JP5583553B2 - 鉄道車両の台枠構造 - Google Patents

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Description

本発明は、鉄道車両の台枠構造に関するものである。
鉄道車両は、一般的に、レール方向、すなわち車両長手方向に側梁が設けられ、側梁を、枕木方向、すなわち、車両幅方向に結合する複数本の横梁が設けられる、台枠構造となっている。そして、特許文献1に示すように、主変圧器のような床下機器は、横梁の車幅方向中央部に、吊り下げボルトによって吊り下げられるようになっている。
特開2007−308042号公報
鉄道車両の台枠構造に対しては、床下火災を考慮した評価基準が設けられており、例えば、米国では、ASTM E−119 Standard Methods of Fire Tests of Building
Construction and Materialsに、耐火試験の方法が規定されている。そして、上記試験条件においては、床下機器を吊り下げている横梁の温度が上昇し、その結果、横梁の強度が低下し、床下機器を支持している横梁の変形量が大きくなる。
そこで本発明の目的は、床下火災において、床下機器を支持する横梁の変形量を小さくすることができる鉄道車両の台枠構造を提供することである。
本発明は、車両長手方向に延びる一対の側梁と、前記各側梁間に配置され、車両幅方向に延びる、横梁とを有する台枠と、前記台枠の上面に設けられる構造床と、前記横梁の車両幅方向中央部に吊り下げられた床下機器とを備える鉄道車両の台枠構造であって、前記構造床の上方に設けられ、客室の下面を構成する客室床と、前記構造床と前記客室床との間に、前記客室床を支持し、車両長手方向に延在する床受部材と、をさらに備え、前記床受部材のうち、車両幅方向の略中央部に設けられた床受部材が、前記床下機器の荷重の少なくとも一部を負担するように前記構造床に取り付けられていることを特徴とする。
本発明によれば、床受部材が床下機器の荷重の少なくとも一部を負担するので、床下機器を支持する横梁の受ける荷重が小さくなる。その結果、床下火災において、横梁の変形量を小さくすることができる。
要するに本発明によると、床下火災において、床下機器を支持する横梁の変形量を小さくすることができる鉄道車両の台枠構造を提供することができる。
本発明に係る台枠構造を備えた鉄道車両の断面略図である。 側梁と横梁とを示す概略斜視図である。 図1のIII−III断面図である。 図3における、横梁の無い構造床部分の拡大図である。 図3における、床下機器が吊り下げられない横梁部分の拡大図である。 図3における、床下機器が吊り下げられた横梁部分の拡大図である。 床下機器が吊り下げられた横梁部分の図6と異なる断熱構造を示す図である。 第2断熱材で覆われた状態の横梁の正面図である。 横梁の荷重負担を軽減する台枠構造の概略斜視図である。 図9の台枠構造において、床下火災前の状態を示す横梁の概略正面図である。 図9の台枠構造において、床下火災後の状態を示す横梁の概略正面図である。 第1断熱材の下面を覆う金属板を下方から見た図である。 図12のXIII−XIII断面図である。 図13の一部拡大図である。 図12のXV−XV断面図である。 図15の一部拡大図である。 第1断熱材の厚さに対する、構造床温度と炉内温度との温度比を示したグラフである。
図1は、本発明に係る台枠構造を備えた鉄道車両の断面略図である。鉄道車両の車両構体の最下部には台枠1が設けられている。台枠1は、レール方向、すなわち、車両長手方向(Y方向)に配設される一対の側梁2と、その一対の側梁2を、枕木方向、すなわち、車両幅方向(Z方向)に結合する複数の横梁3と、を有している。図2は、側梁2と横梁3とを示す概略斜視図である。横梁3は、Y方向に600mm〜1000mmのピッチで設けられている。横梁3には、電線や空気配管等(以下、単に「電線配管等」という)電線配管等が挿通される配管孔31が、Z方向に複数並設されている。
台枠1上には、気密床としての構造床4が設けられ、構造床4上には、Y方向に延びる複数の床受部材5が、Z方向に間隔をおいて、立設されている。床受部材5は、客室Sの床を構成する客室床6を、構造床4から一定の間隔をおいた上方で支持するようになっている。客室床6上には、乗客が着座する座席7が設けられている。
図3は、図1のIII−III断面図である。横梁3は、断面が略I形状になっている。横梁3の下部には、下端開口部が狭くなっている矩形の吊り溝部3aが、一体に形成されており、吊り溝部3aに対し、複数の吊り下げボルト8の頭部が挿入されている。そして、吊り下げボルト8及びナット8aにブラケット9を介して、床下機器10が支持されている。
(構造床の耐熱構造)
図4は、図3における、横梁3の無い構造床4部分の拡大図である。構造床4の下方には、空間(空気層41a)を介して、第1断熱材42aが設けられている。第1断熱材42aの上面は、第2金属板43aで、第1断熱材42aの下面は第1金属板43bで覆われている。
第1断熱材42aは、グラスファイバーや、アルミナファイバー等を含むセラミックファイバーを用いることが好ましい。第2金属板43a、第1金属板43bは、ステンレス鋼であることが好ましい。また、第2金属板43a、第1金属板43bの外面は、研磨加工等の表面仕上げが行われることが好ましい。
空気層41aの上下方向厚さD1は、第1断熱材42aの上下方向厚さD2より小さく、具体的には、厚さD1は、厚さD2の1/3程度である。
(横梁の耐熱構造)
図5は、図3における、床下機器10が吊り下げられない横梁3部分の拡大図である。横梁3の下方及び少なくとも側方の一部、すなわち、横梁3のウェブ3b及び吊り溝部3aは、第2断熱材42bに覆われ、第2断熱材42bの外面は、断面コの字状の第3金属板43cで覆われている。横梁3の上面は構造床4に取り付けられており、横梁3の上部側方は、空気層41a又は第1断熱材42aに覆われている。第3金属板43cは、第2断熱材42bを介して横梁3で支持されており、第1金属板43bと第3金属板43cとは非接触となっている。
図6は、図3における、床下機器10が吊り下げられた横梁3部分の拡大図である。横梁3のウェブ3b及び吊り溝部3aは、第2断熱材42bに覆われ、第2断熱材42bの外面は第3金属板43cで覆われている。第3金属板43cは吊り下げボルト8で支持されており、第1金属板43bと第3金属板43cとは非接触となっている。横梁3の下方であって第3金属板43cの上方には、カラー32が設けられており、吊り下げボルト8は、カラー32によってその揺動が抑制されている。
図7は、床下機器10が吊り下げられた横梁3部分の図6と異なる耐熱構造(変形例)を示す図である。図7に示すように、横梁3の少なくとも側方の一部は、空気層41bを介して第2断熱材42bで覆われても良い。すなわち、第2断熱材42bは断面コの字状に形成され、外側面が第3金属板43cにより、内側面が第4金属板43dで覆われ、内側の第4金属板43dと横梁3との間に空気層41bが設けられている。第2断熱材42bを覆う第3金属板43c、第4金属板43dは吊り下げボルト8で支持されており、第1金属板43bと第3金属板43cとは非接触となっており、また、第1金属板43bと第4金属板43dとは非接触となっている。
図8は、第2断熱材42bで覆われた状態の横梁3のY方向正面図である。横梁3のZ方向に並設された複数の配管孔31の内、実際電線配管等が挿通されるのは、Z方向略中央部を除く、例えば、Z方向両端部となっている。したがって、横梁3は、Z方向両端部の数個ずつの配管孔31部分を除き、第3金属板43cで覆われた第2断熱材42bで覆われるようになっている。
第2断熱材42bは、第1断熱材42aと同様であることが好ましい。第3金属板43c及び第4金属板43dは、第2金属板43a及び第1金属板43bと同様であることが好ましい。
(熱変形構造)
図8に示すように、床下機器10は、通常、横梁3のZ方向中央部で吊り下げられる。そして、Z方向に設けられた複数の孔31の内、実際電線配管等が挿通されるのは、Z方向略中央部を除く、例えば、Z方向両端部となっている。
ここで、両端部の数個ずつの配管孔31は、電線配管等が挿通されているので、断熱材42bで覆うことができない。したがって、床下火災において、横梁3の両端部の配管孔31部分は温度が上昇し、横梁3は下方に変形し(撓み)やすくなる。したがって、床下機器10を支持する横梁3の大きな変形を防止するためには、横梁3への荷重負担を軽減する必要がある。
図9は、横梁3の荷重負担を軽減する台枠構造の概略斜視図である。構造床4上には、Y方向に延びた床受部材5が、Z方向に間隔を有して、設けられている。Z方向両端部を除くZ方向略中央部に設けられた床受部材5aは、構造床4に対して、床受部材5aのY方向全長に亘って、溶接固定されている。
図10及び図11は、それぞれ、図9の台枠構造において、床下火災前及び床下火災後の状態を示す横梁3の概略正面図である。図10及び図11では、第2断熱材42bを覆う第3金属板43cを削除している。図8に示すように、床下機器10は、横梁3のZ方向中央部において、吊り下げボルト8によって吊り下げられている。横梁3は、横梁3のZ方向両端部の配管孔31部分を除いて、第2断熱材42bで覆われている。
床下火災となると、第2断熱材42bに覆われていない横梁3のZ方向両端部の配管孔31部分の温度が上昇し、横梁3が変形しやすくなる。その結果、床下機器10の荷重Gによって、横梁3は下方に撓むこととなる。ここで、横梁3の上部は構造床4に取り付けられており、構造床4の上部には、各横梁3を連結するように、床受部材5が取り付けられている。そして、床下機器10が吊り下げられるZ方向略中央部の床受部材5aは、構造床4に対して、床受部材5aのY方向全長に亘って、固定されている。なお、床受部材5aは、構造床4に対して溶接により固定されても良いし、床受部材5aと構造床4とは一体成型されても良い。したがって、図9に示すように、床受部材5aは、床下機器10の荷重Gの一部を負担することができるようになっている。すなわち、床下機器10の荷重Gの一部が、床受部材5aを通して、Y方向に平行なF1方向及びF2方向に伝達されるようになっている。
(金属板取付構造)
図4に示すように、第1断熱材42aは上面と下面が、それぞれ、第2金属板43aと第1金属板43bで覆われている。ここで、第1断熱材42aの下面を覆う第1金属板43bの取付構造について、図12〜図16を用いて説明する。図12は、第1断熱材42aの下面を覆う第1金属板43bを下方から見た図である。図13は、図12のXIII−XIII断面図、図14は、図13の一部拡大図、図15は、図12のXV−XV断面図、図16は、図15の一部拡大図である。
図13において、第1金属板43bの下方への撓みを防止するため、Y方向の横梁3間では、第1金属板43bは2枚の第1金属板43b1、43b2をY方向の略中央で結合することにより構成されている。横梁3の上部には、板状の第1板部材432が溶接で取り付けられ、第1金属板43b1及び第1金属板43b2の横梁3側端部には、Z方向視Z形状の第1支持部材433が溶接で取り付けられている。そして、第1支持部材433の端部が、横梁3と第1板部材432との間の隙間に挿入され、第1板部材432上に載置されることにより、第1金属板43b1及び第1金属板43b2の各端部が、横梁3に支持されるようになっている。床下火災においては、第1金属板43b1及び第1金属板43b2が、火炎に直接接触することとなるが、第1板部材432は第1金属板43b1及び第1金属板43b2より上側で横梁3に取り付けられる。さらに、第1金属板43b1及び第1金属板43b2は第1板部材432の下方に横梁3に向けて延在している。このような構成により第1板部材432が火炎に直接接触することを防ぐことができる。
図12において、第1板部材432は、Z方向に間隔をおいて複数設けられている。床下火災においては、第1板部材432が分割されて横梁3に取り付けられているので、第1板部材432と横梁3との接触面積が低減されており、その結果、第1金属板43b1、43b2から横梁3への伝熱量が低減されている。したがって、横梁3の温度上昇を低減することができる。
図14は、第1金属板43b1と第1金属板43b2との結合部の詳細を示している。構造床4の下部の、横梁3間のY方向のほぼ中央部には、構造床4から略鉛直方向に延在する第2板部材434が溶接で取り付けられている。第2板部材434とZ方向視L字状の第2支持部材435とは、ボルト436及びナット436aによって締結されている。そして、第2支持部材435と第1金属板43b1、第1金属板43b2とは、ボルト437及びナット437aによって締結されている。ここで、第2支持部材435のうち、ボルト436及びナット436aによって第2板部材とともに締結される部分を第1被締結部といい、ボルト437及びナット437aによって第1金属板43b1及び第1金属板43b2ともに締結される部分を第2被締結部という。なお、図11において、第2板部材434は略L字状としたが、形状はこれに限られず、第2板部材434と第1金属板43b1、43b2に対して締結されればよい。
以上のように、分割された各第1金属板43b1、43b2は、一端が横梁3と第1板部材432との間に差し込まれ、他端が、第2支持部材435を介して、ボルト436及びボルト437で、構造床4に締結されている。したがって、例えば、構造床4がアルミ合金であり、第1金属板43bがステンレス鋼である、すなわち、構造床4と第1金属板43bとが互いに異種材料であっても、上記取付構造を採用することによって、第1金属板43bは、構造床4に支持されることが可能となっている。
第1金属板43bの下方への撓み防止のため、第1金属板43bは、第1金属板43b1と第1金属板43b2とに2分割されているが、さらに、第1金属板43b1、43b2の剛性を向上させるために、図16に示すように、第1金属板43b1、43b2の上面に、断面L字状の補剛材438を溶接で取り付けておくことが好ましい。補剛材438は、Y方向に延設されており、Z方向に間隔をおいて複数設けられている。
図16において、構造床4の下方であり、第1断熱材42aの上面を覆う第2金属板43aの上面には、構造床4を支持する第3支持部材439が設けられている。第3支持部材439は、Z方向及びY方向に間隔をおいて複数設けられている。
本実施形態によれば、次のような効果を発揮できる。
(1)床受部材5aは、構造床4に対して、床受部材5aのY方向全長に亘って、溶接固定されているので、床受部材5aは、床下機器10の荷重Gの一部を受けることができるようになっている。したがって、床下火災によって、横梁3の両端部の温度が上昇し、横梁3が下方に変形しやすくなる場合においても、床下機器10の荷重Gの一部が、床受部材5aに分散され、横梁3の受ける荷重が小さくなるので、横梁3の下方への変形量を低減することができる。また、横梁3の下方への変形量を低減することによって、構造床4、さらに、客室床6の下方への変形量を低減することができる。
(2)構造床4は、空気層41aを介して第1断熱材42aで覆われるため、断熱効果を維持しながら、空気層41aと第1断熱材42aとを合わせた上下方向厚さ(D1+D2)を短くすることができる。その結果、構造床4の下方の断熱構造を小さくすることができ、大型の床下機器10を取り付けることができる。
構造床4の下方の断熱構造を小さくすることができる詳しい理由は、以下のとおりである。
一般的に、伝熱形態は、熱伝導、熱伝達、熱放射(輻射)に分類され、車両の床下火災においては、熱伝導と輻射が主要なものとなる。ここで、熱伝導と輻射との関係は、温度によって異なっており、高温(500℃以上)では、輻射が熱伝導より支配的となり、低温(500℃以下)では、熱伝導が輻射より支配的となる。そして、空気層41aと第1断熱材42aとを比較すると、熱伝導性は、空気層41aの方が第1断熱材42aより低い。一方、輻射を遮断する性能は、第1断熱材42aの方が空気層41aより高い。したがって、床下火災の場合、下方の温度が高く、上方の温度が低くなるので、下方に輻射を遮断する性能の高い第1断熱材42aを配置し、上方に熱伝導性の低い空気層41aを配置することで、空気層41aと第1断熱材42aとを合わせた上下方向厚さ(以下、「厚さ」という)を最も薄くすることができる。火炎の温度を1000℃程度とすると、第1断熱材42a下面の温度は800℃程度となる。ここで、空気層41aの下面の温度を500℃程度とし(輻射が支配的となる温度では第1断熱材42で断熱し、熱伝導が支配的となる温度では空気層41aで熱伝導させる)、そして、構造床4の温度を350℃程度とするためには(例えば、構造床4に軽量なアルミ合金を使用する場合、構造床4の温度は350℃程度に抑えることが好ましい)、空気層41aの厚さD1は、第1断熱材42aの厚さD2より小さいことが好ましい。さらには、空気層41aの厚さD1は、第1断熱材42aの厚さD2の1/3程度とすることが好ましい。図17は、空気層41aの厚さD1と第1断熱材42aの厚さD2との合計を20mmとした場合において、第1断熱材42aの厚さに対する、構造床4温度と炉内温度(床下火災の温度に該当する)との温度比を示したグラフである。図17より、例えば、空気層41aの厚さD1と第1断熱材42aの厚さD2との合計が20mm程度とすれば、空気層41aの厚さD1は2.5〜5mm程度、第1断熱材42aの厚さD2は17.5〜15mm程度であることが好ましい。
(3)第1断熱材42aの下面には、第1金属板43bが設けられているので、第1断熱材42aを床下火災における火炎から、防護することができる。また、第1金属板43bで第1断熱材42aを支持することができるので、第1断熱材42aを支持するための特別の部材を設ける必要がない。
(4)第1断熱材42aの上面には、第2金属板43aが設けられているので、床下火災による下方から構造床4への輻射熱を低減することができる。
(5)横梁3の下方及び少なくとも側方の一部は、第2断熱材42bで覆われる、又は、空気層41bを介して第2断熱材42bで覆われるので、床下火災において、横梁3の耐火性及び断熱性を向上させることができる。横梁3は、空気層41bを介して第2断熱材42bで覆われることによって、上述した構造床4の断熱構造と同様、空気層41bと第2断熱材42bとを合わせた厚さを短くすることができる。その結果、横梁3の周囲の断熱構造を小さくすることができる。
(6)第2断熱材42bが、第3金属板43cで覆われるので、第2断熱材42bを床下火災における火炎から、防護することができる。また、第3金属板43c及び第4金属板43dで第2断熱材を支持することができるので、第2断熱材42bを支持するための特別の部材を設ける必要がない。
(7)第1金属板43bと第3金属板43cとが非接触であり、第1金属板43bと第4金属板43dとが非接触となっているので、第1金属板43bと第3金属板43cとの間、及び、第1金属板43b第4金属板43dとの間で熱歪が発生し、第1金属板43bと第3金属板43cとの間、及び、第1金属板43bと第4金属板43dとの間で大きな変形や亀裂等が生じることを防止できる。
(8)第1金属板43bは、2枚の第1金属板43b1と第1金属板43b2とに分割されているので、第1金属板43bの下方への撓み量を低減することができる。
(9)第1金属板43bは、横梁3と第1板部材432との間の隙間に挿入され、第1板部材432上に載置されて、支持されるようになっており、構造床4とは第2支持部材435を介しボルト436、437で締結されるようになっている。したがって、横梁3、構造床4と第1金属板43bとは別材料を使用できる。例えば、横梁3、構造床4を軽量なアルミ合金とし、第1金属板43bを耐火性の高いステンレス鋼とすることができる。
(10)第1金属板43bの上面には補剛材438が取り付けられているので、第1金属板43bの剛性を向上させることができ、その結果、第1金属板43bの下方への撓み量を低減することができる。
(11)第2金属板43aの上面には第3支持部材439が設けられているので、第3支持部材439は、構造床4を支持し、構造床4の下方への撓み量を低減することができる。
(12)横梁3のZ方向両端部には、配管が敷設される配管孔31がY方向に設けられており、第2断熱材42bは配管孔31を露出するように形成されているので、横梁3のZ方向両端部に、床下機器10等の電線配管等を敷設することができ、配線構造が複雑化することを防止できる。
(13)第2金属板43a、第1金属板43b、第3金属板43c及び第4金属板43dの外面は、研磨加工等の表面仕上げが行われているので、第2金属板43a、第1金属板43b、第3金属板43c及び第4金属板43dの外面の放射率が低くなっており、その結果、第2金属板43a、第1金属板43b、第3金属板43c、及び第4金属板43dからの熱放射を小さくすることができる。
横梁3や構造床4と同様、側梁2も、断熱材で覆われることが好ましく、さらに、空気層を介して断熱材で覆われることが好ましい。
本実施形態では、床下機器10が吊り下げられるZ方向略中央部の床受部材5aが、構造床4に対して、床受部材5aのY方向全長に亘って、溶接固定されているが、Z方向略中央部の床受部材5aに限定せず、すべての床受部材5が、構造床4に対して、床受部材5のY方向全長に亘って、溶接固定されても良い。また、床受部材5aは、構造床4に対して溶接固定されているが、その固定方法は溶接に限定されず、床下機器10の荷重の一部を負担可能なように、構造床4に取り付けられれば良い。例えば、床受部材5aが構造床4と一体成形されても良いし、ボルト及びナットによって、床受部材5aが構造床4に対して締結されても良いし、床受部材5aと別体となる接続部材を介して、床受部材5aが構造床4に取り付けられても良い。
本実施形態では、配管孔31は、横梁3のZ方向両端部に設けられているが、配管孔31は、横梁3において、床下機器10が吊り下げられるZ方向略中央部の床受部材5aの略直下に対応しない範囲に設けられれば良い。
本発明は、上記実施形態で説明した構成には限定されず、特許請求の範囲に記載した内容を逸脱することなく、当業者が考え得る各種変形例を含むことができる。
本発明では、床下火災において、床下機器を支持する横梁の変形量を小さくすることができる、鉄道車両の台枠構造を提供できるので、産業上の利用価値が高い。
1 台枠
2 側梁 3 横梁 3a 吊り溝部
4 構造床
41a 空気層 41b 空気層
42a 第1断熱材 42b 第2断熱材
43a 第2金属板 43b 第1金属板 43c 第3金属板
43d 第4金属板
432 第1板部材 433 第1支持部材 434 第2板部材
435 第2支持部材
436 ボルト 437 ボルト 438 補剛材 439 第3支持部材
5 床受部材 5a 床受部材
6 客室床 7 座席 8 吊り下げボルト 9 ブラケット
10 床下機器

Claims (8)

  1. 車両長手方向に延びる一対の側梁と、前記各側梁間に配置され、車両幅方向に延びる、横梁とを有する台枠と、前記台枠の上面に設けられる構造床と、前記横梁の車両幅方向中央部に吊り下げられた床下機器とを備える鉄道車両の台枠構造であって、
    前記構造床の上方に設けられ、客室の下面を構成する客室床と、
    前記構造床と前記客室床との間に、前記客室床を支持し、車両長手方向に延在する床受部材と、をさらに備え、
    前記床受部材のうち、車両幅方向の略中央部に設けられた床受部材が、前記床下機器の荷重の少なくとも一部を負担するように前記構造床に取り付けられ、
    前記横梁において、車両幅方向の略中央部に設けられた床受部材の略直下に対応しない範囲に、車両長手方向に延在する配管孔をさらに備えていることを特徴とする、鉄道車両の台枠構造。
  2. 前記床受部材のうち、車両幅方向の略中央部に設けられた床受部材は、少なくとも4本の前記横梁間に亘って、前記構造床に対して固定されている、請求項1記載の鉄道車両の台枠構造。
  3. 前記構造床の下方であって、構造床用の空気層を介して配置される、第1断熱材をさらに備える、請求項1記載の鉄道車両の台枠構造。
  4. 前記第1断熱材の下面に設けられる第1金属板をさらに備え、
    前記構造床側から下方に向かって順に、前記構造床、前記構造床用の空気層、前記第1断熱材、前記第1金属板が配置される、請求項3記載の鉄道車両の台枠構造。
  5. 前記第1断熱材の上面に設けられる第2金属板をさらに備え、
    前記構造床側から下方に向かって順に、前記構造床、前記構造床用の空気層、前記第2金属板、前記第1断熱材、前記第1金属板が配置される、請求項4記載の鉄道車両の台枠構造。
  6. 前記横梁の少なくとも側方の一部は、第2断熱材で覆われている、請求項3記載の鉄道車両の台枠構造。
  7. 前記横梁の少なくとも側方の一部は、横梁用の空気層を介して第2断熱材で覆われている、請求項3記載の鉄道車両の台枠構造。
  8. 前記第2断熱材は、金属板で覆われている、請求項6記載の鉄道車両の台枠構造。
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