JP7431740B2 - 超伝導伝送線路を共振器のアレイに結合するためのシステム及び方法 - Google Patents

超伝導伝送線路を共振器のアレイに結合するためのシステム及び方法 Download PDF

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Description

背景
技術分野
本開示は、概して、超伝導量子コンピュータ及び超伝導古典的コンピュータなどの超伝導デバイスのための入力及び/又は出力システム及び方法に関し、具体的にはデータを超伝導量子プロセッサに入力し、及び/又は超伝導量子プロセッサ内の量子ビットの状態を測定するためのシステム及び方法に関する。
周波数多重化共振(FMR)読み出し
超伝導マイクロ波共振器は、限定しないが、量子計算及び天文学を含む多様な分野において使用されてきた。例えば、量子計算では、超伝導共振器が量子ビットの状態を検出するために使用されてきた。天文学では、超伝導マイクロ波共振器がマイクロ波運動インダクタンス検出器(MKID)において使用されてきた。いずれの場合にも、多くの共振器(検出器として使用されるか又は検出器内で使用される)が共通伝送線路に結合され、且つ周波数領域多重化を介して一体化され得る。周波数領域多重化(FDM)は、通信帯域が多くの非重畳副帯域に分割され、且つ各副帯域が別個の信号を運ぶために使用される技術である。
FMR技術を使用することにより、様々な共振周波数の超伝導共振器が複数量子ビットの読み出しに使用され得る。同共振器は、周波数領域多重化を使用することにより、共通マイクロ波伝送線路を共有し得る。
概要
周波数多重化共振器(FMR)技術は、多くの単一の磁束量子を同時に読み出すために使用され得、超伝導量子計算と超伝導古典的計算との両方における用途を有する。FMR技術は、データを(例えば、量子磁束パラメトロン(QFP)デバイスを介して)超伝導量子プロセッサに入力する際の用途も有し得る。FMR技術は、例えば、スケーリング可能入力/出力技術を提供し得る。
本出願において説明されるシステム及び方法は、a)高速読み出しを行うために超伝導伝送線路に強結合された超伝導シャント結合共振器のアレイの使用と、b)超伝導シャント結合共振器の近傍において発生し得る伝送線路インピーダンス変動を少なくとも部分的に補償する手法とを含むFMR技術の態様に関する。
超伝導回路は、少なくとも1つの伝送線路インダクタンスを含む伝送線路;超伝導共振器;超伝導共振器を伝送線路に通信可能に結合する結合容量を含むものとして要約され得る。超伝導共振器は、超伝導経路を介して伝送線路と第1のノードとの間に結合されるシャント容量;超伝導経路を介して伝送線路と第1のノードとの間に結合される共振器インダクタンスであって、超伝導共振器のシャント容量と並列である共振器インダクタンス;超伝導経路を介して共振器インダクタンスと第1のノードとの間に結合される第1のDC超伝導量子干渉デバイス(SQUID)であって、超伝導共振器のシャント容量と並列であり、且つ超伝導共振器の共振器インダクタンスと直列である第1のDC超伝導量子干渉デバイス(SQUID);及び超伝導経路を介して第1のDC SQUIDと第1のノードとの間に結合される第2のDC超伝導量子干渉デバイス(SQUID)であって、超伝導共振器のシャント容量と並列であり、且つ超伝導共振器の共振器インダクタンスと直列であり、且つ超伝導共振器の第1のDC SQUIDと直列である第2のDC超伝導量子干渉デバイス(SQUID)を含み得る。
超伝導回路は、第1の磁束バイアスを第1のDC SQUIDに印可するように動作可能な第1のインターフェースと、第2の磁束バイアスを第2のDC SQUIDに印可するように動作可能な第2のインターフェースとをさらに含み得る。シャント容量の値は、結合容量の値より少なくとも1桁大きいように選択され得る。第1のノードは、超伝導経路を介してアースに電気的に結合され得る。少なくとも1つの伝送線路インダクタンスの値は、超伝導共振器と伝送線路との間の結合強度の変動を少なくとも部分的に補償するように選択され得る。少なくとも1つの伝送線路インダクタンスは、超伝導共振器の上流の第1のインダクタンス;及び超伝導共振器の下流の第2のインダクタンスを含み得る。伝送線路は、第1のインダクタンス及び第2のインダクタンスを含む中心線路を含み得る。第1のインダクタンス及び第2のインダクタンスの少なくとも1つは、集中素子インダクタンスであり得る。第1のインダクタンス及び第2のインダクタンスの少なくとも1つは、運動インダクタンスであり得る。第1のインダクタンス及び第2のインダクタンスの少なくとも1つの値は、超伝導共振器と伝送線路との間の結合強度の変動を少なくとも部分的に補償するように選択され得る。
伝送線路は、伝送線路インダクタンスを含む中心線路を含み得る。伝送線路インダクタンスは、集中素子インダクタンスであり得る。伝送線路インダクタンスは、運動インダクタンスであり得る。超伝導共振器は、伝送線路に強結合され得る。伝送線路は、同軸伝送線路であり得る。伝送線路は、コプラナ導波管であり得る。超伝導回路は、量子デバイスからデータを読み出すように動作可能であり得る。超伝導回路は、データを量子デバイス内にロードするように動作可能であり得る。伝送線路インダクタンスは、超伝導共振器に近接し得る。
超伝導回路は、シフトレジスタ段;及び磁束バイアスをシフトレジスタ段に印加するように動作可能なインターフェースをさらに含み得る。超伝導共振器は、超伝導共振器のアレイ内の複数の超伝導共振器の1つであり得、複数の超伝導共振器のそれぞれは、伝送線路に結合される。伝送線路は、マイクロ波伝送線路であり得、及び超伝導共振器は、マイクロ波超伝導共振器である。
超伝導回路の組み立ての方法は、ある長さを有する伝送線路を提供すること;超伝導共振器を提供すること;結合容量を介して超伝導共振器を伝送線路に通信可能に結合すること;及び少なくとも1つの伝送線路インダクタンスを伝送線路内に導入することを含み、少なくとも1つの伝送線路インダクタンスの値は、伝送線路の特性インピーダンスの変動を少なくとも部分的に補償するように選択され、この変動は、結合容量によって少なくとも部分的に引き起こされるものとして要約され得る。
超伝導共振器を提供することは、超伝導経路を介して伝送線路と第1のノードとの間に結合されるシャント容量を提供すること;超伝導経路を介して伝送線路と第1のノードとの間に結合される共振器インダクタンスであって、超伝導共振器のシャント容量と並列である共振器インダクタンスを提供すること;超伝導経路を介して共振器インダクタンスと第1のノードとの間に結合される第1のDC超伝導量子干渉デバイス(SQUID)であって、超伝導共振器のシャント容量と並列であり、且つ超伝導共振器の共振器インダクタンスと直列である第1のDC超伝導量子干渉デバイス(SQUID)を提供すること;及び超伝導経路を介して第1のDC SQUIDと第1のノードとの間に結合される第2のDC超伝導量子干渉デバイス(SQUID)であって、超伝導共振器のシャント容量と並列であり、且つ超伝導共振器の共振器インダクタンスと直列であり、且つ超伝導共振器の第1のDC SQUIDと直列である第2のDC超伝導量子干渉デバイス(SQUID)を提供することを含み得る。シャント容量を提供することは、シャント容量の値を、結合容量の値より少なくとも1桁大きいように選択することを含み得る。超伝導経路を介して伝送線路と第1のノードとの間に結合されるシャント容量を提供することは、超伝導経路を介して第1のノードをアースに電気的に結合することを含み得る。
少なくとも1つの伝送線路インダクタンスを伝送線路内に導入することは、少なくとも1つの伝送線路インダクタンスの値を、超伝導共振器と伝送線路との間の結合強度の変動を少なくとも部分的に補償するように選択することを含み得る。少なくとも1つの伝送線路インダクタンスを導入することは、超伝導共振器の上流に第1のインダクタンスを導入すること;及び超伝導共振器の下流に第2のインダクタンスを導入することを含み得る。ある長さを有する伝送線路を提供することは、第1のインダクタンス及び第2のインダクタンスを含む中心線路を含む伝送線路を提供することを含み得る。第1のインダクタンス及び第2のインダクタンスの少なくとも1つを導入することは、集中素子インダクタンスを導入することを含み得る。第1のインダクタンス及び第2のインダクタンスの少なくとも1つを導入することは、運動インダクタンスを導入することを含み得る。第1のインダクタンス及び第2のインダクタンスの少なくとも1つを導入することは、第1のインダクタンス及び第2のインダクタンスの少なくとも1つの値を、超伝導共振器と伝送線路との間の結合強度の変動を少なくとも部分的に補償するように選択することを含み得る。ある長さを有する伝送線路を提供することは、伝送線路インダクタンスを含む中心線路を含む伝送線路を提供することを含み得る。少なくとも1つの伝送線路インダクタンスを伝送線路内に導入することは、集中素子インダクタンスを導入することを含み得る。少なくとも1つの伝送線路インダクタンスを伝送線路内に導入することは、運動インダクタンスを導入することを含み得る。結合容量を介して超伝導共振器を伝送線路に通信可能に結合することは、結合容量を介して超伝導共振器と伝送線路との間に強い通信可能結合を提供することを含み得る。ある長さを有する伝送線路を提供することは、同軸伝送線路を提供することを含み得る。ある長さを有する伝送線路を提供することは、コプラナ導波管を提供することを含み得る。
本方法は、超伝導回路を量子デバイスに通信可能に結合することをさらに含み得、超伝導回路は、量子デバイスからデータを読み出すように動作可能である。
本方法は、超伝導回路を量子デバイスに通信可能に結合することをさらに含み得、超伝導回路は、データを量子デバイス内にロードするように動作可能である。
少なくとも1つの伝送線路インダクタンスを導入することは、超伝導共振器に近接した少なくとも1つの伝送線路インダクタンスを導入することを含み得る。
超伝導共振器を提供することは、第1の磁束バイアスを第1のDC SQUIDに印可するように動作可能な第1のインターフェースと、第2の磁束バイアスを第2のDC SQUIDに印可するように動作可能な第2のインターフェースとを提供することをさらに含み得る。
本方法は、シフトレジスタ段を提供すること;及び磁束バイアスをシフトレジスタ段に印加するように動作可能なインターフェースを提供することをさらに含み得る。超伝導共振器を提供することは、超伝導共振器のアレイ内の複数の超伝導共振器の1つを提供することを含み得、複数の超伝導共振器のそれぞれは、伝送線路に結合される。ある長さを有する伝送線路を提供することは、マイクロ波伝送線路を提供することを含み得、及び超伝導共振器を提供することは、マイクロ波超伝導共振器を提供することを含む。
超伝導回路の組み立ての方法は、ある長さを有する伝送線路を提供すること;超伝導共振器を提供すること;及び結合容量を介して超伝導共振器を伝送線路に通信可能に結合することを含み、結合容量を介して超伝導共振器を伝送線路に通信可能に結合することは、伝送線路の長さに沿って結合容量を分散させることを含むものとして要約され得る。伝送線路の長さに沿って結合容量を分散させることは、単位長さ当たりの結合容量の測度を少なくとも低減するように結合容量を分散させることを含み得る。伝送線路の長さに沿って結合容量を分散させることは、伝送線路の特性インピーダンスの変動を少なくとも低減するように結合容量を分散させることを含み得、この変動は、結合容量によって少なくとも部分的に引き起こされる。結合容量を介して超伝導共振器を伝送線路に通信可能に結合することは、結合容量を介して超伝導共振器と伝送線路との間に強い通信可能結合を提供することを含み得る。
超伝導共振器を提供することは、超伝導経路を介して伝送線路と第1のノードとの間に結合されるシャント容量を提供すること;超伝導経路を介して伝送線路と第1のノードとの間に結合される共振器インダクタンスであって、超伝導共振器のシャント容量と並列である共振器インダクタンスを提供すること;超伝導経路を介して共振器インダクタンスと第1のノードとの間に結合される第1のDC超伝導量子干渉デバイス(SQUID)であって、超伝導共振器のシャント容量と並列であり、且つ超伝導共振器の共振器インダクタンスと直列である第1のDC超伝導量子干渉デバイス(SQUID)を提供すること;及び超伝導経路を介して第1のDC SQUIDと第1のノードとの間に結合される第2のDC超伝導量子干渉デバイス(SQUID)であって、超伝導共振器のシャント容量と並列であり、且つ超伝導共振器の共振器インダクタンスと直列であり、且つ超伝導共振器の第1のDC SQUIDと直列である第2のDC超伝導量子干渉デバイス(SQUID)を提供することを含み得る。シャント容量を提供することは、シャント容量の値を、結合容量の値より少なくとも1桁大きいように選択することを含み得る。ある長さを有する伝送線路を提供することは、同軸伝送線路を提供することを含み得る。ある長さを有する伝送線路を提供することは、コプラナ導波管を提供することを含み得る。
本方法は、超伝導回路を量子デバイスに通信可能に結合することをさらに含み得、超伝導回路は、量子デバイスからデータを読み出すように動作可能である。
本方法は、超伝導回路を量子デバイスに通信可能に結合することをさらに含み得、超伝導回路は、データを量子デバイス内にロードするように動作可能である。
超伝導回路は、少なくとも1つの伝送線路容量を含む伝送線路;超伝導共振器;超伝導共振器を伝送線路に誘導的に通信可能に結合する結合インダクタンスを含むものとして要約され得る。
超伝導共振器は、超伝導材料のループを含み得、超伝導材料のループは、伝送線路と第1のDC超伝導量子干渉デバイス(SQUID)との間に結合される第1の共振器インダクタンス;第1のDC SQUIDと共振器容量との間に結合される第2のDC超伝導量子干渉デバイス(SQUID);及び共振器容量と伝送線路との間に結合される第2の共振器インダクタンスを含む。
超伝導回路は、第1の磁束バイアスを第1のDC SQUIDに印可するように動作可能な第1のインターフェースと、第2の磁束バイアスを第2のDC SQUIDに印可するように動作可能な第2のインターフェースとをさらに含み得る。少なくとも1つの伝送線路容量の値は、超伝導共振器と伝送線路との間の結合強度の変動を少なくとも部分的に補償するように選択され得る。少なくとも1つの伝送線路容量は、超伝導共振器の上流の第1の容量;及び超伝導共振器の下流の第2の容量を含み得る。第1の容量及び第2の容量の少なくとも1つの値は、超伝導共振器と伝送線路との間の結合強度の変動を少なくとも部分的に補償するように選択され得る。超伝導共振器を伝送線路に誘導的に通信可能に結合する結合インダクタンスは、運動インダクタンスであり得る。超伝導共振器は、伝送線路に強結合され得る。伝送線路は、同軸伝送線路であり得る。伝送線路は、コプラナ導波管であり得る。超伝導回路は、量子デバイスからデータを読み出すように動作可能であり得る。超伝導回路は、データを量子デバイス内にロードするように動作可能であり得る。伝送線路容量は、超伝導共振器に近接し得る。
超伝導回路は、シフトレジスタ段;及び磁束バイアスをシフトレジスタ段に印加するように動作可能なインターフェースをさらに含み得る。超伝導共振器は、超伝導共振器のアレイ内の複数の超伝導共振器の1つであり得、複数の超伝導共振器のそれぞれは、伝送線路に結合される。伝送線路は、マイクロ波伝送線路であり得、及び超伝導共振器は、マイクロ波超伝導共振器である。
図面のいくつかの図の簡単な説明
添付図面では、同一の参照符号は、同様の素子又は行為を識別する。添付図面における素子の寸法及び相対位置は、必ずしも原寸に比例して描かれていない。例えば、様々な素子の形状及び角度は、必ずしも原寸に比例して描かれておらず、これらの素子のいくつかは、図面の読み易さを改善するために任意に拡大及び配置される。さらに、描かれた素子の特定の形状は、特定の素子の実際の形状に関するいかなる情報も伝えるように必ずしも意図されておらず、添付図面における認識の容易さのために専ら選択されている。
共振器周波数をチューニングすることができる超伝導共振器を含む超伝導回路の例示的実施形態を示す概略図である。 共振器周波数をチューニングすることができる超伝導共振器を含む超伝導回路の例示的実施形態を示す概略図である。 共振器周波数と感度とを独立にチューニングすることができる2つのSQUIDループを有する超伝導共振器を含む超伝導回路の第1の例示的実施形態を示す概略図である。 共振器周波数と感度とを独立にチューニングすることができる2つのSQUIDループを有する超伝導共振器を含む超伝導回路の第2の例示的実施形態を示す概略図である。 超伝導回路の読み出しシステムの例示的実施形態を示す概略図である。 本明細書に説明されるFMR技術を取り込み得るデジタルコンピュータ及び量子コンピュータを含む例示的ハイブリッドコンピュータシステムの概略図である。 超伝導量子プロセッサの例示的実施形態における超伝導共振器の第1の配置を示す概略図である。 超伝導量子プロセッサの例示的実施形態における超伝導共振器の第2の配置を示す概略図である。 本開示によるシャント結合共振器の第1の例示的超伝導回路を示す概略回路図である。 本開示によるシャント結合共振器の第2の例示的超伝導回路を示す概略回路図である。 本開示による誘導結合共振器の第1の例示的超伝導回路を示す概略回路図である。 本開示による誘導結合共振器の第2の例示的超伝導回路を示す概略回路図である。
詳細な説明
用語集
量子ビット(qubit):量子ビット(本出願では量子ビット(quantum bit)としても参照される)は、量子情報の基本単位であり、2状態デバイスにより物理的に実現され得る古典的2進ビットの量子バージョンである。量子ビットは、2状態量子力学システムである。量子ビットは、情報が格納される実際の物理的デバイスも指す。例えば、超伝導量子ビットは、超伝導集積回路内に含まれ得るタイプの超伝導デバイスである。超伝導量子ビットは、例えば、電荷ベース又は磁束ベース量子ビットの形式を取り得る。
超伝導デバイス:超伝導デバイスは、超伝導材料の特性(例えば、超伝導材料に固有な臨界温度未満に冷却される際の零電気抵抗と磁束の排除)を利用する電子デバイスである。
マイクロ波伝送線路:マイクロ波伝送線路は、交流のマイクロ波周波数を運ぶように動作可能な1つ又は複数の導体を含むケーブル又は他の構造である。
SQUID(超伝導量子干渉デバイス):SQUIDは、1つ又は複数のジョセフソン接合を含む超伝導ループを含む超伝導デバイスである。SQUIDは、非常に低い磁場を測定することができる磁力計として使用され得る。DC SQUIDは、並列に接続された2つのジョセフソン接合を有する。RF-SQUIDは、単一のジョセフソン接合を含む超伝導ループを有する。
集中素子設計:集中素子設計では、空間的に分散された物理的システムは、いくつかの仮定下の同分散システムの挙動を近似する離散的エンティティのトポロジーとして記述される。このシステムは、例えば、電気及び電子システムにおいて有用である。
シフトレジスタ:シフトレジスタは、データを格納及び/又は転送するように動作可能な順序論理である。
量子磁束パラメトロン(QFP):QFPは、少なくとも1つの超伝導ジョセフソン接合と、振動が2進数を表すようにされ得る共振回路とを含む論理回路である。その設計は、量子原理を利用するが、QFPは、量子計算技術よりむしろ古典的計算技術の素子である。
ハイブリッドコンピュータ:ハイブリッドコンピュータは、少なくとも1つのデジタルプロセッサと少なくとも1つのアナログプロセッサ(例えば、量子プロセッサ)とを含むシステムである。
リプル:リプルは、信号の少なくともほぼ周期的な変動である。伝送線路上において、例えば、リプルは、定在波の生成に至るインピーダンス不整合により引き起こされ得る。
ジョセフソン接合:ジョセフソン接合は、材料に固有な臨界温度以下で超伝導し得る材料の2つの電極と、これらの電極を分離する薄い絶縁隔壁とを含むデバイスである。
弱連結ジョセフソン接合:弱連結ジョセフソン接合は、超伝導干渉長の程度の寸法を有する金属くびれ部が2つの超伝導電極を橋渡しするタイプのジョセフソン接合である。弱連結ジョセフソン接合は、インダクタンスとして挙動し得る。
磁束デジタル/アナログ変換器(DAC):磁束DACは、デジタル信号の磁束量子表現が確立され、アナログ超伝導電流に変換され、別のデバイス(例えば、プログラマブルデバイス)に与えられ得る超伝導デバイスである。
序文
以下の説明では、様々な開示される実施形態を詳細に理解するためにいくつかの具体的な詳細が含まれる。しかしながら、当業者は、実施形態が、これらの特定の詳細の1つ又は複数の詳細なしに又は他の方法、部品、材料等により実行され得ることを認識することになる。他の例では、超伝導回路又は共振器に関連する周知の構造は、本方法の実施形態の説明を不必要に曖昧にしないように図示又は説明されていない。本明細書及び添付の特許請求の範囲を通じて、用語「1つの素子」及び「複数の素子」は、限定するものではないが、超伝導回路及び共振器に関連するすべてのこのような構造、システム及びデバイスを包含するように使用される。
文脈が必要としない限り、以下の本明細書及び特許請求の範囲を通じて、用語「含む」は、「包含する」と同義であり、包括的又は開放的である(すなわち追加、非列挙素子又は行為を排除しない)。
本明細書全体にわたる「一実施形態」、「実施形態」、「別の実施形態」、「一例」、「例」、「別の例」、「1つの実施」、「別の実施」などへの参照は、その実施形態、例又は実施に関して説明された特定の基準特徴、構造又は特性が少なくとも1つの実施形態、例又は実施に含まれることを意味する。したがって、本明細書の全体にわたる様々な箇所における語句「一実施形態では」、又は「実施形態では」、又は「別の実施形態」などの出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態、例又は実施を指すとは限らない。さらに、特定の特徴、構造又は特性は、1つ又は複数の実施形態、例又は実施において任意の好適な方法で組み合わされ得る。
本明細書と添付特許請求の範囲において使用されるように、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その」は、その内容が明記しない限り、複数の参照物を含むことに留意されたい。したがって、例えば、「超伝導共振器」を含む読み出しシステムへの参照は、単一の超伝導共振器又は2つ以上の超伝導共振器を含む。用語「又は」は、その内容が別途明確に規定しない限り、「及び/又は」を含む意味で概して採用されることにも留意すべきである。
本明細書に記載されるサブタイトルは、便宜のためのみのものであり、実施形態の範囲又は意味を解釈しない。
単一のSQUID超伝導共振器
図1Aは、少なくとも1つの第1の例示的実施形態による超伝導共振器102を含む超伝導回路100aを示す。超伝導共振器102は、ディスクリートコンデンサ及びインダクタの形式をそれぞれ取っても取らなくてもよい容量104及びインダクタンス106を含む。
超伝導共振器102は、単一のSQUIDループ108をさらに含む。SQUIDループ108は、DC SQUIDであり、且つ超伝導ループを形成するために互いに平行なジョセフソン接合108-1及び108-2の対を含む。SQUIDループ108は、SQUID磁束バイアスを調整することにより、超伝導共振器102の共振周波数のチューニングを可能にする。
超伝導共振器102の共振周波数ωは、LC回路の以下の関係式により判断され得る。

ここで、Cは、容量104の値であり、Lは、幾何学的インダクタンス106と、SQUIDループ108内のジョセフソン接合108-1、108-2からのジョセフソンインダクタンスの並列和との合計である。
容量C及び/又はインダクタンスLの小さい揺らぎは、以下のように共振周波数の僅かな周波数摂動を生じ得る。
一実施形態では、超伝導共振器102は、分散共振器である。他の実施形態では、超伝導共振器102は、集中素子設計である。集中素子設計は、有利には、1オクターブより高い帯域を提供し得、超伝導共振器102の電界の広がりを低減又は最小化し得る。超伝導共振器102の損失正接は、超伝導共振器102の電界に曝される損失性誘電体の容積に依存し得るため、集中素子設計を使用することが有益であり得る。
集中素子設計では、容量104は、1つ又は複数のコンデンサを使用して実現され得る。コンデンサは、集積化コンデンサ及び/又は平行板コンデンサであり得る。一実施形態では、容量104は、平行板コンデンサを使用して実現される。一例では、平行板コンデンサの容量は、約2pFである。
集中素子設計では、インダクタンス106は、1つ又は複数のインダクタを使用して実現され得る。一実施形態では、インダクタンス106は、ニオブスパイラルインダクタを使用して実現される。一例では、スパイラルインダクタの幾何学的インダクタンスは、約1nHである。別の実施形態では、インダクタンス106は、高い運動インダクタンス材料(例えば、窒化チタン(TiN)又は珪化タングステン(WSi))を含むスパイラルインダクタを使用して実現される。
エネルギーは、AC周波数で駆動される導体内に電荷担体の運動エネルギーで蓄積され得、及び蓄積された運動エネルギーは、導体の運動インダクタンスに関連し得る。全インダクタンスは、幾何学的インダクタンスと運動インダクタンスとの和であり得る。運動インダクタンスは、常伝導(非超伝導)金属では無視され得る。超伝導体(TiN又はWSiなど)の運動インダクタンスは、全インダクタンスに著しい寄与をし得る。
超伝導ペアの慣性に蓄積されたエネルギーは、運動インダクタンスに寄与し得る。超伝導共振器102内の全インダクタンスは、幾何学的インダクタンスと、運動インダクタンスと、SQUIDループ108のインダクタンスとの和であり得る。
回路100aは、伝送線路110、結合容量112及び最後のシフトレジスタ段114(本出願では最終シフトレジスタ段としても参照される)をさらに含む。最後のシフトレジスタ段114は、インダクタンス116、118、SQUIDループ120及びインターフェース122を含む。最後のシフトレジスタ段114は、例えば、量子磁束パラメトロン(QFP)の形式を取り得る。最後のシフトレジスタ段114は、1つ又は複数の段を含むシフトレジスタの終点である。最後のシフトレジスタ段114は、超伝導デバイスの状態を読み出す目的のために超伝導共振器102に通信可能に結合され得る段である。一実施形態では、超伝導共振器102は、磁束シフトレジスタに通信可能に結合され、磁束シフトレジスタは、したがって、磁束量子ビットに通信可能に結合される。
量子磁束パラメトロン(QFP)は、シャントされたDC SQUIDに構造が類似している超伝導ジョセフソン接合素子である。本出願では、用語「量子磁束パラメトロン」は、超伝導ジョセフソン接合デバイスの動作及び構造の両方を指し得る。
インターフェース124は、磁束バイアスをSQUIDループ108に提供し得、例えば磁束デジタル/アナログ変換器(DAC)(図1に示さず)又はアナログ線により制御され得る。磁束DACを使用することで超伝導回路100aへの低周波アナログ制御線の数を低減し得る。本出願では、磁束DACは、特殊超伝導デバイスであり、例えば読み出しシステム300における図3のDAC310a、310bと異なる。磁束DACのより詳細な説明は、例えば、米国特許第8,786,476号、SYSTEMS, METHODS AND APPARATUS FOR DIGITAL-TO-ANALOG CONVERSION OF SUPERCONDUCTING MAGNETIC FLUX SIGNALSに見出され得る。
超伝導共振器102は、結合容量112を介して伝送線路110に結合され得る。一実施形態では、容量112は、ディスクリートコンデンサを含む。伝送線路110は、1つ又は複数の他の超伝導共振器(図1に示さず)に任意選択的に結合され得る。1つ又は複数の他の超伝導共振器は、超伝導共振器のアレイに属し得る。
超伝導共振器102は、ノード126においてアースに接続される。
超伝導回路100aは、磁束バイアスを最後のシフトレジスタ段114に印加するように動作可能なインターフェース128を任意選択的に含み得、超伝導回路100aは、超伝導送受信器回路として操作され得る。最後のシフトレジスタ段114は、例えば、QFPを含み得、且つ超伝導デバイスの状態(例えば、超伝導量子ビット)を読み出し、及び/又はデータを超伝導デバイス内にロードする目的のために超伝導共振器102に通信可能に結合され得る。
単一のSQUIDループ108を含む超伝導共振器102は、超伝導共振器102の共振周波数と感度とを独立にチューニングすることを可能にしない。共振器周波数と感度とが好適な動作点を提供するために独立に調整され得る超伝導共振器を有することが望ましいことがあり得る。例えば、共振周波数と感度との独立調整は、図1の超伝導回路100aなどの超伝導回路の製作中に発生する変動から生じる振動数シフトを補償するために使用され得る。
図1Bは、少なくとも1つの第1の例示的実施形態による超伝導共振器102及びチューニング可能結合器130を含む超伝導回路100bを示す。超伝導回路100bは、超伝導回路100aと少なくともいくつかの点で類似しており、同様であるか又はさらに同一である構造は、図1Aにおいて使用されるものと同じ参照番号を使用することにより図1Bにおいて識別される。重要な相違点のいくつかのみが以下に説明される。
超伝導回路100bは、DC SQUID108と最後のシフトレジスタ段114との間の誘導性通信可能結合を提供するためにチューニング可能結合器130を含む。チューニング可能結合器130により、超伝導回路100bは、チューニング可能結合器による超伝導共振器102の可変負荷が考慮されれば、QFP磁束に対する共振周波数と感度との独立チューニングを可能にし得る。一実施形態では、チューニング可能結合器130は、2つのインダクタンス132、134、DC SQUID136及びインターフェース138、140を含む。
2つのSQUIDループ有する超伝導共振器
図2Aは、共振器周波数と感度とを独立にチューニングすることができる2つのSQUIDループを有する超伝導共振器202aを含む、少なくとも1つの実施形態による超伝導回路200aを示す。超伝導共振器202aは、2つのSQUIDループ204a、204bを含む。SQUIDループ204a、204bのそれぞれは、DC SQUIDであり、超伝導ループを形成するために互いに平行なジョセフソン接合の対を含む。SQUIDループ204a、204bは、有利には、PCT特許出願国際公開第2016US31885号(国際公開第2016183213A1号として発行された)に記載のように、SQUIDループ204a、204b内の磁束バイアスを調整することにより、超伝導共振器202aの共振周波数と感度との独立チューニングを可能にする。
図1A、1Bの超伝導回路100a、100bにおけるものと同じ参照符号により標識付けされた超伝導回路200aの部品は、図1A、1Bを参照して説明したものと同様であるか又はさらに同一である。
インターフェース206a、206bは、磁束バイアスをSQUIDループ204a、204bのそれぞれに提供し得る。好適な動作点が見出されると(下記を参照されたい)、インターフェース206a、206bにより提供される磁束バイアスは、静的であり得る。これは、有利には、プログラムするために2~3つのワイヤのみを必要とするDACのアレイを超伝導回路200aが使用することを可能にする。2つのチューニング可能SQUIDループ204a、204bは、超伝導共振器202a毎の独立したアナログ制御線を必要としない。
超伝導共振器202aは、ノード208においてアース(例えば、伝送線路110のアース210)に接続される。
超伝導回路200aは、任意選択的に、磁束バイアスを最後のシフトレジスタ段114(本出願では最終シフトレジスタ段としても参照される)に印加するように動作可能なインターフェース128を含み得、且つ超伝導送受信器回路として操作され得る。最後のシフトレジスタ段114は、例えば、QFPを含み得、且つ超伝導デバイスの状態(例えば、超伝導量子ビット)を読み出し、及び/又はデータを超伝導デバイス内にロードする目的のために超伝導共振器202aに通信可能に結合され得る。
図2Bは、共振器周波数と感度とを独立にチューニングすることができる2つのSQUIDループ204a、204bを有する超伝導共振器を含む超伝導回路200bの第2の例示的実施形態を示す概略図である。
超伝導共振器202bは、2つのSQUIDループ204a、204bを含む。SQUIDループ204a、204bのそれぞれは、DC SQUIDであり、超伝導ループ内で平行なジョセフソン接合の対を含む。図2BのSQUIDループ204bは、インダクタンス212a、212b、212c、212d(212として総称される)をさらに含む。
SQUIDループ204a、204bは、PCT特許出願国際公開第2016US31885号(国際公開第2016183213A1号として発行された)に記載のように、SQUIDループ204a、204b内の磁束バイアスを調整することにより、超伝導共振器202bの共振周波数と感度との独立チューニングを可能にする。
SQUIDループ204bは、DC SQUID216及びインダクタンス218を含む最後のシフトレジスタ段214(本出願では最終シフトレジスタとしても参照される)に電気化学的に結合される。
インターフェース220、222は、磁束バイアスをDC SQUID216、224のそれぞれに提供し得る。インターフェース206a、206bは、磁束バイアスをSQUIDループ204a、204bのそれぞれに提供し得る。超伝導共振器202bは、直接的に又は任意選択的結合コンデンサ226を介するかのいずれかによりノード208においてアース(例えば、伝送線路110のアース210)に接続される。
超伝導回路200bは、磁束バイアスを最後のシフトレジスタ段214に印加するように動作可能なインターフェース128を任意選択的に含み得、且つ超伝導送受信器回路として操作され得る。最後のシフトレジスタ段214は、例えば、QFPを含み得、且つ超伝導デバイスの状態(例えば、超伝導量子ビット)を読み出し、及び/又はデータを超伝導デバイス内にロードする目的のために超伝導共振器202bに通信可能に結合され得る。
図1Aの超伝導回路100a及び図1Bの超伝導回路100bにおけるものと同じ参照符号により標識付けされた超伝導回路200bの部品は、図1A、1Bを参照して説明したものと同様であるか又はさらに同一である。図2Aの超伝導回路200aにおけるものと同じ参照符号により標識付けされた超伝導回路200bの部品は、図2Aを参照して説明したものと同様であるか又はさらに同一である。
例示的読み出しシステム
図3は、少なくとも1つの例示的実施形態による超伝導回路302の読み出しシステム300を示す。図示された実施形態では、超伝導回路302は、図2Aの超伝導共振器202aなどの1つ又は複数の超伝導共振器(図3に示さず)を含む。図示された実施形態では、超伝導回路302は、超伝導量子プロセッサを含む。他の実施形態では、超伝導回路302は、超伝導古典的プロセッサを含む。他の実施形態では、超伝導回路302は、超伝導デバイスを含む。
読み出しシステム300は、デジタルボード304及びマイクロ波ボード306を含む。デジタルボード304は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)308、2つのデジタルアナログ変換器(DAC)310a、310b及び2つのアナログデジタル変換器(ADC)312a、312bを含む。他の実施形態では、デジタルボード304は、2つのFPGA(1つは、出力をDAC310a、310bに提供し、及び他方は、出力をADC312a、312bに提供する)を含む。一実施形態では、DAC310a、310bのそれぞれは、最大約5.6Gsps(ギガサンプル/秒)で動作するデュアルチャネル14ビットDACを含み得る。ADC312a、312bは、マルチチャネルデバイス(例えば、最大約2.5Gspsにおいてデュアルチャネルモードで動作することができるクワッドチャネル10ビットADC)を使用することにより実現され得る。
読み出しシステム300は、有利には、周波数多重化読み出し(FMR)スペクトルの2つの側波帯の独立アドレシングを可能にする。複素受信信号は、以下の式により与えられる。
x(n)=I(n)+jQ(n) (3)
ここで、I(n)は、ADC312aの出力であり、Q(n)は、ADC312bの出力である。
FMRスペクトルは、k∈0,1,2,3,...,N-1について、以下の式のように計算される。
正弦関数の引き数内の第2項は、τに依存し、2つのミキサチャネル間の位相不平衡(ミキサのアナログ性質から生じる)を補償するために使用され得る。
デジタルボード304は、2つのループバック線314a、314bと同期/クロック接続部316とをさらに含む。ループバック線314aは、DAC310aの出力をADC312aの入力に接続する。ループバック線314bは、DAC310bの出力をADC312bの入力に接続する。
マイクロ波サブシステム又はマイクロ波ボード306は、ループバック線316をさらに含む。ループバック線316は、超伝導回路302を数mK程も低い温度に冷却するために使用される極低温サブシステム(図3に示さず)に入力及び出力を接続する。
デジタルボード304上のループバック線314a、314b及びマイクロ波ボード306上のループバック線316は、任意選択的であり、読み出しシステム300の他の素子をバイパスするために必要とされる場合に使用される。
読み出しシステム300は、2つの復元フィルタ318a、318b及び2つのアンチエイリアスフィルタ320a、320bをさらに含む。復元フィルタ318a、318bは、デジタル入力から帯域制限アナログ信号を生成するために使用され得る低域通過アナログフィルタである。アンチエイリアスフィルタ320a、320bは、その帯域にわたって標本化定理を満たすか又はほぼ満たすために受信信号を帯域制限するために使用され得る低域通過アナログフィルタである。
マイクロ波ボード306は、基準マイクロ波信号を提供する電圧制御発振器(VCO)/位相ロックループ(PLL)322、ミキサ324、326及びプログラム可能減衰器328を含む。マイクロ波ボード306は、増幅器330、332、334、336をさらに含む。増幅器330、332、334、336は、超伝導回路302から受信される信号上のレベル制御を提供するために使用され得る。マイクロ波ボード306は、デジタルボード304上のFPGA308からの信号により制御されるマイクロ波スイッチ338をさらに含む。一実施形態では、ミキサ324、326は、複素ミキサである。
図示の読み出しシステム300は、増幅器340、減衰器342、344、循環器346、348及びDCブロック350、352をさらに含む。DCブロック350、352は、超伝導回路302への入力線及び出力線のそれぞれの線上のサーマルブレイクとして使用される。
一実施形態では、増幅器340及び減衰器342は、4Kにおいて動作し得る。減衰器344は、0.6Kにおいて動作し得る。循環器346、348及びDCブロック350、352は、8mKにおいて動作し得る。
1つの例示的実施形態では、60個の共振器と2.5GHzの帯域とを使用することにより、約600Mbpsのデータ速度が25nsのシフトレジスタ段(SRS)動作時間に関して達成され得る。
図3の読み出しシステム300の操作方法は、PCT特許出願国際公開第2016US31885号(国際公開第2016183213A1号として発行された)に記載されている。
超伝導量子ビットの周波数多重化読み出し(FMR)技術
図4は、上述のようなFMR技術を取り込み得る少なくとも1つの例示的実施形態によるハイブリッドコンピュータシステム400(デジタルコンピュータ402及び量子コンピュータ404を含む)を示す。
デジタルコンピュータ402は、CPU406、ユーザインターフェース素子408、410、412、414、ディスク416、コントローラ418、バス420及びメモリ422を含む。メモリ422は、BIOS 424、オペレーティングシステム426、サーバモジュール428、計算モジュール430、量子プロセッサモジュール432、読み出しモジュール434及びハイブリッドコンピュータシステム400を操作するために使用され得る他のモジュールを含む。
量子コンピュータ404は、量子プロセッサ436、読み出し制御システム438、量子ビット制御システム440及び結合器制御システム442を含む。量子コンピュータ404は、超伝導共振器(図2Aの超伝導共振器202aなど)を含むFMR技術を取り込み得る。コンピュータシステム400は、図3の読み出しシステム300などの読み出しシステムを含み得る。
図5は、超伝導量子プロセッサ500の例示的実施形態における超伝導共振器の第1の配置を示す。プロセッサ500は、外側シフトレジスタ510a~510d(一括して外側シフトレジスタ510)にそれぞれ結合された4組の超伝導共振器502a~502d(一括して超伝導共振器502)、504a~504d(一括して超伝導共振器504)、506a~506d(一括して超伝導共振器506)及び508a~508d(一括して超伝導共振器508)を有する64個のユニットセル(図5に示さず)を含む。各ユニットセルは、N個の量子ビットを含む。一実施形態では、N=8である。プロセッサ500は、8つの垂直に配向された内側シフトレジスタ512と、8つの水平に配向された内側シフトレジスタ514とを含む。
すべての4組の超伝導共振器502、504、506、508は、伝送線路(例えば、図2Aの伝送線路110)(図5に示さず)に結合される。一実施形態では、すべての4組の超伝導共振器502、504、506、508は、単一の共通伝送線路に結合される。
図5内の各矢印は、方向データが通常動作中に内側シフトレジスタ512及び外側シフトレジスタ510のそれぞれのシフトレジスタ中を流れることを指示する。
図6は、超伝導量子プロセッサ600の例示的実施形態における超伝導共振器の第2の配置を示す。プロセッサ600は、4組の超伝導共振器602a~602h(一括して超伝導共振器602)、604a~604h(一括して超伝導共振器604)、606a~606h(一括して超伝導共振器606)及び608a~608h(一括して超伝導共振器608)を有する64個の量子ビット(図6に示さず)を含む。プロセッサ600は、8つの垂直に配向された内側シフトレジスタ610と、8つの水平に配向された内側シフトレジスタ612とを含む。
2組の超伝導共振器602、608は、図2Aの伝送線路110などの第1の伝送線路(図6に示さず)に結合される。他の2組の超伝導共振器604、606(図6では陰影付きで示される)は、第2の伝送線路(また図6に示さない)に結合される。
図6に示す配置では、外側シフトレジスタ(図5の外側シフトレジスタ510など)は、必要とされない。片側の8つの共振器(内側シフトレジスタのシフトレジスタ(水平方向又は垂直方向の)毎に1つ)により、水平方向及び垂直方向に配向された内側シフトレジスタの交差段により提供される十分な障害耐性がある。
本技術は、周波数多重化共振器を使用することによりデータを量子プロセッサチップ上のシフトレジスタ内にロードし得る。上述の(図1、2A、2B、3、4、5、6を参照した)周波数多重化共振器読み出しは、データがプロセッサに渡されることを可能にするように逆に行われ得る。いくつかの実施形態では、第1段QFPは、信号が存在する場合、共振器内のマイクロ波信号を整流するために使用され得る。
本技術は、量子ビット状態をプロセッサから読み出すためだけでなく、データをプロセッサに入力するために使用され得る。同じ線は、入力と読み出しとの両方に使用され得る(例えば、国際公開第2016183213A1号として発行されたPCT特許出願国際公開第2016US31885号を参照されたい)。
いくつかの実施形態では、上述の周波数多重化共振器入力システム(データを超伝導デバイスに入力するために使用され得る)は、本開示においても(図1、2A、2B、3、4、5、6を参照して)説明される周波数多重化共振器読み出しシステムと組み合わせて使用される。他の実施形態では、上述の周波数多重化共振器入力システムは、他の読み出しシステム又は回路と組み合わせて使用される。例えば、他の実施形態の1つでは、周波数多重化共振器入力システムは、米国特許第8,854,074号「SYSTEMS AND METHODS FOR SUPERCONDUCTING FLUX QUBIT READOUT」に記載の超伝導磁束量子ビット読み出しシステムと組み合わせて使用される。
周波数多重化共振器入力/出力システムの例示的実施形態が図3に示される(読み出しシステムを参照して上に説明した)。図3における戻り経路は、DCブロック350、循環器348、346、増幅器340、336、334、332、330、減衰器328、ミキサ326、フィルタ320a、320b及びADC312a、312bを含む。図3のシステムがデータを超伝導デバイスに入力するためにのみ使用される場合(読み出しはない)、戻り経路は、省略され得る。
強結合共振器アレイの超伝導伝送線路設計
周波数多重化共振読み出し(FMRR)システムは、高速読み出しを行うために超伝導伝送線路に強く結合された超伝導シャント結合共振器のアレイを使用し得る。FMRRシステムは、量子コンピュータ(例えば、量子アニーラ)の読み出しを行い得る。
いくつかの実施形態では、超伝導伝送線路に強く結合された超伝導シャント結合共振器のアレイの1つ又は複数の共振器は、1つ又は複数のコンデンサを含む。いくつかの実施形態では、超伝導シャント結合共振器と超伝導伝送線路との間の結合の強度は、より大きい結合容量を使用することにより増加され得る。共振器の1つ内のコンデンサの超伝導伝送線路への近接性は、伝送線路インピーダンスの局所的摂動を(例えば、共振器の近傍において)引き起こし得る。いくつかの実施形態では、より大きい容量は、伝送線路インピーダンスのより大きい局所的摂動を引き起こし得る。
いくつかの実施形態では、超伝導伝送線路は、超伝導共振器の比較的小さいアレイに結合され得、各超伝導共振器は、比較的大きい値を有するそれぞれの結合容量により伝送線路に結合される。全並列容量は、伝送線路の特性インピーダンス(例えば、50Ωインピーダンス)からの偏差を引き起こし得る。50Ωインピーダンスは、伝送線路の代表的特性インピーダンスであり、商用マイクロ波部品の典型的仕様である。
他の実施形態では、超伝導伝送線路は、比較的大きい超伝導共振器のアレイに結合され得、各超伝導共振器は、比較的小さい値を有するそれぞれの結合容量により伝送線路に結合される。同様に、全並列容量は、伝送線路の特性インピーダンス(例えば、50Ωインピーダンス)からの偏差を引き起こし得る。
伝送線路の特性インピーダンスの偏差は、合成並列容量に依存し得る。例えば、伝送線路の特性インピーダンスの偏差、は2つ以上の共振器の合成負荷に依存し得る。共振器は、隣接共振器であり得る。伝送線路の特性インピーダンスの偏差は、他の要因に依存し得る。
共振器アレイの長さ全体にわたる設計インピーダンスからの偏差は、1つのリプル又は複数のリプルを引き起こし得、共振器と超伝導伝送線路との間の結合の強度を変更し得る。いくつかの例では、結合の強度は、設計値又は所望値から変更され得る。
伝送線路インピーダンスZは、以下の式のように表現され得る。
ここで、Lは、伝送線路インダクタンスであり、Cは、伝送線路容量であり、C’は、超伝導シャント結合共振器のアレイの存在による浮遊容量である。
浮遊容量C’の存在により引き起こされる伝送線路のインピーダンスに対する変化は、したがって、1つ又は複数の共振器の伝送線路への結合の強度に影響を与え得る。結合の強度は、外部品質係数QEXTの下側値が、共振器と伝送線路との間のより強い結合に対応するように定義された例えば外部品質係数QEXTにより特徴付けられ得る。共振器と伝送線路との間の結合の強度へのインピーダンス変化の影響は、結合のタイプに依存し得る。
シャント結合共振器の例に関して、外部品質係数は、以下の式のように少なくとも近似的に表現され得る。
ここで、Lは、共振器のインダクタンスであり、ωは、共振器の共振周波数であり、Cは、共振器と伝送線路との間の結合コンデンサの容量である。
EXTは、Zに反比例するため、伝送線路に近接した共振器により寄与される浮遊容量C’は、QEXTの値の増加を引き起こし得、これにより共振器をこの影響がない場合により弱く結合させる。
より弱い結合は、より弱い共振を引き起こし得る。シャント結合共振器モデルの1つの例示的シナリオでは、共振の深さは、QEXTの値が2倍にされたときに4dB超低減された。
結合の強度に対するインピーダンス変化の影響を軽減するための1つの手法は、伝送線路に対するその修正された結合を補償するように個々に選択された電力で各共振器を駆動することである。この手法の欠点は、電力レベル全体を掃引し、共振器非線形性の始点を探し求めることにより、伝送線路への各共振器の結合のその場での較正を提供することが必要であり得ることであり得る。その場での較正は、時間がかかり得、システムがより広いダイナミックレンジを有する生成器を含む必要があり得る。
EXTの値は、伝送線路の長さに沿って変化し得、伝送線路に結合される超伝導共振器の数、結合容量の値及び超伝導共振器間の間隔を含む多くの要因に依存し得る。
結合の強度に対するインピーダンス変化の影響を軽減するための別の手法は、単位長さ当たりの追加結合容量を最小化するか又は少なくとも低減するために伝送線路に沿って追加結合容量を散開させることである。一例実施形態は、数百マイクロメートルの距離にわたって伝送線路に容量結合されたλ/4分散素子共振器を使用する。
1つのシナリオでは、分散素子結合は、コンデンサ誘電体に高品質シリコン基板を使用することにより実現され得る。回路素子が二酸化ケイ素などの誘電体により重ねられる多層作製積層の場合、分散素子結合は、損失性であり得る。
分散読み出し共振器設計は、集中素子設計より大きいフットプリントを有し得る。例えば、分散素子設計は、約400×600μmのフットプリントを有し得る一方、集中素子設計は、約100×100μmのフットプリントを有し得る。より小さいフットプリントの要望は、伝送線路に強結合されたシャント結合共振器の集中素子実現を多層積層内に駆り立て得る。
上述のような伝送線路と共振器との間の相互作用は、より強く結合された共振器にとってより重要であり得る。より弱い結合は、より多くの共振器が所与の帯域内に詰め込まれることを可能にし、より弱い結合は、より遅い読み出し時間にとって十分であり得るが、読み出し速度が重要である商業用途(商用量子計算用途など)は、有利には、より強い結合を採用し得る。
より高い読み出し速度も、追加共振器を含むことによって達成され得る。それぞれが線幅Wを有するN個の弱結合共振器のデータ速度は、線幅N×Wを有する強結合共振器のデータ速度と少なくとも同様であり得る。N個の弱結合共振器は、摂動を伝送線路に空間的に分散させ得るために有利である。
結合強度は、有利には、トポロジー的考慮に少なくとも部分的に基づき、及び/又はクロック領域に少なくとも整合しようとするために選択され得る。例えば、検出器により各シフトレジスタを終了し、共振器の数を行の数と列の数との和の2倍に等しくすることが有利であり得る。図5は、例示的トポロジーを示す。
伝送線路への共振器の結合は、共振器の線幅に少なくとも部分的に依存する。線幅は、線幅により利用可能帯域を分割することにより、且つ同周波数領域内の共振同士間の十分な空間を提供するように選択される追加係数により判断され得る。1つの例示的実施形態では、利用可能帯域は、2.5GHzである。1つの例示的実施形態では、追加係数は、4である。
シフトレジスタは、電子部品を駆動することにより設定される速度で動作し得る。検出器が、電子部品を駆動することにより設定される速度に整合するか又はそれを超えることが有利であり得る。例えば、検出器がシフトレジスタより速ければ、これは、利用可能帯域の非効率的使用であり得る。例示的実施形態では、シフトレジスタは、データを100ns毎に提供し、共振器は、20nsの応答時間を提供するように結合される。共振器を2倍強く結合することで全デューティサイクル時間を120nsから110nsに低減し得る。全デューティサイクル時間の低減は、限界的な改善に過ぎないが、FMRR帯域の2倍を必要とする。少なくともこの理由のため、検出器がシフトレジスタ速度に整合することが有利であり得る。
上述のように、超伝導伝送線路への共振器の近接性は、伝送時に測定される望ましくないレベルのリプルを引き起こし得、伝送線路に沿った共振器の位置に応じて共振器の結合強度の望ましくない変動を有し得る。この影響は、周波数多重化共振読み出しシステム内の使用可能共振器の数に対する制限(読み出し速度の付随的減速及びより少ない冗長性)を含み得る。分散素子手法は、通常、単一の金属層作製積層に依存し、大きいフットプリントを使用する。
本出願において説明されるシステム及び方法は、より小さく且つより柔軟なフットプリント及び多層作製積層を支援する。一手法では、少なくとも1つのインダクタンスが伝送線路の中心線路内に導入される。インダクタンスは、伝送線路の特性インピーダンスを修正し得る。一実施形態では、特性インピーダンスは、伝送線路のインピーダンスの変動を少なくとも部分的に補償するように(例えば、伝送線路に結合されるマイクロ波超伝導共振器内の容量の近接性により引き起こされる伝送線路のインピーダンスの局所的変動を少なくとも部分的に補償するように)選択される。
一実施形態では、集中素子インダクタが伝送線路の中心線路内に(各共振器のそれぞれの側に少なくとも1つ)導入される。少なくとも1つの集中素子インダクタが共振器の上流の伝送線路の中心線路内に導入され、少なくとも1つの集中素子インダクタが共振器の下流の伝送線路の中心線路内に導入される。各集中素子インダクタは、それぞれの結合された共振器により引き起こされるインピーダンスの局所的変化を補償するように選択され得る。
いくつかの実施形態では、伝送線路が、共振器の上流から下流に見て50Ωのインピーダンスを有するように見えるように、インダクタの対(共振器の各側に1つ)を伝送線路の中心線路内に導入することが有益であり得る。
伝送線路に追加される1つ又は複数のインダクタンスの構成は、伝送線路に沿った共振器の位置と、超伝導共振器のアレイ内の共振器同士の間隔とに依存し得る。1つ又は複数のインダクタンスの値は、伝送線路の特性インピーダンスに対する局所的摂動を補償するように選択され得る。インダクタンスの配置は、対称又は非対称であり得る。インダクタンスの構成は、超伝導共振のアレイ内の超伝導共振器毎に変わり得る。
伝送線路の特性インピーダンスを約50Ωに維持するように補償インダクタンスを選択及び配置することが望ましいことがあり得る。伝送線路の特性インピーダンスに対する超伝導共振器の補償インダクタンスの効果は、伝送線路の長さに沿った超伝導共振器の位置と共に(例えば、超伝導共振器が伝送線路の一端に近いか又は伝送線路の中央に近いかにより)変化し得る。例えば、インダクタンスの対の対称的構成は、伝送線路の中央における好ましいレベルの補償を提供し得、インダクタンスの非対称的構成は、伝送線路の端近くの好ましいレベルの補償を提供し得る。
任意の好適な方法が、超伝導共振器のアレイの補償インダクタンスの好ましい値及び配置を推定するために使用され得る。一次解析は、いくつかの用途における実用的目的のために十分であり得る。
補償インダクタンスの値は、限定しないが、以下に説明される方法を含む任意の好適な方法により推定され得る。例えば、反復方法は、超伝導共振器のアレイの補償インダクタンスの値を推定するために使用され得る。一実施形態では、反復方法は、補償インダクタンス間の相互依存性を少なくとも部分的に考慮する。例えば、反復方法は、一組の補償インダクタンスの組の1つの補償インダクタンスの値を、補償インダクタンスの組内の他の補償インダクタンスに関して、伝送線路が50Ωのインピーダンスを有するように見えるように反復的に調節することを含み得る。
補償インダクタンスの値Lcompは、以下の関係式を使用して推定され得る。
comp=Z eff (7)
ここで、Zは、伝送線路の特性インピーダンスであり、Ceffは、シャント結合共振器の実効容量である。
上述のように、超伝導共振器を伝送線路に結合する結合コンデンサの影響は、伝送線路のインピーダンスの局所的摂動であり得る。いくつかの実施形態では、1つ又は複数の補償インダクタンスが超伝導共振器の近傍の伝送線路内に導入される。他の実施形態では、1つ又は複数の補償インダクタンスが他の好適な(例えば、超伝導共振器から離れた)構成内に導入される。
図7Aは、本開示によるシャント結合共振器の第1の例示的超伝導回路700aを示す概略回路図である。超伝導回路700aは、(図7A内の破線ボックスにより包含される素子を含む)超伝導共振器202aを含む。超伝導共振器202aは、超伝導共振器202aの周波数と感度とを独立にチューニングすることができる2つのSQUIDループ204a、204bを含む。SQUIDループ204a、204bのそれぞれは、超伝導ループを形成するために互いに平行なジョセフソン接合の対(図7A内の十字記号により表される)を含むDC SQUIDである。SQUIDループ204a、204bは、有利には、SQUIDループ204a、204b内の磁束バイアスを調節することにより、超伝導共振器202aの共振周波数と感度との独立チューニングを可能にする。
図1A、1Bのそれぞれの超伝導回路100a、100b及び/又は図2Aの超伝導回路200aと同じ参照符号により標識付けされた超伝導回路700aの部品は、図1A、1B及び図2Aをそれぞれ参照して説明したものと同様であるか又はさらに同一である。
超伝導共振器202aは、容量104及びインダクタンス106を含む。インターフェース206a、206bは、磁束バイアスをSQUIDループ204a、204bのそれぞれに提供し得る。超伝導共振器202aは、ノード208においてアース(例えば、伝送線路110のアース210)に接続される。
超伝導回路700aは、任意選択的に、磁束バイアスを最後のシフトレジスタ段114(本出願では最終シフトレジスタ段114としても参照される)に印加するように動作可能なインターフェース128を含み得る。インターフェース128は、超伝導送受信器回路として操作され得る。最後のシフトレジスタ段114(図7A内の破線ボックスにより包含された素子を含む)は、例えば、QFPを含み得る。最後のシフトレジスタ段114は、超伝導デバイスの状態を読み出し、及び/又はデータを超伝導デバイス内にロードする目的のために超伝導共振器202aに通信可能に結合され得る。
超伝導回路700aは、インダクタンス702a、702bを含む。インダクタンス702aは、集中素子磁気インダクタンス、分散磁気インダクタンス、集中素子運動インダクタンス及び/又は分散運動インダクタンスを含み得る。インダクタンス702bは、集中素子磁気インダクタンス、分散磁気インダクタンス、集中素子運動インダクタンス及び/又は分散運動インダクタンスを含み得る。
一実施形態では、インダクタンス702a、702bのそれぞれは、それぞれの集中素子インダクタンスを含む。別の実施形態では、インダクタンス702a、702bの少なくとも1つは、分散素子インダクタンスを含む。さらに別の実施形態では、インダクタンス702a、702bの少なくとも1つは、運動インダクタンスを含む。
インダクタンス702aは、超伝導共振器202aに対して伝送線路の一方の側にあり、インダクタンス702bは、超伝導共振器202aに対して伝送線路の他方の側にある。一実施形態では、インダクタンス702aは、シグナルフローの方向に関して超伝導共振器202aの上流側であり、インダクタンス702bは、超伝導共振器202aの下流側である。
図7Bは、本開示によるシャント結合共振器の第2の例示的超伝導回路700bを示す概略回路図である。
超伝導回路700bは、2つのSQUIDループ204a、204bを含む超伝導共振器202b(図7B内の破線ボックスにより包含された素子を含む)を含む。SQUIDループ204a、204bのそれぞれは、超伝導ループを形成するために平行なジョセフソン接合の対(十字記号により表される)を含むDC SQUIDである。図7BのSQUIDループ204bは、インダクタンス212a、212b、212c、212dをさらに含む。SQUIDループ204a、204bは、超伝導共振器202bの共振周波数と感度とを独立にチューニングすることを可能にし得る。チューニングは、SQUIDループ204a、204b内の磁束バイアスを調節することを含み得る。
SQUIDループ204bは、DC SQUID216及びインダクタンス218を含む最後のシフトレジスタ段214に電気化学的に結合される。インターフェース220、222は、磁束バイアスをDC SQUID216、224にそれぞれ提供し得る。
インターフェース206a、206bは、磁束バイアスをSQUIDループ204a、204bのそれぞれに提供し得る。超伝導共振器202bは、直接的に又は任意選択的結合コンデンサ226を介するかのいずれかによりノード208においてアース(例えば、伝送線路110のアース210)に接続される。
超伝導回路700bは、磁束バイアスを最後のシフトレジスタ段214に印加するように動作可能なインターフェース128を任意選択的に含み得る。インターフェース128は、超伝導送受信器回路として操作され得る。最後のシフトレジスタ段214は、例えば、QFPを含み得、且つ超伝導デバイスの状態を読み出し、及び/又はデータを超伝導デバイス内にロードする目的のために超伝導共振器202bに通信可能に結合され得る。
図1Aの超伝導回路100a及び図1Bの超伝導回路100bにおけるものと同じ参照符号により標識付けされた超伝導回路700bの部品は、図1A、1Bを参照して説明したものと同様であるか又はさらに同一である。図2Aの超伝導回路200aにおけるものと同じ参照符号により標識付けされた超伝導回路700bの部品は、図2Aを参照して説明したものと同様であるか又はさらに同一である。
超伝導回路700bは、インダクタンス702a、702bを含む。一実施形態では、インダクタンス702a、702bは、集中素子インダクタンスである。別の実施形態では、インダクタンス702a、702bの少なくとも1つは、分散素子インダクタンスを含む。さらに別の実施形態では、インダクタンス702a、702bの少なくとも1つは、運動インダクタンスを含む。
回路700a、700bは、それぞれ結合容量112(本出願では結合容量Cとしても参照される)及びシャント容量104(本出願ではシャント容量Cとしても参照される)を含む。図7Aのシャント結合共振器の実効容量Ceffは、以下の表現を使用して少なくとも推定され得る。
実効容量Ceffは、結合容量Cがシャント容量Cよりはるかに小さい(C≪C)の場合に結合容量Cにほぼ等しくなり得る(Ceff≒C)。
回路700a及び/又は700bの別の実施形態では、運動インダクタンスが伝送線路の中心線路内に導入され得る。運動インダクタンスは、運動インダクタにより提供され得る。各運動インダクタは、それぞれの共振器に近い伝送線路の中心ピンに一致して置かれ得る。この位置決めの利点は、補償が伝送線路幾何学形状に対する影響がほとんどないか又は全くないことである。運動インダクタンスは、ワイヤの長さにより提供され得、長さは、以下の関係式により少なくとも推定され得る。
ここで、wは、伝送線路の中心ピンの幅であり、Lcompは、共振器容量を少なくとも近似的に補償するように選択されたインダクタンスであり、Lは、運動インダクタを製作するために使用される材料の平方当たりインダクタンスである。
所与の厚さの運動インダクタの長さと、好適な補償インダクタンスを提供するための材料とは、推定され得るか又は経験的に判断され得る。第1の例示的実施形態では、運動インダクタは、窒化チタン(TiN)を使用して製作され、ここで、運動インダクタの厚さは、50nmであり、平方当たりインダクタンスLは、15pHであり、補償インダクタンスLcompは、40pHであり、長さlは、1.3μmである。第2の例示的実施形態では、運動インダクタは、窒化チタン(TiN)を使用して製作され、ここで、運動インダクタの厚さは、50nmであり、平方当たりインダクタンスLは、15pHであり、補償インダクタンスLcompは、120pHであり、長さlは、4.0μmである。
第3の例示的実施形態では、運動インダクタは、ニオブ窒化物(NbN)を使用して製作され、ここで、運動インダクタの厚さは、35nmであり、平方当たりインダクタンスLは、7pHであり、補償インダクタンスLcompは、40pHであり、長さlは、2.9μmである。第4の例示的実施形態では、運動インダクタは、ニオブ窒化物(NbN)を使用して製作され、運動インダクタの厚さは、50nmであり、平方当たりインダクタンスLは、7pHであり、補償インダクタンスLcompは、120pHであり、長さlは、8.6μmである。
上述の第1、第2及び第3の例示的実施形態などの例示的実施形態では、運動インダクタの線幅は、0.5μmである。
一実施形態では、超伝導伝送線路は、同軸伝送線路である。別の実施形態では、超伝導伝送線路は、コプラナ導波管である。集中素子磁気インダクタンス及び/又は運動インダクタンスは、同軸伝送線路及び/又はコプラナ伝送線路のインピーダンスに対する局所的変化を補償するために、本開示による超伝導共振器のアレイの1つ又は複数の共振器の近くに置かれ得る。
いくつかの実施形態では、コプラナ導波管伝送線路を補償するために集中素子インダクタ(本出願では集中素子磁気インダクタンスとしても参照される)を使用することと、同軸伝送線路を補償するために運動インダクタ(本出願では集中素子運動インダクタンスとしても参照される)を使用することとが(例えば、製作を簡単にする目的のために)好ましいことがあり得る。
一実施形態では、超伝導共振器内の容量(例えば、図7Aの共振器202a内の容量104)は、高い品質係数(Q)を有する。一実施形態では、超伝導共振器内の容量は、薄く且つ高い誘電率誘電体を有する超伝導平行板コンデンサである。薄い誘電体を有する平行板設計は、所与の容量値の誘電体の容積を低減し得る。損失性誘電体の容積を低減することは、図7Aの超伝導共振器202aなどの超伝導共振器を飽和させるために必要とされる電力の低下に至り得る。これは、チップ空間が異常に高い値段である場合に利点である低減されたコンデンサフットプリントも提供し得る。
一実施形態では、超伝導平行板電極薄層コンデンサは、蒸着された誘電体によりヘテロ多層平坦化作製積層に一体化される。超伝導共振器内の使用に好適な薄層コンデンサを製作する方法は、PCT特許出願国際公開第2016US31885号「FREQUENCY MULTIPLEXED RESONATOR INPUT AND/OR OUTPUT FOR A SUPERCONDUCTING DEVICE」(国際公開第2016183213A1号として発行された)に記載されている。
超伝導伝送線路に結合される超伝導共振器のアレイの一実施形態では、超伝導共振器は、超伝導伝送線路に誘導的に結合され得る。図8Aは、本開示による誘導結合共振器の第1の例示的超伝導回路800aを示す概略回路図である。
超伝導回路800aは、2つのSQUIDループ204a、204bを含む超伝導共振器202a(図8A内の破線ボックスにより包含された素子を含む)を含む。SQUIDループ204a、204bのそれぞれは、超伝導ループを形成するために平行なジョセフソン接合の対(図8A内の十字記号により表される)を含むDC SQUIDである。SQUIDループ204a、204bは、有利には、SQUIDループ204a、204b内の磁束バイアスを調節することにより、超伝導共振器202aの共振周波数と感度との独立チューニングを可能にする。
SQUIDループ204bは、最後のシフトレジスタ段114に誘導的に結合される。インターフェース206a、206bは、磁束バイアスをSQUIDループ204a、204bのそれぞれに提供し得る。
超伝導回路800aは、任意選択的に、磁束バイアスを最後のシフトレジスタ段114に印加するように動作可能なインターフェース128を含み得、且つ超伝導送受信器回路として操作され得る。最後のシフトレジスタ段114は、例えば、QFPを含み得、且つ超伝導デバイスの状態を読み出し、及び/又はデータを超伝導デバイス内にロードする目的のために超伝導共振器202aに通信可能に結合され得る。
図1Aの超伝導回路100a及び図1Bの超伝導回路100bにおけるものと同じ参照符号により標識付けされた超伝導回路800aの部品は、図1を参照して説明したものと同様であるか又はさらに同一である。図2Aの超伝導回路200aにおけるものと同じ参照符号により標識付けされた超伝導回路800aの部品は、図2Aを参照して説明したものと同様であるか又はさらに同一である。
超伝導共振器202aは、インダクタンス802を含む。一実施形態では、インダクタンス802の値は、インダクタンス106の値とほぼ同じである。
超伝導回路800aは、超伝導共振器202aを超伝導伝送線路110に誘導的に結合するためにインダクタンス804a、804bを含む。超伝導回路800aは、コンデンサ806a、806bを含む。コンデンサ806a、806bは、超伝導伝送線路110のインピーダンスの局所的変化を補償し得る。いくつかの実施形態では、インピーダンスの局所的変化は、50Ωからの偏差である。図8Aに示す実施形態では、補償容量806a、806bは、誘導結合の近傍の誘導結合の両側に少なくともほぼ対称的に配置される。他の実施形態では、1つ又は複数の補償容量が好適な配置で使用され得る。この配置の変動は、容量の数と、互いに対する及び超伝導共振器に対するそれらの位置決め及び間隔とを含み得る。
図8Bは、本開示による誘導結合共振器の第2の例示的超伝導回路800bを示す概略回路図である。
図8Aの超伝導回路800a、図1A、1Bのそれぞれの100a、100b及び図2Aの200aにおけるものと同じ参照符号により標識付けされた超伝導回路800bの部品は、図8A、1A、1B、2Aのそれぞれを参照して説明したものと同様であるか又はさらに同一である。
図8Bの超伝導共振器202aは、インダクタンス810を介して超伝導伝送線路110に誘導的に結合される。超伝導共振器202aは、インダクタンスに電気化学的に結合され得る。一実施形態では、インダクタンス810は、運動インダクタンスである。
コンデンサ806a、806bは、超伝導伝送線路110の特性インピーダンスに対する局所的摂動を補償するように選択及び構成され得る。いくつかの実施形態では、コンデンサ806a、806bは、超伝導伝送線路110の特性インピーダンスを50Ωに維持するように選択及び構成される。
図1、2A、2B、7A、7B、8A、8Bのそれぞれの超伝導回路100、200a、200b、700a、700a、700b、800a、800bのそれぞれの動作は、それぞれの超伝導共振器202a、202b内に含まれる磁束チューニング可能インダクタンスの使用に少なくとも部分的に基づく。いくつかの実施形態では、磁束チューニング可能インダクタンスは、トンネル障壁プロセスにより作製される2つのジョセフソン接合を含むDC-SQUIDを使用することにより実現され得る。DC-SQUIDを使用することにより実現される磁束チューニング可能インダクタンスは、図1A、1B、2A、2B、7A、7B、8A、8Bのそれぞれの超伝導回路100a、100b、200a、200b、700a、700a、700b、800a、800bのそれぞれに示される。
他の実施形態では、チューニング可能インダクタンスは、インダクタンスと並列な単一のジョセフソン接合を含むRF-SQUIDを使用することにより実現され得る。さらに他の実施形態では、磁束チューニング可能インダクタンスは、RF-SQUID又はDC-SQUIDを使用することにより実現され得、ここで、RF-SQUID又はDC-SQUIDは、運動インダクタンス、磁気インダクタンス、トンネル障壁ジョセフソン接合又は弱連結ジョセフソン接合を含むリストから選択される1つ又は複数のインダクタンスの組み合わせを使用することにより形成される。
上述の特定の実施形態及び実施は、1つ又は複数のチューニング可能超伝導共振器に結合される超伝導伝送線路(FMRRシステムにおいて使用され得るような)の例を提供するが、本出願において説明された技術は、他のLC超伝導共振器に概して適用され得る。
上述の特定の実施形態及び実施は、1つ又は複数のチューニング可能超伝導共振器に結合される超伝導伝送線路の例を提供するが、本出願において説明された技術は、非超伝導共振器に概して適用され得る。非超伝導共振器の場合、QEXTの値は、超伝導共振器のものより小さいことができる(例えば、より大きい減衰があるため)。伝送の特性インピーダンスの局所的摂動は、それに応じてそれほど顕著でないことがあり得、補償は、それほど必要でないことがあり得る。
上述の様々な実施形態は、別の実施形態を提供するために組み合わされ得る。本明細書における特定の教示及び定義と矛盾しない限り、これらに限定しないが、2016年5月11日出願のPCT特許出願第PCT/米国特許出願公開第2016/031885号(名称「FREQUENCY MULTIPLEXED RESONATOR INPUT AND/OR OUTPUT FOR A SUPERCONDUCTING DEVICE」)(国際公開第2016183213A1号として発行された);2014年10月7日に付与された米国特許第8,854,074号「SYSTEMS AND METHODS FOR SUPERCONDUCTING FLUX QUBIT READOUT」;2012年5月1日に付与された米国特許第8,169,231号(名称「SYSTEMS, METHODS, AND APPARATUS FOR QUBIT STATE READOUT」);及び2018年2月27日出願の米国仮特許出願第62/636,043号(名称「SYSTEMS AND METHODS FOR COUPLING A SUPERCONDUCTING TRANSMISSION LINE TO AN ARRAY OF RESONATORS」)を含む、本明細書で参照された及び/又は出願データシートに掲載された米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願及び非特許の刊行物のすべては、その全体が参照により本明細書に援用される。本実施形態の態様は、さらに別の実施形態を提供するため、様々な特許、出願及び刊行物のシステム、回路及び概念を採用するために必要に応じて修正され得る。
これら及び他の変更形態は、上記の詳細な説明に照らして上記の実施形態に対してなされ得る。一般的に、以下の特許請求の範囲では、使用される用語は、特許請求の範囲を本明細書及び特許請求の範囲に開示された特定の実施形態に限定するものと解釈すべきではなく、このような特許請求の範囲の権利を付与される均等物の全範囲と共にすべての可能な実施形態を含むように解釈されるべきである。したがって、本特許請求の範囲は、本開示によって限定されない。

Claims (19)

  1. 少なくとも1つの伝送線路インダクタンスを含む伝送線路と、
    超伝導共振器と、
    前記超伝導共振器を前記伝送線路に通信可能に結合する結合容量と、
    を含む超伝導回路であって、前記少なくとも1つの伝送線路インダクタンスの値は、前記超伝導共振器と前記伝送線路との間の結合強度の変動を少なくとも部分的に補償するように選択される、超伝導回路
  2. 前記超伝導共振器は、
    超伝導経路を介して前記伝送線路と第1のノードとの間に結合されるシャント容量と、
    超伝導経路を介して前記伝送線路と前記第1のノードとの間に結合される共振器インダクタンスであって、前記超伝導共振器の前記シャント容量と並列である共振器インダクタンスと、
    超伝導経路を介して前記共振器インダクタンスと前記第1のノードとの間に結合される第1のDC超伝導量子干渉デバイス(SQUID)であって、前記超伝導共振器の前記シャント容量と並列であり、且つ前記超伝導共振器の前記共振器インダクタンスと直列である第1のDC超伝導量子干渉デバイス(SQUID)と、
    超伝導経路を介して前記第1のDC SQUIDと前記第1のノードとの間に結合される第2のDC超伝導量子干渉デバイス(SQUID)であって、前記超伝導共振器の前記シャント容量と並列であり、且つ前記超伝導共振器の前記共振器インダクタンスと直列であり、且つ前記超伝導共振器の前記第1のDC SQUIDと直列である第2のDC超伝導量子干渉デバイス(SQUID)と、
    を含む、請求項1に記載の超伝導回路。
  3. 第1の磁束バイアスを前記第1のDC SQUIDに印加するように動作可能な第1のインターフェースと、第2の磁束バイアスを前記第2のDC SQUIDに印加するように動作可能な第2のインターフェースとをさらに含む、請求項2に記載の超伝導回路。
  4. 前記シャント容量の値は、前記結合容量の値より少なくとも1桁大きいように選択される、請求項2に記載の超伝導回路。
  5. 前記第1のノードは、超伝導経路を介してアースに電気的に結合される、請求項2に記載の超伝導回路。
  6. 少なくとも1つの伝送線路インダクタンスを含む伝送線路と、
    超伝導共振器と、
    前記超伝導共振器を前記伝送線路に通信可能に結合する結合容量と、
    を含む超伝導回路であって、
    前記少なくとも1つの伝送線路インダクタンスは、前記超伝導共振器の上流の第1のインダクタンス及び前記超伝導共振器の下流の第2のインダクタンスを含み、
    前記第1のインダクタンス及び前記第2のインダクタンスの少なくとも1つの値は、前記超伝導共振器と前記伝送線路との間の結合強度の変動を少なくとも部分的に補償するように選択される、超伝導回路。
  7. 前記伝送線路は、前記第1のインダクタンス及び前記第2のインダクタンスを含む中心線路を含む、請求項に記載の超伝導回路。
  8. 前記第1のインダクタンス及び前記第2のインダクタンスの少なくとも1つは、運動インダクタンスである、請求項に記載の超伝導回路。
  9. 前記伝送線路は、前記伝送線路インダクタンスを含む中心線路を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の超伝導回路。
  10. 前記伝送線路インダクタンスは、運動インダクタンスである、請求項1~5のいずれか一項に記載の超伝導回路。
  11. 前記伝送線路は、同軸伝送線路である、請求項1~5のいずれか一項に記載の超伝導回路。
  12. 前記伝送線路は、コプラナ導波管である、請求項1~5のいずれか一項に記載の超伝導回路。
  13. 超伝導量子ビットからデータを読み出すように動作可能である、請求項1~5のいずれか一項に記載の超伝導回路。
  14. データを超伝導量子ビット内にロードするように動作可能である、請求項1~5のいずれか一項に記載の超伝導回路。
  15. 前記伝送線路インダクタンスは、前記超伝導共振器に近接する、請求項1~5のいずれか一項に記載の超伝導回路。
  16. シフトレジスタ段と、
    磁束バイアスを前記シフトレジスタ段に印加するように動作可能なインターフェースと、をさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の超伝導回路。
  17. 前記超伝導共振器は、超伝導共振器のアレイ内の複数の超伝導共振器の1つであり、前記複数の超伝導共振器のそれぞれは、前記伝送線路に結合される、請求項1~5のいずれか一項に記載の超伝導回路。
  18. 前記伝送線路は、マイクロ波伝送線路であり、及び前記超伝導共振器は、マイクロ波超伝導共振器である、請求項1~5のいずれか一項に記載の超伝導回路。
  19. 少なくとも1つの伝送線路容量を含む伝送線路と、
    超伝導共振器と、
    前記超伝導共振器を前記伝送線路に誘導的に通信可能に結合する結合インダクタンスと、を含む超伝導回路であって、前記少なくとも1つの伝送線路容量の値は、前記超伝導共振器と前記伝送線路との間の結合強度の変動を少なくとも部分的に補償するように選択される、超伝導回路。
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