JP2007301326A - 深部血管穿刺具 - Google Patents

Abstract

【課題】細い試験穿刺針が通過した経路で太いイントロデューサーを確実に深部血管に刺入する。
【解決手段】太い本穿刺針に試験穿刺針が貫通可能な細い誘導管を平行に固着し、誘導管を試験穿刺針針管に沿って誘導することにより、誘導管に固着した本穿刺針の刃先で組織を切離拡張し、試験穿刺針が進行した経路に沿って太いイントロデューサーが円滑に刺入できる経路を作成し、試験穿刺針が進行した経路でイントロデューサーを円滑に血管内に誘導する。
【選択図】図１

Description

本発明は、深部血管を安全に穿刺して血管カテーテルを血管内に誘導する深部血管穿刺具に関する。

従来、深部血管を穿刺する際は、先ず細い試験穿刺針で試験穿刺を行って血管の方向や深さを確認した後に試験穿刺針を一旦抜去し、改めてイントロデューサーを取り付けた太い穿刺針で本穿刺を行い、イントロデューサーの内腔を通じてカテーテルを血管内に誘導している。
しかし、試験穿刺針で血管の位置を確認して同じ距離方向に本穿刺を行っても、本穿刺針が血管内に刺入されないことがある。その理由は、試験穿刺針は血管を確認した後に抜去されて血管を確認した試験穿刺針の通過した軌跡が保存されないために、本穿刺針が試験穿刺針と同一の経路を進行することができないためである。
一方、試験穿刺針を抜去せずに案内軸として残して拡張器を取り付けたイントロデューサーを誘導しようとする場合、カテーテル挿入には１２Ｇ〜１６Ｇのイントロデューサーが必要で、２３Ｇ以下の細い試験穿刺針を使用した場合、試験穿刺針の外径とイントロデューサーの外径段差は著しく過大であり、拡張器を介在させても、イントロデューサーを皮下組織や筋肉内でスムーズに前進させることは極めて困難である。

解決しようとする問題点は、深部血管穿刺術において、試験穿刺針が通過した経路をイントロデューサーの先端が進行し得ないために血管内に刺入されない点である。

課題を解決しようとする課題

本発明は深部血管穿刺術において、太いイントロデューサーを細い試験穿刺針の経路に沿って誘導する際に、本穿刺針の刃先で通過経路を切開拡張してイントロデューサーを円滑に進行させると共に、イントロデューサーの先端が静脈内に刺入したことを、静脈血の逆流を視認することにより確認できることを主要な目的とする。

発明の効果

本発明の深部血管穿刺方法によれば、イントロデューサーは試験穿刺針に沿って進行すると共に、イントロデューサーの血管内到達を血液の逆流を視認することで確認できる。また、イントロデューサーが試験穿刺針に沿って進行する経路は、本穿刺針の刃先により切離拡張されるので、太いイントロデューサーを円滑に深部血管内に誘導できるという利点がある。

試験穿刺針が通過した経路でイントロデューサーを血管内に刺入するという目的と、イントロデューサー先端の血管内刺入を確認するという方法を、簡単な部品数で実現した。

実施例１は、誘導管Ｂを取り付けた本穿刺針Ａと試験穿刺針ＣとイントロデューサーＤから構成される。
図１（ａ）は本穿刺針Ａと誘導管Ｂを分離した縦断面図、図１（ｂ）は本穿刺針Ａに誘導管Ｂを固定した縦断面図、図１（ｃ）は試験穿刺針穿刺針Ｃを誘導管Ｂに挿入した縦断面図である。
本穿刺針Ａは本穿刺針針基Ａ３に隣接して本穿刺針屈曲部Ａ４を設け、本穿刺針先端Ａ１に鋭利な刃先を有す太い注射針である。誘導管Ｂは、試験穿刺針管Ｃ２を緩く挿入可能な誘導管管体Ｂ２に誘導管針基Ｂ３を取り付けた、鋭利な刃先を有さない注射針である。
図１（ｂ）は本発明の縦断面図で、本穿刺針針管Ａ２と誘導管管体Ｂ２を、本穿刺針先端Ａ１の刃先が誘導管管体先端Ｂ１の側面に密着するように取り付けたものである。本穿刺針針管Ａ２と誘導管管体Ｂ２は、接着剤で接着して取り付けることもできるし、金属溶接して取り付けることもできる。あるいは、本穿刺針針管Ａ２と誘導管管体Ｂ２をテープや他の固定具により固定してもよい。本穿刺針先端Ａ１と誘導管管体先端Ｂ１の位置は揃えてもよいし、多少の位置の差を保たせてもよい。

図２（ａ）は本穿刺針針管Ａ２と誘導管管体Ｂ２の断面図で、溶接部Ｆで溶接あるいは接着したものである。
図２（ｂ）は本穿刺針針管Ａ２と溝型の誘導管管体Ｂａ２の断面図で、溶接部Ｆで溶接あるいは接着したものである。誘導管管体Ｂａ２を溝型にすると、誘導管Ｂに挿入した試験穿刺針が本穿刺針の側壁に直接するので、より大きい管径の試験穿刺針を使用することができる。

図３（ａ）はイントロデューサーＤの見取図、図３（ｂ）は誘導管Ｂを溶接部Ｆで固着した本穿刺針Ａの見取図、図３（ｃ）はイントロデューサーＤに誘導管Ｂを固着した本穿刺針Ａを取り付けた見取図である。イントロデューサーＤは、従来使用されているものと同様に留置後に縦分割できるよう、縦断する分割線を設けた構造とする。イントロデューサー先端Ｄ１内壁と拡張器外周を密着させることは、従来の穿刺具と同様である。

以下、実施例１の使用法を図により説明する。
▲１▼先ず、図３（ａ）の如く、試験穿刺を行って注射器Ｓを吸引して血液を逆流させ、試験穿刺針先端Ｃ１が血管Ｖに刺入されていることを確認する。
▲２▼次に、図３（ｂ）の如く、スポイトバルンＰを圧迫収縮させた後に、イントロデューサーＤと共に拡張器を進めて本穿刺針先端Ａ１を皮下組織内に刺入する。本穿刺針先端Ａ１が皮下組織内に在る間、スポイトバルンＰは収縮した状態を保つ。
▲３▼さらに、図３（ｃ）の如く、本穿刺針先端Ａ１を血管内に刺入すると、スポイトバルンＰの陰圧が解除され、復元したスポイトバルンＰ内に血液が逆流する。
▲４▼最後に、図３（ｄ）の如く本穿刺針と試験穿刺針を抜去すると、イントロデューサーＤの血管内留置が完了する。

本発明では、１７Ｇ〜１８Ｇの本穿刺針に２０Ｇ〜２２Ｇの誘導管を固定し、２３Ｇ〜２５Ｇ〜２７Ｇの試験穿刺針を組み合わせた場合が最も実用的である。

２３Ｇ以下の注射針であれば、針先が誤って動脈に刺入されても自然止血され、大出血に至ることはない。また、２３Ｇ針の先端が肺に刺入されても空気の漏出は小量であり刺入孔は自然に閉鎖される。一方、従来使用される本穿刺のイントロデューサーは１６Ｇ以上の太さであるので、動脈や肺を誤穿刺すると重大な偶発症を発生する危険が大きい。
本発明によれば、試験穿刺は細い試験穿刺針で行われ、本穿刺針は誘導管に誘導されて試験穿刺針の軌跡に沿って進行する。従って、太いイントロデューサーが誤った経路を進行する可能性はない。また、静脈圧は動脈圧と違って陰圧であり、穿刺針が静脈内に刺入されても静脈血は陰圧をかけなければ逆流しない。本発明では、スポイトなどの陰圧発生部で静脈血をスポイトバルンに逆流させて視認することにより、本穿刺針先端が静脈内に刺入されたことを積極的に確認することができる。従って本発明では、試験穿刺が成功すれば、イントロデューサーの先端は確実に目的静脈内に刺入される。
本発明は、血管の穿刺のみでなく、その他の管腔の穿刺にも応用することができる。

（ａ）本穿刺針と誘導管を分離した縦断面図。（ｂ）本穿刺針に誘導管を固着した縦断面図。（ｃ）本穿刺針に固着した誘導管に試験穿刺針を挿入した縦断面図。 （ａ）要部の断面図。（ｂ）要部の断面図。 （ａ）イントロデューサーの見取り図。（ｂ）誘導管を固着した本穿刺針の見取り図。（ｃ）イントロデューサーに誘導管を固着した本穿刺針を装着した見取り図。 （ａ）試験穿刺を行い試験穿刺針先端を血管内に刺入した説明図。（ｂ）スポイトバルンを収縮させ、本穿刺針先端を皮下組織に刺入した説明図。（ｃ）本穿刺針先端が血管に刺入すると、スポイトバルンが拡張する説明図。（ｄ）本穿刺針と試験穿刺針を抜去しイントロデューサーを血管内に残した説明図。

符号の説明

Ａ１ 本穿刺針先端
Ａ２ 本穿刺針針管
Ａ３ 本穿刺針針基
Ａ４ 本穿刺針屈曲部
Ｂ１ 誘導管先端
Ｂ２ 誘導管管体
Ｂ３ 誘導管堀本
Ｂａ２ 誘導管管体
Ｃ１ 試験穿刺針先端
Ｃ２ 試験穿刺針針管
Ｃ３ 試験穿刺針針基
Ｃ４ 試験穿刺針ルアー
Ｄ１ イントロデューサー先端
Ｄ２ イントロデューサー管体
Ｄ３ イントロデューサー針基
Ｆ 溶接部
Ｐ スポイトバルン
Ｓ 注射器
ＳＫ 皮膚面
Ｖ 血管

Claims (6)

1. 針基に近い部位に屈曲部を設け、鋭利な刃先を有する太い注射針よりなる本穿刺針に、細い直線状の誘導管を取り付けたことを特徴とする深部血管穿刺具。
2. 誘導管に針基を取り付けたことを特徴とする請求項１記載の深部血管穿刺具。
3. 本穿刺針先端の刃先外面が誘導管先端部側壁に密着するように、本穿刺針針管と誘導管管体を固着させたことを特徴とする請求項１又は２記載の深部血管穿刺具。
4. 本穿刺針と、誘導管と、イントロデューサーと、から構成されることを特徴とする請求項１乃至３の内の１項に記載の深部血管穿刺具。
5. 本穿刺針と、誘導管と、イントロデューサーと、試験穿刺針と、から構成されることを特徴とする請求項１乃至４項の内１項に２記載の深部血管穿刺具。
6. 誘導管が外径２３Ｇ以下の試験穿刺針を、円滑かつ、がたつかないように挿入できる太さであることを特徴とする請求項１乃至５の内の１項に記載の深部血管穿刺具。

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