JP5584691B2 - 磁場測定用のシステム、方法および装置 - Google Patents

磁場測定用のシステム、方法および装置 Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、35U.S.C.119(e)下において2008年10月9日出願の米国仮特許出願第61/104,179号(“Systems, Methods and Apparatus for Measuring Magnetic Fields”)および2008年12月22日出願の米国仮特許出願第61/139,983号(“Systems, Methods and Apparatus for Measuring Magnetic Fields”)の利益を主張し、これら双方の全体を本願明細書に援用する。
本システム、方法および装置は一般的に磁場の測定に関し、特に、遮蔽および磁場補償を目的とした磁場測定用統合装置に関する。
超伝導量子ビット
多くの異なるハードウェア手法およびソフトウェア手法が量子コンピュータでの使用に検討されている。あるハードウェア手法では、アルミニウムおよび/またはニオビウムなどの超伝導体で形成された集積回路を用いて、超伝導量子ビットを画成する。超伝導量子ビットは、情報を符号化するのに使用される物理的特性に依存して、いくつかのカテゴリーに分類できる。例えば、超伝導量子ビットを電荷素子、磁束素子および位相素子に分類し得る。電荷素子は、素子の電荷状態で情報を記憶しかつ処理する;磁束素子は、素子のある部分を通る、磁束に関連する変化量で情報を記憶しかつ処理する;および位相素子は、超伝導層における位相素子の2つの領域間の差に関する変化量で情報を記憶しかつ処理する。
当該技術分野では、超伝導磁束量子ビットの多くの異なる形態が実現されてきたが、成功した実装例の全てが、一般的に、少なくとも1つのジョセフソン接合によって遮断されている超伝導ループ(すなわち、「量子ビットループ」)を含んでいる。一部の実施形態では、互いに直列および/または並列に接続された複数の超伝導ループを実装している。一部の実施形態では、互いに直列または並列のいずれかで接続された複数のジョセフソン接合を実装している。当該技術分野では、互いに並列に接続された一対のジョセフソン接合が複合ジョセフソン接合(「CJJ」)として公知である。互いに並列に接続された複数の抵抗器の振る舞いが単一の実効抵抗としてモデル化され得る方法と同様に、CJJの振る舞いを単一の実効ジョセフソン接合としてモデル化し得ることを理解されたい。
量子プロセッサ
コンピュータプロセッサは、アナログプロセッサ、例えば超伝導量子プロセッサなどの量子プロセッサの形態とし得る。超伝導量子プロセッサは、いくつもの量子ビットおよび関連の局所的バイアス素子、例えば2つ以上の超伝導量子ビットをを含み得る。本システム、方法および装置と併せて使用され得る例示的な量子プロセッサのさらなる詳細および実施形態は米国特許第7,533,068号、米国特許出願公開第2008−0176750号、米国特許出願公開第2009−0121215号、およびPCT特許出願公開第PCT/US2009/037984号に記載されている。
超伝導プロセッサ
コンピュータプロセッサは、従来の量子プロセッサではない可能性がある超伝導プロセッサの形態をとり得る。例えば、超伝導プロセッサの一部の実施形態は、量子トンネル現象、重ね合わせ、およびもつれなどの量子効果に基づいて動作するのではなく、むしろ、異なる原理、例えば古典的なコンピュータプロセッサの動作を支配する原理などを重視して動作し得る。しかしながら、そのような超伝導プロセッサを実装することに依然としてある種の利点が存在し得る。それら固有の物理的性質のために、超伝導プロセッサは概して、非超伝導プロセッサよりもスイッチング速度を高速に、かつ計算時間を短くすることが可能であり、それゆえ超伝導プロセッサでのある種の問題を解決するのに、より現実的とし得る。
冷却
従来技術によれば、超伝導体は一般的に、問題となる特定の材料の特徴である臨界温度未満に冷却される場合にのみ、超伝導体としての機能を果たし得る。このため、当業者には、超伝導プロセッサを実装するコンピュータシステムは、システムに超伝導体を冷却するための冷却システムを暗に含み得ることを理解されたい。そのような冷却システムのためのシステムおよび方法は当該技術分野では周知である。希釈冷凍機は、超伝導体として機能し得る温度への超伝導体の冷却で一般に実施される冷却システムの一例である。一般的な方法では、希釈冷凍機での冷却プロセスには、ヘリウムの少なくとも2つのアイソトープ(ヘリウム−3およびヘリウム−4など)の混合物を使用し得る。典型的な希釈冷凍機の動作の全詳細は、F. Pobell, Matter and Methods at Low Temperatures, Springer-Verlag Second Edition, 1996, pp. 120-156に見出され得る。しかしながら、当業者には、本システム、方法および装置は希釈冷凍機を伴う応用に限定されず、任意のタイプの冷却システムを使用して適用され得ることを理解されたい。
装置の局所環境における磁場を測定するためのシステムは、要約すると、臨界温度未満で超伝導である材料の平面的なループによって形成された超伝導閉電流路であって、少なくとも1つのジョセフソン接合によって遮断されている超伝導閉電流路を含む第1の超伝導量子干渉素子(「SQUID」)を含み;および第1のSQUIDが、第1のSQUIDが装置の主平面上に保持され、および第1のSQUIDが、主平面に対して直角である装置の局所環境における磁場に応答するように、装置に統合されている。装置は超伝導プロセッサチップを含み得る。超伝導プロセッサチップは超伝導量子プロセッサを含み得る。
システムはさらに、装置に対し十分に近傍に位置決めされた制御可能なヒータを含んでいて、制御可能なヒータから装置へ熱エネルギーを制御しながら移行させることを可能とし得る。制御可能なヒータはLEDおよび抵抗器の少なくとも一方を含み得る。
システムはさらに、臨界温度未満で超伝導である材料で形成されたチューブを含み得、チューブは内部空洞を含み、装置は内部空洞内に位置決めされて、チューブが実質的に装置を取り囲むようにする。第1のSQUIDの臨界温度はチューブの臨界温度よりも高い。
システムはさらに、導電性ワイヤのコイルによって形成された少なくとも1つの補償コイルであって、チューブの少なくとも一部分が、少なくとも1つの補償コイルの周囲内に取り囲まれている、補償コイル;および少なくとも1つの補償コイルを通るように電流を制御可能に流して補償磁場を生成するのに使用するための、少なくとも1つの補償コイルに電気的に結合された少なくとも1つの電流源を含むコンピュータ化されたシステムを含み得る。コンピュータ化されたシステムは、第1のSQUIDの読み出しに使用するために第1のSQUIDに電気的に結合され得る。
システムはさらに、臨界温度未満で超伝導である材料の平面的なループによって形成された超伝導閉電流路を含む第2のSQUIDを含み、第2のSQUIDの超伝導閉電流路は、少なくとも1つのジョセフソン接合によって遮断され、および第2のSQUIDは、第2のSQUIDが装置の平面上に保持されるように装置に統合され;および第1のSQUIDの超伝導閉電流路が第1の平面的な領域を囲み、および第2のSQUIDの超伝導閉電流路が第2の平面的な領域を囲み得る。第2の平面的な領域は、第1の平面的な領域よりも大きくし得る。第1のSQUIDの平面的なループおよび第2のSQUIDの平面的なループは、実質的に平行とし得る。第1のSQUIDの平面的なループおよび第2のSQUIDの平面的なループは実質的に同一平面上にあり得る。
システムはさらに、平面的な第3のSQUIDを含み、かつ第3のSQUIDが装置の平面上に保持されるように装置に統合され得る。
システムはさらに、装置に統合された少なくとも1つの追加的なSQUIDを含み、少なくとも1つの追加的なSQUIDは、第1のSQUIDの平面的なループに対して実質的に直角な平面にある少なくとも1つの平面的な超伝導ループを含み得る。
装置の局所環境における磁場を測定するための超伝導量子干渉素子(「SQUID」)は、要約すると、臨界温度未満で超伝導である材料の第1の平面的なループを含む超伝導閉電流路を含み、超伝導閉電流路は少なくとも1つのジョセフソン接合によって遮断され、およびSQUIDは装置に統合されて、第1の平面的なループが:装置の第1の層上に保持される超伝導閉電流路の第1のセグメント、装置の第2の層上に保持される超伝導閉電流路の第2のセグメント、および超伝導閉電流路の第3および第4のセグメントであって、それらの各々が、装置の第1の層と第2の層との間を横断し、かつ超伝導閉電流路の第1のセグメントと第2のセグメントを電気的に接続する、第3および第4のセグメントを含むようにしている。装置の第1の層は装置の第1の外表面とし得る。装置の第2の層は、装置の第1の外表面と対向する装置の第2の外表面とし得る。超伝導閉電流路は、リソグラフィックプロセスによって形成されたいくつもの超伝導トレースを含み、および超伝導閉電流路の第3および第4のセグメントはそれぞれ、各超伝導ビアを含み得る。第1の平面的なループは装置の縦軸に対して実質的に直角とし得る。第1の平面的なループは装置の横軸に対して実質的に直角とし得る。
一部の実施形態では、SQUIDの超伝導閉電流路はさらに、臨界温度未満で超伝導である材料の第2の平面的なループを含み、第2の平面的なループは、装置の第1の層に保持される超伝導閉電流路の第5のセグメント、装置の第2の層に保持される超伝導閉電流路の第6のセグメント、および超伝導閉電流路の第7および第8のセグメントであって、それら各々が、装置の第1の層と第2の層との間を横断し、かつ超伝導閉電流路の第5のセグメントと第6のセグメントを電気的に接続する、第7および第8のセグメントによって形成され得る。第2の平面的なループは第1の平面的なループと同軸的に整列され得る。
一部の実施形態では、SQUIDの超伝導閉電流路はさらに、臨界温度未満で超伝導である材料の少なくとも1つの追加的な平面的なループを含み、第1の平面的なループ、第2の平面的なループ、および少なくとも1つの追加的な平面的なループは全て同軸的に整列されている。
システムを取り囲む局所環境に合わせて調整された補償磁場を確立する方法は、要約すると、システムを冷却するステップであって、システムが少なくとも1つの超伝導量子干渉素子(「SQUID」)を含み、かつシステムの冷却が、システムを少なくとも1つのSQUIDの臨界温度未満に冷却することを含むステップ;少なくとも1つのSQUIDを使用して局所環境において磁場を測定するステップ;局所環境の周囲に少なくとも部分的に巻き付けられている少なくとも1つの補償コイルに電流を供給するステップであって、電流が補償磁場を生成するステップ;少なくとも1つのSQUIDを使用して局所環境における補償磁場の効果を測定するステップ;制御可能なヒータを起動することによって、システムにおける少なくとも1つの超伝導構成部品の臨界温度超に、システムの一部分を局所的に加熱し、それにより、システム内の少なくとも1つの超伝導構成部品によってトラップされた磁束を解放するステップ;システムを再冷却するステップ;少なくとも1つの補償コイルを流れる電流を調整することによって補償磁場を調整するステップ;および少なくとも1つのSQUIDを使用して補償磁場の調整の効果を測定するステップを含む。少なくとも1つの補償コイルを流れる電流を調整することは、コンピュータ化されたシステムを動作させて、少なくとも1つの補償コイルを流れる電流を調整することを含み得る。少なくとも1つのSQUIDを使用して補償磁場の調整の効果を測定するステップは、コンピュータ化されたシステムを介して少なくとも1つのSQUIDを使用してなされた測定の読み出しを含み得る。システムの一部を局所的に加熱するステップが、局所的な制御可能なヒータを起動させることを含み得る。方法はさらに、補償磁場の調整の所望の効果が得られるまで局所的な加熱、再冷却、調整、および測定を必要に応じて繰り返すことを含み得る。
方法はさらに、少なくとも部分的に局所環境を取り囲む中空超伝導チューブの臨界温度未満にシステムをさらに冷却して、超伝導チューブが、調整された補償磁場をトラップするようにすることを含み得る。
方法はさらに、少なくとも1つの補償コイルを流れる電流を停止することを含み得る。
少なくとも一実施形態は、要約すると、第1の領域を有する第1の超伝導ループを画成するために第2のアームと並列に接続された第1のアームを有する第1の超伝導閉電流路;および第1の領域とは異なる第2の領域を有する第2の超伝導ループを画成するために第2のアームと並列に接続された第1のアームを有する第2の超伝導閉電流路であって、第2の超伝導ループは第1の超伝導ループと並列に接続され、第1の超伝導ループの第2のアームが第2の超伝導ループの第1のアームとしての機能を果たす、第2の超伝導閉電流路を含む超伝導量子干渉フィルタ(「SQIF」)であって、各アームが、互いに直列に接続された少なくとも2つのジョセフソン接合によって遮断されているSQIFとし得る。一部の実施形態では、各アームは、第2の臨界電流を有する各第2のジョセフソン接合と直列に接続された、第1の臨界電流を有する各第1のジョセフソン接合によって遮断され、および第2の臨界電流、第1の臨界電流とは異なる。
SQIFは、第1の領域とも第2の領域とも異なる第3の領域を有する第3の超伝導ループを画成するために第2のアームと並列に接続された第1のアームを有する第3の超伝導閉電流路を含み得、第3の超伝導ループは、第2の超伝導ループと並列に接続され、第2の超伝導ループの第2のアームが第3の超伝導ループの第1のアームとしての機能を果たし、および各アームが、互いに直列に接続される少なくとも2つのジョセフソン接合によって遮断される。一部の実施形態では、SQIFはさらに、第2のアームと並列に接続された第1のアームをそれぞれ有するN個の追加的な超伝導閉電流路を含み得、N個の追加的な超伝導閉電流路の各々は、個々の領域をそれぞれ有するN個の追加的な超伝導ループのそれぞれを画成し、およびN個の追加的な超伝導ループの各々の領域は、第1の領域、第2の領域、第3の領域、および他のN−1個の追加的な領域と異なり;およびN個の追加的な超伝導ループの各々は互いに、および第1、第2、および第3の超伝導ループと並列に接続され、および各アームは、互いに直列に接続された少なくとも2つのジョセフソン接合によって遮断され得る。
少なくとも一実施形態は、要約すると、少なくとも2つの直列に接続されたジョセフソン接合によって遮断される第1の超伝導アーム;少なくとも2つの直列に接続されたジョセフソン接合によって遮断される第2の超伝導アームであって、第1の超伝導アームと並列に接続されて、第1の領域を有する第1の超伝導ループを画成する第2の超伝導アーム;および少なくとも2つの直列に接続されたジョセフソン接合によって遮断される第3の超伝導アームであって、第3の超伝導アームは第2の超伝導アームと並列に接続されて、第2の領域を有する第2の超伝導ループを画成し、第2の領域は第1の領域と異なる、第3の超伝導アームを含む超伝導量子干渉フィルタ(「SQIF」)とし得る。一部の実施形態では、各アームを遮断する少なくとも2つの直列に接続されたジョセフソン接合は、第1の臨界電流を有する第1のジョセフソン接合、および第1の臨界電流とは異なる第2の臨界電流を有する第2のジョセフソン接合を含み得る。
SQIFはさらに、少なくとも2つの直列に接続されたジョセフソン接合によって遮断される第4の超伝導アームであって、第4の超伝導アームは第3の超伝導アームと並列に接続されて、第3の領域を有する第3の超伝導ループを画成し、第3の領域は第1の領域とも第2の領域とも異なる、第4の超伝導アームを含み得る。一部の実施形態では、SQIFはさらにN個の追加的な超伝導アーム含み得、N個の追加的な超伝導アームの各々は、少なくとも2つの直列に接続されたジョセフソン接合によってそれぞれ遮断され、およびN個の追加的な超伝導アームの各々は、第1、第2、第3、および第4の超伝導アームと、および他のN−1個の追加的な超伝導アームと並列に接続されて、第1の領域、第2の領域、第3の領域、および他のN−1個の追加的な領域の各々と異なる個々の領域をそれぞれ有するN個の追加的な超伝導ループを画成する。
少なくとも一実施形態は、要約すると、第1のノード;第2のノード;およびN個の超伝導電流路(Nは3以上である)であって、N個の超伝導電流路の各々は、第1のノードと第2のノードとの間で互いに電気的に並列に延在し、N個の超伝導電流路の連続的に隣接する電流路の対間のN−1個の領域を取り囲み、およびN個の超伝導電流路の連続的に隣接する電流路の各対で囲まれる領域の大きさは、N個の超伝導電流路の連続的に隣接する電流路の他の対によって囲まれる領域の大きさと異なり、N個の超伝導電流路の各々は、互いに直列に電気的に結合された少なくとも2つのジョセフソン接合をそれぞれ含む、N個の超伝導電流路を含む超伝導量子干渉フィルタ(「SQIF」)とし得る。一部の実施形態では、N個の超伝導電流路の各々のために、互いに直列で電気的に結合少なくとも2つのジョセフソン接合の各々は、各超伝導電流路において互いに直列で電気的に結合された他のジョセフソン接合の各臨界電流とは異なる各臨界電流を有し得る。
図面では、同一の参照符号は類似の要素または動作を示す。図面における要素のサイズおよび相対的位置は必ずしも縮尺通りではない。例えば、種々の要素の形状および角度は、縮尺通りではなく、これら要素の一部を、図面を分かりやすくするために任意に拡大して位置決めしている。さらに、要素の特定の形状は、特定の要素の実際の形状に関するいずれの情報も伝えることを意図して描かれたものではなく、図面の理解を促すために選択されたにすぎない。
2つのジョセフソン接合によって遮断される超伝導閉ループを含む例示的なSQUIDの概略図である。 3つのSQUIDを含むプロセッサチップの一部分の実施形態の概略図である。 横方向または縦方向磁場を測定するためにSQUIDが統合されているプロセッサチップの一部分の実施形態の概略図である。 切断線A−Aに沿った図3Aのプロセッサチップの断面図を示す。 x方向の横磁場を測定するためにオンチップSQUIDを含むプロセッサチップの実施形態の概略図である。 線B−Bに沿った図4Aのプロセッサチップの断面図である。 線C−Cに沿った図4Aのプロセッサチップの断面図である。 それぞれyz平面に領域を画成する9つの同軸的に整列された超伝導ループを有するオンチップSQUIDを含むプロセッサチップの概略図を示す。 三方向において局所磁場を測定するオンチップシステムを含むプロセッサチップの実施形態の概略図である。 超伝導処理構成部品と一体化した局所磁場を測定するためのオンチップシステムを示す、プロセッサチップの実施形態の概略図である。 チップ上に装置を再設定および/または熱サイクリングするための局所励起装置、およびSQUID読み出しおよび補償磁場を制御するためのコンピュータ化されたシステムを有するプロセッサチップの概略図である。 システムを取り囲む局所環境に調整された補償磁場を確立するための方法の実施形態のフロー図である。 5個のジョセフソン接合のアレイが並列に接続されて、それぞれ面積の異なる4つの超伝導ループを画成する、型にはまらない格子構造を呈する超伝導量子干渉フィルタの概略図である。 直列に接続された2つのジョセフソン接合を各アームが含む、4つの超伝導ループを画成する5つのアームを有する修正超伝導量子干渉フィルタの実施形態の概略図である。
以下の説明では、開示の種々の実施形態の完全な理解を促すために、いくつかの具体的な詳細が含まれる。しかしながら、当業者には、実施形態は、これらの具体的な詳細の1つ以上がなくとも、または他の方法、構成要素、材料などを用いて実施し得ることを理解されたい。他の例では、量子素子、結合装置、ならびにマイクロプロセッサおよび駆動回路を含む制御システムなどの量子プロセッサに関連する周知の構造を詳細に示しも説明もせず、本システム、方法および装置の実施形態の説明を不必要に曖昧にすることを回避している。本明細書および添付の特許請求の範囲を通して、用語「要素(elementおよびelements)」は、限定はされないが、量子プロセッサ、およびそれらに関連するプログラム可能なパラメータに関連する全てのそのような構造、システムおよび装置を包含して使用される。
文脈上他の意味に解すべき場合を除き、以下の本明細書および特許請求の範囲を通して、用語「含む(comprise)」および「含む(comprisesおよびcomprising)」などのその変形は、「含む(including)がそれに限定されない」などの開放的、包括的な意味に解釈される。
本明細書を通して「一実施形態」または「実施形態」または「別の実施形態」と称する場合には、実施形態と併せて説明される特定の指示対象の特徴、構造、または特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。それゆえ、本明細書を通して様々な個所で出現する表現「一実施形態では」または「実施形態では」または「別の実施形態」は、必ずしも全て同じ実施形態を指すものではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性を1つ以上の実施形態において任意に好適に組み合わせ得る。
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用されるように、文脈において明白に指示しない限り、単数形「a」、「an」および「the」は複数の指示対象を含むことに留意されたい。それゆえ、例えば、「量子プロセッサ」を含む問題解決システムと称する場合には、単一の量子プロセッサ、または2つ以上の量子プロセッサを含む。文脈において明白に指示しない限り、用語「または」は一般的に、「および/または」を含むことを意味して用いられることにも留意されたい。
本願明細書にもたらされる見出しは便宜のためにすぎず、実施形態の範囲または意味を説明するものではない。
本願明細書で説明する種々の実施形態は、3つの直交する空間次元の少なくともいずれか1つにおいて、磁場に対して高度に局所的な測定を行うためのシステム、方法および装置を提供する。そのような測定は、磁場に対して特に感度の高いシステム、例えば超伝導プロセッサおよび/または超伝導量子プロセッサを実装するシステムにおいて所望され得る。そのようなシステムでは、特に問題となっている磁場は、超伝導(例えば、量子)プロセッサチップ自体の現在の局所環境(すなわち、入射および/または浸透)におけるものとし得る。そのような局所測定を達成するための現在の手法は一般的に、プロセッサチップに近接して装着される磁力計(例えば、フラックスゲート磁力計、巨大磁気抵抗磁力計など)を実装する。しかしながら、これらの手法は、以下のいくつもの問題にさらされる:磁場勾配は、プロセッサチップからの距離が小さくとも、測定が行われるときに、測定装置における磁場と、プロセッサチップにおける磁場との間に矛盾を生じ得る;一般に使用される磁力計(すなわち、フラックスゲート磁力計および巨大磁気抵抗磁力計)の感度が限られており、大量の電力を消費する;およびこれらの手法は、磁力計を制御するために専用のケーブル敷線を必要とする。本システム、方法および装置によれば、これらの問題の全ては、プロセッサチップに物理的に一体化された少なくとも1つの超伝導量子干渉素子(「SQUID」)を使用して局所磁場を測定することによって解決し得る。
本願明細書で説明する種々の実施形態を、「プロセッサチップ」または、単に「チップ」で実施されるものとして説明する。当業者には、代替的な実施形態では、本システム、方法および装置は、他の超伝導装置を使用して同様に適用される場合があり、超伝導プロセッサチップを伴う適用に限定されるわけではないことを理解されたい。具体的には、本明細書を通して、SQUIDは「オンチップ」にある、または「プロセッサチップによって保持」されるとして説明されることが多い。これらの用語を使用して、SQUIDが、局所磁場の測定が望まれる装置によって保持されることを示す。代替的な実施形態では、本システム、方法および装置は一般的に、「装置上」でまたは「局所磁場の測定が望まれる装置によって保持され」て実現され得る。
磁力計としてのSQUIDの使用は当該技術分野では周知である。これらの装置は高感度であり、B<nTレンジにおける磁場を確実に測定できる一方、それ以外のほとんどの磁力計よりも電力の消費が著しく少ない。概して、SQUIDは、超伝導閉ループを形成し少なくとも1つのジョセフソン接合によって遮断される超伝導電流路を含む。SQUIDは、閉ループに存在する磁束に応答する。公知の多くの適用において、測定されるべき特定の信号は、入力コイルを通してSQUIDに向けられ、SQUIDは、入力コイルによってもたらされた信号に応答する。そのような適用では、局所磁場からSQUID本体を分離するように注意していることが多い。逆に、本願明細書で説明する種々の実施形態では、SQUID本体自体を意図的に使用して局所磁場を測定し(例えば、入力コイルを使用せずに)、意図的に、種々の方向における局所磁場に曝されるように向ける。
図1に、2つのジョセフソン接合111および112によって遮断されている超伝導閉ループ(例えば、超伝導閉電流路)101を含む例示的なSQUID100を示す。超伝導ループ101は平面的であり、例えば誘電体基板上の、xy平面にある。図1の図面は、超伝導ループ101に垂直であるz方向(すなわち、紙面の裏面側から突き出る矢印の点で示す)120(図面では1つのみ示す)に磁力線を含む。作動中、SQUID100は、超伝導ループ101によって画成された領域を通る磁束(すなわち、面積当たりの磁場)の測定を行う。それゆえ、SQUID100は、超伝導ループ101の平面に対して直角な磁場に応答する。本システム、方法および装置によれば、xy平面にあるプロセッサチップにおけるz方向の磁場は、少なくとも1つのSQUIDをプロセッサチップのxy平面の表面に統合することによって非常に正確に測定し得る。
SQUID100の感度は、超伝導ループ101の領域のサイズを含め、いくつもの要因に依存する。概して、SQUID100の感度は、超伝導ループ101の領域が減少するにつれ粗くなり、SQUID100の感度は、超伝導ループ101の領域が増大するにつれ精密になる。一部の適用では、広範な磁場の強度に対して感度を有し得るようにすることを有利とし得る。本システム、方法および装置によれば、広範な磁場の強度に対する感度は、サイズの異なる複数のSQUIDをプロセッサチップに統合することによって達成し得る。
図2は、3つのSQUID201〜203を含むプロセッサチップ200の一部分の実施形態を示す。チップ200はxy平面にあり、SQUID201〜203の各々も同様にxy平面の表面に保持されている。SQUID201〜203の各々は、それぞれサイズの異なる各超伝導ループ211〜213を含む。それゆえ、SQUID201〜203の各々は、z方向の磁場210に応答するように設計されているが、SQUID201〜203の各々は、異なるレベルの感度を有する。SQUID201は比較的小さな超伝導ループ211を有し、感度が最も粗い;それゆえSQUID201は強力な磁場の測定により好適である。SQUID202は中型の超伝導ループ212を有し、適度な感度を示す;それゆえ、SQUID202は、適度な磁場の測定により好適である。SQUID203は最も大きい超伝導ループ213を有し、感度がもっとも精密である;それゆえ、SQUID203は、最も弱い磁場の測定に、より好適である。一部の実施形態では、SQUID203をワッシャSQUIDとし得る。ワッシャSQUIDは、小さな磁場の測定に特に好適であると当該技術分野で公知のSQUID設計である。一部の実施形態では、SQUID201〜203を組み合わせて使用して、様々な大きさの磁場を測定し得る。例えばSQUID201を使用して、(例えば、デュワー内部でのμT範囲の)強力な残留磁場を測定し、かつSQUID203を使用して、(例えば、一般に超伝導量子プロセッサなどの超伝導プロセッサに対してはnT範囲の)所望の動作範囲における磁場を測定し得る。そのような実施形態では、SQUID202を使用して、SQUID201の感度と203の感度との間の範囲(例えば、μT〜nTの範囲)の磁場を測定し得る。
当業者には、図2に示すプロセッサチップ200の部分は縮尺通りではない可能性があることを理解されたい。本システム、方法および装置によれば、プロセッサチップ200はさらに、図2には図示しない超伝導処理装置、例えば超伝導量子ビットおよび超伝導カプラを含んで、クラッターを低減し得る。
発生磁場、例えば減少または補償磁場が存在する場合、SQUID201〜203を以下の通り使用し得る:SQUID201を使用して、磁場が最も強力であるときにそれを監視し得る。磁場の強度が低減するにつれ、磁場を監視するためにSQUID202を起動し得る。磁場が減少し続けるにつれ、磁場が最も弱いときにそれを監視するためにSQUID203が起動され得る。
SQUIDは、平面に入射する磁場の測定に特に好適である。ほとんどのプロセッサチップは、幾何学的に主に平面である;それゆえ、本システム、方法および装置は、プロセッサチップの平面に入射する磁場を測定するために少なくとも1つのSQUID「オンチップ」の実装を説明する。例えば、xy平面にあるプロセッサチップの場合、プロセッサチップのxy平面において最上面または底面(または内層表面)に主に統合されるSQUIDは、z方向における磁場の測定に好適である。しかしながら、そのようなプロセッサチップはまた、z方向に幾分厚みを有することがあり、それにより、横軸の「x」方向および縦軸の「y」方向の磁場に対する感度を有することとなる。xy平面にあるSQUIDは、一般的にx方向およびy方向の磁場の検出を上手くできない。この問題に対処するために、本システム、方法および装置は、横方向磁場および縦方向磁場を測定するために、プロセッサチップに統合し得るSQUIDの設計を取り入れる。
本明細書を通して、用語「横方向」および「縦方向」は、xy平面にあるプロセッサチップのそれぞれx方向およびy方向を指すために使用する。当業者には、相互に直交するx方向、y方向、およびz方向のこの割り当ては任意であり、決して本システム、方法および装置の範囲を限定することを意図したものではないことを理解されたい。
図3Aに、横方向または縦方向磁場を測定するために内部にSQUID301が統合されたプロセッサチップ300の一部分の実施形態を示す。図示のように、チップ300はxy平面にあり、SQUID301は、x方向にある横方向磁場を測定するように向けられている。例示的な横方向磁場を矢印310で示す。SQUID301は、SQUID301が横軸のx方向の磁場に応答するように適合または構成されていることを除いて、図1のSQUID100の説明と同様に動作する。SQUID301の適合または構成は、yz平面に少なくとも1つの超伝導ループ(図3Aには図示しない)を含んで、x方向の横方向磁場が少なくとも1つの超伝導ループを通過するようにしている。yz平面に超伝導ループを確立するために、SQUID301は、超伝導ビア331および332によって接続されたチップ300の少なくとも2つの層(例えば、チップ300の最上面および底面)に超伝導トレースを有する多層構造である。SQUID301はまた、2つのジョセフソン接合311、312も含む。2つの超伝導トレース341および342を使用して、ジョセフソン接合311および312が並列に接続されるように超伝導ループを接続する。図示の実施形態では、トレース341は、最上層から最下層まで超伝導ビア333を通して接続するので、一部分を破線で示す。
SQUID301は、SQUID301がyz平面に超伝導ループを提供するように適合または構成されていることを除いて、いくつかの点で図1のSQUID100と類似している。yz平面の超伝導ループを図示するために、図3Bに、図3Aの線A−Aに沿った断面図を示す。yz平面におけるSQUID301の構造は、基板またはチップ300の1つの層(例えば、上層または最上層)上に、超伝導トレース361によって形成された超伝導ループ350を含み、その超伝導トレース361は、2つの超伝導ビア331および332によって基板またはチップ300の別の層(例えば、下層または最下層)上の超伝導トレース362に接続されている。それゆえ、超伝導ループ350は、x方向(紙面の裏面側から突き出る)の横磁場310に対して直角であるyz平面に領域を形成し、それゆえ、SQUID301はx方向の横磁場に応答する。図3Bの断面図はまた超伝導ビア333(破線または隠線で示す)を示し、それはトレース341(図3Bには図示せず)に接続される。
SQUID301の超伝導トレース361、362およびジョセフソン接合311、312は、例えば、様々なリソグラフィックプロセス(例えば、堆積、マスク、エッチなど)のいずれかによって形成し得る。図示の実施形態では、チップ300の最上層上の超伝導トレース361は、ジョセフソン接合311および312を含むために、三層プロセスを使用して形成される。当業者には、ジョセフソン接合311および312の一方または双方は、同様に、チップ300の最下層上の超伝導トレース362に形成し得ることを理解されたい。しかしながら、ジョセフソン接合311、312は、様々なリソグラフィックプロセスのいずれかによって形成することができ、図3Bに示す三層プロセスに限定はされない。代替的な実施形態では、チップ300は少なくとも1つの内層を含み、超伝導ループ350の少なくとも一部分は、チップ300の内層を含み得る。
当業者には、xy平面においてチップ300またはSQUID301を90°回転させることによって、y方向の縦磁場を測定するために、SQUID301を、xz平面にある超伝導ループ350に同様に向けることができることを理解されたい。
上述のように、SQUIDの感度は一般的に、その超伝導ループのサイズが増大するにつれて増大する。それゆえ、SQUID301の感度は、超伝導ループ350の領域を増大させることによって増大し得る。しかしながら、プロセッサチップ上で利用可能な空間は限られており、プロセッサチップ300の表面にわたって縦または横に延在する超伝導トレース361および362は、プロセッサチップ300上の他の装置および構成要素に対し不利益にも妨害する。本システム、方法および装置は、横磁場および/または縦磁場の測定に対して高感度であることを達成するために有効面積の大きい超伝導ループを含みながらも小型のSQUID設計を提供する。
図4Aに、x方向の横磁場410を測定するための、オンチップSQUID401を含むプロセッサチップ400の実施形態を示す。SQUID401は、SQUID401がより小型設計に適合または構成されているにも拘わらずyz平面における超伝導ループの有効面積を大きくしていることを除いて、いくつかの点で図3Aおよび図3BのSQUID301に類似している。図4Aに示すように、チップ400はxy平面にある。x方向の横磁場410を測定するために、SQUID401は、yz平面に、それぞれ横磁場(矢印410で示す)に対して直角である複数の超伝導ループ(図4Aには図示しない)を含む。図示の実施形態では、複数の超伝導ループは同軸的に整列されて、超伝導コイルを有効に形成する。SQUID401は、例えば、超伝導ビアによってつながれているチップ400の少なくとも2つの表面または層上に超伝導トレースを含み得る。図では、チップ400の第1の面(例えば、上面または最上面)上の超伝導トレースを実線で示し、チップ400の第2の面(例えば、下面または底面)上の超伝導トレースを破線(すなわち、隠線)で示す。超伝導ビアを黒い四角430〜439で示し、SQUID401は2つのジョセフソン接合411および412を含む。yz平面にある各超伝導ループは、各「フィンガ」451〜455によって確立されており、それら各々は、超伝導ビアによってつながれる超伝導トレースセグメントの各対によって形成される。フィンガ451は、例えば、チップ400の第1の面に保持される第1の超伝導トレースセグメント461およびチップ400の第2の面に保持される第2の超伝導トレースセグメント462を含む一対の超伝導トレースセグメントを含む。一部の実施形態では、第1の超伝導トレースセグメント461は実質的に第2の超伝導トレースセグメント462に重ね合わせ得る。これは、図4Aに示す実施形態の場合である;しかしながら、明確にするために、第1の超伝導トレースセグメント461と第2の超伝導トレースセグメント462を互いにわずかにずらして示して、図面に双方を示すようにしている。
図示の実施形態では、超伝導トレースセグメント461と462は、フィンガ451の先端において超伝導ビア435を通してつながれ、およびフィンガ451の第2の超伝導トレースセグメント462は、超伝導ビア430を通してフィンガ452に接続される。それゆえ、SQUID401を形成する超伝導電流路は、フィンガ453〜455の各々によって、ビア435を通してフィンガ451下方に、ビア430を通してフィンガ451上方に、ビア436を通してフィンガ452下方に、ビア431を通してフィンガ452上方になどと延在する。このように、フィンガ451〜455の各々が、主にyz平面において各超伝導ループ(すなわち、超伝導閉電流路)を確立する。yz平面での超伝導ループの形成は、チップ400の断面図からよく分かる。
図4Bに、xz平面のプロセッサチップ400の構造を示し、ビア430〜439の経路を示すようにしている。断面線B−Bがビア435〜439を通っているので、これらのビアを図4Bの断面に示し、ビア430〜434を破線(すなわち、隠線)で示す。各フィンガ451〜455は、一方がチップ400の第1の層に保持されかつ他方がチップ400の第2の層に保持される超伝導トレースセグメントの各対を含み、それらは、各超伝導ビア435〜439を通して接続される。例えば、フィンガ451は、チップ400の第1の層に保持される第1の超伝導トレースセグメント461を含み、その第1の超伝導トレースセグメント461は、超伝導ビア435を通して、チップ400の第2の層に保持される第2の超伝導トレースセグメント462に接続される。フィンガ451〜455の隣接する対は、各超伝導ビア430〜434を通してつながれる。例えば、フィンガ451は、ビア430を通してフィンガ452に接続され、フィンガ452は、ビア431を通してフィンガ453に接続される。図4Bに示す実施形態では、第1の超伝導トレースセグメント(例えば、461)は、図4Aにおいて明確に図示するためにのみ使用されたずれを有することなく、各フィンガにおいて第2の超伝導トレースセグメント(例えば、462)に重なり合う。それゆえ、各フィンガ451〜455は、yz平面にそれぞれ同軸的に整列された超伝導ループを形成する。
図4Cは、yz平面におけるプロセッサチップ400の構造を、超伝導ループ480が示されるように、示している。図4Cは、チップ400の第1の層に保持された第1の超伝導トレースセグメント463によって形成されたフィンガ455の断面図を示し、それは、超伝導ビア439を通して、チップ400の第2の層に保持された第2の超伝導トレースセグメント464に接続されている。フィンガ455は、ビア433を通してフィンガ454に接続しており、これを図4Cに破線(すなわち、隠線)で示す。それゆえ、超伝導ループ480が、yz平面にフィンガ455およびビア433によって形成され、超伝導トレースセグメント463および464およびビア439および433によって囲まれた領域を画成している。当業者には、超伝導ループ480は、同様にフィンガ455およびビア434(図4Cには図示しない)によって形成されているものとして示され、超伝導トレースセグメント463および464およびビア439および434によって囲まれた領域を画成することを理解されたい。超伝導ループ480は、x方向に対して直角である領域を画成するので、SQUID401はx方向の横磁場410に応答する。同様に、各フィンガ451〜454もまたyz平面に各超伝導ループを確立する。上述のように、超伝導ループを含むSQUIDの感度は、超伝導ループによって囲まれた領域のサイズの影響を受ける。SQUID401では、全有効面積は、全ての超伝導ループの面積の和に等しい。例えば、SQUID401は5つのフィンガを含み、各フィンガは、実質的に超伝導ループ480と類似である各超伝導ループに対応している。それゆえ、SQUID401は、超伝導ループ480の領域の5倍の有効面積をもたらす。図示の実施形態では、各フィンガ451〜455によって確立された各超伝導ループは同軸的に整列されて、SQUID401にわたって確実に対称的かつ均一であるようにされる。
種々の実施形態では、横方向または縦方向磁場を測定するように適合されたオンチップSQUIDは、任意の数のフィンガおよび対応する超伝導ループを含み得る。そのようなオンチップSQUIDの感度は、全ての超伝導ループの面積の和の影響を受ける。それゆえ、各超伝導ループの面積を増大させることによっておよび/または超伝導ループの数を増やすことによって高感度を達成し得る。各超伝導ループの領域は、フィンガ(例えば、フィンガ451〜455)の長さを長くすることによって、または、チップ400における層間の隔たりを大きくすることによって(これは、一部の実施形態では、超伝導ビア430〜439の長さを長くすることに対応し得る)増大し得る。しかしながら、複数の層にわたるオンチップSQUIDの幾何学的形状は、別の平面に追加的な超伝導ループを形成することがあり、測定の精度を保証するためにはこれらのループを考慮する必要がある。
図5に、それぞれyz平面に領域を画成する9つの同軸的に整列された超伝導ループ551〜559を有するオンチップSQUID501を含むプロセッサチップ500を示す。SQUID501は、チップ500上であまり大きな空間を占めずに、磁場測定に高有効面積(すなわち、9つのフィンガ551〜559によって形成された9つの超伝導ループの面積の和)を提供する小型構造である。それゆえ、SQUID501は、xy平面において90°回転される場合に、x方向でおよび同様にy方向で磁場を測定するのに好適である。しかしながら、SQUID501の幾何学的形状もまたxy平面に、z方向の磁場に応答し得る小さな超伝導ループ590を形成する。x方向/y方向の横磁場/縦磁場に対して高感度が望まれる適用では、xy平面に形成された超伝導ループ590の領域のサイズを最小にするのに有利とし得る。一部の実施形態では、超伝導ループ590をグラジオメトリック(gradiometric)とするように適合させることによって、z磁場の超伝導ループ590への結合を低減することを有利とし得る。概して、特定の方向における磁場の測定が望まれる場合、測定が望まれる方向に対して直角ではない平面に形成されたいずれかの超伝導ループの領域を最小にすること、および/またはグラジオメトリックな幾何学的形状(gradiometric geometry)をそのようないずれかのループに組み込むことを有利とし得る。
本システム、方法および装置は、局所磁場を測定するためのオンチップSQUIDの使用について説明する。一部の実施形態では、1つのまたは複数のSQUIDを使用して、チップの平面に対して垂直な磁場を測定し得る。一部の実施形態では、1つのまたは複数のSQUIDを使用して、チップの平面にある磁場、例えば横磁場および/または縦磁場を測定し得る。本システム、方法および装置の別の実施形態は、複数の方向において局所磁場を測定するための複数のオンチップSQUIDを提供する。
図6Aに、三方向において局所磁場を測定するためにオンチップシステム601aを含むプロセッサチップ600aを示す。システム601aは、5つのオンチップSQUID611a〜613a、620a、および630aを含み、それらは、図2および図5で説明した実施形態の組み合わせを示す。SQUID611a〜613aは、実質的にそれぞれ図2のSQUID201〜203と同様であり、かつほぼ同じように動作し得る。すなわち、SQUID611aは、xy平面に小さな超伝導ループを有し、かつz方向の磁場測定用の粗い磁力計として使用し得る;SQUID612aは、xy平面に中型の超伝導ループを有し、かつz方向の磁場測定用の適度な感度の磁力計として使用し得る;およびSQUID613aはxy平面に大きな超伝導ループを有し(または、一部の実施形態では、ワッシャSQUIDである)、z方向の磁場測定用の精密な磁力計として使用し得る。加えて、SQUID620aは実質的に図5のSQUID501と同様であり、yz平面に9つの超伝導ループを含む。それゆえ、SQUID620aを使用してx方向の磁場を測定する。同様にSQUID630aは、z軸の周りで90°回転されていることを除いて、実質的に図5のSQUID501と同様である。SQUID630aはxz平面に9つの超伝導ループを含むので、y方向の磁場を測定するために使用し得る。本システム、方法および装置によれば、局所磁場を測定するためのオンチップシステム、例えばシステム600aは、各方向のいずれの組み合わせにおいても磁場を測定するように配置された任意の数のSQUIDを含み得る。さらに、そのようなシステムを、本願明細書で説明した例示的な超伝導プロセッサチップ上のみならず、局所磁場の測定が望まれるいずれかの種類のチップまたは装置上に実装し得る。
上述のように、図6Aに示すプロセッサチップ600aは縮尺通りでない場合があり、プロセッサチップ600aに保持される他の構成要素(例えば、超伝導量子ビットおよび超伝導カプラ)を図6Aでは省略している。局所磁場測定用のオンチップシステムの統合を図示するために、図6Bに、局所磁場測定用のオンチップシステム601bおよび超伝導処理構成部品602bを含むプロセッサチップ600bを示す。超伝導処理構成部品602bは、例えば米国特許第7,533,068号、米国特許出願公開第2008−0176750号、米国特許出願公開第2009−0121215号、またはPCT特許出願公開第PCT/US2009/037984号に記載されているもののいずれかのような超伝導量子プロセッサを形成し得る。超伝導処理構成部品602bの詳細は、本システム、方法および装置の範囲外である。
図6Bに示すように、局所磁場測定用の単一のオンチップシステム601bが、プロセッサチップ600b上の一位置において磁場の良好な特性評価を提供し得る。しかしながら、一部の適用では、プロセッサチップ600bの本体上の局所磁場に存在し得るいずれかの勾配を少なくとも部分的に特徴付けることを望ましいとし得る。本システム、方法および装置によれば、これは、単一のプロセッサチップ上に複数のオンチップシステム601bを含むことによって達成し得る。例えば、代替的な実施形態では、プロセッサチップ600bは、局所磁場を測定するために任意の数のオンチップシステム601b、例えばプロセッサチップ600bの四隅の各々に位置決めされた4つのオンチップシステム601bを含み得る。当業者には、局所磁場勾配を特徴付けるためにグラジオメトリックSQUID設計をまた実装し得ることを理解されたい。
本願明細書で記載された種々の実施形態を、例えば、磁場の測定において、補償による磁場減少のために実施し得る。そのような補償は、構成部品が磁場に対して高感度であるシステム、例えば、超伝導プロセッサおよび超伝導量子プロセッサなどにおいて望まれ得る。
高感度システムにおける磁場遮蔽のために確立された技術は、一端部が閉鎖されている中空の超伝導シリンダーまたはチューブでシステムを取り囲むことである。当業者には、「シリンダー」は一般的に規定された形状(すなわち、円形断面)を有する一方、任意の中空チューブ状形状(例えば、非円形断面である)も同様に用いることができることを理解されたい。本明細書を通して、用語「シリンダー」は、簡単にするために、例示的な実施形態としてのみ使用される。シリンダー内の磁場は、補償手順における相殺的干渉によって相殺され得る。例示的な補償手順は、シリンダーに巻き付けられた少なくとも1つの補償コイルを用い得る。超伝導シリンダーの臨界温度超の温度では(すなわち、超伝導シリンダーが超伝導体として振る舞っていない間)、シリンダー内部の周囲の磁場は測定装置、例えば本システム、方法および装置で記載されているものによって監視される。1つまたは複数の補償コイルに直流が通過して、シリンダー内で測定された周囲の磁場に対して相殺的に干渉する補償磁場を生成する。所望の磁場が生成され(例えば最小にされ)かつシリンダー内で維持されたら、システムの温度を超伝導シリンダーの臨界温度未満に低下させて、シリンダーが超伝導となるようにする。これが起こったら、シリンダーは自然に、1つまたは複数の補償コイルによって生成されている磁束をトラップし、それにより、補償磁場を閉じ込め、かつ1つまたは複数の補償コイルに供給されている直流電流をスイッチオフし得る。超伝導シリンダーの代わりに小型超伝導リングを用いるこの補償手順の変形例は、米国特許出願公開第2009−0168286号に説明されている。
本願明細書で記載された種々の実施形態を使用して、例えば、補償手順中にプロセッサチップの局所環境において磁場を監視し得る。上述のように、補償手順は、局所環境磁場に対して(例えば、相殺的に)干渉する補償磁場を生成すること、次いで、超伝導シリンダーにおいて補償されたレベルの磁束をトラップするために意図的にシステムをその臨界温度未満に冷却することを伴い得る。一部の実施形態では、補償磁場は、例えば、コンピュータ制御の電流源を含む、コンピュータ化されたシステムを使用して生成されて、電流が補償コイルを流れるようにし得る。電流源を制御するために使用される同じコンピュータ化されたシステムを使用してオンチップSQUIDを読み出し得る。
任意の超伝導装置の臨界温度は、装置が形成されている材料に(少なくともある程度)依存する。超伝導システムは、異なる材料で形成される様々な構成要素を含み得るので、異なる温度で超伝導となる。特定の構成要素が超伝導になるときは常に、超伝導レジームへの移行がなされるときに存在する局所磁場をトラップすることができる。本システム、方法および装置によれば、システムが冷却されるときに特定の構成要素が他の構成要素の前/後に超伝導となるように超伝導システムを設計することを有利とし得る。
一例として、超伝導システムは、超伝導プロセッサチップを包み囲む超伝導シリンダーを含み、超伝導プロセッサチップは、計算を実行するために使用されるオンチップ処理装置、および局所磁場を測定するために使用されるオンチップSQUIDを保持し得る。この例示的なシステムは、3つのタイプの超伝導構成部品:オンチップSQUID、オンチップ処理装置、および超伝導シリンダーを含む。一部の実施形態では、オンチップSQUIDが、オンチップ処理装置および超伝導シリンダーの双方よりも高い臨界温度を有して、システムが冷却されるときにオンチップSQUIDが初めに超伝導となることを有利とし得る。これにより、局所磁場の測定が可能となり、かつ、他の構成要素が超伝導となって局所磁場をトラップする前に補償磁場の効果を監視することが可能となる。同様に、超伝導シリンダーが、オンチップ処理装置およびオンチップSQUIDの双方よりも低い臨界温度を有して、システムが冷却されるときに超伝導シリンダーが最後に超伝導となることを有利とし得る。このように、全ての補償磁場を調整し(既に超伝導のオンチップSQUIDで測定する間に)、かつ、超伝導レジームへの超伝導シリンダーの移行前にそれらの所望のレベルに設定して補償磁場をトラップし得る。オンチップ処理装置の臨界温度は、オンチップSQUIDの臨界温度と超伝導シリンダーの臨界温度との間とし得る。
代替的な実施形態では、オンチップSQUIDおよびオンチップ処理装置は、実質的に同様の臨界温度(「チップ臨界温度」)を共有し得る。そのような実施形態では、チップ臨界温度が超伝導シリンダーの臨界温度よりも高くて、オンチップ装置が初めに超伝導となるよう確実にすることを有利とし得る。例えば、オンチップSQUIDおよびオンチップ処理装置は、ニオビウム(T約9K)で形成される一方、超伝導シリンダーはスズおよび/または鉛(T約3.7〜7.2K)で形成される。
オンチップSQUIDが局所磁場を測定するようにするために、オンチップSQUIDは超伝導である必要がある。これは、SQUIDが動作するためにはオンチップSQUIDの臨界温度未満にチップ自体を冷却する必要があることを意味する。一部の実施形態では、オンチップSQUIDの臨界温度未満へのチップの冷却は、少なくとも1つの他のオンチップ装置(例えば、オンチップ処理装置)が超伝導となる原因となり得る。オンチップ装置が超伝導となると、局所磁場をトラップする。補償手順中、補償磁場を調整して監視することを望ましいとし得る一方、システムはオンチップSQUIDの臨界温度(または、オンチップSQUIDおよび他のオンチップ装置が全て実質的に同じ臨界温度を有する場合にはチップ臨界温度)と、超伝導シリンダーの臨界温度との間の温度にある。すなわち、オンチップSQUIDは超伝導であるが超伝導シリンダーは超伝導ではないときに、補償磁場の変化の効果を監視し得る。
補償手順中、オンチップSQUIDを起動するためにシステムを冷却する必要があり、その際に、少なくともいくつかの磁束がオンチップ装置によって不要にもトラップされ得る。オンチップ装置によって不要にもトラップされた磁束は、オンチップ装置の臨界温度超にチップを再加熱することによって解放され得る。トラップされた磁場を解放するためのチップ再加熱、次いでオンチップSQUIDが超伝導となるようにするためのチップ再冷却のプロセスを、本願明細書では「熱サイクリング」と称する。本システム、方法および装置によれば、補償手順の有効性は、所望のオンチップ磁場が達成されるまでの反復補償手順中にチップを熱サイクリングすることによって増大し得る。システム全体を熱サイクリングすることは費用がかかり、かつ能率的でない可能性があるが、チップ自体の局所的な再加熱は、局所励起装置(すなわち「ヒータ」)、例えばチップの近傍に位置決めされたLEDまたは抵抗器を使用することによって達成し得る。
図7に、熱サイクリングを可能にするための局所励起装置702ならびにSQUID読み出しおよび補償コイルの電流を制御するためのコンピュータ化されたシステム703を備えるプロセッサチップ701を示す。コンピュータ化されたシステム703は、各SQUIDオンチップ701に電気的に接続されており、かつ各SQUIDの状態を読み出すために使用され得る。一部の実施形態では、コンピュータ化されたシステム703は、補償コイル(図示せず)に電気的に接続されたコンピュータ制御の電流源704を含み得る。そのような実施形態では、コンピュータ化されたシステム703を使用して、補償コイルを流れる電流を制御し、それにより補償磁場を制御し得る。同様に図7に、各SQUIDオンチップ701に誘導的に結合するように構成される変調ライン705を示す。当業者には、例えば、SQUIDの較正および動作に変調ライン705を使用し得ることを理解されたい。代替的な実施形態では、複数の変調ラインを実装して、SQUIDの各々またはサブセットの個々の制御を可能にし得る。
励起装置702は制御可能なヒータとして機能し、装置オンチップ701の温度をそれらの臨界温度超に増大させて、トラップされた磁束を解放し得る。それゆえ、励起装置702を使用して、チップ701に保持される超伝導装置の磁束を再設定し得る。熱サイクリングを組み込む例示的な補償手順を以下説明する。
一部の実施形態では、プロセッサチップ701は、真空環境に収容されて徐々に冷却システムによって冷却され得る。チップ701がその臨界温度未満に冷却されると、オンチップSQUIDは起動されて、チップ701の環境において磁場を測定し得る。この超伝導移行中、少なくとも一部のオンチップ装置は局所的に磁束をトラップし得る。オンチップSQUIDの測定に応答して、補償磁場が生成されて(例えば、オンチップSQUIDの読み出しを制御する同じコンピュータ化されたシステム703によって制御される)、局所磁場に対して干渉し、かつ、例えば、局所磁場を相殺し得る。補償磁場が起動されたら、励起装置702を使用して、チップ701をその臨界温度超に加熱して、オンチップ装置によってトラップされたいずれかの磁束を再設定する。次いで励起装置702は起動停止されて、チップ701がその臨界温度未満に再冷却されるようにし得る。今回は、チップ701が超伝導になると、オンチップ装置が、補償磁場と共に環境磁場をトラップし、それは、磁場の所望のレベルに近い(例えば、磁場の所望のレベル未満)実効磁場環境を提供する必要がある。オンチップSQUIDの測定が、補償磁場へのさらなる調整が望ましいことを示す場合、補償磁場が調整され、かつ励起装置702が再起動されて、オンチップ装置によってトラップされた磁束を再設定し得る。反復補償手順にわたる熱サイクリングのこのプロセスは、所望の磁場環境が得られるまで継続され得る。所望の磁場環境が得られたら、周りを囲んでいる超伝導シリンダーの臨界温度未満にシステムを冷却して補償磁場の全てをトラップし、かつ所望の磁場環境に効果的に閉じ込め得る。この時点で、補償磁場を生成する制御電流が切られ得る。
上述の例示的な補償手順を図8において一般化する。図8に、システムを取り囲む局所環境に調整された補償磁場を確立するための方法800の実施形態を示す。システムは、少なくとも1つのSQUID、およびシステムの周囲に少なくとも部分的に巻き付けられた少なくとも1つの補償コイルを含む。方法800は8つの動作801〜808を含むが、当業者には、代替的な実施形態では一定の動作を省略し得るおよび/または追加的な動作を含み得ることを理解されたい。動作801では、システムをSQUIDの臨界温度未満に冷却する。この冷却は、例えば、希釈冷凍機を含む冷却システムを使用して達成し得る。動作802では、SQUIDを使用して局所環境の磁場を測定する。一部の実施形態では、この測定を、コンピュータ化されたシステムを使用して制御し、SQUIDを読み出し得る。動作803では、電流を少なくとも1つの補償コイルに供給して補償磁場を生成する。一部の実施形態では、電流は、SQUIDを読み出すのに使用されるのと同じコンピュータ化されたシステムによって制御されて、SQUIDの読み出しと電流の大きさとの相関関係を少なくとも部分的に自動化し得るようにする。動作804では、SQUIDを使用して補償磁場の効果を測定する。動作805では、励起装置(例えば、制御可能なヒータ)を使用して、システムの一部を少なくとも1つの超伝導構成部品の臨界温度超に局所的に加熱する。このようにして、少なくとも1つの超伝導構成部品にトラップされた磁束を解放し得る。動作806では、システムを少なくとも1つの超伝導構成部品の臨界電流未満に再冷却して、少なくとも1つの超伝導構成部品が超伝導状態に戻るようにする。動作807では、少なくとも1つの補償コイルを流れる電流を調整することによって補償磁場を調整する。動作808では、SQUIDを使用して補償磁場調整の効果を測定する。一部の実施形態では、所望の補償磁場調整効果を得るまで動作805〜808を繰り返し得る。例えば、動作805〜808を、局所環境の磁場が所望のレベルにあると測定されるまで繰り返し得る。一部の実施形態では、システムは、少なくとも1つのSQUIDの臨界温度よりも低い臨界温度で超伝導となる材料で形成される中空シリンダーを含み得る。そのような実施形態では、シリンダーは少なくとも部分的に局所環境を取り囲み、および所望の補償磁場効果を得たら、システムをシリンダーの臨界温度未満に冷却し得る。それゆえ、シリンダーは超伝導となり、かつ所望の補償磁場を局所環境にトラップする。この時点で、少なくとも1つの補償コイルの電流は停止され得る。
Oppenlander et al., “Non-Φo-periodic macroscopic quantum interference in one-dimensional parallel Josephson junction arrays with unconventional grating structure”, Physical Review B, Volume 63, 024511 (2000) で指摘されているように、dc−SQUID100などの2接合dc−SQUIDを、外部磁場の絶対強度を測定するために直接用いることはできない。N−1個の超伝導ループを画成するために並列に接続されたN個のジョセフソン接合のアレイについても同じである(但し、N−1個の超伝導ループは各々、実質的に同様の面積である)。これは、N−1個のループがそれぞれ実質的に同様の面積であるときに、dc−SQUIDおよびN−1個のループのアレイの双方に対して、電圧応答信号がΦ周期であるためである。しかしながら、N−1個の超伝導ループの面積が互いに異なりかつ電圧応答信号が非周期的となるように選択される場合、並列に接続されたN個のジョセフソン接合のアレイを使用して外部磁場の絶対強度を測定できる。Oppenlander et al.はそのようなアレイを「型にはまらない格子構造」と説明している。本システム、方法および装置では、型にはまらない格子構造を組み込むSQUIDを超伝導量子干渉フィルタ(「SQIF」)と称する。
図9に、5つのジョセフソン接合901〜905のアレイが並列に接続されて、それぞれ面積の異なる4つの超伝導ループ911〜914を画成している、型にはまらない格子構造を呈するSQIF900の概略図を示す。各ジョセフソン接合901〜905は、SQIF900においてアーム921〜925にそれぞれ対応すると言われ得る。Oppenlander et al.において説明されているように、異なる面積の超伝導ループ911〜914は、アレイのアーム電流のコヒーレントな重ね合わせを回避して、SQIF900のための電圧応答信号を、与えられた磁場において非周期的にすることができる。SQIF900のこの特徴によって、一定の適用における代替的な磁力計設計(例えば、dc−SQUID100)よりも有利にし得る。例えば、SQIF900は、外部磁場の絶対強度の測定が望まれる適用において、dc−SQUID100よりも有利にできる。当業者には、SQIF設計は、並列に接続された任意のN個のジョセフソン接合のアレイを含み、異なる面積のN−1個の超伝導ループを確立し得ることを理解されたい。好ましい数の超伝導ループは、SQIF設計の所望の範囲および性能に依存し得る。
Oppenlander et al.は、SQIF設計(例えば、SQIF900)の理論演算を提示している。しかしながら、実際にはSQIF設計を物理的に実装することは困難な場合がある。特に、SQIFの製造の成功には、高確率でジョセフソン接合を生成できる製造プロセスを必要とする。本システム、方法および装置を目的として、ジョセフソン接合を「生じる」ことは、設計で意図した機能通りに実質的に機能するジョセフソン接合を製造することである。ジョセフソン接合を「生じ」ないとは、設計で意図した機能通りに機能しない場合に機能不全であったと言われる。一部の例では、機能不全のジョセフソン接合は、例えば、回路内で短絡の機能を果たす。回路内で短絡として振る舞う機能不全のジョセフソン接合は、「機能不全となって短絡」したと言われる。他の例では、機能不全のジョセフソン接合は、例えば、回路内で開路の機能を果たし得る。回路内で開路として振る舞う機能不全のジョセフソン接合は、「機能不全となって開路」となったと言われる。
Oppenlander et al.において提示されたSQIFは、並列に接続された複数のアーム(例えば、アーム921〜925)を、各アームに単一のジョセフソン接合を備えて実装している。この設計の問題は、SQIFの単一のアーム内の単一のジョセフソン接合が機能不全で短絡する場合、電流リード全体に超伝導短絡があるため、装置全体が動作しないことである。一部の適用では、多くの(例えば、約10または100個の)アームを備えるSQIFを実装することを望ましいとし得る。それゆえ、Oppenlander et al.で提示されたSQIFの成功動作は、機能不全で短絡することのない多数のジョセフソン接合を生成可能である超伝導製造プロセスの実施に大きく依存している。
SQIFが、機能不全で開路となるジョセフソン接合を含む場合、SQIFは依然として実質的に意図した通りに(または少なくとも、有効な方法で)機能し得る。なぜなら、機能不全で開路となることは、単に装置の1つの超伝導ループを排除することであるためである。さらに、一部の製造プロセスでは、ジョセフソン接合の短絡となる機能不全の見込みは、ジョセフソン接合の開路となる機能不全の見込みよりも高くなり得る。これらの理由から、SQIFの製造の成功は、開路となる機能不全よりも短絡となる機能不全により強く依存し得る。
例えば、製造プロセスが、短絡となる機能不全の見込みfでジョセフソン接合を生成し、かつSQIFがM個のアームを有する場合、装置は、以下の歩留まりの見込みとなる:
Figure 0005584691
装置の製造では、一般に歩留まりの見込みが高いことが望ましい。例えば、歩留まりの見込み約P≧0.95を有することが望ましいとし得る。50個のアーム(すなわち、M=50)を有するSQIFの場合、歩留まりの見込み0.95には、ジョセフソン接合の短絡となる機能不全の見込み約0.001すなわち1000分の1が必然的に伴う。超伝導ジョセフソン接合の製造は複雑なプロセスであり、短絡となる機能不全の見込みを1000分の1よりも高くできることが一般的に望まれ得る。
本システム、方法および装置によれば、SQIFを、各アームにおいて直列の2つ以上のジョセフソン接合を含むことによって、短絡したジョセフソン接合に対してより堅固に製造できる。各アームにおいて直列に接続された複数の接合を有するSQIFを、本願明細書では「修正SQIF」と称する。修正SQIFが電流リードにおいて超伝導短絡によって機能不全となるために、少なくとも1つのアームにおける全ての直列に接続された接合は、短絡するために機能不全となる必要がある。例えば(短絡となる機能不全のみを考慮し、および開路となる機能不全を無視すると)、修正SQIFの歩留まりの見込みは、以下によって与えられ得る:
Figure 0005584691

式中、nは各アームにおける接合数である。50個のアーム(すなわち、M=50)およびアーム毎に2つの接合(すなわち、n=2)を有する修正SQIFには、必然的に、歩留まりの見込み
Figure 0005584691

を達成するために、約0.03(すなわち100分の3)の接合の短絡となる機能不全の見込みを伴うのみである。接合の短絡となる機能不全の見込み0.03は、接合の短絡となる機能不全の見込み0.001よりも超伝導製造施設において遥かに容易に達成可能である。それゆえ、各アームにおいて直列に接続された複数の接合のある修正SQIFは、各アームにおいて単一の接合のみを有するSQIFよりも遥かに生じやすいであろう。当業者には、パラメータM=50およびn=2は、本願明細書において一例を提供するためにのみ使用することを理解されたい。修正SQIFは、各アームに直列に接続された任意の数の接合n>1を有する任意の数のアームMを含み得る。
図10は、2つのノード1032と1034との間で、互いに並列に電気的に結合された5つのアーム1021〜1025を有する修正SQIF1000の実施形態の概略図である。アーム1021〜1025の隣接して連続する対が、4つの超伝導ループ1011〜1014を画成し、各アーム1021〜1025は、直列に接続された2つのジョセフソン接合1001、1002を含む(図面には2つのみ示す)。Nが5のアーム1021〜1025および各領域を取り囲むN−1が4の超伝導ループ1011〜1014を示すが、SQIF1000はそれよりも多数または少数のN個のアーム1021〜1025、従ってそれよりも多数または少数のN−1個の超伝導ループ1011〜1014を含み得る。上述のように、修正SQIF1000の製造はSQIF900の製造よりも、機能する装置を生じやすい傾向にあり得る。これは、修正SQIF1000が、短絡したジョセフソン接合に対してSQIF900よりも堅固であるためである。いずれかの単一の接合901〜905が機能不全で短絡する場合にSQIF900は短絡する一方、修正SQIF1000は、いずれかの特定のアーム1021〜1025における接合の双方が機能不全で短絡する場合のみに短絡する。例えば、修正SQIF1000のアーム1021は、両接合1001および1002が短絡する場合のみに短絡する。
修正SQIFの各アームにおいて直列に複数の接合を追加する欠点は、磁気測定の可視性を低下させ得ることである。SQIF磁気測定の可視性は、SQIFの最大臨界電流とその最小臨界電流との比と定義し得る。各アームにおいて複数の接合を含むことに起因する可視性の低下は、いずれかの所与のアームで実装される接合の相対的なパラメータに依存する。すなわち、可視性の低下は、パラメータ的に同一の接合が各アームにおいて使用されるときに最大となる。従って、修正SQIFにおいて特有の磁気測定の可視性の低下は、各アームにおいてパラメータ的に異なる接合を実装することによって減少し得る。例えば、修正SQIF1000における可視性の低下は、いずれかの所与のアーム1021〜1025における複数の接合1001、1002の各々が異なる臨界電流を確実に有するようにすることによって、減少し得る。例えば、アーム1021における接合1001および1002は、それぞれ異なる臨界電流を有し得る。
製造プロセスの接合の機能不全の見込み(例えば、短絡の機能不全の見込み、f)を決定するために、製造歩留まりをテストする診断装置を有することが有用である。本システム、方法および装置によれば、標準のSQIF(すなわち、各アームに単一の接合のみを有するSQIF)を、粗診断ツールとして使用して、製造プロセスの接合の機能不全の見込み(例えばf)を迅速にテストし得る。例えば、N個のアーム(すなわちN個の接合)をそれぞれ有する数iのSQIFを製造した後、短絡のテストを行う。N個の接合を有するSQIFに短絡がなく、かつN>N個の接合を有するSQIFに短絡がある場合、製造プロセスに対して接合の短絡となる機能不全の見込みfは、1/N〜1/Nの間のどこかにあるとし得る。
本願明細書で記載された種々の実施形態を組み合わせて、別の実施形態を提供し得る。例えば、SQIFを、例えばx方向、y方向、またはz方向のいずれかにおいて磁場を測定するためのオンチップSQUIDなどの、オンチップSQUIDとして用いてもよい。
本願明細書で記載された種々の実施形態では、オンチップSQUIDのレイアウトにとがった角を含むことを回避することを有利とし得る。とがった角は、より磁束のトラップの影響を受けやすく、それゆえ湾曲したまたは丸みを帯びた角が一般的に一部の実施形態では好ましい。
本システム、方法および装置の一部の態様は室温で実現でき、一部の態様は超伝導温度で実現できる。それゆえ、本明細書および添付の特許請求の範囲を通して、用語「超伝導」は、「超伝導閉電流路」などの物理的な構造を説明するために使用される場合、適切な温度で超伝導体として振る舞うことが可能な材料を指すものとして使用される。超伝導体は、必ずしも、本システム、方法および装置の全ての実施形態において常に超伝導体として機能するわけではない。
本願明細書で記載された種々の実施形態を、米国特許出願公開第2009−0168286号、PCT特許出願第2009−099972号、および米国特許出願公開第2009−0122508号に記載されるシステム、方法および装置のいずれかまたは全てと組み合わせてもよい。
当業者には、用語「平面的」は、本明細書および添付の特許請求の範囲を通して、厳密な意味で使用されているわけではなく、製造プロセスから生じるわずかな逸脱を許すために「実質的に平面的」と解釈すべきであり、その逸脱は、装置の機能を著しく変更するものではないことを理解されたい。
要約書で説明しているものを含めて、図示の実施形態の上述の説明は、包括的であることも、説明した正確な形態に実施形態を限定することも意図していない。例示のために特定の実施形態および例を本願明細書で記載したが、当業者に理解されるように、説明の趣旨および範囲から逸脱することなく様々な等価の修正をなすことができる。本願明細書で提示した種々の実施形態の教示は、必ずしも一般的に上述した量子計算の例示的なシステム、方法および装置ではなく、量子計算の他のシステム、方法および装置にも適用できる。
本明細書で参照したおよび/または出願データシートにリストした米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願および非特許文献は全て、限定はされないが2008年10月9日出願の米国仮特許出願第61/104,179号“Systems, Methods and Apparatus for Measuring Magnetic Fields”;2008年12月22日出願の米国仮特許出願第61/139,983号“Systems, Methods and Apparatus for Measuring Magnetic Fields”;米国特許第7,533,068号;米国特許出願公開第2008−0176750号;米国特許出願公開第2009−0121215号;PCT特許出願第PCT/US2009/037984号;米国特許出願公開第2009−0168286号;PCT特許出願第2009−099972;および米国特許出願公開第2009−0122508号を含めて、それらの全体を本願明細書に援用する。実施形態の態様を必要に応じて修正して、様々な特許、出願、文献のシステム、回路および概念を用いてさらに別の実施形態を提供できる。
これらのおよび他の変更は、上述の説明に照らして実施形態に対して行うことができる。概して、以下の特許請求の範囲では、使用される用語は、特許請求の範囲を、明細書および特許請求の範囲で説明した特定の実施形態に限定すると解釈されるべきではなく、そのような特許請求の範囲の権利範囲内にある全範囲の等価物とともに全ての可能な実施形態を含むと解釈されるべきである。従って、特許請求の範囲は説明によって限定されない。

Claims (7)

  1. システムを取り囲む局所環境に合わせて調整された補償磁場を確立する方法であって、
    前記システムを冷却するステップであって、前記システムが少なくとも1つの超伝導量子干渉素子(「SQUID」)を含み、かつ前記システムの冷却が、前記システムを前記少なくとも1つのSQUIDの臨界温度未満に冷却することを含むステップ;
    前記少なくとも1つのSQUIDを使用して前記局所環境において磁場を測定するステップ;
    前記局所環境の周囲に少なくとも部分的に巻き付けられている少なくとも1つの補償コイルに電流を供給するステップであって、前記電流が補償磁場を生成するステップ;
    前記少なくとも1つのSQUIDを使用して前記局所環境において前記補償磁場の効果を測定するステップ;
    制御可能なヒータを起動することによって、前記システムにおける少なくとも1つの超伝導構成部品の臨界温度超に前記システムの一部分を局所的に加熱し、それにより、前記システム内の前記少なくとも1つの超伝導構成部品によってトラップされた磁束を解放するステップ;
    前記システムを再冷却するステップ;
    前記少なくとも1つの補償コイルを流れる前記電流を調整することによって前記補償磁場を調整するステップ;および
    前記少なくとも1つのSQUIDを使用して前記補償磁場の調整の効果を測定するステップ
    を含む方法。
  2. 前記少なくとも1つの補償コイルを流れる前記電流を調整することが、コンピュータ化されたシステムを動作させて、前記少なくとも1つの補償コイルを流れる前記電流を調整することを含む、請求項に記載の方法。
  3. 前記少なくとも1つのSQUIDを使用して前記補償磁場の調整の効果を測定するステップが、前記コンピュータ化されたシステムを介して前記少なくとも1つのSQUIDを使用してなされた前記測定の読み出しを含む、請求項に記載の方法。
  4. 前記システムの一部分を局所的に加熱することが、局所的な制御可能なヒータを起動させることを含む、請求項に記載の方法。
  5. さらに、
    前記補償磁場の調整の所望の効果が得られるまで前記局所的な加熱、再冷却、調整、および測定を必要に応じて繰り返すこと
    を含む、請求項に記載の方法。
  6. さらに、
    少なくとも部分的に前記局所環境を取り囲む中空超伝導チューブの臨界温度未満に前記システムをさらに冷却して、前記超伝導チューブが、前記調整された補償磁場をトラップするようにすること
    を含む、請求項に記載の方法。
  7. さらに、
    前記少なくとも1つの補償コイルを流れる前記電流を停止すること
    含む、請求項に記載の方法。
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