲示位置に基づいて前記移動者が確認する情報の掲示位置を特定する患者確認空間特定部をさらに備え、
前記注視領域算出部では、前記患者確認空間特定部で特定された情報の掲示位置を利用して前記移動者が注視する注視領域を算出する、
第1〜7のいずれか1つの態様に記載の自律走行装置の走行情報生成装置を提供する。
前記態様によれば、移動者、例えば車椅子利用者が保有する識別子に対応する診療科の情報に基づいて、前記車椅子利用者にとって関連のある(つまり、注視を行う傾向にある)掲示情報を取得することができる。よって、このような構成によれば、前記車椅子利用者の注視領域と考えられる領域が増加することによって、前記自律走行装置が、前記所定の時刻以内に、前記注視領域内に進入させることのできる可能性を高めることのできる経路を生成することができる。
本発明の第9態様によれば、前記識別子は、前記移動者が受診する診療科を特定する識別子であり、
前記環境データベースでは、前記診療科に対する掲示情報の前記移動者の前記病院内での通路における掲示位置に関する情報が蓄積されており、
前記注視領域算出部では、前記移動者が確認する掲示情報の空間位置の情報に基づいて前記移動者の注視領域を拡大する、
第8の態様に記載の自律走行装置の走行情報生成装置を提供する。
前記態様によれば、移動者、例えば車椅子利用者が向かう可能性の高い、移動者が確認する掲示情報(例えば、診療科等の情報)とその掲示情報(例えば、案内板)の位置とを基に、車椅子利用者の注視領域を注視領域算出部で補正することができて、車椅子利用者の注視領域をより正確に作成することができる。よって、車椅子利用者の注視領域の方向に自律走行装置をより確実に走行させて車椅子利用者に自律走行装置の存在をより確実に気付かせることのできる経路を生成することができる。
本発明の第10態様によれば、前記注視領域算出部では、前記注視位置が複数存在した場合、複数存在する注視位置間を結んだ線分、もしくは、領域を注視位置とする、
第1〜9のいずれか1つの態様に記載の自律走行装置の走行情報生成装置を提供する。
前記態様によれば、前記移動者は、注視位置が複数存在した場合、前記注視位置間を目線移動する可能性が高いことを考慮し、前記注視位置間をも注視位置に含めることができる。よって、このような構成によれば、移動者の注視領域をより正確に作成することができる。よって、移動者の注視領域の方向に自律走行装置をより確実に走行させて移動者に自律走行装置の存在をより確実に気付かせることのできる経路を生成することができる。
本発明の第11態様によれば、前記建物は病院であり、前記移動者は患者であるとき、前記病院内において前記患者を識別するための識別子を前記患者は保有しており、
前記識別子に対して前記病院内での前記患者が利用する車椅子に関する情報を蓄積している患者情報蓄積部をさらに備え、
前記位置取得部により前記移動者が保有する前記識別子の情報を検出し、
前記位置取得部で検出された前記識別子に対応する前記患者の車椅子に関する情報から、前記移動者の前記障害物に対する回避距離を特定する回避距離特定部をさらに備え、
前記走行情報生成部では、前記注視領域算出部で算出された注視領域と、前記回避距離特定部で特定された前記回避距離とに基づいて、前記走行情報を生成する、
第1〜7のいずれか1つの態様に記載の自律走行装置の走行情報生成装置を提供する。
前記態様によれば、前記識別子で車椅子利用者の車椅子による移動履歴、もしくは、前記車椅子に付されているタグ情報に基づいて、車椅子の性能を特定し、容易に回避できる距離を特定することができる。よって、車椅子利用者の車椅子の特性情報に基づいて、経路生成部で、より適切な自律走行装置の回避経路を生成することができる。その結果、車椅子利用者の注視領域の方向に自律走行装置をより確実に走行させて車椅子利用者に自律走行装置の存在をより確実に気付かせることのできる経路を生成することができる。なお、ここでの車椅子による移動履歴は、車椅子の回避特性を推定するために用いるものであって、車椅子利用者の慣れを推定するものではない。
本発明の第12態様によれば、前記患者情報蓄積部では、前記患者が前記車椅子を利用している期間が長いほど前記回避距離特定部での回避距離が短くなる、
第11の態様に記載の自律走行装置の走行情報生成装置を提供する。
前記態様によれば、移動者の一例である車椅子利用者の車椅子利用期間に基づいて、前記車椅子利用者の車椅子に対する慣れの度合いを推定することによって、前記車椅子利用者が障害物を容易に回避するために要する回避距離を特定することができる。よって、車椅子利用者の車椅子に対する慣れの度合いに基づいて、経路生成部で、より適切な自律走行装置の回避経路を生成することができる。その結果、車椅子利用者の注視領域の方向に自律走行装置をより確実に走行させて車椅子利用者に自律走行装置の存在をより確実に気付かせることのできる経路を生成することができる。
本発明の第13態様によれば、建物内の移動者の位置を所定の時刻毎又は時間に対応付けて取得するとともに前記移動者の種別を識別して取得した前記移動者の位置及び種別を時系列に記録する位置履歴データベース内の情報より前記移動者の移動方向及び移動速度を算出する移動情報算出部と、
前記位置取得部より取得した前記移動者の位置と、前記移動情報算出部より算出した前記移動者の移動方向及び移動速度と、前記建物内を予め定められた経路に従って走行する自律走行装置が第1の位置から第2の位置までを走行するための走行情報を記録する自律走行装置データベースに記録された前記走行情報とより、前記自律走行装置と前記移動者とが所定の距離以内に接近する接近時刻を算出する接近時刻算出部と、
前記移動者の位置及び種別と、前記移動者の移動方向と、前記建物内に存在する静止物体の位置を、前記静止物体を注視する傾向にある移動者の情報と共に記録した環境データベースから取得した前記静止物体の位置とに基づいて、前記移動者の注視位置を取得する注視位置取得部と、
前記移動者の位置及び種別と、前記移動者の移動方向と、前記注視位置とに基づいて、前記移動者の注視領域を算出する注視領域算出部と、
前記静止物体の位置と、前記接近時刻と、前記注視領域とを基に、前記接近時刻算出部より算出した前記接近する時刻より所定の時刻前に、前記注視領域算出部より算出した前記注視領域内へ前記自律走行装置を走行させる走行情報を生成する走行情報生成部と、
を備える自律走行装置の走行情報生成装置を提供する。
前記態様によれば、移動者に自律走行装置の存在をより確実に認識させることができて、移動者の種別に応じて、自律走行装置を適切に走行させることができる走行情報を、走行情報生成装置で生成することができる。
なお、本発明の別の態様によれば、建物内の車椅子による移動者の位置を所定の時刻毎又は時間に対応付けて取得した前記移動者の位置を時系列に記録する位置履歴データベース内の情報より前記移動者の移動方向及び移動速度を算出する移動情報算出部と、
前記移動者の位置と、前記移動者の移動方向及び移動速度と、前記建物内を予め定められた経路に従って走行する自律走行装置が第1の位置から第2の位置までを走行するための走行情報を記録する自律走行装置データベースに記録された前記走行情報とより、前記自律走行装置と前記移動者とが所定の距離以内に接近する接近時刻を算出する接近時刻算出部と、
前記移動者の位置と、前記移動者の移動方向と、前記建物内の障害物の位置を記録する障害物データベースに記録された前記障害物の位置とに基づいて、前記移動者の注視位置を取得する注視位置取得部と、
前記移動者の位置と、前記移動者の移動方向と、前記注視位置とに基づいて、前記移動者の注視領域を算出する注視領域算出部と、
前記障害物の位置と、前記接近時刻と、前記注視領域とを基に、前記接近時刻より所定の時刻前に、前記注視領域内へ前記自律走行装置を走行させる走行情報を生成する走行情報生成部と、
を備える自律走行装置の走行情報生成装置を提供する。
前記第13態様又は第13態様の後の別の態様によれば、移動者、例えば車椅子利用者に自律走行装置の存在をより確実に認識させることができて、車椅子利用者が存在する場合でも、自律走行装置を適切に走行させることができる走行情報を、走行情報生成装置で生成することができる。よって、このような構成によれば、自律走行装置に対向する人が車椅子利用者の場合には、車椅子利用者が注視する割合の高い足元の障害物を注視する領域内に自律走行装置を走行させることによって、車椅子利用者に対して自律走行装置の存在をより確実に認識させることのできる経路を生成することができる。
本発明の第14態様によれば、第1〜13のいずれか1つの態様に記載の前記自律走行装置の走行情報生成装置と、
前記自律走行装置データベースに記録された前記走行情報を取得する走行情報取得部と、
前記走行情報取得部より取得された前記走行情報に基づいて走行の制御を行なう駆動装置制御部と、
を備える自律走行装置を提供する。
前記態様によれば、移動者、例えば車椅子利用者に自律走行装置の存在をより確実に認識させることができ、車椅子利用者が存在する場合でも、自律走行装置を適切に走行させることができる。よって、このような構成によれば、自律走行装置に対向する人が車椅子利用者の場合には、車椅子利用者が注視する割合の高い足元の障害物を注視する領域内に自律走行装置を走行させることによって、車椅子利用者に対して自律走行装置の存在をより確実に認識させることができる。
本発明の第15態様によれば、建物内の移動者の位置を所定の時刻毎又は時間に対応付けて位置取得部で取得し、
前記位置取得部より取得した前記移動者の種別を移動者識別部で識別し、
前記位置取得部と前記移動者識別部とでそれぞれ取得した前記移動者の位置及び種別を時系列に位置履歴データベースに記録し、
前記位置履歴データベース内の情報より前記移動者の移動方向及び移動速度を移動情報算出部で算出し、
前記建物内を予め定められた経路に従って走行する自律走行装置が第1の位置から第2の位置までを走行するための走行情報を自律走行装置データベースに記録し、
前記位置取得部より取得した前記移動者の位置と、前記移動情報算出部より算出した前記移動者の移動方向及び移動速度と、前記自律走行装置データベースに記録された前記走行情報とより、前記自律走行装置と前記移動者とが所定の距離以内に接近する接近時刻を接近時刻算出部で算出し、
前記建物内に存在する静止物体の位置を、前記静止物体を注視する傾向にある移動者の情報と共に環境データベースに記録し、
前記移動者の位置及び種別と、前記移動者の移動方向と、前記静止物体の位置とに基づいて、前記移動者の注視位置を注視位置取得部で取得し、
前記移動者の位置及び種別と、前記移動者の移動方向と、前記注視位置とに基づいて、前記移動者の注視領域を注視領域算出部で算出し、
前記静止物体の位置と、前記接近時刻と、前記注視領域とを基に、前記接近時刻算出部より算出した前記接近する時刻より所定の時刻前に、前記注視領域算出部より算出した前記注視領域内へ前記自律走行装置を走行させる走行情報を走行情報生成部で生成する、
自律走行装置の走行情報生成方法を提供する。
前記態様によれば、移動者に自律走行装置の存在をより確実に認識させることができて、移動者の種別に応じて、自律走行装置を適切に走行させることができる走行情報を、走行情報生成装置で生成することができる。
なお、本発明の別の態様によれば、建物内の車椅子による移動者の位置を所定の時刻毎又は時間に対応付けて位置取得部で取得し、
前記位置取得部より取得した前記移動者の位置を時系列に位置履歴データベースに記録し、
前記位置履歴データベース内の情報より前記移動者の移動方向及び移動速度を移動情報算出部で算出し、
に記録し、
前記位置取得部より取得した前記移動者の位置と、前記移動情報算出部より算出した前記移動者の移動方向及び移動速度と、前記建物内を予め定められた経路に従って走行する自律走行装置が第1の位置から第2の位置までを走行するための走行情報を記録した自律走行装置データベースに記録された前記走行情報とより、前記自律走行装置と前記移動者とが所定の距離以内に接近する接近時刻を接近時刻算出部で算出し、
前記移動者の位置と、前記移動者の移動方向と、前記建物内の障害物の位置を記録した障害物データベース内の前記障害物の位置とに基づいて、前記移動者の注視位置を注視位置取得部で取得し、
前記移動者の位置と、前記移動者の移動方向と、前記注視位置とに基づいて、前記移動者の注視領域を注視領域算出部で算出し、
前記障害物の位置と、前記接近時刻と、前記注視領域とを基に、前記接近時刻算出部より算出した前記接近する時刻より所定の時刻前に、前記注視領域算出部より算出した前記注視領域内へ前記自律走行装置を走行させる走行情報を走行情報生成部で生成する、
自律走行装置の走行情報生成方法を提供する。
前記態様によれば、移動者、例えば車椅子利用者に自律走行装置の存在をより確実に認識させることができて、車椅子利用者が存在する場合でも、自律走行装置を適切に走行することができる走行情報を、走行情報生成装置で生成することができる。よって、このような構成によれば、自律走行装置に対向する人が車椅子利用者の場合には、車椅子利用者が注視する割合の高い足元の障害物を注視する領域内に自律走行装置を走行させることによって、車椅子利用者に対して自律走行装置の存在をより確実に認識させることができる。
本発明の第16態様によれば、第15の態様に記載の走行情報生成方法をコンピュータに実行させるための走行情報生成プログラムを提供する。
本発明の別の態様によれば、第15の態様の後の別の態様に記載の走行情報生成方法をコンピュータに実行させるための走行情報生成プログラムを提供する。
前記第15の態様又は第15の態様の後の別の態様によれば、移動者、例えば車椅子利用者に自律走行装置の存在をより確実に認識させることができて、車椅子利用者が存在する場合でも、自律走行装置を適切に走行することができる走行情報を、走行情報生成装置で生成することができる。よって、このような構成によれば、自律走行装置に対向する人が車椅子利用者の場合には、車椅子利用者が注視する割合の高い足元の障害物を注視する領域内に自律走行装置を走行させることによって、車椅子利用者に対して自律走行装置の存在をより確実に認識させることができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
なお、以下で説明する実施形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。以下の実施形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
なお、第1実施形態では、移動者の種別に車椅子利用者を例として説明し、第2実施形態では、移動者の種別に病院患者を例として説明し、第3実施形態では、移動者の種別に車椅子初心者を含む例として説明している。
(第1実施形態)
図4Aに、第1実施形態における自律走行装置204に搭載される走行情報生成装置100の機能構成を示す。
図4Aに示すように、自律走行装置204の走行情報生成装置100は、観測装置101と、位置履歴データベース102と、自律走行装置データベース103と、環境データベース104と、移動方向算出部106と、接近時刻算出部107と、注視位置取得部108と、注視領域算出部109と、経路生成部110とを少なくとも有する。自律走行装置204の走行情報生成装置100は、さらに、観測情報処理部105と、速度指令値変換部111と、車輪制御部112とを有することができる。自律走行装置204としては、例えば、図26に示すような2つの車輪115で移動するロボットなどが例示される。
以下に、走行情報生成装置100が有する各構成要素について説明する。
<構成>
<観測装置101>
観測装置101は、位置取得部の一例である。観測装置101は、観測範囲内に存在する移動体の観測を行なう(具体的には、移動体の位置を時系列に(所定の時刻毎に又は特定の時間に対応付けて)取得する。観測装置101の観測範囲は、例えば、観測装置101がタグリーダである場合、電波の送受信が可能な範囲であり、建物内全体であっても良い。また、観測装置101は、所定の観測周期(例えば、100msec)で観測を行なう。なお、観測装置101は、位置取得部より取得した移動者の種別を識別する移動者識別部(移動者種別情報取得部)の一例としても機能する。すなわち、この実施形態では、位置取得部と種別識別情報取得部とを観測装置101で兼用している。
ここで、本明細書において、建物とは、一般的に車椅子利用者が多く往来する建物である病院、老人ホーム、公共の福祉施設、ショッピングモール、又は、空港等を指す。また、本明細書において、移動体とは、自律走行装置204、及び移動者(具体的には、通常歩行者、又は、車両操作者(車椅子利用者203など))のうちの何れかとする。移動者とは、車両(手押し車又は車椅子又は電動四輪車)を操作する車両操作者と、歩行者(通常歩行者)とを含む。また、車両操作者とは、車椅子利用者と、ベビーカーなどの車両(手押し車)を押している移動者と、高齢者向けの電動四輪車に乗っている高齢者と、ショッピングモールでのショッピングカート又は空港などでの荷物カートなどの車両(手押し車)を押している移動者となど、何らかの車両を操作しながら移動(歩行又は走行)している人を意味する。よって、本明細書での移動者の種別とは、少なくとも、通常歩行者であるか、又は、車両操作者であるかの区別を意味している。さらに、詳細に区別する場合には、移動者の種別としては、車両操作者を、車椅子利用者203であるか、ベビーカーなどの車両(手押し車)を押している移動者であるか、高齢者向けの電動四輪車に乗っている高齢者であるか、ショッピングモールでのショッピングカート又は空港などでの荷物カートなどの車両(手押し車)を押している移動者であるかなどに区分けしても良い。
観測装置101がタグリーダである場合、前記タグリーダに接続されているアンテナのUWB(Ulutra Wide Band)タグ検知範囲内に存在するタグを検出し、前記タグに記録されているタグ情報をタグリーダで取得する。また、観測装置101が画像センサである場合は、画像センサで画像を取得する。画像センサで画像を取得したときは、例えば観測情報処理部105内の画像認識処理部で画像認識を行い、例えば、車両操作者と歩行者とを識別する移動者識別部の一例としても機能する。例えば、歩行者は縦に細長いという特徴を有しているのに対して、車両操作者は前後に幅がありかつ高さが低いという特徴を有しているか、又は、人と車両との間で高さに段差があるという特徴を有している。これらの特徴を基に、画像認識処理で両者を識別すればよい。また、観測装置101が距離画像センサである場合は、距離画像センサで距離画像を取得する。取得した距離画像の画像認識処理は、前記した画像認識処理と同様である。
また、図5に、観測装置101の具体的構成の一例として、タグリーダ202を備える、病院内の具体的な例としての通路201を示す。通路201は両側が壁201w,201xで挟まれている。通路201の天井には、タグリーダ202のアンテナ202Aが分散配置されており、通路201に存在する人(車椅子による移動者)203が所持するタグ205Aの検出と、自律走行装置204が所持するタグ205Rの検出を行う。以後、通路201に存在するタグ205Aと、タグ205Rのうちの任意のタグを、タグ205として代表的に説明する。なお、タグ205には、タグ205に固有に割り当てられているID情報(以後、タグID、もしくはTAG_IDと記述する。)と、タグ205を所持する移動体203,204の種別情報が登録されている。図6に、タグ205に記録されているタグ情報の一例を示す。図6の例では、TAG_ID=TAG_001のタグ205を所持しているのは、自律走行装置(ROBOT)(ここでは、参照符号204を指す。)であることを示している。TAG_ID=TAG_002のタグ205を所持しているのは、車椅子利用者(WHEEL_CHAIR)(ここでは、参照符号203を指す。)であることを示している。TAG_ID=TAG_003のタグ205を所持しているのは、通常歩行者(HEALTHY_PERSON)であることを示している。また、通路201には、移動体にとっては障害物の一例となる椅子206Aと椅子206Bが配置されている。以後、通路201に設置されている椅子206Aと、椅子206Bのうちの任意の椅子を、椅子206として代表的に説明する。なお、この実施形態では、タグは、車両操作者と歩行者とを含む移動者がそれぞれ個別に有していると仮定している。タグには、人を識別する識別情報(少なくとも、移動者の種別を識別する移動者識別情報)も含まれている。ここで、移動者の種別とは、少なくとも、車両操作者であるか、又は、歩行者であるかの情報である。
<観測情報処理部105>
観測情報処理部105は、観測装置101が取得した観測情報の処理を行い、観測装置101の観測範囲内に存在する移動体のIDと種別と時系列の位置とを求めて、求められた情報を位置履歴データベース102と自律走行装置データベース103とにそれぞれ記憶する。
観測装置101として、タグリーダを用いる場合の処理について説明する。前記タグリーダの観測対象となる前記移動体には、前記タグリーダが検出可能なタグを所持させておくものとし、前記タグにはタグ情報として、少なくとも前記タグに固有に割り当てられているID(以後、タグIDと呼ぶ。)と前記移動体の種別とが記録されているものとする。前記タグを検出することにより、前記移動体のIDと種別とを取得することができる(前記移動体のIDを、タグIDと考える。)。また、前記移動体の位置は、3点測位により求めることができる。前記アンテナが出力した質問波に対して、前記タグが出力した応答波を受け取るまでの時間差から、前記タグの各アンテナからの距離を求めることができる。前記タグリーダの各アンテナの配置位置が既知であれば、少なくとも3つ以上のアンテナで前記タグを検出できていれば、観測装置101において、前記タグの位置を一意に特定することが可能である。一例として、観測情報処理部105が求めた移動体のIDと種別と時系列の位置とを、タグリーダ202がタグ205を検出した時刻と共に、位置履歴データベース102に記録する。
次に、観測装置101として、距離画像センサを用いる場合の処理について図4Bを使用しながら説明する。まず、前処理として、背景差分法等を用いて、距離画像センサ101aで取得した距離画像から前記移動体の領域(差分領域)のみを観測装置101の画像処理部101bで抽出する。前記距離画像センサ101aが壁201w又は201xに設置されており、前記移動体の足元が検出可能である場合には、前記差分領域から推定される前記移動体の足元を前記移動体の位置としても良いし、前記距離画像センサ101aが天井に設置されており、前記移動体の足元が検出不可能である場合には、前記差分領域の重心位置を前記移動体の位置としても良い。前記移動体の種別に関しては、車椅子利用者203の高さ(身長)は通常歩行者の高さ(身長)よりも低くかつ横幅が大きいという知識と、後述するように前記自律走行装置データベース103に記録されている前記自律走行装置204の形状情報に基づいて、前記差分領域の高さと横幅から、観測装置101の種別判定部101cにより、前記移動体の種別が車椅子利用者203か通常歩行者か自律走行装置204か、を求めることができる。前記移動体のIDに関しては、距離画像(ステレオカメラで距離画像を作成する場合は、単眼カメラでの画像も含む。)から前記移動体のID(個人)を推定することは困難である。そのため、本処理において出力する前記移動体のIDは、前記自律走行装置204においてのみ有効となる内部IDとする。例えば、初めて検出した前記移動体に対して内部ID(001)を割り当てたとすると、前記移動体をトラッキングしている間は、前記移動体にはID(001)を常に割り当てる。なお、前記移動体のトラッキングには、オプティカルフローなどの技術を用いて実現することができる。
<位置履歴データベース102>
位置履歴データベース102には、観測情報処理部105が求めた移動体のIDと種別と位置とが、観測装置101が観測を行った時刻と共に記録されている。すなわち、位置履歴データベース102には、観測情報処理部105を介して観測装置101より取得した移動者の位置が時系列に記録されている。
図7に、位置履歴データベース102の一例を示す。時刻14時23分15秒400には、移動体IDがTAG_001の自律走行装置204が座標(0,150)に存在するとともに、移動体IDがTAG_002の車椅子利用者203が座標(1000,200)に存在している。なお、この例では、移動体IDには、タグIDを用いている。また、説明を簡単にするため、図5には移動者として車椅子利用者203しか登場していないが、タグを所持した通常歩行者が存在していた場合には、前記通常歩行者の移動体IDと種別、そして、位置が位置履歴データベース102に記録されることとなる。
<環境データベース104>
環境データベース104は、障害物データベースの一例である。環境データベース104には、前記自律走行装置204が走行する環境の一例である建物内における壁201w,201x又は椅子206などの前記環境内における静止障害物の位置情報、及び、前記静止障害物において車椅子利用者203が注視を行い易い位置情報が記録されている。ここで、静止障害物とは、障害物となりうる静止障害物(障害物となりうる案内板を含む)と、障害物となりえない案内板(例えば、天井から吊り下げられた案内板、廊下の床面に表示された掲示標識など)とを含む。
図8A及び図8Bに環境データベース104の一例を示す。図8Aには、通路201に存在する障害物情報として、各障害物の頂点の座標が記録されている。なお、前記障害物の表記方法はこれに限るものではない。例えば、障害物が円柱形であれば、中心座標、半径、高さの情報が記録されていても良い。また、図8Bには、車椅子利用者203が前記障害物を注視し易い注視位置と、注視を行うときの条件に関する情報が記録されている。図8Bに示した例においては、全ての条件を満たしている場合に限り、注視位置取得部108は、車椅子利用者203が前記注視位置を注視し易いと判断する。なお、注視位置は、一般的に車椅子利用者203は、足元の障害物を注視し易い傾向にあることから、車椅子利用者203の位置及び進行方向(もしくは、向き)と、前記障害物の位置との関係を条件として、予め決定しておくものとする。ここでは、一例として、2種類の条件を設定している。1つ目の条件(「条件1」)は、車椅子利用者203の進行方向(もしくは、向き)に関する条件である。2つ目の条件(「条件2」)は、車椅子利用者203と障害物との間の距離に関する条件である。ここで、車椅子利用者203において、+x方向とは、x方向を0度の位置とすると、0度に対して−90度から+90度の範囲の方向とする。逆に、−x方向とは、+x方向とは180度異なる位置である−x方向を0度の位置とすると、0度に対して−90度から+90度の範囲の方向とする。
<自律走行装置データベース103>
自律走行装置データベース103には、前記自律走行装置204の形状情報が予め記録されているとともに、前記自律走行装置204の存在する位置と移動方向と、移動速度と、そして、目標位置と、前記自律走行装置204の存在する位置から目標位置に達するまでの経路情報とが記録されている。なお、自律走行装置204の存在する位置は、観測装置101で取得するか、もしくは、オドメトリにより取得する。自律走行装置204の移動速度に関しては、車椅子利用者と同様に、自律走行装置204の過去の位置の履歴に基づいて移動方向算出部106で推定可能である。目標位置に関しては、自律走行装置204を動作させる前に経路生成部110で自律走行装置データベース103に設定しておく。前記位置から目標位置に達するまでの経路情報は、経路生成部110で生成される。
なお、経路情報には、自律走行装置204が経路を走行するときの速度情報と加速度情報とも含まれているものとし、目標位置、もしくは、経路上にある任意の位置への到着予定時刻は接近時刻算出部107により算出可能となっている。
また、前記自律走行装置204の位置は、観測装置101の観測情報、もしくは、前記自律走行装置204に搭載されているセンサの観測情報に基づいて更新される。前記自律走行装置204に搭載されているセンサの観測情報に基づいて前記自律走行装置204の位置を求める方法として、例えば、オドメトリ又は測域センサなどの利用が考えられる。オドメトリとは、前記自律走行装置204の車輪115の回転角に基づいて前記自律走行装置204の移動量を測る方法であり、前記自律走行装置204の初期位置が既知であれば、オドメトリによって、走行中の前記自律走行装置204の位置を位置取得部で算出することが可能となる。車輪115の回転角は、車輪の駆動装置114の一例であるモータに取り付けられたロータリーエンコーダにより取得する。上述している通り、オドメトリを使用するのは一例であって、測域センサ又は天井カメラ、又は、自律走行装置204の経路情報に基づいた予測などから、走行中の自律走行装置204の位置を算出可能である。図4Aのブロック図中では、特に、自律走行装置用の位置演算部を設けることなく、観測情報処理部105が観測装置101の観測情報に基づいて、自律走行装置204の位置を算出することができる。
また、測域センサを利用する場合には、測域センサが取得したレンジデータと、環境データベース104に記録されている静止障害物の位置情報とに基づいてマップマッチングを観測情報処理部105で行うことで、前記自律走行装置204の位置(具体的には、前記測域センサが最後にレンジデータを取得した時刻における位置)を観測情報処理部105で求めることができる。なお、観測装置101の観測情報に基づいて前記自律走行装置204の現在位置(観測装置101が最後に観測を行った時刻の位置)を求める方法に関しては、観測情報処理部105で述べた内容と同等であるため省略する。また、上記方法を組み合わせることによって、前記自律走行装置204の現在位置(観測装置101が最後に観測を行った時刻の位置)を高精度に求めるようにしても良い。また、前記自律走行装置204の移動方向と移動速度とは、前記自律走行装置204の位置の履歴に基づいて移動方向算出部106で求めることができる。以後、前記自律走行装置204の現在位置(観測装置101が最後に観測を行った時刻の位置)と移動方向と、移動速度と、そして、目標位置と経路情報とを合わせて、前記「自律走行装置204の移動状態」と呼ぶ。
図9A〜図9Dに、自律走行装置データベース103の一例を示す。図9Aには、自律走行装置204の形状情報として、縦寸法と横寸法と高さ寸法とが記録されている。なお、自律走行装置204は+Xの方向を向いているときの形状情報であるとする。図9Bには、自律走行装置204へのタグ205Rの取り付け位置(タグ位置)が記録されている。図9Cには、自律走行装置204の速度情報が記録されている。速度情報には、最大速度と、最大加(減)速度と、最大旋回速度と、旋回加(減)速度との情報が含まれる。直進時には、最大速度に達するまで最大加速度で速度を上げ、旋回時には、最大旋回速度に達するまで最大旋回加速度で旋回速度を上げる。図9Dには、自律走行装置204の移動経路情報が記録されている。移動経路情報には、初期位置と単数又は複数の中継位置と目標位置とが含まれる。中継位置間(初期位置から中継位置、中継位置から目標位置も含む)は直線移動するものとし、中継位置の(x,y)座標に到達後に旋回動作を行い、目標とする方向θを向く。なお、θ=0度は、+X座標の方向であるとする。図5に示された状況は、中継位置2から目標位置に向かう途中となっている。
<移動方向算出部106>
移動方向算出部106は、移動情報算出部の一例である。移動方向算出部106は、位置履歴データベース102に記録されている前記移動体の位置の履歴に基づいて、少なくとも、前記車椅子利用者203の位置(具体的には、観測装置101が最後に観測を行った時刻における前記車椅子利用者203の位置)と移動方向と移動速度とを算出する。以後、前記車椅子利用者203の前記位置と移動方向と移動速度とを合わせて、前記「車椅子利用者203の移動状態」と呼ぶ。
図7によると、タグリーダ202の前回観測における各移動体の位置は、時刻14時23分15秒600に、移動体IDがTAG_001の自律走行装置204が座標(20,150)に存在し、同時刻に、移動体IDがTAG_002の車椅子利用者203が座標(980,200)に存在しており、前記位置(座標)を位置履歴データベース102から移動方向算出部106が取得する。また、位置履歴データベース102に記録されている前記移動体の位置の履歴に基づいて、前記移動体の移動方向と移動速度との算出を移動方向算出部106で行う。図7によると、現在を14時23分15秒600の時刻とすると、この時刻に、移動体IDがTAG_001の自律走行装置204は、+X座標方向に秒速1mの速度で移動しており、移動体IDがTAG_002の車椅子利用者203は、−X座標方向に秒速1mの速度で移動している。ここで、移動速度は、例えば、使用した履歴の観測情報における平均速度とすることができる。また、移動方向は、例えば、最小二乗法などを用いて移動方向算出部106で求めることができる。なお、図7に示した位置履歴データベース102の例では履歴の数は3個であるが、前記移動体の移動速度と移動方向とを算出するために用いる履歴の数は、少なくとも2個以上あれば良い。
<接近時刻算出部107>
接近時刻算出部107は、種別が車椅子利用者203である前記移動体に対して、移動方向算出部106から取得する前記自律走行装置204の移動状態と前記車椅子利用者203の移動状態とに基づいて、現在時刻(観測装置101が最後に観測を行った時刻)から所定の時間以内に、前記自律走行装置204と前記車椅子利用者203の移動体とが所定の距離以内に接近するか否かを判断する。前記所定の距離以内に接近すると接近時刻算出部107で判断された場合、前記自律走行装置204と前記移動体との間の距離が前記所定の距離となる接近時刻を接近時刻算出部107で算出する。なお、前記移動体(ここでは、車椅子利用者203)は、移動方向算出部106から出力された前記車椅子利用者203の移動状態を維持する(等速直線運動する)ものとして考える。また、自律走行装置204の移動状態は、自律走行装置データベース103を参照することによって自律走行装置204の前記移動状態の情報を接近時刻算出部107で取得するものとする。
接近時刻算出部107で所定の距離以内に接近するか否かを判断する方法としては、例えば、コンフィギュレーション空間を接近時刻算出部107で作成し、その後、時間軸を含めた空間において、自律走行装置204の軌跡が車椅子利用者203により形成される領域に内包されるか否かにより接近時刻算出部107で判断する方法が考えられる。なお、コンフィギュレーション空間に関する詳細は後述する。
<注視位置取得部108>
注視位置取得部108は、接近時刻算出部107から前記接近時刻が出力された場合にのみ、車椅子利用者203が注視する傾向にある注視位置を、移動方向算出部106から取得する前記車椅子利用者203の移動状態(位置、移動方向、移動速度)と、環境データベース104に記録されている前記静止障害物の位置情報とに基づいて取得する。注視位置は、現時刻(観測装置101の具体的構成の一例であるタグリーダ202が最後に観測を行った時刻)から前記所定の時間内の、車椅子利用者203が注視を行う割合が多いと予測される位置である。注視位置取得部108は、注接近時刻算出部107から前記接近時刻が出力されなかった場合には注視位置を取得しない。なお、移動状態として、車椅子利用者203が停止している場合などが考えられるため、移動速度は必ずしも必要ではない。
図10Aの(a)〜(e)に、時刻と共に変化する注視位置の様子を示す。車椅子利用者203は、移動方向算出部106が算出した移動速度と移動方向とを維持し、等速直線運動するものと考えると、図10Aの(a)に示す現時刻(14時23分15秒600)から図10Aの(c)に示す時刻14時23分19秒400までは、車椅子利用者203が注視し易い注視位置(の座標)は、椅子206Aの座標(600,300,0)と、椅子206Bの座標(350,50,0)の2箇所となる(図10Aの(a)、図10Aの(b)参照)。図10Aの(c)に示す時刻14時23分19秒400以後は、車椅子利用者203は、椅子206Aの注視位置を通過するため、注視位置は椅子206Bの(350,50,0)のみとなる(図10Aの(c)、図10Aの(d)参照)。さらに、図10Aの(e)に示す時刻14時23分21秒900以後は、車椅子利用者203は、椅子206Bの注視位置を通過するため、注視位置は無しとなる(図10Aの(e)参照)。 また、図10Bの(a)〜(c)に、時刻14時23分15秒600において、車椅子利用者203が椅子206Bの注視位置1001を注視している状況を、平面図、側面図、及び背面図で示す。なお、図10Bにおいて、椅子206A、及び、椅子206Aの注視位置は、図の見易さの観点から省略してある。
なお、前記注視位置は点に限る必要はなく、線分又は領域であっても構わない。例えば、前記注視位置が2箇所以上存在した場合、車椅子利用者203は、前記注視位置を交互に確認する可能性が高い。このとき、前記注視位置間を直線で結んだ線分上を目線が移動すると考えると、前記線分全体を注視位置と見なすことができる。また、例えば、行き先が記載された案内板(図22B及び図23の符号800参照)などの場合、車椅子利用者203が注視を行うのは1点だけではなく、前記案内板全体と考えられ、前記案内板の全体の領域を注視位置と見なすことができる。図8Cに前記注視位置が線分である例を示し、図8Dに前記注視位置が領域である例を示す。図8Cには、例えば、椅子206Aの注視位置(600,300,0)と椅子206Bの注視位置(350,50,0)とを結んだ線分が注視位置として記録されている。また、図8Dには、例えば、外科に診察に向かう患者向けの案内板1が領域{座標(200,300,100)と座標(300,300,150)と}に存在することを示している。なお、この2点の座標は、長方形の対角点の2点を示しているものとする。なお、タグ205Aには、車椅子利用者203が診察を受ける診察科の情報が記録されているものとする。更に、図8Eに、点と領域とで形成される注視位置の例を示す。図8Eには、例えば、椅子206Aの注視位置(600,300,0)と案内板1の注視位置(200,300,100)により形成される注視位置とが示されている。ここで、前記注視位置は、椅子206Aの注視位置である1点と、案内板1の8個頂点を結んで形成される立体の領域となる。
<注視領域算出部109>
注視領域算出部109は、注視位置取得部108から種別が車椅子利用者203である前記移動体の注視位置を受け取ると、前記移動体が注視する傾向にある注視領域を、移動方向算出部106から取得した前記車椅子利用者203の移動状態(位置、移動方向、移動速度)と、前記注視位置とに基づいて算出する。注視領域とは、現時刻から所定の時間内の、車椅子利用者203が注視を行う割合が多いと予測される領域のことである。なお、移動状態として、車椅子利用者203が停止している場合などが考えられるため、移動速度は必ずしも必要ではない。
注視領域は、車椅子利用者203の目の位置(例えば眼球の位置)又は身長を頂点とし、注視位置を底面の中心とする円錐の領域とする。ここで、一般的な人の中心視野が20度であることから、前記円錐の角度は一例として20度とする。また、車椅子利用者203の目の位置は、一例として、車椅子に座ったときの一般的な人の目線の高さ(例えば眼球の位置)(例えば、120cmなど)又は頭頂の高さ位置を設定しておく。また、タグ205Aに、一例として、患者情報として、車椅子利用者203の身長が記録されており、タグリーダ202で検出したタグの情報中の前記身長に基づいて車椅子利用者203の目線の高さを注視領域算出部109で推定しても良い。同様に、タグ205Aに患者情報として、車椅子利用者203の年齢が記録されており、タグリーダ202で取得した前記年齢の情報に基づいて、車椅子利用者203の目線の高さを、注視領域算出部109で推定しても良い。更に、前記年齢に基づいて、車椅子利用者203の前記円錐の角度を注視領域算出部109で可変にしても良い。例えば、視野が狭くなる年齢(例えば60歳以上)の場合、前記円錐の角度を、前記20度より狭い18度としても良い。また同様に、タグ205Aに患者情報として、車椅子利用者203の座高情報が記録されており、タグリーダ202で取得した前記座高情報に基づいて、車椅子利用者203の目線の高さを、注視領域算出部109で推定しても良い。
図11の(a)〜(c)に、車椅子利用者203の注視領域の例を、平面図、側面図、及び背面図で示す。図11には、車椅子利用者203が椅子206Bの注視位置を注視している状況においても、椅子206B以外の物体を容易に認知することが可能と考えられる注視領域1101を示している。なお、図11において、椅子206A、及び、椅子206Aの注視領域は、図の見易さの観点から省略してある。
また、図12に、現時刻から前記所定の時間内の時間軸を含めた4次元(x,y,z,t)コンフィギュレーション空間(ただし、図面にはz軸の記載は省略してある。)における、車椅子利用者203の注視領域の例を示す。ただし、x,y,z方向は建物の3次元空間の座標軸であり、tは時間である。符号703Aは、時刻14時23分15秒600における車椅子利用者衝突領域703を示す。符号206B_Aは、同時刻における椅子206Bを示す1101Aは、同時刻における注視領域1101を示す。また、符号703Bは、時刻14時23分18秒600における車椅子利用者衝突領域703を示す。符号206B_Bは、同時刻における椅子206Bを示す。符号1101Bは、同時刻における注視領域1101を示す。なお、注視領域1101A〜1101Dは、上面図として見たときの領域を示している。これらは、z軸方向の高さが0cmのときの注視領域を示したものではなく、さらに、自律走行装置204を点701と見なすため、自律走行装置204の形状に基づいて、x,y,z方向に拡張がなされているものとする。
<経路生成部110>
経路生成部110は、走行情報生成部の一例として機能し、環境データベース104から障害物の位置情報と、接近時刻算出部107から接近時刻と、注視領域算出部109から種別が車椅子利用者203である前記移動体の注視領域とを受け取ると、前記接近時刻よりも早い時刻に、前記自律走行装置204の一部、もしくは、全体が前記注視領域に含まれる経路情報を生成する。経路生成部110で生成した経路情報は、走行情報の一例であり、自律走行装置データベース103に記録される。また、経路生成部110は、移動方向算出部106で算出して移動方向算出部106から入力された移動方向を維持し、自律走行装置204が等速直線運動をするものとし、時間軸を含めた3次元コンフィギュレーション空間を作成する(図12参照)。
これは、図12の前記4次元(x,y,z,t)空間内において、点701で表現された自律走行装置204を、拡張領域702(図13B参照)内に侵入させず、且つ、注視領域1101内に少なくとも1度は侵入させて、目標位置(1000,150)に移動させることを考えれば良い。第1実施形態では、説明を簡潔にするため、自律走行装置204は平行移動するロボットであると考える。もし、自律走行装置204が回転移動を伴うロボットである場合、経路探索を行う空間は、回転軸を含めた5次元(x,y,z,t,θ)空間となる。なお、同空間内に車椅子利用者203以外の移動者(例えば、健常歩行者)が存在していた場合、車椅子利用者203又は障害物206と同様に、前記コンフィギュレーション空間中に、自律走行装置204が走行できない空間としての立柱が作成される。
また、具体的な経路生成の方法としては、例えば、ダイクストラ法などを用いることが考えられるが、ダイクストラ法の詳細に関しては後述する。
<走行制御部113>
走行制御部113は、一例として、速度指令値変換部111と車輪制御部112とより構成される。
速度指令値変換部111は、走行情報取得部の一例として機能する。速度指令値変換部111は、自律走行装置データベース103に記録されている経路情報(に含まれる速度情報)を取得し、取得した経路情報に基づいて、前記自律走行装置204の速度指令値を算出する。前記自律走行装置204が2輪で移動するロボットであった場合、各車輪115(図26参照)をモータなどの駆動装置114でどの方向(順回転か逆回転か)にどの速度で回転させるかを速度指令値変換部111で算出する。
車輪制御部112は、駆動装置制御部の一例として機能する。車輪制御部112は、速度指令値変換部111にて算出した各車輪の回転方向、及び、回転速度に基づいて、前記自律走行装置204の各車輪115を駆動するように駆動装置114を制御する。
<動作>
次に、以上のように構成された走行情報生成装置100の各構成要素の動作に関して、まず、図14を基に、大まかな流れを説明したのち、図15を基に、具体的な動作について説明する。
<ステップS1>
まず、図14のステップS1において、位置取得部の一例である観測装置101により車椅子利用者203の位置を所定の時刻毎に取得する。
<ステップS2>
次に、ステップS2において、観測装置101で取得した車椅子利用者203の位置を、観測情報処理部105により位置履歴データベース102に記録する。
<ステップS3>
次に、ステップS3において、位置履歴データベース102に記録された情報に基づき、車椅子利用者203の移動方向と移動速度とを、移動情報算出部の一例である移動方向算出部106で算出する。
<ステップS4>
次に、ステップS4において、自律走行装置データベース103に記録されている走行情報と、位置履歴データベース102に記録された車椅子利用者203の位置と、移動方向算出部106で算出した車椅子利用者203の移動方向と移動速度とより、自律走行装置204と車椅子利用者203とが前記所定の距離以内に接近する時刻を接近時刻算出部107で算出する。
<ステップS5>
次に、ステップS5において、障害物データベースの一例である環境データベース104と、位置履歴データベース102に記録された車椅子利用者203の位置と、移動方向算出部106で算出した車椅子利用者203の移動方向と移動速度とより、車椅子利用者203の注視位置を注視位置取得部108で取得し、取得された注視位置と前記車椅子による移動者の位置と移動方向とを基に注視領域を注視領域算出部109で算出する。
<ステップS6>
次に、ステップS6において、環境データベース104からの障害物の位置情報と、接近時刻算出部107からの接近時刻と、注視領域算出部109から種別が車椅子利用者203である前記移動体の注視領域とを基に、接近する時刻より前の時刻に注視領域内を自律走行装置204が走行する走行情報である経路を経路生成部110で生成する。
<ステップS7>
次に、ステップS7において、経路生成部110で生成した走行情報を、経路生成部110により自律走行装置データベース103に記録する。
<ステップS8>
次に、ステップS8において、走行制御部113により、自律走行装置データベース103に記録された走行情報に基づいて走行するよう自律走行装置204を制御する。
以上が、走行情報生成装置100での走行情報生成動作の概要である。
次に、図15は、第1実施形態における走行情報生成装置100の走行情報生成処理動作を詳細に示すフローチャートである。
<ステップS401>(先のステップS1に対応)
まず、観測装置101の一例であるタグリーダ202を用いて、観測範囲の一例である通路201内に存在するタグ205の検出を行う。ここでは、自律走行装置204が所持するタグ205Rと、車椅子利用者203が所持するタグ205Aとが検出されると仮定する。
<ステップS402>(先のステップS1に対応)
次に、タグリーダ202の観測範囲内に存在する移動体を検出したか否かを観測装置101(具体的にはタグリーダ202)で判断する。タグリーダ202は、自律走行装置204が所持するタグ205Rと、車椅子利用者203が所持するタグ205Aとを検出しているため、走行情報生成処理はステップS403に進む。仮にタグリーダ202がタグ205を検出しなかった場合は、走行情報生成処理はステップS411に進む。
<ステップS403>(先のステップS1に対応)
次に、観測情報処理部105が、タグリーダ202が検出したタグ205に記録されているタグ情報から、タグ205を所持している前記移動体のIDと種別とを決定する。また、アンテナ202Aがタグ205の検出に要した時間から、アンテナ202Aとタグ205との距離を求めることができるため、3台以上のアンテナ202Aがタグ205を検出していた場合、3点測量の原理に基づいて、タグ205の位置を観測情報処理部105で算出することができ、観測情報処理部105において、前記位置を、タグ205を所持する前記移動体の位置とする。
<ステップS404>(先のステップS2に対応)
次に、観測情報処理部105が求めた前記移動体のIDと種別と位置とを、タグリーダ202がタグ205を検出した時刻と共に、位置履歴データベース102に記録する。一例として、図7の位置履歴データベース102では、時刻14時23分15秒400には、移動体IDがTAG_001の自律走行装置204が座標(0,150)に存在し、移動体IDがTAG_002の車椅子利用者203が座標(1000,200)に存在している。
<ステップS405>(先のステップS3に対応)
次に、移動方向算出部106が、位置履歴データベース102からの情報に基づいて、タグリーダ202の前回観測における、少なくとも種別が車椅子利用者203である前記移動体の位置の取得と、移動方向と移動速度との算出を行う。
一例として、図7によると、タグリーダ202の前回観測における各移動体の位置は、時刻14時23分15秒600に、移動体IDがTAG_001の自律走行装置204が座標(20,150)に存在し、かつ、移動体IDがTAG_002の車椅子利用者203が座標(980,200)に存在しており、前記位置(座標)を位置履歴データベース102から移動方向算出部106が取得する。また、位置履歴データベース102に記録されている前記移動体の位置の履歴に基づいて、前記移動体の移動方向と移動速度との算出を移動方向算出部106で行う。図7によると、現在を14時23分15秒600とすると、この時刻に、移動体IDがTAG_001の自律走行装置204は、+X座標方向に秒速1mの速度で移動しており、移動体IDがTAG_002の車椅子利用者203は、−X座標方向に秒速1mの速度で移動している。ここで、移動速度は、例えば、使用した履歴の観測情報における平均速度とすることができる。また、移動方向は、例えば、最小二乗法などを用いて求めることができる。なお、図7に示した位置履歴データベース102の例では履歴の数は3個であるが、前記移動体の移動速度と移動方向を算出するために用いる履歴の数は、少なくとも2個以上あれば良い。
<ステップS406>(先のステップS4に対応)
次に、接近時刻算出部107が、自律走行装置データベース103に記録されている走行情報と、車椅子利用者203の位置と移動方向と移動速度とに基づいて、現時刻(タグリーダ202が最後に観測を行った時刻)から所定の時間内において、自律走行装置204と車椅子利用者203とが所定の距離以内に接近するか否かを判断する。自律走行装置204と車椅子利用者203とが所定の距離以内に接近すると接近時刻算出部107で判断される場合には、自律走行装置204と車椅子利用者203とが所定の距離に接近するときの接近時刻を接近時刻算出部107で算出する。このとき、自律走行装置204は、自律走行装置データベース103に記録された経路情報に従い移動しているものとし、車椅子利用者203は、移動方向算出部106が算出した移動速度と移動方向を維持し、等速直線運動するものと考える。なお、このステップS406では、自律走行装置データベース103に記録されている走行情報を参照するが、その走行情報は、自律走行装置204が走行を開始した時点で(言い換えれば、車椅子利用者203を検出する前の時点で)、経路生成部110で現在位置から目標位置までの走行経路が生成されて自律走行装置データベース103に記録されている。すなわち、車椅子利用者203を検出していない間も経路は経路生成部110で生成されている。これは、路面状況又は風の影響によって、自律走行装置204が速度指令値の通りに走行できなかった場合に、走行経路の再調整を行うことが望ましいためである。仮に、自律走行装置204の走行に誤差が発生しにくい環境において自律走行装置204を稼動させる場合には、車椅子利用者203を検出していない間の経路を生成するのは1回でも構わない。
先に述べたように、所定の距離以内に接近するか否かを接近時刻算出部107で判断する方法としては、例えば、コンフィギュレーション空間を接近時刻算出部107で作成し、その後、時間軸を含めた空間において、自律走行装置204の軌跡が車椅子利用者203により形成される領域に内包されるか否かにより接近時刻算出部107で判断する方法が考えられる。
コンフィギュレーション空間とは、空間(次元)を拡張し、自律走行装置204を点と見なすことで、経路計画を容易にする方法であり、ロボットの経路計画によく用いられる。図13A及び図13Bにコンフィギュレーション空間の一例を示す。図13Aは、コンフィギュレーション空間を作成する前の通路201における障害物と前記自律走行装置204との配置を示しており、図13Bは、コンフィギュレーション空間作成後の状況を示している。自律走行装置204は点701と表現されており、自律走行装置204の大きさの分、周囲の障害物が拡張されている(拡張領域702)。ここで、車椅子利用者203が形成する拡張領域702を車椅子利用者衝突領域703と呼ぶこととする(車椅子利用者203の存在する領域も含む。)。これは、車椅子利用者衝突領域703に点701が侵入すると、自律走行装置204と車椅子利用者203が衝突することを意味する。
ここで、自律走行装置204と車椅子利用者203とが近接してすれ違いを行う場合において、仮に車椅子利用者203が自律走行装置204の存在に気付いておらず急な方向転換を行った場合には、自律走行装置204と車椅子利用者203とが衝突してしまう恐れがある。
そのため、車椅子利用者203が急な方向転換を行ったとしても、自律走行装置204が緊急停止などの行動を取ることによって未然に衝突を防止できる余裕距離を設定しておく必要がある。そこで、この余裕距離を前記所定の距離と接近時刻算出部107において設定する。第1実施形態では、一例として、前記所定の距離を、車椅子利用者203から前後方向及び左右方向のそれぞれに50cmの距離とする。この所定の距離を考慮した車椅子利用者203が形成する前記拡張領域を、車椅子利用者危険領域704と呼ぶこととする(車椅子利用者危険領域704は車椅子利用者衝突領域703を含む。)。また、前記所定の時間としては、例えば、自律走行装置204が次の中継位置、もしくは、目標位置に到着する時刻などと接近時刻算出部107において設定しておくことができる。仮に、次の中継位置が目前に迫っていた場合には、さらに次の中継位置、もしくは、目標位置に到着する時刻などと接近時刻算出部107において設定しても良い。なお、第1実施形態では、一例として、次の目標位置に到着する時刻を所定の時刻とし、14時23分25秒400の時刻になる前に、自律走行装置204と車椅子利用者203とが所定の距離以内に接近するか否かを接近時刻算出部107で判断する。また、現時刻とは、タグリーダ202が最後に観測を行った時刻であり、図7の位置履歴データベース102の例によると、時刻14時23分15秒600を現時刻とする。
次に、図16に時間軸tを追加し、(x,y,t)の3次元空間における自律走行装置204の点701と車椅子利用者危険領域704との移動図を示す。なお、図16においては、椅子206が形成する拡張領域702は、図の見易さの観点から省略してある。前記3次元空間において、自律走行装置204を表す点701の軌跡の一部でも、車椅子利用者危険領域704が表す立体に含まれていた場合には、自律走行装置204と車椅子利用者203とが前記所定の距離以内に接近すると接近時刻算出部107で判断する。自律走行装置204と車椅子利用者203とが前記所定の距離以内に接近すると接近時刻算出部107で判断した場合には、走行情報生成処理はステップS407へ進む。自律走行装置204と車椅子利用者203とが所定の距離以内に接近しないと接近時刻算出部107で判断した場合には、走行情報生成処理はステップS411へ進む。時間軸tを考慮した、自律走行装置204の一例であるロボットの移動体回避技術には、例えば、非特許文献2(坪内孝司「平面を移動する複数の移動障害物とその速度を考慮した移動ロボットのプランニングとナビゲーション」日本ロボット学会誌, 1994)に開示された技術が知られている。
<ステップS407>(先のステップS4に対応)
次に、接近時刻算出部107が、自律走行装置204と車椅子利用者203とが前記所定の距離以内に接近すると判断した場合、自律走行装置204と車椅子利用者203とが、初めて前記所定の距離に近づく時刻を接近時刻算出部107で算出する。これは、図16に示した前記3次元空間における自律走行装置204の点701の軌跡と車椅子利用者危険領域704の接点とを接近時刻算出部107で求めれば良い。接点が複数存在する場合は、時刻tが最も早い位置で接している時刻を、自律走行装置204と車椅子利用者203とが、初めて前記所定の距離に近づく時刻とする。なお、図16に示した例では、時刻14時23分19秒950に、自律走行装置204と車椅子利用者203とが初めて前記所定の距離に近づいていることが示されている。
<ステップS408>(先のステップS5に対応)
次に、注視位置取得部108が、接近時刻算出部107から前記接近時刻が出力された場合にのみ、移動方向算出部106から出力された車椅子利用者203の移動状態(位置、移動方向、移動速度)と環境データベース104に記録されている障害物情報とに基づいて、現時刻から前記所定の時間内の、車椅子利用者203が注視を行う割合が多いと予測される注視位置を取得し、走行情報生成処理はステップS409に進む。先に述べたように、図8A及び図8Bに環境データベース104の一例を示す。注視位置取得部108は、注接近時刻算出部107から前記接近時刻が出力されなかった場合には注視位置を取得せずに、走行情報生成処理はステップS411に進む。
<ステップS409>(先のステップS5に対応)
次に、注視領域算出部109が、移動方向算出部106からの車椅子利用者203の移動状態と注視位置取得部108からの前記注視位置とに基づいて、現時刻から前記所定の時間内の、車椅子利用者203が注視を行う割合が多いと予測される注視領域を算出する。
<ステップS410>(先のステップS6,S7に対応)
次に、経路生成部110が、環境データベース104からの障害物の位置情報などと、接近時刻算出部107からの接近時刻と、注視領域算出部109から種別が車椅子利用者203である前記移動体の注視領域とを基に、前記接近時刻よりも早い時刻でかつ前記所定の時間内に、少なくとも自律走行装置204の一部が、前記注視領域内に含まれるような経路情報を生成して、自律走行装置データベース103に記録する。
先に述べたように、具体的な経路生成の方法としては、例えば、ダイクストラ法を用いることが考えられる。ダイクストラ法とは、重み付グラフ上の最短経路探索問題を解決するための一手法である。図17A〜図17Fにダイクストラ法を用いた最短経路探索の例を示す。図17Aに解決すべき重み付グラフを示している。前記グラフは、ノードが6個配置されており、ノード間を移動できる場合にはアークでノード間が接続されている。アーク上に表示されている数値が重みとなっている。今回は、ノード1からノード6に向かうときの最短経路を経路生成部110で求めることとする。まず、ノード1から最小の重みで移動可能なノードを経路生成部110で探索する。すると、ノード3に重み3で移動可能であることが分かる(図17B)。次に、ノード1から最小の重みで移動可能な別のノードを探索する。すると、ノード2に重み4で移動可能であることが分かる(図17C)。同様に、ノード1から最小の重みで移動できる、さらに別のノードを探索する。すると、ノード6に重み6で移動可能であることが分かる(図17D)。次いで、ノード1からの最小の重みで移動可能なノード3を基に、ノード3から、最小の重みで移動できるノードを探索する。すると、ノード5に重み4で移動可能であることが分かる(図17E)。これらの処理を繰り返し行うことにより、ノード1からノード6に向かうときの最短経路(言い換えれば、重みが最小となる経路)を探索する。すると、ノード1からノード2を経てノード6に向かう経路が、4+6=10の最小の重みとなる。よって、最終的にノード1からノード6に到着するための、最小の重みを持った経路を生成することが可能となる(図17F)。
第1実施形態でこのダイクストラ法を適用する具体的な方法としては、まず、ノードの設定を経路生成部110で行う。前記4次元空間を経路生成部110でメッシュに区切る(メッシュの交点をノード、ノード間をアークとする。)。なお、メッシュの間隔は、自律走行装置データベース103に記録されている自律走行装置204の速度情報に基づいて経路生成部110で決定する。例えば、自律走行装置204の速度が遅ければ、時間軸の間隔を広く、x,y軸の間隔を狭くメッシュを区切る。もし、時間軸を1秒間隔、x,y軸を200cm間隔でメッシュを区切った場合、ノード間を移動するためには、自律走行装置204は200cm/s以上の速度で移動しなくてはならない。一例として、第1実施形態における自律走行装置204の最大速度は100cm/sであることから、ダイクストラ法を用いて経路の解を見つけることができなくなる。なお、ノードの設定方法はこれに限る必要はなく、例えば、ボロノイ図などを利用しても構わない。ボロノイ図とは、複数存在する点群の隣接する2点を結ぶ線分の垂直二等分線の一部により構成される図であり、前記線分をアーク、前記線分の交点をノードとすることができる。
次に、自律走行装置204を注視領域1101内に進入させるための中継位置の設定を経路生成部110で行う。中継位置の(x,y)座標に関しては、一例として、車椅子利用者203の安全性を考慮し、車椅子利用者203から離れた注視領域110内の位置に経路生成部110で設ける。
中継位置のz座標に関しては、自律走行装置204の点701の高さの注視領域110内の位置(第1実施形態の場合は、一例として、100cm)としておく。
中継位置の時刻tに関しては、一例として、自律走行装置データベース103に記録されている自律走行装置204の速度情報に基づいて、自律走行装置204が設定した(x,y,z)座標に到達できる注視領域110内の時刻に経路生成部110で設定する。
次に、初期ノードの設定を経路生成部110で行う。初期ノードの位置は、現時刻における自律走行装置204の点701の位置(20,150,100)である。
次に、目標ノードの設定を経路生成部110で行う。目標ノードの位置は、前記目標位置(100,150,100)とする。
なお、新たに生成する経路は、注視領域1101を経由することになるため、目標ノードの時刻tは余裕を持って経路生成部110で設定しておいても構わない。一例としては、自律走行装置204が目標位置へ直線移動した場合にかかる時間の、更に5秒後を目標ノードの時刻tとするなどが考えられる。経路生成部110において前記初期ノードと中継ノードと目標ノードとの設定が終わると、まず、前記初期ノードから前記中継ノードに移動する経路をダイクストラ法により経路生成部110で求める。前記経路が経路生成部110で求まった場合、次に、前記中継ノードから前記目標ノードに移動する経路をダイクストラ法により経路生成部110で求める。これにより、前記初期ノードから前記目標ノードに移動する経路、つまり、現時刻における自律走行装置204を、注視領域1101を経由して目標位置に移動させることのできる経路を経路生成部110で求めることができる。
なお、ダイクストラ法は、全ての可能性を探索し最短経路を求める方法であるため、前記中継ノードと前記目標ノードとは、それぞれ1つに限らず、複数設けておいて構わない。そのような場合も、前記中継ノードを通過し、前記目標ノードに到達する複数の経路候補の中から最短の経路が経路生成部110で選択されることとなる。
ここで、自律走行装置204が上下運動できない場合は、自律走行装置204の点701をz軸方向に移動させることができない。これは、ダイクストラ法でz軸方向の移動を伴うノード間の移動は行えないことを意味する。つまり、自律走行装置204の点701の高さ以外のz位置に前記中継位置又は前記目標位置を設定した場合、経路の解を見つけることができなくなる。
点701の高さに注視領域1101が存在する場合には、経路の解が見つかる可能性はあるが、点701の高さに注視領域1101が存在しない場合には、経路の解が見つかることはない。この場合、例えば、経路生成部110が環境データベース104に記録されている障害物情報を参照することによって、自律走行装置204の上空には障害物が存在しないことを経路生成部110で確認することを前提として、自律走行装置204の高さの範囲内において点701のz軸方向の移動を経路生成部110で許可することも考えられる。これにより、点701の高さ以外のz位置に前記中継位置もしくは前記目標位置を設定したとしても、経路生成部110で経路の解を見つけることが可能になる。
なお、多次元空間での自律走行装置204の経路生成を経路生成部110で行うにあたって、計算量の問題が発生する場合には、例えば、RRTs(Rapidly‐explorihg Random Trees)などの経路生成方法を用いることができる。これは、初期ノードからランダムな位置にノードを生成していく方法となっており、必要な数のノードだけを逐次生成するため、計算量の増加を抑制することが可能となっている。これについては、非特許文献3(Steven M. Lavalle, James J. Kuffner: Randomized Kinodynamic Planning. Robotics and Automation, 1999. Proceedings. 1999 IEEE International Conference on, pp473‐479)に開示されている。なお、経路生成方法はこれに限るものではなく、その他の経路生成手法として、例えば、確率的ロードマップ法、又は、Aアルゴリズムを利用しても良い。
ここで、Aアルゴリズムを経路生成部110で利用して経路の生成を行う例を、図18A〜図18Dを用いて説明する。図18Aには、車椅子利用者203が静止障害物(静止障害物の図示は省略する)を注視することによって生じる注視領域2601と、自律走行装置204の現在位置(観測装置101が最後に観測を行った時刻の位置)2602Aと、自律走行装置204の目標位置2602Bと、車椅子利用者203の現在位置(観測装置101が最後に観測を行った時刻の位置)2603とが示されている。上述したダイクストラ法を用いて、自律走行装置204が注視領域2601に一旦進入し、且つ、自律走行装置204が目標位置2602Bへ向かう経路を生成すると、図18Bに示されるような最短経路が生成されることとなる(説明を簡単にするため、時間軸は省略してある。つまり、車椅子利用者2603は停止しているものとする)。Aアルゴリズムでは、各アークに、アークを移動する際の重みを定義することが可能となっている。例えば、急な坂道になっており走行に負担がかかる、また、周囲に貴重品が設置されており慎重に徐行しなければいけない、など、走行に何かしらの制限がかかる場合に、アークに重みを与えておくことができる。これによって、単に最短経路ではない周囲の状況に合わせた最適な経路を経路生成部110で生成することが可能となる。図18Cに、自律走行装置204が、注視領域2601に進入するときの危険性を重みとして加えたときの様子を示す。例えば、車椅子利用者2603から近い位置で注視領域2601に進入するアークには、車椅子利用者2603は、急な自律走行装置204の出現に驚いてしまう可能性があるため、重みを大きく設定してある。また、車椅子利用者2603から遠い位置で注視領域2601に進入するアークには、車椅子利用者2603は、自律走行装置204の出現に驚く可能性が低いため、重みを低く設定してある。このような重みを加味して経路を経路生成部110で生成すると、図18Dに示すような、走行距離的には少し長くなるが、車椅子利用者203にとって、より安全な自律走行装置204の走行経路を経路生成部110で生成することが可能となる。これまでの説明では、車椅子利用者203の危険性の観点で重みを設定しているが、自律走行装置204と障害物との接触の危険性の観点で重みを設定しても構わない。また、車椅子利用者203の危険性と、自律走行装置204と障害物との接触の可能性の両方を加味して重みを設定しても構わない。例えば、自律走行装置204が減速しつつ注視領域2601に進入したとしても、車椅子利用者203が余裕をもって自律走行装置204の存在を認識できる程度の、十分な距離が自律走行装置204と車椅子利用者203との間で確保されていた場合、自律走行装置204は、前記静止障害物との接触の可能性を軽減するため、減速を行いつつ注視領域2601に進入するような経路を生成することも可能である。また、別の例として、自律走行装置204と移動体(車椅子利用者203)との距離が近い(位置関係が近い)場合には、自律走行装置204が移動するアーク(ノード間)に重みを付けることによって、生成する経路に前記アークを選択されにくくすることができる。より具体的には、例えば、実際の距離に前記重みを掛けた数値を仮想距離とし、前記仮想距離が最短となる経路を選択して経路を経路生成部110で生成する。なお、重みは、移動体に近づくほど重くするなど、予め設定した指標に基づいて決定するものとする。
よって、経路生成部110は、障害物の位置情報など{より具体的には、自律走行装置204と移動者(車椅子利用者203)との位置関係、又は/且つ、自律走行装置204と障害物との位置関係}の情報と、接近時刻算出部107より算出した接近時刻と、注視領域算出部109より算出した注視領域とに基づいて、接近時刻より所定の時刻前に注視領域内へ自律走行装置204を走行させる経路情報を生成して、自律走行装置データベース103に記録する。
<ステップS411>
ステップS411では、自律走行装置204が、予め設定されている目標位置に向かうための経路を生成する。具体的な経路の生成手法に関しては、ステップS401で説明したものと同等である。
<ステップS412>(先のステップS8に対応)
以上のような方法により経路生成部110で生成した新たな経路を、経路生成部110から自律走行装置データベース103の移動経路情報に記録し、以後、自律走行装置204は前記新経路の情報に基づいて走行を行う。なお、経路の解が見つからなかった場合には、車椅子利用者203の安全性を確保するため、自律走行装置204と車椅子利用者203とが前記所定の距離以内に接近している状況においては、自律走行装置204の走行を一時停止させても良い。その後、走行情報生成処理はステップS401に戻る。なお、走行情報生成処理が、ステップS402又はステップS406又はステップS408からステップS412に進んだ場合には、車椅子利用者203を検出していない間に生成されていた経路情報に基づいて自律走行装置204は走行する。
<効果>
本発明の第1実施形態によれば、車椅子による移動者(車椅子利用者203)がいる場合でも、車椅子利用者が注視する割合の高い足元の障害物を注視する領域内に自律走行装置を走行させるような走行情報を、走行情報生成装置100で生成することができる。よって、車椅子利用者に対して自律走行装置の存在をより確実に認識させることができる。
従って、例えば、建物の一例としての病院内に、自律走行装置204の具体的な例として薬剤自動搬送用のロボット等が導入されて、入院患者等が存在する廊下を薬剤自動搬送用のロボットが自律的に動作するシステムが導入されている場合にも、第1実施形態を適用することができる。一方で、病院等においては、入院患者等は、転倒を恐れるため、足元の障害物に気を配り、視線が低くなる傾向がある。そのため、一般の健常者に比べ、入院患者等は視野が狭くなっていることが多い。特に、図19で説明するように、健常者17の注視領域は広い(図19の左図を参照。)のに対して、車椅子利用者203の注視領域は、足元を中心に遠方まで、注視しておらず、健常者17の注視領域より狭い(図19の右図を参照。)ことが多い。このような状況において、自律走行装置204の具体的な例としての自律的に移動するロボット等が病院内を移動する場合には、車椅子を利用する患者がいることを想定して、経路を計画する必要がある。このような場合に、第1実施形態によれば、車椅子利用者203の注視する足元側の領域の方向に自律走行装置204が走行することで、自律走行装置204の出現に驚くことなく、車椅子利用者203に自律走行装置204の存在を気付かせることができる。これにより、車椅子利用者203に対して自律走行装置204の存在をより確実に認識させることができて、車椅子による移動者(車椅子利用者203)がいる場合でも、車椅子利用者203に対して自律走行装置204の存在をより確実に認識させることができる。
(第2実施形態)
第1実施形態の走行情報生成装置100においては、車椅子利用者203の位置に応じて、廊下等に存在する障害物がある状況で、前記車椅子利用者203の注視領域を考慮して、ロボットが移動する方向を決定するものである。これに対して、第2実施形態の走行情報生成装置100Bにおいては、簡単に言えば、患者の有するタグで診療科等を特定し、患者が確認しそうな案内板位置を特定し、その案内板の位置を利用して注視領域を拡大するものである。
まず、第2実施形態の走行情報生成装置100Bの特徴を説明する前に、前提となる病院内での患者の行動状況について説明する。病院内において車椅子で移動する患者は、治療を受けることを目的に来院していることが多く、病院内での掲示物を確認しながら、移動することが多い。また、患者は、病院内において、診察券又はカルテを持参して移動していることが多いため、その中にタグを埋め込むことにより、患者が診察又は処置又は検査又は手術又は機能訓練を受けるか又は精算をする又は薬をもらうなどの診療科等(診療科、処置室、臨床検査室、手術室、機能訓練室、精算窓口、薬局など病院内の施設)の情報を特定することも可能である。以下は、説明を簡単にするため、患者が診療科を受診する場合について説明するが、診療科以外の他の場所に行って処置などを受ける場合も、同様である。患者が、どの診療科を受診するかを特定することで、前記患者が注視する掲示物も、ある程度特定することが可能になる。
そこで、第2実施形態においては、図20に示すように、第1実施形態に対して、さらに、患者情報蓄積部1401と、患者確認空間特定部1402とをさらに備えて、注視領域算出部109では、患者情報蓄積部1401の情報などを基に、患者確認空間特定部1402で特定された患者が確認する可能性がある掲示物の空間的位置情報(例えば掲示位置)から、車椅子利用者203の注視領域を算出するものである。
患者情報蓄積部1401は、患者が保有するタグの情報と患者との対応関係を蓄積している。
患者確認空間特定部1402は、観測装置101で観測されたタグの情報と、患者情報蓄積部1401で蓄積されているタグと患者との情報の対応関係から、患者が確認すべき掲示情報を特定し、さらに環境データベース104で蓄積されている病院内での掲示情報の空間的位置情報から、患者が確認すべき空間を特定する。
注視領域算出部109では、患者確認空間特定部1402で特定された患者が確認する可能性がある掲示物の空間的位置情報に基づいて、車椅子利用者203の注視領域を算出する。
上記走行情報生成装置100Bの動作について、次に簡単に述べる。基本的には、第1実施形態と同様の動作を行うため、新たに追加された部分について説明する。
患者情報蓄積部1401においては、図21に示すように、タグIDに対して、前記タグを保有する患者IDと、その患者が受診する診療科と、さらには、その診療科における治療内容とが蓄積されている。これらの情報は、病院内で患者に対してタグを渡すときに、患者のカルテ等に記載されている内容とタグIDとの対応を登録するものである。
次に、観測装置101においては、患者が保有するタグのIDを観測し、患者確認空間特定部1402においては、所定のタグIDが検出されたときに、前記タグIDを保有する患者の診療科及び診察内容を特定するものである。
また、環境データベース104においては、図8A〜図8Eに示すデータの内容に、さらに、図22A及び図22Bに示すように、患者の注視点に関する情報、具体的には、各診療科に対して、関連する掲示物が病院内のどの位置に掲示されているかの空間的位置情報が蓄積されている。例えば、図22A及び図22Bにおいて、整形外科の診療科に関しては、ドアに掲示されている「整形外科」、又は、病院の廊下に掲示されている「レントゲン室」の表示が該当する。さらに、各掲示物に対して、病院全体に対して各フロアでの基準位置が蓄積されており、さらに、その基準位置から患者が確認する代表座標位置が登録されている。また、掲示物の表示の大きさに関する情報も登録されている。これらの情報から、各掲示物が病院内で、どこに掲示されているかを注視領域算出部109で計算することができる。さらに、車椅子で移動している患者が、その掲示物の情報を確認するかを注視領域算出部109で推定することも可能になる。患者が掲示物を確認することから、掲示物の位置の情報を考慮して注視領域を注視領域算出部109で補正するものである。
ここで、例えば、図23に示すように、車椅子利用者203の注視領域が図23の左図(a)にように設定されている場合でも、車椅子利用者203の患者が保有するタグから、患者が整形外科の治療を受診する患者であることが特定できた場合には、廊下に面した扉に「整形外科」の掲示物があった場合には、患者は、その方向に視線を移動させる可能性が高い。そこで、このような車椅子利用者203においては、注視領域を図23の右図(b)にあるように注視領域算出部109で補正する。
第2実施形態によれば、車椅子利用者203が向かう可能性の高い診療科等の情報とその案内板の位置とを基に、車椅子利用者203の注視領域を注視領域算出部109で補正することができて、車椅子利用者203の注視領域をより正確に作成することができる。よって、車椅子利用者13の注視領域の方向に自律走行装置14をより確実に走行させて車椅子利用者13に自律走行装置14の存在をより確実に気付かせることができる。
(第3実施形態)
第1実施形態の走行情報生成装置100においては、車椅子利用者203の車椅子の操作能力は同一のものとして構成している。しかしながら、車椅子利用者203においては、長い間、車椅子を利用している患者は、障害物等に対して少ない距離で、小回りで回避操作が可能である。一方、車椅子利用の初心者(車椅子初心者)にとっては、障害物に対して回避するのに、多くの距離が必要になる。
そこで、図24に示す第3実施形態の走行情報生成装置100Cにおいては、タグで患者の車椅子の移動履歴に関する特性を特定し、慣れている度合、又は、車椅子の性能(回避特性など)を特定し、容易に回避できる距離を特定するものである。
すなわち、走行情報生成装置100Cは、患者情報蓄積部1401と、回避距離特定部1403とをさらに備えている。
患者情報蓄積部1401は、車椅子利用者203が利用している車椅子の利用履歴又は車椅子の機種に関する情報を予め蓄積する。
回避距離特定部1403は、患者情報蓄積部1401で特定された、患者が利用している車椅子の情報を用いて、車椅子利用者203が容易に回避できる距離を特定する。
また、経路生成部110においては、回避距離特定部1403で特定された距離を用いて、自律走行装置204の回避経路を生成するものである。
上記走行情報生成装置100Cの動作について、次に簡単に述べる。基本的には、第1実施形態と同様の動作を行うため、新たに追加された部分について説明する。
患者情報蓄積部1401においては、図25に示すように、さらに、患者IDに対して車椅子の使用履歴及び車椅子の機種に関する情報が蓄積されている。車椅子利用の車椅子の利用履歴の期間によって、自律走行装置204が接近してきたとき、自律走行装置204に対して容易に回避するための距離が異なり、利用期間が長い車椅子利用者203は、車椅子の操作に慣れていると考えられる。
そこで、図26の右図(b)に示すように、車椅子利用者203が熟練していて、容易に回避するための距離が短い場合には、自律走行装置204は、車椅子利用者203の注視領域に侵入し、車椅子利用者203に対して移動体の存在を気づかせる経路を選択する。一方で、車椅子の操作が熟練していない患者に対しては、図26の左図(a)に示すように、回避するための距離が長くなり、注視領域に移動体が侵入すると、直ちに回避行動をとらなければならない。そこで、このような場合には、自律走行装置204は、注視領域から回避するような経路を選択することとなる。第1実施形態で説明したAアルゴリズムを用いて説明すると、熟練していない車椅子患者(車椅子初心者)の場合、前記注視領域に進入するアークに大きな重みを掛けることになる。その結果、自律走行装置204は、走行距離が大きく増えることになったとしても、前記車椅子患者を大きく回避する、もしくは、前記車椅子患者が通り過ぎるまで停止をする、などの動作をとることとなる。
第3実施形態によれば、タグで車椅子利用者203の車椅子の履歴に関する特性を特定し、慣れている度合、又は、車椅子の性能を特定し、容易に回避できる距離を特定することができる。よって、車椅子利用者203の車椅子に慣れている度合などに基づいて、経路生成部110で、より適切な自律走行装置204の回避経路を生成することができる。その結果、車椅子利用者203の注視領域の方向に自律走行装置204をより確実に走行させて車椅子利用者203に自律走行装置204の存在をより確実に気付かせることができる。
なお、本発明を第1〜第3実施形態及び変形例に基づいて説明してきたが、本発明は、前記の第1〜第3実施形態及び変形例に限定されないのはもちろんである。以下のような場合も本発明に含まれる。
前記各走行情報生成装置の一部又は全部は、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、ハードディスクユニット、ディスプレイユニット、キーボード、マウスなどから構成されるコンピュータシステムである。前記RAM又はハードディスクユニットには、コンピュータプログラムが記憶されている。前記マイクロプロセッサが、前記コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、各部は、その機能を達成する。ここでコンピュータプログラムは、所定の機能を達成するために、コンピュータに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。
例えば、ハードディスク又は半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。なお、前記実施形態又は変形例における走行情報生成装置を構成する要素の一部又は全部を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータを、
建物内の移動者の位置を所定の時刻毎又は時間に対応付けて取得する位置取得部と、
前記位置取得部より取得した前記移動者の種別を識別する移動者識別部と、
前記位置取得部と前記移動者識別部とでそれぞれ取得した前記移動者の位置及び種別を時系列に記録する位置履歴データベースと、
前記位置履歴データベース内の情報より前記移動者の移動方向及び移動速度を算出する移動情報算出部と、
前記建物内を予め定められた経路に従って走行する自律走行装置が第1の位置から第2の位置までを走行するための走行情報を記録する自律走行装置データベースと、
前記位置取得部より取得した前記移動者の位置と、前記移動情報算出部より算出した前記移動者の移動方向及び移動速度と、前記自律走行装置データベースに記録された前記走行情報とより、前記自律走行装置と前記移動者とが所定の距離以内に接近する接近時刻を算出する接近時刻算出部と、
前記建物内に存在する静止物体の位置を、前記静止物体を注視する傾向にある移動者の情報と共に記録した環境データベースと、
前記移動者の位置及び種別と、前記移動者の移動方向と、前記静止物体の位置とに基づいて、前記移動者の注視位置を取得する注視位置取得部と、
前記移動者の位置及び種別と、前記移動者の移動方向と、前記注視位置とに基づいて、前記移動者の注視領域を算出する注視領域算出部と、
前記静止物体の位置と、前記接近時刻と、前記注視領域とを基に、前記接近時刻算出部より算出した前記接近する時刻より所定の時刻前に、前記注視領域算出部より算出した前記注視領域内へ前記自律走行装置を走行させる走行情報を生成する走行情報生成部と、
として機能させるための自律走行装置の走行情報生成プログラムである。
それに代えて、前記プログラムは、コンピュータを、
建物内の車椅子による移動者の位置を所定の時刻毎に取得する位置取得部より取得した前記移動者の位置を時系列に記録する位置履歴データベースと、
前記位置履歴データベース内の情報より前記移動者の移動方向及び移動速度を算出する移動情報算出部と、
前記建物内を予め定められた経路に従って走行する自律走行装置が第1の位置から第2の位置までを走行するための走行情報を記録する自律走行装置データベースと、
前記位置取得部より取得した前記移動者の位置と、前記移動情報算出部より算出した前記移動者の移動方向及び移動速度と、前記自律走行装置データベースに記録された前記走行情報とより、前記自律走行装置と前記移動者とが所定の距離以内に接近する接近時刻を算出する接近時刻算出部と、
前記建物内の障害物の位置を記録した障害物データベースと、
前記移動者の位置と移動方向と前記障害物データベース内の前記障害物の位置とに基づいて、前記移動者の注視位置を取得する注視位置取得部と、
前記移動者の位置と移動方向と前記注視位置とに基づいて、前記車椅子利用者の注視領域を算出する注視領域算出部と、
前記障害物の位置と、前記接近時刻と、前記注視領域とを基に、前記接近時刻算出部より算出した前記接近する時刻より所定の時刻前に、前記注視領域算出部より算出した前記注視領域内へ前記自律走行装置を走行させる走行情報を生成する走行情報生成部と、
として機能させるための自律走行装置の走行情報生成プログラムである。
また、このプログラムは、サーバなどからダウンロードされることによって実行されてもよく、所定の記録媒体(例えば、CD−ROMなどの光ディスク、磁気ディスク、又は、半導体メモリなど)に記録されたプログラムが読み出されることによって実行されてもよい。
また、このプログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
また、それぞれのデータベースは、走行情報生成装置内の構成要素として備える代わりに、図27に第1実施形態の変形例として例示するように、走行情報生成装置内にはデータベースが無く、必要に応じて、通信回線170を介して、走行情報生成装置外のそれぞれのデータベースと情報を出し入れするように構成してもよい。これは、第1実施形態に限らず、他の実施形態でも同様である。
なお、前記様々な実施形態又は変形例のうちの任意の実施形態又は変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
本発明にかかる自律走行装置の走行情報生成装置、自律走行装置、自律走行装置の走行情報生成方法、自律走行装置の走行情報生成プログラムは、移動者(車椅子利用者などの車両操作者、又は、歩行者など)に自律走行装置の存在をより確実に認識させうることができて、一般的に、車椅子利用者などの車両操作者が多く往来する建物である病院、老人ホーム、公共の福祉施設、ショッピングモール、又は、空港等で自律的に走行する自律走行装置の走行情報生成装置、自律走行装置、自律走行装置の走行情報生成方法、自律走行装置の走行情報生成プログラム等として有用である。
本発明は、添付図面を参照しながら実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形又は修正は明白である。そのような変形又は修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。

Claims (16)

  1. 建物内の移動者の位置を所定の時刻毎又は時間に対応付けて取得する位置取得部と、
    前記位置取得部より取得した前記移動者の種別を識別する移動者識別部と、
    前記位置取得部と前記移動者識別部とでそれぞれ取得した前記移動者の位置及び種別を時系列に記録する位置履歴データベースと、
    前記位置履歴データベース内の情報より前記移動者の移動方向及び移動速度を算出する移動情報算出部と、
    前記建物内を予め定められた経路に従って走行する自律走行装置が第1の位置から第2の位置までを走行するための走行情報を記録する自律走行装置データベースと、
    前記位置取得部より取得した前記移動者の位置と、前記移動情報算出部より算出した前記移動者の移動方向及び移動速度と、前記自律走行装置データベースに記録された前記走行情報とより、前記自律走行装置と前記移動者とが所定の距離以内に接近する接近時刻を算出する接近時刻算出部と、
    前記建物内に存在する静止物体の位置を、前記静止物体を注視する傾向にある移動者の情報と共に記録した環境データベースと、
    前記移動者の位置及び種別と、前記移動者の移動方向と、前記静止物体の位置とに基づいて、前記移動者の注視位置を取得する注視位置取得部と、
    前記移動者の位置及び種別と、前記移動者の移動方向と、前記注視位置とに基づいて、前記移動者の注視領域を算出する注視領域算出部と、
    前記静止物体の位置と、前記接近時刻と、前記注視領域とを基に、前記接近時刻算出部より算出した前記接近する時刻より所定の時刻前に、前記注視領域算出部より算出した前記注視領域内へ前記自律走行装置を走行させる走行情報を生成する走行情報生成部と、
    を備える自律走行装置の走行情報生成装置。
  2. 建物内の車椅子による移動者の位置を所定の時刻毎又は時間に対応付けて取得する位置取得部と、
    前記位置取得部より取得した前記移動者の位置を時系列に記録する位置履歴データベースと、
    前記位置履歴データベース内の情報より前記移動者の移動方向及び移動速度を算出する移動情報算出部と、
    前記建物内を予め定められた経路に従って走行する自律走行装置が第1の位置から第2の位置までを走行するための走行情報を記録する自律走行装置データベースと、
    前記位置取得部より取得した前記移動者の位置と、前記移動情報算出部より算出した前記移動者の移動方向及び移動速度と、前記自律走行装置データベースに記録された前記走行情報とより、前記自律走行装置と前記移動者とが所定の距離以内に接近する接近時刻を算出する接近時刻算出部と、
    前記建物内の障害物の位置を記録した障害物データベースと、
    前記移動者の位置と、前記移動者の移動方向と、前記障害物の位置とに基づいて、前記移動者の注視位置を取得する注視位置取得部と、
    前記移動者の位置と、前記移動者の移動方向と、前記注視位置とに基づいて、前記移動者の注視領域を算出する注視領域算出部と、
    前記障害物の位置と、前記接近時刻と、前記注視領域とを基に、前記接近時刻算出部より算出した前記接近する時刻より所定の時刻前に、前記注視領域算出部より算出した前記注視領域内へ前記自律走行装置を走行させる走行情報を生成する走行情報生成部と、
    を備える自律走行装置の走行情報生成装置。
  3. 前記注視位置取得部は、前記移動者の位置と、前記移動者の移動方向及び移動速度と、前記障害物の位置とに基づいて、前記移動者の注視位置を取得し、
    前記注視領域算出部は、前記移動者の位置と、前記移動者の移動方向及び移動速度と、前記注視位置とに基づいて、前記移動者の注視領域を算出する、
    請求項2に記載の自律走行装置の走行情報生成装置。
  4. 前記注視領域算出部は、前記移動者の高さをも参照して前記注視領域が算出される、請求項2に記載の自律走行装置の走行情報生成装置。
  5. 前記移動者の高さは、前記移動者が所持するIDタグに記録されている、身長情報、もしくは、年齢情報、もしくは、座高情報の何れかに基づいて推定される、請求項4に記載の自律走行装置の走行情報生成装置。
  6. 前記走行情報生成部は、前記自律走行装置と前記移動者との位置関係、又は/且つ、前記自律走行装置と前記障害物との位置関係に基づいて、前記接近時刻算出部より算出した前記接近時刻より所定の時刻前に、前記注視領域算出部より算出した前記注視領域内へ前記自律走行装置を走行させる走行情報を生成する、請求項1〜5のいずれか1つに記載の自律走行装置の走行情報生成装置。
  7. 前記走行情報生成部より生成された前記走行情報は、前記自律走行装置データベースに記録される、請求項1〜6のいずれか1つに記載の自律走行装置の走行情報生成装置。
  8. 前記建物は病院であり、前記移動者は患者であるとき、前記病院内において前記患者を識別するための識別子を前記患者は保有しており、
    前記識別子に対して前記病院内での前記患者が受診する診療科の情報を蓄積している患者情報蓄積部をさらに備え、
    前記環境データベースにおいては、さらに、前記患者情報蓄積部で蓄積されている診療科に関する掲示情報と、前記病院内での前記掲示情報の掲示位置に関する情報とが蓄積されており、
    前記位置取得部は、前記移動者が保有する前記識別子の情報を検出し、
    前記位置取得部で検出された前記識別子に対応する前記患者の診療科の情報と、前記診療科に対する前記環境データベースで蓄積されている前記掲示情報の病院内での掲示位置に基づいて前記移動者が確認する情報の掲示位置を特定する患者確認空間特定部をさらに備え、
    前記注視領域算出部では、前記患者確認空間特定部で特定された情報の掲示位置を利用して前記移動者が注視する注視領域を算出する、
    請求項1〜7のいずれか1つに記載の自律走行装置の走行情報生成装置。
  9. 前記識別子は、前記移動者が受診する診療科を特定する識別子であり、
    前記環境データベースでは、前記診療科に対する掲示情報の前記移動者の前記病院内での通路における掲示位置に関する情報が蓄積されており、
    前記注視領域算出部では、前記移動者が確認する掲示情報の空間位置の情報に基づいて前記移動者の注視領域を拡大する、
    請求項8に記載の自律走行装置の走行情報生成装置。
  10. 前記注視領域算出部では、前記注視位置が複数存在した場合、複数存在する注視位置間を結んだ線分、もしくは、領域を注視位置とする、
    請求項1〜9のいずれか1つに記載の自律走行装置の走行情報生成装置。
  11. 前記建物は病院であり、前記移動者は患者であるとき、前記病院内において前記患者を識別するための識別子を前記患者は保有しており、
    前記識別子に対して前記病院内での前記患者が利用する車椅子に関する情報を蓄積している患者情報蓄積部をさらに備え、
    前記位置取得部により前記移動者が保有する前記識別子の情報を検出し、
    前記位置取得部で検出された前記識別子に対応する前記患者の車椅子に関する情報から、前記移動者の前記障害物に対する回避距離を特定する回避距離特定部をさらに備え、
    前記走行情報生成部では、前記注視領域算出部で算出された注視領域と、前記回避距離特定部で特定された前記回避距離とに基づいて、前記走行情報を生成する、
    請求項1〜7のいずれか1つに記載の自律走行装置の走行情報生成装置。
  12. 前記患者情報蓄積部では、前記患者が前記車椅子を利用している期間が長いほど前記回避距離特定部での回避距離が短くなる、
    請求項11に記載の自律走行装置の走行情報生成装置。
  13. 建物内の移動者の位置を所定の時刻毎又は時間に対応付けて取得するとともに前記移動者の種別を識別して取得した前記移動者の位置及び種別を時系列に記録する位置履歴データベース内の情報より前記移動者の移動方向及び移動速度を算出する移動情報算出部と、
    前記位置取得部より取得した前記移動者の位置と、前記移動情報算出部より算出した前記移動者の移動方向及び移動速度と、前記建物内を予め定められた経路に従って走行する自律走行装置が第1の位置から第2の位置までを走行するための走行情報を記録する自律走行装置データベースに記録された前記走行情報とより、前記自律走行装置と前記移動者とが所定の距離以内に接近する接近時刻を算出する接近時刻算出部と、
    前記移動者の位置及び種別と、前記移動者の移動方向と、前記建物内に存在する静止物体の位置を、前記静止物体を注視する傾向にある移動者の情報と共に記録した環境データベースから取得した前記静止物体の位置とに基づいて、前記移動者の注視位置を取得する注視位置取得部と、
    前記移動者の位置及び種別と、前記移動者の移動方向と、前記注視位置とに基づいて、前記移動者の注視領域を算出する注視領域算出部と、
    前記静止物体の位置と、前記接近時刻と、前記注視領域とを基に、前記接近時刻算出部より算出した前記接近する時刻より所定の時刻前に、前記注視領域算出部より算出した前記注視領域内へ前記自律走行装置を走行させる走行情報を生成する走行情報生成部と、
    を備える自律走行装置の走行情報生成装置。
  14. 請求項1〜13のいずれか1つに記載の前記自律走行装置の走行情報生成装置と、
    前記自律走行装置データベースに記録された前記走行情報を取得する走行情報取得部と、
    前記走行情報取得部より取得された前記走行情報に基づいて走行の制御を行なう駆動装置制御部と、
    を備える自律走行装置。
  15. 建物内の移動者の位置を所定の時刻毎又は時間に対応付けて位置取得部で取得し、
    前記位置取得部より取得した前記移動者の種別を移動者識別部で識別し、
    前記位置取得部と前記移動者識別部とでそれぞれ取得した前記移動者の位置及び種別を時系列に位置履歴データベースに記録し、
    前記位置履歴データベース内の情報より前記移動者の移動方向及び移動速度を移動情報算出部で算出し、
    前記建物内を予め定められた経路に従って走行する自律走行装置が第1の位置から第2の位置までを走行するための走行情報を自律走行装置データベースに記録し、
    前記位置取得部より取得した前記移動者の位置と、前記移動情報算出部より算出した前記移動者の移動方向及び移動速度と、前記自律走行装置データベースに記録された前記走行情報とより、前記自律走行装置と前記移動者とが所定の距離以内に接近する接近時刻を接近時刻算出部で算出し、
    前記建物内に存在する静止物体の位置を、前記静止物体を注視する傾向にある移動者の情報と共に環境データベースに記録し、
    前記移動者の位置及び種別と、前記移動者の移動方向と、前記静止物体の位置とに基づいて、前記移動者の注視位置を注視位置取得部で取得し、
    前記移動者の位置及び種別と、前記移動者の移動方向と、前記注視位置とに基づいて、前記移動者の注視領域を注視領域算出部で算出し、
    前記静止物体の位置と、前記接近時刻と、前記注視領域とを基に、前記接近時刻算出部より算出した前記接近する時刻より所定の時刻前に、前記注視領域算出部より算出した前記注視領域内へ前記自律走行装置を走行させる走行情報を走行情報生成部で生成する、
    自律走行装置の走行情報生成方法。
  16. 請求項15に記載の走行情報生成方法をコンピュータに実行させるための走行情報生成プログラム。
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