JP5584549B2 - 車両 - Google Patents
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Description
このようなスタックを回避しつつ泥濘地等を走行可能とするため、走行装置として履帯(クローラ)を設けることが考えられる。
具体的には、一般車両の各車輪において、タイヤ取付用ハブを介して三角状の履帯ユニットを取り付けた構成の車両が開発されている(特許文献1参照)。
また、当該特許文献1では、泥濘地等を走行する際に三角履帯ユニットを取り付け、泥濘地を抜けて平地に入り車輪走行に切り換える際には三角履帯ユニットを取り外しているが、当該三角履帯ユニットを取り付け及び取り外しには、車体を通常のタイヤ交換位置よりも高くジャッキアップしなければならない等、交換作業も容易ではなく、効率が悪い。
請求項4の車両では、前記請求項1から3のいずれかにおいて、前記抵抗体は、下面より下方に突出する爪部材を備えたことを特徴としている。
また、抵抗体は車輪の接地位置より上方に位置する構成であることから、ジャッキアップ等することなく容易に当該抵抗体の取り付け及び取り外しを行うことができる。また、交換作業当該抵抗体を取り付けた状態でも平地の車輪走行に干渉することもないため、交換作業を行うことなく平地と軟弱地とを走行することもできる。
まず、第1実施形態について説明する。
図1を参照すると、本発明の第1実施形態に係る車両の全体構成図が示されている。
図1に示すように、車両1は左右一対の駆動輪を前中後の3箇所に備えた6輪駆動車である。なお、図1では車両左側面のみを示しているが、右側面もほぼ同様の構成をなしており、以下車両左側側面の構成に基づき説明する。
以下、当該第1実施形態の車両におけるスタック回避機構4について詳しく説明する。
図2に示すように、中輪2M及び後輪2Rはそれぞれホイール部2aとタイヤ部2bからなり、スタック回避機構4は、支持部材6、カウンターバランス8、及びシュー10(抵抗体)から構成されている。なお、ホイール部2aの側面はタイヤ部2bの側面よりも内側に位置しており、スタック回避機構4の支持部材6、カウンターバランス8はホイール部2aの側面であってタイヤ部2bより内側に設けられている。
一方、取付軸12は、支持腕部6cの先端からタイヤ部2bの側面よりも外側に突出している。当該取付軸12は、シュー10を当該取付軸12周りに回転可能に支持するものである。
図3には、第1実施形態におけるスタック回避機構の動作を(a)〜(d)の時系列で示した作動図が示されており、同図に基づき軟弱地走行時のスタック回避機構4の作動について説明する。
まず、図3(a)では、上記スタック回避機構4を備えた車両1が軟弱地を走行して、中輪2M及び後輪2Rが軟弱地内に埋まった状態で接地している。この状態から中輪2M及び後輪2Rを駆動して回転させると、中輪2M及び後輪2Rの回転に伴いシュー本体14が車軸周りに回転する。
次に図3(c)では、さらに中輪2M及び後輪2Rに駆動力を与えることで、各取付軸12を支点として取付軸周りに中輪2M及び後輪2Rが回動する。つまり、中輪2M及び後輪2Rは、取付軸12を支点として持ち上げられながら前方へと移動し、その分車体も前方に移動する。
スタック回避機構4は、車輪での走行が可能になるまで、これら図3(a)〜(d)の動作を繰り返して徐々に車体を前方に移動させる。
また、上記第1実施形態におけるスタック回避機構4のシュー本体14は、グレーチング材であることで、軽量化を図ることができるとともに、シュー本体14が軟弱地表面に接触した際には、しっかりと当該シュー本体14が固定されることとなり、より確実にスタックを回避することができる。
次に第2実施形態について説明する。
図4及び図5を参照すると、図4には本発明の第2実施形態に係る車両においてスタック回避機構の(a)使用時及び(b)収納時を示す全体構成図、図5には図4の後輪の(a)側面図、(b)上面視図、(c)正面図がそれぞれ示されている。
車両1の前輪22Fは操舵輪であり、後輪22Rに当該第2実施形態におけるスタック回避機構24が取り付けられている。
当該第2実施形態の車両におけるスタック回避機構24は、上記第1実施形態の車両1に取り付けられたスタック回避機構4のように前後2輪に亘って架け渡されるものではなく、1輪ごとに取り付けることが可能なスタック回避機構である。
支持部材26及びカウンターバランス28の構成は、上記第1実施形態における支持部材6及びカウンターバランス8と同様であることから詳しい説明は省略する。
また、取付部38には支持棒32の一端部が連結されている。
さらに、支持部材26から外した取付軸40、シュー30、及び支持棒34については、図4(b)に示すようにシュー30を支持棒34の長手方向に沿って棒支持部34の近くまで移動させ、車体に固定することで収納することも可能である。これよりスタック回避機構24の取り付け、取り外し作業をより簡略化することができる。
図6には、第2実施形態におけるスタック回避機構の動作を(a)〜(d)の時系列で示した作動図が示されており、同図に基づき軟弱地走行時のスタック回避機構24の作動について説明する。
まず、図6(a)では、上記スタック回避機構24を備えた車両20が軟弱地を走行して、後輪22Rが軟弱地内に埋まった状態で接地している。この状態から、後輪22Rを駆動して回転させると、後輪22Rの回転に伴いシュー本体36も車軸周りに回転する。
次に図6(c)では、さらに後輪22Rに駆動力を与えることで、取付軸40を支点として取付軸周りに後輪22Rが回動する。つまり、後輪22Rは取付軸40を支点として持ち上げられながら前方へと移動し、その分車体も前方に移動する。
スタック回避機構24は、車輪での走行が可能になるまで、これら図6(a)〜(d)の動作を繰り返して徐々に車体を前方に移動させる。
以上で本発明に係る車両の実施形態についての説明を終えるが、実施形態は上記実施形態に限られるものではない。
図7に示す変形例では、シュー本体に下方に突出する爪部材を設けている。
詳しくは、図7(a)においては第1実施形態におけるシュー本体14’の前部及び後部に爪部材50、52が設けられている。当該爪部材50、52は長辺及び短辺からなる側面視略L字状をなしており、長辺部分がシュー本体14’の上面から下面に向けて貫通している。また、当該爪部材50、52は、図7(b)に示すように、短辺の端部を支点に回動可能に設けられており、平地の車輪走行時等で爪部材50、52を使用しない際には、長辺をシュー本体14’の上面側に移動させることが可能である。
このようにシュー本体に爪部材を設けることで、車両が軟弱地走行しており、シュー本体が軟弱地表面に接触した際、当該爪部材が軟弱地表面に食い込み、当該シュー本体の前後方向の動きを固定することができる。これにより、スタック回避機構によるスタック回避をより確実なものとすることができる。
図8に示す変形例は上記第1実施形態及び第2実施形態におけるスタック回避機構4、24の支持部材6、26及びカウンターバランス8、28を備えていないスタック回避機構である。
図8(a)は第1実施形態において、図8(b)は第2実施形態において、それぞれ支持部材6、26、及びカウンターバランス8、28を排除したスタック回避機構4''、24''であり、当該スタック回避機構4''、24''では、各取付軸12''、40''がホイール部2a''、22a''の側面から直接突出している。
また、上記第1実施形態のスタック回避機構4では中輪2M及び後輪2Rの2輪に亘ってシュー10を設けているが、より多くの車輪を備える車両であれば、例えば前後3輪以上に亘って架け渡しても構わない。
また、上記第1実施形態では、シュー本体14がグレーチング材であるが、シュー本体の形状はこれに限られるものではなく、例えば、グレーチング材であるシュー本体の上面に蓋としての板材を取り付けるものであっても構わない。このような構成とすることで、第1実施形態の泥が網目を貫通してしまってシュー本体が軟弱地内に沈み込んでしまうような特に路面の軟らかい軟弱地であっても、上面にある板材により泥の貫通が遮られ、確実にシュー本体が軟弱地に食い込むこととなる。これにより、特に軟らかい軟弱地であってもスタックすることなく脱出することでき、走行可能な領域を拡げることができる。また板材を上面に取り付けるだけの容易な構成であり、路面の状態に応じて使い分けることもできる。
2F、22F 前輪
2M 中輪
2R、22R 後輪
2a、22a ホイール部
2b、22b タイヤ部
3、23 車軸
4、24 スタック回避機構
6、26 支持部材
6a 固定部
6b、6c 支持腕部
8、28 カウンターバランス
10、30 シュー(抵抗体)
12、40 取付軸
14、36 シュー本体
16a、16b、38 取付部
32 支持棒(回転規制手段)
34 棒支持部(回転規制手段)
Claims (4)
- 駆動力の伝達される車輪を備えた車両であって、
前記車輪の側面にて車軸と離間した位置に配設され、当該車輪の回転とともに車軸周りに回転する取付軸と、
1つの前記車輪に対し1つ設けられ、前記車輪よりも側方にて前記取付軸を介して回転可能に且つ取り外し可能に支持されており、前記車両の前後方向に延びた形状で、前記車輪の回転とともに車軸周りに回転したときも下面が前記車輪の接地位置よりも上方に位置する抵抗体と、
棒状をなし、一端が前記抵抗体における前記取付軸周りの回転を制限するよう前記抵抗体に連結された支持棒部材と、
車体側面に前記車輪の回転と同方向に回転可能に固定され、前記支持棒部材を摺動可能に支持する棒支持部材と、
を備え、
軟弱地走行時には、前記取付軸を介して前記抵抗体を前記車輪に取り付け、前記車輪が当該軟弱地に埋まり前記抵抗体の下面が当該軟弱地表面に接触することで、前記取付軸を支点として前記車輪の駆動力により当該車輪を回動させ、
前記取付軸を介しての固定を解除し、前記抵抗体を前記支持棒部材の長手方向に沿って棒支持部材の近くまで移動させ、前記車両の車体に取り付けることで前記抵抗体を収納可能であることを特徴とする車両。 - 前記抵抗体はグレーチング材であることを特徴とする請求項1記載の車両。
- 前記抵抗体は、下面より下方に突出する爪部材を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両。
- 前記車輪に、前記抵抗体に対応したカウンターバランスを備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の車両。
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