JP5594622B2 - 多次元データ格納キューブを用いた経営管理システム - Google Patents

多次元データ格納キューブを用いた経営管理システム Download PDF

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Description

本発明は、経営管理データを格納する多次元の仮想のデータ格納キューブを構築することを基本概念とし、コンピュータを使用して、企業の総合的な経営状態の把握、原価管理と経営管理を同一プラットフォームで管理分析を行うためのソフトウエアに関するものである。
従来、例えば、建設業においては、売上管理と製造管理を同時に行う必要があり、且つ工事期間が発生するため、所定年度における対象年月の工事台帳 (所定の工事に対して少なくとも工事名,支払額,入金額,入金差額が表示された表)を作成することが必要となる。一般に市販されている建設業向けの「請負工事台帳」は、収入(借方)側として「請負契約金額」「工事受入金」を記入し、支出(貸方)側として、「材料費」「労務費」「外注費」「経費」「工事の諸情報」を時系列に記入するようにされている。
また、現状の財務会計処理を行う装置(一般的に所定のOSがインストールされたコンピュータに、当該OS上で作動するアプリケーションソフトがインストールされた装置)は、財務会計や在庫、仕入、工数管理等複数の処理を同時に行い、データを一元化し各データが入力されていることを条件に会計管理台帳等を作成するようにされている。
このため財務会計及びソフトウエアの専門知識や複雑な振替伝票処理が必要となり、作業が煩雑となり(経営管理台帳を作成するに当たり複数のデータの入力が必要になる)、台帳を容易に作成することができないという欠点があった。
他にもこの種のシステムとして、例えば特許文献1により提案されたものが知られている。これは、月ごとに、ディスプレイ上に請求書表を表示させ、これに業者から発行された請求書情報を入力し、また、ディスプレイ上に入金表を表示させ、入金情報を入力するものである。そして、ディスプレイ上に工事台帳表を表示させ、先に作成された請求書表、入金表の情報をインポートしつつ、それ以外の情報を入力して、月ごとに工事台帳を作成し、これに工事ごとの入金差額(粗利益)、経費率(粗利益率)を表示させるものである。また、特許文献2には、入力手段と、表示手段と、工事台帳原簿を記憶する記憶手段と、前記表示手段に工事毎の工事台帳を1画面に表示させ、該工事台帳原簿に記憶させる処理手段と、を備えた工事台帳作成装置において、1画面に表示される工事台帳には、請負金額、業者毎の予算とその総額、業者ごとに要した原価とその総額が表示され、その表示内容の書き換え及び追加記入が可能にされた工事台帳作成装置が開示されている。
特開2000−123075号公報 特開2004−54662号公報
しかしながら、従来、多次元のデータを分析する際は、目的別に個別のデータベースを作って、それらを個別に分析しているのが一般的であり、次元の異なるデータベース間での経営分析を行うことは困難であった。そこで、本発明者は、先に特願2008−090639を以って、この課題を解決できる経営管理システム基づく工事台帳と資金繰りシステムを提案している。
上述の経営管理システムは、収入(借方)の管理場所として、データ保管場所としての仮想の立方体を設け、支出(貸方)のデータ保管場所としての仮想の立方体を設け、これらデータ保管場所を、借方キューブ1並びに貸方キューブ2とし、借方キューブ1は、X軸上に収益の科目情報1a、Y軸上に得意先情報1b、Z軸方向に、時間1cの多次元立体セルを設定すると共に、貸方キューブ2は、X軸上に費用の科目情報2a、Y軸上に支払い相手先情報2b、Z軸方向に、時間2zの多次元立体セルを設定して、借方キューブ1並びに貸方キューブ2共に、X、Y、Zの軸を持つ多次元の仮想キューブを構成して1件工事における各種情報を容易に得ることができ、工事台帳を少ない工数で容易に作成できるようにしたものである。本発明もまた前記のような従来技術の課題を解決することを目的として開発されたものであり、さらに、X軸、Y軸及びZ軸の科目又は時間を2階層以上に構成して管理することで、汎用性が向上し、理論上、エンドレスに決算書の作成が可能になる多次元データ格納キューブを用いた経営管理システムを提供するものである。
上記課題を解決するため本発明は、経営管理データを格納した多次元データ格納キューブを用いた経営管理システムであって、アプリケーションソフト及び各種データを格納する記憶装置に接続された演算部と、この演算部にインターフェイスを介して接続されたデータを入力するキーボード及びマウス等のデータ入力手段と、このデータ入力手段からのデータ入力作業に従って台帳に必要なデータを演算作成すると共に、ディスプレイに表示可能な表形式の台帳、決算予想と損益計算書、資金繰りと貸借対照表を作成し、演算生成されたデータを各帳表内に表示せしめると共に、演算部により作成された各帳表を印刷するプリンターとを備えたハード構成とされ、システム全体を総括的に制御するプログラムが、入力データ情報、マスター情報と、本システムにリンクされた積算ソフト、会計ソフト及び給与ソフトから、決算予想と損益計算書、資金繰りと貸借対照表、台帳、見積り受注率と工事粗利率及び経理の各種帳票を出力する機能を有し、経営サポート情報を得ることができるモジュール構成とされ、前記演算部に、複式簿記の手順に「時間軸」を加えて三次元管理するプログラムを格納してなる経営管理システムにおいて、X軸、Y軸及びZ軸の各々の軸に対して、属性の異なる科目情報又は異なる時間情報を各々複層し、複式簿記の手順における収入(収益)データの格納場所としての「借方キューブ」と、支出(費用)のデータ格納場所としての「貸方キューブ」を設け、「借方キューブ」は、X軸上に「収益の科目情報」、Y軸上に「得意先情報」、Z軸方向に「時間」のセルを設定すると共に、「貸方キューブ」は、X軸上に「費用の科目情報」、Y軸上に「支払い相手先情報」、Z軸方向に「時間」のセルを設定して、「借方キューブ」並びに「貸方キューブ」共に、X、Y、Zの軸を持つ多次元の仮想キューブを構成し、さらに、X軸、Y軸及びZ軸の科目又は時間に対応する属性の異なる管理情報を2階層以上に構成し、原価管理と経営管理を同一シート上で管理することを第1の特徴とする。また、「借方キューブ」に「売り上げ、収入の情報」を蓄積格納し、また、「貸方キューブ」に「支払い、出金の情報」を蓄積格納し、「売り上げ、収入」に関しては「借方キューブ」を、また、支払い、出金に関しては「貸方キューブ」内のセルを任意に組み合わせることで、必要とする経営情報を抽出することを第2の特徴とする。
本発明によれば、下記の優れた効果が得られる。
(1)一件のワーク(工事、受注製品)等毎、月毎の履行管理ができる。
(2)支払検収相手先毎に、毎月計上される支払請求書の査定をするに当たり契約金額と支払実績の対比が容易にでき、当月の支払検収金額の査定が容易にできる。
(3)過去の「支払相手先毎、月毎」の情報の入手が容易である。
(4)一件のワークの履行状況に対する各支払検収相手先(契約先)毎の履行実績の対比ができる。
(5)「年間受注台帳」の情報を元にして、売上計上情報、支払検収情報を経て、資金繰り情報の入手ができる。
(6)「年間受注台帳」の情報を元にして、一件のワーク毎の集計をすることにより、決算予想ができる。
(7)「年間受注台帳」を集計することにより「得意先」「支払検収相手」「材料費」「労務費」「外注費」「経費」「工事粗利」「利益率」の累計及び明細における三次元管理ができる(日毎、指定月間毎、年間の管理)。
(8)仮想キューブのX軸、Y軸及びZ軸の科目又は時間を2階層以上に構成して管理することで、汎用性が向上し、理論上、エンドレスに決算書作成が可能になる。
本発明の経営管理システムの基本構想である多次元借方キューブを示す斜視図である。 本発明の経営管理システムの基本構想である多次元貸方キューブを示す斜視図である。 決算期の4分の3を経過した時点での収入状況を示す多次元借方キューブの斜視図である。 決算を迎えた時期の収入状況を示す多次元借方キューブの斜視図である。 任意の工事の任意の月の売上状況を示す多次元借方キューブの斜視図である。 任意の工事の年間の売上状況を示す多次元借方キューブの斜視図である。 任意の得意先の任意の月の売上状況を示す多次元借方キューブの斜視図である。 任意の得意先の年間の売上状況を示す多次元借方キューブの斜視図である。 任意の月毎の売上計上の状況を示す多次元借方キューブの斜視図である。 仮想多次元借方キューブを示す斜視図である。 仮想多次元借方キューブの比較状態を示す斜視図である。 決算期の4分の3を経過した時点での収入状況を示す多次元貸方キューブの斜視図である。 決算を迎えた時期の収入状況を示す多次元貸方キューブの斜視図である。 任意の工事の任意の月の支払検収の状況を示す多次元貸方キューブの斜視図である。 任意の工事の年間の支払検収の状況を示す多次元貸方キューブの斜視図である。 任意の支払相手先の任意の月の支払検収状況を示す多次元貸方キューブの斜視図である。 任意の支払相手先の年間の支払検収状況を示す多次元貸方キューブの斜視図である。 任意の月毎の支払検収の状況を示す多次元貸方キューブの斜視図である。 仮想多次元貸方キューブを示す斜視図である。 仮想多次元貸方キューブの比較状態を示す斜視図である。 決算期を迎え、収入と支出が確定した状態を示す経営管理キューブの斜視図である。 仮想多次元借方キューブと仮想多次元貸方キューブの収入と支出の対比を示す斜視図である。 本発明に係る工事台帳作成と資金繰りシステムのハードウエア構成図とモジュール構成図である。 本発明に係る多次元借方キューブの仮想階層シート(収益の表)のデータ構成の一実施例を示す概念図である。 本発明に係る多次元貸方キューブの仮想階層シート(費用の表)のデータ構成の一実施例を示す概念図である。 図24のシートから構成した仮想キューブの実施例を示す概念図である。 図25のシートから構成した仮想キューブの実施例を示す概念図である。 経営管理キューブの全体構成を示す概念図である。 本発明に係る多次元借方キューブの仮想階層シート(収益の表:2層管理)のデータ構成の一実施例を示す概念図である。 図29の仮想階層シート(収益の表)の貸方キューブ構成を示す斜視図である。 本発明に係る多次元貸方キューブの仮想階層シート(費用の表:2層管理)のデータ構成の一実施例を示す概念図である。 図31の仮想階層シート(費用の表)の借方キューブ構成を示す斜視図である。 経営管理キューブ(2層管理)の全体構成を示す概念図である。 本発明に係る多次元借方キューブの仮想階層シート(3階層)のデータ構成の一実施例を示す概念図である。 本発明に係る多次元貸方キューブの仮想階層シート(3階層)のデータ構成の一実施例を示す概念図である。
以下、図を参照して本発明に係る経営管理データを格納した複数の仮想キューブを用いた経営管理システムについて説明する。
以下、図面に従って本発明の経営管理システムの基本構想である経営管理キューブについて詳細に説明する。
本発明に係る経営管理システムの基本概念として、経営を管理するに当たり、現在の複式簿記の手法に「時間軸」を加えて三次元管理する。先ず、データを明確化するために、収入(借方)の部と支出(貸方)の部を明確に分離した。このため、図1及び図2に示すように、収入の管理場所としての多次元の機能軸を有する「借方キューブ」1と、支出の管理場所としての多次元の機能軸を有する「貸方キューブ」2の仮想の立方体を作り、「借方キューブ」1には、X軸上に「収益の科目」1a、Y軸上に「得意先」1b、Z軸方向に「時間」1cを取り、各々のデータを格納するセルを設ける。「貸方キューブ」2には、X軸上に「費用の科目」2a、Y軸上に「支払い相手先」2b、Z軸方向に「時間」2cを取り、各々のデータを格納するセルを設ける。すなわち、「借方キューブ」1、「貸方キューブ」2共に、X、Y、Zの軸を持ち、これらの軸上に積層されたデータ格納場所としての複数の立体セルから構成された仮想キューブとする。すなわち、仮想キューブに階層を持たせる構成とする。
[借方キューブ]について説明する。
図3に示すように、「借方キューブ」1のX軸には、「収益の科目」1aとなる(工事名、雑収入項目)を、Y軸には「得意先」1bとしての(得意先名称)を、Z軸には、「時間」1cとなる(月あるいは日)の各項目を設け、受注した工事名と、その発注元となる得意先名が交差する点のセル内に売上金額データを格納し、月日の経過により、Z軸方向にデータを積層していく。図3では、1月を期首として、同年の9月30日を迎えた時点を示す多次元仮想キューブであり、実線部分は、決算期の4分の3を経過した時点での収入の状況を示すものとなる。
図4は、1月を期首として、同年の12月31日を迎えた時点での「借方キューブ」1を示すもので、実線部分は、決算を迎えた時期の収入状況を示すものとなる。このデータを加工・抽出すると、図3に示すキューブのデータを年間の確定値として得ることができる。
操作:[借方キューブの任意のセルをY軸方向に抜き取る]
図5に示すように、借方キューブの一部分のセル情報を抜き取ることで、さらに詳しい帳票を得ることができる。X軸を単位としてY軸方向に抜き取ると、工事毎のデータを得ることができる。例えば、図5のキューブの斜線部分は、収益科目[イロハ施設設備工事]の5月の売上計上の状況を示す。また、図6のキューブに示す斜線部分のように、平面で抜き取ると、[イロハ施設設備工事]の年間の売上状況を得ることができる。
操作:[借方キューブの任意のセルをX軸方向に抜き取る]
図7に示すように、Y軸を単位として、Y軸方向に抜き取ると、得意先毎のデータを得ることができる。例えば、図7のキューブの斜線部分は、得意先[国土交通省]の3月の売上状況を示す。
操作:[借方キューブの任意のセルをZ軸の断面で抜き取る]
図9に示すように、Z軸の断面を抜き取ると、月毎の売上計上の状況データを得ることができる。例えば、図9のキューブの斜線部分は、7月度の売上計上の状況を示す。
[仮想借方キューブ]について説明する。
操作:[借方キューブに仮想受注工事を予想データとして加える]
決算予想及び資金繰り予想における収入の計画を立てるためには、現在の収入の確定値と未成工事の収入計画、さらに、今後受注する予定の工事の収入計画を合計して検討する必要がある。そこで、図10に示すように、借方キューブ1に、仮想受注工事を加えたものを「仮想借方キューブ」1Aと呼ぶ。例えば、図10のキューブの斜線部分は、[(受注予定工事)ABC工事]の予想データを示す。
[仮想借方キューブの比較]について説明する。
操作:収入のデータを管理するとき、受注予定物件を取捨選択するために、それぞれの受注に対して収入の計画を立て、その中から最善の受注計画を実行する。そこで、図11に示すように、仮想受注に対して必要な数の「仮想借方キューブ」1Aを作り、それぞれの受注計画における収入の状況を仮想する。例えば、図11のキューブは、[ABC工事]を受注した場合、[大分施設工事]を受注した場合、[ABC工事]と[大分施設工事]の2件を受注した場合の「仮想借方キューブ」1Aを並べた状態で、それぞれの収入の状況を仮想したデータを示す。現在を9月30日とした場合、1月〜9月のデータは確定値を示し、図11の各キューブの斜線部分は、受注予定物件を受注した場合の年間収入状況を示す。
[貸方キューブ]について説明する。
図12に示すように、「貸方キューブ」2のX軸には、「費用の科目」2aとなる(工事名、一般管理費、雑収入項目)を、Y軸には「支払相手先」2bとしての(材料費、労務費、外注費、経費の各名称)を、Z軸には、「時間」2cとなる(月あるいは日)の各項目を設け、受注した工事名と、その工事で発生した費用の支払相手先が交差する点のセル内に支払金額データを格納し、月日の経過により、Z軸方向にデータを積層していく。図12は、1月を期首として、同年の9月30日を迎えた時点を示すキューブであり、実線部分は、決算期の4分の3を経過した時点での支出の状況を示すものとなる。
図13は、1月を期首として、同年の12月31日を迎えた時点での「貸方キューブ」2を示すもので、実線部分は、決算を迎えた時期の支出状況を示すものとなる。このデータを加工・抽出すると、図12に示すキューブのデータを年間の確定値として得ることができる。
操作:[貸方キューブの任意のセルをY軸方向に抜き取る]
図14に示すように、貸方キューブの一部分のセル情報を抜き取ることで、さらに詳しい帳票を得ることができる。X軸を単位としてY軸方向に抜き取ると、工事毎のデータを得ることができる。例えば、図14のキューブの斜線部分は、費用の科目[イロハ施設設備工事]の5月の支払検収の状況を示す。また、図15のキューブの斜線部分のように、平面で抜き取ると、[イロハ施設設備工事]の年間の支払検収状況を得ることができる。
操作:[貸方キューブの任意のセルをX軸方向に抜き取る]
図16に示すように、Y軸を単位として、X軸方向に抜き取ると、支払相手先毎のデータを得ることができる。例えば、図16のキューブの斜線部分は、支払相手先[外注−1]の3月の支払検収状況を示す。さらに平面でデータを抜き取ると、図17のキューブのようになり、支払相手先[外注−1]の年間の支払検収状況が示される。
操作:[貸方キューブの任意のセルをZ軸の断面で抜き取る]
図18に示すように、Z軸の断面を抜き取ると、月毎の支払検収の状況データを得ることができる。例えば、図18のキューブの斜線部分は、7月度の売上計上の状況を示す。
[仮想貸方キューブ]について説明する。
操作:[貸方キューブに仮想受注工事を予想データとして加える]
決算予想及び資金繰り予想における支出の計画を立てるためには、現在の支出の確定値と未成工事の支出計画、さらに、今後受注する予定の工事の支出計画を合計して検討する必要がある。そこで、図19に示すように、貸方キューブ2に、仮想受注工事を加えたものを「仮想貸方キューブ」2Aと呼ぶ。例えば、図19のキューブの斜線部分は、[(受注予定工事)ABC工事]の予想データを示す。
[仮想貸方キューブの比較]について説明する。
操作:支出のデータを管理するとき、受注予定物件を取捨選択するために、それぞれの受注に対して支出の計画を立て、その中から最善の受注計画を実行する。そこで、図20に示すように、仮想受注に対して必要な数の「仮想貸方キューブ」2Aを作り、それぞれの受注計画における支出の状況を仮想する。例えば、図20のキューブは、[ABC工事]を受注した場合、[大分施設工事]を受注した場合、[ABC工事]と[大分施設工事]の2件を受注した場合の「仮想貸方キューブ」2Aを並べた状態で、それぞれの支出の状況を仮想したデータを示す。現在を9月30日とした場合、1月〜9月のデータは確定値を示し、図20の各キューブの斜線部分は、受注予定物件を受注した場合の年間支払検収状況を示す。
[収入と支出の対比]について説明する。
図21に示すように、借方キューブ1と貸方キューブ2を組み合わせると、収入と支出のバランスを示すことができる。すなわち、借方キューブ1の量(セルの体積)が貸方キューブ2の量(セルの体積)を上回れば、「黒字」である。逆に、借方キューブ1の量が貸方キューブ2の量を下回ると「赤字」である。図21の双方のキューブは、決算期を迎え、収入と支出が確定した状態を示す。
図22は、各々一対となった「仮想借方キューブ」1Aと「仮想貸方キューブ」2Aの収入と支出の対比を示すものであり、例えば、[ABC工事]を受注した場合、[大分施設工事]を受注した場合、[ABC工事]と[大分施設工事]の2件を受注した場合の3パターンを比較した。これらのキューブの総量比較により、それぞれの仮想工事が収入と支出に与える影響を把握した上で、どの受注パターンを実行した場合が収入と支出に対して最も有益かを比較検討して最善の受注計画を選択することができ、「今期決算」「資金繰り」「次期の経営計画」の助力とすることができる。
以上説明したように、「借方キューブ」1に「売り上げ、収入の情報」を蓄積する。また、「貸方キューブ」2に「支払い、出金の情報」を蓄積し、「売り上げ、収入」に関しては「借方キューブ」1を、また、支払い、出金に関しては「貸方キューブ」2をこれらの立体セルを任意に組み合わせることで、必要とする情報を構築し入手するものであり、例えば、「年間工事台帳」はこの切断された断面に表出した情報の一つである。また、「借方キューブ」1と「貸方キューブ」2の総量の比較が決算(年間、月次)である。また、「借方キューブ」1と「貸方キューブ」2を時間軸(Z軸)で集計比較すると「年間資金繰り」「月間資金繰り」「日繰り予定表」となる。
以下、本発明の経営管理システムを実現する一例としての工事台帳と資金繰りシステム(アプリケーションソフトウエア)について詳細に説明する。当該システムは下記の機能を有する。
・決算予想と損益計算書:決算予想表・決算予想内訳表・決算予想内訳表(受注予定工事を含む)・手持ち工事額・月毎工事受注表の各種帳票の印刷を行なう。
・資金繰りと貸借対照表:月次資金繰り表(確定・未完成工事含む・受注予定工事含む)・売上計上一覧(確定・未完成工事含む・受注予定工事含む)・支払検収一覧(確定・未完成工事含む・受注予定工事含む)・日繰り予定表の各種帳票印刷を行なう。
・工事台帳:請負工事台帳、年間工事台帳などの各種帳票の印刷を行なう。
・経理:入金表、出金表、収支表、収支内訳表、収支内訳表(担当別)、売上データ、支払データ、月報データ、支払明細書・集計、仕掛一覧表の各種帳票印刷を行なう。
・見積り受注率と工事粗利率:見積り受注率と工事粗利率の印刷を行なう。
・データ入力:受注物件情報、実行予算情報、受注予定工事情報、労務費、材料費、外注費、諸経費、売上金額、入金予定、出金予定、売上計上予定、支払検収予定、月次の資金対策、等の入力を行なう。
・マスター入力:取引先情報、カレンダー、年間経費、一般管理費、支払条件、等の入力を行なう。
・システム設定:システム設定及び、期の繰越処理を行う。
・繰越金の表示/修正もできる。
当該「工事台帳と資金繰りシステム」は、図23(a)に示すように、アプリケーションソフト及び各種データを格納する記憶装置7に接続された演算部3と、この演算部3にインターフェイス8を介して接続されたデータを入力するキーボード及びマウス等のデータ入力手段4と、このデータ入力手段4からのデータ入力作業に従って工事台帳に必要なデータを演算作成すると共に、ディスプレイ5に表示可能な表形式の工事台帳、決算予想と損益計算書、資金繰りと貸借対照表(以下、各帳表という)を作成し、演算生成されたデータを各帳表内に表示せしめると共に、演算部3により作成された各帳表を印刷するプリンター6とを備えたハード構成とされ、システム全体を総括的に制御するプログラムは、図23(b)に示すモジュール構成とされている。すなわち、入力データ情報10、マスター情報11と、本システムにリンクされた積算ソフト12、会計ソフト13及び給与ソフト14から、決算予想と損益計算書15、資金繰りと貸借対照表16、工事台帳17、見積り受注率と工事粗利率18及び経理19の各種帳票を出力する機能を有し、経営サポート情報20を得ることができる。
尚、本実施態様における工事台帳と資金繰りシステムは、パーソナルコンピュータ9の演算部6において所定のOS上で作動するアプリケーシションソフトウエアにより実行される。
本発明の要旨は、「原価管理と経営管理を同一プラットフォームで管理するシステム」にあり、「原価管理」とは、工事台帳、見積受注率と工事粗利率の管理であり、「経営管理」とは、決算予想、資金繰り、経理情報の管理を指す。そして、時間軸を階層管理することで、一年毎のみならず、複数年、理論上は、エンドレスの決算書を作成できる。
例えば、ある企業(建設業)の5月(一ヶ月間)の収益を管理するためには、
1.X軸とY軸を持つ仮想のシート「収益の表」(図24)を作る。
2.建設業において「収益」に関わる科目は「工事」「雑収入」がある。これらの収益に関する科目をX軸に取る。
3.「収益」をもたらす相手先を「得意先」としてY軸に取る。
4.X軸上に並べた工事物件名とY軸上に並べた「得意先(工事発注者)」との交点のセルに売上金額を書き込む。
5.収益の発生した工事物件名とY軸に並べた「得意先(工事発注者)」との交点のセルに一ヶ月分の収益を全て書き込むと、この企業の5月分の収益情報を集約した一枚のシート(「収益の表」)になる。
6.費用を管理するために、X軸とY軸を持つ仮想のシート「費用の表」(図25)を作る。
7.費用に関わる科目には「工事」「雑費用」「一般管理費」等がある。これらの費用に関する科目をX軸に取る。
8.「費用」の相手先を「支払検収先」としてY軸に取る。
9.X軸上に並んだ「支払検収先」との交点のセルに支払検収金額を書き込むと、この企業の一ヶ月分の費用の情報を集約した一枚のシート(「費用の表」)になる。
10.「収益の表」にZ軸を加え、時間の情報を与えて決算期間で表すと仮想キューブ(立方体)ができる(図26)。これを「借方キューブ」と呼ぶ。「借方キューブ」には、この企業の決算期首から決算期末までの一年間の収益情報が全て集約される。
11.同様に「費用の表」にZ軸を加え、時間の情報を与えて決算期間で表すと仮想キューブ(立方体)ができる(図27)。これを「貸方キューブ」と呼ぶ。「貸方キューブ」にはこの企業の決算期首から決算期末までの一年間の費用の情報が全て集約される。
12.「借方キューブ」と「貸方キューブ」を一対に並べて、収益と費用の関係を表したものを「経営管理キューブ」(図28)と呼ぶ。
13.「経営管理キューブ」において、「借方キューブ」と「貸方キューブ」の合計金額の差額が、この企業の当該決算期における「利益」となる。
すなわち、「経営管理キューブ」は、損益計算書に時間の情報を与えて三次元化したものである。
さらに、「経営管理キューブ」に「マスター情報」を付加すると、「資金繰り」情報が得られる。これは一般の会計システムにおける「貸借対照表」に相当する。
本発明は、さらに、X軸、Y軸及びZ軸の科目又は時間を2階層以上に構成して管理することで汎用性が向上する。図29乃至図33にそのシート部分の階層の例を示す。すなわち、図29乃至図33は、建設業における収益の表と費用の表のX軸とY軸をそれぞれ2階層に構成したもので、図34及び図35は、農業における収益の表と費用の表のX軸とY軸をそれぞれ3階層に構成したものである。そして、これらの仮想階層シートのデータ構成を基に時間軸を加えた多次元の仮想キューブを構築し、経営管理に資すものである。
1 借方キューブ
1A 仮想借方キューブ
1a 収益の科目(X軸)
1b 得意先(Y軸)
1c 時間(Z軸)
2 貸方キューブ
2A 仮想貸方キューブ
2a 費用の科目(X軸)
2b 支払相手先(Y軸)
2c 時間(Z軸)
3 演算部
4 データ入力手段
5 ディスプレイ
6 プリンター
7 記憶装置
8 インターフェイス
9 パーソナルコンピュータ
10 入力データ情報モジュール
11 マスター情報モジュール
12 積算ソフト
13 会計ソフト
14 給与ソフト
15 決算予想と損益計算書モジュール
16 資金繰りと貸借対照表モジュール
17 工事台帳モジュール
18 見積り受注率と工事粗利率モジュール
19 経理モジュール
20 経営サポート情報

Claims (2)

  1. アプリケーションソフト及び各種データを格納する記憶装置に接続された演算部と、この演算部にインターフェイスを介して接続されたデータを入力するキーボード及びマウス等のデータ入力手段と、このデータ入力手段からのデータ入力作業に従って台帳に必要なデータを演算作成すると共に、ディスプレイに表示可能な表形式の台帳、決算予想と損益計算書、資金繰りと貸借対照表を作成し、演算生成されたデータを各帳表内に表示せしめると共に、演算部により作成された各帳表を印刷するプリンターとを備えたハード構成とされ、システム全体を総括的に制御するプログラムが、入力データ情報、マスター情報と、本システムにリンクされた積算ソフト、会計ソフト及び給与ソフトから、決算予想と損益計算書、資金繰りと貸借対照表、台帳、見積り受注率と工事粗利率及び経理の各種帳票を出力する機能を有し、経営サポート情報を得ることができるモジュール構成とされ、前記演算部に、複式簿記の手順に「時間軸」を加えて三次元管理するプログラムを格納してなる経営管理システムにおいて、X軸、Y軸及びZ軸の各々の軸に対して、属性の異なる科目情報又は異なる時間情報を各々複層し、複式簿記の手順における収入(収益)データの格納場所としての「借方キューブ」と、支出(費用)のデータ格納場所としての「貸方キューブ」を設け、「借方キューブ」は、X軸上に「収益の科目情報」、Y軸上に「得意先情報」、Z軸方向に「時間」のセルを設定すると共に、「貸方キューブ」は、X軸上に「費用の科目情報」、Y軸上に「支払い相手先情報」、Z軸方向に「時間」のセルを設定して、「借方キューブ」並びに「貸方キューブ」共に、X、Y、Zの軸を持つ多次元の仮想キューブを構成し、さらに、X軸、Y軸及びZ軸の科目又は時間に対応する属性の異なる管理情報を2階層以上に構成し、原価管理と経営管理を同一シート上で管理することを特徴とする多次元データ格納キューブを用いた経営管理システム。
  2. 「借方キューブ」に「売り上げ、収入の情報」を蓄積格納し、また、「貸方キューブ」に「支払い、出金の情報」を蓄積格納し、「売り上げ、収入」に関しては「借方キューブ」を、また、支払い、出金に関しては「貸方キューブ」内のセルを任意に組み合わせることで、必要とする経営情報を抽出することを特徴とする請求項1記載の多次元データ格納キューブを用いた経営管理システム。
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