JP5583142B2 - Pe m1b フィルム zn/cr - Google Patents

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Description

本発明は、エチレンと3−置換C4-10アルケンとのインターポリマーを含むフィルムであって、前記インターポリマーが、チーグラー・ナッタ触媒または酸化クロム触媒を含む触媒系を用いて作製されるフィルムに関する。また、本発明は、該フィルムを製造するための方法と、該フィルムを含む積層体および物品とに関する。
発明の背景
ポリエチレンは、しばしば包装用途で用いられるフィルムの製造に、広く使用されている。
例えば、包装産業で用いる積層体を形成するためのフィルムの使用は周知である。積層体は、一連の物品、例えば食品容器、スタンディングパウチ、および製品ラベルなどを作成するために使用される。この目的で使用するフィルムは、一定の特性を兼ね備える必要がある。具体的には、これらのフィルムは、これらのフィルムから作製される物品が、製造中および使用時に破損しないように、優れた引裂強度を必要とする。また、フィルムは、フィルムを有用にする衝撃強度および引張強度も有するべきである。適当な機械的特性、例えば衝撃強度がなければ、厚いフィルムを作製しなければならず、これは経済的魅力に欠け、また場合によっては審美的魅力も低下する。また、フィルムが、適当な光学特性、例えば低ヘイズおよび高光沢などを有することも重要である。また、特にフィルムをスタンディングパウチの製造に使用する場合には、剛性も重要な特性である。引裂強度と剛性とを望ましく兼ね備えたフィルムを得ることは、しばしば困難である。
包装産業におけるポリエチレンフィルムの別の一般的用途は、小袋または大袋の作成におけるものである。これらは例えば、シリアルやポテトチップスなどの食料品、ならびに砂、セメントミックス、堆肥、石などのはるかに重い材料の包装に使用される。小袋は、その内容物が容易に判断できるように、透明であることがしばしば望ましい。ただし、より具体的には、また特に重袋(例えば、重量が最大25kg、あるいは50kgもの材料の包装のために作られた小袋および大袋)の場合には、重要な要件は、これらの袋が良好な機械的特性、例えば衝撃強度および引張強度、ならびに引裂強度を有することである。このことが必要とされるのは、小袋および大袋が通常パレットに載せて重ねて輸送されるためである。これにより少なくとも一部の大袋にかかる総荷重は極めて高く、例えば約1000kgあるいは場合によってはそれ以上となる。さらに、通常望ましくは、一定の水準の剛性、例えばパレット上での安定性である。
したがって、特性、特に引裂強度と機械的強度、とりわけ衝撃強度および引張強度、さらに適度な光学性能を魅力的に兼ね備えるフィルムは、包装産業における使用にとって非常に望ましい。しかしながら、しばしば直面する困難は、例えばヘイズを最小限に抑えるポリマー特性が、しばしば例えば衝撃強度に悪影響を及ぼすものであるということである。さらに、低ヘイズおよび適度な衝撃強度を有するポリマーは、しばしば剛性に乏しい。一方、高い引裂強度を有するポリマーは、剛性に乏しいことが多く、その上高い溶融粘度を有する傾向があり、そのため溶融加工が難しくなる。
したがって、所望のバランスのフィルム特性を与える目的で、フィルムの製造にインターポリマーおよび/またはポリマーのブレンドを使用するのが一般的である。したがって、ダート衝撃強度および引裂強度が向上したフィルムを生じるポリマーを得るために、エチレンを1−ブテンなどのコモノマーと共重合してもよい。言い換えると、一般にコモノマーを使用して、ポリマーの特性を目的とするフィルム用途に合うように調整する。エチレンと1−ブテンのコポリマーから作製された、エチレンホモポリマーフィルムの利点を備えるフィルムは、多数市販されている。
例えば、エチレン/1−ブテンから製造されたフィルムは、典型的には、同じ密度のエチレンホモポリマーと比較して、改善された衝撃強度(例えば、ダート衝撃強度)を有する。これはダート衝撃強度が、一般に、コモノマーの分子量の増加に伴って向上するためである。また、その光学特性も通常は優れている。しかし一方で、エチレン/1−ブテンコポリマーから作製されたフィルムは、望まれるほど高い引裂強度または強い機械的特性を有さないことが多い。しばしば、この不利点は、望まれるよりも厚いフィルムを作製することによって補われる。したがって、衝撃強度、引張強度、引裂強度、および溶融粘度などのポリマー特性と、使用可能なフィルムの厚さとの間の兼ね合いがある。
発明を実施するための最良の形態
背景技術のこれらの欠点に基づき、機械的特性、とりわけ衝撃強度および引張強度、引裂強度、ならびに光学特性、特に透明性および光沢を適当に兼ね備えた包装部材、例えば積層フィルムおよび小袋または大袋の作製に適したポリマーフィルムが依然として必要とされている。また、例によって、費用効率よく製造することができるフィルムも必要とされている。多くの包装製品に対する利幅は小さいため、包装コストを最小限に抑えることは重要である。
今回、驚くべきことに、エチレンと3−置換C4-10アルケンとのインターポリマーを含むフィルムであって、前記インターポリマーが、チーグラー・ナッタ触媒または酸化クロム触媒を含む触媒系を用いて作製されたフィルムが、優れた引裂強度および高い引張強度、さらに適度な衝撃強度および光学特性(例えば、ヘイズ)を有することが判明した。より具体的には、そのようなインターポリマーが、従来のエチレン/1−ブテンコポリマーのものよりも優れた引裂強度および引張強度を有し、かつ同等の衝撃強度および光学特性するフィルムをもたらすことが予想外に判明した。言い換えると、本発明のフィルムは、極めて魅力的な特性のバランスを有し、また例えば、従来のエチレン/1−ブテンフィルムよりも薄い膜厚で使用することができる。
エチレンと3−置換C4-10アルケンとのインターポリマーを含むフィルムは、背景技術において一般的に開示されているが、チーグラー・ナッタ触媒または酸化クロム触媒を含む触媒系を用いて作製された3−置換C4-10アルケンを含むポリエチレンインターポリマーが、引裂強度、引張強度、衝撃強度、および光学特性をそのように有利に兼ね備えるフィルムをもたらすであろうことはこれまで理解されていなかった。
第1の態様において、本発明は、エチレンと3−置換C4-10アルケンとのインターポリマーを含むフィルムであって、前記インターポリマーが、チーグラー・ナッタ触媒または酸化クロム触媒を含む触媒系を用いて作製されたフィルムを提供する。
本発明の好適な実施形態において、前記インターポリマーは、チーグラー・ナッタ触媒を含む触媒系を用いて作製される。
本発明のさらなる好適な実施形態において、フィルムはインフレーションフィルムである。
本発明のさらなる好適な実施形態において、フィルムは工業用フィルムである。
さらなる態様において、本発明は、上述のフィルムを製造するための方法であって、エチレンと3−置換C4-10アルケンとのインターポリマーのインフレーション成形を含み、前記インターポリマーが、チーグラー・ナッタ触媒または酸化クロム触媒を含む触媒系を用いて作製される方法を提供する。
またさらなる態様において、本発明は、上述のフィルムを含む積層体を提供する。
さらに別の形態において、本発明は、上述のフィルムを含む物品(例えば、包装に使用するためのもの)を提供する。
さらに別の形態において、本発明は、包装における上述のフィルムの使用を提供する。
定義
本明細書で使用する「インターポリマー」という用語は、エチレンおよび3−置換C4-10アルケンモノマーに由来する繰り返し単位を含むポリマーを指す。このインターポリマーは、別のモノマー、例えばC3-10アルケンに由来する繰り返し単位も含有してもよい。好適なインターポリマーは二元であり(すなわち、好適なインターポリマーは、コポリマーである)、エチレンおよび1種類の3−置換C4-10アルケンコモノマーに由来する繰り返し単位を含む。別の好適なインターポリマーは三元であり、例えばこれらはエチレン、1種類の3−置換C4-10アルケンコモノマー、および別のC3-10アルケンに由来する繰り返し単位を含む。特に好適なインターポリマーはコポリマーである。好適なインターポリマー中には、インターポリマーの総質量に対して、少なくとも0.01質量%、さらに好ましくは少なくとも0.1質量%、例えば少なくとも0.5質量%の各モノマーが含まれる。
本明細書で使用する「アルケンホモポリマー」という用語は、1種類のC2-6アルケン、例えばエチレンに由来する繰り返し単位から本質的になるポリマーを指す。ホモポリマーは、ポリマーの総質量に対して、少なくとも99.9質量%、例えば少なくとも99.99質量%の1種類のC2-6アルケンに由来する繰り返し単位を含んでよい。
本明細書で使用する「3−置換C4-10アルケン」という用語は、(i)4〜10個の炭素原子を含有する骨格であって、アルケン二重結合を含有する分子中の最長炭素鎖である骨格と、(ii)3位の置換基(すなわち、H以外の基)とを有するアルケンを指す。
本明細書で使用する「触媒系」という用語は、重合反応を触媒する活性体全体を指す。典型的には、この触媒系は、遷移金属化合物(活性部位前駆体)と、この遷移金属化合物を活性化させることができる活性剤(共触媒と称されることもある)とを含む配位触媒系である。本発明の触媒系は、好ましくは、活性剤と、少なくとも1つの遷移金属活性部位前駆体と、活性剤またはその他の材料であってもよい粒子構成材料とを含む。好ましくは、この粒子構成材料は担体である。
本明細書で使用する「マルチサイト触媒系」という用語は、少なくとも2つの化学的に異なる活性部位前駆体に由来する、少なくとも2つの異なる活性部位を含む触媒系を指す。本発明で使用するマルチサイト触媒系は、少なくとも1つのチーグラー・ナッタ触媒または酸化クロム触媒を含む。マルチサイト触媒系の例には、2つまたは3つの異なるチーグラー・ナッタ活性部位前駆体を含むもの、またはチーグラー・ナッタ活性部位とメタロセン活性部位とを含むものがある。触媒系中に2つのみの活性部位が存在する場合、これはデュアルサイト触媒系と称される。粒子状マルチサイト触媒系は、単一の種類の触媒粒子中にその異なる活性部位を含有してよい。あるいは、それぞれの種類の活性部位が、別個の粒子中にそれぞれ含まれてもよい。1種類の全活性部位が1種類の別個の粒子中に含まれる場合、それぞれの種類の粒子を反応器に各々の入口から装入してもよい。
本明細書で使用する「チーグラー・ナッタ(NZ)触媒」という用語は、好ましくは、その配位子にシグマ結合する遷移金属成分と、活性剤(例えば、Al含有有機金属化合物)とを含む触媒を指す。好適なチーグラー・ナッタ触媒は、さらに粒子構成材料も含む。
本明細書で使用する「粒子状触媒系」という用語は、重合反応器内または重合域内に供給されるとき、固体粒子、好ましくは多孔質粒子内に、その活性部位または1つ以上の活性部位前駆体を有する触媒系を意味する。これは、活性部位または前駆体化合物を有する液体触媒系または液体に溶解された触媒系とは対照的である。一般に、粒子状触媒を用いて重合を実施すると、触媒の粒子は触媒断片に分解されると考えられている。これらの断片は、その後、固体ポリマーが形成する条件で重合を実施するときにはいつでもポリマー粒子内に存在する。粒子状触媒系は、触媒調製製造プロセスの最中またはそれ以降に予備重合してもよい。また、「粒子状触媒系」という用語は、活性部位または活性部位前駆体化合物が担体と接触するのが、その活性部位または活性部位前駆体化合物が重合反応器内でモノマーと接触する直前、または接触と同時である場合も含む。
本明細書で使用する「スラリー重合」という用語は、ポリマーが固体として液体中に形成される重合を指す。この液体は、ポリマーのモノマーであってよい。その場合、この重合はバルク重合と称されることもある。「スラリー重合」という用語は、当技術分野において超臨界重合と称されることもあるもの、すなわちポリマーが流体中に懸濁した固体であり、この流体がその臨界点、あるいはこの流体が混合物である場合にはその疑似臨界点に比較的近い重合を包含する。流体は、その圧縮係数が、その臨界圧縮係数の、あるいは混合物である場合にはその疑似臨界圧縮係数の2倍未満である場合、その臨界点に比較的近いとみなすことができる。
気相重合とは、当技術分野の用語であり、当業者には容易に理解される。
本明細書で使用する「溶液重合」という用語は、重合反応器内でポリマーが溶媒に溶解される重合を指す。
本明細書で使用する「重合域」という用語は、多段重合において存在する全ての重合反応器を指す。またこの用語は、使用するあらゆる予備重合反応器も包含する。
本明細書で使用する「多峰性」という用語は、少なくとも2つの成分であって、異なる重合条件下で、および/またはマルチサイト触媒系を用いて1段階で、および/または2つ以上の異なる触媒を用いて重合段階で製造され、その結果異なる(質量平均)分子量および分子量分布となった成分を含むポリマーを指す。接頭辞「多(multi)」は、ポリマー中に存在する異なる成分の数を指す。したがって、例えば、2つのみの成分を含有するポリマーは、「二峰性」と称される。多峰性ポリアルケンの分子量分布曲線の形状、すなわちポリマー質量分率のその分子量の関数としてのグラフの外観は、2つ以上の極大点を示すか、あるいは少なくとも個々の成分の曲線と比較して明らかに広くなっている。さらに、多峰性は、成分の溶融温度または結晶化温度の差としても示されうる。
対照的に、一定の重合条件下で製造された1つの成分を含むポリマーは、本明細書において単峰性とする。
本明細書で使用する「積層体」という用語は、少なくとも1つのフィルム層と基板とを含むフィルム構造体を指す。このフィルム構造体は、前記フィルム層を前記基板に接着して製造される。この接着法において、フィルムおよび基板は固体である(すなわち、これらは接着法において、溶融物または液体を形成しない)。
本明細書で使用する「積層フィルム」という用語は、積層法で使用されるフィルム層を指す。積層フィルムは、1つ以上の層(例えば、3層、5層、7層)を含んでもよい。
本明細書で使用する「基板」という用語は、少なくとも1つの積層フィルムが接着される材料を指す。これは例えば、ポリマー、金属、または紙を含みうる。基板がポリマーである場合、これは好ましくは積層フィルムよりも高い融点/軟化点を有する。
エチレン
本発明のフィルムを製造するために使用するエチレンは、例えばSigma Aldrich社などの多数の供給業者から市販されている。
置換C4-10アルケン
好ましくは、3−置換C4-10アルケンの3位の炭素に存在する置換基は、C1-6アルキル基である。このアルキル基は、非ヒドロカルビル置換基で置換されていても、あるいは非置換であってもよい。アルキル基上に存在してもよい非ヒドロカルビル置換基の代表例には、FおよびClがある。しかしながら、好ましくは、C1-6アルキル基は非置換である。特に好ましくは、3位の炭素に存在する置換基は、C1-3アルキル基、例えばメチル、エチル、またはイソプロピルである。メチルは、特に好適な置換基である。
好ましくは、3−置換C4-10アルケンは、3位の炭素でのみ置換されている。ただし、置換基が別の位置に存在する場合、これは好ましくは、3位の炭素に存在する置換基について上記に記載したようなC1-6アルキル基である。
3−置換C4-10アルケンは、好ましくはモノアルケンである。さらに好ましくは、この3−置換C4-10アルケンは末端アルケンである。言い換えると、この3−置換C4-10アルケンは、好ましくは炭素番号1および2において不飽和である。好適な3−置換C4-10アルケンは、したがって3−置換C4-10アルク−1−エンである。
インターポリマー中に使用するための好適な3−置換C4-10アルケンは、式(I):
Figure 0005583142
[式中、
1は、置換または非置換、好ましくは非置換のC1-6アルキル基であり、
nは、0〜6の整数である]のものである。
好適な式(I)の化合物において、R1は、メチルまたはエチル、例えばメチルである。さらなる好適な式(I)の化合物において、nは、0、1、または2、さらに好ましくは0または1、例えば0である。
インターポリマー中に使用することができる式(I)の化合物の代表例には、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ペンテン、および3−エチル−1−ヘキセンがある。特に好適な3−置換C4-10アルケンは、3−メチル−1−ブテンである。
本発明において使用するための3−置換C4-10アルケンは、例えばSigma−Aldrich社から市販されている。3−メチル−1−ブテンは、例えば国際出願第2008/006633号に従って作製することができる。
その他のC3-8アルケン
インターポリマーは、1つ以上の付加的なC3-8アルケンを含んでもよい。好ましくは、インターポリマー中に含まれる付加的なC3-8アルケンの量は、0.01〜15質量%、より好ましくは0.1〜10質量%、例えば1〜5質量%である。
好ましくは、この付加的なC3-8アルケンはモノアルケンである。さらに好ましくは、このC3-8アルケンは末端アルケンである。言い換えると、このC3-8アルケンは、好ましくは炭素番号1および2において不飽和である。好適なC3-8アルケンは、したがってC3-8アルク−1−エンである。
このC3-8アルケンは、好ましくは直鎖アルケンである。さらに好ましくは、このC3-8アルケンは、非置換C3-8アルケンである。
インターポリマー中に存在してもよいC3-8アルケンの代表例には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、および1−オクテンがある。好ましくは、このC3-8アルケンは、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、またはそれらの混合物から選択される。
本発明において使用するためのC3-8アルケンは市販されている。あるいは、プロピレンおよびブタ−1−エンは、熱分解によって製造することができる。直鎖オレフィンは、エチレンの触媒オリゴマー化によって、またはフィッシャー・トロプシュ合成によって得ることができる。
好ましくは、インターポリマーは、エチレンまたは3−置換C4-10アルケン以外のアルケンを含まない。
触媒系
インターポリマーの製造に使用する重合触媒系は、チーグラー・ナッタ触媒または酸化クロム触媒、好ましくはチーグラー・ナッタ触媒を含む。
チーグラー・ナッタ触媒を含む触媒系は、溶液形態または粒子形態で使用することができるが、これは好ましくは粒子形態である。酸化クロム触媒を含む触媒系は、粒子形態である。
粒子は、好ましくは、質量平均粒径0.5〜250ミクロン、好ましくは4〜150ミクロンを有する。
チーグラー・ナッタ触媒系
チーグラー・ナッタ触媒系は、好ましくは、遷移金属成分と活性剤とを含む。好ましくは、遷移金属成分は、重合反応に添加するとき、固体粒子中に含まれている。さらに好ましくは、少なくとも一部の活性剤(共触媒と称されることもある)は、液体または溶液として重合に添加する。
触媒系粒子
遷移金属成分
触媒系の活性部位は、遷移金属である。第4族もしくは第5族の遷移金属、とりわけ第4族金属、特にTiは好適である。とりわけ好適なチーグラー・ナッタ触媒中には、第4族遷移金属(例えばTi)のみが存在する。
触媒系の製造において、遷移金属をアルコキシもしくはハライド化合物、特に塩化物の形態で使用するのが好適である。特に好ましくは、Tiは、これを触媒系製造法に導入する段階で、TiCl4として提供する。
最終固体触媒中の乾燥固体触媒成分に対する遷移金属含有量は、好ましくは0.1〜5mmol/gである。
また、好ましくは、最終固体触媒系粒子は、族金属、好ましくはマグネシウム化合物、さらに好ましくはMg−Cl化合物、例えばMgCl2も含む。
マグネシウム化合物は、Mg−Cl(例えば、MgCl2化合物自体)として、触媒系の製造に導入することができるが、好適には、これを触媒系の製造手順中にin situで生成して、高い分散度、遷移金属との接触、および多孔度を維持する。当業者は、そのようなin situ反応をどのようにして実施するかを周知である。
最終固体触媒中の乾燥固体触媒成分に対するMg含有量は、好ましくは1〜25質量%である。
粒子構成材料
チーグラー・ナッタ触媒系中に含まれる粒子構成材料は、無機酸化物支持体、例えばシリカ、アルミナ、チタニア、シリカ−アルミナ、およびシリカ−チタニアであってよく、あるいはMgもしくはCa化合物、例えば塩化物、酸塩化物、アルキル、もしくはアルコキシド、または有機アニオンを含む金属塩であってもよい。しかしながら、好ましくは、この材料は、任意でその他の成分を含むシリカまたはMgCl2である。
粒子構成材料は、好ましくは、最終乾燥固体触媒の30〜90質量%を構成する。粒子構成材料がMg−Cl化合物を含む場合、典型的には、この構成材料は、前述のマグネシウム化合物としての機能も果たす。粒子構成材料が金属酸化物である場合、この金属酸化物粒子は、典型的には、最終触媒系の外部形態を定め、その触媒系の別の成分が、その細孔内で合成される。
チーグラー・ナッタ触媒系の製造に適した予備形成された担体は、例えばGrace社およびPQ Corporation社から市販されている。触媒系に使用するための好適な予備形成された担体材料は、無機材料、例えばシリコンおよび/またはアルミニウムの酸化物、またはMgCl2である。好ましくは、担体は、シリコンおよび/またはアルミニウムの酸化物である。さらに好ましくは、担体はシリカである。
好ましくは、この担体粒子は、平均粒径1〜500ミクロン、好ましくは3〜250ミクロン、例えば10〜150ミクロンを有する。適当なサイズの粒子は、篩過して大きすぎる粒子を排除することによって得ることができる。篩過は、触媒系の製造の前、最中、または後に実施することができる。好ましくは、粒子は球状である。担体の表面積は、好ましくは5〜1200m2/g、より好ましくは50〜600m2/gの範囲である。担体の細孔容積は、好ましくは0.1〜5cm3/gの範囲であり、好ましくは0.5〜3.5cm3/gである。
金属酸化物が担体である場合、好ましくは、この担体を使用前に脱水する。特に好ましくは、担体を使用前に、100〜800℃、より好ましくは150〜700℃、例えば約250℃で加熱する。好ましくは、脱水は、0.5〜12時間実施する。
触媒を溶液重合に使用する場合は、好ましくは担体は使用しない。溶液重合の場合、粒子構成材料の過半数(例えば、全て)が、遷移金属と結合した第2族化合物と同一であることが好適である。
活性剤および付加成分
活性剤は、遷移金属成分を活性化させることができる化合物である。これは共触媒と称されることもある。有用な活性剤は、とりわけアルキルアルミニウムおよびアルコキシアルミニウム化合物である。特に好適な活性剤は、アルキルアルミニウム、とりわけトリアルキルアルミニウム(例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、およびトリイソブチルアルミニウム)である。活性剤は、好ましくは、遷移金属成分に対して過剰量で使用する。例えば、活性剤としてアルキルアルミニウムを使用する場合、活性剤中のアルミニウムの遷移金属成分中の遷移金属に対するモル比は、1〜500mol/mol、好ましくは2〜100mol/mol、例えば5〜50mol/molである。活性剤は、典型的には、固体粒子状触媒の一部ではなく、液体として重合反応器に添加する。
チーグラー・ナッタ触媒系は、共活性剤および/または改質剤をさらに含んでいてもよい。したがって、例えば、2つ以上の上述のようなアルキルアルミニウム化合物を用いてもよく、および/または触媒成分を異なる種類のエーテル、エステル、シリコンエーテルなどと混合して、当該技術分野で既知のように、触媒系の活性および/または選択性を変更してもよい。
触媒系の製造
チーグラー・ナッタ触媒系は、例えば、米国特許第5,332,793号、米国特許第6,187,866号、米国特許第5,290,745号、米国特許第390,1863号、米国特許第4,294,2200号、米国特許第4,617,360号、国際出願第91/18934号に記載されているような、当該技術分野で既知の手順によって製造することができる。
固体触媒系粒子は、場合によっては、使用前に洗浄して結合していない遷移金属を除去してもよい。重合に添加する最終触媒系粒子中には、80℃のアルカン中で抽出可能な遷移金属は、極めて少量のみであるべきである。
触媒系粒子の平均粒径は、好ましくは1〜250μmの範囲、より好ましくは4〜100μm、さらに好ましくは6〜30μm、例えば、スラリーおよび気相重合の場合10〜25μmであり、溶液相重合の場合2〜20μmである。全ての場合において、粒子は好ましくは球状である。
触媒系粒子の表面積は、好ましくは1〜500m2/gの範囲、より好ましくは2〜300m2/gである。触媒系粒子の細孔容積は、好ましくは0.1〜5cm3/gの範囲、好ましくは0.2〜1.5cm3/gである。
酸化クロム触媒系
酸化クロム触媒系を作製するための手順は、当該技術分野で周知である。酸化クロム触媒は、フィリップス触媒とも称され、典型的には、シリカ、シリカ−アルミナ、またはリン酸アルミニウムを熱安定性でないCr化合物と一緒に、乾燥酸素含有ガス流中、温度500〜900℃で焼成することによって作製する。Cr含有量は、好ましくは0.1〜2質量%である。これらは、好ましくは共触媒または活性剤を用いずに使用するが、少量のアルキルアルミニウムまたはアルキルホウ素を重合反応器に添加することもある。生成されるポリマーの分子量は、焼成に選択する温度に大きく影響されうる。一般的に、使用する焼成温度が高いほど、得られるポリマーの分子量は低くなる。
マルチサイト触媒系
マルチサイト触媒系は、本発明のフィルムに含まれるインターポリマーを製造する際に使用することができる。
重合に使用するためのマルチサイト触媒系は、2種(またはそれ以上)の異なる触媒群からのハイブリッドであってもよいが、少なくとも1つのチーグラー・ナッタ活性部位または酸化クロム活性部位を含んでいなければならない。例えば、チーグラー・ナッタ触媒部位とシングルサイト触媒部位とを一緒に使用してもよく、これは例えば、メタロセン部位前駆体とメタロセンの活性剤とを粒子状チーグラー・ナッタ触媒の細孔内に含浸させることによって行なう。あるいは、酸化クロムをメタロセンと一緒に使用してもよく、これは例えば、不活性条件下で、メタロセン部位前駆体とメタロセンの活性剤と粒子状熱活性化酸化クロム触媒の細孔内に含浸させることにより行なう。また、チーグラー・ナッタ触媒および酸化クロム触媒は、例えば、これらの触媒それぞれの固体成分が、別個の粒子として重合反応器に供給され、チーグラー・ナッタ成分に必要な比較的少量の共触媒が用いられる系としても使用することができる。あるいは、2種の異なるZN部位、例えばHf活性部位とTi活性部位とを含むマルチサイト触媒系を製造することもできる。
あるいは、酸化クロム触媒は、場合によってはデュアルサイト触媒として作用するが、これは例えば、これらがリン酸アルミニウム(Pに対して余剰のAlを含む)に担持されている場合である。このことは、活性部位の特性に影響を与える支持体の作用によると考えられている。
高い触媒活性/生産性
特に気相重合およびスラリー相重合における上述の触媒系の特長は、これが重合温度約80℃でのエチレンと3−置換C4-10アルケンとの共重合において高い活性度係数を有することである。好ましくは、触媒系の活性度係数は、ポリアルケン少なくとも60g/(g(触媒系)、時、バール)、さらに好ましくは、触媒の活性度係数は、少なくともポリアルケン80g/(g(触媒系)、時、バール)、例えば少なくともポリアルケン110g/(g(触媒系)、時、バール)である。活性度係数に上限はなく、例えば、ポリアルケン1000g/(g(触媒系)、時、バール)もの高さであってもよい。
高い触媒生産性には多くの利点がある。例えば、これはポリマーの製造コストを減少させ、より少量を要することから、触媒物質の取り扱いに付随するあらゆる安全性リスクを最小限に抑える。さらに、最終ポリマー1kg当たりにより少量の触媒系が使用できることにより、場合によっては、生産工場は、その反応器のサイズまたは触媒物質供給システムを増加する必要を伴わずに、生産量を増加させることができる。
しかしながら、さらに重要なことには、最終ポリマー1kg当たりにより少量の触媒系が使用できるということは、より少ない触媒および/または触媒系残渣が、不純物としてポリマー中に含まれること、またそれらから作製されたフィルムがずっと劣化しにくいことを意味する。これは、後述のように、ポリマーを洗浄(例えば、脱灰)せずに達成することができる。
重合および下流プロセス
本発明のフィルム中に含まれるインターポリマーは、任意の従来の重合方法、例えば、気相重合および/またはスラリー重合および/または溶液重合によって製造することができる。好ましくは、インターポリマーは、スラリー重合および/または気相重合、例えばスラリー重合を用いて作製する。
また、当該技術分野で周知の予備重合を利用してもよい。典型的な予備重合では、全ポリマーの約5質量%未満が生成される。予備重合は、その方法が1段法であるのか多段法であるのかの考慮するに際して、段階とはみなされない。
気相重合
工業用方法
気相重合は、好ましくは、従来の気相反応器、例えばガス供給による流動化床、または機械的攪拌床で、あるいは循環層法で実施する。ポリエチレンに適した気相法は、例えば、Unipol PEガス供給流動化単一反応器法およびUnipol PE IIガス供給流動化多段式反応器法(Univation社)、Evolueガス供給流動化多段式反応器法(Mitsui社)、Innoveneガス供給流動化単一反応器法(Ineos社)、Lupotech Gガス供給流動化単一反応器法およびSpherileneガス供給流動化多段式反応器法(LyondellBasell社)、ならびにBorstar PE多段式反応器法(Borealis社)の最後の重合部分である。
気相反応器のパラメータおよび操作
重合触媒系の3−置換C4-10アルケンコモノマーとの高い活性は、効率的な気相重合の実施を可能にする。好ましくは、固体触媒の生産性は、固体触媒系1g当たりポリマー少なくとも2500gである。さらに好ましくは、固体触媒の生産性は、触媒系1g当たりポリマー少なくとも3500g、例えば固体触媒系1g当たりポリマー少なくとも5000gである。上限は重要ではないが、固体触媒系1g当たりポリマー100,000g程度であってよい。好ましくは、全触媒系の生産性は、全触媒系1g当たりポリマー少なくとも1000gである。さらに好ましくは、固体触媒の生産性は、全触媒系1g当たりポリマー少なくとも1500g、例えば全触媒系1g当たりポリマー少なくとも2000gである。上限は重要ではないが、全触媒系1g当たりポリマー20000g程度であってよい。
有利には、この方法は、典型的には反応器ファウリングを伴わずに進行する。
気相重合を実施するための条件は、当技術分野において確立されている。反応温度は、好ましくは30〜120℃の範囲、例えば50〜100℃である。合計ゲージ圧は、好ましくは1〜100バールの範囲、例えば10〜40バールである。合計モノマー分圧は、好ましくは2〜20バールの範囲、例えば3〜10バールである。各気相反応器内の滞留時間は、好ましくは0.3〜7時間の範囲、より好ましくは0.5〜4時間、さらに好ましくは0.7〜3時間、例えば0.9〜2時間である。
また、水素も好ましく反応器内に供給されて、分子量調整剤として機能する。反応器システム内への水素とエチレンの供給との濃度のモル比は、好ましくは1:1000〜1:1である。
反応器内のガス中の主なモノマーであるエチレンの濃度は、好ましくは10〜70mol%、より好ましくは20〜50mol%であり、一方3−置換C4-10アルケンコモノマー濃度は、好ましくは1〜70mol%、より好ましくは5〜50mol%である。
好ましくは、窒素も反応器内に存在する。これは、例えばフラッシングガスとして機能する。
好ましくは、C3-8飽和炭化水素も反応器内に供給する。特に好ましくは、C3-6アルカン(例えば、プロパン、n−ブタン)を反応器内に供給する。これは熱伝達効率を向上する働きをし、それによって反応器内からより効率的に熱を除去する。
好ましくは、気相重合反応は、連続法または半連続法として実施することができる。したがって、モノマー、水素、およびその他の任意のガスは、好ましくは連続的または半連続的に反応器内に供給する。好ましくは、触媒系も連続的または半連続的に反応器内に供給する。さらに好ましくは、ポリマーを連続的または半連続的に反応器から除去する。半連続的にとは、添加および/または除去を制御して、それらが反応器内のポリマー滞留時間と比較して比較的短い時間間隔、例えば20秒〜2分間で、重合の持続時間の少なくとも75%(例えば、100%)の間行なわれるようにすることを意味する。
したがって、好適な方法において、触媒成分または触媒系は、反応器からの除去の速度と等しい速度で反応器に注入する。しかしながら、ここに記載する方法の利点は、生成されるポリマー1kg当たりにより少量の触媒系が使用できることにより、より少量の触媒系がポリマーとともに反応器から除去されることである。したがって、重合反応器から直接得られるインターポリマーは、触媒系に由来する不純物をより少なく含む。
3−置換C4-10アルケンコモノマーの気相重合に使用するとき、ここに記載する重合触媒系は、極めて高い活性を生じ、高い生産性(ポリマー(g)/触媒系(g))を可能にする。その結果、比較的低濃度の触媒系が、反応器内に必要とされる。好ましくは、気相重合における全触媒系の濃度は、ポリマー1トン当たり1kg未満、さらに好ましくはポリマー1トン当たり0.8kg未満、例えばポリマー1トン当たり0.5kg未満である。
上述のように、気相重合反応は、好ましくは、C3-8飽和炭化水素、例えばC3-6アルカンを含む。C3-8飽和炭化水素の機能は、気相反応器内の熱除去効率を向上させることである。粒子の冷却は、C3-8飽和炭化水素をこれが粒子から熱を受け取る重合ゾーンを経て、これが冷却されてから再循環される冷却面まで、反応器内を循環させて実施する。この方法が重要であるのは、いずれかの粒子が十分に過熱した場合に、その粒子は溶融して別の粒子または反応器の壁に貼り付く、すなわち塊になるためである。C3−C6炭化水素は、窒素よりも高い比熱容量を有し、例えば窒素よりも熱除去により効率的に機能することがわかっている。
したがって、典型的な気相重合において、モノマーに加えて、相当な濃度のC3-8飽和炭化水素、例えばC3-6アルカンも通常は添加される。例えば、反応器中のC3-8飽和炭化水素の濃度は、5〜60mol%程度であってよい。
しかしながら、3−置換C4-10アルケン、例えば3−メチル−ブタ−1−エンが、熱を除去するための有効なin situ手段として作用しうることが今回判明された。気相重合において、比較的高分圧の3−置換C4-10アルケンを使用することが可能であり、かつ多くの場合好ましく、またこれが反応器から熱を除去する手段としての機能を果たすことが判明した。このことは、例えば直鎖状の1−ブテンまたは1−ヘキセンの代わりに、3−置換C4-10アルケンコモノマーを使用することのさらなる利点である。このようにして、冷却を向上させ、C3-8飽和炭化水素、例えばC3−C6アルカンの量を減少させることができる。C3-8飽和炭化水素、例えばC3-6アルカンの添加を排除することの利点は、このガスが、取得し、精製し、添加し、制御し、反応器およびポリマーから除去し、ガス混合物から分離しなければならないことである(特に大量の場合)。
したがって、上述の気相重合の利点は、これが付加的なC3-8飽和炭化水素を用いずに、あるいはい付加的なC3-8飽和炭化水素をより少なく用いて実施できることである。したがって、好適な気相重合において、C3-8飽和炭化水素、例えばC3-6アルカンの濃度は、20%mol未満、より好ましくは10%mol未満、さらに好ましくは5%mol未満である。一部の例では、C3-8飽和炭化水素、例えばC3-6アルカンは、実質的に存在しなくてもよい。
さらなる好適な気相重合において、C3-8飽和炭化水素、例えばC3-6アルカンの3−置換C4-10アルケンに対するモル比は、2:1未満、好ましくは1:1未満、より好ましくは1:2未満、例えば1:9未満である。
気相反応器中に存在する3−置換C4-10アルケンの分圧は、好ましくは全圧の少なくとも10%、より好ましくは全圧の少なくとも20%、例えば全圧の少なくとも40%である。
例えば、気相重合は、以下の条件下で実施することができる:
−C3-6アルカンの濃度:0.01〜5mol%、
−窒素の濃度:10〜40mol%、
−エチレンの濃度:10〜50mol%、
−3−置換C4-10アルケン(例えば、3−メチルブタ−1−エン)の分圧:反応器中の全圧の20%超、
−水素の濃度:1〜5ppm mol。
好ましくは、C3-6アルカンの気相反応器システム(反応器+再循環システム)への供給は、ポリエチレン1トン100kg未満、好ましくはポリエチレン1トン30kg未満、より好ましくはポリエチレン1トン10kg未満である。
スラリー相重合
スラリー重合反応は、好ましくは、従来の循環ループ型反応器または攪拌槽型反応器で実施する。適切なポリアルケン法は、例えば、ポリエチレン用のHostalen多段式(触媒系とポリマーとが反応器から反応器へと順次通過する)槽型スラリー反応器法(LyondellBasell社)、ポリエチレン用のLyondellBasell−Maruzen多段式槽型スラリー反応器法、ポリエチレン用のMitsui多段式槽型スラリー反応器法((Mitsui社)、CPC単ループ型スラリーポリエチレン法(Chevron Phillips社)、Innovene多段式ループ型スラリー法((Ineos社)、ならびに一部において、ポリエチレン用のBorstar多段式スラリーループおよび気相反応器法(Borealis社)である。
前述の触媒系の高い活性は、効率的なスラリー重合の実施を可能にする。好ましくは、この重合法において触媒系の合計(乾燥)質量に対して達成される生産性は、少なくとも触媒系1kg当たりポリマー1トンである。さらに好ましくは、全触媒系の生産性は、少なくとも触媒系1kg当たりポリマー2トン、例えば少なくとも触媒系1kg当たりポリマー3トンである。上限は重要ではないが、触媒系1kg当たりポリマー30トン程度であってもよい。有利には、この方法は、典型的には反応器ファウリングを伴わずに進行する。
スラリー反応器のパラメータおよび操作
スラリー重合を実施するための条件は、当技術分野において確立されている。反応温度は、好ましくは30〜120℃の範囲、例えば50〜100℃である。反応圧力は、好ましくは1〜100バールの範囲、例えば10〜70バールであろう。1つ以上の反応器内(すなわち、重合域内)の滞留時間は、好ましくは0.5〜6時間の範囲、例えば1〜4時間である。使用する希釈剤は、一般に、−50〜100℃の範囲の沸点を有する脂肪族炭化水素であろう。好適な希釈剤には、n−ヘキサン、イソブタン、およびプロパンがあり、特にイソブタンである。
また、水素も好ましく反応器内に供給されて、分子量調整剤として機能する。反応器システム内への水素の供給とエチレンの供給との間のモル比は、1:10,000〜1:10である。
好ましくは、重合反応は、連続法または半連続法として実施する。したがって、モノマー、希釈剤、および水素は、好ましくは連続的または半連続的に反応器内に供給する。好ましくは、触媒系も連続的または半連続的に反応器内に供給する。さらに好ましくは、ポリマースラリーを連続的または半連続的に反応器から除去する。半連続的にとは、添加および/または除去を制御して、それらが反応器内のポリマー滞留時間と比較して比較的短い時間間隔、例えば20秒〜2分間で、重合の持続時間の少なくとも75%(例えば、100%)の間行なわれるようにすることを意味する。
したがって、好適な方法において、触媒系は、好ましくは反応器からの除去の速度と等しい速度で反応器に注入する。しかしながら、ここに記載する本発明の利点は、生成されるポリマー1kg当たりにより少量の触媒系が使用できることにより、より少量の触媒系がポリマーとともに反応器から除去されることである。したがって、重合から直接得られるインターポリマーは、触媒系に由来する不純物をより少なく含む。
3−置換C4-10アルケンコモノマーとともに使用したときに、ここに記載する粒子状触媒系は、極めて高い活性を生じ、高い生産性(ポリマー(トン)/触媒系(kg))を可能にする。その結果、比較的低濃度の触媒系が、反応器内に必要とされる。好ましくは、スラリー重合における触媒系の濃度は、スラリー1トン当たり0.3kg未満、さらに好ましくはスラリー1トン当たり0.2kg未満、例えばスラリー1トン当たり0.1kg未満である。好ましくは、触媒系の濃度は、スラリー1トン当たり少なくとも0.01kgの範囲である。好ましくは、重合中に反応器内に存在するポリマーの濃度は、全スラリーに対して15〜55質量%の範囲、より好ましくは、全スラリーに対して25〜50質量%である。そのような濃度は、モノマーの添加速度、希釈剤および触媒系の添加速度、またある程度はスラリー反応器からのポリマースラリーの除去速度を制御することによって維持することができる。
溶液相重合
重合は溶液中で(すなわち、溶媒中の溶液の形態のポリマーを用いて)、特にチーグラー・ナッタ触媒を含む触媒系を使用する場合、実施することもできる。溶液相重合を実施するための条件は、当技術分野において確立されている。反応温度は、好ましくは120〜250℃である。溶媒は、好ましくは飽和C6-10炭化水素、またはその混合物である。1つ以上の反応器内の滞留時間は、好ましくは1〜30分である。モノマーの分圧は、好ましくは20〜150バールである。ポリマーの濃度は、好ましくは5〜20質量%である。溶媒、コモノマー、および触媒系成分に加え、場合によっては水素を反応器内に供給してもよい。
場合によっては、多反応器システムを利用してもよい。多段反応器システムを使用する場合、これらは好ましくは並列配置にする。
重合後、液体(溶媒およびコモノマー)を好ましくはポリマーから気化させる。このポリマーは、より詳しく後述するように、好ましくは添加剤と混合し、ペレット化する。
多段重合
インターポリマーは、1段重合または多段重合で製造することができる。
ポリマーを多段法で製造するとき、反応器は並列であっても、または直列であってもよいが、例えばスラリー重合および気相重合の場合は、直列配置が好適である。溶液重合の場合、並列配置が好適である。溶液重合において並列配置でポリマー成分を生成する場合、好ましくは、押出し前に溶液を混合して均質化する。
多段重合には、1つ以上のさらなる重合と組み合わせた上述のスラリー重合を含んでもよい。したがって、例えば、2つのスラリー重合を連続して実施してもよく(例えば、Mitsui、Hostalen、もしくはInnoveneスラリー法)、あるいはスラリー重合段階のあとに上述のような気相重合段階(例えば、Borstar法またはSpheripol法)を実施してもよい。あるいは、スラリー重合の前に気相重合を実施してもよい。さらに、2つの気相重合を連続して実施することも可能である。
直列に連結された反応器を用い、また各反応器に異なる条件を用いて、連続多段法でポリマーを生成する場合、異なる反応器で生成されるポリマー成分は、それぞれ独自の分子量分布および質量平均分子量を有するであろう。そのようなポリマーの分子量分布曲線を記録するとき、これらの分画の個々の曲線を重ね合わせて、得られたポリマー生成物全体の分子量分布曲線にすると、通常は、2つ以上の明確な極大を有するか、または少なくとも各ポリマー成分単独での分子量分布よりも広がった曲線が得られる。多段重合の生成物は、通常は多峰性ポリアルケンである。
多段法におけるスラリー重合および気相重合のための好適な条件は、上記に記載したものと同様である。しかしながら、多段重合のうちの1段階にコモノマーを添加しないことも可能である。多段重合のある段階にコモノマーが存在しない場合、その段階からのポリマー成分は、エチレンホモポリマーである。
ポリエチレンのための多段階法は、好ましくは、より低い分子量およびより低い(940g/dm3を上回る密度の最終生成物を生成する場合、ゼロが特に好適である)コモノマー含有量の主成分Aと、より高い分子量およびより高いコモノマー含有量の1つの主成分Bとの混合物を生成する。成分Aは、好ましくは、成分Bを作製する反応器B’内よりも水素濃度が高く、かつコモノマー濃度が低い反応器A’内で作製する。反応器A’がB’に先行する場合、好適には、A’からB’へのポリマー流から水素をストリッピング除去すべきである。反応器B’がA’に先行する場合には、好ましくは、反応器B’に追加のコモノマーを添加せず、B’からA’へのポリマー流から未変換コモノマーのかなりの部分を除去することが好適である。また、3−置換C4-10アルケンをコモノマーの組み込み率が最も高いポリマーが生成される反応器内で使用することは好適であり、プロセス中のコモノマーを使用する全ての反応器内で使用することは特に好適である。
2段階重合を用いる場合、より低分子量のポリマー成分は、好ましくは上記に詳述したようなスラリー反応器内で生成する。より高分子量の成分は、別のスラリー反応器内または気相反応器内で生成することができる。より高分子量の成分は、典型的には、より少ない水素/モノマー供給で生成される。反応器は、並列または直列に連結することができるが、好ましくは、特にこれらがスラリー反応器または気相反応器、あるいはそれら2つの組み合わせである場合には、これらを直列に連結する。好ましくは、両反応器で同じ触媒系を使用する。好ましくは、触媒系は、最初の反応器にのみ供給され、ここからポリマーとともに次の反応器へと順に流れる。より高い分子量の成分は、インターポリマー(例えば、コポリマー)またはホモポリマーであってよい。好ましくは、これはコポリマーであり、より好ましくは、これは前述のような3−置換C4-10アルケンを含むコポリマーである。
しかしながら、好ましくは、インターポリマーは1段重合で作製する。さらに好ましくは、スラリー相重合でインターポリマーを作製する。
多峰性ポリマーは、代替的に、単一の反応器内で2種以上の異なるチーグラー・ナッタ触媒および/または酸化クロム触媒を用いて、あるいは上述のようなマルチサイト触媒を用いて製造してもよい。
あるいは、上述のようなマルチサイト触媒系を用いて、多峰性ポリマーを製造することもできる。この場合、特に単一反応器システムで、最適なポリマー特性を得るためには、マルチサイト触媒系のより多く組み込む部位Iと別のより少なく組み込む部位IIのコモノマーの組み込み率の間の比率が可能な限り高いことが好ましい。驚くべきことに、前述のような3−置換C4-10アルケンコモノマーは、活性部位の多数の組み合わせに対して、1−ブテンおよび1−ヘキセンのような従来のコモノマーを用いた相当する反応と比較して、この比率をより高くすることが判明した。3−置換C4-10アルケンをマルチサイト触媒系とともに用いることは、したがって特に望ましい。
したがって、多峰性ポリマーは、単一反応器で、または2つ以上の反応器を有するシステム、例えば多段式反応器法で得ることができる。しかしながら、好ましくは、単一反応器法(合計ポリマーの7%未満を作製する任意の予備重合反応器は除く)を使用する。好ましくは、2種以上(例えば、2種)のメタロセン活性部位前駆体を含むマルチサイト触媒系を使用する。
さらに、例えばペレット化の前に、ここに記載されているような異なるインターポリマーをブレンドすることも可能である。しかしながら、ブレンドすることは、例えば多段重合による多峰性ポリマーの製造よりも好ましくない。
多峰性ポリマーおよび単峰性ポリマー
前述のような多峰性インターポリマー、また特により高分子量のポリマー成分Aが、より低分子量の成分Bよりも高いコモノマー含有量を有するものは、場合によっては、単峰性インターポリマーに優るいくつかの利点を有しうる。
単峰性インターポリマーと比較して、同じ密度(剛性)で、また押出機スクリューおよびダイ法に関して同様の高い押出容易性で、エチレンと3−置換C4-10アルケンとを含む多峰性インターポリマーは、応力亀裂、脆性亀裂フープ応力破損および/または低速亀裂成長に対する耐性がより高いものが製造できる。このようなインターポリマーは、これらが耐衝撃性の改善、および多くの場合引裂き抵抗の改善を可能にする、フィルム用途において特に有用である。
また、前述のような多峰性インターポリマーは、同じ密度および押出容易性を有する単峰性ポリマーと比較して、改善されたシール特性(例えば、より低い最低シール温度、シール温度範囲の広さ)も示しうる。このことは、フィルムの製造において役に立つ。
下流の要件およびプロセス
反応器から最終ポリマー生成物を取得する際、反応器からポリマーを除去し、好ましくはそこから液体および/または揮発性成分をストリッピング、フラッシング、および/または濾過によって分離する。例えば、スラリーおよび気相法の場合、ポリマーを反応器部分から除去し、揮発性物質を除去するために、好ましくは濾過またはフラッシングを行なう。スラリー法の場合、フラッシングまたは濾過によって、好ましくは希釈剤もポリマーから分離する。
好ましくは、ポリマーに脱灰ステップ、すなわち、場合によっては炭化水素液体と混合したアルコール、または水での洗浄は行なわない。
好ましくは、ポリマーを乾燥させる(例えば、反応器からの液体および気体の残渣を除去するため)。
スラリーおよび気相法では、重合法の範囲内およびその下流において、ポリマーを容易に取り扱えるように、反応器からのポリマー粉末は、好ましくは高い嵩密度の比較的大きい粒子を有することにより(例えば、ポリマーの10質量%未満が、サイズ100μmよりも小さく、乾燥疎充填嵩密度が300kg/m3よりも高い)、自由流動状態であるべきである。
溶液法の場合、溶媒を好ましくはフラッシングによって除去し、溶融物を添加後直接ペレタイザーに運搬する。
未変換のコモノマーを含む、ポリマーとともに反応器から離れる液体成分および気体成分の大部分は、重合域に戻して再利用する。
好ましくは、重合からペレット化押出機出口までのこれらのプロセスは、不活性(例えば、N2)ガス雰囲気下で実施する。ペレット化の前に、ポリマーは、好ましくは1kg/トン未満、さらに好ましくは0.1kg/トン未満の水またはアルコールと接触する。押出し前に、ポリマーは、好ましくは酸と接触しない。
添加剤およびペレット化
好ましくは、酸化防止剤を例えばペレット化の前にポリマーに添加する(プロセス安定化剤および長期酸化防止剤)。その他の添加剤(ブロッキング防止剤、カラーマスターバッチ、静電防止剤、スリップ剤、充填剤、紫外線吸収剤、潤滑剤、酸中和剤、フルオロエラストマーおよびその他のポリマー加工助剤(PPA)、紫外線安定剤、酸捕捉剤、造核剤)を場合によってはポリマーに添加してもよい。
酸化防止剤として、この目的で既知の全ての種類の化合物、例えば、立体障害フェノールまたは半立体障害フェノール、芳香族アミン、脂肪族立体障害アミン、有機ホスフェート/ホスホナイト、および硫黄含有化合物(例えば、チオエーテル)を使用することができる。
好ましくは、1つ以上の酸化防止剤は、有機ホスフェート/ホスホナイト、および立体障害フェノールまたは半立体障害フェノール、すなわちそれぞれ2つまたは1つの嵩高い残基をヒドロキシ基のオルト位に含むフェノール、および硫黄含有化合物の群から選択される。
立体障害フェノール系化合物の代表例には、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール;ペンタエリスリチル−テトラキス(3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート;オクタデシル3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート;1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン;2,2’−チオジエチレン−ビス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート;カルシウム−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルモノエチル−ホスホネート);1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート;ビス−(3,3−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチルフェニル)ブタン酸)−グリコールエステル;4,4’−チオビス(2−tert−ブチル−5−メチルフェノール);2,2’−メチレン−ビス(6−(1−メチル−シクロヘキシル)パラ−クレゾール);n,n’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tertブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナムアミド;2,5,7,8−テトラメチル−2−(4’,8’,12’−トリメチルトリデシル)クロマン−6−オール;2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール);1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン;1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4−,6−(1h,3h,5h)−トリオン;3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−(β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ)エチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン;1,6−ヘキサンジイル−ビス(3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシベンゼン−プロパノエート);2,6−ジ−tert−ブチル−4−ノニルフェノール;1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)−s−トリアジン−2,4,6(1h,3h,5h)−トリオンを含む3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロ桂皮酸トリエステル;4,4’−ブチリデンビス(6−tertブチル−3−メチルフェノール);2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール);2,2−ビス(4−(2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナモイルオキシ))エトキシフェニル))プロパン;トリエチレングリコール−ビス−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5メチルフェニル)プロピオネート;ベンゼンプロパン酸,3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ−C13-15−分岐および直鎖アルキルエステル;6,6’−ジ−tert−ブチル−2,2’−チオジ−p−クレゾール;ジエチル((3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル)メチル)ホスホネート;4,6−ビス(オクチルチオメチル)o−クレゾール;ベンゼンプロパン酸,3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)4−ヒドロキシ−C7-9−分岐および直鎖アルキルエステル;1,1,3−トリス[2−メチル−4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−5−t−ブチルフェニル]ブタン;ならびにp−クレゾールおよびジシクロペンタジエンのブチル化反応生成物が含まれる。
これらの化合物の中でも、以下のフェノール型酸化防止剤化合物をポリマーに含むことは特に好適である:ペンタエリスリチル−テトラキス(3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート;オクタデシル3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート;1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン;1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート;ビス−(3,3−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチルフェニル)ブタン酸)−グリコールエステル;および3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−(β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ)エチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン。
好適な有機ホスファイト/ホスホナイト酸化防止剤は、ホスファイト部分またはホスホナイト部分を含有する。好適なホスファイト/ホスホナイト酸化防止剤の代表例には、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト;テトラキス−(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ−ホスホナイト;ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−ペンタエリスリチル−ジ−ホスファイト;ジ−ステアリル−ペンタエリスリチル−ジ−ホスファイト;トリス−ノニルフェニルホスファイト;ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリチル−ジ−ホスファイト;2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチル−ホスファイト;1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジトリデシルホスファイト−5−t−ブチルフェニル)ブタン;4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシル)ホスファイト;ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト;ビス(2−メチル−4,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)フェニル)亜リン酸エチルエステル;2,2’,2’’−ニトリロトリエチル−トリス(3,3’5,5’−テトラ−t−ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスファイト);亜リン酸,環状ブチルエチルプロパンジオール,2,4,6−トリ−t−ブチルフェニルエステル;ビス(2,4,6−トリ−t−ブチルフェニル)−ペンタエリスリチル−ジ−ホスファイト;2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フルオロホスホナイト,6−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ)−2,4,8,10−テトラ−tert−ブト−イルジベンズ(d,t)(1.3.2)ジオキサホスフェピン;およびテトラキス−(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチル−フェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ−ホスホナイトが含まれる。
上記の化合物の中でも、以下のホスファイト/ホスホナイト酸化防止剤化合物をポリマーに含むことは好適である:テトラキス−(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ−ホスホナイト;ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリチル−ジ−ホスファイト;ジ−ステアリル−ペンタエリスリチル−ジ−ホスファイト;およびビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト。
酸化防止剤として、単一の化合物または化合物の混合物のいずれを使用してもよい。特に好ましくは、ポリマーは、立体障害フェノール系化合物およびホスファイト/ホスホナイト化合物を含む。
当業者は、ポリマーに含める酸化防止剤の適当な量を容易に判断することができる。しかしながら、上記で述べたように、これらのポリマーは、コモノマーとして1−ブテンおよび1−ヘキセンを用いて作製した同じ密度およびMFRのフィルムよりも少量の触媒系残渣を含み、そのためこれらのポリマーに、より少量の酸化防止剤を添加することが可能である(すなわち、ポリマーが向上した固有安定性を有する)。したがって、立体障害フェノール系酸化防止剤を200〜1000ppm(wt)、より好ましくは300〜800ppm(wt)、例えば400〜600ppm(wt)、または約500ppm(wt)の量で使用することができる。ポリマー中に含まれる有機ホスファイト/ホスホナイト酸化防止剤の量は、好ましくは50〜500ppm(wt)、より好ましくは100〜350ppm(wt)、最も好ましくは150〜250ppm(wt)である。
上述の酸化防止剤は、ポリマー中に含まれる遷移金属の量が酸化反応を促進するのに十分なとき、例えば、ポリマー中の遷移金属の濃度が、ポリマー1kg当たり遷移金属1μmolを上回るとき、より典型的にはポリマー1kg当たり遷移金属2μmolを上回るとき、例えばポリマー1kg当たり遷移金属6μmolを上回るときに、特に好適である。このような遷移金属の濃度は、インターポリマーがしばしば洗浄(例えば、脱灰)ステップを伴わずに製造されるために生じうる。
さらなる好適なポリマーは、潤滑剤を含む。好適な潤滑剤には、脂肪酸塩(例えば、ステアリン酸Caまたはステアリン酸Mg)、およびポリマー加工助剤(PPA)が含まれる。好適なPPAはフルオロポリマー、例えばDyneon社からFX 5922として入手できるものである。ポリマー中に含まれる潤滑剤の量は、好ましくは100〜500ppm(wt)、より好ましくは300〜450ppm(wt)である。
ポリマーまたはポリマー混合物は、好ましくは添加剤配合後に、好ましくは押出しまたは造粒してペレットにする。このステップにおいて、当該技術分野で既知のいかなる押出機を使用してもよいが、2軸押出機が好適である。好適な2軸押出機は、異方向回転2軸押出機である。好ましくは、得られたペレットは、高い嵩密度を有し、例えば500kg/m3を上回り、および少量の微粒子、例えばポリマーの10質量%未満がサイズ2mmを下回る。
インターポリマー生成の利点
上記で述べたように、ポリマーフィルムの機械的性能が、プロピレン、ブテン、ヘキセン、オクテンの順に、コモノマーの分子量が増加することによって改善されることは知られている。しかしながら、コモノマーの分子量が高いほど、コポリマーを経済的に製造するのがより難しくなる。
純粋なポリマーを得るために、ポリマー中の組み込まれていないコモノマー残留物は少なくあるべきである。しかしながら、コモノマーの分子量が高いほど、所定の分圧におけるそのポリマー中での溶解性がより高くなる。粒子形態の重合法(スラリーおよび気相重合法)の場合、組み込まれていないモノマーの除去は、典型的には、N2を用いたポリマー粉末の向流乾燥によって行なうが、この方法において、典型的にはガス中のコモノマーとポリマー相中に溶解したコモノマーとの間にはほぼ平衡が存在する。その後、コモノマーの分子量の増加が乾燥をはるかに困難にし、この理由から、実際には粒子形態の重合にオクテンは使用しない。したがって、1−ヘキセンおよび1−ブテンが最も一般的に使用され、特に1−ブテン使用されているが、これは比較的容易に、すなわちポリマー粒子の凝集温度よりもいくらか低い温度で、ポリマー流と比較して適度に少ないN2の供給によって、ストリッピング除去することができる。
したがって、本発明のフィルムのさらなる利点は、それらが3−置換C4-10アルケン、例えば3−メチル−1−ブテンを含み、これがヘキセンおよびオクテンよりも揮発性が高く、そのためポリマー生成物からストリッピングするのがより容易でありながら、1−ブテンと比較してずっと改善された衝撃強度を有するフィルムをもたらすことである。
インターポリマーの組成および特性
インターポリマー中に含まれるエチレンモノマーの量は、好ましくは60〜99.99質量%、より好ましくは70〜99.9質量%、さらに好ましくは80〜99.5質量%、例えば93〜99.0質量%である。
インターポリマー中に含まれる3−置換C4-10アルケン(例えば、3−メチル−1−ブテン)モノマーの量は、好ましくは0.01〜40質量%、より好ましくは0.1〜30質量%、さらに好ましくは0.5〜20質量%、例えば0.5〜6.5質量%、または7質量%未満である。
インターポリマーが2種類のC2-8アルケン(例えば、エチレンおよび1−ブテン)を含む場合、量が少ない方のC2-8アルケン(例えば、1−ブテン)は、好ましくは0.1〜20質量%、さらに好ましくは0.5〜10質量%、例えば1〜7質量%の量で含まれる。
ポリマー中に含まれる所定のモノマーの量が特定の量であることを本明細書に記載する場合、そのモノマーは繰り返し単位の形態でポリマー中に含まれると理解されるものとする。当業者は、任意の所定のモノマーの繰り返し単位が何であるかを容易に判断することができる。
好ましくは、インターポリマーは、DSCにより測定した結晶化度が10〜90%、より好ましくは15〜75%、最も好ましくは25〜70%である。
インターポリマーの密度は、好ましくは890〜950kg/m3の範囲、さらに好ましくは910〜940kg/m3の範囲、例えば920〜930kg/m3である。
インターポリマーのMFR2は、好ましくは0.01〜2000g/10分の範囲、より好ましくは0.1〜500g/10分の範囲、さらに好ましくは0.15〜49g/10分、例えば0.5〜5g/10分である。
インターポリマーのMFR21は、好ましくは0.05g/10分を上回り、より好ましくは0.1g/10分を上回り、さらに好ましくは1g/10分を上回る。
インターポリマーの溶融温度は、好ましくは100〜140℃の範囲、さらに好ましくは110〜130℃の範囲、例えば115〜125℃である。
本発明のインターポリマーのMnは、好ましくは9000〜250,000g/molの範囲、さらに好ましくは15,000〜150,000g/molの範囲、例えば25,000〜70,000g/molである。
インターポリマーのMwは、好ましくは30,000〜700,000g/molの範囲、さらに好ましくは85,000〜150,000g/molの範囲、例えば90,000〜130,000g/molである。
インターポリマーのMw/Mnは、好ましくは1.5〜50の範囲、より好ましくは2〜30の範囲、例えば2〜5である。
好ましくは、本発明のインターポリマーは単峰性である。
また、前述のインターポリマーは、コモノマーとして従来の直鎖アルケンを使用して作製した別のシングルサイトポリマーまたはチーグラー・ナッタポリマーと比較して、架橋に特に適している。架橋は、最終的な幾何学的形態の物品に、例えば、放射線、主としてγ線によって、または高温での過酸化物分解によって、遊離基を利用して実施することができる。
インターポリマーは、高い純度で得られる。したがって、インターポリマーは、極めて少量の触媒または触媒系の残渣(すなわち、灰分)しか含まない。好ましくは、インターポリマー、ひいてはフィルム中の触媒系灰分の量は、1000ppm(wt)未満、さらに好ましくは500ppm(wt)未満、例えば300ppm(wt)未満である。触媒系灰分とは、重合後、あらゆる洗浄、脱灰、または添加物配合ステップの前に、ポリマー中に含まれる、活性部位前駆体、活性剤、担体またはその他の触媒粒子構成材料、および触媒系のその他のあらゆる成分に由来する灰分を意味する。
遷移金属は、かなり低い濃度でフィルムにおいて有害であるが、これは遷移金属が、酸素および温度によるポリマーの分解の促進因子として作用して、変色をもたらし、また機械的特性を低下または消失させるためである。本発明のフィルムの特別な利点は、これらが極めて少量の遷移金属を含有することである。インターポリマー、ひいてはフィルムは、好ましくはポリマー1kg当たり遷移金属300μmol未満、より好ましくはポリマー1kg当たり遷移金属200μmol未満、さらに好ましくはポリマー1kg当たり遷移金属150μmol未満、例えばポリマー1kg当たり遷移金属100μmol未満を含む。
フィルムの製造
任意のさらなるポリマー成分および/または添加剤、特にポリマー加工助剤、外部潤滑剤、およびブロッキング防止剤をフィルム押出し段階でポリマーに添加してもよい。好ましくは、さらなるポリマー成分は、さらに詳しく後述するように添加する。
本発明のフィルムは、単層フィルムまたは多層フィルムであってよい。多層フィルムを形成するために、前述のインターポリマー組成物を共押出ししてもよく、すなわち、前述のようなインターポリマー組成物を少なくとも1つの別のフィルム材料と一緒に、それぞれ別々の供給押出機からフィルム押出ダイに供給して、2つ以上の層を含む多層フィルムを作製する。押出し法自体のあと(単層フィルムを製造するためであっても、多層フィルムを製造するためであっても)、フィルムを1軸延伸または2軸延伸して、機械的特性および光学特性を改善することができる。
あるいは、積層によってフィルムを製造することもできる。多層フィルムは、例えば、共押出多層フィルムの積層によって製造することができる。
本発明のフィルムは、任意の従来の手順、例えばキャスト法またはインフレーション法によって製造することができる。好ましくは、フィルムはインフレーション法によって製造する。
キャストフィルム
本発明のフィルムは、キャスト技法、例えば冷却ロールキャスト法を用いて製造することができる。例えば、前述のインターポリマーを含む組成物を溶融状態でフラットダイを通して押出したあと、冷却してフィルムを形成することができる。当業者は、典型的なキャスト条件を承知している。しかしながら、典型的には、押出しは150〜350℃の範囲の温度で実施し、ダイギャップは500〜1300μmの範囲であり、ドローダウン比は50〜200の範囲である。冷却は、好ましくは0〜35℃の温度で実施する。
具体例として、キャストフィルムは、下記のようなパイロット規模の工業用キャストフィルムライン機械を用いて製造することができる。インターポリマー組成物のペレットを約200〜260℃の範囲の温度で溶融するが、このとき特定の溶融温度は、特定のポリマーの溶融粘度に適合するように選択する。多層キャストフィルムの場合、2種以上の異なる溶融物を共押出アダプタに運搬し、このアダプタが、その2種以上の溶融物流を混合して多層の共押出構造体にする。この層流を単一のマニホールドフィルム押出ダイを通して、所望の幅に分布させる。ダイギャップの開口部は、典型的には約600μmである。次いで、この材料を最終膜厚まで延伸する。材料のドローダウン比は、典型的には、40μmのフィルムで約21:1である。次いで、真空ボックスまたはエアナイフを用いて、ダイ開口部から出る溶融物を約32℃に維持された第1冷却ロールに固定することができる。得られたポリマーフィルムを巻取り機に回収する。フィルム厚は膜厚モニタによって監視することができ、またトリマーでフィルムの縁部をトリミングすることができる。所望であれば、1つ以上の任意の処理機を用いて、フィルムを表面処理することもできる。
上述の加工パラメータに従って適切に変更した本発明のフィルムを形成するために使用することができる冷却ロールキャスト法および装置は、The Wiley Encyclopedia of Packaging Technology, Second Edition, A. L. Brody and K. S. Marsh, Ed., John Wiley and Sons, Inc., New York (1997)に記載されている。
冷却ロールキャスト法は一例であるが、他の形態のキャスト法も使用することができる。
インフレーションフィルム
本発明のフィルムは、好ましくは、当該技術分野で周知の手順により、インフレーション成形によって製造することができる。したがって、環状ダイを通して押出し、バブルを形成し、これを凝固後にニップローラ間で圧潰することによって管状フィルムにインフレーション成形(例えば、空気を用いる)して、フィルムを製造することができる。次いでこのフィルムを必要に応じて切開、切断、または加工(例えば、封止)することができる。これに関しては、従来のフィルム製造技法を用いることができる。
当業者は、典型的なインフレーション条件を承知している。しかしながら、典型的には、押出しは160〜240℃の範囲の温度で実施し、10〜50℃の温度のガス(例えば、空気)を吹き込んで冷却して、ダイの直径の最大10倍、典型的には2〜8倍のフロストライン高さをもたらす。ブローアップ比は、一般に2〜5の範囲、好ましくは2.5〜4とすべきである。
具体例として、インフレーションフィルムは下記のように製造することができる。水冷式で抵抗加熱方式のL/D比24:1を有する、63.5mmのEgan押出機などの押出機の供給ホッパに、前述のインターポリマー組成物を導入する。2.24mmのダイギャップを有する15.24cmのSanoダイをSanoデュアル開口非回転型無調整式エアリングとともに用いて、フィルムを製造することができる。フィルムは、ダイを通して押出してフィルムにし、このフィルムの表面上に空気を吹き付けて冷却する。典型的には円筒状フィルムを形成するフィルムをダイから引き出し、これを冷却し、圧潰し、場合によっては所望の付加的加工、例えば切開、処理、封止、および/または印刷を行なう。完成したフィルムは、その後の加工のために巻いてロールにしてもよく、あるいは製袋機に供給して袋に加工してもよい。
本発明によるインフレーションフィルムを作製するための装置は、例えば、Windmoller & Holscher社およびAlpine社から入手することができる。当然ながら、その他のインフレーションフィルム形成装置および相当する方法を使用してもよい。
フィルムの構造および組成
フィルム形成法による製品は、単層フィルム、または2つ以上の層を含むフィルム(すなわち、多層フィルム)であってよい。多層フィルムでは、ある層のポリマー組成は、典型的には隣接する層のものとは異なり、例えばこれは異なる成分を含むか、または同じ成分を違う比率で含む。
単層フィルムの場合、これらは上述のインターポリマー組成物からなってもよく、すなわちこれは他のいかなるポリアルケン成分も含まなくてよい。あるいは、インターポリマー組成物を1つ以上のポリマー成分とブレンドしてもよい。
多層フィルムの場合、その層のうちの1つ以上は、上述のインターポリマー組成物からなってもよく、すなわち前記層は、他のいかなるポリアルケン成分も含まなくてよい。あるいは、インターポリマー組成物を1つ以上のポリマー成分とブレンドしてもよい。
その他のポリマー成分
本発明のフィルム(単層および多層)は、したがって1つ以上のポリアルケン成分を含んでよい。フィルムは、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)を含んでもよい。多層フィルムの場合、LDPEは、その層のうちの1つ以上(例えば、全て)に含まれていてもよい。
LDPEは、ラジカル生成化合物、例えば過酸化物を利用した、周知の高圧ラジカル法を用いて製造することができる。熟練したポリマー化学者は、LDPEが当技術分野の用語であることを理解している。管型反応器およびオートクレーブ反応器の双方で作製したLDPE、ならびにそのコポリマー、例えばエチレンビニルアクリレート(EVA)、エチレンメチルアクリレート(EMA)、エチレンブチルアクリレート(EBA)、およびエチレンエチルアクリレート(EEA)コポリマーを使用することができる。
本発明のフィルムに含まれるLDPEは、好ましくは915〜937kg/m3、さらに好ましくは918〜930kg/m3、例えば920〜924kg/m3の範囲の密度を有する。
本発明のフィルムに含まれるLDPEは、好ましくは0.2〜4g/10分、さらに好ましくは0.5〜2g/10分、例えば0.7〜1.0g/10分の範囲のMFR2を有する。
本発明の単層フィルムに含まれるLDPEの量は、2〜60質量%、より好ましくは3〜50質量%、さらに好ましくは4〜25質量%、例えば6〜15質量%であってよい。
多層フィルムの場合、任意の所定の層に含まれるLDPEの量は、2〜60質量%、より好ましくは3〜50質量%、さらに好ましくは4〜25質量%、例えば6〜15質量%であってよい。
さらなる添加剤
本発明のフィルム(単層および多層)は、従来の添加剤、例えば酸化防止剤、ブロッキング防止剤、カラーマスターバッチ、静電防止剤、スリップ剤(外部潤滑剤)、充填剤、紫外線吸収剤、内部潤滑剤、酸中和剤、フルオロエラストマーおよびその他のポリマー加工助剤(PPA)、紫外線安定剤、酸捕捉剤、造核剤などを付加的に含んでいてもよい。多層フィルムの場合、その層のうちの1つ以上(例えば、全て)に添加剤が含まれていてもよい。
好適なフィルムは、外部潤滑剤(スリップ剤)、例えば、エルカミドまたはオレアミドを含んで、フィルムの摩擦を減少させてもよい。外部潤滑剤は、好ましくは、300〜1500ppm(wt)の量で含まれるべきである。
フィルム厚
多層フィルムの場合、各フィルム層は、例えば2〜200μm、好ましくは5〜70μm、より好ましくは15〜40μm、例えば20〜35μmのフィルム厚を有していてよい。
フィルム(単層または多層)の全厚は重要ではなく、最終用途に依存する。したがって、フィルムは、例えば10〜300μm、好ましくは15〜150μm、より好ましくは20〜70μm、例えば30〜60μmの厚みを有していてよい。
フィルム特性
本発明のフィルムは、望ましいバランスの特性有する。
本発明のフィルムは、適度なダート衝撃強度を示す。ダート衝撃強度(ISO 7765/1)は、少なくとも1g/μm、好ましくは少なくとも1.1g/μm、さらに好ましくは少なくとも1.2g/μm、例えば少なくとも1.3g/μmであってよい。ダート衝撃強度の上限は重要ではなく、例えば10g/μmであってよい。とりわけ前述のインターポリマーからなる40μmのインフレーションフィルムの場合には、また特に下記の実施例1によって製造したフィルムの場合には、ダート衝撃強度(ISO 7765/1)は、好ましくは少なくとも1g/μm、好ましくは少なくとも1.1g/μm、さらに好ましくは少なくとも1.2g/μm、例えば少なくとも1.3g/μmである。
本発明のフィルムは、優れた引張強度を示す。MD(機械方向)引張強度(ISO 527−3)は、少なくとも29MPa、好ましくは少なくとも32MPa、さらに好ましくは少なくとも34MPa、例えば少なくとも36MPaであってよい。MD引張強度の上限は重要ではないが、例えば100MPaであってよい。とりわけ前述のインターポリマーからなる40μmのインフレーションフィルムの場合には、また特に下記の実施例1によって製造したフィルムの場合には、MD引張強度(ISO 527−3)は、好ましくは少なくとも29MPa、好ましくは少なくとも32MPa、さらに好ましくは少なくとも34MPa、例えば少なくとも36MPaである。
TD(横方向)引張強度(ISO 527−3)は、少なくとも27MPa、好ましくは少なくとも30MPa、さらに好ましくは少なくとも32MPa、例えば少なくとも34MPaであってよい。TD引張強度の上限は重要ではなく、例えば100MPaであってよい。とりわけ前述のインターポリマーからなる40μmのインフレーションフィルムの場合には、また特に下記の実施例1によって製造したフィルムの場合には、TD引張強度(ISO 527−3)は、好ましくは少なくとも27MPa、好ましくは少なくとも30MPa、さらに好ましくは少なくとも32MPa、例えば少なくとも34MPaである。
本発明のフィルムは、優れた引裂強度を示す。MD(機械方向)エルメンドルフ引裂抵抗(ISO 6383/2)は、少なくとも0.018N/μm、好ましくは少なくとも0.022N/μm、さらに好ましくは少なくとも0.025N/μm、例えば少なくとも0.027N/μmであってよい。引裂抵抗の上限は重要ではなく、例えば0.2N/μmであってよい。とりわけ前述のインターポリマーからなる40μmのインフレーションフィルムの場合には、また特に下記の実施例1によって製造したフィルムの場合には、MD引裂強度(ISO 6383/2)は、好ましくは少なくとも0.7N、好ましくは少なくとも0.8N、さらに好ましくは少なくとも0.95N、例えば少なくとも1.05Nである。
TD(横方向)エルメンドルフ引裂抵抗(ISO 6383/2)は、少なくとも0.03N/μm、好ましくは少なくとも0.04N/μm、さらに好ましくは少なくとも0.05N/μm、例えば少なくとも0.06N/μmであってよい。引裂抵抗の上限は重要ではなく、例えば4N/μmであってよい。とりわけ前述のインターポリマーからなる40μmのインフレーションフィルムの場合には、また特に下記の実施例1によって製造したフィルムの場合には、TD引裂強度(ISO 6383/2)は、好ましくは少なくとも1.7N、好ましくは少なくとも1.9N、さらに好ましくは少なくとも2.1N、例えば少なくとも2.3Nである。
本発明のとりわけ好適なフィルム(例えば、40μm厚)は、以下の方程式を満足する。
引裂>A・(厚み)・10B・(密度-935)・MFR2C
[式中、
引裂は、ISO 6383/2に従って測定されたエルメンドルフ引裂であり、Nで示され、厚みは、μmで示され、密度は、ISO 1183:1987(E)の方法Dに従って測定されて、g/dm3で示され、MFR2は、ISO 1133に従って測定されて、g/10分で示される]。MD方向において、Bは−0.045、Cは−0.2、Aは0.015であり、とりわけ好適なフィルムでは、Aは0.017、より好ましくは0.19、さらに好ましくは0.021である。TD方向において、Bは−0.02、Cは−0.3、Aは0.04であり、とりわけ好適なフィルムでは、Aは0.045、より好ましくは0.050、さらに好ましくは0.055である。
本発明のフィルムは、さらに、機械方向および横方向において、高い引張係数特性(0.05〜1.05%、ASTM D 882〜A)も示す。これらはとりわけ前述のインターポリマーからなる40μmインフレーションフィルムの場合には、また特に下記の実施例1によって製造したフィルムの場合には、好ましくは250〜600MPa、より好ましくは320〜450MPa、例えば360〜400MPaである。
また、本発明のフィルムは、好ましくは、機械方向および横方向の双方において、高い破断ひずみも有する。これはとりわけ前述のインターポリマーからなる40μmインフレーションフィルムの場合には、また特に下記の実施例1によって製造したフィルムの場合には、例えばいずれの方向(MD/TD)でも少なくとも600%である。
本発明のフィルムは、好ましくは低ヘイズを示す。ヘイズ(ASTM D 1003)は、とりわけ前述のインターポリマーからなる40μmインフレーションフィルムの場合には、また特に下記の実施例1によって製造したフィルムの場合には、40%未満、好ましくは45%未満、例えば30%未満であってよい。ヘイズの下限は重要ではなく、例えば1%であってよい。
本発明のフィルムは、好ましくは高い光沢を示す。光沢(ASTM D 2457)は、とりわけ前述のインターポリマーからなる40μmインフレーションフィルムの場合には、また特に下記の実施例1によって製造したフィルムの場合には、60%を上回ってもよく、好ましくは65%を上回り、例えば70%を上回る。光沢の上限は重要ではなく、例えば120%であってよい。
フィルムの用途
工業用フィルム
本発明のフィルムは、工業用フィルムとして、例えば工業用包装フィルムとして、また包装用ではない工業用フィルムとして使用することができる。工業用包装フィルムの例には、例えば、輸送袋、例えば重輸送袋(HDSS)、ストレッチフード、ストレッチラップ、ライナー、および工業用シュリンクフィルムがある。包装用ではない工業用フィルムの例には、例えば、建物用フィルムおよび建築用フィルム(例えば、空気膜および水分膜、バリアフィルム、およびジオメンブレン)、農業用フィルム、保護フィルム、およびテクニカルフィルムがある。
好ましくは、本発明のフィルムは包装に使用する。重輸送袋は、例えば、砂、セメント、石、堆肥、ポリマーペレットなどの包装に使用することができる。
工業用フィルム
工業用フィルムの製造に使用するためのフィルムは、単層フィルムであってもよい。この場合、そのフィルムを形成するインターポリマー組成物のMFR2は、好ましくは0.2〜3g/10分、より好ましくは0.4〜2.5g/10分、さらに好ましくは0.5〜2g/10分である。インターポリマー組成物の密度は、好ましくは900〜930g/dm3、より好ましくは905〜925g/dm3、より好ましくは910〜923g/dm3である。
しかしながら、より好ましくは、工業用フィルムの製造に使用するフィルムは、多層フィルムであり、好ましくは共押出によって得られたものである。1つ以上の層を利用することによって、フィルム全体の特性を単一層(単層)構造体の場合よりも大幅に最適化することができる。これは、重要な特性を犠牲にすることなく、フィルムをより薄くすることができることを意味する。
工業用フィルムに使用するための好適多層フィルムは、aba構造を有し、このとき、
(a):外層
(b):1つ以上のコア層(b1b2b3)
(a):外層
である。
層(a)は、好ましくは、前述のインターポリマー組成物10〜100質量%、より好ましくは50〜100質量%、さらに好ましくは70〜95質量%を含む。さらに好ましくは、層(a)のうちの少なくとも一方、より好ましくは両方が、前述のようなLDPE3〜30質量%、より好ましくは5〜20質量%をさらに含む。好ましくは、LDPE成分は、密度が880〜930kg/dm3であり、MFR21/MFR2が30を上回る。
層(a)に含まれる前述のようなインターポリマーは、好ましくは、0.2〜3g/10分、より好ましくは0.5〜2g/10分、さらに好ましくは0.7〜1.5g/10分のMFR2を有する。インターポリマーの密度は、好ましくは890〜935g/dm3、より好ましくは900〜930g/dm3、さらに好ましくは910〜923g/dm3である。
場合によっては層(a)に含まれるLDPEポリマーは、好ましくは0.2〜3g/10分、より好ましくは0.5〜2g/10分、さらに好ましくは0.7〜1.5g/10分のMFR2を有する。LDPEの密度は、好ましくは905〜930g/dm3、より好ましくは910〜926g/dm3、さらに好ましくは917〜924g/dm3である。
層(a)のポリマー組成物は、好ましくは、0.2〜3g/10分、より好ましくは0.5〜2g/10分、さらに好ましくは0.7〜1.5g/10分のMFR2を有する。層(a)のポリマー組成物の密度は、好ましくは890〜935g/dm3、より好ましくは900〜930g/dm3、さらに好ましくは910〜923g/dm3である。
層(a)は、場合によっては、さらなるポリマー成分を含有していてもよい。
層(a)は、同じまたは異なる組成物を有してもよいが、層(a)が同じ組成物を有するのが好適である。
層(a)のうちの一方または両方は、印刷に使用することができる。層(a)(一方または両方)は、好ましくは良好なシール特性を有する。
層(b)は、フィルムに形成することができるいかなるポリマーであってもよい。これは例えば、機械的特性(衝撃強度および剛性)またはバリア特性を与える働きをしうる。これは、複数の層、例えば3層、5層、7層、または9層からなってもよい。
以下のポリマーは、層(b)に含めるのに特に適している:ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、エチレンビニルアルコール(EVOH)、ポリプロピレン(配向ポリプロピレン(OPP)および2軸配向ポリプロピレン(BOPP)を含む)、およびポリエチレン(配向ポリエチレン(OPE)を含む)。
また、層(b)(一方または両方)は、ポリエチレン、とりわけ前述のようなポリエチレンインターポリマーも含んでいてよい。この層に含まれるインターポリマー組成物は、好ましくは、0.1〜4g/dm3、より好ましくは0.3〜2g/10分、さらに好ましくは0.2〜1.5g/10分のMFR2を有する。インターポリマー組成物の密度は、好ましくは900g/dm3〜950g/dm3、より好ましくは910〜940g/dm3、さらに好ましくは915〜935g/dm3である。好ましくは、層(b)(一方または両方)に含まれるインターポリマー組成物は、その層に含まれるポリエチレンポリマーの平均よりも低いMFR2および低い密度を有する。
この実施形態のフィルム(すなわち工業用フィルム)の全厚は、好ましくは15〜300μm、より好ましくは25〜250μm、さらに好ましくは40〜200μmである。
フィルムが3層以上を有する場合、好ましくは、層(a)は、それぞれ多層フィルムの全厚の5〜30%であるべきであり、1つ以上の層(b)は、全体として全厚の25〜90%であるべきである。したがって、各層(a)の厚みは、好ましくは10〜30μmである。層(b)の厚みは、好ましくは25〜60μmである。
積層体
また、本発明のフィルムは、積層体に組み込むこともできる。積層法では、フィルムを基板に接着する。積層法に使用するフィルムは、ここでは積層フィルムと称する。得られる製品は、ここでは積層体と称する。
積層フィルム
積層フィルムは、単層フィルムまたは多層フィルムであってよい。好ましくは、積層フィルムは多層フィルムであり、好ましくは共押出によって形成したものである。
積層フィルムは、例えば、共押出層構造体AC:
A:外層
C:内層
を有してもよく、このとき内層は基板に隣接している。
より好ましくは、積層フィルムは、共押出構造体ABC:
A:外層
B:コア層
C:内層
を有してもよく、このとき内層は基板に隣接している。
内層Cは、好ましくは、前述のインターポリマー組成物10〜100質量%、より好ましくは50〜100質量%、最も好ましくは70〜95質量%を含む。さらに好ましくは、内層Cは、3〜30質量%、より好ましくは5〜20質量%の前述のようなLDPEをさらに含む。好ましくは、このLDPE成分は、密度が880〜930kg/dmであり、MFR21/MFR2が30を上回る。このような成分を含めることで、典型的にはポリマー組成物の加工性が改善される。
内層Cに含まれる前述のようなインターポリマーは、好ましくは、MFR2が0.2〜3g/10分、より好ましくは0.5〜2g/10分、さらに好ましくは0.7〜1.5g/10分である。このインターポリマーの密度は、好ましくは900〜950g/dm3、より好ましくは910〜945g/dm3、さらに好ましくは920〜940g/dm3である。
場合によっては内層Cに含まれるLDPEポリマーは、好ましくはMFR2が0.2〜3g/10分、より好ましくは0.5〜2g/10分、さらに好ましくは0.7〜1.5g/10分である。このLDPEの密度は、好ましくは905〜930g/dm3、より好ましくは910〜926g/dm3、さらに好ましくは917〜924g/dm3である。
内層Cのポリマー組成物は、好ましくはMFR2が0.2〜3g/10分、より好ましくは0.5〜2g/10分、さらに好ましくは0.7〜1.5g/10分である。内層Cのポリマー組成物の密度は、好ましくは890〜935g/dm3、より好ましくは900〜935g/dm3、さらに好ましくは910〜930g/dm3である。
層Cは、場合によっては、さらなるポリマー成分を含有していてもよい。
外層Aは、好ましくは良好なシール特性を有する。これは例えばパウチおよび袋の製造において、積層体のこの面に典型的にはシール法を実施するためである。また好ましくは、外層Aは、良好な光学特性、すなわちヘイズおよび光沢、特に光沢を有する。場合によっては、層Aの頂部に付加的な基板が存在してもよいが、好ましくは、Aは自由面である。
AC積層フィルムでは、層AおよびCは異ならなければならない。ABC積層フィルムでは、好ましくは、外層Aは内層Cと同一である。したがって、層Cの好適な特長は、層Aの好適な特長でもある。したがって、好適な積層フィルム構造体はABAである。
コア層は、フィルムに形成することができるいかなるポリマーであってもよい。これは例えば、機械的特性(破断特性および剛性)、およびバリア特性(酸素、水、香気)を与える働きをしうる。これは複数の層からなってもよい。
以下のポリマーは、層Bに含めるのに特に適している:ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、エチレンビニルアルコール(EVOH)、ポリプロピレン(配向ポリプロピレン(OPP)および2軸配向ポリプロピレン(BOPP)を含む)、およびポリエチレン(配向ポリエチレン(OPE)を含む)。
コア層Bが2つ以上の層からなる場合、これは好ましくは3層、5層、7層、または9層からなる。そのような場合、これらの層は好ましくは対照的であって、3層組成物B1B2B3では、層B1およびB3は同一である。
積層フィルムの全厚は、好ましくは10〜150μm、より好ましくは15〜90μm、さらに好ましくは20〜70μmである。
フィルムが3層以上を有する場合、好ましくは層AおよびCは、それぞれ多層フィルムの全厚の5〜30%であるべきであり、1つ以上の層Bは、全体として全厚の25〜90%であるべきである。したがって、層AおよびCの厚みは、好ましくは10〜30μmである。層Bの厚みは、好ましくは25〜60μmである。
フィルムがAおよびBの2層を有する場合、好ましくは、各層は、フィルムの全厚の10〜90%、より好ましくは20〜80%、最も好ましくは30〜70%をであるべきである。したがって、層Aの厚みは、好ましくは20〜60μmである。層Bの厚みは、好ましくは50〜120μmである。
基板
積層体の製造に使用する基板は、好ましくは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、エチレンビニルアルコール(EVOH)、ポリプロピレン、ポリエチレン、金属、特にアルミニウム、紙、または厚紙を含む。また、基板は、2つ以上の層を含んでもよく、例えば金属化(アルミニウムめっき)ポリマー、またはポリエチレンでコーティングしたアルミニウム箔などであってよい。基板の厚みは、好ましくは3〜100μm、より好ましくは4〜50μm、さらに好ましくは5〜30μmである。
場合によっては、積層フィルムの表面上、好ましくはその中の層Aに、積層法の前に印刷を施してもよい。あるいは、基板の表面上に印刷を施してもよい。後者の場合、印刷は、積層フィルムによって機械的影響および溶媒/化学物質の作用から保護されるが、依然として透明積層フィルムを通して見ることができる。
積層体および積層
積層フィルムは、好ましくは、積層フィルムを形成したあとに、基板上に積層する。積層フィルムは、場合によっては、基板の両面に接着してもよい。
積層は、連続法によって、高温で積層フィルムと基板とを互いに押し付けて実施することができる。使用する典型的な温度は、150〜300℃であってよい。積層フィルムも基板も積層法の最中に溶融しない。しばしば、先に述べた層に加え、一緒に積層すべき面のうちの少なくとも一方の面に接着剤の層(例えば、0.5〜5μm厚)を塗布してもよい。積層のための適切な装置は、Windmoller & Holscher社およびMacchi社から購入することができる。
本発明の積層体は、幅広い用途を有するが、食品および飲料の包装、ならびに消費財および生産財の包装における用途は特に関心が高い。食品包装において、本発明の積層体は、例えば、パスタ、粉乳、スナック食品、コーヒーバッグ、マーガリン、および冷凍食品の包装に使用することができる。消費財包装において、本発明の積層体は、粉末合成洗剤および練り歯磨きの包装、ならびに例えばペットフード用や飲料用などのスタンディングパウチの製造に使用することができる。
本発明を概括的に説明したが、特定の具体例を参照することによって、さらなる理解が得られる。これらの例は、説明の目的でのみ本明細書に示すものであって、特に定めのない限り、限定を目的とするものではない。
実施例
測定方法
ポリマー
特に明記しない限り、以下のパラメータを下表に示すポリマーサンプルに対して測定した。
MFR2、MFR5、およびMFR21は、それぞれ2.16kg、5.0kg、および21.6kgの荷重で、ISO 1133に従って測定した。測定値は、ポリエチレンインターポリマーの場合190℃、ポリプロピレンインターポリマーの場合230℃でのものである。
分子量および分子量分布、Mn、Mw、およびMWDは、以下の方法により、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定した。質量平均分子量Mwおよび分子量分布(MWD=Mw/Mn[式中、Mnは数平均分子量であり、Mwは質量平均分子量である])は、ISO 16014−4:2003に基づく方法で測定した。屈折率検出器とオンライン粘度計とを備えたWaters 150CV plus機器をWaters社製HT6E styragelカラム3本(スチレン−ジビニルベンゼン)、および溶媒としての1,2,4−トリクロロベンゼン(TCB、250mg/Lの2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチル−フェノールで安定化)とともに、140℃、一定流速1mL/分で使用した。1回の分析につき、500μlのサンプル溶液を注入した。1.0kg/mol〜12,000kg/molの範囲の狭い分子量分布のポリスチレン(PS)標準物質15個を用いて、ユニバーサルキャリブレーション(ISO 16014−2:2003に準拠)により、カラムセットを較正した。これらの標準物質は、Polymer Labs社製であり、Mw/Mn1.02〜1.10を有した。ポリスチレンおよびポリエチレンに対するMark Houwink定数を用いた(PSの場合、K:9.54×10-5dL/gおよびa:0.725であり、PEの場合、K:3.92×10-4dL/gおよびa:0.725である)。全てのサンプルは、0.5〜3.5mgのポリマーを4mL(140℃)の安定化したTCB(移動相と同様)に溶解し、140℃で3時間、160℃でさらに1時間、時々振盪しながら維持することにより調製したあと、サンプリングしてGPC機器に導入した。
溶融温度は、ISO 11357−1に従って、Perkin Elmer DSC−7示差走査熱量測定計で測定した。10℃/分で、−10℃〜200℃までの加熱曲線を記録した。200℃で10分間保持した。10℃/分で、200℃〜−10℃までの冷却曲線を記録した。第2加熱の吸熱ピークとして、溶融温度を記録した。観察された溶融ピークを完全結晶ポリエチレンの融解熱、すなわち290J/gで除することによって、結晶化度を計算した。
C13−NMRを用いて較正した、フーリエ変換赤外分光(FTIR)測定に基づいて、コモノマー含有量(質量%)を測定した。
メチル基(1/10 000 C)は、C13−NMRにより測定した。
材料の密度は、ISO 1183:1987(E)の方法Dに従って、勾配液としてイソプロパノール−水を用いて測定した。サンプルを結晶化するときにプラークの冷却速度は15℃/分とした。コンディショニング時間は16時間とした。
ポリマーのレオロジーは、ISO 6721−10に従って、板直径25mm、間隙1.2mmの平行板配列を有するRheometrics RDA II Dynamic Rheometerを用いて、窒素雰囲気下、190℃での周波数掃引によって測定した。測定により、貯蔵弾性率(G’)、損失弾性率(G’’)、および複素弾性率(G*)を複素粘度(η*)とともに、全て周波数(ω)との関数として得た。これらのパラメータは以下のように関連付けられる:任意の周波数ωに対して:複素弾性率:G*=(G’2+G’ ’21/2。複素粘度:η*=G*/ω。率に用いる単位はPa(またはkPa)であり、粘度にはPa s、周波数(1/s)である。η* 0.05は、周波数0.05s-1での複素粘度であり、η* 300は、300s-1での複素粘度である。
Cox−Merzの経験則によると、所定のポリマーおよび温度に関して、この動的方法によって測定した周波数の関数としての複素粘度は、定常状態の流れ(例えば、キャピラリ)に対するせん断速度の関数としての粘度と同じである。
ベンチスケール重合を実行した場合の活性度係数は、以下の方程式で計算する:
活性度係数(kg/(g、バール、時)=(ポリマーの収率(kg))/(触媒量(g))・(エチレン分圧(バール))・(重合時間(時))
連続重合の場合、活性度係数は、ポリマーの生成速度を生成物の収率の代わりに、触媒系の供給速度を供給される触媒系の量の代わりに使用し、また連続反応器内の平均滞留時間を用いることによって近似する。
圧縮成形試料の機械的特性
割線係数は、ASTM D 882−Aに従って、温度23℃、速度1mm/分で測定する。
圧縮成形サンプルの引張特性(引張降伏応力、引張降伏ひずみ、引張破断強度、引張破断ひずみ)は、ISO 527−2に従って23℃で測定する。係数は速度1mm/分で測定し、降伏特性および破断特性は50mm/分で測定する。この試験用の試料は、ISO 1872−2に従って、冷却速度15℃/分で作成する。
シャルピー衝撃には、ISO 10350−1(1998−11−15)−オプションISO 179−1(Vノッチ付きA型)に従って作成した圧縮成形試料を使用する。これらは、ISO 179に従って、23℃で衝撃試験を行なう。
フィルム
特に明記しない限り、以下のパラメータを実施例に記載するとおりに製造した40μm厚のフィルムに対して23℃で測定した。
ダート衝撃強度は、ISO 7765/1に従って測定する。
ヘイズは、ASTM D 1003に従って測定する。
光沢は、ASTM D 2457に従って測定する。光角度60°で測定。
最低融解温度(シール特性):フィルムの最低融解温度(コールドシール)は、CeraTek溶接装置を用いて測定した。フィルムをゾーン間で5℃の差がある8つの溶接ゾーンで、2バールの圧力で1秒間溶接した。冷却後、フィルムを15mm幅に切断し、溶接部を手で引きはがした。最低融解温度は、フィルム自体が伸びるまで溶接部が残存する最低温度である。
耐突刺性は、ASTM D5748に従って測定する。
割線係数は、ASTM D 882−Aに従って測定し、0.05%および1.05%ひずみ時の値から計算する。
引張応力、引張ひずみ、および引張強度は、ISO 527−3に従って測定する。
エルメンドルフ引裂強度は、ISO 6383/2に従って測定する。
実施例
実施例1:チーグラー・ナッタ触媒系を用いた気相重合
遷移金属としてTiを含む従来のチーグラー・ナッタ触媒を使用した。
TEAL(トリエチルアルミニウム):ヘプタン中10質量%
重合方法
重合は、撹拌機と温度制御システムとを取り付けた8リットルの反応器で実施した。全ての実行に、同じコモノマー供給システムを使用した。手順は、以下のステップからなった。
1.260mlの液体プロパンを反応器に添加し、攪拌を開始した(300rpm)。反応器温度を85℃にし、重合中その温度を維持した。
2.水素、エチレン、およびコモノマーを反応器内に添加した。水素はバッチとして添加した。圧力制御バルブを介したエチレンの供給によって、圧力を要求される圧力に維持した。エチレン流と比例するように、コモノマーも反応器に連続的に添加した。
3.触媒系を添加した。共触媒のトリエチルアルミニウム(TEA)をヘプタン中の1M溶液として供給した。
4.反応器から揮発性物質を排出し、温度を低下させることによって、重合を停止した。
5.ポリマーを70℃の真空オーブンで30分間、さらに乾燥させた。
重合手順のさらなる詳細および得られたインターポリマーの詳細は、下記の第1表に示す。
第1表:重合
Figure 0005583142
驚くべきことに、活性度係数は、3−メチル−1−ブテンの場合に1−ブテンの場合よりも高かった。このことは、劣化しにくい、または同じ寿命のフィルムの場合には高価な酸化防止剤の消費量が少ない、より純粋なフィルムをもたらすであろうことから、フィルムにおいて有利である。
また、ポリマーは、酸化防止剤である1500ppmのIrganox B561(Ciba社製)(20質量%のIrgafos 168(トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト)と80質量%のIrganox 1010(ペンタエリスリチル−テトラキス(3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート)とを含有する)と混合し、そのあとPrism 16押出機により、押出機温度200℃でペレット化した。下記の第2表に示すように、同時実行の粉末をペレット化前に一部混合した。
ポリマーフィルムの製造
スクリュー直径25mm、長さ/直径比25、ダイ直径50mmを有し、ダイギャップを1.5mmに調節した、Collin単層フィルムラインで、ペレットをインフレーション成形してフィルムにした。スクリュー速度60rpm、溶融温度175℃、ブローアップ比(BUR)3.5、押出速度1.9m/分で、ポリマーを加工した。フィルム厚をおよそ40μmに調整した。試験用のフィルムは、40μmとなるように選択した。
第2表:ペレットおよびフィルム
Figure 0005583142
驚くべきことに、3−メチル−1−ブテンを含むコポリマーを用いて作製したフィルムの引裂抵抗は、ブテンを含むコポリマーを用いて作製したものよりもはるかに優れていた。また、引張強度も3−メチル−1−ブテンを含むフィルムの方が、ブテンを含むものよりも高かった。これらの両機械的特性の高い値を有することは、工業用フィルムならびに積層フィルムにとって不可欠である。
5.2.2 実施例2:チーグラー・ナッタ共重合および三元重合
チーグラー・ナッタ触媒は、米国特許第2006/0014897号の実施例1に従って、実験室規模で合成した。
重合
重合は、撹拌機と温度制御システムとを取り付けた8リットルの反応器で実施した。0.15バールのH2を反応器に添加しておいた。重合は、85℃、全圧21バール(ゲージ)および反応器内のN2分圧15バールで実施した。アルカンは添加しなかった。ヘプタン中の1Mのトリエチルアルミニウム(TEAL)を第3a表に示すように添加し、第3a表に示す時間重合した。
第3a表は、これらの実行が、本質的に同じ密度を生じたことを示している。同じ密度に達するためには、コモノマーとして3−メチル−1−ブテンを用いた場合の活性度係数は、直鎖アルケンである1−ブテンおよび1−ヘキセンを用いた場合よりも約1.7高い。3−メチル−1−ブテンと1−ブテンとの混合物の使用では、驚くべきことに、3−メチル−1−ブテンを単独で使用した場合と比較して、活性度係数にほぼ損失を生じずに、この密度に達した。これは、単独で使用する1−ブテンの約半量と、単独で使用する3−メチル−1−ブテンの約半量とを添加することによって達成された。したがって、3−メチル−1−ブテンと直鎖1−アルケンとの混合物は、本質的に、3−メチル−1−ブテン単独で達成される高い活性と、同時に、コモノマーとして3−メチル−1−ブテン単独の場合よりも、所定の密度に達するのに反応器内にはるかに低いコモノマーの総濃度を要することとを合わせてもたらす。
ペレット化
重合で得た乾燥ポリマー粉末を1500ppmのIrganox B561酸化防止剤(Ciba社製)(20質量%のIrgafos 168(トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト)と80質量%のIrganox 1010(ペンタエリスリチル−テトラキス(3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート)とを含有する)、および10質量%のチーグラー・ナッタ二峰性PE(密度:937g/dm3、MFR2:0.4)と混合した。この混合物を押出機温度210℃でのPrism 16押出機によって、ブレンドペレット化した。
Figure 0005583142
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操作上の問題を生じる前に達成可能な最大産出速度は、コモノマーとして3−メチル−1−ブテンのみを含むポリマーで最も高く、3−メチル−1−ブテンと1−ブテンとのブレンドを含むポリマーで次に高いことが観察された(第3a表を参照)。コモノマーとして直鎖アルケン(1−ブテンおよび1−ヘキセン)のみを含むポリマーは劣っていた。
フィルムインフレーションおよびフィルム
スクリュー直径25mm、長さ/直径比25、ダイ直径50mmを有し、ダイギャップを1.5mmに調節した、Collin単層フィルムラインで、ペレットをインフレーション成形してフィルムにした。ブローアップ比(BUR)3.5、スクリュー速度90rpmで、ポリマーを加工した。温度帯設定は、200〜230℃に設定した(押出機ヘッドに向かって増加)。押出速度を変更することによって、フィルム厚を各実行においておよそ40μmに調節した。試験用のフィルムは、40μmとなるように選択した。フィルムインフレーションパラメータと分析結果は、第3b表に示す。
第3b表は、一定のスクリュー回転速度であるにもかかわらず、産出速度と、つまりは押出速度とは、実行間でかなり大きく異なることを示している。コモノマーとして3−メチル−1−ブテンのみを含むポリマーは生産速度が最も高く、1−ブテンのみを含むものは、この速度が最も低く、3−メチル−1−ブテンと1−ブテンとのブレンドを含むポリマーは、中間の速度であった。
さらに、1−ブテンのみを含むポリマーは、不安定なバブルを示し(わずかに高い生産速度が、バブルの不良をもたらすことを示す)、一方3−メチル−1−ブテンを用いた場合は、良好な安定性をもたらした。
コモノマーとして3−メチル−1−ブテンを含むポリマーは、コモノマーとして1−ブテンのみを含むポリマーと比較して、著しく改善された特性(第3表):より良好な衝撃特性(より高いダート衝撃強度)、より良好な耐突刺性(より高い最大荷重および最大荷重時の変形)、より良好な光学特性(より高い光沢、より低いヘイズ)、およびTDとMDとの両方向におけるより高いエルメンドルフ引裂抵抗をもたらすことが判明した。光学特性である光沢およびヘイズについては、3−メチル−1−ブテンと1−ブテンとの両者を一緒に含むターポリマーが、驚くべきことに優れていたことに留意すべきである。
2009年1月23日に出願された米国特許仮出願第61/146,948号は、参考として本明細書に援用される。
上記の教示を踏まえると、本発明の数々の変更形態および変形形態が可能である。したがって、添付の請求項の範囲内で、本明細書に具体的に記載した以外の方法で、本発明を実施することができることを理解されたい。

Claims (9)

  1. エチレンと3−メチル−1−ブテンとの単峰性インターポリマーを含むフィルムであって、
    前記インターポリマーが、チーグラー・ナッタ触媒を含む触媒系を用いて作製さ
    前記チーグラー・ナッタ触媒は、遷移金属成分としてのチタンと、活性剤と、粒子構成材料とを含み、
    前記触媒系は粒子形態であり、
    前記インターポリマーが、前記インターポリマーの総質量に対して、0.01〜40質量%の量の3−メチル−1−ブテンコモノマー及び少なくとも60質量%の量のエチレンを含む、
    前記フィルム。
  2. 前記インターポリマーが、2種のC2-8アルケンモノマーと、3−メチル−1−ブテンモノマーとを含む、請求項に記載のフィルム。
  3. 前記アルケンインターポリマーのMwが20,000〜900,000である、請求項1または2に記載のフィルム。
  4. 前記アルケンインターポリマーのMFR2が0.01〜5000である、請求項1からまでのいずれか1項に記載のフィルム。
  5. 別のポリエチレンをさらに含む、請求項1からまでのいずれか1項に記載のフィルム。
  6. 酸化防止剤をさらに含む、請求項1からまでのいずれか1項に記載のフィルム。
  7. インフレーションフィルムまたは多層フィルムまたは工業用フィルムである、請求項1からまでのいずれか1項に記載のフィルム。
  8. 請求項1からまでのいずれか1項に定義したエチレンと3−メチル−1−ブテンとのインターポリマーをインフレーション成形するステップを含む、請求項1からまでのいずれか1項に記載のフィルムを製造するための方法。
  9. 請求項1からまでのいずれか1項に記載のフィルムを含む、積層体または物品または包装材料。
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