JP5582983B2 - 水系沈降防止剤 - Google Patents

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    • C09D7/40Additives
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Description

本発明は、例えば水系メタリック塗料、水系防食塗料、水系メタリックインキ等の水系コーティング材に添加することにより優れた顔料沈降防止性を付与し、且つ、高温環境下においても安定な効果を示す水系沈降防止剤に関するものである。
近年、環境問題や火災の危険性等の理由により、コーティング材等において水系化の検討が盛んに行われており、沈降防止剤についても当然水系のものが求められている。例えば溶剤系コーティング材においては、顔料の沈降を防止する目的で加温処理したアマイドワックス系(特許文献1)や水素添加ヒマシ油系の沈降防止剤(特許文献2)を使用することは良く知られている。これらの添加剤の多くは、常温環境下において優れた顔料沈降防止性を付与し、且つ、50℃のような高温環境下においても安定な効果を示すが、水との親和性に劣るため水系には適していない。
一方、所定の炭素数を有するプライマリージアミンと、ダイマー酸等とを反応して得られるポリアマイドを含むポリアマイド系沈降防止剤(特許文献3)や、炭素数が14〜40のジアミン及び炭素数が2〜22のジカルボン酸を反応させて得られるポリアマイドと、ヒドロキシル基を有する重縮合ポリエステルとを含有する沈降防止剤(特許文献4)、炭素数が4〜40のジアミン及び炭素数が4〜40のジカルボン酸を反応させて得られるポリアマイドと、ポリオレフィンワックス及び界面活性剤とを含有する沈降防止剤(特許文献5)が知られている。しかしながら、ポリアマイド系沈降防止剤は、常温環境下においては優れた沈降防止効果を示すが、特に50℃のような高温環境下における効果の安定性に劣る等の欠点を有している。
上記のように、従来から水系沈降防止剤として多種のものが提案されているにも関わらず、例えば水系メタリック塗料に用いられるアルミニウム顔料やマイカのようなパール顔料、あるいは水系防食塗料に用いられる防食顔料などのように粒子径が大きく、比重も大きい顔料の沈降を防止するには、通常の温度環境下では十分な効果が得られる場合であっても、例えば自動車の塗装ラインで要求される耐熱温度である50℃のような高温環境下では効果が不十分である等の問題を抱えていた。
特開2002−146336号公報 特開昭56−112977号公報 特許第3564259号公報 特開2005−171155号公報 特開2008−266448号公報
本発明は、例えば水系コーティング材に対し、優れた顔料沈降防止性を付与し、且つ高温環境下においても安定な効果を示す水系沈降防止剤を提供することを目的とするものである。
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、水系沈降防止剤に用いられる
ポリアマイドと、溶剤系沈降防止剤に用いられるアマイドワックス及び/又は水素添加ヒマシ油とを組み合わせることで、例えば水系コーティング材である水系メタリック塗料や水系防食塗料、水系メタリックインキ等に用いられる粒子径が大きく、比重も大きい顔料の沈降を防止し、且つ、高温環境下においても安定な効果を示す水系沈降防止剤を見出すことに成功し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、[A]炭素数2〜34を有するジアミンと、ジアミンに対して過剰量の炭素数4〜36、好ましくは炭素数6〜36を有するジカルボン酸、又は炭素数4〜36、好ましくは炭素数6〜36を有するジカルボン酸及び炭素数2〜22、好ましくは炭素数12〜18を有するモノカルボン酸の混合物とを反応させることにより得られるポリアマイドと、[B]炭素数2〜22、好ましくは炭素数12〜18を有するモノカルボン酸と、炭素数2〜12、好ましくは炭素数2〜8を有するジアミン及び/又は炭素数2〜22、好ましくは炭素数2〜16を有するモノアミンとを反応させることにより得られるアマイドワックス及び/又は[C]水素添加ヒマシ油と、を含有する混合物を中和用塩基にて中和したのち、水を主体とする媒体中に分散させる、或いは更に加温処理する、ことにより得られるものであることを特徴とする水系沈降防止剤に関するものである。具体的には、[A]ポリアマイドと[B]アマイドワックスとの組み合わせ、[A]ポリアマイドと[C]水素添加ヒマシ油との組み合わせ、又は[A]ポリアマイドと[B]アマイドワックスと[C]水素添加ヒマシ油との組み合わせから成る混合物を、中和用塩基にて中和後、水を主体とする媒体中に分散させる、或いは更に加温処理することにより得られることを特徴とする水系沈降防止剤に関するものである。
また、本発明は、[A]ポリアマイドと、[B]アマイドワックス及び/又は[C]水素添加ヒマシ油との重量比が、95:5〜40:60の範囲内にある上記の水系沈降防止剤に関するものである。
また本発明は、[A]ポリアマイドの酸価が30〜140の範囲内にある上記の水系沈降防止剤に関するものである。
本発明の水系沈降防止剤を用いることにより、例えば水系コーティング材などに対し粒子径が大きく、比重も大きい顔料の沈降防止効果を付与し、且つ50℃のような高温環境下においても安定な効果を付与することが可能となる。
以下、本発明を詳しく説明する。
[A] ポリアマイド
本発明の水系沈降防止剤で用いられる[A]ポリアマイド(以下、「成分[A]」という。)としては、炭素数2〜34を有するジアミンと、ジアミンに対して過剰量の炭素数4〜36を有するジカルボン酸、又は炭素数4〜36を有するジカルボン酸及び炭素数2〜22を有するモノカルボン酸の混合物とを反応させることにより得られるポリアマイドである。
成分[A]の合成に用いられる炭素数2〜34を有するジアミンの例としては、エチレンジアミン、1,4−ジアミノブタン、ヘキサメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、1,10−デカメチレンジアミン、1,11−ウンデカメチレンジアミン、1,12−ドデカメチレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ダイマージアミン等を挙げることができる。これらは単独で用いてよいし、組み合わせて用いてもよい。
成分[A]の合成に用いられるダイマージアミンは、ダイマー酸誘導体として、ダイマ
ー酸のカルボキシル基を化学反応させて得られるものであり、一般に市販されているもの(炭素数34)を用いることができる。
成分[A]の合成に用いられる炭素数4〜36を有するジカルボン酸の例としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、イソフタル酸、ダイマー酸等を挙げることができる。これらは単独で用いてよいし、組み合わせて用いてもよい。
成分[A]の合成に用いられるダイマー酸は不飽和脂肪酸を二量化して得られるものであり、一般に市販されているもの(炭素数36)を用いることができる。市販のダイマー酸中にはダイマー酸の他にモノマー酸やトリマー酸が含まれているが、ダイマー酸の含有量が多いものが好ましい。
成分[A]の合成に用いられる炭素数2〜22を有するモノカルボン酸の例としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸等を挙げることができる。これらは単独で用いてよいし、組み合わせて用いてもよい。
本発明の水系沈降防止剤で用いられる成分[A]の酸価は特に限定されないが、好ましくは30〜140の範囲であり、より好ましくは40〜100である。
[B]アマイドワックス
本発明の水系沈降防止剤で用いられる[B]アマイドワックス(以下、「成分[B]」という。)としては、炭素数2〜22を有するモノカルボン酸と、炭素数2〜12を有するジアミン、又は炭素数2〜22を有するモノアミンとを反応させることにより得られるアマイドワックスである。
成分[B]の合成に用いられる炭素数2〜22を有するモノカルボン酸の例としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸等を挙げることができる。これらは単独で用いてよいし、組み合わせて用いてもよい。
成分[B]の合成に用いられる炭素数2〜12を有するジアミンの例としては、エチレンジアミン、1,4−ジアミノブタン、ヘキサメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、1,10−デカメチレンジアミン、1,11−ウンデカメチレンジアミン、1,12−ドデカメチレンジアミン等を挙げることができ、炭素数2〜22を有するモノアミンの例としてはエチルアミン、モノエタノールアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、セチルアミン、ステアリルアミン、ベヘニルアミン等を挙げることができる。これらは単独で用いてよいし、組み合わせて用いてもよい。
[C]水素添加ヒマシ油
本発明の水系沈降防止剤で用いられる[C]水素添加ヒマシ油(以下、「成分[C]」という。)は、ヒマシ油に水素添加することにより生成するものであり、一般に市販されているものを用いることができる。
本発明の水系沈降防止剤における成分[A]と、成分[B]及び/又は成分[C]との重量比(成分[A]:成分[B]及び/又は成分[C])は特に限定されないが、好まし
くは95:5〜40:60の範囲であり、より好ましくは80:20〜45:55である。
本発明の水系沈降防止剤には、ポリオレフィンワックスの変性物を含有させても良い。これらの例としては、酸化変性又は酸グラフト変性されたポリオレフィンワックス等が挙げられる。これらは、単独で用いてよいし、組み合わせて用いてもよい。
本発明の水系沈降防止剤には、成分[A]と、成分[B]及び/又は成分[C]との混合中和物の媒体中への分散を容易にする為、必要に応じてモノカルボン酸を含有させても良い。用いられるモノカルボン酸としては炭素数2〜22のものが使用でき、そのような例としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸等を挙げることができる。これらは単独で用いてよいし、組み合わせて用いてもよい。
本発明の水系沈降防止剤には、成分[A]と、成分[B]及び/又は成分[C]との混合中和物の媒体中への分散を容易にする為、必要に応じて界面活性剤を含有させても良い。用いられる界面活性剤としては特に限定されないが、ノニオン系界面活性剤及び/又はアニオン系界面活性剤等が挙げられる。
上記ノニオン系活性剤の例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ソルビタン脂肪族エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪族エステル、ポリオキシエチレンオキシプロピレン共重合体等を挙げることができる。これらは単独で用いてよいし、組み合わせて用いてもよい。
上記アニオン系活性剤の例としては、アルキル脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、リン酸エステル塩等を挙げることができる。これらは、単独で用いてよいし、組み合わせて用いてもよい。
本発明の水系沈降防止剤には、成分[A]と、成分[B]及び/又は成分[C]との混合中和物の媒体中への分散を容易にする為、必要に応じて有機溶剤を含有させてもよい。用いられる有機溶剤としては、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、又はケトン、エステル、アルコール、エーテル等を挙げることができるが、一般の水系コーティング材で用いられている有機溶剤が好ましい。そのような有機溶剤の例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、2−エチルへキシルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、2−エチルへキシルグリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等を挙げることができる。これらは、単独で用いてよいし、組み合わせて用いてもよい。
成分[A]と、成分[B]及び又は成分[C]とからなる混合物、場合によっては更にポリオレフィンワックスの変性物及び/又はモノカルボン酸を含んでなる混合物の中和に用いる中和用塩基は、例えば水系コーティング材で中和用塩基として一般的に使用される
塩基を用いることができる。有機系物質の例としては、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアルキルアミンや、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N’−ジメチルエタノールアミン等のアルコールアミンを挙げることができる。無機系物質の例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等を挙げることができる。これらは、単独で用いてよいし、組み合わせて用いてもよい。
本発明の水系沈降防止剤は、他の機能を付与する目的で助剤を含んでいても良い。例えば水系コーティング材に添加する場合、コーティング材中での分散性、塗膜の光沢保持、顔料の分散性、コーティング材の消泡性、流し面などの改善を目的として、各種助剤を加えることもできる。
本発明の水系沈降防止剤を製造するに際しては、まず、成分[A]と、成分[B]及び/又は成分[C]とを、任意の成分としてのポリオレフィンワックスの変性物、モノカルボン酸、界面活性剤、有機溶剤等と共に混合する。混合条件は特に限定されないが、各成分が溶解状態にあれば混合効率が向上するため、通常90〜150℃の温度において混合する。次いで、この混合物に中和用塩基を添加して成分[A]を中和する。混合物がポリオレフィンワックスの変性物及び/又はモノカルボン酸を含有している場合には、これらも成分[A]と同時に中和する。その後、水を主体とする媒体中に上記中和混合物を撹拌しながら分散させることにより、或いは、得られた分散物を更に加温処理することにより、本発明の水系沈降防止剤を製造することができる。
本発明における成分[A]を合成するために、炭素数2〜34を有するジアミンと、ジアミンに対して過剰量の炭素数4〜36を有するジカルボン酸、又は炭素数4〜36を有するジカルボン酸及び炭素数2〜22を有するモノカルボン酸の混合物とを反応させる方法は当業者によく知られている。例えば、ジアミンとカルボン酸との混合物を150〜200℃の温度にて2〜10時間反応させれば良く、この場合、必要に応じてキシレンなどの脱水助剤を用いることもできる。
本発明における成分[B]を合成するために、炭素数2〜22を有するモノカルボン酸と、炭素数2〜12を有するジアミン又は炭素数2〜22を有するモノアミンとを反応させる方法は当業者によく知られている。例えば、モノカルボン酸と、ジアミン又はモノアミンとの混合物を150〜200℃の温度にて2〜10時間反応させれば良く、この場合、必要に応じてキシレンなどの脱水助剤を用いることもできる。
中和工程における中和用塩基の使用量は、混合物中の成分[A]に対して、或いは、成分[A]と任意の成分としてのポリオレフィンワックスの変性物及び/又はモノカルボン酸との合計に対して、当量又はそれ以上とすることができる。これにより、水系沈降防止剤中の水分散不良成分を抑制することができる。
中和用塩基で中和した混合物は、水を主体とした媒体中に撹拌しながら分散させる。媒体中に分散させる中和した混合物の温度は特に限定されないが、好ましくは90〜150℃、より好ましくは110〜130℃である。80℃より低い温度では、混合物の粘度が高くなり取り扱いが難しく、160℃より高い温度では、媒体中に加えた時に発泡の原因となり、安定な水系沈降防止剤の製造が困難となり好ましくない。
中和用塩基で中和した混合物を加える媒体の温度は特に限定されないが、好ましくは30〜80℃、より好ましくは40〜70℃である。25℃より低い温度では混合物の分散が悪く、99℃より高い温度では発泡が原因となり、安定な水系沈降防止剤の製造が困難となる。また、媒体には中和した混合物の分散を容易にする為、必要に応じて界面活性剤
、有機溶剤等を加えることができる。
中和用塩基で中和した混合物を媒体中に加えると、一般には直ちに分散するが、好ましくは5〜30分程度撹拌を続けた後に容器に移して一晩静置することにより、完全に分散した本発明の水系沈降防止剤を得ことができる。
本発明の水系沈降防止剤の製造方法として、分散物を更に加温処理しても良い。加温処理により、成分[A]と、成分[B]及び/又は成分[C]が形成する複合的な繊維状粒子の生成が助長され、沈降防止効果をより高めることができる。分散物を加温処理する場合の加温温度は特に限定されないが、好ましくは45〜95℃、より好ましくは50〜90℃である。
上記分散物の加温処理時間は特に限定されないが、好ましくは5〜60時間、より好ましくは10〜48時間である。
本発明の水系沈降防止剤が適する分野としては、アルミニウム顔料やマイカのようなパール顔料、あるいは防食顔料のように粒子径が大きくて比重も大きい顔料を用いる水系メタリック塗料や水系防食塗料等の水系塗料であるが、その他に一般の着色顔料や体質顔料などを用いる水系塗料や、水系インキといった水系コーティング材等にも適用できる。
本発明の水系沈降防止剤を、例えば水系コーティング材に添加する場合、添加する時期としては顔料を混練する過程でも良いし、又、コーティング材を製造した後に添加しても良いが、更にマスターバッチを作って添加することも可能である。分散機はコーティング材の製造にて一般的に用いられるものが使用できる。
本発明の水系沈降防止剤を、例えば水系コーティング材に添加する場合、添加量はコーティング材の種類や要求性能によって異なるが、通常コーティング材全量に対し有効成分換算で、0.1〜2.0重量%の範囲であり、好ましくは0.2〜1.5重量%、より好ましくは0.3〜1.0重量%である。添加量が0.1重量%より少ないと沈降防止効果が十分でなく、また2.0重量%より多量に使用すると、コーティング材の増粘や鮮鋭性の低下等の悪影響が発生する場合があり好ましくない。
以下、本発明について、実施例を挙げて具体的に説明する。尚、本発明は、これらの実施例に何ら制約されるものではない。また、実施例中の「%」及び「部」は、特に断らない限り「重量%」及び「重量部」を示す。
ポリアマイド合成実施例1
攪拌装置、温度調節器、分水器、及び窒素導入管を備えた1リットルの4ツ口フラスコに、ダイマー酸(商品名「ハリダイマー250」、ハリマ化成株式会社製)354部(0.60モル)とキシレン53.1部(全カルボン酸の15%)を計量し、50℃に加温した。次にヘキサメチレンレンジアミン46.5部(0.40モル)を徐々に加え、150℃で60分間攪拌した。更に175℃まで緩やかに加温し150分間脱水反応を行い、ポリアマイドA−1を得た。
ポリアマイド合成実施例2〜9
ポリアマイド合成実施例1の合成方法に従い、表1の配合比率にて合成を実施し、ポリアマイドA−2〜9を得た。
Figure 0005582983
アマイドワックス合成実施例1
攪拌装置、温度調節器、分水器、及び窒素導入管を備えた1リットルの4ツ口フラスコに、12−ヒドロキシステアリン酸298.6部(0.96モル)を計量し、80℃にて加温溶解した。次にメタキシリレンジアミン65.4部(0.48モル)を徐々に加え、185℃で5時間脱水反応を行い、目的とするアマイドワックスB−1を得た。
アマイドワックス合成実施例2〜5
脂肪酸アマイドワックス合成実施例1の合成方法に従い、表2の配合比率にて合成を実施し、脂肪酸アマイドワックスB−2〜5を得た。
Figure 0005582983
配合実施例1a、1b
攪拌装置、冷却管、及び温度計を備えた500ミリリットルの4ツ口フラスコに蒸留水161.6部を計量し、40℃に加温した。一方、成分[A]としてのポリアマイド(A−1)16.0部、成分[B]としてのアマイドワックス(B−1)4.0部、界面活性剤としてのHLB11.5のポリオキシエチレン 2−エチルへキシルエーテル(商品名「ニューコール1004」、日本乳化剤株式会社製)4.0部及び溶剤としてのプロピレ
ングリコールモノメチルエーテル12.0部を120℃にて混合溶解し、液状とした。その後、中和用塩基としてのN,N’−ジメチルエタノールアミン2.4部を加えて混合した。
次に、この液状混合物を攪拌しながら上記の温水中に徐々に加えた。加え終わったら、分散を完全にするために更に40〜50℃の温度範囲で10分間攪拌を続け、分散物を得た。撹拌終了後、分散物を容器に移して、室温にて24時間静置することにより加温処理なしの沈降防止剤1aを得た。また、分散物を更に80℃の恒温槽にて20時間加温処理することにより加温処理された沈降防止剤1bを得た。
配合実施例2a、2b〜8a、8b
配合実施例1a、bと同様の方法を用いて、表−3の配合比率、及び加温処理温度にて、それぞれ目的とする沈降防止剤2a、2b〜8a、8bを得た。
Figure 0005582983
配合実施例9
攪拌装置、冷却管、及び温度計を備えた500ミリリットルの4ツ口フラスコに蒸留水162.5部を計量し、40℃に加温した。一方、成分[A]としてのポリアマイド(A−5)16.0部、成分[B]としてのアマイドワックス(B−4)4.0部、界面活性剤としてのHLB11.5のポリオキシエチレン 2−エチルへキシルエーテル(商品名「ニューコール1004」、日本乳化剤株式会社製)4.0部及び溶剤としてのプロピレングリコールモノメチルエーテル12.0部を120℃にて混合溶解し、液状とした。その後、中和用塩基としてのN,N’−ジメチルエタノールアミン1.5部を加えて混合した。
次に、この液状混合物を攪拌しながら上記の温水中に徐々に加えた。加え終わったら、分散を完全にするために更に40〜50℃の温度範囲で10分間攪拌を続け、分散物を得た。撹拌終了後、分散物を容器に移して、80℃の恒温槽にて20時間加温処理することで、目的とする加温処理された沈降防止剤9を得た。
配合実施例10〜14
配合実施例9と同様の方法を用いて、表−4の配合比率、及び加温処理温度にて、それぞれ目的とする加温処理された沈降防止剤10〜14を得た。
配合実施例15
攪拌装置、冷却管、及び温度計を備えた500ミリリットルの4ツ口フラスコに蒸留水161.0部を計量し、40℃に加温した。一方、成分[A]としてのポリアマイド(A−1)14.2部、成分[B]としてのアマイドワックス(B−4)3.6部、酸価120mgKOH/gの酸変性ポリエチレンワックス(商品名「A−C 5120」、ハネウェルジャパン株式会社製)2.4部、界面活性剤としてのHLB11.5のポリオキシエチレン 2−エチルへキシルエーテル(商品名「ニューコール1004」、日本乳化剤株式会社製)4.0部及び溶剤としてのプロピレングリコールモノメチルエーテル12.0部を120℃にて混合溶解し、液状とした。その後、中和用塩基としてのN,N’−ジメチルエタノールアミン2.8部を加えて混合した。
次に、この液状混合物を上記の温水中に徐々に加えた。加え終わったら、分散を完全にするために更に40〜50℃の温度範囲で10分間攪拌を続け、分散物を得た。撹拌終了後、分散物を容器に移して、80℃の恒温槽にて20時間加温処理することで、目的とする加温処理された沈降防止剤15を得た。
配合実施例16
攪拌装置、冷却管、及び温度計を備えた500ミリリットルの4ツ口フラスコに蒸留水160.8部を計量し、40℃に加温した。一方、成分[A]としてのポリアマイド(A−1)14.2部、成分[B]としてのアマイドワックス(B−4)3.6部、12ヒドロキシステアリン酸2.4部、界面活性剤としてのHLB11.5のポリオキシエチレン
2−エチルへキシルエーテル(商品名「ニューコール1004」、日本乳化剤株式会社製)4.0部及び溶剤としてのプロピレングリコールモノメチルエーテル12.0部を120℃にて混合溶解し、液状とした。その後、中和用塩基としてのN,N’−ジメチルエタノールアミン3.0部を加えて混合した。
次に、この液状混合物を上記の温水中に徐々に加えた。加え終わったら、分散を完全にするために更に40〜50℃の温度範囲で10分間攪拌を続け、分散物を得た。撹拌終了後、分散物を容器に移して、80℃の恒温槽にて20時間加温処理することで、目的とする加温処理された沈降防止剤16を得た。
Figure 0005582983
配合比較例1
攪拌装置、冷却管、及び温度計を備えた500ミリリットルの4ツ口フラスコに蒸留水161.0部を計量し、40℃に加温した。一方、成分[A]としてのポリアマイド(A−1)20.0部、界面活性剤としてのHLB11.5のポリオキシエチレン 2−エチルへキシルエーテル(商品名「ニューコール1004」、日本乳化剤株式会社製)4.0部及び溶剤としてのプロピレングリコールモノメチルエーテル12.0部を120℃にて混合溶解し、液状とした。その後、中和用塩基としてのN.N−ジメチルエタノールアミン3.0部を加えて混合した。
次に、この液状混合物を上記の温水中に徐々に加えた。加え終わったら、分散を完全にするために更に40〜50℃の温度範囲で10分間攪拌を続け、分散物を得た。撹拌終了後、分散物を容器に移して、室温にて24時間静置し、比較用の沈降防止剤H1を得た。
配合比較例2
攪拌装置、冷却管、及び温度計を備えた500ミリリットルの4ツ口フラスコに蒸留水162.0部を計量し、40℃に加温した。一方、成分[A]としてのポリアマイド(A−5)20.0部、界面活性剤としてのHLB11.5のポリオキシエチレン 2−エチルへキシルエーテル(商品名「ニューコール1004」、日本乳化剤株式会社製)4.0部及び溶剤としてのプロピレングリコールモノメチルエーテル12.0部を加えて120℃にて混合溶解し、液状とした。その後、中和用塩基としてのN,N’−ジメチルエタノールアミン2.0部を加えて混合した。
次に、この液状混合物を上記の温水中に徐々に加えた。加え終わったら、分散を完全にするために更に40〜50℃の温度範囲で10分間攪拌を続け、分散物を得た。撹拌終了後、分散物を容器に移して、室温にて24時間静置し、比較用の沈降防止剤H2を得た。
配合比較例3
攪拌装置、冷却管、及び温度計を備えた500ミリリットルの4ツ口フラスコに蒸留水165.4部を計量し、40℃に加温した。一方、成分[A]としてのポリアマイド(A−5)16.0部、酸価120mgKOH/gの酸変性ポリエチレンワックス(商品名「
A−C 5120」、ハネウェルジャパン株式会社製)4.0部、界面活性剤としてのHLB11.5のポリオキシエチレン 2−エチルへキシルエーテル(商品名「ニューコール1004」、日本乳化剤株式会社製)4.0部及び溶剤としてのプロピレングリコールモノメチルエーテル12.0部を120℃にて混合溶解し、液状とした。その後、中和用塩基としてのN.N−ジメチルエタノールアミン2.0部を加えて混合した。
次に、この液状混合物を上記の温水中に徐々に加えた。加え終わったら、分散を完全にするために更に40〜50℃の温度範囲で10分間攪拌を続け、分散物を得た。撹拌終了後、分散物を容器に移して、室温にて24時間静置し、比較用の沈降防止剤H3を得た。
配合比較例4
攪拌装置、冷却管、及び温度計を備えた500ミリリットルの4ツ口フラスコに蒸留水164.0部を計量し、40℃に加温した。一方、成分[B]としてのアマイドワックス(B−4)20.0部、界面活性剤としてのHLB11.5のポリオキシエチレン 2−エチルへキシルエーテル(商品名「ニューコール1004」、日本乳化剤株式会社製)4.0部及び溶剤としてのプロピレングリコールモノメチルエーテル12.0部を120℃にて混合溶解し、液状とした。
次に、この混合物を上記の温水中に徐々に加えたが、分散液中に多量の凝集析出物が生じたため、比較用の水系沈降防止剤の製造を中止した。
配合比較例5
攪拌装置、冷却管、及び温度計を備えた500ミリリットルの4ツ口フラスコに蒸留水164.0部を計量し、40℃に加温した。一方、成分[C]としての水素添加ヒマシ油20.0部、界面活性剤としてのHLB11.5のポリオキシエチレン 2−エチルへキシルエーテル(商品名「ニューコール1004」、日本乳化剤株式会社製)4.0部及び溶剤としてのプロピレングリコールモノメチルエーテル12.0部を120℃にて混合溶解し、液状とした。
次に、この混合物を上記の温水中に徐々に加えたが、分散液中に多量の凝集析出物が生じたため、比較用の水系沈降防止剤の製造を中止した。
配合比較例6
攪拌装置、冷却管、及び温度計を備えた500ミリリットルの4ツ口フラスコに蒸留水158.2部を計量し、40℃に加温した。一方、酸価120mgKOH/gの酸変性ポリエチレンワックス(商品名「A−C 5120」、ハネウェルジャパン株式会社製)20.0部、界面活性剤としてのHLB11.5のポリオキシエチレン 2−エチルへキシルエーテル(商品名「ニューコール1004」、日本乳化剤株式会社製)4.0部及び溶剤としてのプロピレングリコールモノメチルエーテル12.0部を120℃にて混合溶解し、液状とした。その後、中和用塩基としてのジメチルエタノールアミン5.8部を加えて混合した。
次に、この液状混合物を上記の温水中に徐々に加えた。加え終わったら、分散を完全にするために更に40〜50℃の温度範囲で10分間攪拌を続け、分散物を得た。撹拌終了後、分散物を容器に移して、室温にて24時間静置し、比較用の沈降防止剤H6を得た。
配合比較例7
攪拌装置、冷却管、及び温度計を備えた500ミリリットルの4ツ口フラスコに蒸留水161.8部を計量し、40℃に加温した。一方、成分[B]としてのアマイドワックス(B−4)12.0部、酸価120mgKOH/gの酸化ポリエチレンワックス(商品名「A−C 5120」、ハネウェルジャパン株式会社製)8.0部、界面活性剤としてのHLB11.5のポリオキシエチレン 2−エチルへキシルエーテル(商品名「ニューコール1004」、日本乳化剤株式会社製)4.0部及び溶剤としてのプロピレングリコールモノメチルエーテル12.0部を120℃にて混合溶解し、液状とした。その後、中和
用塩基としてのN.N−ジメチルエタノールアミン2.2部を加えて混合した。
次に、この混合物を上記の温水中に徐々に加えたが、分散液中に多量の凝集析出物が生じたため、比較用の水系沈降防止剤の製造を中止した。
配合比較例8
攪拌装置、冷却管、及び温度計を備えた500ミリリットルの4ツ口フラスコに蒸留水160.6部を計量し、40℃に加温した。一方、成分[B]としてのアマイドワックス(B−4)12.0部、12−ヒドロキシステアリン酸8.0部、界面活性剤としてのHLB11.5のポリオキシエチレン 2−エチルへキシルエーテル(商品名「ニューコール1004」、日本乳化剤株式会社製)4.0部及び溶剤としてのプロピレングリコールモノメチルエーテル12.0部を120℃にて混合溶解し、液状とした。その後、中和用塩基としてのN.N−ジメチルエタノールアミン3.4部を加えて混合した。
次に、この混合物を上記の温水中に徐々に加えたが、分散液中に多量の凝集析出物が生じたため、比較用の水系沈降防止剤の製造を中止した。
Figure 0005582983
試験例1
表−6に示した配合(重量部)の水系アクリルエマルション塗料を用いて、水系沈降防止剤の性能試験を行った。
水系アクリルエマルション塗料の作製:NeoCryl A−662、蒸留水、各有機溶剤を撹拌混合後、N,N’−ジメチルエタノールアミンを用いて、pHを8.0に調整しクリヤー塗料を作製した。これに、メタリック顔料であるイリオジン 504 Red、及び水系沈降防止剤を0.6重量%(有効成分換算)加え、ラボディスパーにて分散(2000rpm×10分間)させた。
粘度及びTI値:B型粘度計を使用して25℃にて60rpmでの粘度(mPa・s)と6rpmでの粘度(mPa・s)を測定し、その比(6rpmでの粘度/60rpmでの粘度)を算出した。比の値(TI値)が大きいほど揺変性が大きいこと示す。
沈降防止性:塗料を、フォードカップ#4を用いて測定した粘度が25秒(25℃)となるように、蒸留水にて希釈し、その希釈された塗料を100mlのガラス瓶に移した。
その後、25℃及び50℃恒温槽中に7日間静置し、塗料全量の体積に対する沈降したイリオジンの体積の百分率を測定した。
試験結果を表−7に示す。本発明の水系沈降防止剤を水系メタリック塗料に添加すると、特に50℃における顔料の沈降防止に優れた効果を発揮することが分かる。
Figure 0005582983
Figure 0005582983
試験例2
表−8に示した配合(重量部)の水系ウレタンディスパージョン塗料を用いて、水系沈降防止剤の性能試験を行った。
水系ウレタンディスパージョン塗料の作製:表−8の配合Aを均一に分散し、ミルベースを作製した。次に配合BのNeoRez R−966にミルベースを撹拌混合して水系ウレタンディスパージョン塗料を作製した。これに、水系沈降防止剤を0.6重量%(有効成分換算)加え、ラボディスパーを用いて分散(2000rpm×10分間)させた。
粘度及びTI値:B型粘度計を使用して25℃にて60rpmでの粘度(mPa・s)と6rpmでの粘度(mPa・s)を測定し、その比(6rpmでの粘度/60rpmでの粘度)を算出した。比の値(TI値)が大きいほど揺変性が大きいこと示す。
沈降防止性:塗料を、フォードカップ#4を用いて測定した粘度が25秒(25℃)となるように、蒸留水にて希釈し、その希釈された塗料を100mlのガラス瓶に移した。その後、25℃、及び50℃恒温槽中に7日間貯蔵し、塗料全量の体積に対する沈降したアルミニウムの体積の百分率を測定した。
試験結果を表−9に示す。本発明の水系沈降防止剤を水系メタリック塗料に添加すると、特に50℃における顔料の沈降防止に優れた効果を発揮することが分かる。
Figure 0005582983
Figure 0005582983
試験例3
表−10に示した配合(重量部)の水系インキを用いて、水系沈降防止剤の性能試験を行った。
水系インキの作製:ジョンクリル7100、蒸留水を撹拌混合後、メタリック顔料であるイリオジン 504 Red、及び水系沈降防止剤を0.6重量%(有効成分換算)加え、ラボディスパーにて分散(2000rpm×10分間)させた。
粘度及びTI値:B型粘度計を使用して25℃にて60rpmでの粘度(mPa・s)と6rpmでの粘度(mPa・s)を測定し、その比(6rpmでの粘度/60rpmでの粘度)を算出した。比の値(TI値)が大きいほど揺変性が大きいこと示す。
沈降防止性:インキを、B型粘度計を用いて25℃にて測定した60rpmでの粘度が70mPa・sとなるように、蒸留水にて希釈し、その希釈されたインキを100mlのガラス瓶に移した。その後、25℃、及び50℃恒温槽中に7日間静置し、インキ全量の体積に対する沈降したイリオジンの体積の百分率を測定した。
試験結果を表−11に示す。本発明の水系沈降防止剤を水系インキに添加すると、50℃における顔料の沈降防止に優れた効果を発揮することが分かる。
Figure 0005582983
Figure 0005582983

Claims (3)

  1. [A]炭素数2〜34を有するジアミンと、ジアミンに対して過剰量の炭素数4〜36を有するジカルボン酸、又は炭素数4〜36を有するジカルボン酸及びラウリン酸の混合物とを反応させることにより得られるポリアマイドと、[B]炭素数2〜22を有するモノカルボン酸と、炭素数2〜12を有するジアミン及び/又は炭素数2〜22を有するモノアミンとを反応させることにより得られるアマイドワックス及び/又は[C]水素添加ヒマシ油と、を含有する混合物を中和用塩基にて中和したのち水を主体とする媒体中に分散させる、或いは更に加温処理する、ことにより得られるものであることを特徴とする水系沈降防止剤。
  2. [A]ポリアマイドと、[B]アマイドワックス及び/又は[C]水素添加ヒマシ油との重量比が、95:5〜40:60の範囲内にある請求項1に記載の水系沈降防止剤。
  3. [A]ポリアマイドの酸価が30〜140の範囲内にある請求項1に記載の水系沈降防止剤。
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