JP5590812B2 - シリカ多孔質体の表面を改質する方法 - Google Patents

シリカ多孔質体の表面を改質する方法 Download PDF

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Description

本発明は、ナノ構造を有する無機多孔質体の表面を改質する方法に関する。
ナノ構造を有する無機系多孔質体は、シリカゲル、アルミナ、マグネシア、チタニア、カーボンなどが知られている。
そして、ナノ構造を有する多孔質体の製造方法は、ゾルーゲル法による加水分解、縮重合によって得られた湿潤ゲルを超臨界流体で収縮の少ない乾燥ゲルを得る。この超臨界流体乾燥によって得られたゲルは、ナノ粒子構造を有し、固体成分が5%以下で残りの95%が空気層である。
また、特許文献1に記載されている方法において得られたシリカ多孔質体は、シリカ末端にOH基を持つために、吸湿し易く、表面がベトつくために実用上問題がある。そこで、特許文献2に記載されているように、湿潤ゲルの状態でシリカ末端のOH基に疎水化反応をさせることで吸湿し難いシリカ多孔質体を得ることが知られている。
一方、断熱材の熱伝導度は、固体の熱伝導度、空気の対流、輻射によって構成される。そして、シリカ多孔質体は、比重が0.05〜0.20と軽量であるため、固体の熱伝導度が小さい。更に平均粒子径が20nmのナノ構造を有し、その周りが空気層であるために空気の対流、輻射が起こり難いために、固体では高い断熱性能を示す。
米国特許4,402,927号公報 特開平05-279011号公報
しかしながら、この多孔質体は、非常に脆く単独で利用することは難しいために、有機材料との複合化が検討されている。そして、この多孔質体は、表面が無機質であるために有機材料との相溶性が悪く、しかも表面積が大きいために樹脂等の有機材料への練込みや添加混合などの加工が難しい問題があった。したがって有機材料へ添加できる量は1-2重量%程度であり、多孔質体を添加する効果が極めて小さいものであった。このため、ナノ構造を有する無機多孔質体の合成法は、古くから開発されているにも係わらずこれを応用加工した商品開発ができなかった。
そこで、多孔質体の表面を改質することによって有機材料との相溶性を向上させ、しかも有機材料に対する添加量を増やせる開発をおこなった結果、加工性のよい多孔質体が得られた。
本発明の請求項1記載のシリカ多孔質体の表面を改質する方法は、ゾルーゲル法による
加水分解、縮重合によって得られた湿潤ゲルを、超臨界乾燥することにより得られたシリ
カ多孔質体の微粉末に、乾式法においては化1に示すシランカップリング剤を0.5〜3重量%添加し、湿式法においては予め1〜5重量%に水で希釈した化1に示すシランカップリング剤を添加することを特徴とする方法。[化1](OR)−Si−(CH−X (ただし、(OR)は、メトキシ基、エトキシ基、又はアセトキシ基を示し、Xは、アミノ基、ビニル基、エポキシ基、イソシアネート基、メタクリル基、メルカプト基、又はスルフィド基を示す。)
ナノ構造を有する多孔質体の表面を改質することによって、有機材料への添加量を増大させることが出来たので、フィルム、繊維、紙、ゴムなどのあらゆる形態に応用できるものである。
ゾルーゲル法によりシリカ多孔質体を合成する方法を説明する図である。 シランカップリング剤の組成を説明する図である。 湿潤ゲルにシランカップリング剤を添加することにより、表面改質したシリカ多孔質体を生成する説明図である。 シリカ多孔質体の構造を説明する図である。 参考例1の表面を改質した多孔質体の微粉末を説明する図である。 比較例1の表面を改質していない多孔質体の微粉末を説明する図である。 比較例2の表面を改質した多孔質体の粉末を説明する図である。
本発明のナノ構造を有する無機多孔質体の表面を改質する方法は、ゾルーゲル法による加水分解、縮重合によって得られた湿潤ゲルの状態でシランカップリング剤を添加し、その後、超臨界流体で乾燥させて得ることが出来る。
ここで、ナノ構造を有する無機多孔質体の合成方法について説明する。
一般的に、金属アルコキシドや水ガラスを触媒存在下の溶媒中で加水分解させ、それに続く重縮合反応でゾルを形成させ、ゾル中にクラスター構造を形成させてゲル化する、所謂ゾルーゲル法という合成方法で湿潤ゲルを得る。そして、この湿潤ゲルを超臨界炭酸ガスで溶媒と置換することによってナノ構造を有する無機多孔質体を得ることが出来る。すなわち、シリカの例として、図1に示すようにテトラアルコキシシラン(アルコキシシリケート)をアンモニア水(触媒)存在下のメタノール溶媒中で加水分解させ、それに続く重縮合反応でゾルを形成させ、ゾル中にクラスター構造を形成させてゲル化する、所謂ゾルーゲル法によって湿潤ゲルを得る。そして、この湿潤ゲルを超臨界炭酸ガスでメタノールと置換することによってナノ構造を有する無機多孔質体を得ることができる。
そして、本発明はナノ構造有する無機多孔質体を合成する過程において、すなわち、ゾルーゲル法による加水分解、縮重合によって得られた湿潤ゲルの状態で、シランカップルング剤を添加して、シランカップリング剤のアルコキシ基が加水分解することによって多孔質体と担時させる。すなわち、湿潤ゲルには、図2のようなシランカップリング剤を添加して、そのカップリング剤のアルコキシ基が加水分解することによってシリカ湿潤ゲルの末端OH基と反応結合し、図3のような末端に有機官能基をもつ表面を改質された湿潤ゲルを得ることが出来る。
次に、表面を改質された湿潤ゲルを超臨界炭酸ガスで乾燥することによって本発明の多孔質体を得ることが出来る。得られたナノ構造を有する無機多孔質体は、末端に官能基を有するために、有機材料との結合性に優れる。その結果、有機材料への添加を増加させ、練込み加工などが大幅に改善される。
本発明のシランカップリング剤は、図2に示すように一分子中に加水分解基と有機官能基を持っており、一般的な化学式は、(OR)4-Si-(CH2)3−Xで表わされる。無機系材料との結合となる加水分解基(アルコキシ基)は加水分解によって(OH)4Siに変わり、無機質の表面のOH基と水素結合や共有結合の形で結合する。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、アセトキシ基などが挙げられる。一方、有機官能基(X)は、様々な有機材料を結びつけるものである。この官能基としては、アミノ基、ビニル基、エポキシ基、イソシアネート基、メタクリル基、メルカプト基、スルフィド基などが挙げられる。
本発明のシランカップリング剤は、湿潤ゲル状態では1〜3体積%の添加で十分な表面改質ができる。3体積%を超えると、有機材料との相溶性は向上せず、性能面での影響も悪化する場合がある。一方、シランカップリング剤の添加量を1体積%未満であると、相溶性の効果はほとんど未添加と変わらず、相溶性は改善されない場合がある。
また、本発明のナノ構造を有する無機多孔質体の表面を改質する別の方法は、ナノ構造を有する無機多孔質体の微粉末にシランカップリング剤を添加することによって該無機多孔質体の表面を改質するものである。すなわち、ナノ構造を有する無機多孔質体を合成する段階ではなく、合成後に微粉砕した粉末に対してシランカップリング剤を添加することによって(一部)表面を改質するものである。
また、ナノ構造を有する無機多孔質体を合成後に微粉砕した微粉末に対して、シランカップリング剤を添加する方法には、乾式法と湿式法とがある。ここでいう乾式法とは、ナノ構造を有する無機多孔質体の微紛末をブレンダーで攪拌しながらシランカップリング剤を直接、または水で希釈した溶液をスプレーで噴射させて混合する方法である。また、ここでいう湿式法とは、シランカップリング剤を水に分散させてスラリー状態とし、その液にナノ構造を有する無機多孔質体の微紛末を直接又は水で希釈した溶液を添加する方法である。
上記乾式法は、シリカ多孔質体粉末へシランカップリング剤を0.5〜3重量%の添加によって混合攪拌した後に150℃後で加熱処理を施す。表面を改質された多孔質体は、3重量%以上の添加では、有機材料との相溶性は向上せず、性能も悪化する。また、0.5重量%以下では表面改質は見られない。
上記湿式法は、予め1-5重量%に水で希釈したシランカップリング剤溶液にシリカ多孔質体を浸漬して表面処理した後に150℃で加熱乾燥することで一部表面改質した多孔質体が得られる。水溶液の濃度が5重量%以上添加しても有機材料との相溶性は向上しない。また、1重量%以下の場合では、表面改質はみられない。
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
参考例1)
テトラメトキシシラン(コルコート社製、メチルシリケート)1モル、メタノール20モル、25%アンモニア水0.01モルを常温で均一混合してゾルーゲル法によるシリカ湿潤ゲルを得た。この湿潤ゲルにシランカップリング剤A(信越化学工業社製、KBM-403:加水分解基にメトキシ基、官能基にエポキシ基をもつ)を1体積%添加し、脱溶媒し、超臨界炭酸ガス乾燥(80℃、20Mpa、5時間)を行って、表面を改質した多孔質体を得た。次に、この多孔質体をジェットミル粉砕機で粉砕した後、120メッシュのふるいにかけて平均粒子径10μmの微粉末を得た。尚、この表面改質した多孔質体の微粉末の比重は0.16g/ccであった。
得られた多孔質体の微粉末について、走査型電子顕微鏡(日立ハイテック社製、S-3400N:倍率10,000倍)で撮影した写真を図5に示す。図5から分かるように、多孔質体の微粉末にシランカップリング剤が被覆されている様子を確認出来た。
また、得られた多孔質体の微粉末について、有機材料混合前の熱伝導率、有機材料混合後における相溶性と熱伝導率について評価を行った。評価方法については、以下の通りである。
・有機材料混合前の熱伝導率について
得られた多孔質体の微粉末をポリエチレン袋に充填して20mm厚とし、オートラムダ機(英弘精機社製、HC-074)にて熱伝導率を測定した。
その結果、表1に示すように、本発明の表面を改質した多孔質体の微粉末は、熱伝導率が0.020W/mKのものであった。
・有機材料混合後の相溶性について
ウレタンエマルジョン(DIC社製、ボンディック1520)100重量部に対して、得られた多孔質体の微粉末を添加し、粘度が2,000mPa・s(25℃以下)を超えると混合撹拌が困難となるため、2,000mPa・s(25℃以下)を超えるまで微粉末を添加させた。尚、粘度は、B型粘度計(東京計器社製、BL)にて測定した。
その結果、表面を改質しない微粉末(比較例1)では、このウレタンエマルジョン100重量部に対して1.5重量部しか添加できなかったのに対して、本発明の表面を改質した微粉末は15重量部添加することが出来た。したがって、相溶性に優れることを確認出来た。
・有機材料混合後の熱伝導率について
ウレタンエマルジョン(DIC社製、ボンディック1520)100重量部に対して、得られた多孔質体の微粉末を10重量部添加した塗工液を、12μmのポリエステルフィルム(東洋紡社製、T4100:易接着性フィルム)へ厚みが20μmとなるように塗工し、乾燥後、熱流計(栄弘精機社製、MF-180)にて熱伝導率を測定した。
その結果、表1に示すように、熱伝導率は0.060W/mKを得た。尚、未塗工フィルムは0.400W/mKであったため、本発明の表面を改質した多孔質体の微粉末が熱伝導率において優れることを確認できた。
参考例2)
テトラメトキシシラン4量体(コルコート社製、メチルシリケート51)0.3モル、メタノール20モル、アンモニア水0.01モルを常温で均一に混合してゾルーゲル法によるシリカ湿潤ゲルを得た。この湿潤ゲルにシランカップリング剤B(信越化学工業社製、KBM602:加水分解基にメトキシ基、官能基にアクリル基をもつ)を2体積%添加して、脱溶媒し、超臨界炭酸ガス乾燥(60℃、20Mpa、5時間)を行って、表面を改質した多孔質体を得た。
次に、参考例1と同様の方法にて粉砕し、多孔質体の微粉末を得た。尚、得られた微粉末の比重は、0.17g/ccであった。
得られた微粉末について、参考例1と同様に有機材料混合前の熱伝導率、有機材料混合後の相溶性と熱伝導率について評価を行った。
その結果、表1に示すように、有機材料混合前の熱伝導率は、0.019 W/mKであった。また、有機材料混合後の相溶性は、エマルジョン100重量部に対して15重量部まで添加することが出来た。さらに、有機材料混合後の熱伝導率は、0.070W/mKであった。
(比較例1)
テトラメトキシシラン1モル、メタノール20モル、25%アンモニア水0.01モルを常温で均一混合してゾルーゲル法によるシリカ湿潤ゲルを得た。超臨界炭酸ガス乾燥設備(80℃、20Mpa、5時間)で乾燥して、得られた多孔質体を得た。次に、実施例1と同様の方法にて粉砕し、多孔質体の微粉末を得た。尚、得られた微粉末の比重は、0.15 g/ccであった。
得られた多孔質体の微粉末について、走査型電子顕微鏡で撮影した写真を図6に示す。図6から分かるように、多孔質体の微粉末にシランカップリング剤が被覆されていない様子を確認出来た。
得られた微粉末について、実施例1と同様に有機材料混合前の熱伝導率、有機材料混合後の相溶性と熱伝導率について評価を行った。
その結果、表1に示すように、有機材料混合前の熱伝導率は、0.016 W/mKであった。また、有機材料混合後の相溶性は、エマルジョン100重量部に対して微粉末1.5重量部添加したら、エマルジョン粘度が2000mPa・sを超えてしまい、塗工できるものを得られなかった。さらに、有機材料混合後の熱伝導率は、塗工できるものを得られなかったため測定不能とした。
(比較例2)
シランカップリング剤Aを4体積%添加した以外は、実施例1と同様の方法にて多孔質体の微粉末を得た。尚、得られた微粉末の比重は、0.16 g/ccであった。
得られた多孔質体の微粉末について、走査型電子顕微鏡で撮影した写真を図7に示す。図7から分かるように、図5のものと比べてカップリング剤が微粉末に鱗片状態で覆い被さり、本来の多孔質体の形状が変わってしまった様子を確認出来た。そして、後述するように断熱性能が悪化してしまった。
得られた微粉末について、実施例1と同様に有機材料混合前の熱伝導率、有機材料混合後の相溶性と熱伝導率について評価を行った。
その結果、表1に示すように、有機材料混合前の熱伝導率は、0.028 W/mKであった。また、有機材料混合後の相溶性は、エマルジョン100重量部に対して微粉末16重量部まで添加できた。さらに、有機材料混合後の熱伝導率は、0.200W/mKであった。
(比較例3)
シランカップリング剤Aを0.5体積%添加した以外は、実施例1と同様の方法にて多孔質体の微粉末を得た。尚、得られた微粉末の比重は、0.15 g/ccであった。
得られた微粉末について、実施例1と同様に有機材料混合前の熱伝導率、有機材料混合後の相溶性と熱伝導率について評価を行った。
その結果、表1に示すように、有機材料混合前の熱伝導率は、0.016 W/mKであった。また、エマルジョン100重量部に対して微粉末1.5重量部以上添加できず、塗工出来なかった。さらに、有機材料混合後の熱伝導率は、塗工できるものを得られなかったため、測定不能とした。
(実施例3)
テトラメトキシシラン1モル、メタノール20モル、25%アンモニア水0.01モルを常温で均一混合してゾルーゲル法によるシリカ湿潤ゲルを得た。このシリカ湿潤ゲルを、超臨界炭酸ガス乾燥設備(80℃、20Mpa、5時間)で乾燥し、多孔質体を得た。次に、実施例1と同様の方法にて粉砕し、多孔質体の微粉末を得た。得られた多孔質体の微粉末をヘンシェルミキサーに投入し、該多孔質体の微粉末に対してシランカップリング剤A:2重量%を少しずつ添加して均一混合した。その後、150℃×1時間加熱処理し、表面を改質した多孔質体の微粉末を得た。尚、この表面改質法を乾式として表1に示す。また、得られた微粉末の比重は、0.17 g/ccであった。
得られた微粉末について、ウレタン原液S混合前の熱伝導率、ウレタン原液S混合後の相溶性、ウレタン原液S混合後発泡させたフォームの密度と熱伝導率について評価を行った。評価方法については、以下の通りである。
・ウレタン原液S混合前の熱伝導率について
得られた多孔質体の微粉末をポリエチレン袋に充填して20mm厚とし、オートラムダ機にて熱伝導率を測定した。
その結果、表1に示すように、本発明の表面を改質した多孔質体の微粉末は、熱伝導率が0.019W/mKのものであった。
・ウレタン原液S混合後の相溶性について
得られた微粉末を、ウレタン発泡用原液S(整泡剤、難燃剤、触媒、発泡剤、水を含むシュクローズ系ポリオールレジン:粘度620mPa・s,25℃以下)へ添加混合した。粘度が2,000mPa・sを超えると混合不良を起こしやすいため、2,000mPa・sを超えるまで微粉末を添加させた。尚、粘度は、B型粘度計にて測定した。
その結果、表面を改質しない微粉末ではこのポリオールレジン100重量部に対して2重量部しか添加できなかったのに対して、本発明の表面を改質した微粉末は13重量部添加することが出来た。したがって、相溶性に優れることを確認出来た。
・ウレタン原液S混合後発泡させたフォームの密度と熱伝導率について
このポリオールレジンと、MDI(三井化学ポリウレタン社製、コスモネートM-100:ジフェニルメタンジイソシアネート)とを、重量比で1/1となるように混合し、発泡させてフォームを得た。そして、1昼夜放置後、フォームを20mm厚×200mm×200mmに裁断後、密度と熱伝導率(オートラムダ機)を測定した。
その結果、フォーム密度が33kg/m3で、熱伝導率が0.026 W/mKであった。尚、多孔質体の微粉末を添加しない以外は同材料で得たフォームの熱伝導率は0.035W/mKであったため、本発明の表面を改質した多孔質体の微粉末を添加させた結果、フォームとしての熱伝導率を向上出来たことが確認された。
(実施例4)
テトラメトキシシラン1モル、メタノール20モル、25%アンモニア水0.01モルを常温で均一混合してゾルーゲル法によるシリカ湿潤ゲルを得た。このシリカ湿潤ゲルを、超臨界炭酸ガス乾燥設備(80℃、20Mpa、5時間)で乾燥し、多孔質体を得た。次に、実施例1と同様の方法にて粉砕し、多孔質体の微粉末を得た。次に、予めシランカップリング剤Aを水で3重量%溶液となるように希釈し、その溶液中に得られた微粉末を浸漬し、150℃で1時間加熱乾燥させ、表面を改質させた微粉末を得た。尚、この表面改質法を湿式として表1に示す。また、得られた微粉末の比重は、0.16 g/ccであった。
得られた微粉末について、実施例3と同じようにウレタン原液S混合前の熱伝導率、ウレタン原液S混合後の相溶性、ウレタン原液S混合後発泡させたフォームの密度と熱伝導率について評価を行った。
その結果、表1に示すように、本発明の表面を改質した多孔質体の微粉末は、ウレタン原液S混合前の熱伝導率が0.019W/mKのものであった。また、ウレタン原液S混合後の相溶性について、本発明の表面を改質した微粉末は11重量部添加することが出来た。したがって、相溶性に優れることを確認出来た。さらに、ウレタン原液S混合後発泡させたフォーム密度が34kg/m3で、熱伝導率が0.028 W/mKであった。
(比較例4)
シランカップリング剤Aを4重量%添加した以外は、実施例3と同様にして表面を改質した微粉末を得た。尚、この表面改質法を乾式として表1に示す。また、微粉末の比重は0.18 g/ccであった。
得られた微粉末について、実施例3と同じようにウレタン原液S混合前の熱伝導率、ウレタン原液S混合後の相溶性、ウレタン原液S混合後発泡させたフォームの密度と熱伝導率について評価を行った。
その結果、表1に示すように、表面を改質した多孔質体の微粉末は、ウレタン原液S混合前の熱伝導率が0.022W/mKのものであった。また、ウレタン原液S混合後の相溶性について、15重量部添加できた。さらに、ウレタン原液S混合後発泡させたフォーム密度が35kg/m3で、熱伝導率が0.33 W/mKであった。
(比較例5)
シランカップリング剤Aを水で0.5重量%溶液となるように希釈した以外は、実施例4と同様にして表面を改質した微粉末を得た。尚、この表面改質法を湿式として表1に示す。また、微粉末の比重は0.16 g/ccであった。
得られた微粉末について、実施例3と同じようにウレタン原液S混合前の熱伝導率、ウレタン原液S混合後の相溶性、ウレタン原液S混合後発泡させたフォームの密度と熱伝導率について評価を行った。
その結果、表1に示すように、表面を改質した多孔質体の微粉末は、ウレタン原液S混合前の熱伝導率が0.019W/mKのものであった。また、ウレタン原液S混合後の相溶性について、1.5重量部しか添加できず、発泡評価までには至らなかった。
*1:シランカップリング剤を添加しない、即ち表面改質していない多孔質体
*2:シランカップリング剤Aを水で希釈した溶液中に、多孔質体の微粉末を浸漬

Claims (1)

  1. シリカ多孔質体の表面を改質する方法であって、
    ゾルーゲル法による加水分解、縮重合によって得られた湿潤ゲルを、超臨界乾燥することにより得られたシリカ多孔質体の微粉末に、乾式法においては化1に示すシランカップリング剤を0.5〜3重量%添加し、湿式法においては予め1〜5重量%に水で希釈した化1に示すシランカップリング剤を添加することを特徴とする方法。
    [化1](OR)−Si−(CH−X (ただし、(OR)は、メトキシ基、エトキシ基、又はアセトキシ基を示し、Xは、アミノ基、ビニル基、エポキシ基、イソシアネート基、メタクリル基、メルカプト基、又はスルフィド基を示す。)
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