JP5587853B2 - トップコート塗布によるすべり止め舗装 - Google Patents
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Description
図1はすべり止め舗装の適用例を示す説明図である。図1(a)の領域Aはバス専用のレーンであり、この部分に、着色の骨材を用いたすべり止め舗装が施されている。図1(b)には、その路面構造を模式的に示した。すべり止め舗装が施されている部分では、舗装面10上に、樹脂系のバインダ11を用いて、骨材12が散布、固着されている。さらに、骨材12の上に、樹脂によるトップコート13を施す場合もある。図1(b)の領域aはトップコートがない状態の路面の構造、領域bはトップコート13がある場合の路面の構造を示している。図1(b)の右側には、トップコート13を施した部分の拡大図を示した。
骨材12として、着色されたものを用いることにより、路面の色をアスファルトやコンクリートなどの舗装面とは異なる色に仕上げることができ、バス専用のレーンであることなどを視覚的に示すことが可能となる。また、すべり止め舗装は、通常の舗装面よりもすべり抵抗が高くなることから、上述の視覚的な用途の他、カーブや坂道など、すべり止め効果が求められる部位にも適用される。
このように骨材を散布する舗装方法の先行技術として、特許文献1は、アスファルト舗装の直後に、石粉、硬質骨材などを散布する舗装方法を開示している。また、特許文献2は、速硬化型の樹脂をスプレー塗布すると同時に骨材を散布する舗装方法を開示している。
本発明は、かかる課題に鑑み、すべり止め舗装において、トップコートを施した場合のすべり抵抗の向上を図ることを目的とする。
a) 舗装面上に樹脂系バインダを塗布し、骨材を散布して、該骨材を舗装面に固着させる工程と、
b) 該舗装面上の骨材上に、該骨材よりも粒径が小さい添加骨材を混在させて樹脂によるトップコートを施す工程とを備えるものである。
樹脂系バインダとしては、可撓性エポキシ樹脂など、従来、すべり止め舗装で用いられている周知の材料を始め、骨材を保持しうる種々の樹脂を用いることができる。
骨材も同様に、従来、すべり止め舗装で用いられている黒色硬質骨材、着色磁器質骨材、炭化ケイ素質骨材など、種々の素材を用いることができる。その粒径は、0.5mm〜3.5mm程度であり、素材や目的等に応じて、任意に選択可能である。一般に、0.5〜1.0mmの粒径のものをB粒、1.0〜2.0mm粒径のものをA粒、2.0〜3.3mmのものをA1粒と呼ぶ。
トップコートに添加骨材を混在させる方法としては、予め添加骨材を添加したトップコート用の樹脂を塗布する方法、およびトップコートを塗布した上から添加骨材を散布する方法のいずれをとってもよい。
前記舗装面上の骨材には、骨材塊を所定の粒径になるよう破砕して形成された破砕骨材が含まれているものとしてもよい。
一般に骨材は、製法によって大きく2つに分類される。一つは、予め所定の粒径に形成した上で焼成して製造される、いわゆる「バリカキ骨材」と呼ばれるものであり、もう一つは、大きなレンガ状などの塊として焼成した後、その塊を細かな粒径になるまで破砕して形成される破砕骨材と呼ばれるものである。破砕骨材は、バリカキ骨材よりも、角が尖った形状をなしている特徴がある。従って、上記方法に示すように、舗装面上の骨材に、破砕骨材を配合することによって、すべり抵抗をさらに向上させることができる。
すべり抵抗の観点からは、破砕骨材の配合量は多いほど好ましい。しかし、一般に破砕骨材は、塊を破砕する際に、意図していた粒径よりも細かいものが発生することが多く、バリカキ骨材よりも、形成時の歩留まりが悪いのが通常であり、バリカキ骨材よりも製造コストが高い傾向にある。すべり抵抗向上とコスト抑制の双方を考慮すると、破砕骨材の配合量は全体の30重量%程度とすることが好ましい。
破砕骨材と、その他の骨材とは、粒径が同一であってもよいし、異なっていてもよい。破砕骨材の形状によるすべり止め効果を発揮させやすくするためには、破砕骨材の粒径が他の骨材の粒径と同等以上であることが好ましい。
前記工程b)は、前記樹脂に予め前記添加骨材を添加する工程と、該添加された樹脂を塗布して前記トップコートを施す工程とを備えることが好ましい。
こうすることにより、トップコートに添加骨材をムラなく混在させることができる利点がある。また、トップコートを塗布した後に添加骨材を散布する方法に比較して、添加骨材の散布工程を削減することができるため、工程の簡略化、容易化という点でも好ましい。
前記添加骨材の粒径は0.15mm以下とすることが好ましい。
このように添加骨材の粒径を非常に細かいものとすることにより、トップコートに添加された添加骨材が容易に沈降することを抑制できる利点がある。この結果、トップコート内に添加骨材が均一に混在した状態でトップコートを施すことができ、すべり止め効果を均質に発揮させることが可能となる。
前記トップコートは、MMA系樹脂によって施されるものとしてもよい。
MMA系樹脂とは、アクリル系の樹脂である。トップコートの材料としては種々の樹脂を用いることができるが、MMA系の樹脂を用いることにより、骨材の飛散を抑制することができ、耐久性を高めることができる。
つまり、舗装面上に樹脂系バインダを塗布し、骨材を散布して、該骨材を舗装面に固着させた骨材層と、
前記骨材層上に、前記骨材よりも粒径が小さい添加骨材を混在させて樹脂を塗布したトップコート層とを備えるすべり止め舗装構造である。
かかる構造のトップコート層を備えることにより、骨材の飛散を抑制しつつ、すべり抵抗の向上を実現することができる。
例えば、前記骨材層の骨材には、骨材塊を所定の粒径になるよう破砕して形成された破砕骨材が含まれているものとしてもよい。
また、前記トップコート層は、前記添加骨材がほぼ均一に分布した状態で形成されているものとしてもよい。かかる構造は、例えば、トップコート用の樹脂に予め添加骨材を添加した状態でトップコートを施すことによって形成できる。
この場合の添加骨材の粒径は0.15mm以下であるとすることが好ましい。
さらに、トップコート層は、MMA系樹脂によって形成されているものとしてもよい。
A.すべり止め舗装構造:
B.すべり止め舗装の工程:
C.配合量等による効果:
C1.フィラー粒径による効果:
C2.フィラー添加量による効果:
C3.破砕骨材配合率による効果:
C4.フィラー添加および破砕骨材配合による効果:
D.効果および変形例:
A1粒 3.3〜2.0mm
A粒 1.0〜2.0mm
B粒 0.5〜1.0mm
C粒 0.15〜0.5mm
F粒 0.15mm以下
図1は、すべり止め舗装の適用例を示す説明図である。すべり止め舗装は、主として路面のうち、図中の領域Aのように視覚的に区別したい箇所や、カーブ箇所などすべり抵抗を高めたい箇所に適用されるものである。
従来技術におけるすべり止め舗装構造は、図1(b)に示す通り、舗装面10上にバインダ11によって骨材12を固着させる構造をなしている。骨材12の上に、トップコート13を施す場合もある(領域b)。
これに対し、本実施例のすべり止め舗装構造を、図1(c)に示した。実施例のすべり止め舗装構造では、舗装面10の上にバインダ11を塗布し、骨材14を散布して固着させる。本実施例では、骨材14として、破砕骨材とバリカキ骨材を配合したものを用いた。骨材としては、A1粒〜B粒を用いる。骨材の材質としては、着色磁器質骨材、黒色硬質スピネル骨材などを用いることができる。骨材は、耐摩耗性に優れた材質を用いることが好ましい。
本明細書では、舗装面上の骨材を散布した層を、骨材層と呼ぶ。
破砕骨材の配合量は、すべり抵抗の目標値や、コストなどを考慮して任意に設定可能である。破砕骨材の配合量がすべり抵抗に与える効果については、後述する。
このように、本実施例のすべり止め舗装構造によれば、トップコート15を施すことにより骨材14の飛散を抑制することができ、耐久性を向上させることができるとともに、トップコート15にフィラー16を混在させることにより、すべり抵抗を向上させることが可能となる。さらに、骨材14に、破砕骨材を配合することにより、さらにすべり抵抗を向上させることができる。
次にすべり止め舗装を施す工程について説明する。
図2は、すべり止め舗装の工程を示すフローチャートである。ここでは、既存のアスファルトまたはコンクリートの舗装面上に、樹脂バインダの塗布、骨材の散布、トップコートを施し、すべり止め舗装(以下、実施例の説明において単に「表面処理」と呼ぶこともある)を完成させる工程を示した。これらの工程は、作業員が手作業または機械を用いて行うものである。
また図3は、すべり止め舗装の様子を示す説明図である。以下、図3を適宜参照しながら、図2に沿って、工程を順次説明する。
マスキングが完了すると、コンクリート舗装面の場合は、プライマーをローラーまたはエアスプレー等で塗布する(ステップS12)。アスファルト舗装面の場合は、この工程は省略できる。
作業員は、骨材を固着させるための樹脂系バインダを塗布する(ステップS13)。樹脂系バインダは塗装機を用いて均一な膜厚になるよう塗布することが望ましい。樹脂系バインダの塗布の膜厚は、骨材の1/2〜1/3が埋没する程度が好ましい。
次に、作業員は骨材を散布する(ステップS14)。先に説明した通り、本実施例では、骨材として、バリカキ骨材と破砕骨材を配合したものを散布する。それぞれを個別に散布するようにしてもよいし、予め配合した上で散布してもよい。均一に散布するためには、予め配合しておくことがより好ましい。樹脂系バインダの塗布後、時間が経過すると骨材の固着力が低下するため、骨材の散布は、樹脂系バインダの塗布後、できるだけ速やかに行う。骨材の散布量は、概ね1平方メートル当たり、4.0kg〜8kgの割合が目安となる。十分に固着されず飛散する骨材は不可避的に生じるので、若干、余剰に散布しておくことが好ましい。
骨材の散布が終わると、樹脂系バインダが硬化する前にマスキングを除去する(ステップS15)。
そして、養生、すなわち樹脂系バインダが十分に硬化するのを待つ(ステップS16)。樹脂系バインダの硬化時間は、路面温度などによって変化する。硬化が不十分の状態で通行が開始されると、骨材が脱落したり樹脂系バインダ内に埋没したりする不具合が生じるため、複数箇所で硬化状態を十分に確認する必要がある。
養生が完了すると、作業員は、樹脂系バインダで十分に固着されなかった余剰骨材を回収する(ステップS17)。
以上が舗装面上に骨材を散布し、骨材層を形成する工程である。
作業員は、まずトップコート前のマスキングを行う(ステップS18)。マスキングの対象は、ステップS11と同様である。
マスキングが完了すると、作業員は、フィラーを添加したトップコートを塗布する(ステップS19)。本実施例では、予めトップコート用の樹脂に、フィラーを添加し撹拌した状態とした上で、塗布するものとした。従って、トップコート用の樹脂にフィラーを添加する工程は、マスキング(ステップS18)と並行して行うか、塗布(ステップS19)の直前に行うことになる。
図3(a)は、トップコート用樹脂15Aに、フィラーを添加し、撹拌機20で撹拌している状況を示している。フィラーの添加は、専用の機械を用いるまでなく、このように手作業でも実行可能な簡易な工程である点も、本実施例の工程における特徴の一つである。
図3(b)はトップコート塗布の様子を示している。フィラーが添加されたトップコートはエアレススプレーで塗布しようとすると目詰まりしやすいため、バインダの塗布と同様、均一の厚さにとなるようローラー21で行うことが好ましい。トップコートの塗布量は骨材の粒度によって異なる。MMA樹脂系を用いる場合には、1平方メートル当たり0.4〜0.8kgとすることが好ましい。
トップコートの塗布後は、十分に養生し(図2のステップS20)、マスキングを除去して(ステップS21)、工程を完了する。
以下では、本実施例のすべり止め舗装において、破砕骨材の配合量やフィラーの添加量等による効果について説明する。
効果は、それぞれすべり抵抗値として、道路業界で一般的に適用されているBPN値を用いて評価した。BPN値は、英国の道路交通研究所開発のポータブルスキッドレジスタンステスタ(以下、「測定器」と言う)により計測した結果である。BPN値を計測する実験は、舗装面に散水した湿潤状態で行い、4回測定を行ったのち、1回目を除いた3回の測定値を算術平均してBPN値を求めている。また、こうして得られた結果に対して、道路業界で一般に用いられている次式による温度補正を適用し、温度が20℃の時のBPN値を求めた。
C20=−0.0071t^2+0.9301t−15.79+Ct;
ここで、各変数等は次の意味である。
C20…20℃に補正したBPN
Ct…補正前のBPN
t…計測時の路面の表面温度
^…2乗を表す演算子
本実施例では、トップコート用樹脂にフィラーを予め添加し、撹拌した状態でトップコートを施す(図3(a)参照)。添加するフィラーの粒径を、B粒、C粒、F粒の順に粒径を小さくしたところ、次の結果を得た。
B粒のフィラーを添加した場合は、添加量に関係なく添加後、数秒〜数十秒でフィラーが沈降してしまい、トップコートとして塗布することができなかった。
C粒のフィラーを添加した場合も、B粒よりは遅いながらも沈降が生じた。フィラーの添加量を20%以下とした場合は、トップコートとして塗布可能であった。ただし、この場合でも、塗布後にトップコート内で沈降が生じてしまい、フィラー添加による効果が十分に発揮されない状態となった。
F粒のフィラーの場合は、トップコート用の樹脂が硬化するまで顕著な沈降は生じず、良好にトップコートを施すことが可能であった。
従って、フィラーの粒径は、小さい方が望ましいと言うことができ、F粒とすることがより好ましいと言える。
図4は、フィラー添加量の効果を示す説明図である。F粒のフィラーの添加量をトップコートに対する重量%で、0%から40%まで10%ごとに変化させた場合のBPNの向上率を測定した実験結果である。図4(a)に実験結果を一覧表で示し、図4(b)には、温度補正後のBPN向上率をグラフで示した。向上率は、それぞれフィラー無しの状態を基準としたBPNの変化率である。
図示する通り、フィラーの添加量を増大させると、それに伴って、BPNが向上することが分かる。この実験では、フィラーを30%添加した状態では、フィラー無しに比較して106.4%のBPN向上という結果が得られた。
フィラー添加量を30%よりも多くすれば、BPNは更に向上すると考えられるが、添加量が40%になると、フィラーの塗布が困難となり、仕上がりが不均一になるというBPNの向上とは別の課題が生じることがわかった。
従って、F粒を用いる場合、フィラーの添加量はトップコートに対して30重量%程度とすることが好ましいと言える。
図5は、破砕骨材配合率の効果を示す説明図である。破砕骨材とバリカキ骨材との配合率を変化させた場合のBPNの向上率を測定した実験結果である。図5(a)には、トップコートにフィラーを添加しない場合の結果を一覧表で示し、図5(b)には、トップコートにフィラーを30%添加した場合の結果を一覧表で示した。向上率は、それぞれのケースにおいて、破砕骨材無し(バリカキ骨材100%)の状態を基準としたBPNの変化率である。
図5(c)には、温度補正後のBPN向上率をグラフで示した。○と破線で示した結果が、フィラーを添加していない場合(図5(a)に対応)を示しており、●と実線で示した結果が、フィラーを30%添加した場合(図5(b)に対応)を示している。
図示する通り、フィラーの添加有無のいずれの場合においても、破砕骨材の配合率を増大させると、それに伴って、BPNが向上することが分かる。この実験では、破砕骨材を50%添加した状態では、フィラーを添加しないケースで117.4%、フィラーを30%添加したケースで114.5%のBPN向上という結果が得られた。フィラーを30%添加したケースでは、破砕骨材100%とした場合のBPN向上率を計測してはいないが、フィラーを添加しないケースと同様、破砕骨材の配合率増大に伴ってBPNは単調に向上するものと推測される。
すべり抵抗の観点のみから見れば、破砕骨材の配合率は高いほど望ましいと言える。ただし、一般に破砕骨材は、バリカキ骨材よりも高価であるから、コスト面からは破砕骨材の配合率を抑制した方が好ましい。従って、破砕骨材の配合率は、すべり抵抗の目標値を満たす範囲で最小の値とすることが好ましい。かかる観点から、例えば、配合率は30%程度とすることができる。
図6は、フィラー添加および破砕骨材配合による効果を示す説明図である。フィラーの30%添加、破砕骨材の30%配合を個別に適用した場合の効果、および組み合わせて適用した場合の効果として、BPNの向上率を測定した実験結果である。実験は、2日にわたって行った。図6(a)には1日目の実験結果を一覧表で示し、図6(b)には2日目の実験結果を一覧表で示した。向上率は、それぞれのケースにおいて、フィラーの添加無し、かつ破砕骨材無し(バリカキ骨材100%)の状態を基準としたBPNの変化率である。
図6(c)には、温度補正後のBPN向上率をグラフで示した。グラフ中のi〜viの数字は、それぞれ図6(a)、図6(b)の実験結果との対応関係を表している。
図示する通り、フィラーを添加せず破砕骨材を30%配合すると(i,iv)、110.9〜112.9%のBPN向上率が得られることが分かる。これが破砕骨材配合による単独の効果である。
破砕骨材を配合せずフィラーを30%添加すると(ii,v)、106.4〜106.8%のBPN向上率が得られることが分かる。これがフィラー添加による単独の効果である。
そして、フィラーを30%添加し破砕骨材を30%配合すると(iii,vi)、118.0〜119.3%のBPN向上率が得られることが分かる。これがフィラー添加と破砕骨材配合の組合せによる効果である。概ね、フィラー添加および破砕骨材配合のそれぞれを個別に適用した場合の単独の向上率を加えた程度の効果が得られていることが分かる。
以上で説明した本実施例のすべり止め舗装方法および同構造によれば、フィラーの添加によって、すべり抵抗を向上させることができる。従って、トップコートによる舗装面の耐久性向上と、すべり抵抗の維持・向上を両立させることが可能となる。
また、破砕骨材を配合することによって、すべり抵抗をさらに向上させることができる。
図7は、変形例としてのすべり止め舗装の工程を示すフローチャートである。図7(a)には、図2に示した工程のうち、トップコート前のマスキング(ステップS18)以降のトップコート層を形成する工程のみを示した。
変形例の工程では、骨材層を形成した後、実施例(図2)の場合と同様、トップコート前のマスキングを行い(ステップS18)、トップコートを塗布する(ステップS19A)。ただし、実施例(図2)では、フィラーを添加したトップコートを用いていたが、ここではフィラーを添加せずにトップコートを塗布する。
その上で、トップコート上にフィラーを散布する(ステップS19B)。そして、養生し(ステップS20)、マスキングを除去する(ステップS21)。さらに、トップコート上に固着されなかった余剰のフィラーを回収して(ステップS21A)、工程を終了する。
このようにトップコートを施した後、フィラーを散布する方法によっても、フィラーを混在させたトップコート層を形成することができ、すべり抵抗を向上させる効果を得ることができる。
図示する通り、温度補正後で、B粒を散布すると109.2%、C粒を用いると119.8%のBPN向上率が得られている。このように、変形例の方法によれば、実施例で用いることができなかったB粒、C粒もトップコート層に適用できる利点がある。しかし、F粒を用いると、非常に微細であるため散布時に飛散してしまい、均一に散布できないという結果となった。飛散を防止するよう覆いを施すなどして散布することにより、こうした課題は克服可能と考えられる。
11…バインダ
12…骨材
13…トップコート
14…骨材
15…トップコート
15A…トップコート用樹脂
16…フィラー
20…撹拌機
21…ローラー
Claims (10)
- 路面のすべり止め舗装方法であって,
a) 舗装面上に樹脂系バインダを塗布し、骨材を散布して、該骨材を舗装面に固着させる工程と、
b) 該舗装面上の骨材上に、該骨材よりも粒径が小さい添加骨材を混在させて樹脂によるトップコートを施す工程とを備え、
前記工程b)は、前記樹脂に予め前記添加骨材を添加する工程と、該添加された樹脂を塗布して前記トップコートを施す工程とを備え、
前記添加骨材の粒径は0.15mm以下であるすべり止め舗装方法。 - 請求項1記載のすべり止め舗装方法であって、
前記舗装面上の骨材には、骨材塊を所定の粒径になるよう破砕して形成された破砕骨材が含まれているすべり止め舗装方法。 - 請求項1または2記載のすべり止め舗装方法であって、
前記添加骨材は、前記トップコートに対し40重量%未満である舗装方法。 - 請求項3記載のすべり止め舗装方法であって、
前記添加骨材は、前記トップコートに対し略30重量%である舗装方法。 - 請求項1〜4いずれか記載のすべり止め舗装方法であって、
前記トップコートは、MMA系樹脂によって施されるすべり止め舗装方法。 - 路面のすべり止め舗装構造であって、
舗装面上に樹脂系バインダを塗布し、骨材を散布して、該骨材を舗装面に固着させた骨材層と、
前記骨材層上に、前記骨材よりも粒径が小さい添加骨材を混在させて樹脂を塗布したトップコート層とを備え、
前記トップコート層は、前記樹脂に予め前記添加骨材を添加する工程と、該添加された樹脂を塗布して前記トップコートを施す工程とによって施されることによって、前記添加骨材がほぼ均一に分布した状態で形成されており、
前記添加骨材の粒径は0.15mm以下であるすべり止め舗装構造。 - 請求項6記載のすべり止め舗装構造であって、
前記骨材層の骨材には、骨材塊を所定の粒径になるよう破砕して形成された破砕骨材が含まれているすべり止め舗装構造。 - 請求項6または7記載のすべり止め舗装構造であって、
前記添加骨材は、前記トップコートに対し40重量%未満であるすべり止め舗装構造。 - 請求項8記載のすべり止め舗装構造であって、
前記添加骨材は、前記トップコートに対し略30重量%であるすべり止め舗装構造。 - 請求項6〜9いずれか記載のすべり止め舗装方法であって、
前記トップコート層は、MMA系樹脂によって形成されているすべり止め舗装構造。
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