JP5594885B2 - 織物部材からなる横ずれ防止用案内部材 - Google Patents

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Description

本発明は物品と当接して物品を送給案内するための織物からなる横ずれ防止用の案内部材で、送給案内する物品である摺動体との滑り摩擦の小さな織物部材により良好なスライド性を実現し得るものとした案内部材に関し、特に耐振動性の良好な横ずれ防止用の織物部材または編物部材からなる案内部材に関する。
従来、摺動体の横ずれを防止した案内部材としては、溝とこの溝周囲との間に形成される段差を利用した案内部材がある。この溝およびその周囲との段差を利用した案内部材としては、板金加工により製作した部材や、押し出し成型によって樹脂およびゴム製品から製作した部材などがあり、さらに、木工により製作した部材である障子や襖をすべり易くっした敷居などがある。これらは、従来技術として種々の形態で製品化されている。
しかし、板金加工、例えば曲げ加工あるいは押し出し加工などである板金加工により溝を形成した案内部材は、この案内部材を固定して使用することを前提として製作されている。しかも、金属から形成された案内部材は剛性で柔軟性が乏しく、このために溝の長手方向の湾曲度を自由に変更することができない。さらに、この板金加工による案内部材は金属からなるので、木製の案内部材に比して重く、このために金属製の案内部材の交換や取り外しを容易に行うことは、困難である。
さらに、押し出し成形などで製造した合成樹脂からなる溝およびその両側の段からなる例えば敷居などの形状の案内部材は、金属より形成した案内部材に比して、多少の弾性を有しているものもある。しかし、上記した板金加工による金属製の案内部材と同様に柔軟性に乏しく、また、合成樹脂からなるすなわち樹脂成形の案内部材は強度の点で板金加工の案内部材に比して肉厚が厚く、その分設置するために場所を取る問題がある。これに加えて、樹脂成形に金型を必要とするが、金型が高価であるので、溝の横幅や深さなどを種々変更した金型を多数用意して任意に好みの形状の案内部材を作製することが簡単に出来ない問題がある。無理して溝の横幅や深さなどを変更しようとするとそのための金型を製作する費用とその製作時間を必要としている。
また、さらに上記のゴム製品より製作した溝および段差を有する案内部材は、ゴム製品であるので金属や合成樹脂の製品に比して柔軟性を有するものが得られる。しかし、ゴムの弾性のために、一般的には、摩擦が大きくて滑り性が悪い。そこで、摺動性の良いゴム材料を用いるとなると、コストアップになってしまう。また、ゴムの場合も樹脂成形と同様に成形に金型を必要とするために、任意に溝の横幅や深さなどを変更することが簡単に出来ず、無理して溝の横幅や深さなどを変更しようとするとそのための金型を製作するための費用とその製作時間を必要とする。
一方、従来技術として、円筒体の側部の一部が外方に向けて開口されて、側部に摺動溝が形成されており、円柱状の摺動軸をこの円筒体の中空部に挿通し、この円柱状の摺動軸の側部に軸方向の連結部を設け、この連結部を上記円筒体の側部の摺動溝に挿通して、円筒の中に挿通した摺動軸を長手方向に円滑に移動できる機構とした案内部材が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、この機構は案内部材を摺動する部材が円柱状の摺動軸に限定される形状の特殊な機構からなるものであり、したがって、一般的な帯状の形状からなる幅広い案内部材に即時に応用できるものではない。
特開2006−123953号公報 (図3の(b))
そこで、本発明が解決しようとする課題は、溝に複数本の線材などの被案内材を嵌め込むことにより、当該線材などの被案内材が溝から横ずれを防止でき、さらに当該溝とその溝を形成する両側の段部からなる案内部材に被案内材である物品を当接することで、当接された被案内材を溝方向である長手方向に低摩擦係数で良好に滑動させることができ、かつ振動にも耐え得る軽量な構造からなる、織物からなる横ずれ防止用案内部材あるいはさらに良好に滑動する横ずれ防止用案内部材を提供することである。
本発明の手段は、これまで全く想定されなかった構造からなる横ずれ防止用案内部材、すなわち直線方向に被案内材である物品を案内する横ずれ防止用案内部材である。この横ずれ防止用案内部材はモノフィラメントと、マルチフィラメント糸を用いて織られた織地からなる織物からなっている。これらの織物は、モノフィラメントからなる緯糸と、モノフィラメントからなる経糸またはマルチフィラメント糸の経糸を用いて織られた織地である。そして、この織地の経糸は2種類以上の径の異なるマルチフィラメント糸の経糸から、すなわち大径の経糸と小径の経糸からなっている。以上において、緯糸も経糸も共にモノフィラメントからなる織地もしくはモノフィラメントの緯糸と小径のマルチフィラメントの経糸からなる織地は厚さの薄い密度の小さな幅部を形成し、一方、モノフィラメントの緯糸と大径のマルチフィラメント糸の経糸からなる織地は厚さの厚い密度の大きな幅部を形成している。そして、これらの厚い幅部と薄い幅部が横方向に交互に形成されて縦方向に延び、これらの厚さの厚い幅部と厚さの薄い幅部の間に段差を形成して縦縞の織地の織物となっている。しかも、厚さの厚い密度の大きな幅部は厚さの薄い密度の小さな幅部よりも少し細幅に形成されて、さらに、厚さの薄い密度の小さな幅部は凹状の溝部を形成し、厚さの厚い密度の大きな幅部は溝部の両側の凸状の段部を形成している。これらの溝部と段部は縦方向に延びて横方向への横ずれ防止用案内部材となっている。ところで、溝部を形成する厚さの薄い密度の小さな幅部は小径の経糸の1本と緯糸の1〜2越から平織部に、あるいは小径の経糸の複数本と緯糸の1〜2越から平織部に形成されている。さらに、段部を形成する厚さの厚い密度の大きな幅部は、大径の経糸の複数本例えば4本と緯糸の1〜2越から形成されている。この場合、図1に示すように、複数の緯糸例えば4越の緯糸は経糸を2〜4本を跨いで織られて、段部は周知の繻子織部に形成されている。したがって、この繻子織部では緯糸と経糸の交差部が飛び飛びに斜めにずれて形成されて表面に現れている。この飛び飛びに形成されている交差部の分だけ、交差部により形成される膨らみの数が減っている。したがって、その繻子織部の表面に膨らみの無い部分は平滑である。なお、経糸の単位を本、緯糸の単位を越という数え方は、織物における一般的な数え方に依る。
この織物からなる横ずれ防止用案内部材を互いに向い合わせに重ねて、段部と段部、溝部と溝部を対面させると、この対面した溝部の間に溝部の間隙よりも細径の物品を挿入することで、挿入し細径の物品の横方向へのずれすなわち横ずれを、溝部の側部の段部で防止できる。さらに、織物からなる横ずれ防止用案内部材を互いに向い合わせて重ねて、一方の段部を他方の溝部に嵌合させて対面状の横ずれ防止用案内部材とするとき、この重ね合わせの一方が平織部の緯糸の部分であっても、重ね合わせの他方が滑り性の極めて良好な織物である凸部の少ない斜め方向の繻子織部からなる織地であるならば、この繻子織部の織地は平織部の緯糸に引っ掛かることなく経糸の方向すなわち縦方向に滑ることができる。すなわち、一方の横ずれ防止用案内部材の溝部に嵌め込んで重ね合わせた他方の横ずれ防止用案内部材の段部は、互いに溝の側部の段部によって横ずれが防止される。このように、この織物からなる横ずれ防止用案内部材の上に同じ横ずれ防止用案内部材を向い合わせに重ね合わせて互いの溝部に溝部の幅よりもやや細幅の段部を互い違いに嵌合することで、互いが縦方向に容易に滑動できると共に横ずれ防止ができる。さらに、織物からなる横ずれ防止用案内部材の上にその凹部の溝部を跨ぐ大きさの物品を凸部の段部の繻子織部に当接して載置するとき、この載置した物品は段部の膨らみの少ない平滑な繻子織部の上のみを滑って縦方向に移動できる。このように、この織物からなる横ずれ防止用案内部材は溝部と段部から縦縞に形成することで、溝部に挿入した物品の横ずれを防止でき、さらに、滑りの良好な段部を利用して物品を縦方向に滑動することができ、しかも、横ずれ防止用案内部材自体の縦方向への滑りも極めて良好とすることができるものである。
さらに、この横ずれ防止用案内部材の裏面側に弾性部材を配設することにより、振動に耐えられる横ずれ防止用案内部材とすることができる。また、モノフィラメントを用いて織られた織地とマルチフィラメント糸を用いて織られた織地から形成した織物を縦縞状の溝部と段部から形成の段差を有する横ずれ防止用案内部材とすることで、横ずれ防止用案内部材は、密度の小さな溝部により軽量化されかつ省資源化される。さらに横ずれ防止用案内部材は織物よりなるので、柔軟性のある長尺の横ずれ防止部材に形成できる。このような特徴を有するので、この横ずれ防止用案内部材は一方向への滑りを必要とする分野へ適用が幅広く展開できる。さらにモノフィラメントを用いた織地とマルチフィラメント糸を用いた織地からなる縦縞状の織物から段差を形成することで、横ずれ防止用案内部材は溝部に段部を嵌合することなく段部どうしを向かい合わせに当接したとき、その当接は織物の幅全体の広い面での接触とはならず、幅の細い帯状の段部の繻子織部のみの織地による接触となる。その結果、向かい合わせに当接した接触面の幅が横ずれ防止用案内部材全体の幅よりも狭くなるので、縦方向に対する摩擦係数がその狭くなった分だけ軽減される。この場合は、上記したように重ね合わせた溝部の間に細径の物品を挿入することで、物品の横ずれを防止することができる。さらに、段部を繻子織部に形成していることで、繊維の交差により生じる凸部が減少して表面の縦方向に対する摩擦が一層に軽減される。したがって、この織物よりなる横ずれ防止用案内部材は縦方向への滑り性の極めて良好な部材である。
すなわち、上記の課題を解決するための本発明の手段は、請求項1の発明では、モノフィラメントからなる緯糸と、モノフィラメントからなる経糸またはマルチフィラメント糸の経糸を用いて織られた一定横幅の厚さの薄い縦方向の平織部の織地と、モノフィラメントからなる緯糸とモノフィラメントからなる経糸またはマルチフィラメント糸からなる経糸を用いて織られ、かつ、平織部に隣接する一定横幅の厚さの厚い縦方向の繻子織部の織地を有している。これらの織地は、厚さの薄い平織部の縦方向の織地が凹状の溝部を形成し、この溝部に隣接する厚さの厚い縦方向の繻子織部の織地が凸状の段部を形成している。さらに、これらの溝部と段部を横方向に交互に繰返し並べて、これら溝部と段部の間に複数の縦方向の段部の幅と隣接の溝部の幅からなるピッチおよび厚さの厚い凸状の段部の厚さから厚さの薄い溝部の厚さを差し引いた値の段差を設け、この段差により縦縞を形成していることを特徴とする織物からなる横ずれ防止用案内部材である。
請求項2の発明では、経糸にマルチフィラメント糸を用いて織られ、かつ、平織部に隣接する一定横幅の厚さの厚い縦方向の繻子織部の織地から形成の凸状の段部は、1種類の緯糸と平織部に用いている経糸とは径の異なる大径の経糸からなっている。そして、この径の異なる少なくとも2種類の経糸のうち、小径の経糸からなる溝部と大径の経糸からなる段部から、縦方向の所定のピッチおよび所定の段差を有するストライプ状の縦縞を形成していることを特徴とする請求項1の手段の織物からなる横ずれ防止用案内部材である。
請求項3の発明では、縦方向の所定のピッチおよび所定の段差を有するストライプ状の縦縞は、マルチフィラメント糸またはモノフィラメントからなる3本以上の経糸を隣接して形成した繻子織部の厚さの厚い織地の段部と、モノフィラメントからなるまたはマルチフィラメント糸からなる1本の経糸または2本以上の経糸で、かつ、段部の経糸の本数よりも少ない本数の経糸を隣接もしくは離間して形成した平織部の厚さの薄い織地の溝部とから形成されていることを特徴とする請求項2の手段の織物からなる横ずれ防止用案内部材である。
請求項4の発明では、縦方向の所定のピッチおよび所定の段差を有するストライプ状の縦縞は、縦縞の裏面に横ずれ防止の可撓性のコーティング層が形成されており、さらにモノフィラメントもしくはマルチフィラメント糸は、金属ワイヤー、天然繊維、人造繊維、合成繊維からなり、これらのモノフィラメントまたはマルチフィラメント糸を用いて織られていることを特徴とする請求項3の手段の織物からなる横ずれ防止用案内部材である。
請求項5の発明では、横ずれ防止の可撓性のコーティング層は、裏面発泡体、エラストマー、ゴム部材などから選ばれる弾性部材からなっている。これらの弾性部材を用いてクッション性を有する横ずれ防止用案内部材としていることを特徴とする請求項4の手段の織物からなる横ずれ防止用案内部材である。
上記の手段としたことで、請求項1の手段の織物からなる横ずれ防止用案内部材は、縦縞の織物の縦方向の複数の段差によって支持案内する物品の横ずれ防止と縦方向への滑りを極めて良好なものとしている。請求項2の手段の横ずれ防止用案内部材は、横ずれ防止用案内部材を向い合わせに当接した横ずれ防止用案内部材自体あるいは溝部に載置した物品の横ずれと縦縞方向への滑りを極めて良好なものとしている。請求項3の手段の横ずれ防止用案内部材は、繻子織部の段部に比して平織部の溝部が薄く形成されるので密度が小さく極めて軽量である。請求項4の手段の織物からなる横ずれ防止用案内部材は、縦縞の裏面に可撓性のコーティング層を形成しているので、経糸の横ずれが防止され、しかも柔軟で撓みを有しているので、曲状体にも横ずれ防止用案内部材を適用でき、またモノフィラメントもしくはマルチフィラメント糸は金属ワイヤー、天然繊維、人造繊維、合成繊維などの幅広い素材から形成できる。請求項5の手段の縦縞の横ずれ防止用案内部材は、可撓性のコーティング層が弾性部材によるクッション性を有するので、平滑な面のみでなく凹凸を有する面にも配設することができる。このように、本発明の手段の発明は種々の効果を奏することができる。
横ずれ防止用案内部材の織地の基本構成を示す図である。 織地の張力によりマルチフィラメント糸が扁平した状態のイメージ図を示す。 図1または図2に示す織地からなる段差を有するストライプ状の縦縞の織物の裏面に弾性部材を貼付してクッション性を有するものとした横ずれ防止用案内部材の概略図を示す。 本発明における段差と横ずれ荷重の関係を示すグラフである。 横ずれ防止用案内部材の段差と横ずれ荷重の関係の試験方法を示す図である。 振動試験機を示す図である。 単位面積荷重を低い場合の段差と下面の発泡体の有無との関係を示すグラフである。 単位面積荷重を高い場合の段差と下面の発泡体の有無との関係を示すグラフである。 段差を有するストライプ状縦縞の横ずれ防止用案内部材の使用例を示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。 段差を有するストライプ状縦縞の横ずれ防止用案内部材によるボードを着脱して用いる使用例を示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。 配線などの線材を挟持した横ずれ防止用案内部材の使用例を示し、(a)は配線などの線材と上下の横ずれ防止用案内部材を分解した状態で、(b)はこれらを組み合わせ配線などの線材を挟持した図である。 クッションの弾性部材を裏面に有する横ずれ防止用案内部材の使用例を示し、(a)は配線などの線材と上下の横ずれ防止用案内部材を分解した状態で、(b)はこれらを組み合わせて配線などの線材を挟持した図である。
以下に本発明の実施の形態について表および図面を参照して説明する。先ず、請求項1に係る発明の実施の形態の織物からなる横ずれ防止用案内部材1では、図1に示すようにモノフィラメント2である緯糸5と、マルチフィラメント糸4である小径の経糸6またはマルチフィラメント糸4である大径の経糸7を用いて織られた一定横幅の厚さの薄い平織部9からなる縦方向の織地8と、モノフィラメント2である緯糸5とマルチフィラメント糸4からなる大径の経糸7を用いて織られ、平織部9に隣接する一定横幅の厚さの厚い縦方向の繻子織部10の織地8を有している。なお、図1の(a)は横ずれ防止用案内部材1の縦方向から見た側面図、(b)は横ずれ防止用案内部材1の平面図、(c)は(b)の横ずれ防止用案内部材1の背面から見た平織部9の立面図、(d)は(b)の横ずれ防止用案内部材1の正面から見た綾織10の立面図である。
これらの横ずれ防止用案内部材1の織地8は、図3の(c)に示すように、厚さの薄い平織部9の縦方向の織地8からなる凹状の溝部11と、この溝部11に隣接する厚さの厚い縦方向の繻子織部10の織地8から凸状の段部12とを形成し、さらに、これらの溝部11と段部12を横方向に交互に繰返し並べて幅Wの織物を形成している。これら溝部11と段部12の間に複数の縦方向の所定の、図3の(c)に示す、ピッチ14および、図2の(a)に示す、所定の段差13を設けて、この段差13により図2の(b)の縦縞15を形成している。このピッチ14は、図3の(c)に示すように、厚さの厚い凸状の段部12の幅W1の1個とこれと隣接する厚さの薄い凹状の溝部11の幅W2の一個からからなっている。一方、段差13は、図3の(a)または(b)に示すように、厚さの厚い凸状の段部12の厚さt2から厚さの薄い溝部11の厚さt1を差し引いた値のHであり、したがって、H=t2−t1で示される。すなわち、Hは、図1の(a)に示す、段差13である。
図2には、織地8の張力によりマルチフィラメント糸4の小径の経糸6、大径の経糸7がそれぞれ扁平した状態のイメージ図を示す。図2の(a)に示すように、厚みの厚い経糸7の箇所では、糸が近接もしくは接することで、糸の広がりが抑制されている。そうでない箇所の厚みの薄い小径の経糸6の箇所では、糸が張力とモノフィラメント2である緯糸5によって、糸の広がりに対して抑制されにくい小径のマルチフィラメント糸4からなる経糸6の密度構成からなっている。これらの糸の広がりが抑制されている部分と糸の広がりが抑制されにくい部分の組合せによって段差13を有するストライプ状の縦縞の織物16が形成されている。
図3は、図1、図2の組織の織地8により構成された段差13を有する縦縞15のストライプ状の縦縞の織物16で、この織物16の裏面に両面テープなどの接着部材により、図3(b)に概略示すように、弾性部材17を貼付け、クッション性を有する横ずれ防止用案内部材1を形成している。なお、段差13を有するストライプ状の縦縞の織物16はその溝部11幅や段部12の幅およびそのピッチ14を任意に形成できる。図3の(a)はストライプ状の縦縞の織物16の織地8における隣接する厚さの薄い平織部9と隣接する厚さの厚い繻子織部10からなる組織を模式的に示し、t1は、厚さの薄い平織部9の縦方向からなる凹状の溝部11の厚さ、すなわち図3の(c)のW2の厚さである。さらにt2は、厚さの厚い繻子織部10の縦方向からなる凸状の段部12の厚さ、すなわち図3の(c)のW1の厚さである。これらのt1およびt2は図3の(b)においても示されている。
図4は、横軸を段差とし縦軸を横引張り荷重である脱線荷重とし、本発明における段差と横ずれ荷重の関係についての確認した結果を示す。この場合、条件として、ストライプ状の縦縞の織物16のストライプの長さは40mm、荷重は32g/cm2、ピッチ14はP=4mmとし、厚さの厚い繻子織部10の段部12の幅W1とするとき、縦軸をyとし横軸をxとすると、y=2500x+275の式が得られ、図4に示すように、ストライプ状の織物16からなる横ずれ防止用案内部材1において、段差13を設けることで横ずれ防止機能が十分に発揮されることが確認される。
なお、試験方法については、図5に示すように、溝部11と段部12からなるストライプの方向に対して直交する矢印方向の脱線荷重Fである引張り荷重を所定の単位面積重量の荷重物24に負荷して、段差と横ずれ荷重の関係を確認した。このために、図6に示す、振動試験装置20の加振器21を用いて振動試験を行った。この振動試験装置20は、加振器21にL型のアングル23にストライプガイドである載置具25の上に荷重物24を載置し、ピックアップセンサー22で振動の大きさを検知して行った。なお、この場合、図5に示すと同様の荷重物24を横ずれ防止用案内部材1の下部に、弾性部材17を載置して試験したものを図6に示す。一方、図示しないが、弾性部材17等を用いず直接に荷重物を載置して試験した。
図7および図8に上記の試験の確認した結果を示す。これらの図7および図8は荷重物24の重量を変化させた時の様子を、横軸に段差を、縦軸に横ずれ(耐加速度)を取って示したグラフである。図7は荷重物24の単位面積当たりの荷重の小さなもの、図8は荷重物24の単位面積当たりの荷重の大きなものについての試験結果を示している。また、それぞれ図7および図8において、弾性部材17である発泡体の有するものと、弾性部材17である発泡体の有しないものとの効果の差異についても確認を行った。これらの図7および図8の結果に示すように、弾性部材17を設けることで耐振動性が高くなり、耐振動性に対し良好であることが確認できた。また、荷重物24の荷重が大きくなることで、弾性部材17の発泡体を有する場合の効果がより顕著であり、耐振動性が良好となっていることが判る。
この発明の実施例として、段差13を有するストライプ状の縦縞の織物16の構成を、サンプルA、サンプルB、サンプルCおよびサンプルDとし、これらの各サンプルにおける段差について、表1に示した。この表1において、Tは糸の太さを示す単位としてのデシテックスであり、Fは糸を形成する繊維の数を示す単位Fとしてのファイバーである。また、表1における織機のニードル式とは、緯糸をコーンより直接引き出し、弓状の金具であるニードルの先端に糸を引っ掛けて杼口を往復し、高速に製織する方式の織機を示している。なお、表1に示す原糸のナイロンどうしの摩擦係数を測定したところ0.42であった。またナイロンと真鍮との摩擦係数は0.31で低い摩擦係数であった。構成のサンプルAでは段差は、0.06mmであり、サンプルBでは段差は、0.09mmであり、サンプルCでは段差は、0.15mmであり、サンプルDでは段差は、0.24mmであった。
Figure 0005594885
この段差13を有するストライプ状の縦縞の織物16の横ずれ防止用案内部材1を設け、さらにその下部に弾性部材17を設けたときの使用例を図9に示す。図9では、重量の大きい荷重物24の移動に本発明の横ずれ防止用案内部材1を用いる場合の状態を示している。横ずれ防止用案内部材1の下部には発泡からなる弾性部材17を設け、横ずれ防止用案内部材1の凹状の溝部11にストライプ状のガイドである載置具25を嵌合させ、この載置具25の上に荷重物24を載せて、図9の(b)に示すように、矢印方向に滑らせて移動させる。この場合、荷重物24は横ずれ防止用案内部材1の下部の弾性部材17を加圧しながら横ずれを防止しながら極めて軽やかに滑って移動できる。
さらに、この段差13を有するストライプ状の縦縞の織物16の横ずれ防止用案内部材1を設け、その下部に弾性部材17を設けたときの、他の使用例を図10に示す。図10では、基板やガラス板などのボード26を凹状の溝部11と凸状の段部12からなる横ずれ防止用案内部材1の凹状の溝部11に狭持して着脱する場合の使用状態を示している。横ずれ防止用案内部材1の凹状の溝部11に、基板やガラス板などのボード26を嵌合させて、図10の(b)に示すように、矢印方向にスライドして移動させる。この場合、基板やガラス板などのボード26は横ずれ防止用案内部材1の下部の弾性部材17加圧しながら、極めて軽やかにスライドして横ずれ防止用案内部材1に着脱できる。
電機製品の配線などの線材27を挟持して定められた位置に捧持する部材として用いる場合の横ずれ防止用案内部材1の使用例を図11に示す。配線などの線材27は、図11の(a)に示すように、横ずれ防止用案内部材1を形成する下部の段部13と上部の段部13との間の溝部12に4本の配線などの線材27を挟持して、図11の(b)に示すように、固定する。このように配線を纏めてグリップ代わりとして配線同士の横ずれを防止してもつれなくし、さらに電機製品を組み立てたり、あるいは保守管理する際の誤配線を無くすものとしている。
電機製品の配線などの線材27を挟持して定められた位置に捧持する部材として用いる場合に、横ずれ防止用案内部材1に振動などの影響が加わらないものとする際の使用例を図12に示す。図12の(a)に示すように、横ずれ防止用案内部材1の裏面側に弾性部材17を設けて、(b)に示すように、配線を纏めてグリップ代わりとして配線同士の横ずれを防止してもつれなくするとともに、弾性部材17のクションにより振動などの影響を防止できるものとしている。
本発明における、ストライプ状の縦縞の織物16からなる横ずれ防止用案内部材1は、ナイロンなどの素材から製造するとき極めて滑りの良好なものである。しかし、その横ずれ防止用案内部材1の表面に潤滑性のワックスを掛けたり、あるいはシリコーンオイルなどの潤滑剤を塗布することで、それらの潤滑性は一層に良好になるので、平織部からなり繊維の密度の小さく、厚みの薄い溝部11に載置した物品であっても、緯糸であるフィラメントに引っ掛かることがなく滑るので、極めて良好な滑り部材として利用できる。上記で示したように、本発明は横ずれ防止用案内部材1として今までにない構成であり、かつ、弾性部材17との組合せにより耐振動性が極めて良好となって横ずれを防止する案内部材であり、輸送、搬送などの分野へ幅広く適用できる。
1 横ずれ防止用案内部材
2 モノフィラメント
4 マルチフィラメント糸
5 緯糸
6 経糸(小径の)
7 経糸(大径の)
8 織地
9 平織部
10 繻子織部
11 溝部(凹状の)
12 段部(凸状の)
13 段差
14 ピッチ
15 縦縞
16 ストライプ状の縦縞の織物
17 弾性部材(発泡体)
18 両面接着テープ
19 物品(被案内部材)
20 振動試験装置
21 加振機
22 ピックアップセンサー
23 アングル
24 荷重物
25 載置具
26 ボード
27 線材

Claims (5)

  1. モノフィラメントからなる緯糸と、モノフィラメントからなる経糸またはマルチフィラメント糸の経糸を用いて織られた一定横幅の厚さの薄い縦方向の平織部の織地と、モノフィラメントからなる緯糸とモノフィラメントからなる経糸またはマルチフィラメント糸からなる経糸を用いて織られ、かつ、平織部に隣接する一定横幅の厚さの厚い縦方向の繻子織部の織地を有し、これらの織地は、厚さの厚い平織部の縦方向の織地が凹状の溝部を形成し、この溝部に隣接する厚さの厚い縦方向の繻子織部の織地が凸状の段部を形成し、これらの溝部と段部を横方向に交互に繰返し並べて、これらの隣り合う1組の溝部と段部における縦方向の段部の幅と溝部の幅からなるピッチおよび厚さの厚い凸状の段部の厚さから厚さの薄い溝部の厚さを差し引いた値の段差を設け、この段差により縦縞を形成していることを特徴とする織物からなる横ずれ防止用案内部材。
  2. マルチフィラメント糸を用いて織られ、かつ、平織部に隣接する一定横幅の厚さの厚い縦方向の繻子織部の織地からなる凸状の段部は、1種類の緯糸と平織部に用いている経糸とは径の異なる太い経糸からなり、この径の異なる少なくとも2種類の経糸のうち、小径の経糸からなる溝部と大径の経糸からなる段部から、縦方向の所定のピッチおよび所定の段差を有するストライプ状の縦縞を形成していることを特徴とする請求項1に記載の織物からなる横ずれ防止用案内部材。
  3. 縦方向の所定のピッチおよび所定の段差を有するストライプ状の縦縞は、マルチフィラメント糸またはモノフィラメントからなる3本以上の経糸を隣接して形成した繻子織部の厚さの厚い織地の段部と、モノフィラメントからなるまたはマルチフィラメント糸からなる1本の経糸または2本以上の経糸でかつ段部の経糸の本数よりも少ない本数の経糸を隣接もしくは離間して形成した平織部の厚さの薄い織地の溝部とから形成されていることを特徴とする請求項2に記載の織物からなる横ずれ防止用案内部材。
  4. 縦方向の所定のピッチおよび所定の段差を有するストライプ状の縦縞は、縦縞の裏面に横ずれ防止の可撓性のコーティング層が形成されており、さらにモノフィラメントもしくはマルチフィラメントは、金属ワイヤー、天然繊維、人造繊維、合成繊維からなり、これらのモノフィラメントまたはマルチフィラメント糸を用いて織られていることを特徴とする請求項3に記載の織物からなる横ずれ防止用案内部材。
  5. 横ずれ防止の可撓性のコーティング層は、裏面発泡体、エラストマー、ゴム部材などから選ばれる弾性部材からなり、これらの弾性部材を用いてクッション性を有する横ずれ防止用案内部材としていることを特徴とする請求項4に記載の織物からなる横ずれ防止用案内部材。
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