JP5590408B2 - 電気接続箱と電装ユニットとの合体構造 - Google Patents

電気接続箱と電装ユニットとの合体構造 Download PDF

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Description

本発明は、電気接続箱と電装ユニットとの合体構造に関する。
従来、車両において車載電源から供給される電力を種々の車両用電装品に分配・供給するとともに、これら電力供給の切り替え等の制御を行う機能を有するモジュールとして電気接続箱が用いられており、例えば下記特許文献1に記載の電気接続箱が知られている。この電気接続箱は、ジャンクションボックス、リレーボックス、ヒューズボックス等の電気接続箱の複数をケース内に収め、このケースを車体に取り付けるものである。
特開平8−140240号公報
ところで、電気接続箱の小型化に伴い、周辺の電装ユニットとの統合化を図りたいとの要請がある。ここで、対象となる電装ユニットには、金属製の放熱板を備えるECU(電子制御ユニット)や、放射ノイズ低減のためにケーシングを金属にて形成したDC/DCコンバータのように、比較的重量の大きなものが含まれる。
このように重量の大きな電装ユニットを電気接続箱と合体させる場合、電装ユニットが自動車の振動によって振れることにより、電装ユニットと電気接続箱とのコネクタ接合部に応力が繰り返し加わり、コネクタ端子の摩耗による断線、ショート等が引き起こされる恐れがある。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、耐振動性の高い電気接続箱と電装ユニットとの合体構造を提供することを目的とする。
本発明は、ケーシングを備えて車両のボディに固定可能な電気接続箱と、金属により形成されたケースまたは放熱板を備えて前記電気接続箱に合体される電装ユニットとを備える電気接続箱と電装ユニットとの合体構造であって、前記電気接続箱が、前記ケーシングに設けられて背面側が前記ボディの取付面と対向し、前面側が解放されて前方から内部に前記電装ユニットを嵌め込み固定可能なユニット装着部と、前記ユニット装着部の内壁部に設けられた係合部と、前記ユニット装着部の内部に設けられた装着部側コネクタ部と、前記ユニット装着部の内壁部に設けられて上向きの装着部側段差面を備える装着部側段差部と、を備え、前記電装ユニットが、この電装ユニットの外壁面から延設されて前記車両のボディに固着可能な固定部と、前記電装ユニットの外壁面において前記ユニット装着部の内壁面に当接する面に設けられて前記係合部と係合可能な被係合部と、前記装着部側コネクタ部と嵌合可能なユニット側コネクタ部と、前記電装ユニットの外壁部に設けられて前記装着部側段差面に上側から当接するユニット側段差面を備えるユニット側段差部と、を備えるものである。
本発明によれば、電気接続箱に、金属製のケースまたは放熱板を備えて比較的重量のある電装ユニットを装着する場合であっても、電装ユニットの固定部が車両のボディに対して直接に固定されることにより、ボディ取付面に対する電装ユニットの垂直方向の振れが低減される。また、電気接続箱に、電装ユニットを嵌め込み可能なユニット装着部を設けることで、電装ユニットの周囲をユニット装着部の壁面でホールドし、さらに、ユニット装着部と電装ユニットとに互いに係合可能な係合部と被係合部とを設けることによって、ユニット装着部の内部に電装ユニットをしっかりと固定するようにしている。加えて、ユニット装着部の内壁面には上向きの装着部側段差面が、電装ユニットの外壁面には下向きのユニット側段差面が設けられ、装着部側段差面がユニット側段差面を下側から受けることにより、電気接続箱が重量の大きな電装ユニットを下側から支える。これにより、電装ユニットのボディ取付面に対する平行方向の振れが低減される。
加えて、電装ユニットとユニット装着部とには、互いに嵌合するユニット側コネクタ部と装着部側コネクタ部とが設けられ、両コネクタ部により両者がハーネス等を介さず直接に接続されている。このため、接続部の耐振動性が向上する。
本発明の実施態様としては以下の態様が好ましい。
前記ケーシングには、このケーシングをボディに固定するための固定部材を取り付けるための固定部材取付部が複数設けられていてもよい。
本態様によれば、電気接続箱をボディに固定するための固定部材取付部が複数設けられていることにより、電気接続箱のボディへの固定位置の選択の自由度が増すので、耐振動性を考慮して固定位置を決定することがより容易になる。
本発明によれば、電装ユニットと合体した電気接続箱の耐振動性を向上させることができる。
実施形態における、電気接続箱に補充電源を装着した状態を示す全体斜視図 電気接続箱への補充電源の装着前の様子を示す斜視図 電気接続箱の全体斜視図 電気接続箱の分解斜視図 電気接続箱の正面図 電気接続箱の側面図 電気接続箱の上面図 補充電源の斜視図 補充電源を背面側から見た斜視図 補充電源の正面図 補充電源の背面図 補充電源の側面図 補充電源の底面図
本発明の実施形態を図1〜図13によって説明する。
本実施形態の電気接続箱1は、ヒューズボックス部3を備えるケーシング2に、補充電源40(本発明の電装ユニットに該当する)を着脱可能とされたものである。この電気接続箱1は、アイドルストップ機能を搭載するか否かを選択可能な車両に取り付けられるものであって、アイドルストップ機能を搭載する場合には、電気接続箱1に補充電源40を装着して車両に搭載固定し、アイドルストップ機能を搭載しない場合には、補充電源40を装着せず電気接続箱1単体で車両に搭載されるようになっている。
以下、電気接続箱1の構成について詳しく説明する。なお、以下の説明では、ケーシング2において補充電源40が嵌め付けられる側を正面側(前側)、車両に固定される際にボディの取付面と対向する側を背面側(後側)として説明する。
電気接続箱1のケーシング2は、合成樹脂により形成されており、ヒューズ4、リレー5を装着可能なヒューズボックス部3と、補充電源40を着脱可能なユニット装着部11とを備えている。
ケーシング2の上側約3分の1の部分は、略ブロック状に形成されたヒューズボックス部3とされている。このヒューズボックス部3には、ヒューズ装着部6、リレー装着部7が前面側に開口して形成され、ここには、ヒューズ4及びリレー5が前方から装着されている。
また、このヒューズボックス部3における上壁面8、および側壁面9には、それぞれ、ケーシング2を車両のボディに固定するためのブラケット(図示せず)を取り付け可能なブラケット固定部10(本発明の固定部材取付部に該当する)が1つずつ設けられ、ブラケットの取り付け位置を選択可能とされている。各ブラケット固定部10は、ブラケットに備えられた係止部に係合可能な係止片を備えた一般的な構成のものである。
ケーシング2においてヒューズボックス部3よりも下側の部分は、補充電源40を装着可能なユニット装着部11とされている。このユニット装着部11は、前面側が解放された箱状をなし、内部に補充電源40を嵌入可能とされている。ユニット装着部11の左右の両側面において、上下方向のほぼ中央位置は、前後方向全体にわたって切り欠かれており、この切り欠き部は、補充電源40の取付脚部44(後述)を挿通可能な脚挿通部12とされている。
また、ユニット装着部11の奥壁面14には、装着部側コネクタ部15が設けられている。この装着部側コネクタ部15は、ユニット装着部11の奥壁面14から前方に向かって突出するブロック状の端子収容部16を備えている。この端子収容部16には前後方向に貫通形成され、内部に端子を収容可能なキャビティ17が複数形成されている。
さらに、ユニット装着部11の左右の側壁部18および下壁部19の一部には、前端部から若干後ろ側の位置までの部分が外側に膨出された膨出部20が形成されている。膨出部20は、左右の側壁部18にそれぞれ1個ずつ、下壁部に2つ形成されている。この膨出部20の内部には、ロックアーム21(本発明の係合部に該当する)が形成されている。ロックアーム21は、膨出部20の奥端から前方に向かって片持ち状に延出された薄板状をなし、その内側面は側壁部18、下壁部19において膨出部20が設けられていない部分の内壁面と面一とされている。このロックアーム21の内側面において前端よりやや後方に下がった位置には、ユニット装着部11の内側方向に向かって突出するロック突起22が設けられている。このロック突起22の前側面は、後方に行くほど内側方向に緩やかに上る傾斜面とされており、一方、後側面は、切り立って形成されて、補充電源40のロック孔 (後述)に係合可能な係合面23とされている。
ユニット装着部11の奥壁部13には、下端からやや上方位置までの部分が内側に凹まされることで装着部側段差部24が形成されており、ユニット装着部11の奥壁面14においてこの凹み部分とそれよりも上側部分との境界に形成された上向きの段差面は、補充電源側段差面57(後述)を下側から受ける装着部側段差面25とされている。
このケーシング2には、背面側からバスバー26が装着されている。バスバー26は、金属板材を所定の形状にプレス加工してなるものであって、ヒューズ端子部27、リレー端子部28、バッテリ接続用端子部29、およびコネクタ端子部30を備えている。ヒューズ端子部27およびリレー端子部28は、ヒューズ装着部6およびリレー装着部7に後方から挿入されてその内部に臨んでいる。またコネクタ端子部30は、装着部側コネクタ部15に形成されたキャビティ17に後方から挿入されて、キャビティ17内部に臨んでいる。
このケーシング2に装着される補充電源40は、金属製のケース41の内部に基板が収容されたものである。この補充電源40は、内部の昇圧トランス等の部品から発生する放射ノイズを遮蔽するためにケース41が金属により形成されており、そのため、比較的重量が大きくなっている。
ケース41は、後面側が解放された箱状に形成され、内部に基板が収容されるロアケース部42と、後方からロアケース部42に嵌め付けられ、ロアケース部42の開口部を覆うアッパケース部43とで構成されている。
ロアケース部42には、補充電源40を車両のボディに固定するための取付脚部44(本発明の固定部に該当する)が形成されている。この取付脚部44は、板状に形成され、ケース41における左右の側壁において上下方向のほぼ中央位置から後方、すなわち補充電源40を装着した電気接続箱1が車両のボディに取り付けられた状態でボディの取付面側に向かう方向に延出される基部45と、この基部45の先端から、ボディの取付面に沿って外側方向に向かって延設されたねじ止め部46とを備えている。ねじ止め部46のほぼ中央位置にはボルト穴47が形成され、このボルト穴47に挿通されたボルトをボディの所定箇所にねじ止めすることによって、補充電源40がボディに固定される。
また、ロアケース部42における左右の側壁部48および下壁部49において、補充電源40がユニット装着部11に装着された状態でロック突起22に整合する位置には、ロック突起22と係合可能なロック孔50(本発明の被係合部に該当する)が設けられている。このロック孔50は、直径部分を下に向けた半円状に形成され、その孔縁における半円の直径部分にロック突起22の係合面23が係合されるようになっている。
また、補充電源40がユニット装着部11に装着された状態で端子収容部に整合する位置には、ユニット側コネクタ部51が設けられている。このユニット側コネクタ部51は、内部にユニット装着部11の端子収容部16を収容可能なフード部52を備え、フード部52の内部にはコネクタ端子部30と嵌合可能なユニット側端子53が臨んでいる。
ケース41の後壁部54(ユニット装着部11への嵌合方向前側の壁部)には、下端からやや上方位置までの部分が内側に凹むことによって補充電源側段差部55(本発明のユニット側段差部に該当する)が形成されており、ケース41の背面56においてこの凹み部分とそれよりも上側の部分との境界に形成された下向きの段差面は、補充電源側段差面57(本発明のユニット側段差面に該当する)とされる。補充電源40がユニット装着部11に装着された状態では、この補充電源側段差面57が装着部側段差面25に当接する。
この電気接続箱1の回路構成について簡単に説明すると、以下のようである。
バッテリ(図示せず)側から、走行系電装品用の電源ラインとアクセサリー用の電源ラインとの二系統がヒューズボックス部3の底部に電線で引き込まれ、各ラインは補充電源40に装着部側コネクタ部15およびユニット側コネクタ部51を介して連なる。補充電源40には、各系統用に二つの昇圧回路が設けられており、バッテリ電圧の低下時にはこの昇圧回路によって各系統の電圧を所定の電圧まで高めてヒューズボックス部3に供給できるようにされている。ヒューズボックス部3内には、各系統用のリレー5と電装品毎のヒューズ4が設けられ、これらがハーネスコネクタ(図示せず)を介して各電装品に接続されている。
補充電源40を装着しない場合には、補充電源40への電力入出力を短絡させる短絡コネクタを装着部側コネクタ部15に装着することにより、二系統の電源ラインがヒューズボックス部3内のヒューズ4およびリレー5に接続される。
電気接続箱1のユニット装着部11に補充電源40を装着する際には、ユニット装着部11に対して補充電源40を前方から嵌め入れる。補充電源40のユニット装着部11への進入に伴い、ユニット装着部11のロック突起22が補充電源40の外壁面に押されてロックアーム21が外側に撓む。
補充電源40の背面56がユニット装着部11の奥壁面14に突き当たるまで補充電源40が挿入されると、ロック突起22がロック孔50に入り込み、ロックアーム21が弾性復帰する。この状態では、ロック孔50の直径部分にロック突起22の係合面23が係合して補充電源40の前方への遊動が規制される。
また、ユニット側コネクタ部51のフード部52内に装着部側コネクタ部15の端子収容部16が嵌入され、ユニット側コネクタ部51のユニット側端子53と装着部側コネクタ部15のコネクタ端子部30とが接続される。
補充電源40を装着した電気接続箱1を車体のボディに固定する際には、ブラケット固定部10にブラケットを取り付け、このブラケットをボディに対してねじ止めする。これとともに、補充電源40の取付脚部44をボルトによりボディに固定する。なお、複数のブラケット固定部10のうちどこにブラケットを取り付けるかについては、取り付けスペース周囲の状況に応じて任意に選択することができる。
以上のように本実施形態によれば、合成樹脂により形成されて比較的軽いケーシング2に、金属製のケース41を備えて比較的重量のある補充電源40を装着する場合であっても、補充電源40の取付脚部44がボディに対して直接に固定されることにより、ボディ取付面に対する補充電源40の垂直方向の振れが低減される。
また、ケーシング2に、補充電源40を嵌め入れ可能なユニット装着部11を設けることで、補充電源40の周囲をユニット装着部11の壁面でホールドし、さらに、ユニット装着部11と補充電源40とに互いに係合可能なロック突起22とロック孔50とを設けることによって、ユニット装着部11の内部に補充電源40を固定するようにしている。加えて、ユニット装着部11の奥壁面14には上向きの装着部側段差面25が、補充電源40の背面56には下向きの補充電源側段差面57が設けられ、装着部側段差面25が補充電源側段差面57を下側から受けることにより、電気接続箱1が重量の大きな補充電源40を下側から支える。これにより、補充電源40のボディ取付面に対する平行方向の振れが低減される。
加えて、補充電源40とユニット装着部11とには、互いに嵌合するユニット側コネクタ部51と装着部側コネクタ部15とが設けられ、両コネクタ部51、15により補充電源40とユニット装着部11とがハーネスを介さず直接に接続されている。このため、接続部の耐振動性が向上する。
さらに、ケーシング2をボディに固定するためのブラケット固定部10が複数設けられていることにより、ケーシング2のボディへの固定位置の選択の自由度が増すので、耐振動性を考慮して固定位置を決定することがより容易になる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態によれば、電気接続箱1のケーシング2はヒューズボックス部3を備えるものであったが、本発明の電気接続箱は、ヒューズボックス部に限らず、ジャンクションボックス、リレーボックス、パワーディストリビュータ、リレーモジュール、半導体モジュール等を備えるものであってもよい。
(2)上記実施形態によれば、電装ユニットは補充電源であったが、金属製の部材等を備えて重量が比較的重い電装ユニットを電気接続箱に合体させるものであれば本発明を好適に適用することができ、例えば金属製の放熱板を備えるECU(電子制御ユニット)を電気接続箱と合体させるものであっても構わない。
(3)上記実施形態では、ケーシングの上側部分がヒューズボックスとされ、下側部分が電装ユニットを装着するユニット装着部とされていたが、ヒューズボックス部とユニット装着部とは、上下が逆であっても構わない。
(4)上記実施形態では、補充電源40におけるケース41の背面56に補充電源側段差面57が、ユニット装着部11の奥壁面14に装着部側段差面25が設けられていたが、電装ユニットおよびユニット装着部の左右の側壁面のうちいずれか一方または双方に段差面および段差受け面が設けられていても構わない。
1...電気接続箱
2...ケーシング
10...ブラケット固定部(固定部材取付部)
11...ユニット装着部
15...装着部側コネクタ部
21...ロックアーム(係合部)
24...装着部側段差部
25...装着部側段差面
40...補充電源(電装ユニット)
41...ケース
44...取付脚部(固定部)
50...ロック孔(被係合部)
51...ユニット側コネクタ部
54...補充電源側段差部(ユニット側段差部)
55...補充電源側段差面(ユニット側段差面)

Claims (2)

  1. ケーシングを備えて車両のボディに固定可能な電気接続箱と、金属により形成されたケースまたは放熱板を備えて前記電気接続箱に合体される電装ユニットとを備える電気接続箱と電装ユニットとの合体構造であって、
    前記電気接続箱が、
    前記ケーシングに設けられて背面側が前記ボディの取付面と対向し、前面側が解放されて前方から内部に前記電装ユニットを嵌め込み固定可能なユニット装着部と、
    前記ユニット装着部の内壁部に設けられた係合部と、
    前記ユニット装着部の内部に設けられた装着部側コネクタ部と、
    前記ユニット装着部の内壁部に設けられて上向きの装着部側段差面を備える装着部側段差部と、を備え、
    前記電装ユニットが、
    この電装ユニットの外壁面から延設されて前記車両のボディに固着可能な固定部と、
    前記電装ユニットの外壁面において前記ユニット装着部の内壁面に当接する面に設けられて前記係合部と係合可能な被係合部と、
    前記装着部側コネクタ部と嵌合可能なユニット側コネクタ部と、
    前記電装ユニットの外壁部に設けられて前記装着部側段差面に上側から当接するユニット側段差面を備えるユニット側段差部と、を備えるものである、電気接続箱と電装ユニットとの合体構造。
  2. 前記ケーシングには、このケーシングをボディに固定するための固定部材を取り付けるための固定部材取付部が複数設けられている、請求項1に記載の電気接続箱と電装ユニットとの合体構造。
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