JP5592426B2 - アクリルフォーム粘着剤およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はアクリルフォーム粘着剤およびその製造方法に関する。
アクリルフォーム粘着剤は、硬化前のアクリル溶液中において発泡剤を発泡させ、その後に、それを硬化させることによる化学発泡法、または、硬化前のアクリル溶液に窒素ガスのような不活性ガスを分散混入し、それを硬化させることによる機械発泡法により製造される。機械発泡法は、コーティング前の溶液の安定性が高く、気泡サイズの制御が容易であり、フォームの密度制御が容易であり、気泡の均一性が比較的に高く、シール性のよい独立気泡が形成され、フォーム厚さの制御が容易であり、残留物を有しないフォームを得ることができるという点で優れている。
フォーム粘着剤は、より低密度でより均一な気泡を有するほど、クッション性、シール性および密着性等の特性が優れたものになる。この為、機械発泡法において、硬化前の溶液中に不活性ガスを細かく均一に分散混入するプロセスの性能向上が重要である。現在使用されている方法は、中央部に貫通孔をもった円盤上に細かい歯が多数付いているステータと、歯の付いているステータと対向しており、円盤上にステータと同様の細かい歯が付いているロータを具備した装置を用いるものである。この装置のステータ上の歯とロータ上の歯との隙間に硬化前のアクリル溶液と気泡形成用ガス(例えば、窒素ガス)を通して、ロータを高速回転させることにより、気泡形成用ガスがアクリル溶液中に細かく分散混入される。この装置(以下において、「従来装置」とも呼ぶ)を用いた従来の方法によると、一般に、得られるフォームの気泡の平均直径は300μmを超え、その標準偏差は115μm超える。また、フォームの密度は、最も低い場合でも、約0.60(g/cc)以上である。
特開昭58−125776号公報 特開平1−94928号公報 特開平11−57441号公報
本発明の目的は、従来の方法により得られなかったような低密度でありかつ気泡が細かく均一に分散したアクリルフォーム粘着剤およびその製造方法を提供することである。
本発明によると、気泡の平均直径が300μm以下であり、かつ、その標準偏差が115μm以下である、アクリルフォーム粘着剤が提供される。
また、内部に流体を流通する流通路を設けたケーシングと、前記ケーシング内に配置されており、前記ケーシングの軸線方向に振動可能な攪拌用の羽根を具備した攪拌混合装置に、アクリルフォーム前駆体組成物と、気泡形成用ガスとを導入し、この攪拌混合装置においてアクリルフォーム前駆体組成物と気泡形成用ガスとを攪拌混合して、アクリルフォーム前駆体組成物中に気泡を形成させること、その後、この気泡を含むアクリルフォーム前駆体組成物を基材上に被覆すること、および、被覆されたアクリルフォーム前駆体組成物を硬化させること、
を含む、アクリルフォーム粘着剤の製造方法が提供される。
加振原理を用いた上記の特定の攪拌混合装置(以下において、「加振型攪拌混合装置」とも呼ぶ)によって、アクリルフォーム粘着剤が得られた。このフォーム粘着剤は、従来のフォーム粘着剤と比較して、高い接着力および高いクッション性を有し、この為、シール性および貼り付け性に優れたフォームである。
本発明によると、従来技術により得られるフォームと比較して、高い接着力、低い圧縮加重(高いクッション性)を有するフォームが得られ、シール性および貼り付け性が優れている。
多量の気泡形成用ガスを混入させたときにも、均一で細かい気泡を形成することができ、従来技術の方法よりも良好な外観のフォーム製品を得ることができる。
安定な気泡が得られるので、従来技術と同等の外観を得るのに界面活性剤の量を低減することができる。また、界面活性剤による気泡形成用ガスの分散効果が顕著であり、多量の気泡形成用ガスを混入したときにも、分散が容易で、低密度のフォームが得られる。
本発明による攪拌混合装置を用いると、分散時に溶液にかかる剪断力が効果的に気泡の分散に寄与するため、従来装置の場合のような溶液の温度上昇はほとんど見られない。この結果、発熱による気泡の合一が抑制され、安定な気泡となる。
本発明に用いられる攪拌混合装置の1態様の断面図を示す。 図1の装置の攪拌素子の斜視図を示す。 フォームの気泡径の分布を示すグラフである。 フォームの密度と外観の関係を示すグラフである。 窒素ガス混入量の体積%に対する、硬化前の液体の密度および硬化後のフォームテープの密度の関係を示すグラフである。 硬化前の液体の密度と、硬化後のフォームの密度との間の変化量を示すグラフである。 フォームの密度と25%圧縮加重の関係を示すグラフである。 フォームの密度と剥離接着力の関係を示すグラフである。
アクリルフォーム前駆体組成物は、アクリル酸および/またはメタクリル酸エステル(以下に、(メタ)アクリレートとも呼ぶ)を含むモノマーを含む重合性混合物を、前駆体組成物が安定な気泡を含有することができる程度の粘度にまで部分重合したシロップを含む。(メタ)アクリレートは、通常、炭素数が12以下のアルキル基を有し、具体的には、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレートが挙げられる。また、上記アクリレートモノマーと重合可能な他のモノマーとして、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、酢酸ビニル、ヒドロキシアルキルアクリレート、アクリルアミドおよびメタクリルアミド等を用いることができる。このようなモノマーはアクリルフォームに粘着性を付与するために十分な量で用いられ、その量は、限定するわけではないが、一般に、(メタ)アクリレート100重量部当たり30重量部以下である。
重合性混合物の部分重合は、重合開始剤の存在下に、紫外線等を用いた放射線重合によって行うことができる。重合開始剤としては、ベンゾインアルキルエーテル、ベンゾフェノン、ベンジルメチルケタール、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1,1−ジクロロアセトフェノン、2−クロロチオキサントン等を用いることができる。重合開始剤の市販の例としては、チバ・スペシャルティー・ケミカル社のイルガキュア、メルク・ジャパン社のダロキュア、ベルシコール社のベルシキュアの商標名で販売されているものを挙げることができる。重合開始剤の量は、一般に、モノマー100重量部に対して約0.01〜5重量部の量で使用される。
但し、部分重合は、放射線重合に限定されず、熱重合により行うこともできる。
部分重合により得られたシロップに、さらに、必要に応じて他の成分を添加することによりアクリルフォーム前駆体組成物が得られる。アクリルフォーム前駆体組成物は、気泡形成用ガスとを攪拌混合したときに、前駆体組成物中に安定な気泡を形成するのに適切な粘度を有するべきである。前駆体組成物は、攪拌混合装置での操作温度(例えば、25℃)で500mPa.s以上、特に1000〜100,000mPa.sの粘度を有することが好ましい。粘度が500mPa.sより低いと、気泡が形成されず、また、形成されたとしても気泡同士が合一して浮上することにより消失されるので十分な気泡量が得られないおそれがある。逆に、粘度が100,000mPa.sより大きいと、攪拌混合装置における流れが抑制され、装置にかかる負荷が大きくなりすぎるおそれがあるからである。
アクリルフォーム前駆体組成物は、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートのような多官能性(メタ)アクリレートを若干量で含むことができる。このようなモノマーは、硬化後にアクリル系ポリマーに架橋構造を与え、フォームの凝集性に寄与する効果を有する。また、前駆体組成物のさらなる重合による硬化のための重合開始剤が添加されてよい。重合開始剤およびその量は上記の部分重合の場合と同様である。
アクリルフォーム前駆体組成物は、気泡の安定性を良好に保ち、かつ、得られるフォームの低密度化を促進するために、界面活性剤を含むことが好ましい。本発明に使用可能な界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤およびフッ素系界面活性剤が挙げられ、例えば、特公平3−40752号公報に記載されるものを含む。具体的には、シリコーン系界面活性剤としてはダウコーニング社製のDC−1250(商品名)、東レダウコーニングシリコーン社製のSH192(商品名)およびSH190(商品名)が挙げられる。SH−192は数平均分子量(Mn)が4.2×105であり、重量平均分子量(Mw)が5.4×105であり、Mw/Mn=1.3であるポリジメチルシロキサンと、数平均分子量(Mn)が4.6×105であり、重量平均分子量(Mw)が6.4×105であり、Mw/Mn=1.4であるポリエーテル型シロキサンを主成分として含む。フッ素系界面活性剤としてはC817SO2N(C25)(C24O)7CH3などが挙げられる。本発明における加振型攪拌混合装置を用いた場合、従来装置を用いた場合と比較して、高い気泡安定化効果および低密度化効果が得られる。即ち、従来法と比較して、界面活性剤の量を低減することが可能になる。また、気泡形成用ガスが多量であっても良好な分散が可能であるため、低密度のフォームを得ることが可能である。界面活性剤の使用量は、通常、フォーム前駆体組成物100重量部当たり1〜5重量部である。
前駆体組成物は、硬化後のフォーム粘着剤の力学的性能を高め、加工性を改善し、または、製品単価を下げることなどを目的として、充填剤を含むこともできる。充填剤としては、補強用糸、織布および不織布、ガラスビーズ、プラスティック製の中空微小球およびビーズ、並びに顔料等が挙げられる。
気泡形成用ガスは、アクリルフォーム前駆体組成物と混合されたときに、前駆体組成物に対して不活性な気体である。気泡形成性ガスは、限定されず、アルゴン、窒素等の不活性ガスを用いることができるが、コスト面から窒素ガスを用いることが好ましい。気泡形成用ガスの量は、フォームが均一でかつ細かい気泡を有するかぎり限定されないが、通常、フォーム前駆体組成物の体積を基準として10〜30体積%の量で混入される。
本発明のフォーム粘着剤は、従来装置でなく、加振原理を用いた攪拌混合装置を用いて製造されることを特徴とする。このような装置を用いると、フォーム前駆体組成物にかかる剪断力が効率的に気泡の分散に寄与し、この為、組成物の温度上昇を招くことがなく、細かい均一に分散した気泡を得ることができる。本発明では、内部に流体を流通する流通路を設けたケーシングと、このケーシング内に配置されており、ケーシングの軸線方向に振動可能な攪拌用の羽根を具備している攪拌混合装置が用いられる。図1には、本発明の方法に好適に使用される装置の1態様の断面図が示されている。攪拌混合装置5は、流通路6を設けたケーシング7と、このケーシング7内に配置されており、振動源8に接続された軸9とこの軸9の周囲に取り付けられた螺旋状の攪拌用の羽根10とからなる攪拌体11とを含む。アクリルフォーム前駆体組成物はポンプでの圧送により、また、気泡形成用ガスは、コンプレッサーでの圧送またはガスボンベの圧力により、入口12を通してケーシング7内に導入される、装置5内で攪拌混合された後に、気泡を含んだ前駆体組成物は出口13から出てくる。気泡形成用ガスは前駆体組成物中において浮力により上方に流れる傾向があるので、気泡の偏りが生じないように、ケーシング7は、通常、長手方向が垂直となるように配置され、前駆体組成物および気泡形成性ガスは、ケーシング3の下方から上方に向かって流れる。このケーシング7内で攪拌体11が往復振動すると、流体は羽根10に衝突して攪拌混合される。振動の振幅および振動数は、それぞれ、0.5〜5cmおよび0〜120Hzで調節できるようになっている。攪拌体11は、好ましくは、軸9の周囲に取り付けられた複数の螺旋状の羽根10の群からなる攪拌素子14を複数連結した構成になっている。攪拌体11は、好ましくは、左螺旋型の羽根10の群からなる攪拌素子14と、右螺旋型の羽根10の群からなる攪拌素子14が交互に配置された構造である。これにより、同一方向の流れが抑制され、攪拌が良好になるからである。図2に詳細に示すように、羽根10には、好ましくは開口部16が設けられている。この開口部16を通して流体が流通することによって乱流が生じて攪拌効果が高まるからである。上下の複数の羽根10において、上側の羽根に設けられている開口部の位置と、下側の羽根に設けられている開口部の位置は軸方向に対してずれていると、短絡流を防止することができるので望ましい。さらに、図1に示すように、攪拌素子14の各々は流通穴を有する仕切り板15により仕切られていることが好ましい。攪拌体11の往復振動の際に流体の流通速度が抑制され、攪拌混合効果が向上するからである。
攪拌混合装置により形成された、気泡を含むアクリルフォーム前駆体組成物は、基材上に塗布され、その後、さらに重合反応を行うことにより硬化され、アクリルフォーム粘着剤が製造される。重合反応は、紫外線等の放射線により行うことができる。空気は紫外線重合を阻害する傾向があるので、重合は好ましくは窒素または二酸化炭素のような不活性ガス中で行われる。基材としては、プラスティックフィルム、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)からなるフィルムを用いることができる。基材は紫外線透過性の透明フィルムであれば、基材側からの紫外線照射を行うこともできるので有利である。
本発明の方法により製造されるフォーム粘着剤は、従来装置を用いた方法で得られたものと比較して、均一で細かい気泡を有し、良好な外観のフォーム製品となる。このことは、加振原理を用いた特定の攪拌混合装置を用いることによるものである。即ち、混合時にフォーム前駆体組成物にかかる剪断力が効果的に気泡の分散に寄与するために、従来装置の場合のような前駆体組成物の温度上昇をもたらさず、結果として、発熱による気泡の合一が抑制され、細かく均一で安定な気泡が形成されるためであると考えられる。具体的には、フォーム粘着剤は気泡の平均直径が300μm以下であり、かつ、その標準偏差が115μm以下であり、より好ましくは気泡の平均直径が250μm以下であり、かつ、その標準偏差が100μm以下である。また、細かく均一で安定な気泡が形成されるので、従来法よりも多量の気泡形成用ガスを分散させることができ、それにより、低密度のフォームを得ることも可能である。低密度のフォームは優れた剥離接着力、密着性およびシール性を付与するので好ましい。具体的には、フォームの密度は、通常、0.6g/cc以下、好ましくは0.55g/cc以下、より好ましくは0.5g/cc以下、さらにより好ましくは0.45g/cc以下とすることができ、約0.40g/ccのフォームを得ることも可能である。さらに、従来法よりも安定な気泡が形成されるため、従来法の場合と同等の外観を得るのに必要な界面活性剤の量を低減することができる。
得られたアクリルフォーム粘着剤は、工業用シール剤、粘着剤等として、ロール状、シート状、打ち抜き加工品、ストラップの形状で使用することができる。
実施例1
90重量部のイソオクチルアクリレート(IOA)、10重量部のアクリル酸、0.04重量部のイルガキュア−651(2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、チバ・スペシャルティー社製)の混合物に、300〜400nmの波長の1〜3mWの強度の紫外線を5分間窒素雰囲気中で照射することにより、粘度が1000〜3000mPa.sであるシロップに一部重合した。このシロップに、0.10重量部のイルガキュア−651、1.5重量部のアエロジルA−2000(微粉末シリカ、日本アエロジル社から入手可能)および6.0重量部のガラスバブルK−15(3M社製)を添加し、攪拌した後に、真空脱泡機により脱気し、3重量部の界面活性剤(特公平3−40752号の(B)を添加して、アクリルフォーム前駆体組成物を得た。この液体をポンプにて100〜500cc/分の流速で加振型攪拌混合装置(装置内径64mm×高さ22cm)に供給した。また、窒素ガスを窒素ガスボンベより0.39MPaの圧力で流量調節バルブにて所定の流速で供給した。なお、フォーム前駆体組成物と窒素ガスは攪拌混合装置の下部の入口の直前部分で合流させて、攪拌混合装置の下部から供給した。攪拌混合装置は振幅1cmおよび振動数30Hzで操作した。攪拌混合装置内で気−液分散され、攪拌混合装置の上部から出てきた気泡含有液体をギャップコーティングにより、PETフィルム上に硬化後の厚さが1.2mmとなるように塗布し、300〜400nmの波長の0.5〜7mWの強度の紫外線を6分間窒素雰囲気中で照射することにより、硬化を行い、アクリルフォームテープを得た。
比較例1
上記の加振型攪拌混合装置の代わりに、直径が105mmの貫通孔をもった円盤上に細かい歯が1.5mm間隔で多数付いている直径250mmの2つのステータと、これらのステータ間に配置されており、直径230mmの円盤上に同様の歯が多数付いている1つのロータを具備している従来装置を、剪断速度1000〜4000/secで用いたことを除いては、実施例1と同様にしてアクリルフォームを製造した。
気泡径および気泡均一性試験
アクリルフォーム前駆体組成物に対して硬化後の密度が0.65g/ccとなるように窒素ガスを混合し、上記の通りに製造したアクリルフォームテープの気泡径の分布を示すグラフを図3(a)および(b)に示す。図3(a)は加振型攪拌混合装置を用いて製造した本発明のフォーム粘着剤の結果であり、図3(b)は従来装置を用いて製造した従来のフォーム粘着剤の結果である。図3(a)および(b)の比較から明らかなように、加振型攪拌混合装置を用いた場合には、従来装置を用いた場合に比較して、均一でかつ細かい径のフォームが形成されていることが判る。
外観試験
アクリルフォーム前駆体組成物に対して10体積%以上の種々の量の窒素ガスを混合して上記の通りに製造したアクリルフォームテープの外観を、等級化することにより外観評価を行った。外観等級が高いほど、良好な外観である。外観等級7は現状の製品の標準的レベルであり、外観等級3が製品としての外観の限界レベルである。フォームの密度と外観の関係の結果を図4に示す。図4から判るように、従来装置を用いた場合、0.64g/ccの密度で外観等級が3であるのに対して、加振型攪拌混合装置の場合には、外観等級は10以上である。加振型攪拌混合装置を用いた本発明のフォームの外観は、従来装置を用いた場合に比べて良好である。また、加振型攪拌混合装置を用いた場合には、許容される外観で、より低い密度のフォームを得ることが可能である。
気泡安定性試験
種々の窒素混入量で上記の通りに製造したフォームについて、気−液分散直後の硬化前の液体の密度と、硬化後のフォームテープの密度の変化を測定した。図5には、フォーム前駆体組成物に対する窒素ガス混入量の体積%と、密度の関係が示されており、また、図6には、各混入窒素ガスの体積%条件における、硬化前の液体の密度と、硬化後のフォームの密度との間の変化量が示されている。図5および6から判るように、従来装置の場合には、気−液分散直後の密度と、硬化後のフォームの密度との間の変化が、平均で0.110g/ccと大きく、一方、加振型攪拌混合装置を用いた場合には、密度の変化が、平均で0.066g/ccと小さい。このことは、従来装置の場合には、大きな窒素気泡が含まれており、液体がコーターバンク中で流動している間に気泡同士が短時間に合一して大気中に逃げてしまうが、加振型攪拌混合装置の場合には、均一な細かい径の安定な気泡が形成されているために、合一による気泡サイズの成長が抑制されていることによるものと考えられる。
実施例2
実施例1で得られる密度よりもさらに低い密度のフォームテープを得るために、加振型攪拌混合装置への窒素ガス混入圧力を0.49MPaとし、窒素ガス混入量を適度に調節することにより、実施例1と同様の手順でアクリルフォームテープを製造した。振動数30Hzおよび窒素ガス混入量7体積%で0.647g/ccの密度、振動数30Hzおよび窒素ガス混入量8体積%で0.584g/ccの密度、振動数30Hzおよび窒素ガス混入量10体積%で0.503g/ccの密度のフォームが得られた。
圧縮加重試験
得られたフォームテープに対して、単位面積当たり、厚さ方向に初期厚さの75%に圧縮させるために必要な加重(25%圧縮加重)を測定した。フォームの密度と25%圧縮加重の関係を表す結果を図7に示す。図7から明らかな通り、フォームの密度と、フォームの柔らかさを示す圧縮加重は、ほぼ直線的な関係があり、フォームの密度が低いほど、圧縮加重は低くなり、より密着性およびシール性に優れたフォームとなることが判る。従って、本発明によると、良好な外観で低密度化できるので、良好な外観を有する優れた特性のフォームテープを製造することが可能である。
剥離接着性試験
パネルに対するフォームテープの剥離接着力を測定した。フォームテープをメラミンアルキッド系塗料により塗装されたスチール製のパネルに5kgの加重でローラーを用いて押圧することにより試験サンプルを形成した。これを80℃の雰囲気下に180°の剥離角で50mm/分の剥離速度で剥離した。結果のグラフを図8に示す。この図から明らかなように、低密度化するほど、フォームの剥離付着力が高くなることが判る。
口開き試験
反発力に対するフォームの保持特性の指標となる温水中の口開き試験を行った。この試験は、10mm×50mmの寸法のフォームを、アルミニウムからなる二枚の被着体に5kgの加重で押圧してサンドイッチしたサンプルの一端を強制的に規定量押し開き、40℃の温水中に100時間放置し、剥がれの有無を確認する試験である。フォームの密度と、口開きの関係を表1に示す。
Figure 0005592426
表1から、従来の製品密度において保持可能な口開き量は2.0〜2.5mmであったのに対して、低密度品においては、3.5mmの口開き量でも保持可能となり、優れた密着性および追従性のフォームが得られることが判る。
5 攪拌混合装置
6 流通路
7 ケーシング
8 振動源
9 軸
10 羽根
11 攪拌体

Claims (1)

  1. 気泡の平均直径が300μm以下であり、前記気泡の直径の標準偏差が115μm以下であり、密度が0.65g/cc以下であり、かつ、ガラスバブルを含む、アクリルフォーム粘着剤。
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