JP5596409B2 - 水溶性樹脂粒子 - Google Patents
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このような水溶性(共)重合体としては、カチオン性(共)重合体、両性(共)重合体が使用されることが多い。具体的には、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド等の4級塩カチオン性単量体を主成分とし、必要に応じて(メタ)アクリルアミド等のノニオン性単量体を共重合させて得られる(共)重合体、並びにカチオン性単量体、ノニオン性単量体に加えさらに(メタ)アクリル酸等のアニオン性単量体を共重合させて得られる両性共重合体等が挙げられる。
しかしながら、実際の製造では、第2工程で含水ゲルのせん断時に含水ゲルが機械金属表面に付着する、一旦せん断された細断ゲル同士の再付着で細断ゲルのサイズにバラツキが発生する、第3工程での乾燥時に細断ゲルサイズのバラツキにより乾燥物の含水率にバラツキが発生する、該バラツキにより解砕時の粉末粒度分布が広がり、水に溶解させる際に微粉が密集している状態ではままこになりやすいため、水の量と粉末の量の割合を一定にすることで微粉の分散を促す粉体供給機等の特別な装置が必要になる、等の問題があった。
また、特許文献3は、オキシエチレン鎖とオキシプロピレン鎖を含む非イオン性界面活性剤をあらかじめモノマー水溶液に添加して重合させることで、含水ゲルのせん断時における細断ゲルサイズのバラツキを抑制し、ままこの原因となる粉砕時の微粉発生を少なくしようとするものであるが、ゲル同士の再付着防止が十分ではなく、乾燥後の粉砕では微粉発生がやはり避けられないという問題がある。
(1)水溶解時にままこの発生がなく、従来より溶解時間を大幅に短縮できる。
(2)ままこの生成がないため、粉体供給機等の特別な設備が不要となる。
本発明における水溶性ビニルモノマー(a)はエチレン性不飽和基を1個有するモノマーであり、(a)としては下記の(a1)〜(a3)が挙げられる。なお、ここおよび以下において水溶性とは水への溶解度(g/水100g)が1g以上であることを意味するものとする。
下記のもの、これらの塩[例えば無機酸(塩酸、硫酸、リン酸、硝酸等)塩、メチルクロライド塩、ジメチル硫酸塩、ベンジルクロライド塩]、およびこれらの混合物
(a11) 窒素原子含有(メタ)アクリレート[「(メタ)アクリレート」は、アクリレートまたはメタアクリレートを表す。以下同様。]
炭素数(以下、Cと略記)5〜30、例えばアミノアルキル(C2〜3)(メタ)アクリレート、N,N−ジアルキル(アルキル基はC1〜2)アミノアルキル(C2〜3)(メタ)アクリレート[N,N−ジメチルアミノエチルおよび−プロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルおよび−プロピル(メタ)アクリレート等]、複素環含有(メタ)アクリレート[N−モルホリノエチル(メタ)アクリレート等];
(a12) 窒素原子含有(メタ)アクリルアミド誘導体
C5〜30、例えばN,N−ジアルキル(C1〜2)アミノアルキル(C2〜3)(メタ)アクリルアミド[N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等];
(a13) アミノ基を有するエチレン性不飽和化合物
C5〜30、例えばビニルアミン、ビニルアニリン、(メタ)アリルアミン、p−アミノスチレン;
(a14) アミンイミド基を有する化合物
C5〜30、例えば1,1,1−トリメチルアミン(メタ)アクリルイミド、1,1−ジメチル−1−エチルアミン(メタ)アクリルイミド、1,1−ジメチル−1−(2’−フェニル−2’−ヒドロキシエチル)アミン(メタ)アクリルイミド。
下記のもの、およびこれらの混合物
(a21)(メタ)アクリレート
C4以上かつ数平均分子量[以下Mnと略記。測定はゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法による。]5,000以下、例えば水酸基含有(メタ)アクリレート[例えばヒドロキシエチル−、ジエチレングリコールモノ−、ポリエチレングリコール(重合度3〜50)モノ−およびポリグリセロール(重合度1〜10)モノ(メタ)アクリレート]およびアクリル酸アルキル(アルキル基はC1〜2)エステル(C4〜5、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル);
(a22)(メタ)アクリルアミドおよびその誘導体
C3〜30、例えば(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(C1〜3)(メタ)アクリルアミド[N−メチルおよび−イソプロピル(メタ)アクリルアミド等]、N−アルキロール(メタ)アクリルアミド[N−メチロール(メタ)アクリルアミド等];
(a23) 前記(a1)以外の窒素原子含有エチレン性不飽和化合物
C3〜30、例えばアクリロニトリル、N−ビニルホルムアミド、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルスクシンイミド、N−ビニルカルバゾールおよび2−シアノエチル(メタ)アクリレート。
下記のもの、これらの塩[アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム等、以下同じ。)塩、アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム等、以下同じ。)塩、アンモニウム塩およびアミン(C1〜20)塩等]、およびこれらの混合物
(a31) 不飽和カルボン酸
C3〜30、例えば(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、(無水)イタコン酸、ビニル安息香酸、アリル酢酸;
(a32) 不飽和スルホン酸
C2〜20の脂肪族不飽和スルホン酸(ビニルスルホン酸等)、C6〜20の芳香族不飽和スルホン酸(スチレンスルホン酸等)、スルホン酸基含有(メタ)アクリレート[スルホアルキル(C2〜20)(メタ)アクリレート[2−(メタ)アクリロイルオキシエタン、−プロパンおよび−ブタンスルホン酸、3−(メタ)アクリロイルオキシプロパンスルホン酸、4−(メタ)アクリロイルオキシブタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸、p−(メタ)アクリロイルオキシメチルベンゼンスルホン酸等]、スルホン酸基含有(メタ)アクリルアミド[2−(メタ)アクリロイルアミノエタンスルホン酸、2−および3−(メタ)アクリロイルアミノプロパンスルホン酸、2−および4−(メタ)アクリロイルアミノブタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸、p−(メタ)アクリロイルアミノメチルベンゼンスルホン酸等]、アルキル(C1〜20)(メタ)アリルスルホコハク酸エステル[メチル(メタ)アリルスルホコハク酸エステル等]等;
(a33) (メタ)アクリロイルポリオキシアルキレン(アルキレン基はC1〜6)硫酸エステル
(メタ)アクリロイルポリオキシエチレン(重合度2〜50)硫酸エステル等。
水溶性(共)重合体(A)を構成するモノマーとしては、本発明の効果を阻害しない範囲で水溶性ビニルモノマー(a)の他に必要により疎水性ビニルモノマー(x)および架橋性モノマー(y)を併用することができる。
ここおよび以下において疎水性とは水への溶解度(g/水100g)が1g未満であることを意味するものとする。
水不溶性ビニルモノマー(x)は、エチレン性不飽和基を1個有するモノマーであり、(x)としては、以下の(x1)〜(x5)、およびこれらの混合物が挙げられる。
(x1) C6〜23の(メタ)アクリレート
脂肪族または脂環式アルコール(C3〜20)の(メタ)アクリレート[プロピル−、ブチル−、ラウリル−、オクタデシル−およびシクロヘキシル(メタ)アクリレート等]およびエポキシ基(C4〜20)含有(メタ)アクリレート[グリシジル(メタ)アクリレート等];
モノオール(C1〜20)もしくは1価フェノール(C6〜20)のプロピレンオキシド(以下POと略記)付加物の(メタ)アクリル酸エステル[ω−メトキシPPGモノ(メタ)アクリレート、ω−エトキシPPGモノ(メタ)アクリレート、ω−プロポキシPPGモノ(メタ)アクリレート、ω−ブトキシPPGモノ(メタ)アクリレート、ω−シクロヘキシルPPGモノ(メタ)アクリレート、ω−フェノキシPPGモノ(メタ)アクリレート等]およびジオール(C2〜20)もしくは2価フェノール(C6〜20)のPO付加物の(メタ)アクリル酸エステル[ω−ヒドロキシエチル(ポリ)オキシプロピレンモノ(メタ)アクリレート等]等;
エチレン、ノネン、スチレン、1−メチルスチレン等;
(x4) 不飽和アルコール[C2〜4、例えばビニルアルコール、(メタ)アリルアルコール]のカルボン酸(C2〜30)エステル(酢酸ビニル等);
(x5) ハロゲン含有モノマー(C2〜30、例えば塩化ビニル)。
(y1) ビスポリ(2〜4またはそれ以上)(メタ)アクリルアミド
C5〜30、例えばN,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド;
(y2) ポリ(2〜4またはそれ以上)(メタ)アクリレート
C8〜30、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール[ポリ(2〜4)](メタ)アクリレート;
C4以上かつMn6,000以下、例えばジビニルアミン、多価(2〜5またはそれ以上)アミン[C2以上かつMn3,000以下、例えばエチレンジアミン、ポリエチレンイミン(C4以上かつMn3,000以下)]のポリ(2〜20)ビニルアミン、ジビニルエーテル、多価アルコール〔C2以上かつMn3,000以下、例えばアルキレン(C2〜6またはそれ以上)グリコール[エチレングリコール、プロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール(以下、それぞれEG、PG、1,6−HDと略記)等]、ポリオキシアルキレン[Mn2,000〜3,000、例えばポリエチレングリコール(以下、PEGと略記)(分子量106以上かつMn3,000以下)、PPG(分子量134以上かつMn3,000以下)、ポリオキシエチレン(分子量106以上かつMn3,000以下)/ポリオキシプロピレン(分子量134以上かつMn3,000以下)ブロックコポリマー]、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、(ポリ)(2〜50)グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール(以下、それぞれTME、TMP、GR、PE、SOと略記)、デンプン〕のポリ(2〜20)ビニルエーテル等;
C6以上かつMn3,000以下、例えばジ(メタ)アリルアミン、N−アルキル(C1〜20)ジ(メタ)アリルアミン、多価アミン(上記のもの)のポリ(2〜20)(メタ)アリルアミン、ジ(メタ)アリルエーテル、多価アルコール(上記のもの)のポリ(2〜20)(メタ)アリルエーテル、ポリ(2〜20)(メタ)アリロキシアルカン(C1〜20)(テトラアリロキシエタン等);
(y5) エポキシ基含有モノマー
C8以上かつMn6,000以下、例えばEGジグリシジルエーテル、PEGジグリシジルエーテル、GRトリグリシジルエーテル。
水溶性(共)重合体(A)は、水溶性ビニルモノマー(a)を必須構成単位とし、必要により水不溶性ビニルモノマー(x)および架橋性モノマー(y)を構成単位に加えてなる(共)重合体である。
(A)は、公知の水溶液重合(断熱重合、薄膜重合および噴霧重合等、例えば特開昭55−133413号公報に記載のもの)や、公知の逆相懸濁重合(例えば特公昭54−30710号公報、特開昭56−26909号公報、特開平1−5808号公報に記載のもの)を含む種々の重合法[光重合(例えば特公平6−804公報に記載のもの)、沈澱重合(例えば特開昭61−123610公報に記載のもの)、逆相乳化重合(例えば特開昭58−197398号に記載のもの)等]で、ラジカル重合開始剤(d)を用いて製造することができる。
該重合法のうち、有機溶媒等を使用する必要がないこと等工業上の観点から好ましいのは水溶液重合法である。なお、以下においてラジカル重合開始剤(d)を用いる方法をラジカル重合法ということがある。
上記過酸化物は還元剤と組み合わせてレドックス開始剤として用いてもよく、還元剤としては重亜硫酸塩(重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウム、重亜硫酸アンモニウム等)、還元性金属塩[硫酸鉄(II)等]、遷移金属塩のアミン錯体[塩化コバルト(III)のペンタメチレンヘキサミン錯体、塩化銅(II)のジエチレントリアミン錯体等]、有機性還元剤〔アスコルビン酸、3級アミン[ジメチルアミノ安息香酸(塩)、ジメチルアミノエタノール等]等〕が挙げられる。
また、アゾ化合物、過酸化物およびレドックス開始剤はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもいずれでもよい。
連鎖移動定数の定義は、ジェー・ブランドルプおよびイー・エッチ・インマーグト編「ポリマー・ハンドブック(第4版)」、ジョン ウィレー アンド サンズ刊(J.Brandrup and E.H.Immergut編のPolymer Handbook
fourth edition,JOHN WILEY & SONS)の97〜98頁に記載されている。
本発明における連鎖移動定数は、「高分子合成の実験法」[化学同人(株)、1993年刊行]等に記載されている一般的な方法を用いて測定される、60℃のアクリルアミドへの連鎖移動定数であるものとする。
(1)1価チオール
脂肪族チオール(C1〜20、例えばメタンチオール、エタンチオール、プロパンチオール、n−オクタンチオール、n−ドデカンチオール、ヘキサデカンチオール、n−オクタデカンチオール、2−メルカプトエタノール、メルカプト酢酸、3−メルカプトプロピオン酸、1−チオグリセロール、チオグリコール酸モノエタノールアミン、チオマレイン酸、メルカプトコハク酸、システイン、システアミン)、脂環含有チオール(C5〜20、例えばシクロペンタンチオール、シクロヘキサンチオール)、芳香環含有チオール(C6〜12、例えばベンゼンチオール、チオサリチル酸、チオクレゾール、チオキシレノール、チオナフトール)および芳香脂肪族チオール(C7〜20、例えばα−トルエンチオール)等;
ジチオール[脂肪族ジチオール(C2〜40、例えばエタンジチオール、ジエチレンジチオール、トリエチレンジチオール、n−、i−およびsec−プロパンジチオール、1,3−および1,4−ブタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、ネオペンタンジチオール、トリエチレングリコールジチオール)、脂環式ジチオール(C5〜20、例えばシクロペンタンジチオール、シクロヘキサンジチオール)、芳香族ジチオール(C6〜16、例えばベンゼンジチオール、ビフェニルジチオール)および芳香脂肪族ジチオール(C8〜20、例えばキシレンジチオール)等。
また、重合中は所定重合温度を一定(例えば所定重合温度±5℃)に保つように、適宜加熱、冷却して調節してもよいし、比較的低温(例えば15〜35℃)で重合を開始させ、一定時間(例えば1〜3時間)重合後に昇温(例えば55〜80℃)してもよい。
また、重合中は所定重合温度を一定(例えば所定重合温度±5℃)に保つよう、適宜加熱、冷却して調節することが好ましい。重合温度を一定に保つために、予め所定重合温度に温度調整した分散媒の撹拌下でモノマーを連続または間欠的に滴下してもよい。その際の滴下時間は、モノマー濃度、および重合反応発熱量により異なるが、通常0.5〜20時間、好ましくは1〜10時間である。
また、重合中は所定重合温度を一定(例えば所定重合温度±5℃)に保つように、適宜加熱、冷却して調節してもよいし、比較的低温(例えば15〜35℃)で重合を開始させ、一定時間(例えば1〜3時間)重合後に昇温(例えば55〜80℃)してもよい。
逆相懸濁重合の場合において、モノマーを滴下する場合は滴下終了後から上記時間重合させることが好ましい。
上記のモノマー濃度、重合温度および重合時間は、モノマー組成、重合法および開始剤種類等によって適宜調整することができる。
pH調整のために用いられるpH調整剤としては特に限定はなく、モノマー水溶液がアルカリ性の場合は無機酸(硫酸、塩酸、リン酸、硝酸等)、無機固体酸性物質(酸性リン酸ソーダ、酸性ぼう硝、塩化アンモン、硫安、重硫安、スルファミン酸等)および有機酸(C2〜20、例えばシュウ酸、こはく酸、リンゴ酸)が挙げられ、モノマー水溶液が酸性の場合は無機アルカリ性物質(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等)および有機アルカリ性物質(グアニジン等)が挙げられる。
なお、ここにおけるpHは、モノマー水溶液の原液をpHメーター[例えば、商品名「LAB pHメータ−M−12」、(株)堀場製作所製]を用いて室温(20℃)で測定される値である。
圧力の好ましい下限は5、さらに好ましくは10、とくに好ましくは15、好ましい上限は500、さらに好ましくは300、とくに好ましくは150である。
水溶液重合および光重合の場合の粉末化法としては、重合後の含水ゲルを細断して公知の乾燥機(バンド式乾燥機、遠赤外線式乾燥機等)を用い加熱(80〜120℃)して乾燥させ、公知の粉砕機〔奈良式粉砕機[奈良機械(株)製]、ロール式粉砕機等〕を用いて粉砕する。
逆相懸濁重合の場合の粉末化法としては、重合後の含水ゲル(通常体積平均粒子径100〜2,000μm)をロ過または遠心分離により固液分離させた後、公知の乾燥機(真空乾燥機、スクリューコンベア、ドラムドライヤー等)を用いて加熱(30〜120℃)し乾燥させる方法等が挙げられる。
上記で得られる(A)の粉末粒子は、必要によりふるい分け等により粒度調整される。
本発明の水溶性樹脂粒子は、前記水溶性(共)重合体(A)を含有してなり、該水溶性樹脂粒子は、0.2重量%水溶液粘度測定法(測定法は後述)における溶解撹拌開始から60分後の粘度(V2)と10分後の粘度(V1)との比(V2/V1)が10〜50、好ましく12〜45、さらに好ましく15〜40であるという溶解特性を有する。
該(V2/V1)が、10未満では水溶性樹脂粒子の表面が水に溶解し易いためにままこを生じやすく、50を超えると水溶性樹脂粒子の表面が水に溶解し難いために、通常の下水処理場の溶解設備等で求められる溶解時間内に不溶解物が残存するといった問題が発生する。
該(V2/V1)を上記範囲とする方法には、(1)含水ゲルを解砕しながら乾燥させる方法〔例えば、撹拌機付回転乾燥機[(株)大和三光製作所製]を用いる方法〕、(2)水溶性樹脂粒子に疎水性物質(C)を含有させる方法が含まれる。なお、ここにおいて疎水性とは水への溶解度(g/水100g)が1g未満であることを意味するものとする。
該比(V2/Vs)を上記範囲とする方法には、前記(1)、(2)の方法が含まれる。
上記(2)の方法における、疎水性物質(C)には、炭化水素基を含有する疎水性物質(C1)、フッ素原子を有する炭化水素基を含有する疎水性物質(C2)、および(C1)、(C2)のうちの活性水素原子を有するもののアルキレンオキサイド(以下AOと略記)付加物等が含まれる。
ポリスチレン誘導体としては、スチレンを必須構成単量体(スチレンの含有量は、ポリスチレン誘導体の重量に基づいて、少なくとも50%)としてなるMw1,000〜1,000,000の重合体[スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソブチレン共重合体等]が挙げられる。
(1)C8〜30の長鎖脂肪族1級アミンとC1〜30の炭化水素基を有するカルボン酸とのアミド化物
1級アミンとカルボン酸とが1:1で反応したものと、1:2で反応したものに分けられる。1:1で反応したものとしては、酢酸N−オクチルアミド、酢酸N−ヘキサコシルアミド、ヘプタコサン酸N−オクチルアミドおよびヘプタコサン酸N−ヘキサコシルアミド等;1:2で反応したものとしては、二酢酸N−オクチルアミド、二酢酸N−ヘキサコシルアミド、ジヘプタコサン酸N−オクチルアミドおよびジヘプタコサン酸N−ヘキサコシルアミド等が挙げられる。なお、1級アミンとカルボン酸とが1:2で反応したものの場合、使用するカルボン酸は、同一でも異なっていてもよい。
アンモニアまたは1級アミンとカルボン酸とが1:1で反応したものと1:2で反応したものに分けられる。1:1で反応したものとしては、ノナン酸アミド、ノナン酸メチルアミド、ノナン酸N−ヘプチルアミド、ヘプタコサン酸アミド、ヘプタコサン酸N−メチルアミド、ヘプタコサン酸N−ヘプチルアミドおよびヘプタコサン酸N−ヘキサコシルアミド等;1:2で反応したものとしては、ジノナン酸アミド、ジノナン酸N−メチルアミド、ジノナン酸N−ヘプチルアミド、ジオクタデカン酸アミド、ジオクタデカン酸N−エチルアミド、ジオクタデカン酸N−ヘプチルアミド、ジヘプタコサン酸アミド、ジヘプタコサン酸N−メチルアミド、ジヘプタコサン酸N−ヘプチルアミドおよびジヘプタコサン酸N−ヘキサコシルアミド等が挙げられる。なお、アンモニアまたは1級アミンとカルボン酸とが1:2で反応したものとしては、使用するカルボン酸は、同一でも異なっていてもよい。
酢酸N−メチルオクチルアミド、酢酸N−メチルヘキサコシルアミド、酢酸N−オクチルヘキサコシルアミド、酢酸N−ジヘキサコシルアミド、ヘプタコサン酸N−メチルオクチルアミド、ヘプタコサン酸N−メチルヘキサコシルアミド、ヘプタコサン酸N−オクチルヘキサコシルアミドおよびヘプタコサン酸N−ジヘキサコシルアミド等。
ノナン酸N−ジメチルアミド、ノナン酸N−メチルヘプチルアミド、ノナン酸N−ジヘプチルアミド、ヘプタコサン酸N−ジメチルアミド、ヘプタコサン酸N−メチルヘプチルアミドおよびヘプタコサン酸N−ジヘプチルアミド等。
(1)PO−AOの順序でブロック付加したもの
(2)PO−AO−PO−AOの順序でブロック付加したもの
(3)AO−PO−AOの順序でブロック付加したもの
(4)PO−AO−POの順序でブロック付加したもの
(5)POおよびAOを混合付加したランダム付加物
(6)米国特許第4226756号明細書記載の順序でランダムまたはブロック付加したもの
HLB=10×(無機性/有機性)
上記式中、( )内は有機化合物の無機性と有機性の比率を表し、該比率は上記文献に記載されている値から計算することができる。
(A)[または(C)を含有する(A)]は、製造後は含水ゲル状であり、これを後述の細断、乾燥、粉砕等の工程を経て水溶性樹脂粒子が製造される。
(C)は水溶性樹脂粒子の何れの箇所に存在していてもよいが、水溶性樹脂粒子の溶解特性の観点から好ましいのは、(C)の少なくとも一部が水溶性樹脂粒子の表層に存在する場合、すなわち、水溶性樹脂粒子内部に(C)が存在し、一部が表層に存在する場合である。
水溶性樹脂粒子内部の(C)の含有量は、ままこ防止および水溶性樹脂粒子の溶解特性の観点から、(A)の重量に基づいて、好ましくは0.009〜9%、さらに好ましくは0.045〜4.5%、とくに好ましくは0.09〜2.7%である。
水溶性樹脂粒子の表層に存在する(C)の含有量は、上記と同様の観点から、(A)の重量に基づいて、好ましくは0.001〜1%、さらに好ましくは0.005〜0.5%、とくに好ましくは0.01〜0.3%である。
<表層の疎水性物質(C)の含有量の測定法>
冷却管を備えたガラス製のナスフラスコに水溶性樹脂粒子100重量部と有機溶媒[有機溶媒100重量部に、少なくとも0.01重量部の疎水性物質(C)を25〜110℃で溶かすことができる有機溶媒。なおこの溶かすことができる温度を溶解温度とする。]300重量部を加え、溶解温度で24時間静置し、疎水性物質の抽出液を得る。この抽出液を濾紙を用いて濾過し、あらかじめ秤量したガラス製のナスフラスコに採取した後、ロータリーエバポレーターにて溶媒を蒸発させた後、秤量する。濾過液蒸発後の重量からあらかじめ秤量したナスフラスコの重量を差し引いて抽出された蒸発乾固物の量を求める。
濾紙上に残った抽出後のサンプルを用いて、同様の操作を2回くり返し、3回の抽出で得られた蒸発乾固物の合計量を表層の疎水性物質(C)の含有量(重量%)とする。
ガラス製ビーカーに水95重量部をとり、水溶性樹脂粒子5重量部を撹拌しながら加えて25℃、120分かけて溶解させる。別のビーカーに100部のアセトニトリルを準備しておき、前記のポリマー水溶液に全量を一度に加えてポリマーを析出させる。さらに60分間撹拌した後に、上澄み液を測定液とする。疎水性物質(C)の合計の含有量(重量%)は、液体クロマトグラフ法により、疎水性物質の検量線に対する面積比から算出する。
カラム :Shimpack CLC−ODS
カラム温度:25℃
移動相 :アクリロニトトリル/水=80/20(重量比)
移動相流量:1.0ml/分
検出器 :RI
注入量 :30μl
これらのうち、水溶性樹脂粒子の溶解特性等の観点から好ましいのは、重合工程直後および含水ゲル状の(A)の破砕(ミンチ)工程中、さらに好ましいのは含水ゲル状の(A)の破砕(ミンチ)工程中である。また、(C)が長鎖脂肪酸塩の場合、通常、長鎖脂肪酸塩そのものを用いるが、この添加工程で長鎖脂肪酸と金属の水酸化物を混合して添加しても、別々に添加してもいずれでもよい。
これらのうち、水溶性樹脂粒子の溶解特性等の観点から好ましいのは、重合工程中、重合工程直後、脱水工程中、脱水工程直後、重合に用いた有機溶媒を分離留去する工程中、さらに好ましいのは重合工程中、重合工程直後である。
(A)を製造するモノマー液中で混合する場合、ホモミキサー、バイオミキサー等の比較的撹拌力の高い装置を使用できる。また、含水ゲル状の(A)の乾燥工程中で(C)を混合する場合は、SVミキサー[(株)神鋼環境ソリューション(株)製遊星運動型混合乾燥機]等の混練装置も使用できる。
揮発性溶媒としては、後工程での除去のしやすさおよび液体であることとの観点等から好ましいのは、20℃での蒸気圧(Pa)が0.13〜5.3、さらに好ましくは0.15〜4.5、特に好ましくは0.23〜3.8のものである。
揮発性溶媒の具体例としては、C1〜3のアルコール(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等)、C5〜8の炭化水素(ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン等)、C2〜4のエーテル(ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)、C3〜4のケトン(アセトン、メチルエチルケトン等)、およびC3〜5のエステル(蟻酸エチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、炭酸ジエチル等)等が挙げられる。
水および/または揮発性溶媒を使用する場合、これらの合計の使用量は、(C)の重量に基づいて水溶性樹脂粒子への内部浸透性および乾燥工程での乾燥性の観点から好ましくは1〜900%、さらに好ましくは5〜700%、特に好ましくは10〜400%である。
水および揮発性溶媒を使用する場合、そのうち水の使用量は、水および揮発性溶媒の重量に基づいて水溶性樹脂粒子への内部浸透性および乾燥工程での乾燥性の観点から好ましくは50〜98%、さらに好ましくは60〜95%、特に好ましくは70〜90%である。
なお、有機溶媒の含有量および水分の測定法、並びに溶媒の留去方法は、架橋重合体(A1)の場合と同様である。
粉砕する場合、粉砕後に得られる水溶性樹脂粒子の体積平均粒子径(μm)は、粉砕後のハンドリング性(水溶性樹脂粒子の粉体流動性等)および水溶性樹脂粒子の溶解特性の観点から好ましくは100〜800、さらに好ましくは200〜700、より好ましくは250〜600、特に好ましくは300〜500、最も好ましくは350〜450である。なお、体積平均粒子径は水溶性(共)重合体(A)の場合と同様にして測定できる。
上記粉砕および水溶性樹脂粒子の粒度調整は、水溶性(共)重合体(A)の場合と同様の方法が採用できる。
本発明の高分子凝集剤は水溶性樹脂粒子からなる。該高分子凝集剤は、汚泥脱水剤または原油回収用薬剤等として使用することができる。
[汚泥脱水剤]
高分子凝集剤を下水汚泥、廃水等(以下、下水汚泥等と略記)に添加して汚泥脱水剤として使用する方法としては、特に限定はなく、例えば特許第1311340号公報または特許第2038341号公報等に記載の方法が挙げられる。
本発明の高分子凝集剤の汚泥脱水剤としての使用量は、下水汚泥等の種類、懸濁粒子の含有量、高分子凝集剤の分子量等により異なるが、特に限定はなく、下水汚泥等中の蒸発残留物重量(以下、TSと略記)に基づいて、通常0.01〜10%、凝集性能の観点から好ましい下限は0.1%、さらに好ましくは0.5%、とくに好ましくは1%、工業上の観点から好ましい上限は5%、さらに好ましくは3%、とくに好ましくは2%である。
汚泥脱水剤を水溶液として用いる場合の濃度は、凝集特性および水溶液の粘度の観点から好ましくは0.05〜0.2重量%、さらに好ましくは0.07〜1.8重量%である。
汚泥脱水剤の溶解方法としては、特に限定されることはなく、例えば予め秤り取った水をジャーテスターなどの撹拌装置を用いて撹拌しながら所定量の汚泥脱水剤を徐々に加え、数時間(約2〜4時間程度)かけて溶解させる方法等が採用できる。粉末状の汚泥脱水剤を水に溶解させる際に、所定量の汚泥脱水剤を一気に加える方法はままこを生じ、完全に水に溶解させることが困難となることから好ましくない。
無機凝結剤としては、硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウム、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、ポリ硫酸鉄、消石灰等;有機凝結剤としては、アニリン−ホルムアルデヒド重縮合物塩酸塩、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルジ(メタ)アリルアンモニウムクロライド、(メタ)アリルアミンまたはジ(メタ)アリルアミン−マレイン酸共重合体、(メタ)アリルアミンまたはジ(メタ)アリルアミン−シトラコン酸共重合体、(メタ)アリルアミンまたはジ(メタ)アリルアミン−イタコン酸、(メタ)アリルアミンまたはジ(メタ)アリルアミン−フマル酸共重合体等が挙げられる。
無機および/または有機凝結剤を併用する場合は、汚泥脱水剤に予めこれらを添加した混合物で下水汚泥等を処理するか、下水汚泥等に予め無機凝結剤および/または有機凝結剤を添加して一次凝集させた後、汚泥脱水剤を添加して処理するかのいずれでもよいが、フロックの強度の観点から好ましいのは後者の方法である。
pHの調整方法としては、特に限定されることはなく、無機酸(硫酸、塩酸、リン酸、硝酸等)等の酸性物質や苛性アルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)等のアルカリ性物質を用いる方法が挙げられる。また、前記の無機または有機凝結剤を下水汚泥等に予め加えることで、上記pHに調整することもできる。
キレート化剤(B2)としては、アミノカルボン酸(C6〜24、例えばエチレンジアミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、ニトリロトリ酢酸およびトリエチレンテトラミンヘキサ酢酸)、多価カルボン酸[C4以上かつMn10,000以下、例えばマレイン酸、ポリアクリル酸(Mn1,000〜10,000)およびイソアミレン/マレイン酸共重合体(Mn1,000〜10,000)]、ヒドロキシカルボン酸(C3〜10、例えばクエン酸、グルコン酸、乳酸およびリンゴ酸)、縮合リン酸(トリポリリン酸、トリメタリン酸等)およびこれらの塩[アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アルキルアミン(C1〜20、例えばメチルアミン、エチルアミン、オクチルアミン等)塩およびアルカノールアミン(C2〜12、例えばモノ−、ジ−およびトリエタノールアミン等)塩]等;
防腐剤(B8)としては、安息香酸、パラオキシ安息香酸エステルおよびソルビン酸等が挙げられる。
(B1)〜(B8)の各添加剤の使用量は、上記と同様の重量に基づいて、(B1)は通常5%以下、好ましくは1〜3%、(B2)は通常20%以下、好ましくは2〜10%、(B3)は通常10%以下、好ましくは1〜5%、(B4)および(B5)はそれぞれ通常5%以下、好ましくは1〜3%、(B6)、(B7)および(B8)はそれぞれ通常5%以下、好ましくは0.1〜2%である。
本発明の高分子凝集剤を石油の3次回収用として使用する際には、通常水溶液として使用される。該水溶液の濃度は、増粘効果および送液可能な粘度の観点から好ましくは0.001〜3重量%、さらに好ましくは0.005〜1重量%、とくに好ましくは0.01〜0.5重量%である。
無機凝結剤としては、硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウム、塩化第二鉄、硫酸第二鉄、ポリ硫酸鉄、消石灰等;有機凝結剤としては、アニリン−ホルムアルデヒド重縮合物塩酸塩、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルジ(メタ)アリルアンモニウムクロライド、(メタ)アリルアミンまたはジ(メタ)アリルアミン−マレイン酸共重合体、(メタ)アリルアミンまたはジ(メタ)アリルアミン−シトラコン酸共重合体、(メタ)アリルアミンまたはジ(メタ)アリルアミン−イタコン酸、(メタ)アリルアミンまたはジ(メタ)アリルアミン−フマル酸共重合体等が挙げられる。
無機および/または有機凝結剤を併用する場合は、本発明の高分子凝集剤に予めこれらを添加した混合物で下水汚泥等を処理するか、下水汚泥等に予め無機凝結剤および/または有機凝結剤を添加して一次凝集させた後、本発明の高分子凝集剤を添加して処理するかいずれでもよいが、フロックの強度の観点から好ましいのは後者の方法である。
pHの調整方法としては、特に限定されることはなく、無機酸(硫酸、塩酸、リン酸、硝酸等)等の酸性物質や苛性アルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)等のアルカリ性物質を用いる方法が挙げられる。また、前記の無機または有機凝結剤を下水汚泥等に予め加えることで、上記pHに調整することもできる。
(1)水溶性ビニルモノマー(a)
(a−1):N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートのメチルクロラ
イド塩の63.5%水溶液
(a−2):N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートのメチルクロライ
ド塩の70%水溶液
(a−3):アクリルアミドの50%水溶液
(a−4):アクリル酸の80%水溶液
(2)連鎖移動剤(f)
(f−1):1−チオグリセロールの1%水溶液
(f−2):エチレングリコール−ジ−2−メルカプトエチルエーテルの1
%水溶液
(f−3):メルカプト酢酸の1%水溶液
(d−1):アゾビスアミジノプロパン二塩酸塩[和光純薬工業(株)製、「V
−50」、10時間半減期温度:56℃]の10%水溶液
(d−2):アゾビス(4―シアノ吉草酸)[和光純薬工業(株)製、「V−
501」、10時間半減期温度:69℃]の10%水溶液(pH
7.0に水酸化ナトリウム水溶液で調整したもの。)
(d−3):過酸化水素水の1%水溶液
(d−4):アルコルビン酸の1%水溶液
(d−5):硫酸鉄(I)の1%水溶液
(4)疎水性物質(C)
(C−1):ステアリン酸Mg
(C−2):ステアリン酸
(C−3):ステアリルアルコール
(C−4):ショ糖ステアリン酸モノエステル
(C−5):ジオクタデカン酸N−エチルアミド
なお、下水汚泥等中のTS、浮遊物質(SS)、有機分(強熱減量)は、「下水試験方法」(日本下水道協会、1984年度版)記載の分析方法に準じて行った。
ジャーテスター[型式「JMD−6HS−A」、宮本理研工業(株)製、以下同じ。]に板状の塩ビ製撹拌羽根(直径5cm、高さ2cm、厚さ0.2cm)2枚を十字になるように上下に連続して撹拌棒に取り付けた撹拌装置を用い、500mLビーカーにイオン交換水499gを入れ、水温25℃にて300rpmで撹拌下、固形分1.0gの水溶性樹脂粒子試料を徐々に加えて後、240分かけて溶解させる。その後、得られた水溶液の一部を、あらかじめ25℃に温度調整した200mLトールビーカーに移し、25℃の恒温槽でB型粘度計[型式「TV−10M」、東機産業(株)製、以下同じ。]を用いてM2ローター(あらかじめ25℃に温度調整)、30rpmにて測定開始300秒後の値を0.2重量%水溶液粘度(Vs)(これを本発明における溶解撹拌開始240分後の粘度と称する。)とする。また、上記と同様にして、溶解撹拌開始10分後の粘度を(V1)、60分後の粘度を(V2)とする。
上記と同じ撹拌装置を用い、500mLビーカーにイオン交換水477.5gを入れ、水温25℃にて200rpmで撹拌下、固形分2.5gの水溶性樹脂粒子試料を徐々に加えて、4時間かけて溶解させる。その後、塩化ナトリウム20gを入れ、さらに30分間撹拌して溶解させる。その後、得られた塩水溶液(塩化ナトリウムの濃度は4重量%)の一部を、あらかじめ25℃に温度調整した200mLトールビーカーに移し、25℃の恒温槽で、B型粘度計を用いてM1ローター(あらかじめ25℃に温度調整)、60rpmにて測定開始300秒後の値を0.5重量%塩水溶液粘度(M)とする。
ロータップ試験篩振とう機および標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いて、ペリーズ・ケミカル・エンジニアーズ・ハンドブック第6版(マックグローヒル・ブック・カンバニー、1984、21頁)に記載の方法で測定される。すなわち、JIS標準ふるいを、上から1,000μm、850μm、710μm、500μm、425μm、355μm、250μm、150μm、125μm、75μmおよび45μm、並びに受け皿の順等に組み合わせる。最上段のふるいに測定粒子の約50gを入れ、ロータップ試験篩振とう機で5分間振とうさせる。各ふるいおよび受け皿上の粒子の重量を秤量し、その合計を100重量%として各ふるいおよび受け皿上の粒子の重量分率を求め、この値を対数確率紙[横軸がふるいの目開き(粒子径)、縦軸が重量分率]にプロットした後、各点を結ぶ線を引き、重量分率が50重量%に対応する粒子径を求め、これを体積平均粒子径とする。合計を100重量%とした時の150μm以下の含量を150μm以下含量(重量%)とする。
300mlのビーカーに、下記実施例に記載の消化汚泥200部を入れ、上記(1)と同じ撹拌装置にセットする。ジャーテスターの回転数を300rpmとし、徐々に汚泥を撹拌しながら、0.2%の水溶性樹脂粒子の水溶液をシリンジで0.5%/TS添加し、30秒間撹拌した後、撹拌を止め形成されたフロックの粒径(mm)を目視にて観察する。続いて回転数を650rpmに変え、さらに30秒間撹拌した後、撹拌を止め形成されたフロックの粒径(mm)を再度目視にて観察する。
上記(4)における回転数300rpmおよび650rpmでのフロック粒径を比較し、フロック粒径の変化からフロック強度を下記の基準に従って評価する。
<評価基準>
◎ 非常に強固 (粒径に変化なし)
○ 強固 (ごく一部小粒径化)
△ やや弱い (小粒径化部分やや多い)
× 弱い (全体的に小粒径化)
ナイロン製ろ布[型番「T−1189」、敷島カンバス(株)製、円形状、直径9cm]、ヌッチェ漏斗、および300mlが計測できるメスシリンダーを用いてろ過装置をセットする。上記(4)のフロック粒径試験後の汚泥を該ろ布を敷いたヌッチェろ過面上に一気に全量投入してろ過し、ストップウォッチを用いて投入直後から10秒後および60秒後までに通過したろ液量を測定する。
ろ過した汚泥をろ布ごとスパーテルで取り出し、プレスフィルター試験機を用いて脱水試験(1kg/cm2、60秒)を行い、試験後のろ布に付着した脱水ケーキをスパーテルで剥離させる場合の脱水ケーキの剥離性を下記の基準に従って評価する。
<評価基準>
◎:非常に剥がれやすい(ろ布に付着物なし)
○:剥がれやすい (ろ布に付着物わずかにあり)
△:多少剥がれにくい (ろ布に付着物あり、わずかにろ布内部にまで付
着物あり)
×:剥がれにくい (ろ布内部にまで付着物多い)
上記(7)のろ布剥離性試験後の脱水ケーキ約3gをシャーレに秤量(W3)して、循風乾燥機中、105±5℃、8時間で乾燥させた後、シャーレ上に残った乾燥ケーキの重量を(W4)として、次式からケーキ含水率を算出する。
脱水ケーキ含水率(重量%)=[(W3)−(W4)]×100/(W3)
撹拌機を備えた3Lの反応容器に(a−2)、(a−3)およびイオン交換水を表1に基づいて加え、系内が均一溶液になるまで混合、撹拌した。撹拌下、モノマー水溶液のpH(20℃)をpHメーターで監視しながら硫酸を用いて3.3に調整した。
次に、0℃の恒温水槽中で溶液温度を5℃に調整し、系内を窒素(純度99.999%以上)で充分に置換した(気相酸素濃度約5ppm)。その後、ラジカル重合開始剤(d−1)、(d−3)、(d−4)、(d−5)および連鎖移動剤(f−1)を表1に基づいて加えた原料混合液について、溶液温度5℃で重合を開始させ、重合により発生する熱により溶液温度が上昇し、約3時間後に85℃に達した。70℃に達した時点で90℃の恒温槽内に反応容器を入れて80〜90℃で10時間保温し重合を完結させた。なお重合中、内容物が高粘度となり撹拌が困難となったため、撹拌は途中で停止した。
その後、得られた含水ゲルを取り出し、疎水性物質(C−1)の10%水溶液を表1に基づいて加え、ミートチョッパー機[型番「12VR−400K」、ROYAL(株)製、目皿の目開き6mm]により混合、混練、さらにミンチ状に細断し、80℃の熱風で2時間乾燥後ジューサーミキサーで粉砕して、粉末状の水溶性樹脂粒子(Q−1)99部を得た(収率92%、固形分含量96%)。評価結果を表1に示す。
実施例1において、原料混合液を表1に基づいて混合した原料混合液に代えたこと以外は実施例1と同様にして、粉末状の水溶性樹脂粒子(Q−2)〜(Q−6)、(R−1)〜(R−3)を得た。評価結果を表1に示す。
0.2重量%水溶液粘度の測定法の溶解条件において、撹拌回転数を200rpmとし、水溶性樹脂粒子1.0g(固形分)をシャーレに秤り取り、全量を一気にイオン交換水に投入した。60分間撹拌後の水溶解性を下記の基準で評価した。結果を表2に示す。
<評価基準>
◎ ままこの発生、溶け残りともになし
○ ままこの発生がなく、溶け残りごくわずか
△ ままこの発生があり、溶け残りやや多い
× ままこの発生、溶け残りともに多い
Claims (4)
- カチオン性モノマー(a1)を含有する水溶性ビニルモノマー(a)を必須構成単位とする水溶性(共)重合体(A)および疎水性物質(C)を含有してなる水溶性樹脂粒子であって、(C)がソルビットステアリン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、ステアリン酸、ステアリン酸塩、炭素数10〜20のアルコールおよび炭素数10〜20のアルコールのプロピレンオキシド2〜5モル付加物からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、該(A)の重量に基づき0.01〜10%の該(C)と(A)の含水ゲルを混合・混練してなる0.2重量%水溶液粘度測定法における溶解撹拌開始から60分後の粘度(V2)と10分後の粘度(V1)との比(V2/V1)が10〜50である水溶性樹脂粒子。
- 水溶性樹脂粒子の0.2重量%水溶液粘度測定法における溶解撹拌開始から60分後の粘度(V2)と240分後の粘度(Vs)の比(V2/Vs)が0.8〜2.0である請求項1記載の水溶性樹脂粒子。
- (C)の少なくとも一部が、水溶性樹脂粒子の表層に含有されてなる請求項1または2記載の水溶性樹脂粒子。
- 請求項1〜3のいずれか記載の水溶性樹脂粒子を含有してなる高分子凝集剤。
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