JP5583084B2 - インペラシェル用コレットチャック装置 - Google Patents

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Description

本発明は、トルクコンバータのインペラシェル用コレットチャック装置に関する。
特許文献1には、複数のベーンを有するインペラの機械加工方法であって、ベーン端面の余肉を切削する方法が開示されている。
特開2004−167595号公報
特許文献1の方法では、インペラシェル(インペラ)の周方向で複数設けられたベーンの間に充填材を充填して固化させたのちに、インペラシェルを旋盤のチャックに掴持させ、この状態で、切削工具を用いてベーンの端面を充填材と共に切削することで、ベーン端面の余肉を切削するようになっている。
しかし、この方法では、インペラシェルを固定するために石膏を用いているため、切削したのちに、ベーンの間に充填した充填材(石膏)を取り除く必要があり、充填材(石膏)を取り除くための後処理が煩わしいという問題がある。
そこで、切削加工に際し、インペラシェルの湾曲成型された外径側の外面をストッパ面に当接させた加工位置で固定保持し、この状態で余り肉などの切削加工を行う装置が提案されている。
しかし、かかる装置の場合、インペラシェルが比較的に強い力でストッパ面に当接させられるので、インペラシェルの剛性が低い場合には、ストッパ面から受ける反力によりインペラシェルが変形し、この状態で切削加工が行われることがある。かかる場合、切削加工後にインペラシェルがストッパ面から離れると、インペラシェルに生じた変形を元に戻そうとする力が作用して、加工精度が狂ってしまうという問題があった。
そこで、インペラシェルの切削加工に際して、インペラシェルの形状を変形させることなく、インペラシェルを簡単に固定保持できるようにすることが求められている。
トルクコンバータのインペラシェルの中心部に形成された円筒部を把持して軸方向に牽引し、インペラシェルを、加工位置で保持するインペラシェル用コレットチャック装置において、インペラシェルの円筒部よりも外径側に当接する位置で、コレットチャック装置の牽引方向に移動可能に設けられた支持部材と、支持部材をインペラシェル側に付勢すると共に、支持部材を、コレットチャック装置の基台よりもインペラシェル側に突出させた位置で、牽引方向に移動可能に配置する付勢手段と、を備え、支持部材の突出長を、牽引によるインペラシェルの支持部材側への移動長よりも長くなるように設定して、インペラシェルが加工位置で保持された際に、インペラシェルの外径側が、牽引方向に進退移動可能な支持部材により、基台から離間した位置で前記牽引方向に移動可能に保持されるようにした構成のインペラシェル用コレットチャック装置とした。
本発明によれば、インペラシェルが加工位置に向けて牽引されると、インペラシェルの外面が支持部材に当接する。支持部材は、インペラシェルをコレットチャック装置の牽引方向と反対方向に付勢するように伸縮可能であるので、インペラシェルは、コレットチャック装置の牽引力と支持部材の付勢力とが釣り合う位置において、その外面を支持部材に当接させた状態で保持されることになる。
よって、インペラシェルの外面が支持部材から受ける力が、インペラシェルを変形させるのに要する力よりも小さくなるように支持部材の付勢力を設定することで、インペラシェルの変形を防止しつつ、インペラシェルを加工位置に保持できる。
実施の形態にかかるコレットチャック装置の平面図である。 実施の形態にかかるコレットチャック装置を説明する図である。 実施の形態にかかるコレットチャック装置の要部拡大図である。 実施の形態にかかるコレットチャック装置の動作を説明する図である。
以下、本発明の実施形態を説明する。
図1は、コレットチャック装置1を説明する図であって、コレット8で把持されたインペラアッセイ2が、コレット8により牽引されて加工位置に配置された状態を説明する断面図である。
図2は、コレットチャック装置に取り付けられたワーク支持部材10を説明する図であって、(a)は、ワーク支持部材10をインペラアッセイ2側から見た平面図であり、(b)は、(a)におけるA−A断面図である。
図3の(a)は、図2の(b)における領域Bを拡大した拡大図であり、(b)は、(a)におけるA−A断面図である。
実施の形態にかかるコレットチャック装置1は、加工対象であるインペラアッセイ2(ワーク)の切削加工に先だって、切削時にインペラアッセイ2が回転することを防止するために、インペラアッセイ2を固定保持するものである。
コレットチャック装置1は、インペラアッセイ2の中央にあるインペラスリーブ3をコレット8で把持して、インペラシェル6がワーク支持部材10の支持部材20に当接する位置まで牽引し、その位置でインペラアッセイ2を回り止めしつつ保持することで、インペラアッセイ2の外周(外周縁7a)の切削加工を可能にする。
トルクコンバータのインペラアッセイ2は、円筒状のインペラスリーブ3の一端から径方向外側に延びるフランジ部4の外周に、ベーン5が取り付けられたインペラシェル6の内周側を溶接して構成される。
インペラシェル6は、フランジ部4との接続部である内周側から外周側までの所定範囲が、ベーン5とは反対方向(インペラアッセイ2の牽引方向)に膨出するように成型された湾曲形状を有している。
インペラシェル6の外周側の先端部7は、中心軸Xに沿ってインペラシェル6の膨出方向とは反対側に延びており、この中心軸Xに沿って延びる先端部7の外周縁7aは、カバーコンバータ(図示せず)とのインロー嵌合部となっている。
そのため、インペラシェル6の外周縁7aは、軸方向から見て中心軸Xを中心とした直径R1の仮想円上に位置するように精度良く加工されている必要があり、コレットチャック装置1は、かかる外周縁7aの切削加工に先立って、インペラシェル6を変形させることなくインペラアッセイ2を固定保持するために用いられている。
コレットチャック装置1のコレットハウジング9は、コレット8の外周を囲むように配置されており、インペラアッセイ2との対向面9aには、軸方向から見て円形のワーク支持部材10が取り付けられている。
ワーク支持部材10の中央には、ワーク支持部材10を厚み方向に貫通する開口11が設けられており、ワーク支持部材10のコレットチャック装置1との対向面には、開口11を所定間隔で囲む凹部12が形成されている。
凹部12には、コレットハウジング9の先端側の嵌合部91が嵌合している。軸方向から見てリング状の嵌合部91には、コレット8がワーク支持部材10側から内挿されており、コレット8は、中心軸Xの軸方向で、コレットハウジング9に対して相対移動可能となっている。
嵌合部91の内周面91aは、ワーク支持部材10から離れるにつれて縮径する傾斜面であり、コレット8の把持部81もまた、その外周面81aが、ワーク支持部材10から離れるにつれて縮径する傾斜面である。
そのため、コレット8がワーク支持部材10から離れる方向(図中下方向)に牽引されると、コレット8は、把持部81の中央開口82の内径Daを狭めながら移動するようになっている。
実施の形態では、コレット8の軸方向の移動を可能とするために、コレット8の先端面81bと、ワーク支持部材10の凹部12の底面12aとの間に隙間CLが確保されている。
ここで、コレット8の把持部81の先端面81bは、その軸線X側の中央部がワーク支持部材10側に膨出している。そのため、ワーク支持部材10の軸線X側の中央部もまた、コレット8との干渉を避けるべく、コレット8から離れる方向に膨出している。
ワーク支持部材10では、凹部12における開口11を囲む所定範囲が、コレットチャック装置1とは反対側に膨出した膨出部13となっており、この膨出部13におけるワークとの対向面13aは、ワーク支持部材10の外径側の表面14aよりも、ワーク側に突出している。
コレット8において、把持部81の中央開口82の内径Daは、ワーク支持部材10の開口11の内径Dbよりも小さくなっており、ワーク支持部材10を軸方向から見ると、コレット8(把持部81)の内径側が開口11内に露出している。
実施の形態では、ワーク支持部材10側から、把持部81の中央開口82内にアクセスできるようになっており、コレットチャック装置1でインペラアッセイ2を保持させる際には、インペラアッセイ2のインペラスリーブ3が、ワーク支持部材10側から中央開口部8a内に挿入される。
ワーク支持部材10における外径側は、中心軸X回りの周方向の全周に亘って厚肉で形成された厚肉部14となっており、この厚肉部14におけるコレットハウジング9との対向面には、軸方向から見てリング状の嵌合凹部15が形成されている。
図2の(b)に示すように、嵌合凹部15の底部15aには、厚肉部14を厚み方向に貫通したボルト穴16と、取付孔17が開口している。
ボルト穴16は、中心軸Xに平行な軸線X2に沿って設けられており、コレットチャック装置1(コレットハウジング9)に近づく方向に2段階に縮径している。
ワーク支持部材10においてボルト穴16は、中心軸X回りの周方向で、120度間隔で合計3カ所に設けられており(図2の(a)参照)、ワーク支持部材10は、ボルト穴16を挿通させた六角穴付きボルトBにより、コレットチャック装置1のコレットハウジング9に固定されている。
図3の(a)に示すように、取付孔17は、中心軸Xに平行な軸線X1に沿って設けられており、コレットチャック装置1(コレットハウジング9)から離れる方向に2段階に縮径している。
この取付孔17は、中心軸X回りの周方向で、大凡90度間隔で合計4カ所に設けられており(図2の(a)参照)、各取付孔17には、コレットチャック装置1(コレットハウジング9)から、支持部材20が挿入されている。
図3の(a)に示すように、支持部材20は、先端側から順に、円柱形状の当接部21と、当接部21の基端から径方向外側に延びるフランジ部22と、当接部21と同軸に設けられた軸部23とを、備えており、これらが一体に形成されている。
軸部23は、当接部21よりも小径で形成されており、この軸部23には、さらバネ19が外挿して取り付けられている。さらバネ19は、軸部23の軸方向で複数設けられており、これらさらバネ19は、嵌合凹部15に内挿して取り付けられたストッパ30により、軸部23からの脱落が阻止されている。
取付孔17の説明に戻って、取付孔17の先端側(インペラシェル6側)の小径部171は、支持部材20の当接部21の外径と略整合する内径を有している。
この小径部171の内周面では、長手方向における途中位置に凹溝171aが形成されている。この凹溝171aは、小径部171の内周面の全周に亘って形成されており、Oリング18が嵌合して取り付けられている。
Oリング18は、支持部材20の当接部21の外周に全周に亘って圧接する内径を有しており、インペラシェル6を切削加工するときに使用される潤滑水が、取付孔17の小径部171と当接部21との隙間を通って、軸部23側(さらバネ19側)に進入することを阻止している。
小径部171に隣接する大径部172は、支持部材20のフランジ部22と略整合する内径を有しており、小径部171と大径部172との間の段部173には、さらバネ19で付勢された支持部材20のフランジ部22が当接するようになっている。
ストッパ30は、軸方向から見てリング形状を有しており、ワーク支持部材10の嵌合凹部15に、コレットチャック装置1(コレットハウジング9)側から内挿して取り付けられている。
ストッパ30では、前記した取付孔17に対応する位置に、支持部材20の軸部23が挿入される挿入穴31が形成されているとともに、前記したボルト穴16に対応する位置に、ボルトBを挿通させるボルト挿通穴33(図2の(b)参照)が形成されている。
これら挿入穴31およびボルト挿通穴33は、ストッパ30を厚み方向に貫通して、それぞれ軸線X1、X2に対して平行に設けられている。
図3の(a)および(b)に示すように、ストッパ30のワーク支持部材10との対向面には、挿入穴31を囲むように、ばね支持部32が設けられている。
ばね支持部32は、ストッパ30のワーク支持部材10側の面の一部を切り欠いて、取付孔17(大径部172)の延長上となる位置に形成されている。
ばね支持部32の底面32aは、軸線X1に直交する平坦面であり、さらバネ19に軸方向から当接して、さらバネ19の軸部23から脱落する方向への移動を規制している。
軸線X1の軸方向におけるばね支持部32の深さL1は、軸部23に外挿されたさらバネ19の一部を収容する深さで形成されている。
ばね支持部32の内径側の内周面32b(図3の(b)参照)は、大径部172の内周面と整合する曲率で形成されるとともに、さらバネ19を径方向内側(中心軸X(図2参照)側)から支持している。
軸方向から見て、ばね支持部32内に開口する挿入穴31は、支持部材20の軸部23の外径D1よりも大きい内径D2を有しており、ストッパ30が嵌合凹部15に内挿された状態において、この挿入穴31には、支持部材20の軸部23の先端側が挿入されている。
この挿入穴31は、図中右方向に移動した支持部材20の軸部23が、ストッパ30に干渉して、支持部材20の移動を阻害しないようにするために設けられている。
実施の形態では、ワーク支持部材10がコレットハウジング9に固定された状態で、ストッパ30のコレットハウジング9側の面30aはコレットハウジング9に当接しており、ストッパ30は、コレットハウジング9により、嵌合凹部15からの脱落が防止されている。
この状態で、さらバネ19は、支持部材20をインペラアッセイ2側に付勢しており、支持部材20は、さらバネ19から作用する付勢力により、フランジ部22を取付孔17の段部173に当接させて、当接部21の先端21a側を、インペラシェル用のコレットチャック装置1におけるインペラシェル6の基台となるワーク支持部材10の表面14aからインペラアッセイ2側に突出させている。
図3の(a)に示すように、実施の形態では、支持部材20の突出長L2は、コレットチャックの牽引長(コレット8の牽引方向における移動長)よりも長くなるように設定されており、インペラアッセイ2を牽引して加工位置で保持したときに、インペラシェル6の外面(頂点P1(図1参照))が、ワーク支持部材10の表面14aに当接した状態となることが防止されるようになっている。
前記したように、実施の形態では、支持部材20が挿入される取付孔17は、中心軸X周りの周方向で、大凡90度間隔で合計4つ設けられている(図2の(a)参照)。
そのため、ワーク支持部材10のインペラアッセイ2との対向面では、合計4つの支持部材20がインペラアッセイ2側に突出して設けられている。
ここで、図1に示すように、インペラアッセイ2のインペラシェル6は、フランジ部4との接続部である内周側から外周側までの所定範囲がベーン5とは反対方向に膨出した湾曲形状を有している。
実施の形態では、このインペラシェル6の湾曲した部分の最もコレットチャック装置1側に位置する頂点P1が、支持部材20の当接部21に軸方向から当接するようになっている。
そのため、コレットチャック装置1を軸方向から見ると、図2の(a)に示すように、支持部材20の中心軸X1が、中心軸Xを中心とした半径rの仮想円Im1上に位置するように、取付孔17(支持部材20)の位置が設定されている。
なお、この半径rは、コレットチャック装置1で保持されるインペラアッセイ2の外径に応じて設定されるものであり、インペラシェル6の湾曲した部分の最もコレットチャック装置1側に位置する頂点P1が、支持部材20に当接する半径に適宜設定される。
かかる構成のコレットチャック装置1の動作を説明する。
図4は、コレットチャック装置1の動作を説明する図であって、(a)は、コレット8で把持したインペラアッセイ2のコレットチャック装置1側への牽引を開始した時点を説明する断面図であり、(b)は、インペラアッセイ2をワーク支持部材10(支持部材20)に当接する位置まで牽引して、インペラアッセイ2を加工位置に配置した状態を説明する図であり、(c)は、(b)における領域Aを拡大した拡大図である。
インペラアッセイ2のインペラスリーブ3を、コレット8の中央開口82に挿入した後に、コレット8をワーク支持部材10から離れる方向M1(牽引方向)に牽引すると、コレット8は、把持部81をM2方向に移動させながら(把持部81の中央開口82の内径Da(図1参照)を狭めながら)M1方向に移動する。
そうすると、コレット8は把持部81によるインペラスリーブ3の把持力を徐々に強めながら、インペラアッセイ2をワーク支持部材10側(M1方向)に牽引することになる。
この場合、インペラアッセイ2に作用する牽引力Fは、コレット8によるインペラスリーブ3の把持力が大きくなるにつれて大きくなり、最終的にインペラスリーブは、Fmaxの牽引力で牽引されることになる。
インペラアッセイ2がワーク支持部材10側に牽引されて、インペラシェル6の頂点P1が、ワーク支持部材10からインペラシェル6側に突出する支持部材20に当接すると、その時点においてインペラシェル6は、Fmaxの力で、支持部材20側に付勢されることになる。
ここで、支持部材20は、さらバネ19によりインペラアッセイ2の牽引方向とは反対方向に付勢されている。
さらバネ19が支持部材20をインペラシェル6側に付勢する力(付勢力)Fpは、ばね定数をk、ばねの撓み量をδとすると、Fp=kδとなる。
この付勢力Fpは、インペラシェル6を支持部材20側に付勢する力Fmaxに対する反力となる。
実施の形態では、コレットチャック装置1に複数の支持部材20が設けられており、この支持部材20の数をnとすると、支持部材20をインペラシェル6側に付勢する付勢力(Fp_total)は、Fp_total=Fp1+Fp2+・・・+Fpnとなる。
そのため、インペラアッセイ2を牽引する力(Fmax)が、さらバネ19による付勢力の合力(Fp_total)よりも大きいと、インペラアッセイ2は、さらバネ19を圧縮させながら支持部材20とともに、牽引方向(M1方向)に移動する。
支持部材20が牽引方向(M1方向)に移動すると、さらバネ19が軸方向に圧縮されて、ばねの撓み量δが大きくなる。そうすると、さらバネ19が支持部材20をインペラシェル6側に付勢する力Fpが大きくなって、支持部材20をインペラシェル6側に付勢する付勢力(Fp_total)もまた大きくなる。
そのため、牽引方向(M1方向)に移動した支持部材20は、インペラアッセイ2を牽引する力(Fmax)と、支持部材20をインペラシェル6側に付勢する付勢力(Fp_total)とが釣り合う位置で、牽引方向(M1方向)への移動が止まり、インペラアッセイ2は、この釣り合い位置で保持されることになる(図4の(b)参照)。
このときに、インペラシェル6が総ての支持部材20から受ける反力Fは、F=Fmax−Fp_total(Fp_total=Fp1+Fp2+・・・+Fpn)となる。
ここで、インペラシェル6を変形させるのに要する力:f、加工基準面となるインペラシェル6の支持部材20との当接点P1で面の歪みを生じさせるのに要する力:a、ばねが撓む最大値:δmax、とすると、
インペラアッセイ2が図4の(b)に示す釣り合い位置に配置された状態で、インペラシェル6を変形させないようにするには、下記式(1)の要件を満たす必要がある。
f>F、かつa≒δmax ・・・・(1)
そこで、実施の形態では、上記式(1)の要件を満たすように、ばね定数:k、支持部材20がさらバネ19から受ける付勢力Fp、支持部材20の数nを、設定している。
これにより、インペラアッセイ2(インペラシェル6)に歪みや変形を生じさせずに、インペラアッセイ2を牽引する力(Fmax)と、支持部材20をインペラシェル6側に付勢する付勢力(Fp_total)とが釣り合う位置で、インペラアッセイ2が保持される(インペラアッセイ2が加工位置に保持される)ことになる。
なお、実施の形態では、ばねの撓み量が最大(δmax)となるまでに、少なくとも、インペラアッセイ2を牽引する力(Fmax)と、支持部材20をインペラシェル6側に付勢する付勢力(Fp_total)と、が釣り合うように設定されている。
ばねの撓み量が最大になっても、牽引する力(Fmax)と付勢力(Fp_total)とが釣り合わないと、支持部材20は、さらバネ19を完全に圧縮した状態にする位置まで牽引方向(M1方向)に移動してしまう。かかる場合、作用点P2から支持部材20に作用する付勢力が無くなって、牽引する力(Fmax)を緩和する反力Fpが発揮されなくなる。そうすると、インペラシェル6における支持部材20との当接点P1では、牽引する力(Fmax)がそのまま反力としてインペラシェル6に作用して、インペラシェル6が変形してしまうからである。
以上の通り、実施の形態では、トルクコンバータのインペラアッセイ2のインペラスリーブ3を把持して軸方向に牽引し、インペラシェル6を加工位置で保持するコレットチャック装置1において、牽引方向側に膨出するように湾曲成型されたインペラシェル6の外面(インペラシェル6の湾曲した部分の最もコレットチャック装置1側に位置する頂点P1)と当接するとともに、インペラシェル6をコレットチャック装置1の牽引方向と反対方向に付勢する支持部材20を設け、さらに、支持部材20を牽引方向とは反対方向に付勢するさらバネ19(付勢部材)により、支持部材20が、牽引方向に進退移動(伸縮)可能となるようにした。
このように構成すると、インペラアッセイ2が加工位置に向けて牽引されると、湾曲成型されたインペラシェル6が支持部材20に当接する。支持部材20は、さらバネ19による付勢力でインペラアッセイ2の牽引方向とは反対方向に付勢されており、インペラシェル6から作用する牽引力(Fmax)が、さらバネ19が支持部材20を付勢する付勢力(Fp_total)と釣り合う位置まで、牽引方向側に移動する。
これにより、インペラアッセイ2は、この釣り合う位置において、インペラシェル6を支持部材20に当接させた状態で保持されることになる。
よって、インペラシェル6が支持部材20から受ける反力が、支持部材20を変形させるのに要する力よりも小さくなるようにさらバネ19の付勢力を設定することで、インペラシェル6の変形を防止しつつ、インペラシェル6を加工位置に保持できる。
これにより、インペラアッセイ2の外周(外周縁7a)の切削加工後に、インペラアッセイ2のコレット8による把持を開放しても、把持している際にインペラシェル6が変形していないので、加工後にインペラアッセイ2の外周(外周縁7a)の位置精度が狂うことがない。
また、インペラシェルを変形させずにコレットチャック装置で固定支持するのに、支持部材を設けるだけで良いので、簡単に位置固定できる。
特に、インペラアッセイ2では、インペラシェル6の内径側がインペラスリーブ3のフランジ部4に溶接されており、従来の装置でインペラアッセイ2を固定保持する場合には、溶接部分の影響を受けて、インペラアッセイ2ごとに異なる歪み方をしていた。そのため、インペラアッセイ2を固定保持したときの歪みを考慮して、切削加工を行うことが難しかった。
本発明にかかる装置の場合、インペラアッセイ2を加工位置で保持したときに、インペラアッセイ2(インペラシェル62)に歪み生じさせないので、溶接部分の影響が、加工精度に影響することを好適に防止できる。
また、支持部材20は、インペラシェル用のコレットチャック装置1におけるインペラシェル6の基台となるワーク支持部材10の表面14aよりも、前記インペラシェルの外面側に突出しているとともに、突出長L2(図3の(a)参照)は、コレットチャックの牽引長よりも長くなるように設定されている構成とした。
このように構成すると、インペラアッセイ2を牽引して加工位置で保持したときに、インペラシェル6の外面が、コレットチャック装置の基台であるワーク支持部材10の表面14aに当接した状態となることを防止できる。インペラシェル6の外面が表面14aに当接した状態になると、牽引する力(Fmax)を緩和する反力Fpが発揮されなくなって、インペラシェル6における支持部材20との当接点P1では、牽引する力(Fmax)がそのまま反力としてインペラシェル6に作用して、インペラシェル6が変形してしまうが、かかる状態となることを防止できるので、インペラシェル6の変形を確実に防ぐことができる。
さらに支持部材20は、中心軸X回りの周方向で複数設けられている構成としたので、インペラシェル6が支持部材20から受ける反力を、一カ所に集中させずに分散させることができる。
よって、コレットチャック装置1においてインペラアッセイ2を加工位置に配置した際に、インペラアッセイ2(インペラシェル6)が支持部材20から作用する反力を受けて、変形することを好適に防止できる。
また、インペラシェル6を変形させるのに要する力:f、加工基準面となるインペラシェル6の支持部材20との当接点P1で面の歪みを生じさせるのに要する力:a、インペラアッセイ2を牽引する力の最大値:Fmax、ばねが撓む最大値:δmaxが、下記式(1)の要件を満たすように、支持部材20の数:n、さらバネ19のばね定数:k、支持部材20がさらバネから受ける付勢力:Fpを設定した。
f>F、かつa≒δmax ・・・・(1)
このように構成すると、インペラアッセイ2(インペラシェル6)に歪みや変形を生じさせずに、インペラアッセイ2を牽引する力(Fmax)と、支持部材20をインペラシェル6側に付勢する付勢力(Fp_total)とが釣り合う位置で、インペラアッセイ2を保持できるので、加工後にインペラアッセイ2の外周(外周縁7a)の位置精度が狂うことがない。
前記した実施の形態では、支持部材20を付勢する付勢部材が、さらバネである場合を例示したが、支持部材20を付勢することができる部材であれば、コイルスプリングのような従来公知のばねや、他の弾性部材などを採用することも可能である。
また、ばね支持部32を有するストッパ30に関し、ばね支持部32の軸方向の深さL1(図3参照)が異なるストッパを複数用意しておき、支持部材20の軸部23に外挿されるさらバネの数に応じて、嵌合凹部15に内挿するストッパを変更するようにしても良い。
このようにすると、軸部23に外挿されるさらバネ19の枚数を、必要とされる付勢力応じて決定し、決定したさらバネの枚数に応じたストッパ30を採用することで、支持部材20から作用する反力を、インペラシェルの剛性に応じて適切に調整することができる。
前記実施の形態では、コレットチャック装置1で保持する加工対象であるワークが、インペラアッセイ2である場合を例示したが、本発明にかかるコレットチャック装置1の加工対象は、インペラアッセイ2のみに限定されるものではない。
例えば、トルクコンバータにおいてインペラアッセイ2がインロー嵌合するカバーコンバータであっても良い。さらに、コレット8で把持する軸部から径方向外側に延びる外径側が、板状部材の成型により湾曲成型されたワークであって、寸法精度が要求されるワークであれば、種々のものが、本発明にかかるコレットチャック装置1の加工対象とすることができる。
1 コレットチャック装置
2 インペラアッセイ
3 インペラスリーブ
6 インペラシェル
7 先端部
7a 外周縁
8 コレット
9 コレットハウジング
10 ワーク支持部材(基台)
11 開口
12 凹部
13 膨出部
14 厚肉部
14a 表面
15 嵌合凹部
16 ボルト穴
17 取付孔
18 Oリング
19 さらバネ
20 支持部材
21 当接部
22 フランジ部
23 軸部
30 ストッパ
31 挿入穴
32 ばね支持部
33 ボルト挿通穴
B ボルト

Claims (3)

  1. トルクコンバータのインペラシェルの中心部に形成された円筒部を把持して軸方向に牽引し、前記インペラシェルを、加工位置で保持するインペラシェル用コレットチャック装置において、
    前記インペラシェルの前記円筒部よりも外径側に当接する位置で、前記コレットチャック装置の牽引方向に移動可能に設けられた支持部材と、
    前記支持部材を前記インペラシェル側に付勢すると共に、前記支持部材を、前記コレットチャック装置の基台よりも前記インペラシェル側に突出させた位置で、前記牽引方向に移動可能に配置する付勢手段と、を備え、
    前記支持部材の突出長を、前記牽引による前記インペラシェルの前記支持部材側への移動長よりも長くなるように設定して、前記インペラシェルが前記加工位置で保持された際に、前記インペラシェルの外径側が、前記牽引方向に進退移動可能な前記支持部材により、前記基台から離間した位置で前記牽引方向に移動可能に保持されるようにした
    ことを特徴とするインペラシェル用コレットチャック装置。
  2. 前記加工位置で保持された前記インペラシェルが前記支持部材から受ける付勢力が、前記インペラシェルを変形させるに必要な力よりも小さくなるように前記支持部材の付勢力を設定したことを特徴とする請求項1に記載のインペラシェル用コレットチャック装置。
  3. 前記支持部材は、中心軸回りの周方向で複数設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインペラシェル用コレットチャック装置。
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