JP5593169B2 - 金属空気二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、正極活物質として酸素を用いた金属空気電池に係り、特に、充放電可能な金属空気二次電池に関するものである。
近年、環境保護と省エネルギー化との意識の高まりから、自動車業界においては、従来のガソリンを燃料とした自動車に代わって、ガソリンエンジンと電気で駆動するモータを併用するハイブリッド電気自動車(HEV)やモータのみで駆動する電気自動車(EV)の開発競争が激化している。
電気エネルギーの供給源である蓄電池の特性は、これらの電気自動車の性能を大きく左右するため、各電気自動車メーカと提携関係にある電池メーカは、リチウムイオン二次電池の開発にしのぎを削っている。
リチウムイオン二次電池は、その軽量・高出力という特徴から、電気自動車の蓄電池としての利用が最も期待されている。
しかし、その重量エネルギー密度は、400Wh/kg程度が理論的上限と考えられており、実際に得られている重量エネルギー密度は約100Wh/kgである。
電気自動車の本格的な普及には、約500Wh/kgの重量エネルギー密度が必要であると言われており、現在、蓄電池の研究開発の中心であるリチウムイオン二次電池よりも大きな重量エネルギー密度が期待できる革新型電池の開発が求められている。
リチウムイオン二次電池の重量エネルギー密度を制約している要因の一つとして、コバルト酸リチウムに代表される含リチウム遷移金属酸化物の正極材料がある。その構成元素である遷移金属元素は、重金属であるため、蓄電池として組み込むと重量が増加し、結果として重量エネルギー密度が小さくなってしまう。
そこで、正極材料に大気中の酸素を利用し、負極材料に金属を利用する金属空気電池が注目されている。
さらに、こうした金属空気電池を電力貯蔵に用いても、重量低減によるコスト低減が見込めるため、金属空気電池に対する期待が高まっている。
この金属空気電池は、リチウムイオン電池と同様に、実用的な出力を確保するため、高積層化,大面積化,大容量化が必要である。
金属空気電池においては、これまで補聴器の電源に使用されている亜鉛を用いた金属空気電池に代表されるように、金属空気一次電池としての実用化に留まっており、充放電可能な金属空気二次電池としての実用化は未だなされていない。
金属空気二次電池の実用化を阻む理由としては、充電時において過電圧が大きいことなどが挙げられる。
例えば、非特許文献1では、理論開回路電圧2.96Vに対して、放電電位が2.5〜2.7Vであるものの、充電電位が高く、充電過電圧が高いことが報告されている。
例えば、特許文献1においてはリチウム空気電池において、アルカリ金属またはアルカリ土類金属と、遷移金属と、酸素を有する複合酸化物を触媒として用いる構成が開示されているものの、充電電圧は4.3Vと高い。
また、リチウム空気二次電池の空気極で使われる触媒は、主に貴金属(Pt,Auなど)と酸化物MnO2がある。しかし、貴金属を使うと、コストが高く、しかも、微粒子や超微粒子の形態で使うので、貴金属微粒子などが酸化されやすく、安定性が低い。
例えば、特許文献2で、カーボン複合触媒粉末の製造において、Pt前駆体をカーボンに含浸し、時間および温度をコントロールすることにより、前駆体のエアロゾルから分散性のよいPt粒子が形成される。
特許文献2の実施例では、Pt−カーボン複合触媒粉末を用いることにより、水溶液系亜鉛−空気電池でクーロン効率などが向上し、Ptの使用量の低減により、低コスト化が期待できる。しかし、依然として酸化物に比べコストは高い。一方、酸化物を用いることで、コストが低く、触媒も安定である。そのため、空気二次電池の酸化物触媒の研究がなされている。その中でも、MnO2は触媒性能とコストのバランスが優れているものである。
特開2009−252638号公報 特表2003−527735号公報
Takeshi Ogasawara et al, "Rechargeable Li2O2 Electrode for Lithium Batteries", Journal of the American Chemical Society 2006,128,1390-1393
金属空気二次電池は、
放電反応として、
(負極側)2Li→2Li++2e- −−− (1)
(正極側)O2+2Li++2e-→Li22 −−− (2)
(全反応)2Li+O2→Li22 −−− (3)
また、充電反応として、
(負極側)2Li←2Li++2e- −−− (4)
(正極側)O2+2Li++2e-←Li22 −−− (5)
(全反応)2Li+O2←Li22 −−− (6)
の反応が一般に知られている。
金属空気電池の二次電池化の課題は主に二点がある。(1)触媒として、従来はMnO2が使われているが、容量が不十分である。(2)クーロン効率の向上が必要である。
上記二つの課題を解決するため、(1)に対しては、新しい触媒であるSiO2で容量を向上する。(2)に対しては、非晶質触媒を用いることで、クーロン効率を向上する。
リチウム空気二次電池のクーロン変換効率を向上するため、改良方法として、従来は次の二つがあげられる。(a)リチウム空気二次電池の空気極の触媒の比表面積を増やす方法である。(b)リチウム空気二次電池の空気極の酸化物触媒の使用量を増加する方法である。
(a)の方法をとる場合、触媒の比表面積を増加するには、小粒径化が挙げられる。しかし、触媒の粒径が小さいほど、分散しにくく、有効な反応活性は確保できにくい、一方、酸化物触媒の量が増えると、電池の抵抗が上がるため、少ない触媒でも変換効率向上が要求されている。
従って、本発明の目的は、金属空気二次電池において、これまでの方法と異なる、容量やクーロン効率を向上する触媒を提供することを目的にするものである。
本発明の一実施態様である金属空気二次電池は、負極活物質として作用する金属イオンを吸蔵・放出する負極部材と、正極活物質として作用する酸素をイオン化する正極部材、すなわち正極部材と、負極部材と正極部材(正極部材)との間に設置された電解質または電解液が含浸されているセパレータと、を有するものである。
そして、正極部材は、正極活物質である酸素が通過できる多孔質体であり、この多孔質体に酸化物触媒、または酸化物触媒を担持した担持体も含む構成を特徴とする。
上記の正極部材には、大きな比表面積を持つ触媒担持体を含んでもよい。例えば、炭素系のケッチェンブラック(KB),アセチレンブラック(AB),ナノカーボンチューブ(CNT),ナノカーボンファイバー(CNF),貴金属(Pt,Auなど)微粒子などが挙げられる。
また、本実施態様の金属空気二次電池は、金属イオンを供給する金属が、リチウム,ナトリウム,カルシウム,マグネシウム,アルミニウム、または亜鉛であることが好ましい。特に、有機電解液が使用でき、放電電圧が2.0〜2.5Vと高く、3V程度で使用できるリチウムが、特に好ましい。
また、負極のリチウムは、他の金属との合金になっていてもよいし、炭素材料を含んでいてもよいが、純リチウムが高エネルギー密度化の点から好ましい。
本発明により、金属空気二次電池において、容量や充放電のクーロン効率を向上することが可能となる。
また、金属空気二次電池において、触媒としてSiO2を用いることで、容量が従来のMnO2などの触媒より、向上することが可能である。
また、金属空気二次電池において、非晶質の触媒を用いることで、クーロン効率が大幅向上することが可能である。
本実施例による金属空気二次電池の断面図。 本実施例による正極部材の構成を示す模式図。 触媒担体を有する正極部材の拡大構成を示す模式図。 本実施例の空気二次電池の酸化物触媒SEM像。 本実施例の空気二次電池の充放電3サイクルのカーブ。
本実施形態では、空気極となる正極部材を金属多孔質体と新規な酸化物触媒であるSiO2を用いることにより、クーロン効率の向上に寄与する金属空気電池を説明する。
正極部材に用いる基材としては、導電剤または/および触媒担体、ガス拡散材としても機能する構成として、金属多孔質体を用いてもよい。
また、本実施態様の金属空気二次電池に使用する金属多孔質体の材料としては、Ni,Al,Cu,Ti,SUSなどを用いることが好ましく、特に、Ni,Al,Cuが好ましい。
また、金属多孔質体の比表面積としては、触媒の分散の観点から、0.03m2/g以上が望ましい。
また、金属多孔質体の細孔径としては、10nm以上が好ましく、450μm以下が好ましい。これは、細孔が小さすぎると酸素の拡散が悪化し性能低下を引き起こす可能性があるためであり、また細孔が大きすぎると有効に触媒を担持することができないためである。
また、金属多孔質体には、酸化物触媒を担持させることができる。
この酸化物触媒の担持方法としては、特に限定されるものではないが、製法上の容易さから、触媒を溶媒に分散させて分散液を金属多孔質体に含浸させた後、乾燥させる方法や、金属粉末と触媒にバインダを用いて混合して固める方法が好ましい。
また、正極部材に触媒とは別に炭素など導電性を持つ触媒担体を添加することにより、触媒の分散を上げられ、より導電性が優れるネットワークを構築することができ、酸素ガス拡散経路を良好に形成することができ、空気極の触媒の性能を向上することが可能である。
本実施形態に用いる電解液としては、一般的に、リチウムイオン二次電池などで用いる非水系電解液を用いることができる。
例えば、プロピレンカーボネート,エチレンカーボネート,ブチレンカーボネート,ビニレンカーボネート,γ−ブチロラクトン,ジメチルカーボネート,ジエチルカーボネート,メチルエチルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン,2−メチルテトラヒドロフラン,ジメチルスルフォキシド、1,3−ジオキソラン,ホルムアミド,ジメチルホルムアミド,プロピオン酸メチル,プロピオン酸エチル,リン酸トリエステル,トリメトキシメタン,ジオキソラン,ジエチルエーテル,スルホラン,3−メチル−2−オキサゾリジノン,テトラヒドロフラン、1,2−ジエトキシエタン,クロルエチレンカーボネート,クロルプロピレンカーボネートより選択された少なくとも一種類の溶媒を用いることができる。
この中でも、望ましくは、高沸点の環状化合物を用いることが好ましい。
さらに、エチレンオキシド,アクリロニトリル,フッ化ビニリデン,メタクリル酸メチル,ヘキサフルオロプロピレンなどの高分子に保持させた固体電解質や、イオン液体を、非水電解液の代わりに、使用しても良い。
また、水系金属空気二次電池におけるアルカリ水溶液を適用することも可能である。
本実施形態に用いる電解質としては、一般的に、リチウムイオン二次電池などで用いる電解質を用いることができる。
例えば、化学式でLiPF6,LiBF4,LiClO4,LiCF3SO3,LiCF3CO2,LiAsF6,LiSbF6,LiTFSI、あるいは、リチウムトリフルオロメタンスルホンイミドで代表されるリチウムのイミド塩などのリチウム塩を用いることができる。
また、エチレンオキシド,アクリロニトリル,フッ化ビニリデン,メタクリル酸メチル,ヘキサフルオロプロピレンの高分子に、非水電解液を含浸させたゲル電解質を使用しても良い。
本実施形態に用いる結着材(バインダ)としては、一般的に、リチウムイオン二次電池などで用いる結着材を用いることができる。
例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF),ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素系樹脂,スチレンブタジエンゴム(SBR)などを用いることができる。
本実施形態に用いるセパレータとしては、一般的に、リチウムイオン二次電池などで用いるセパレータを用いることができる。
例えば、ポリエチレン,ポリプロピレンなどの多孔質セパレータや、金属イオン導電性を有するガラスセラミックスなどを用いることができる。
本実施形態に用いるセルの形体としては、金属空気二次電池の反応が確認できるものであればよく、ラミネート型,円筒型,角型などのいずれでもよい。本実施形態は、セルの形体に依存しない。
以下、図および表を用いて、本実施形態における実施例を説明する。なお、容量は使用した触媒重量で規格化した。
なお、用いた触媒は、結晶質酸化物,非晶質酸化物のいずれであっても良い。
参考例Aの構成〕
図1に、本実施例による金属空気二次電池の断面図を示す。
本実施例においては、図1に示すようなスエジロック型セルのリチウム空気二次電池を作製した。図1はスエジロック型セルの模式図を示すものである。
本実施例においては、負極部材として金属リチウムを用い、電解液として非水溶媒を用いたリチウム空気二次電池を用いて説明する。
セルの組み立ては、グローブボックス内で行った。
図1に示した、酸素をイオン化する正極部材1の拡大図を図2に示す。
正極部材1は、1a基材,1b触媒,1cバインダから成る。ここで、1a基材とは、通常粉末状である1b触媒を塗布して電極化するための基材としての機能、1b触媒は、酸素をイオン化する機能、1cバインダは、1aと1bを結着させる機能を有する部材である。
まず、表1の参考例Aについて説明する。図2および図3に示すように、ここで、正極部材1は、1a基材と、集電体6の機能を有する金属多孔質体11と、11内に存在する細孔12と、さらに細孔の周りに担持された1b触媒としての酸化物触媒13からなる。1a基材は金属多孔質、炭素系多孔体どちらでも利用可能である。
ここで、表1示すように、金属多孔質体11としては、炭素を含まない金属材料として、Ni繊維を編んだNiフェルトを用いた。このNiフェルトは、気孔率90%、細孔径が約50μm、のものを使用し、厚さ1mm,直径12mmとしてセルを組み立てた。
また、この金属多孔質体に、酸化物触媒13としてSiO2を用い、1cバインダとしてPVdFを用いて、SiO2/PVdFの重量比=4/1になるよう、また、触媒重量が約1.5mgとなるよう、調合し、金属多孔質体に塗布して乾燥させた。
さらに、正極部材1と、金属イオン(本実施例ではリチウムイオン)を吸蔵・放出する負極部材であるリチウム金属3とは、セパレータ2により絶縁される。
リチウム金属3は、直径8mm,厚さ1mmに、くり抜いたものを使用する。ここで、電極面積はリチウム金属の面積として定義し、0.5cm2とした。
セパレータ2は、ポリエチレン製で直径14mmにくり抜いたものを使用する。
以上のように、セパレータ2,正極部材1,リチウム金属3の大きさを設定する。セパレータ,正極部材,負極部材の順に小さくなるように大きさが設定されることが好ましいと考えたためである。
リチウム金属3の表面と正極部材1の表面とに、電解液を数滴滴下し、セパレータ2に含浸させる。
電解液は、電解質である1M(モル)のLiPF6を含んだプロピレンカーボネートを用いる。
さらに、図1に示すように、厚さ1mmのステンレス鋼(SUS)製メッシュからなる集電体6を配置する。なお、1a基材が電子伝導性およびガス拡散性を有しているような、本発明にある金属多孔質体であれば、集電体6を兼用することも可能である。
リチウム金属3の周りには、O−リング4を配置し、リチウム金属3とO−リング4とにステンレス鋼(SUS)製の押さえ板5をあて、リチウム金属3およびO−リング4と押さえ板5とを密着させるように絞め付けバネ7を設置する。
これにより、リチウム金属3と、セパレータ2と、正極部材1とが密着される構造となる。
そして、集電体6の外部から酸素ガス(99.9%)を流量500ml/分でセル内部に流した。10〜15分程酸素ガスを流し、セルに付けた酸素封入弁8を閉じ、セル内部に酸素ガスを封入した。
作製したセルを、端子付きデシケータに設置し、デシケータの内部にアルゴンガスを封入する。デシケータの外側端子を充放電評価装置にとりつけ、セルの充放電評価を実施する。
充放電条件は、電極面積を0.5cm2として、放電:CC0.1mA/cm2で2.0Vカットオフ、充電:CC0.1mA/cm2で4.0Vカットオフとする。
本実施例では、用いた酸化物触媒はSiO2である。このSiO2の合成法を、以下に示す。
本実施形態における、SiO2の合成法は、乾式法より、湿式法を用いて作成したSiO2が好ましい。
SiO2合成の湿式法では、沈降法とゲル法がある。どちらの方法で作ったSiO2とも利用できる。それぞれの合成条件により、BET比表面積が、幅広くコントロールすることが可能である。
SiO2の合成について、沈降法を用いた場合、合成温度などの調整で、BET比表面積は一般に20−600m2/g程度である。一方、ゲル法を用いた場合、合成反応の酸性pH値(一般的に、pH値2−8)や水分の蒸発を制御することにより、BET比表面積は200−1200m2/gが得られる。
本実施例では、用いるSiO2は沈降法より合成したものであるが、製法は特に限定されない。
〔本発明例Bの構成〕
表1に示すように、触媒を非晶質SiO2にしている点以外は、本発明の構成Aと同様である。その基本物性を表1に示している。非晶質SiO2を用いることで、酸素との反応サイトが多いため、クーロン効率の向上を図っている。
図2に示す1cバインダは、PVdFのほかにPTFEなども用いてもよい。PTFEを用いる場合、PTFEの接着力を十分発揮するため、ある温度で熱処理を加える必要があるが、その焼成温度は非晶質触媒の再結晶温度を超えなければ、使ってもよい。
〔比較例〕
〔比較例Cの構成〕
表1に示すように、触媒は、現在金属空気二次電池で、よく使われている結晶性のMnO2(EMD)にしている点以外、本発明の構成Aと同様である。
電解MnO2の物性は表1に示している。電解MnO2は以下のことを特徴とする。
電解最初析出した、一次粒子は棒状であり、粒径が0.5μm以下である。凝集した二次粒子の粒径は30−50μmである。
図4は結晶SiO2,非晶質SiO2,結晶MnO2のそれぞれのSEM像である。それぞれの二次粒子に関して、(A)に示すように、結晶SiO2の二次粒子は約5μm;(B)には非晶質SiO2の二次粒子は20μm以下;(C)は、MnO2の二次粒子は(B)非晶質SiO2と同等レベルである。
図5は実施例のA,Bと比較例Cの充放電3サイクルカーブを示している。横軸は単位触媒重量のセル容量、縦軸は正極である空気極とリチウム金属である負極の間の電圧を示している。
図5に示すように、比較例Cでは3サイクル目の容量は約4mAh/g(容量はMnO2の重量で規格化)である。一方、参考例Aでは、3サイクル目の容量は約13mAh/g(容量はSiO2の重量で規格化)であり、容量が従来に比べ、約3倍向上することが明らかになった。
さらに、クーロン効率に関して、表2と図5を用いて説明する。
図5に示すように、以下の式によりクーロン効率を求めた。
参考例Aの充放電1回目のクーロン効率:
クーロン効率A1(%)=2回目の放電容量(b)/1回目の充電容量(a)×100%
発明例Bの充放電1回目のクーロン効率:
クーロン効率B1(%)=2回目の放電容量(d)/1回目の充電容量(c)×100%
上記のクーロン効率の結果を表2でまとめた。それにより、非晶質SiO2を用いることで、結晶SiO2よりもクーロン効率が大幅に向上されたことが分かった。
このように、表1に示すように、非晶質触媒の方は比表面積が小さいにもかかわらず、クーロン効率が向上したことは、新しい知見である。これは、非晶質であるために、充電反応(5)がより活性になったことによると考えられる。
また、本発明の別の例として、図3のように、1d触媒担体を1正極部材に添加する構成でもよい。1b触媒を担持する1d触媒担体を添加すると、1b触媒の分散を上げられ、さらに、より導電性が優れるネットワークを構築され、酸素ガス拡散経路がうまくでき、空気極の触媒の性能を向上することができる。
また、1b触媒の活性の向上ができ、容量を向上することができる。1d触媒担体として、比表面積が大きな炭素材料(KB,ABなど)や貴金属粒子(Ptなど)が挙げられる。
また、正極部材に炭素など導電性を持つ触媒担体を添加することにより、触媒の分散を上げられ、より導電性が優れるネットワークを構築され、酸素ガス拡散経路がうまくでき、空気極の触媒の性能を向上することが可能である。

本実施例により、金属空気電池の高容量化と充電時におけるクーロン効率の向上が可能となる。本実施例に示す金属空気二次電池は、触媒SiO2を用いることで、容量が向上された。さらに、触媒を非晶質にすることで、クーロン効率が向上でき、少ない触媒でも、クーロン効率の向上ができた。
本発明は、金属空気二次電池に関するものであり、ハイブリッド電気自動車(HEV)や電気自動車(EV)、さらには電力貯蔵用電源や蓄電デバイスや電源システムなどとして利用可能性がある。
1 正極部材
1a 基材
1b 触媒
1c バインダ
1d 担体
2 セパレータ
3 リチウム金属
4 O−リング
5 押さえ板
6 集電体
7 締め付けバネ
8 酸素封入弁
11 金属多孔質体
12 細孔
13 酸化物触媒

Claims (7)

  1. 金属イオンを吸蔵・放出する負極部材と、酸素をイオン化する正極部材と、前記負極部材と前記正極部材との間に設置された電解質が含浸されているセパレータと、を有する金属空気二次電池において、
    前記正極部材は、触媒として非晶質SiO2を含むことを特徴とする金属空気二次電池。
  2. 請求項1に記載の金属空気二次電池において、
    前記電解質は、有機電解質を用いることを特徴とする金属空気二次電池。
  3. 請求項1または2に記載の金属空気二次電池において、
    前記正極部材は、前記触媒を担持する触媒担体を有することを特徴とする金属空気二次電池。
  4. 請求項1−3のいずれかに記載の金属空気二次電池において、
    前記触媒の比表面積を20m2/g〜1200m2/gとしたことを特徴とする金属空気二次電池。
  5. 請求項1−3のいずれかに記載の金属空気二次電池において、
    正極部材は多孔質体であり、その多孔質体の比表面積を0.03m2/g以上としたことを特徴とする金属空気二次電池。
  6. 請求項3に記載の金属空気二次電池において、前記正極部材は結着材を含み、前記結着材はPVdFかPTFEの少なくとも一つを含み、前記触媒担体の多孔質体の細孔径を10nm以上,450μm以下としたことを特徴とする金属空気二次電池。
  7. 請求項1−3のいずれかに記載の金属空気二次電池において、前記金属イオンを供給する金属が、リチウム,ナトリウム,カルシウム,マグネシウム,アルミニウム、または、亜鉛から選択される少なくとも一つであることを特徴とする金属空気二次電池。
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