JP5586386B2 - 留置管挿入用ホール形成ピン - Google Patents

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Description

本発明は、人工透析等の、留置管を定期的に血管に挿入する治療の際に、留置管を同じ経路で挿入するためのホールを形成するために用いられる、留置管挿入用ホール形成ピンに関する。
以前から、腎不全等に対処するために、血液を体外へ導出して濾過した後、再び体内に戻す人工透析が行われている。この人工透析は、ろ過器やポンプ等を備える透析装置に連通する留置管を、皮膚を通して血管に突き刺して、その先端を血管内に挿入した後、前記透析装置を介して行われる。なお、人工透析に際しては、血液の循環量を増大させるために、皮下で動脈と静脈とを吻合して径の大きな血管(シャント)を形成し、これに前記留置管を挿入することが一般的である。
上記人工透析は1週間に2,3回のペースで行われ、患者の血管に定期的に留置管が挿入されるが、このとき、挿入管は血管の同じ箇所に繰り返し挿入することが望ましい。しかし、血管の同一箇所への留置管挿入は簡単ではなく、目的箇所から狙いが外れて、目的箇所の近傍に散らばって留置管が挿入される場合がある。この場合、血管の狭い範囲に留置管が穿刺されるので、血管壁面が損傷しやすくなり、その結果、血管内腔が閉塞してしまって、透析治療に支障をきたすことがあった。これに対して、留置管を血管の同一箇所に挿入することができれば、血管へのダメージが抑えられて、血管内腔の閉塞を防止することができる。
また、人工透析のたびに、皮下を通して血管に留置管を穿刺し挿入することは、患者にとって大きな苦痛となっている。この苦痛の低減を図ると共に、上述した血管の同一箇所への留置管挿入作業を容易にするために、皮膚表面から血管壁面又は血管近傍の範囲内に、留置管挿入用のホールを形成し、このホールを通して血管に留置管を挿入することが行われている。下記特許文献1には、そのようなホールを形成するためのピンとして、丸みを帯びた先端を有する円柱状の挿入部と、該挿入部の基端に設けられた挿入停止部からなり、該挿入停止部に保持部として凹部が設けられ、前記挿入部の先端が血管壁あるいは血管壁の直近の部分に到達し、血管内に到達しない状態で留置されるものが記載されている。
上記ピンの使用にあたっては、血管の所定箇所に留置管を穿刺し挿入して、人工透析を行った後、留置管を引き抜き、次いで留置管の穿刺跡に沿ってピンを挿入する。その状態で、所定期間(概ね2週間前後)留置した後、ピンを引き抜くと、ピンに沿った形状のホールが形成される。その後、ホールに沿って留置管を挿入することで、患者への苦痛を軽減しつつ、血管内に留置管を挿入可能となっている。
特許第3975320号公報
上記特許文献1記載のホール形成ピンは、ピン留置後からホール形成までの2週間前後の期間は、その都度ホール形成ピンを取外さないと、留置管を挿入することができない。このため、ホールが形成されるまでの間は、血管の別の箇所に留置管を挿入しなければならず、患者に多大な負担がかかっていた。
したがって、本発明の目的は、ピン留置後からホール形成完了までの間であっても、ピン留置箇所と同じ箇所にピンを取外すことなく留置管を挿入することができる、留置管挿入用ホール形成ピンを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の留置管挿入用ホール形成ピンの一つは、皮膚を介して皮膚下に挿入されて所定期間留置され、留置管挿入用のホールを形成するためのものであって、内部に前記留置管の挿入路を有すると共に、皮膚を介して皮膚下に挿入されて所定期間留置され、前記ホールを形成する筒状のピン本体と、前記挿入路中に配置され、常時は同挿入路を閉塞する一方、前記留置管の挿入を許容する弁体とを備え、前記ピン本体は、引き裂き可能なピール部を介して分割可能に連結された2つの分割部を有しており、各分割部には把持部がそれぞれ設けられており、前記弁体には、前記ピン本体のピール部に整合するように、スリットが形成されており、前記ピン本体が前記ホールを形成中に、前記留置管が前記弁体を通して前記挿入路に挿入可能となるように構成されていることを特徴とする。
本発明の留置管挿入用ホール形成ピンのもう一つは、皮膚を介して皮膚下に挿入されて所定期間留置され、留置管挿入用のホールを形成するための留置管挿入用ホール形成ピンであって、基端側が拡径し先端側に向けて次第に縮径する筒状をなし、内部に前記留置管の挿入路を有するピン本体と、前記挿入路中に配置され、常時は同挿入路を閉塞する一方、前記留置管の挿入を許容する弁体とを備え、前記ピン本体は、引き裂き可能なピール部を介して分割可能に連結された2つの分割部を有しており、各分割部には把持部がそれぞれ設けられており、前記ピン本体が前記ホールを形成中に、前記把持部が皮膚の表面に沿って配置され、前記留置管が前記弁体を通して前記挿入路に挿入可能となるように構成されていることを特徴とする。
本発明の留置管挿入用ホール形成ピンにおいては、前記把持部は、前記分割部に対して回動可能にそれぞれ取付けられていることが好ましい。
本発明によれば、皮膚を通して血管に、それ自体が穿刺針をなす留置管(すなわち留置針)又は穿刺針が挿通された留置管を突き刺し、留置管の先端が血管内に到達したことを確認したら、留置管を引き抜いてその穿刺跡に沿って本発明の留置管挿入用ホール形成ピン(以下「ホール形成ピン」とする)を挿入するか、或いは、留置管が挿入された状態で留置管の外周に沿ってホール形成ピンを挿入し留置管を引き抜く。その状態でホール形成ピンを所定期間留置することにより、留置管の穿刺跡に沿ってホール形成ピンによる凹状のホールが形成される。こうしてホールを形成した後の留置管の挿入においては、それ自体が穿刺針をなす留置管又は穿刺針が挿通された留置管を、上記ホールに沿って挿入するだけで、最初に留置管を挿入した経路と同じ経路で留置管を挿入することができる。このように、人工透析等を行うために留置管を繰り返し挿入する場合に、その挿入経路を同じにして挿入を容易にすると共に、血管に対するダメージを低減させることができる。
また、本発明によれば、ホール形成ピンを留置させてホールを形成している途中で人工透析等を行う場合には、ホール形成ピンを取外すことなく、弁体を通して留置管を挿入することができ、新たな挿入経路を設けることなく、人工透析等を行うことができる。また、留置管を引き抜いたときには、弁体が閉じるので、血液や薬液等が逆流することがない。
本発明の留置管挿入用ホール形成ピンの一実施形態を示す斜視図である。 同ホール形成ピンの断面図である。 (a)は同ホール形成ピンの平面図、(b)は同ホール形成ピンの底面図である。 同ホール形成ピンの把持部の、他構造を示す説明図である。 同ホール形成ピンの把持部の、更に他の構造を示す側面図である。 同ホール形成ピンを構成する弁体の他形状を示しており、(a)は十字状のスリットを設けた弁体の平面図及びa−a断面図、(b)は円柱状の凹部及び放射状のスリットを設けた弁体の平面図及びb−b断面図、(c)は円柱状の凹部及び直線状のスリットを設けた弁体の平面図及びc−c断面図、(d)は基端面に曲面状の凹部を設けた弁対の平面図及びd−d断面図である。 同ホール形成ピンの使用方法の一例を示しており、(a)は第1工程を示す説明図、(b)は第2工程を示す説明図である。 同ホール形成ピンの使用方法の一例を示しており、(a)は第3工程を示す説明図、(b)は第4工程を示す説明図である。 同ホール形成ピンの使用方法の一例を示しており、(a)は第5工程を示す説明図、(b)は第6工程を示す説明図である。 同ホール形成ピンの使用方法の一例を示しており、その第7工程を示す説明図である。 同ホール形成ピンの他の使用方法を示しており、(a)はその第1工程を示す説明図、(b)は第2工程を示す説明図である。 本発明の留置管挿入用ホール形成ポンの他の実施形態を示す側面図である。
以下、図1〜11を参照して、本発明の留置管挿入用ホール形成ピンの一実施形態について説明する。
図1に示すように、この実施形態における留置管挿入用ホール形成ピン10(以下、「ホール形成ピン10」という)は、例えば、鋭利な先端部を有する穿刺針3が挿通された二重管構造の留置管1A(図7参照)や、先端が丸みを帯びた形状の留置管1B(図8〜10参照)、更には鋭利な先端部を有し、それ自体が穿刺針をなす留置管1C(図11参照)等の、多様な留置管を血管Vに挿入するためのホールH(図10参照)を形成するものである。なお、この実施形態では、ホールHに沿って留置管1Bを挿入するようになっているが、留置管1Aや1Cを挿入してもよい。
図2及び図3を併せて参照すると、このホール形成ピン10は、その内部に前記留置管1A,1B,1Cを挿入するための挿入路31を有すると共に、図8(b)及び図9(a)に示すように、皮膚S1を介して皮下組織S2に挿入されて、所定期間留置され、ホールHを形成する筒状のピン本体30を有している。
この実施形態でのピン本体30は、基端側が拡径すると共に、先端側に向けて次第に縮径する外形が円錐台の筒状をなしている。但し、ピン本体30の形状は、円錐台の筒状に限らず、例えば、基端部から中間部までは円筒状をなし、その先端側が次第に縮径する円錐台の筒状をなす形状であってもよい。ピン本体30の内面の対向する部分には、基端から先端に至るまで軸方向に沿って筋状の凹溝が形成されており、ピン本体30を図1の矢印A,A方向に引き裂き可能とする薄肉のピール部33,33が設けられている(図1の部分拡大斜視図参照)。ピン本体30は、これらのピール部33,33を介して分割可能に連結された2つの分割部35,35を有している。なお、ピール部33を形成する凹溝は、ピン本体30の外面に設けてもよい。また、例えば、2つの分割部35,35どうしを、複数の薄肉小片で連結しておき、この薄肉小片をピール部33としてもよい。
また、各分割部35,35の周方向中央であって、前記ピール部33に直交する位置からは、ピン本体30の引き裂き方向Aに向けて、斜め上方に柱部36が突出しており、この柱部36の先端には球状に膨出したボール部37が設けられている。
更に、各分割部35,35には、把持部40,40がそれぞれ設けられている。この実施形態における把持部40は、略四角形の細長板状をなしており、その先端中央には、半球状に凹んだ内面を有するボール受け部41が形成されている。このボール受け部41内に、前記分割部35のボール部37が嵌入されて連結され、把持部40がピン本体30に対して回動可能に取付けられている。
また、上記把持部は、図4や図5のような構造としてもよい。図4に示す把持部40aは、皮膚S1(図8参照)側の面に、接着剤や粘着テープ等からなる接着層43が設けられており、この接着層43の接着面には、剥離紙や剥離テープ等からなる剥離可能な剥離層45が付着して、常時は接着層43を覆った形態となっている。そして、図4に示すように剥離層45を剥離することで、接着層43が露出するようになっている。一方、図5に示す把持部40bには、皮膚S1側の面に所定厚さの柔軟なクッション体47が取付けられている。
この実施形態におけるピン本体30及び把持部40は、成形性・加工性の観点から樹脂材料を用いることが好ましい。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアセタール、ポリフェニレンサルフィルド、ポリエーテルエーテルケトン等の熱可塑性樹脂を用いることができ、更にこれらの混合物、或いは、ポリエーテルアミド等の共重合体であってもよい。また、滑り性を向上させる目的で、ECTFE(三弗化塩化エチレン−エチレン共重合樹脂)、ETFE(四弗化エチレン−エチレン共重合樹脂)、FEP(四弗化エチレン−六弗化プロピレン共重合樹脂)、PCTFE(三弗化塩化エチレン共重合樹脂)、PFA(四弗化エチレン−パーフロロアルキルビニルエーテル共重合樹脂)、PTFE(四弗化エチレン樹脂)、PVDF(弗化ビニリデン樹脂)、PVF(弗化ビニル樹脂)等のフッ素樹脂を用いてもよい。なお、ピン本体30は、上記樹脂材料により一体形成することが好ましい。更に、ピン本体30及び把持部40は、上記の樹脂材料のほか、金属材料やセラミックス材料等の硬質材料を用いてもよい。金属材料としては、例えば、鉄、タングステン、タンタル、アルミニウム、チタンや、それらの合金を用いることができる。
更にホール形成ピン10は、上記ピン本体30内部の挿入路31中に配置されて、常時は該挿入路31を閉塞する一方、留置管1A,1B,1Cの挿入を許容する弁体50を備えている。図1〜3に示すように、この実施形態の弁体50は、外形円錐台の筒状のピン本体30の内部形状に適合するように、その基端が拡径して先端に向けて次第に縮径する円柱形状をなしており、その基端及び先端は、前記ピン本体30の基端及び先端と同一面となっている(図2参照)。なお、弁体50は、ピン本体30の基端又は先端から所定距離だけ低く形成してもよく、特に限定されるものではない。
図1〜3に示すように、上記弁体50には、軸心に沿って所定幅で伸びるスリット51が、弁体50の基端から先端にかけて貫通するように形成されている。このスリット51は、前記ピン本体30のピール部33,33に整合し、ピン本体30の引き裂き方向Aに対して直交する向きとなっている(図1及び図3(a)参照)。このスリット51は常時は閉じて、ピン本体30の挿入路31を閉塞しており、留置管1A,1B,1Cが挿入されると押し広げられて開くようになっている。
上記弁体50は、常温付近でゴム状の弾性を有する樹脂材料を用いることが好ましい。例えば、天然ゴム、エチレン−プロピレンゴム、ブチルゴム、ニトリル−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、クロロスルフォン化ポリエチレン、アクリルゴム、4弗化エチレン−プロピレンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、エチレン−アクリレートゴム、ノルボルネンゴム等を用いることができる。
その中でも、JIS K 6253に規定される、デュロメータ タイプA(ショアA)で計測した硬度が100度以下のものを好適に用いることができ、前記硬度が20〜70度のものをより好適に用いることができる。
上記弁体50は、例えば、図6(a)〜(d)に示す形状としてもよい。図6(a)に示す弁体50aには、その中心を横切る直線状のスリット51,51が互いに直交して、十字状をなしている。図6(b)に示す弁体50bは、その基端中央から所定深さで円柱状の凹部53が形成されていると共に、弁体50bの軸心を通って所定幅で伸びる1つのスリット51が放射状に形成されている。図6(c)に示す弁体50cには、基端中央から所定深さで円柱状の凹部53が形成されていると共に、弁体50cの中心を横切る直線状のスリット51が形成されている。図6(d)に示す弁体50dには、その基端面に、弁体中心に向けて次第に深くなる曲面状の凹部55が形成されており、更に弁体50dの軸心を通って所定幅で伸びる1つのスリット51が形成されている。
次に、上記構造からなるホール形成ピン10の使用方法の一例について、図7〜11を参照して説明する。ここでは、人工透析の際に用いられる留置管を、血管に留置する際のホール形成ピン10の使用方法を説明する。まず、血液の循環量を増大させるために、皮下で動脈と静脈とを吻合して径の大きな血管(シャント)を形成する。
この使用方法においては、予め、ホール形成ピン10に、鋭利な先端部を有する穿刺針3が挿通された二重管構造の留置管1Aを装着するようになっている。すなわち、弁体50のスリット51の基端から上記留置管1Aを挿入して、直線状のスリット51を弾性的に広げつつ押し込んでいき、留置管1A及び穿刺針3をスリット51の先端から所定長さ突き出した状態とする。なお、把持部40,40は適宜回動させて、留置管1Aの挿入作業の邪魔とならないようにする。例えば、図7(a)に示すように、留置管1Aの軸方向にほぼ沿った状態となるように把持部40を回動させる。
上記のように、留置管1Aをホール形成ピン10に装着すべく、スリット51に挿入する際に、弁体が図6に示すような形態となっている場合には、次のような効果が発揮される。すなわち、図6(a)に示す弁体50aは、十字状にスリット51,51が設けられているので、スリット51,51が開きやすくなり、留置管1Aをスムーズに挿入することができる。図6(b)に示す弁体50b及び図6(c)に示す弁体50cは、その中央に円柱状の凹部53が形成されているので、留置管1Aの先端部を弁体50中央に確実に位置決めした状態で、留置管1Aを押し込むことができ、スリット51をより開きやすくすることができる。また、図6(b)の弁体50bでは、スリット51が放射状に形成されているので、スリット51を更に容易に開かせることができる。図6(d)に示す弁体50dは、弁体中心に向けて曲面状の凹部55を設けたことにより、留置管1Aを弁体中心にガイドすることができ、留置管1Aを挿入しやすくなる。
上記のようにホール形成ピン10に留置管1Aを装着した状態で、血管Vの真上から穿刺針3を皮膚S1に穿刺して、留置管1Aを穿刺針3と共に皮下組織S2に押し込んでいき、留置管1A及び穿刺針3の両先端部を、血管Vに穿刺してその内腔に到達させる(図7(a)参照)。そして、図7(b)に示すように、留置管1Aを保持しつつ穿刺針3のみを手元側に引き戻すと、留置管1Aの図示しない基端部から血液が流出し、これにより留置管1Aの先端部が血管Vの内腔に確実に配置されたことを確認できる。この状態で留置管1Aを通して人工透析を行ってから、次のピン挿入作業を行ってもよく、或いは、そのまま直ちにピン挿入作業を行ってもよい。
次いで、図8(a)に示すようにホール形成ピン10を皮下組織S2に押し込む。すなわち、ピン本体30を摘んで、ホール形成ピン10を留置管1Aの外周に沿ってガイドさせつつ、皮下組織S2に向けて押し込んでいく。このとき、把持部40,40がピン本体30の各分割部35,35に回動可能に取付けられているので、図8(a)に示すように、把持部40,40を互いに近接する方向に回動させて把持部40,40を摘むことにより、ピン本体30を摘まみやすくすることができ、留置時の作業性を向上させることができる。また、ホール形成ピン10を、留置管1Aの外周に沿って挿入することができるので、留置管1Aによって形成された穿刺路と正確に一致させてホール形成ピン10を挿入することができる。
そして、ホール形成ピン10が皮下組織S2に所定深さ挿入されたら、把持部40を回動させて皮膚S1の表面に沿った形態として(図8(b)参照)、ホール形成ピン10を位置決め保持する。このように、把持部40,40を回動させて皮膚S1の表面に沿った形態とすることで、ピン本体30が皮下組織S2の内部に引き込まれるのを防止することができ、ホール形成ピン10を所定位置に確実に保持することができる。
なお、把持部が図4や図5に示す構造の場合には、次のような効果が発揮される。図4に示す把持部40aの場合は、剥離層45を接着層43から剥離して、接着層43を露出させておき、この接着層43を皮膚S1の表面に押し付けることで、接着層43を介して把持部40を固定することができ、ホール形成ピン10が皮膚S1から外れる虞れを少なくすることができる。一方、図5に示す把持部40bの場合は、把持部40bを皮膚S1の表面に沿った形態にすると、皮膚S1の表面と把持部40bとの間に柔軟なクッション体47が介在することになるので、ホール形成ピン10をガタ付きなく安定して保持することができると共に、ピン挿入による患者の違和感を軽減することができる。
こうしてホール形成ピン10を装着したら、ホール形成ピン10から留置管1Aを引き抜く。すると、押し広げられたスリット51が弾性復帰して弁体50が閉じるので、血液や薬液等の逆流を防止することができる。なお、留置管1Aが引き抜かれた血管Vの穿刺箇所は、時間の経過に伴って生成される瘡蓋により閉塞されるようになっている。また、ピン本体30及び把持部40,40に医療用テープを貼り付けて、ホール形成ピン10を固定しておくことが好ましい。
上記のように、ホール形成ピン10を装着した後、所定期間(2週間前後)留置することで、留置管1Aの穿刺跡T(図8(b)参照)に沿って、ホール形成ピン10による凹状のホールH(図10参照)が形成される。但し、人工透析を一旦開始すると、1週間に2,3回の頻度で定期的に行う必要がある。これに関して前記特許文献1記載のホール形成ピンでは、ピン留置後ホール形成までの期間は、ピン留置前の留置管の挿入箇所と同じ箇所に別の留置管を挿入することはできないが、このホール形成ピン10では、ホールHが形成されている途中であっても、弁体50を通して前回挿入した留置管1Aの挿入箇所と同じ箇所に、留置管を挿入して人工透析を行うことができる。なお、2回目以降の人工透析にあたっては、先端が丸みを帯びた留置管1Bを用いることができる。
すなわち、図8(b)に示すように、弁体50のスリット51の基端から留置管1Bを挿入して押し込むことにより、スリット51を通して、留置管1Bの先端部がスリット51先端から突き出される。更に留置管1Bを押し込むことによって、前回挿入した留置管1Aの穿刺跡T(図8(b)参照)に沿って留置管1Bが挿入され、その先端部が、血管Vの留置管1Aにより穿刺され閉塞した部分に至り、この部分が再度穿刺されて、留置管1Bの先端部が血管Vの内腔に挿入される(図9(a)参照)。その後、留置管1Bを通して人工透析が行われる。このように、このホール形成ピン10においては、ピン留置後、ホールHの形成途中においても、ホール形成ピン10を取外すことなく、弁体50を通して留置管1Bを挿入することができるので、新たな挿入経路を設ける必要がなく、人工透析等を行うことができ、患者の負担を軽減することができる。
なお、留置管1Bを弁体50に通すときに、弁体が図6(a)〜(d)に示す形態とされている場合には、前述したような、留置管1Aを挿入する際と同様の効果を得ることができる。
ホール形成ピン10の留置後、所定期間経過して、ホールHが形成された後は、ホール形成ピン10は不要となる。この場合、まず、留置管1Bを挿入した状態から、同留置管1Bに沿ってホール形成ピン10を皮膚S1から離れる方向にスライドさせる。そして、把持部40,40をそれぞれ把持して、それらが互いに離れるように引き裂き方向A(図1参照)に沿って引っ張ることにより、図9(b)に示すように、ピール部33(図1参照)を引き裂いて、ピン本体30を2つの分割部35,35に分割し、留置管1Bを挿入したままの状態で、ホール形成ピン10だけを容易に取り除くことができる。
ここでは、ホール形成後にホール形成ピン10を取り除く場合について説明したが、ホール形成途中で別の留置管を挿入して透析する際に、ピール部33で引き裂いてピン本体30を取り除くこともできる。この場合には、透析が終わったら、当該留置管の外周に沿って新しいホール形成ピン10を押し込むか、或いは、留置管を抜いてその穿刺跡に沿って新しいホール形成ピン10を押し込むことにより、ホール形成を続行することができる。
上記のように、ホールHを形成した後、ホール形成ピン10を取り除いた後の、留置管1Bの挿入にあたっては、図10に示すように、凹状のホールHに沿って留置管1Bを挿入することにより、ピン留置前の留置管1Aの挿入経路、及び、ピン留置中の留置管1Bの挿入経路と、同じ経路で新たな留置管1Bを挿入することができる。その結果、ピン留置前の留置管1Aによる血管Vの穿刺箇所、及び、ピン留置中の留置管1Bによる血管Vの穿刺箇所と同じ箇所に、新たな留置管1Bを穿刺することができる。
このように、このホール形成ピン10を用いることにより、人工透析等を行うために、留置管1Aや1Bを繰り返し挿入する場合に、位置ずれすることなく、同一の挿入経路で容易かつスムーズに挿入することができると共に、血管Vの同じ箇所が繰り返し穿刺され挿入されることで、血管Vに対するダメージを低減させることができ、その結果、血管内腔の閉塞を抑制して、長期にわたって血管Vの同一箇所を用いることができる。
以上説明した使用例では、ホール形成ピン10に予め留置管1Aを装着した状態で、留置管1Aを挿入するようになっているが、この態様に限定されるものではない。例えば、図11(a)に示すように、先端が尖った留置管1C(すなわち、留置針)を血管Vの目的箇所に穿刺した後、同留置管1Cを引き抜いて、図11(b)に示すように、その穿刺跡Tに沿ってホール形成ピン10を挿入してもよい。ホール形成ピン10を挿入した後は、前述した使用例の図8(b)以降に示す作業工程と同様にして、留置管1Bを適宜挿入して人工透析を行うことができる。
図12には、本発明の留置管挿入用ホール形成ピンの他の実施形態が示されている。なお、前記実施形態と実質的に同一部分には同符号を付してその説明を省略する。
この実施形態の留置管挿入用ホール形成ピン10a(以下、「ホール形成ピン10a」という)は、ピン本体30の先端部38が一定径の円柱状をなしており、その角部38aが丸みを帯びた形状となっている。この形態によれば、ホール形成ピン10aを、皮膚S1を介して皮下組織S2に挿入して留置している状態で、ホール形成ピン10aに押し込み力が作用しても、ホール形成ピン10aがそれ以上深く押し込まれることを抑制することができ、血管Vを損傷する虞れを軽減することができる。
1A,1B,1C 留置管
3 穿刺針
10,10a 留置管挿入用ホール形成ピン(ホール形成ピン)
30 ピン本体
31 挿入路
33 ピール部
35 分割部
40,40a,40b 把持部
50,50a,50b,50c,50d 弁体
51 スリット
S1 皮膚
T 穿刺跡
V 血管

Claims (3)

  1. 皮膚を介して皮膚下に挿入されて所定期間留置され、留置管挿入用のホールを形成するための留置管挿入用ホール形成ピンであって、
    内部に前記留置管の挿入路を有すると共に、皮膚を介して皮膚下に挿入されて所定期間留置され、前記ホールを形成する筒状のピン本体と、前記挿入路中に配置され、常時は同挿入路を閉塞する一方、前記留置管の挿入を許容する弁体とを備え、
    前記ピン本体は、引き裂き可能なピール部を介して分割可能に連結された2つの分割部を有しており、各分割部には把持部がそれぞれ設けられており、
    前記弁体には、前記ピン本体のピール部に整合するように、スリットが形成されており、
    前記ピン本体が前記ホールを形成中に、前記留置管が前記弁体を通して前記挿入路に挿入可能となるように構成されていることを特徴とする留置管挿入用ホール形成ピン。
  2. 皮膚を介して皮膚下に挿入されて所定期間留置され、留置管挿入用のホールを形成するための留置管挿入用ホール形成ピンであって、
    基端側が拡径し先端側に向けて次第に縮径する筒状をなし、内部に前記留置管の挿入路を有するピン本体と、前記挿入路中に配置され、常時は同挿入路を閉塞する一方、前記留置管の挿入を許容する弁体とを備え、
    前記ピン本体は、引き裂き可能なピール部を介して分割可能に連結された2つの分割部を有しており、各分割部には把持部がそれぞれ設けられており、
    前記ピン本体が前記ホールを形成中に、前記把持部が皮膚の表面に沿って配置され、前記留置管が前記弁体を通して前記挿入路に挿入可能となるように構成されていることを特徴とする留置管挿入用ホール形成ピン。
  3. 前記把持部は、前記分割部に対して回動可能にそれぞれ取付けられている請求項1又は2記載の留置管挿入用ホール形成ピン。
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