JP5588235B2 - 管継手と管継手付き管 - Google Patents

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Description

本発明は、管を連結するための管継手と管継手付き管とに関する。
気体や、水などの流体を輸送するのに管が用いられるが、管の素材によらず、管路を形成する管として提供される長さには限度がある場合などを含め、管継手で管を連結する必要があり、その際、管継手の管は必要に応じて挿入と抜き外しが可能でかつ抜け止めも可能としたい場合がある。
このような管継手について多数のものが提案されているが、例えば、簡易に管の抜き外しを可能とする管継手として、特許文献1に記載のものがある。
この特許文献1に記載の管継手は、抜止リング(2)(以下特許文献1で用いている符号をカッコ内に示す。)を収容した継手本体(1)の外壁に孔部(4、5)を設け、この孔部(4、5)にドライバーを差し込んで操作することで、管の抜き外しを可能としてるが、ドライバーのような工具を必要とするものであった。
特開平11−173473号公報(図2)
本発明は、上記問題を改善しようとするもので、別個の工具等を必要とすることなく、継手自体の簡易な操作で、管の挿入、抜き外し、及び、抜け止めを可能とする管継手と管継手付き管とを提供することを解決課題とする。
本発明の管継手は、管が挿入される受口を備えた継手本体と、前記受口に前記継手本体の軸方向に移動可能に取り付けられる筒状体と、受口内に挿入された管の外面に密接して、縮径することで前記受口から管を抜け止めする抜止リングとを備え、
前記継手本体には、前記抜止リングを収容する収容部と、該収容部の先端側に前記抜止リングが移動して該抜止リングを縮径させるためのテーパ部とを有してなり、
前記筒状体は、受口の内面に挿入される内筒を備え、前記内筒が前記テーパ部に突出することなく前記抜止リングが前記テーパ部に移動するのを許容する第一位置と、前記内筒の周端が前記テーパ部に突出して前記抜止リングが前記テーパ部に移動するのを防止する第二位置との間で往復動可能に設けられ、
前記筒状体が前記第一位置又は第二位置の状態で、前記受口に管が挿入可能に形成され、前記第一位置の状態においては、前記抜止リングが管と共に前記テーパ部に移動して管が抜け出るのを防止し、第二位置の状態においては、前記抜止リングが前記テーパ部に移動することなく管を引き抜き可能であるので、別個の工具等を必要とすることなく、継手自体の簡易な操作で、管の挿入、抜き外し、及び、抜け止めを可能とすることができる。
本発明の管継手において、継手本体は、収容部の奥端に位置し抜止リングの管との共移動を規制するリング受け止め部と、このリング受け止め部より奥側に位置し、挿入時に管端に当接する管端止め部とを備え、管の挿入時に管端から前記リング受け止め部の分だけ離れた位置で前記抜止リングが位置するので、抜け止めリングが確実に管の外周に密接することができ、接続が確実に行われる。
また、本発明の管継手において、継手本体の少なくとも前記管端止め部と前記リング受け止め部との間の部分が、外側から挿入された管が見えるように、透明又は半透明の素材で構成されているので、管端が管端止め部に接触しているのを外側から確認することができる。
本発明の管継手において、抜け止めリングは、ゴム製のシールリングとすることができ、その場合、流体シール効果を発揮させることができる。
本発明の管継手において、抜け止めリングの外周面の、継手本体の内周面に接触する部分に、かつ/または、前記継手本体の内周面の、前記抜け止めリングの外周面に接触する部分に、相互間の滑りを良くする潤滑剤を塗布あるいは付着させせると、管につられて抜け止めリングが、継手本体内を確実に移動し、抜け止めリングのテーパー部での管の抜け止め、収容部での管への非拘束が確実に行われる。
本発明の管継手においては、前記継手本体と前記筒状体とは、係合凸部と係合溝とで係合するようにでき、前記係合溝は前記筒状体を周方向に回動させることにより、前記筒状体を前記継手本体に対して軸方向に移動させるように案内するようにでき、その場合、簡単な筒状体の回動動作でその第一位置、第二位置間の移動を達成することができる。
本発明の管継手付き管は、上記の管継手と、前記管継手の筒状体でない側に連結された所定長さの管とからなるので、現場で管路を形成する際に、管の接合固定が不要になる。
本発明の管継手、管継手付き管の効果は、上記手段に記載した通りである。
本発明の管継手の一例を示すもので、(a)は、その上面図、(b)は、その正面図、(c)は、その右側面図、(d)は、そのAA断面図 図1の管継手の分解斜視図 (a)は、図1の継手本体の断面図、(b)は、(a)の上面図、(c)は、図1の筒状体の縦断面図、(d)は、(c)の外周面展開図、(e)は、図1の抜 止リングの縦断面図 (a)、(b),(c)は、図1の管継手の様々な使用態様を示す縦断面図 本発明の管継手付き管の一例を示す外観正面図 本発明の管継手の別例の使用態様を示す縦断面図 本発明の管継手の別例の使用態様を示す一部破断の図
以下に、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
実施形態1
図1は、本発明の管継手の一例を示すもので、(a)は、その上面図、(b)は、その正面図、(c)は、その右側面図、(d)は、そのAA断面図である。
この管継手5は、一方は管Pの端部に接合固定され、他方に管を着脱かつ抜け止め可能に接続する管継手5であって、管が挿入される受口1cを備えた継手本体1と、受口1cに継手本体1の軸方向に移動可能に取り付けられる筒状体2と、受口1c内に挿入された管の外面に密接して、縮径することで受口1cから管を抜け止めする抜止リング3とを備えたものである。
なお、図1(d)に示すように、所定長さの管Pを管継手5に接合固定したものを管継手付き管10とする。また、この管継手5と管継手付き管10とは、主に、換気用の管路に用いられるものであるが、その用途は換気用に限定されるものではない。また、管Pの素材は、ポリ塩化ビニル(PVC)が好適であるが、これに限定されず、他の耐候性、耐久性、成形性のよい合成樹脂や、金属であってもよい。管Pの形状も波付き管や、角管であってもよい。
図2は、図1の管継手の分解斜視図、図3(a)は、図1の継手本体の断面図、(b)は、(a)の上面図、(c)は、図1の筒状体の縦断面図、(d)は、(c)の外周面展開図、(e)は、図1の抜止リングの縦断面図である。これよりすでに説明した部分と同じ部分には同じ符号を付して重複説明を省略する。
以下、図1も参照しつつ、図2、3を用いて、管継手5の各構成部品について、より詳しく説明する。
まず、図2を用いて、継手本体1の分割構造について説明する。継手本体1は円筒状であって、その内周側に、抜止リング3を収容する収容部1aと、収容部1aの先端側に抜止リング3が移動して抜止リング3を縮径させるためのテーパ部1bとを形成した本体外側部1hと、挿入時に管端に当接する管端止め部1eと、管端止め部1eの外周から部分的に収容部1a方向に突出し、抜止リング3の管Pとの共移動を規制するリング受け止め部1fとを備えた本体内側部1iとで構成されている。
本体外側部1hは、本体内側部1iの外周に、その収容部1a側筒端が、管端止め部1eの外周の外側に一致し、固定接合されて、継手本体1を形成する。本体外側部1hは、透明または半透明の素材で形成してもよく、その場合、管を管端止め部1eまで挿入した際、リング受け止め部1f以外の部分では、外から、後述する筒状体2の係合溝2dを通して管端が管端止め部1eに接触しているかどうかを確認することができる。
なお、本体外側部1hの素材は、ポリエチレンテレフタレート(PET)が好適であるが、耐候性、耐久性、成形性が良い合成樹脂であれば良く、前記材料に限定されるものではない。本体内側部1iの素材は、ポリエチレンテレフタレート(PET)が好適であるが、耐候性、耐久性、成形性が良い合成樹脂であれば良く、前記材料に限定されるものではない。
また、両者を一体成形してもよく、その場合にいわゆる2色成形の方法を用いて、本体外側部の少なくとも前記管端止め部と前記リング受け止め部との間の部分を外側から挿入された管が見えるように、透明あるいは半透明とすることができる。
また、継手本体は、収容部の奥端に位置し抜止リングの管との共移動を規制するリング受け止め部と、このリング受け止め部より奥側に位置し、挿入時に管端に当接する管端止め部とを備え、管の挿入時に管端から前記リング受け止め部の分だけ離れた位置で前記抜止リングが位置するものであれば良く、上記構成のものに限定されない。
図2(a)、(b)に示すように、継手本体1は、全体としては段付きの筒状となり、前記収容部1aと、前記テーパ部1bとを備え、これらの収容部1aとテーパ部1bとで受口1cを形成している。
継手本体1は、更に、収容部1aの外周に対向して設けられた一対の円形突起である係合凸部1dと、受口1cの奥底を形成する、前記管端止め部1eと、この管端止め部1eの受口1cの反対側に伸びた筒状の管接合部1gとを備えている。
管接合部1gの内周には、一方の管Pが接合固定され、その管Pの内径に対して、管端止め部1eの内径は同一かより大きく、管Pの外径より小さいものとされ、この管端止め部1eの裏面側に管Pの管端が当接し、その際、管端止め部1eの内周部分が、管Pの内周より中心方向に突出することなく、輸送される流体の障害となることがない。
筒状体2は、受口1cの内面に挿入される内筒2aと、継手本体1の受口1cの外側を覆う外筒2bと、内筒2aと外筒2bとを連結する連結部2cを備えた、連結部2cで閉止された二重筒形状のものとなっている。
筒状体2は、継手本体1に対して、その内筒2aがテーパ部1bに突出することなく抜止リング3がテーパ部1bに移動するのを許容する第一位置Iと、内筒2aの周端がテーパ部1bに突出して抜止リング3がテーパ部1bに移動するのを防止する第二位置IIとの間で往復動可能に設けられているが、その作用効果については図4を用いて説明する。
筒状体2の外筒2bには、継手本体1の係合凸部1dが嵌まり込む係合溝2dが、対向する一対の係合凸部1dに対応して、図3(d)で解るように外筒2bの外周に対向する位置に一対で設けられている。係合溝2dの全体形状は、外筒2bの外周をほぼ90度に渡って穿孔された長孔溝で、両端は外筒2bの軸方向に直交する方向に平行で、その両端間を前記平行方向に鋭角で交わる傾斜溝で連結したものとなっている。
係合溝2dの溝幅は、係合凸部1dがガタ付き無く嵌まり込むものとなっているが、両端の前記平行部分には、先端側に、係合凸部1dを収容可能な長さだけ残す位置に、この係合溝2dの溝幅を狭くするような返り止め突起2eがあり、この止め突起2eの係合溝2dの内側には、止め突起2eの溝側への出没を可能とする突起変形用溝2fが設けられている。
このような構成で、継手本体1の係合凸部1dを係合溝2dに嵌め入れて、継手本体1の外側を覆う筒状体2は、その係合溝2dが筒状体2を周方向に回動させることにより、筒状体2を継手本体1に対して第一位置と第二位置との間を軸方向に移動させるように案内すると共に、その係合溝2dの両端の平行部分では、筒状体2が戻り方向に回動するのを返り止め突起2eにより制止し、各位置状態を維持する。
この返り止め突起2eは、放置状態では筒状体2の回動を規制するものであるが、突起変形用溝2fの作用により、意図的に筒状体2を回動させる場合には、その回動を許容するものである。
筒状体2の素材は、ポリカーボネート(PC)が良いが、耐久性、耐候性、成形性の合成樹脂であればよく、前記材料に限定されるものではない。
抜止リング3は、ゴム製のシールリング形状であり、内側の管Pに接触するシールリップ部3aと、このシールリップ部3aとリップ3aの反対側から連続して外周側を形成する外周リング部3bとを備えている。
シールリップ部3aの内径は、管Pの外径に対応したもので、シール効果を有するものであっても良く、シール効果のないものであってもよい。ただし、シールリップ部3aは、外側からの縮径を受けない状態であっても、管Pに外挿した場合には、手を離しても、抜止リング3が管Pに対して移動しない程度に管Pの外周に密接し、共移動するものである。
一方、抜止リング3は、リング部3bへの縮径を受けた場合には、管Pの移動を阻止する、つまり、抜け止め効果を発揮するように構成されている。
なお、抜止リングは、ゴム製のシールリング3に限定されるものではなく、管Pの外周に密接し、縮径を受けた場合には、抜け止め効果を発揮するものであればよく、例えば、C型リング(軸直角断面の形がC字形状、つまり、円筒状の一部を切り欠いた形状の合成樹脂製あるいは金属製のリング体)と称されるものであってもよい。
図4(a)、(b),(c)は、図1の管継手の様々な使用態様を示す縦断面図である。この図を用いて、上記のような構成の管継手5の特徴とする作用効果について説明する。この図において、第一位置にある筒状体2を2(I)、第二位置にある筒状体2を2(II)として表記している。なお、図1の筒状体2(I)も第一位置にある。
図4(a)は、筒状体2(II)が、その内筒2aの周端が継手本体1のテーパ部1bに突出して、かつ、抜止リング3がこの内筒2aの周端で規制されて、継手本体1の収容部1aに位置して止まりテーパ部1bに移動することのない、第二位置IIにある状態を示している。よって、抜止リング3は収容部1aに位置して縮径状態ではなく、管Pを挿入し、かつ、引き抜くことができる。
ここで、管Pの管端は、継手本体1の管端止め部1eに接触しているが、抜止リング3は、リング受け止め部1fに規制されて、その管端より、このシールリップ部3aは、リング受け止め部1f分(距離H1)だけ管端から反対側へ離れた管外周に接触した状態であることを確認する。
図4(b)は、筒状体2(I)が、内筒2aがテーパ部1bに突出することなく抜止リング3がテーパ部1bに移動するのを許容する第一位置Iにある状態を示している。これは、図4(a)の状態で、管Pの挿入後、筒状体2を回動させて、第二位置から第一位置に移動させた状態であり、この状態で管の接続状態が維持されるようにしても良い。
図4(c)は、図4(b)の状態から管Pを引き抜こうと図の上方へ距離Hだけ引き上げた状態を示している。その際、管Pと抜止リング3とは共に上方へ移動し、抜止リング3は、継手本体1のテーパ部1bに移動して縮径し管Pが受口1cから引き抜かれるのを防止する。
一方、図4(c)の場合で、管Pが無く、筒状体2(I)が第一位置にあって、抜止リング3がテーパ部1bにある状態であっても、管Pを挿入することによって、抜止リング3は管Pと共に移動し、図4(b)に示すように、収容部1aに位置することとなる。
つまり、この管継手5においては、筒状体2が第一位置にある場合、すでに管Pが挿入されている場合には抜止め効果を発揮し、新しく管Pを挿入する場合には、その挿入を許すようになっている。
換言すれば、この管継手5は、筒状体2が第一位置I又は第二位IIの状態で、受口1cに管が挿入可能に形成され、第一位置の状態においては、抜止リング3が管と共にテーパ部1bに移動して管が抜け出るのを防止し、第二位置の状態においては、抜止リング3がテーパ部1bに移動することなく管を引き抜き可能であることを特徴とし、その際、ドライバー等の別個の工具を必要としない。
こうして、本発明の管継手5によれば、別個の工具等を必要とすることなく、継手自体の簡易な操作で、管の挿入、抜き外し、及び、抜け止めを可能とすることができる。
なお、図4に示すように、この管継手5においては、リング受け止め部1fがあるので、抜止リング3のシールリップ部3aは挿入状態で管端から距離H1離れた位置で、管の外周に接触しているので、たとえ、管端が管Pの軸直角に正確に切断されていない場合でも、管の外周との密着不良ということが生じなく、シールを確実に保持することができる。
また、この管継手5は、図4(c)に示すように、管Pを距離H2だけ引き出して、抜止リング3が縮径して抜け止め機能を発揮している状態で接続状態とすることもでき、その場合、管端止め部1eとの間に距離H2の隙間があるので、内部の流体の温度上昇により管Pが伸びても、その伸びを吸収することができ、温度上昇に伴う管伸長の問題を回避することができる。
逆に、図4(b)に示す状態で、内部流体の温度低下により管Pが短くなったとしても、図4(c)の状態となるだけで、縮径により、シール状態、抜け止め状態が向上するだけである。なお、図4(c)の縮径して抜け止め状態で、内部流体の温度低下により管Pが短くなったとしても、抜止リング3と継手本体1のテーパ部1bの先端との間にはまだ余裕の隙間がり、その短縮は、よりシール状態、抜け止め状態を向上させるものなので問題は生じない。
また、抜止リング3は管Pの移動に伴い継手本体1の受口1cの収容部1aとテーパ部1bとの間を共移動し、この際、抜止リング3のシールリップ部3aと管pとの接触位置は管端から距離H1離れた位置にあるので、万が一、この共移動に多少のスリップがあったとしても、シールリップ部3aは管Pの全外周に密着し、抜止リング3と管Pとの内側のシールが好適に維持される。
なお、抜け止めリング3の外周面の、継手本体1の内周面に接触する部分に、かつ/または、継手本体1の内周面の、抜け止めリング3の外周面に接触する部分に、相互間の滑りを良くする潤滑剤を塗布あるいは付着させると、抜け止めリング3の継手本体1対する滑りが良くなり、管につられて抜け止めリング3が、継手本体1内を確実に移動し、抜け止めリング3のテーパー部1bでの管の抜け止め、収容部1aでの管への非拘束が確実に行われるようになる。
潤滑剤としてはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)またはフッ素(F)を含有するものがよいが、これに限定されず、滑りを良くし、かつ、塗布あるいは付着後長期間滑り性能を維持し、かつ、耐候性の良いものが好ましい。
図5は、本発明の管継手付き管の一例を示す外観正面図であり、この図の管継手5は図1〜4で説明した管継手付き管10であり、その管継手5の管接合部1fに所定長さの管Pを接着等の方法により、接合固定したものであり、管継手5の効果を管継手付き管10として発揮する。
また、一般に管路の形成は、このような管継手付き管10を順に連結して行われるものであり、その際、現場において管Pとの接合固定の手間を省くことができる。
実施形態2
図6は、本発明の管継手の別例の使用態様を示す一部破断の図である。
この管継手5Aは、図1の管継手5に比べ、その継手本体1Aが連結部1jにより連結されて、この連結部1jを真ん中として対向する向きに受口1c、筒状体2、抜止リング3が備えられている点が、異なっている。
つまり、この管継手5Aは、図1の管継手5を、両側に管Pを着脱可能に、かつ、抜け止め可能に連結できるようにしたもので、この管継手5Aは、それぞれの受口1cに管を連結する場合に管継手5の効果を発揮することができる。
実施形態3
図7は、本発明の管継手の別例の使用態様を示す一部破断の図である。
この管継手5Bは、図1の管継手5に比べ、その継手本体1Bの管接合部1kが、接合固定する側の管Pをその外周側に接合固定するようになっていて、管接合部1kが、反対側に接続する管Pの内周にも達する長さとなっていて、この相手側の管Pとの間にOリング1mが嵌め入れられるようになっている点が、異なっている。
このような構成の管継手5B、管継手付き管10Bによれば、図1の管継手5、図4の管継手付き管10と同様の効果を発揮する上、相手側の管Pの内周側のシール性をより向上させることができる。
なお、本発明の管継手と管継手付き管は、上記の実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲、実施形態の範囲で、種々の変形例、組み合わせが可能であり、これらの変形例、組み合わせもその権利範囲に含むものである。
例えば、筒状体を回動移動させる係合凸部を筒状体側に、係合溝を継手本体側に設けるようにしてもよい。また、筒状体の軸方向への移動方法も例示の傾斜溝を用いるのでなく、筒状体を単に軸方向に移動させる方向や、Z字状の溝を用いる方法や、雄ねじと雌ねじの組み合わせを用いる方法であってもよい。
本発明の管継手と管継手付き管は、別個の工具等を必要とすることなく、継手自体の簡易な操作で、管の挿入、抜き外し、及び、抜け止めを可能とすることが要請される管路形成の産業分野に用いることができる。
P 管
1〜1B 継手本体
1a 収容部
1b テーパ部
1c 受口
1d 係合凸部
1e 管端止め部
1f リング受け止め部
1h 本体外側部
1i 本体内側部
2 筒状体
2a 内筒
2b 外筒
2c 連結部
2d 係合溝
3 抜止リング
5〜5B 管継手
10〜10B 管継手付き管
I 第一位置
II 第二位置

Claims (7)

  1. 管が挿入される受口を備えた継手本体と、前記受口に前記継手本体の軸方向に移動可能に取り付けられる筒状体と、受口内に挿入された管の外面に密接して、縮径することで前記受口から管を抜け止めする抜止リングとを備えた管継手であって、
    前記継手本体には、前記抜止リングを収容する収容部と、該収容部の先端側に前記抜止リングが移動して該抜止リングを縮径させるためのテーパ部とを有してなり、
    前記筒状体は、受口の内面に挿入される内筒を備え、前記内筒が前記テーパ部に突出することなく前記抜止リングが前記テーパ部に移動するのを許容する第一位置と、前記内筒の周端が前記テーパ部に突出して前記抜止リングが前記テーパ部に移動するのを防止する第二位置との間で往復動可能に設けられ、
    前記抜止リングは、ゴム製のシールリングであり、
    前記筒状体が前記第一位置又は第二位置の状態で、前記受口に管が挿入可能に形成され、前記第一位置の状態においては、前記抜止リングが、前記管が移動するのに付随して、前記テーパ部に移動して管が抜け出るのを防止し、第二位置の状態においては、前記抜止リングが前記テーパ部に移動することなく管を引き抜き可能である管継手。
  2. 管が挿入される受口を備えた継手本体と、前記受口に前記継手本体の軸方向に移動可能に取り付けられる筒状体と、受口内に挿入された管の外面に密接して、縮径することで前記受口から管を抜け止めする抜止リングとを備えた管継手であって、
    前記継手本体には、前記抜止リングを収容する収容部と、該収容部の先端側に前記抜止リングが移動して該抜止リングを縮径させるためのテーパ部とを有してなり、
    前記筒状体は、前記継手本体の外側を覆う外筒と、受口の内面に挿入される内筒を備え、前記内筒が前記テーパ部に突出することなく前記抜止リングが前記テーパ部に移動するのを許容する第一位置と、前記内筒の周端が前記テーパ部に突出して前記抜止リングが前記テーパ部に移動するのを防止する第二位置との間で往復動可能に設けられ、
    前記筒状体が前記第一位置又は第二位置の状態で、前記受口に管が挿入可能に形成され、前記第一位置の状態においては、前記抜止リングが管と共に前記テーパ部に移動して管が抜け出るのを防止し、第二位置の状態においては、前記抜止リングが前記テーパ部に移動することなく管を引き抜き可能であり、
    前記筒状体は、周方向へ回動されることによって、前記継手本体に対して前記第一位置と前記第二位置との間を軸方向へ移動するように案内されることを特徴とする管継手。
  3. 前記抜止リングは、ゴム製のシールリングである請求項2記載の管継手。
  4. 継手本体は、収容部の奥端に位置し抜止リングの管との共移動を規制するリング受け止め部と、このリング受け止め部より奥側に位置し、挿入時に管端に当接する管端止め部とを備え、管の挿入時に管端から前記リング受け止め部の分だけ離れた位置で前記抜止リングが位置し、
    継手本体の少なくとも前記管端止め部と前記リング受け止め部との間の部分が、外側から挿入された管が見えるように、透明又は半透明の素材で構成されている請求項1から3のいずれか記載の管継手。
  5. 抜止リングの外周面の、継手本体の内周面に接触する部分に、かつ/または、前記継手本体の内周面の、前記抜止リングの外周面に接触する部分に、相互間の滑りを良くする潤滑剤を塗布あるいは付着させた請求項1から4のいずれか記載の管継手。
  6. 前記継手本体と前記筒状体とは、係合凸部と係合溝とで係合してなり、
    前記係合溝は前記筒状体を周方向に回動させることにより、前記筒状体を前記継手本体に対して軸方向に移動させるように案内する請求項1から5のいずれか記載の管継手。
  7. 請求項1から6のいずれか記載の管継手と、前記管継手の受口でない側に連結された所定長さの管とからなる管継手付き管。
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