JP6510449B2 - 鉄道車両の製造方法 - Google Patents
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Description
特許文献1には、「計測場所に設置したレールを挟むように配置した少なくとも四箇所の所定位置に少なくとも四台の一部撮影用デジタルカメラをそれぞれ固定し、前記レール上の所定位置に計測対象の鉄道車両を配置した際および、その後前記鉄道車両を前記レール上で所定距離移動させる毎に、前記レール上の前記鉄道車両の一部を、前記少なくとも四台の一部撮影用デジタルカメラでその鉄道車両の長手方向の斜め方向から撮影して、その鉄道車両の前記一部の複数箇所の所定位置に設けたターゲットを撮像し、前記各ターゲットについて前記少なくとも四台のうちの少なくとも二台の一部撮影用デジタルカメラの画像データを基に画像処理および幾何学的演算処理をすることによって、前記鉄道車両全体に設けた複数の前記ターゲットの各々の、前記撮影位置での3次元座標値を算出し、前記各ターゲットの前記撮影位置での3次元座標値と、前記鉄道車両の移動距離との組み合わせから前記鉄道車両の出来形寸法を算出することを特徴とする、鉄道車両用出来形寸法計測方法」が記載されている(請求項1、参照)。
そのため、床板施工時に調整と設置の作業が繰り返されるため、施工時間が長くなる。さらに、解消できなかった床板の浮きは、乗客が床面を歩いた際に軋むような音が発生する床鳴り現象の要因の1つともいわれている。
さらに、先頭構体、前面窓ガラスの出来具合によっては、調整代だけでは調整しきれず、最悪の場合、先頭構体を切断、再溶接するなど、大幅な工程遅延を招く工程の一つとなっている。
運転台下面に調整部材を挿入することで高さを調整するが、先頭構体内部の狭小部に設置するため、調整箇所ではない運転台上面が先頭構体と干渉してしまう可能性がある。狭い作業スペースで干渉を考慮しながら調整高さを決定する必要があり、作業工数の大きな工程の一つである。
そこで、本発明は、車両製造上の特徴を考慮し、鉄道車両の艤装品施工指示を含めた鉄道車両の製造方法を提供する。本発明は、艤装品施工前に3次元計測(対象物の表面形状を3次元の座標データとして取得する計測方法)を実施し、この計測データを活用することで、現物合わせとなっている艤装品施工を短時間で実施する構想に基づくものである。
また、上記以外の課題、構成及び効果については、以下の実施形態の説明により明らかにされるものである。
図1は、艤装品施工指示方法に係るフローチャートの一例である。図1に基づき、艤装品施工指示方法による処理の流れを以下に説明する。このフローチャートに係る処理を実行する主体は、艤装品施工指示を司る装置の処理部、具体的には、実施例2以降で示す艤装品施工指示装置111における艤装品調整量算出処理部104が該当する。
車両設計情報101、測定結果情報102とも、処理上必要な情報を抽出し、データテーブル形式で保持してもよい。
ステップS22において、ステップS21で算出した構体と艤装品の位置関係から差分を抽出し、その差分を調整する調整量を調整部材の設計情報13の入力データに基づき決定する。
満足する場合(OK)は、ステップS24に進む。満足しない場合(NG)は、ステップS25に進む。
ステップS24において、調整部材の事前製作手配を可能とする調整部材製作指示書201、および、算出した調整量に基づく艤装品施工指示を可能とする調整部材配置指示書202を出力する。
そして、艤装品の施工の工程においては、調整部材配置指示書202に基づいて、調整部材製作指示書201に従って製作した調整部材を用いながら、所定の艤装品を施工することとなる。
(A)構体は(A1)調整箇所と(A2)非調整箇所とに分類される。(A1)調整箇所は、艤装品と調整部材を介して接触する箇所である。(A2)非調整箇所は、調整部材を配置する箇所ではないが、艤装品の配置に影響を与える箇所である。
測定結果情報102は、測定行為を必要とするため、可能な限り少ないことが望ましい。(A1)調整箇所は、溶接構造物であるため変形量が大きく、常に必要となる。(A2)非調整箇所および(B)艤装品の測定結果情報は、工程によって要否が異なる。この工程によって異なる測定結果情報の要否を、図2に示す(i)および(ii)に場合分けし、その場合分けに対応する具体的な工程の例を図3で説明する。
(類型1)は、(A2)非調整箇所の測定結果情報(以下、(i)と略称)が不要(図では、“×”と記す)、かつ、(B)艤装品の測定結果情報(以下、(ii)と略称)が不要な場合であり、床板施工の工程を実施例2とし、詳細は後述する。
(類型3)は、(i)が不要、かつ(ii)が必要な場合であり、前面窓ガラスの取り付け(施工)の工程を実施例5とし、詳細は後述する。
前述した4つの類型化により、以下で説明する実施例以外の艤装品施工においても、いずれかに分類可能であり、車両における艤装品施工を包括する製造方法を提供することができる。
艤装品施工指示装置111は、入出力部121、プロセッサ122およびメモリ123を有する。
メモリ123は、車両設計情報101、測定結果情報102および調整部材情報103から成るデータ部と、艤装品調整量算出処理部104および調整部材指示生成処理部105から成る処理部(プログラム)を有する。
すなわち、艤装品調整量算出処理部104および調整部材指示生成処理部105は、それぞれプロセッサ122によって実行され、プログラミングされた所定の処理を行うものである。してみると、プロセッサ122、艤装品調整量算出処理部104および調整部材指示生成処理部105)を併せて、一つの処理部とみなすことができる。
各処理部の詳細については、各々フローチャートを用いて後述する。
各テーブルの詳細については、データ例を用いて後述する。
側面図701は、車両構体が台枠、側および屋根を有し、側には出入り口および窓が存在することを示している。
上面図(床板配置)703は、床板配置の例である。床板は複数の床受けにより支えられていることが分かる。
床受けID図801は、図8に示す床受けテーブル311の床受けIDの配置を示している。床受け測定点ID図802は、図15に示す床受け測定テーブル321の床受け測定点IDの配置を示している。また、図中にXY座標軸を記し、各種データテーブル(床受けテーブル311、床受け測定テーブル321)のデータ例におけるXY座標の基準例を示している。
Hf=Hs+Da+Dn+Df … (式1)
Hf´=Hs´+Da´+Dn+Df … (式2)
さらに、式2と式1の差分から、以下の式3が成り立つ。
Da´=(Hf´−Hf)−(Hs´−Hs)+Da … (式3)
図16のフローチャートに基づく動作を以下に説明する。
例えば、図17に示すように、入出力部121の入力画面上に表示される「理想の床板上面の選択」欄において、設計上の床板上面高さをそのまま基準とするか、キャンバー式を考慮するかを選択する。
図21は、床構造の断面図における基準座標を説明する図である。床受け測定テーブル321(図15)の基準座標は、設計上の床受け上面上に定義される。また、床受けテーブル311(図8)の設計上の床板上面高さを用いて設計上の床板上面高さが算出でき、床受け測定点直上における設計上の床板上面を算出できる。
同様に、x方向の理想の床板上面の式Hf´(x)は、ステップS107において、高さがHf1´およびHf2´の点を通る直線として算出される。
Da´(x)=(Hf´(x)−Hf)−(Hs´(x)−Hs)+Da … (式4)
ステップS109において、艤装品調整量算出処理部104は、床受けテーブル311(図8)の項目である調整部材厚さピッチが規定されているかどうかを判定する。
ステップS111において、後述する式5から内部変数Nを満たす調整部材の位置、長さ、幅および厚さを算出する。
ステップS113において、艤装品調整量算出処理部104は、内部変数Nに1を加算し、ステップS111を再実行する。
Da´(x)<P/2のとき
Da´(x)=0
NP−P/2≦Da´(x)<NP+P/2のとき(但し、N≧1の整数)
Da´(x)=NP … (式5)
ステップS117において、艤装品調整量算出処理部104は、上記ステップS111で算出した調整部材情報103を出力し、床高さ調整量の算出に係る全処理を終了する。
床受け上面の長さが短く、その範囲内での傾きが十分小さいと考えられる場合には、床受け上面内に測定点を1つだけ定義することにより測定時間の短縮を図ることができる。同一床受け上面内の測定点が1つの場合として、図25の(a)に示すように、測定点を通るX軸に平行な直線として式を定義する。
図28のフローチャートに基づく動作を以下に説明する。
前記出力される調整部材製作指示書201に従って調整部材を製作することで、従来のように床板施工時に調整部材を都度作成する方法に比べ、製作指示の明確化による工数削減、作業ミス低減などの効果がある。
床板施工の次の工程としては、調整部材製作指示書201(図29)に基づいて調整部材が製作されると、調整部材配置指示書202(図30)に従ってその調整部材を配置し床高さの調整を行って床板の施工作業が行われることになる。
図31は、実施例3に係る構体の側面図である。車両構体を構成する各要素のうち、構体を支える台枠は溶接量が多く、歪を生じやすい。この歪量が、調整部材の厚さピッチよりも大きい場合には、その影響を無視できない。
そしてまた、例えば、側の両面の測定結果を用いることで、車両構体のねじれを考慮した理想の床板上面を定義することも可能である。
図33は、実施例3に係るキャンバー基準測定テーブル322のデータ例である。キャンバー基準測定テーブル322は、キャンバー基準用の測定点を特定するキャンバー基準測定点IDをキーとして(図では、図31の開口窓下の測定点ID(C001〜C005)をキャンバー基準とした場合を示す)、設計図面をもとに測定前に定義する測定の基準座標、基準座標近傍で測定した測定結果の座標、基準座標と測定座標との偏差、基準座標Zの設計上の床板上面高さからの距離および測定に用いた測定プローブの半径、をフィールドとして有している。
以上のように、実施例3では、理想の床板上面算出に当たってキャンバー基準測定結果を使用することにより、車両構体の実態に合わせた床高さ調整量の算出処理が可能となる。
出入口用の開口部下面や妻貫通路用の開口部下面など床板上面と面合わせする箇所がある場合、対象面側に調整代がなければ、床板側を調整して面合わせをする必要がある。
また、図示しないが、実施例4では、実施例3と同様に、入出力部121の入力画面における「理想の床板上面の選択」欄の項目として、面合わせ基準測定結果を使用する選択肢が追加されている。
実施例4に係る艤装品調整量算出処理部104がステップS102以降に実行する処理は、実施例2のステップS104以降の処理フローと同様である。
更に、実施例3に係るキャンバー基準測定結果と合わせる形でキャンバー式を補正する方法などを用いてもよい。
装置構成は、実施例2の図4と同様である。処理と入出力に係るフローの一例は、図5と同様である。
前面窓ガラス受けテーブル511および前面窓ガラステーブル512は、実施例2の図7の床受けテーブル311と、また、前面窓ガラス受け測定テーブル521および前面窓ガラス測定テーブル522は、床受け測定テーブル321と、それぞれ同等のデータフィールドを有する。
図39では、流線形の先頭構体を模しているが、先頭部が垂直で前面窓ガラスが先頭構体の前面を覆う通勤車両や、より鋭い流線形を有し前面窓ガラスの曲率も大きくなる高速車両などでも構わない。
断面AAは調整部材がある断面、断面BBは調整部材のない断面の例である。
断面AAでは、先頭構体553の前面窓ガラス受け部に調整部材551が配置され、その上に前面窓ガラス552が配置される。
シール材は、先頭構体の気密性を確保するため、許容最小厚さが車両設計情報101で定義されている。
基準面(たとえば前面窓ガラス552と同率の曲面を有する先頭構体553の前面窓ガラス受け部上面)からの最上面の高さ(Ht)は、調整部材厚さ(Da)、前面窓ガラス厚さ(Dg)、シール材厚さ(Ds)およびガラス押さえ厚さ(Dp)の和と同値であることが分かる。それを式6として以下に示す。
Ht=Da+Dg+Ds+Dp … (式6)
ガラス押さえ561は、金属や樹脂のプレートが用いられるため、ガラス押さえ厚さ(Dp)の製造精度は十分高い。
Ht=Da´+Dg+Ds´+Dp … (式7)
各調整箇所(i)において、(Ht)、(Dg)および(Dp)が一定であることから、各調整箇所において、式8が成り立つ。
Da(i)´+Ds(i)´=Const. … (式8)
Da(i)´=Hg(i)´−Dg … (式9)
また、式8より実際のシール材厚さ(Ds´)が算出されるが、シール材厚さの制約を満たす必要がある(制約条件B2)。
図43のフローチャートに基づく動作を以下に説明する。
ここで、仮想組立の処理方法として、少なくとも以下3つの方法が選択可能である。選択の反映には、ユーザ画面で入力を受け付ける方法や、初期設定を保持しておく方法などがある。
この方法の欠点は、それぞれの形状の関係性を考慮できず、隙間(すなわち調整量)が大きくなる可能性が高い点である。
この方法の欠点は、設計位置を考慮しておらず、設計位置からのずれが大きくなる可能性が高い点である。また、計測データ同士をベストフィットする場合には、計測データの密度が不均一であることや、計測データ同士に比較できる箇所(すなわち、設計上の位置関係に配置した際に、ライナーないしシール剤を介してガラスとフレームが接触する箇所)が測定できていない場合には、ベストフィットが収束しない可能性がある。また、計測データ同士の座標系が一致していない場合には、比較する箇所を適切に選択することができず、ベストフィットが収束しない可能性がある。
この方法の利点は、事前に(仮想組立A)で位置合わせすることにより、(仮想組立B)でベストフィットが収束する可能性を高めることができる。(仮想組立B)の欠点を(仮想組立A)の方法で補うことができる。
この方法の欠点は、処理ステップが増えることである。
ここで、各調整箇所における調整部材厚さ(Da(i)´)は、前述した実施例2の図16に示すフローチャートのステップS104からステップS116と同様に順次算出される。
調整部材の長さ、幅が小さい場合や、製造上調整部材の分割が許容されない場合には、各調整箇所における代表測定点から調整量を一意に算出しても構わない。
ここで、制約条件としては、少なくとも下記2つを含む。
(制約条件B1)前述した実施例2の図16に示すフローチャートのステップS114と同様に、調整部材の厚さの上限値および下限値を満たす。
(制約条件B2)式8に基づく調整部材厚さ(Da(i)´)とシール材厚さ(Ds(i)´)の和が一定であるとの関係より、シール材厚さの上限値および下限値を満たす。
ステップS506において、調整不可通知書203を出力する。ユーザは出力結果を確認し、以下の選択を行う。これらの選択は複数組合せてもよい。
(選択B)ステップS503の仮想組立の処理方法を変更(再選択)し、処理を再実行する。
(選択C)現在の構体(実施例5では先頭構体)または艤装品(実施例5では前面窓ガラス)の出来具合では調整不可と判断し、形状修正などの手配をとる。形状修正後、再測定を実施し、再度処理を実行することも可能である。
前面窓ガラス施工の次の工程としては、調整部材製作指示書201に基づいて調整部材が製作されると、調整部材配置指示書202(図44)に従ってその調整部材を配置し前面窓ガラスの位置調整を行って、前面窓ガラスの施工作業が行われることになる。
実施例5により、前面窓ガラスの用に艤装品が変形している場合でも、施工前に調整量を算出することが可能となる。
実施例6においては、先の実施例1〜3および5の“艤装品”を“運転台”とした例について説明する。
装置構成は、実施例2の図4と同様である。処理と入出力に係るフローの一例は図5と同様である。
先頭構体内部の側面に、運転台受け(取り付け座)653が複数設けられ、上部に運転台652が配置されている(図中は底面のみ表示)。運転台652は、溶接構造物であり、溶接後、先頭構体内部に搬送され、運転台受け653で位置を調整し、ボルトなどで締結される。運転台652の内部に制御パネルなどの電装品が配置される。運転台652の表面は、樹脂製のパネルなどで覆われることもある。運転台受け653は、先頭構体の側面からではなく、正面や台枠上面(床)656に設けられる構造も考えられる。運転台652の下部には、製造装置などの下部機器655が配置される(図46では省略)。運転台受け653の配置や数、その他の構造についても図46に限定されない。
運転台652の上面は、先頭構体内部との干渉を回避しなくてはならず、特に先頭構体ピラー654との干渉を考慮しなければならない(制約条件C1)。
また、運転台652の下面は、台枠上面656に配置される下部機器655との干渉を考慮しなければならない(制約条件C2)。
Ht=Hs+Da+Dc … (式10)
Ht´=Hs´+Da´+Dc´ … (式11)
Ht´<Hu´ … (式12)
下部機器655は精密機器であり、設計上の厚さ(Db)は設計と実際とで大きな誤差は生じない。制約条件式11より式13が成り立つ。
Db<Hs´+Da´ … (式13)
Da(i)´=Ht(i)´−Hs(i)´−Dc(i)´ … (式14)
Da(i)´<Hu(i)´−Dc(i)´−Hs(i)´ … (式15)
Db−Hs(i)´<Da(i)´ … (式16)
特に、先頭構体ピラー654は、傾斜を有する構造であることが多く、Hu(i)´は調整箇所(i)の垂直方向高さであることに留意が必要である。
図48のフローチャートに基づく動作を以下に説明する。
ここで、各調整箇所における調整部材厚さ(Da(i)´)は、前記実施例2のフローチャート図16のステップS104からステップS116と同様に順次算出される。
調整部材の長さ、幅が小さい場合や、製造上調整部材の分割が許容されない場合には、各調整箇所における代表測定点から調整量を一意に算出しても構わない。
ステップS606では、前記実施例2のフローチャート図16のステップS114と同様に、調整部材の厚さの上限値および下限値を満たしているかどうかを判定する。満足しない場合(NO)は、ステップS604に戻り、上限値を越える場合は垂直方向下に、下限値を越える場合は垂直方向上に、位置を調整する。
ステップS608では、式16に基づき、運転台下面と下部機器が干渉しないがどうかを判定する。干渉する場合(NO)は、ステップS604に戻り、垂直方向上に位置を調整する。
また、計算の繰り返しについて、ステップS609において、初期設定として保持した規定回数以下であることを判定する。規定回数以下(YES)であれば、前記のとおり、ステップS604に戻って再計算を実行する。規定回数以上(NO)であれば、計算が収束しないと判定し、ステップS610に進む。
(選択A)ステップS601の入力を変更し、処理を再実行する。変更方法として、車両設計情報101が持つ各種制約条件を変更(緩和)する、再測定を実施し測定結果情報102を更新する、などの方法がある。
(選択B)現在の構体(本実施例では運転台受けまたは先頭構体ピラー)または艤装品(本実施例では運転台)の出来具合では調整不可と判断し、形状修正などの手配をとる。形状修正後、再測定を実施し、再度処理を実行することも可能である。
運転台施工の次の工程としては、調整部材製作指示書201に基づいて調整部材が製作される。この工程では、調整部材配置指示書202(図49)に従ってその調整部材を配置し運転台の位置調整を行って、運転台の施工作業が行われることになる。
実施例6により、運転台と運転台受けの関係だけでなく、先頭構体ピラーや下部機器との干渉を施工前に考慮した調整量を算出することが可能となる。
図50は、実施例7に係る調整部材種類テーブル313のデータ例である。実施例2の調整部材種類テーブル313(図14)に対して、各調整部材の厚さのフィールドが追加され、その厚さにおいて複数の選択肢を有している。
以下に、図51に追加された4つのステップ(ステップS211〜S214)の処理内容について、図52を参照して説明する。
制御線や情報線については、説明上必要と考えられるものを示し、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
103 調整部材情報、104 艤装品調整量算出処理部、
105 調整部材指示生成処理部、121 入出力部、122 プロセッサ、
123 メモリ、201 調整部材製作指示書、202 調整部材配置指示書、
203 調整不可通知書、311 床受けテーブル、312 エリアテーブル、
313 調整部材種類テーブル、314 キャンバー式、321 床受け測定テーブル、322 キャンバー基準測定テーブル、323 面合わせ基準測定テーブル、
331 調整部材テーブル、511 前面窓ガラス受けテーブル、
512 前面窓ガラステーブル、521 前面窓ガラス受け測定テーブル、
522 前面窓ガラス測定テーブル、611 運転台受けテーブル、
612 運転台周辺テーブル、613 運転台テーブル、
621 運転台受け測定テーブル、622 運転台周辺測定テーブル、
623 運転台測定テーブル
Claims (15)
- 車両の構体および艤装品に関する車両設計情報と、前記艤装品を設置する前記構体上の調整箇所を3次元計測して得た第1の測定結果情報とに基づいて、前記構体に設置する前記艤装品の理想の設置位置を算出する第1のステップと、
前記第1のステップで算出した前記艤装品の理想の設置位置と前記第1の測定結果情報とから算出した前記調整箇所における差分の調整量と、前記艤装品の設置時に当該差分の調整用に用いる調整部材の情報とに基づき、当該調整箇所に配置する前記調整部材の選択および配置位置を指示する指示情報を出力する第2のステップと、
前記指示情報に基づいて前記艤装品を施工する第3のステップと
を有することを特徴とする鉄道車両の製造方法。 - 請求項1において、
前記調整部材を配置する箇所ではないが前記艤装品の配置に影響を与える箇所である非調整箇所の測定結果情報を第2の測定結果情報とし、
前記艤装品の測定結果情報を第3の測定結果情報として、
前記第1のステップは、前記車両設計情報および前記第1の測定結果情報に加えて前記第2の測定結果情報または前記第3の測定結果情報にも基づいて、前記構体に設置する前記艤装品の理想の設置位置を算出する
ことを特徴とする鉄道車両の製造方法。 - 請求項1において、
前記調整部材を配置する箇所ではないが前記艤装品の配置に影響を与える箇所である非調整箇所の測定結果情報を第2の測定結果情報とし、
前記艤装品の測定結果情報を第3の測定結果情報として、
前記第1のステップは、前記車両設計情報および前記第1の測定結果情報に加えて前記第2および前記第3の各測定結果情報にも基づいて、前記構体に設置する前記艤装品の垂直または水平方向の位置を調整しながら、前記艤装品の理想の設置位置を算出する
ことを特徴とする鉄道車両の製造方法。 - 請求項1から3のいずれか1項において、
前記第3のステップは、前記指示情報に基づいて施工に用いる前記調整部材の加工を行う第4のステップと、前記第4のステップで加工した当該調整部材を用いて前記艤装品を施工する第5のステップを有し、
前記第5のステップで用いる前記調整部材を、前記第4のステップで事前に準備しておくことを特徴とする鉄道車両の製造方法。 - 請求項1から4のいずれか1項において、
前記第2のステップは、前記調整部材の情報として前記調整部材の長さと幅の情報を用いて、前記艤装品を分割した区画毎に前記調整部材を選択する
ことを特徴とする鉄道車両の製造方法。 - 請求項1から5のいずれか1項において、
前記第2のステップは、前記指示情報として、前記調整部材の製作指示書および配置指示書を出力する
ことを特徴とする鉄道車両の製造方法。 - 請求項1または請求項1を引用する請求項4から6のいずれか1項において、
前記艤装品は、床板であり、
前記第1のステップで、前記第1の測定結果情報は前記構体上の調整箇所である前記車両の台枠に設ける床受け上面の測定情報を含み、前記理想の設置位置は前記床板を施工する対象車両に対する理想の床板上面位置であり、
前記第2のステップで、前記差分の調整量は床受け上面における厚さ調整量であり、前記指示情報は当該床受け上面に配置する前記調整部材の選択および設置位置であり、
前記第3のステップで前記床板を施工する
ことを特徴とする鉄道車両の製造方法。 - 請求項7において、
前記車両設計情報は、キャンバーに係る曲率を定義するキャンバー式情報を有し、
前記第1のステップにおける前記理想の床板上面位置の算出に、前記キャンバー式情報も用いる
ことを特徴とする鉄道車両の製造方法。 - 請求項2または請求項2を引用する請求項4から6のいずれか1項において、
前記艤装品は、床板であり、
前記第1のステップで、前記車両設計情報はキャンバーに係る曲率を定義するキャンバー式情報を含み、前記第1の測定結果情報は前記構体上の調整箇所である前記車両の台枠に設ける床受け上面の測定情報を含み、前記第2の測定結果情報は前記キャンバーの基準となる前記車両の台枠以外の測定情報または前記床板の上面に対して面合わせ基準となる箇所の測定情報を含み、前記理想の設置位置は前記床板を施工する対象車両に対する理想の床板上面位置であり、
前記第2のステップで、前記差分の調整量は床受け上面における厚さ調整量であり、前記指示情報は当該床受け上面に配置する前記調整部材の選択および設置位置であり、
前記第3のステップで前記床板を施工する
ことを特徴とする鉄道車両の製造方法。 - 請求項2または請求項2を引用する請求項4から6のいずれか1項において、
前記艤装品は、前記車両の前面窓ガラスであり、
前記第1のステップで、前記第1の測定結果情報は前記車両の先頭構体上の調整箇所である前面窓ガラス受け部の測定情報を含み、前記第3の測定結果情報は前記前面窓ガラスの測定情報を含み、前記理想の設置位置は前記前面窓ガラスの前記先頭構体上の設置位置であり、
前記第2のステップで、前記差分の調整量は前記前面窓ガラス受け部における厚さ調整量であり、前記指示情報は当該前面窓ガラス受け部に配置する前記調整部材の選択および設置位置であり、
前記第3のステップで前記前面窓ガラスを施工する
ことを特徴とする鉄道車両の製造方法。 - 請求項3または請求項3を引用する請求項4から6のいずれか1項において、
前記艤装品は、前記車両の運転台であり、
前記第1のステップで、前記第1の測定結果情報は前記車両の先頭構体上の調整箇所である運転台受けの測定情報を含み、前記第2の測定結果情報は前記運転台の周辺の測定情報を含み、前記第3の測定結果情報は前記運転台の測定情報を含み、前記理想の設置位置は前記運転台の前記先頭構体上の設置位置であり、
前記第2のステップで、前記差分の調整量は前記運転台受けにおける厚さ調整量であり、前記指示情報は当該運転台受けに配置する前記調整部材の選択および設置位置であり、
前記第3のステップで前記運転台を施工する
ことを特徴とする鉄道車両の製造方法。 - 請求項1から11のいずれか1項において、
前記第2のステップにおいて、前記指示情報に前記調整部材の組み合わせを選択肢として含め、
前記第3のステップにおける前記艤装品の施工は、前記選択肢の中から選択された任意の調整部材の組み合わせで行う
ことを特徴とする鉄道車両の製造方法。 - 請求項1から12のいずれか1項において、
前記第2のステップで算出した前記差分の調整量が、前記車両設計情報の制約条件を満足しない場合には、調整が不可であることを通知する
ことを特徴とする鉄道車両の製造方法。 - 請求項13において、
前記調整が不可であることの通知として、少なくとも前記制約条件を満足しない箇所および満足しない理由のいずれかを定量的な提示する
ことを特徴とする鉄道車両の製造方法。 - 請求項1から14のいずれか1項において、
前記車両設計情報、前記第1から前記第3の各測定結果情報および前記調整部材の情報を格納した記憶部と、前記各ステップを実行する処理部と、入出力部とを備えた艤装品施工指示装置を使用した鉄道車両の製造方法。
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