JP5580720B2 - クロノグラフ車、クロノグラフ車用組立治具、クロノグラフ車の組立方法 - Google Patents

クロノグラフ車、クロノグラフ車用組立治具、クロノグラフ車の組立方法 Download PDF

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Description

本発明は、クロノグラフ時計に組み込まれるクロノグラフ車、クロノグラフ車用組立治具、クロノグラフ車の組立方法に関するものである。
周知のようにクロノグラフ車は、クロノグラフ針が取り付けられる歯車部品であって、クロノグラフ針の種類(秒用、分用、時用)に応じて、秒クロノグラフ車、分クロノグラフ車、時クロノグラフ車とされるクロノグラフ機構の構成部品である。秒、分、時のいずれに用いられる場合であっても、クロノグラフ車は、クロノグラフ針が取り付けられる車軸であるクロノグラフ真と、クロノグラフ真に固定されるクロノグラフ歯車及びハートカムと、を備えている(特許文献1及び2参照)。
上記ハートカムは、復針レバーのリセットアーム部で叩かれることでクロノグラフ針をリセット(帰零)させるための偏心カムであり、平面視ハート形状に形成されている。そのため、ハートカムの重心位置は、クロノグラフ真の軸線上から外れている。よって、クロノグラフ車全体の回転バランスを調整するために、クロノグラフ真にはハートカムバランサが一般的に固定されている。
ところで、上記クロノグラフ車を含む各種の時計用部品は、微細であるうえ高い組立精度が要求されている。従って、通常クロノグラフ車の組み立ては、経験を有する作業者が手作業で行っているのが現状である。
特に、クロノグラフ車全体の回転バランスを精度良く調整するために、ハートカムとハートカムバランサとの位相関係が予め厳しく設定されている。つまり、クロノグラフ真の軸線を中心とした周方向に、ハートカムとハートカムバランサとが所定の相対角度をなして配設されるように両者をクロノグラフ真に固定する必要がある。このように、ハートカム及びハートカムバランサを固定するにあたって、両者の位相関係の制約があるために組立作業を手作業で行っている。
特開2009−236927号公報 特開2010−151642号公報
しかしながら、組立作業のさらなる効率化を図るには、手作業のままでは限界があり自動化が望まれている。また、均一な品質のクロノグラフ車をより安定的に供給する点においても、自動化が望まれている。ところが、上記したように、クロノグラフ車自体が微細な部品であるうえハートカムとハートカムバランサとの位相関係に制約があるので、組立作業を自動化することが困難であった。
本発明は、このような事情に考慮してなされたもので、その目的は、自動による組立作業に対応可能とされ、ハートカムとハートカムバランサとが精度良く決められた位相関係で組み合わされた高品質なクロノグラフ車を提供することである。更には、このクロノグラフ車を均一な品質で安定的に組み立てるためのクロノグラフ車用組立治具、その組立方法を提供することである。
本発明は、前記課題を解決するために以下の手段を提供する。
(1)本発明に係るクロノグラフ車は、一端部側にクロノグラフ針が取り付けられる車軸と、該車軸の他端部側に固定されたクロノグラフ歯車と、該クロノグラフ歯車よりも前記他端部側で前記車軸に固定されたハートカムと、前記クロノグラフ歯車と前記ハートカムとの間において前記車軸に固定されたハートカムバランサと、を備え、前記ハートカムバランサには、前記クロノグラフ歯車の貫通孔を貫通した、組立時に用いられる規制ピンを挿通させる挿通孔が形成され、前記ハートカムバランサが、組立時に、前記規制ピンによって周方向への回転が規制された状態で前記車軸に固定され、前記ハートカムが、組立時に、回転が規制された前記ハートカムバランサに対して周方向に所定の相対角度を維持した状態で前記車軸に固定されることを特徴とする。
本発明に係るクロノグラフ車によれば、組立作業時において、クロノグラフ歯車を貫通した規制ピンに挿通孔を挿通させるようにハートカムバランサを車軸に固定することができるので、固定後のハートカムバランサの周方向への回転を規制することができる。つまり、車軸に固定したハートカムバランサの向きを一定方向に向けた状態に維持することができる。
そして、ハートカムは、周方向への回転が規制されて一定方向に向いたハートカムバランサに対して、周方向に所定の相対角度を維持した状態で車軸に固定されるので、両者を精度良く決められた位相関係で組み合わせることができる。従って、回転バランスが優れた高品質なクロノグラフ車とすることができる。
特に、挿通孔に規制ピンを挿通させながらハートカムバランサを車軸に固定し、その後、ハートカムを車軸に固定するだけの簡便な方法であるので、自動化での組立作業に対応することができる。
(2)また、上記本発明に係るクロノグラフ車において、前記クロノグラフ歯車が、前記車軸に対して回転自在に固定され、前記車軸には、内縁部が該車軸に圧接されると共に外縁部が前記クロノグラフ歯車に圧接され、クロノグラフ作動時にクロノグラフ歯車の回転力を車軸に伝達するクロノグラフばねが取り付けられ、前記挿通孔及び前記貫通孔が、前記クロノグラフばねの外縁部と前記クロノグラフ歯車との圧接位置に対して、径方向にずれた位置に形成されていても良い。
この場合には、クロノグラフばねが取り付けられているので、クロノグラフ作動時、クロノグラフ歯車の回転力がクロノグラフばねを介して車軸に伝達され、それによりクロノグラフ針が回転する。一方、クロノグラフばねと車軸との間で、クロノグラフばねの圧接力(摩擦力)を超える相対的な回転力が発生すると該クロノグラフばねがスリップする。従って、例えばクロノグラフリセット時、ハートカムの回転による車軸の回転力はクロノグラフ歯車に伝達されることがない。このように、スリップ方式のクロノグラフ車とすることができる。
特に、挿通孔及び貫通孔は、クロノグラフばねの外縁部とクロノグラフ歯車との圧接位置に対して径方向にずれた位置に形成されているので、貫通孔に何ら影響されることなくクロノグラフばねをクロノグラフ歯車に圧接させることができ、クロノグラフばねを適切に作動させることができる。
(3)また、上記本発明に係るクロノグラフ車において、前記クロノグラフばねが、前記クロノグラフ歯車よりも前記車軸の一端部側に取り付けられていても良い。
この場合には、組立作業時に、車軸に対してクロノグラフばねを組み合わせた後、クロノグラフ歯車を組み合わせ、さらにその後クロノグラフ歯車に重ねるようにハートカムバランサを組み合わせることができる。そのため、例えばハートカムバランサの打ち込みを行うと、その力をクロノグラフ歯車に直接伝達することができ、ハートカムバランサ、クロノグラフ歯車及びクロノグラフばねの固定をスムーズに行い易い。また、打ち込み前に、クロノグラフばねをクロノグラフ歯車で抑えることができるので、クロノグラフばねのぐらつき等を抑制して姿勢をより安定化させ易い。
(4)また、本発明に係るクロノグラフ車用組立治具は、一端部側にクロノグラフ針が取り付けられる車軸と、該車軸の他端部側に固定され、貫通孔が形成されたクロノグラフ歯車と、該クロノグラフ歯車よりも前記他端部側で前記車軸に固定されたハートカムと、前記クロノグラフ歯車と前記ハートカムとの間において前記車軸に固定され、挿通孔が形成されたハートカムバランサと、を備えたクロノグラフ車を組み立てるためのクロノグラフ車用組立治具であって、前記車軸の他端部側を上方に向けた状態で該車軸を保持する固定治具と、該固定治具の上方に配設されると共に、該車軸の軸線方向に沿って該固定治具に対して接近離間可能とされ、前記ハートカムを保持する可動治具と、を備え、前記固定治具には、前記車軸に対して平行に立設され、前記クロノグラフ歯車の前記貫通孔を貫通すると共に前記ハートカムバランサの前記挿通孔を挿通可能とされた規制ピンが設けられ、前記可動治具が、前記固定治具に対して周方向に所定の相対角度を維持した状態で接近離間することを特徴とする。
本発明に係るクロノグラフ車用組立治具によれば、固定治具に車軸を保持した後、固定治具の規制ピンに貫通孔を貫通させた状態でクロノグラフ歯車を車軸の他端部側から組み合わせると共に、貫通孔を貫通した規制ピンに挿通孔を挿通させた状態でハートカムバランサを車軸の他端部側からさらに組み合わせることができる。従って、これらクロノグラフ歯車及びハートカムバランサを車軸に固定すると、規制ピンを利用して固定後のハートカムバランサの周方向への回転を規制することができる。つまり、車軸に固定したハートカムバランサの向きを一定方向に向けたままの状態に維持できる。
その後、ハートカムを保持した可動治具を固定治具に対して周方向に所定の相対角度を維持した状態で接近させ、該ハートカムを車軸に固定する。これにより、周方向への回転が規制されて一定方向に向いたハートカムバランサに対して、周方向に所定の相対角度を維持した状態でハートカムを車軸に固定でき、両者を精度良く決められた位相関係で組み合わせることができる。従って、回転バランスが優れた高品質なクロノグラフ車を組み立てることができる。
特に、車軸を固定治具で保持した後、貫通孔及び挿通孔に規制ピンを挿通させながらクロノグラフ歯車及びハートカムバランサを車軸に固定し、その後、可動治具を固定治具に接近させてハートカムを車軸に固定するだけの簡便な方法であるので、組立作業を自動で行うことができ、上述した高品質なクロノグラフ車を均一な品質で安定的に組み立てることができると共に効率良く量産することができる。
(5)また、本発明に係るクロノグラフの組立方法は、一端部側にクロノグラフ針が取り付けられる車軸と、該車軸の他端部側に固定され、貫通孔が形成されたクロノグラフ歯車と、該クロノグラフ歯車よりも前記他端部側で前記車軸に固定されたハートカムと、前記クロノグラフ歯車と前記ハートカムとの間において前記車軸に固定され、挿通孔が形成されたハートカムバランサと、を備えたクロノグラフ車の組立方法であって、規制ピンが立設された固定治具に、前記車軸の前記他端部側を上方に向けた状態で該車軸を保持させる保持工程と、前記貫通孔に前記規制ピンを貫通させながら、前記クロノグラフ歯車を前記車軸の他端部側から該車軸に組み合わせると共に、貫通孔を貫通した規制ピンをさらに前記挿通孔に挿通させながら、前記ハートカムバランサを車軸の他端部側から該車軸に組み合わせてクロノグラフ歯車に重ねる組み合わせ工程と、前記ハートカムバランサを打ち込んで、前記車軸にハートカムバランサ及びクロノグラフ歯車を同時に固定する第1打ち込み工程と、前記固定治具の上方に配設されると共に、前記車軸の軸線方向に沿って該固定治具に対して接近離間可能とされた可動治具に前記ハートカムを保持させた後、可動治具を固定治具に接近させて保持したハートカムを前記車軸に打ち込んで固定する第2打ち込み工程と、を備え、前記第2打ち込み工程時、前記可動治具を前記固定治具に対して周方向に所定の相対角度を維持した状態で接近離間させることを特徴とする。
本発明に係るクロノグラフ車の組立方法によれば、上記クロノグラフ車用組立治具と同様の作用効果を奏効することができる。即ち、ハートカムバランサとハートカムとを精度良く決められた位相関係で組み合わせることができ、回転バランスが優れた高品質なクロノグラフ車を組み立てることができる。また、この組立作業を自動で行うことができ、高品質なクロノグラフを均一な品質で安定的に組み立てることができると共に効率良く量産することができる。
(6)また、上記本発明に係るクロノグラフの組立方法において、前記組み合わせ工程の際、前記クロノグラフ歯車を組み合わせる前に、クロノグラフ作動時に前記クロノグラフ歯車の回転力を前記車軸に伝達するクロノグラフばねを該車軸に組み合わせ、その後、クロノグラフ歯車を車軸に対して回転自在に固定されるように組み合わせ、前記クロノグラフばねが、前記第1打ち込み工程によって、内縁部が前記車軸に圧接されると共に外縁部が前記クロノグラフ歯車に圧接されて、クロノグラフ歯車よりも車軸の一端部側に位置した状態で取り付けられても良い。
この場合には、スリップ方式のクロノグラフ車を組み立てることができる。即ち、クロノグラフ作動時に、クロノグラフ歯車の回転力がクロノグラフばねを介して車軸に伝達されることでクロノグラフ針が回転し、例えばクロノグラフリセット時に、クロノグラフばねがスリップすることで、ハートカムの回転による車軸の回転力がクロノグラフ歯車に伝達されることがないクロノグラフ車を組み立てることができる。
本発明に係るクロノグラフ車によれば、自動による組立作業に対応可能とされ、ハートカムとハートカムバランサとが精度良く決められた位相関係で組み合わされた高品質なクロノグラフ車とすることができる。
また、本発明に係るクロノグラフ車用組立治具及びその組立方法によれば、上述した高品質なクロノグラフ車を均一な品質で安定的に組み立てることができると共に効率良く量産することができる。
本発明に係るクロノグラフ車の実施形態を示す図であって、秒クロノグラフ車の縦断面図である。 図1に示す秒クロノグラフ車の上面図である。 図1に示す秒クロノグラフ車を組み立てる際に使用する固定治具の上面図である。 図1に示す秒クロノグラフ車を組み立てる際に使用する固定治具及び可動治具からなる組立治具の断面図である(固定治具に関しては図3に示すA−A断面である)。 図1に示す秒クロノグラフ車を組み立てる際の一工程図であって、図4に示す固定治具にクロノグラフ真を保持させた状態を示す図である。 図5に示す状態の後、クロノグラフばねをクロノグラフ真に組み合わせた状態を示す図である。 図6に示す状態の後、クロノグラフ歯車をクロノグラフ真に組み合わせた状態を示す図である。 図7に示す状態の後、ハートカムバランサをクロノグラフ真に組み合わせた状態を示す図である。 図8に示す状態の後、ハートカムバランサを打ち込んでクロノグラフ真に固定させた状態を示す図である。 図9に示す状態の後、ハートカムを打ち込んでクロノグラフ真に固定させた状態を示す図である。 図10に示す状態の後、組立が完了した秒クロノグラフ車を固定治具から回収している状態を示す図である。 本発明に係るクロノグラフ車の1つである分クロノグラフ車の縦断面図である。 図12に示す分クロノグラフ車の上面図である。
以下、本発明に係るクロノグラフ車の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態では、クロノグラフ車の一例として、クロノグラフ作動時に「秒」表示を行う秒クロノグラフ車を例に挙げて説明する。
(クロノグラフ車の構成)
この秒クロノグラフ車1は、図1及び図2に示すように、一端部2a側に図示しない秒クロノグラフ針が取り付けられるクロノグラフ真(車軸)2と、該クロノグラフ真2の他端部2b側に固定されたクロノグラフ歯車3と、クロノグラフ歯車3よりさらに他端部2b側でクロノグラフ真2に固定されたハートカム4と、クロノグラフ歯車3とハートカム4との間においてクロノグラフ真2に固定されたハートカムバランサ5と、を備えている。
なお、本実施形態では、クロノグラフ真2の軸線Oに沿って一端部2a側を下方、他端部2b側を上方とする。また、軸線Oに直交する方向を径方向といい、軸線Oを中心に周回する方向を周方向とする。
クロノグラフ真2は、一端部2a及び他端部2bが図示しない軸受によって回転可能に軸支される車軸であり、クロノグラフ動作時に図示しない4番車から伝達された回転力に伴って回転し、秒クロノグラフ針を回転させる。このクロノグラフ真2には、他端部2b側から下方に向かって順に第1拡径部10、第2拡径部11、第3拡径部12、鍔部13、第4拡径部14が連設されている。
第1拡径部10は、クロノグラフ真2の他端部2bの下方に形成された拡径部分であり、この部分にハートカム4が嵌め込まれて固定されている。第2拡径部11は、第1拡径部10よりも拡径された部分であり、この部分にハートカムバランサ5が嵌め込まれて固定されている。第3拡径部12は、第2拡径部11よりも拡径された部分であり、この部分にクロノグラフ歯車3が回転可能に遊嵌(固定)されている。鍔部13は、第3拡径部12よりもさらに拡径した部分であり、後述するクロノグラフばね25の内縁部が圧接されている。第4拡径部14は、鍔部13よりも縮径し、且つ第3拡径部12よりも拡径した部分である。
クロノグラフ歯車3は、外縁部に全周に亘って歯部20aが形成され、図示しない4番車から伝達された回転力によって回転する環状の歯車本体20と、この歯車本体20の内縁部に例えば圧入等により嵌合固定された環状のブッシング21と、を備えており、このブッシング21を介してクロノグラフ真2の第3拡径部12に遊嵌されている。そして、このクロノグラフ歯車3は、ハートカムバランサ5によって上方への抜け止めがなされていると共にクロノグラフばね25を介してクロノグラフ真2に連結されている。
クロノグラフばね25は、クロノグラフ歯車3の下方に取り付けられている。具体的には、クロノグラフ真2の鍔部13とクロノグラフ歯車3との間に軸線O方向に挟まれた状態で取り付けられている。
このクロノグラフばね25は、第3拡径部12に外挿されたリング状の板ばね部材であり、周方向に等間隔を開けて放射状に形成された3つの脚部26を有している。これら3つの脚部26は、径方向外側に向かうに伴って上方に向けて反っており、その外縁部がクロノグラフ歯車3の下面に対して圧接している。また、第3拡径部12を径方向外側から囲繞している内縁部は、鍔部13に対して圧接している。そのため、第3拡径部12に遊嵌されているクロノグラフ歯車3は、このクロノグラフばね25を介してクロノグラフ真2に一体的に連結されている。つまり、クロノグラフばね25は、クロノグラフ作動時にクロノグラフ歯車3の回転力をクロノグラフ真2に伝達可能とされている。
ハートカムバランサ5は、クロノグラフ歯車3のブッシング21の上方に重なった状態で、クロノグラフ真2の第2拡径部11に嵌め込み固定されている。このハートカムバランサ5は、平面視略扇形状に形成されており、その周方向の中心には組立作業時に使用する後述の規制ピン40を挿通させるための挿通孔5aが形成されている。そして、ハートカム4は、組立作業時にこの規制ピン40によって周方向への回転が規制された状態でクロノグラフ真2に固定されている。
なお、挿通孔5aの直径は、規制ピン40の外径より若干大きいサイズとされており、規制ピン40の挿通時に該規制ピン40と挿通孔5aとの間に極力がたつきが生じないように設計されている。
また、上述したクロノグラフ歯車3の歯車本体20には、ハートカムバランサ5の挿通孔5aに対して周方向に重なる位置に規制ピン40を貫通させるための貫通孔20bが形成されている。なお、この貫通孔20bは、規制ピン40を貫通させて上記挿通孔5aに導くための逃げ孔であり、規制ピン40の外径よりも大きな開口とされていれば良い。そのため、貫通孔20bの形状は円形に限定されるものではない。
また、クロノグラフ歯車3の貫通孔20b及びハートカムバランサ5の挿通孔5aは、クロノグラフばね25の脚部26の外縁部がクロノグラフ歯車3に圧接している圧接位置に対して径方向にずれた位置に形成されている。具体的には、圧接位置よりも径方向内側に位置するように形成されている。この際、圧接位置により径方向内側であったとしても、極力径方向外側に位置するように形成されていることが好ましい。
ハートカム4は、ハートカムバランサ5の上方に重なった状態で、クロノグラフ真2の第1拡径部10に嵌め込み固定されている。このハートカム4は、クロノグラフリセット時に、図示しない復針レバーのリセットアーム部で叩かれることでクロノグラフ真2を回転させ、秒クロノグラフ針をリセットさせる部材である。また、ハートカム4は平面視ハート形状に形成されており、その外周面の一部は上記リセットアーム部が当接して該ハートカム4を初期位置に位置決めさせるための平坦な当接部4aとされ、また、軸線Oを挟んでこの当接部4aに対して径方向の反対側に位置する部分が突起部4bとされている。
そして、ハートカム4は、組立作業時に、規制ピン40によって回転が規制された状態でクロノグラフ真2に固定されたハートカムバランサ5に対して周方向に所定の相対角度θを維持した状態でクロノグラフ真2に固定されている。
なお、上記相対角度θとは、周方向に沿ってハートカム4の突起部4bとハートカムバランサ5の挿通孔5aの中心とがなす角度であり、クロノグラフ針の種類や長さ等に応じて適宜変更される。また、本実施形態では、この相対角度θは90度より大きく、180度よりも小さい角度に設定されている場合を例にしている。
また、ハートカム4には、突起部4bと軸線Oとを径方向に結ぶ線上に貫通孔4c(重量軽減やハートカム4単体の重量バランスを調整する等の開口)が形成されていると共に、この貫通孔4cに隣接してハートカム4の表裏を容易に識別するための窪み部4dが形成されている。
(クロノグラフ車用組立治具、クロノグラフ車の組立方法)
次に、図3及び図4に示すように、組立治具(クロノグラフ車用組立治具)30を利用して、上述した秒クロノグラフ車1を自動で組み立てる方法について説明する。
はじめに、組立治具30について詳細に説明する。
組立治具30は、クロノグラフ真2を保持する固定治具31と、固定治具31の上方に配設されると共に、クロノグラフ真2の軸線O方向に沿って該固定治具31に対して接近離間可能とされ、ハートカム4を保持する可動治具32と、を備えている。
固定治具31は、円筒状のガイド筒32が上方に向けて突設されたベース板33と、ガイド筒32に移動自在に外挿されたスリーブ34と、該スリーブ34を上方に付勢するコイルばね35と、付勢されたスリーブ34の上方移動を規制して所定高さに位置決めさせる規制体36と、を備えている。
ガイド筒32は、クロノグラフ歯車3の直径よりも外径が小さい筒体であり、その上端部にはガイド筒32よりもさらに外径が小さい保持筒37が埋設されている。この保持筒37の中心孔とガイド筒32の中心孔とは互いに連通しており、共にクロノグラフ真2が挿入される挿入孔として機能する。なお、保持筒37の中心孔の径は、クロノグラフ真2の直径より若干大きい径とされている。また、ガイド筒32の中心孔は、ベース板33を貫通するように該ベース板33の下面まで延在している。
保持筒37の上端面には、該保持筒37の中心孔を中心に平面視円形状の凹部37aが形成されている。この凹部37aは、クロノグラフ真2の第4拡径部14の直径よりも若干大きい径とされている。従って、クロノグラフ真2を一端部2a側から保持筒37の中心孔及びガイド筒32の中心孔に挿入し、第4拡径部14を保持筒37の凹部37a内に収容させることで、クロノグラフ真2の他端部2b側を上方に向けた状態で該クロノグラフ真2を保持することが可能とされている。
スリーブ34は、ガイド筒32の外周面でガイドされながら上下動する筒状の移動体であって、その上端面には内周縁に沿って環状の段部34aが形成されている。この段部34aの外径はクロノグラフ歯車3の歯車本体20の外径より若干大きいサイズとされ、段部34aの深さは歯車本体20の厚み以上とされている。よって、この段部34aを利用してスリーブ34の上端面にクロノグラフ歯車3を安定的に載置することが可能とされている。
なお、スリーブ34の上端部における外周面には、径方向外側に向けて突出する環状のフランジ部34bが形成されている。
コイルばね35は、スリーブ34に外挿された状態でベース板33とスリーブ34の上記フランジ部34bとの間に介装されており、該スリーブ34を常時上方に押し上げている。
規制体36は、縦断面視ハット形状に形成されており、コイルばね35を径方向外側から囲繞する周壁部36aと、該周壁部36aの上端部に連設され、径方向内側に突出してスリーブ34のフランジ部34bの上面に当接する環状のストッパ壁36bと、周壁部36aの下端部に連設され、径方向外側に突出してベース板33に重なると共にねじ部38によってベース板33に固定された下端壁36cと、を備えている。
ストッパ壁36bは、スリーブ34のフランジ部34bを上方から覆っており、該スリーブ34の上方移動を規制している。この際、スリーブ34は、ベース板33から離間すると共に、凹部37aがガイド筒32の上端面よりも上方に位置した高さで位置決めされるようにストッパ壁36bで上方規制されている。
ところで、ベース板33には、保持されるクロノグラフ真2に対して平行に規制ピン40が立設されている。この規制ピン40は、ガイド筒32を貫くと共に、その先端部がガイド筒32の上端面よりも上方に突出している。これにより、組立作業時に、規制ピン40はクロノグラフ歯車3の貫通孔20bを貫通すると共にハートカムバランサ5の挿通孔5aを挿通することが可能とされている。
なお、規制ピン40の先端部は、丸みを帯びた半球状に形成されている。
可動治具32は、例えばハートカム4の外縁部を把持することで該ハートカム4を保持可能とされ、上記固定治具31に対して接近することで保持したハートカム4をクロノグラフ真2に固定する治具である。この際、可動治具32は固定治具31に対して周方向に所定の相対角度θを維持した状態で接近離間可能とされている。つまり、ハートカム4を保持した際に、該ハートカム4の突起部4bが規制ピン40に対して周方向に相対角度θ回転した向きとなり、この状態を維持したままハートカム4をクロノグラフ真2に固定することが可能とされている。
次に、上記のように構成された組立治具30を利用して、秒クロノグラフ車1を組み立てる方法について説明する。
まず、規制ピン40が立設された固定治具31にクロノグラフ真2を保持させる保持工程を行う。具体的には、図示しないパーツフィーダ等で他端部2bが上方に向いて整送されたクロノグラフ真2を、図示しないロボットハンド等を利用して把持して、固定治具31上まで搬送する。そして、クロノグラフ真2を一端部2a側から保持筒37の中心孔及びガイド筒32の中心孔に挿入すると共に、第4拡径部14を保持筒37の凹部37aに収容させる。これにより、図5に示すように、他端部2b側を上方に向けた状態でクロノグラフ真2を保持することができる。
次いで、保持されたクロノグラフ真2に対して、クロノグラフばね25、クロノグラフ歯車3及びハートカムバランサ5を順に組み合わせる組み合わせ工程を行う。
まず、図示しないパーツフィーダ等で脚部26が上方を向いた状態で整送されたクロノグラフばね25をロボットハンド等で把持して、固定治具31上まで搬送した後、クロノグラフ真2の第3拡径部12にクロノグラフばね25を外挿する。これにより、図6に示すように、クロノグラフばね25は、内縁部がクロノグラフ真2の鍔部13上に当接した状態で組み合わされる。
続いて、図示しないパーツフィーダ等で表裏が整送されたクロノグラフ歯車3を図示しないエアーチャックで吸着保持する。なお、上記整送時に、クロノグラフ歯車3の貫通孔20bを常時同じ向きに整えておく。そして、吸着保持したクロノグラフ歯車3を、固定治具31上まで搬送した後、図7に示すように、貫通孔20bに規制ピン40を貫通させながらクロノグラフ真2の第3拡径部12に外挿すると共に、スリーブ34の段部34aに載置する。
なお、この時点では、クロノグラフ歯車3はまだ第3拡径部12に半分程度外挿されただけであるが、段部34aに載置されているので、がたつくことなく姿勢が安定している。また、この時点では、クロノグラフばね25はクロノグラフ歯車3とクロノグラフ真2との間において非圧縮の状態である。
続いて、同様に表裏が整送されたハートカムバランサ5をエアーチャックで吸着保持する。この場合も、整送時にハートカムバランサ5の挿通孔5aを常時同じ向きに整えておく。そして、吸着保持したハートカムバランサ5を、固定治具31上まで搬送した後、貫通孔20bを貫通した規制ピン40を挿通孔5aに挿通させながらクロノグラフ真2に外挿する。これにより、ハートカムバランサ5は、図8に示すようにクロノグラフ歯車3上に重なった状態となる。
上記組み合わせ工程が終了した後、ハートカムバランサ5を打ち込んで、クロノグラフ真2にハートカムバランサ5及びクロノグラフ歯車3を同時に固定する第1打ち込み工程を行う。
具体的には、挿通孔5aに規制ピン40が挿通された状態でクロノグラフ歯車3上に重なったハートカムバランサ5を所定の圧力で打ち込む。すると、クロノグラフ真2は、ガイド筒32で保持されて固定されているので、図9に示すようにハートカムバランサ5をクロノグラフ真2の第2拡径部11に嵌め込んで固定することができる。
また、ハートカムバランサ5を打ち込んだ力は、クロノグラフ歯車3に伝わるので該クロノグラフ歯車3はスリーブ34と共に下方移動する。そのため、クロノグラフ歯車3は、クロノグラフ真2の第3拡径部12に完全に外挿された状態で、ハートカムバランサ5によって抜け止めがされる。特に、クロノグラフ歯車3と共にスリーブ34が下方移動するので、クロノグラフ歯車3が変形してしまうことを抑制することができる。
更に、クロノグラフ歯車3の下方移動によってクロノグラフばね25が圧縮されるので、内縁部がクロノグラフ真2の鍔部13に圧接すると共に、3つの脚部26の外縁部がクロノグラフ歯車3に圧接する。
なお、上記第1打ち込み工程が終了すると、スリーブ34はコイルばね35によって押し上げられて上方移動するので、第4拡径部14が保持筒37の凹部37aの底面から浮いた状態となる。
ところで、ハートカムバランサ5の挿通孔5aに、貫通孔20bを貫通した規制ピン40を挿通させているので、上記第1打ち込み工程の終了後、固定したハートカムバランサ5が周方向に回転してしまうことを規制することができる。つまり、クロノグラフ真2に固定したハートカムバランサ5の向きを一定方向に向けたままの状態に維持しておくことができる。
次いで、ハートカム4をクロノグラフ真2に打ち込んで固定する第2打ち込み工程を行う。
まず、可動治具32にハートカム4を保持させた後、固定治具31に対して周方向に所定の相対角度θを維持した状態で可動治具32を接近させ、保持したハートカム4をクロノグラフ真2に打ち込む。これにより、ハートカム4は、図10に示すようにクロノグラフ真2の第1拡径部10に嵌め込まれて固定される。
特に、周方向への回転が規制されて一定方向に向いたハートカムバランサ5に対して、周方向に所定の相対角度θを維持した状態でハートカム4をクロノグラフ真2に固定できるので、ハートカム4とハートカムバランサ5とを精度良く決められた位相関係で組み合わせることができる。従って、回転バランスが優れた高品質な秒クロノグラフ車1を組み立てることができる。
なお、この第2打ち込み固定を行う際にも、ハートカム4を打ち込んだ力がハートカムバランサ5を介してクロノグラフ歯車3に伝わるので該クロノグラフ歯車3はスリーブ34と共に下方移動する。そして、第2打ち込み工程が終了すると、スリーブ34はコイルばね35によって押し上げられて上方移動し、第4拡径部14が再び保持筒37の凹部37aの底面から浮いた状態となる。
そして、最後に図11に示すように、組み立てた秒クロノグラフ車1を回収することで、図1及び図2に示す秒クロノグラフ車1を得ることができる。
以上、説明したように、クロノグラフ真2を固定治具31で保持した後、貫通孔20b及び挿通孔5aに規制ピン40を挿通させながらクロノグラフ歯車3及びハートカムバランサ5をクロノグラフ真2に固定し、その後、可動治具32を固定治具31に接近させてハートカム4をクロノグラフ真2に固定するだけの簡便な方法で組み立てを行えるので、組立作業を自動で行うことができ、上述した高品質な秒クロノグラフ車1を均一な品質で安定的に組み立てることができると共に、効率良く量産することができる。
また、本実施形態の秒クロノグラフ車1は、クロノグラフばね25を有しているので、スリップ方式のクロノグラフ車とすることができる。つまり、クロノグラフ作動時、クロノグラフ歯車3の回転力はクロノグラフばね25を介してクロノグラフ真2に伝達されるので、それにより秒クロノグラフ針を回転させて秒積算が開始される。一方、クロノグラフばね25とクロノグラフ真2との間で、クロノグラフばね25の圧接力(摩擦力)を超える相対的な回転力が発生すると、クロノグラフばね25がスリップする。従って、例えば、クロノグラフリセット時、ハートカム4の回転によるクロノグラフ真2の回転力はクロノグラフ歯車3に伝達されることがない。このように、スリップ方式のクロノグラフ車とすることができる。
また、挿通孔5a及び貫通孔20bが、クロノグラフばね25の脚部26の外縁部とクロノグラフ歯車3との圧接位置に対して径方向にずれた位置に形成されているので、貫通孔20bに何ら影響されることなくクロノグラフばね25をクロノグラフ歯車3に圧接させることができ、クロノグラフばね25を適切に作動させることができる。
また、本実施形態では、クロノグラフばね25がクロノグラフ歯車3の下方に配置されているので、組立作業時においてハートカムバランサ5の打ち込みを行った際、その圧力をクロノグラフ歯車3に直接伝達することができ、ハートカムバランサ5、クロノグラフ歯車3及びクロノグラフばね25の固定をスムーズに行い易い。また、ハートカムバランサ5の打ち込み前に、クロノグラフばね25をクロノグラフ歯車3で抑えることができるので、クロノグラフばね25のぐらつき等を抑制して姿勢をより安定化させ易い。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、クロノグラフばね25をクロノグラフ歯車3の下方に取り付けた構成としたが、クロノグラフ歯車3とハートカムバランサ5との間に取り付けても構わない。この場合であっても、クロノグラフばね25を同様に作用させることができる。但し、上記したようにクロノグラフ車の下方にクロノグラフばね25を取り付ける場合には、クロノグラフばね25の姿勢をより安定化させ易く、組立作業がより容易になる。
また、クロノグラフばね25の形状は一例であり、脚部26の数や形状等、自由に設計して構わない。少なくとも、内縁部がクロノグラフ真2に圧接され、外縁部がクロノグラフ歯車3に圧接されるのであれば、どのような形状であっても構わない。
更に、クロノグラフばね25は必須ではなく、クロノグラフばね25を具備しない秒クロノグラフ車1としても構わない。この場合には、クロノグラフ歯車3をクロノグラフ真2に打ち込み等によって嵌め込んで固定すれば良い。
更に、ハートカムバランサ5に形成する挿通孔5aは、できるだけクロノグラフ真2の軸線Oから離間するように径方向外側に形成することが好ましい。
こうすることで、組立作業時において、軸線Oから離間した位置で規制ピン40を利用しながらハートカムバランサ5の周方向への回転規制を行えるので、より少ない誤差で回転規制を効果的に行える。
また、上記実施形態では、秒クロノグラフ車1を例に挙げて説明したが、「分」や「時」のクロノグラフ車であっても構わない。なお、「分」や「時」のクロノグラフ針は、「秒」のクロノグラフ針とは、長さ等が異なるので、ハートカム4とハートカムバランサ5との相対角度θは異なる。
例えば、図12及び図13に示すように、分クロノグラフ車50の場合には、ハートカム4とハートカムバランサ5との相対角度θは略180度となる。このようにハートカム4とハートカムバランサ5との相対角度θは、クロノグラフ車を、秒、分、時のいずれに用いるかで異なるが、本発明に係る組立治具30及び組立方法によれば、それぞれに応じた相対角度θでハートカム4とハートカムバランサ5とを精度良く組み合わせることができ、高精度のクロノグラフ車を効率良く均一な品質で安定的に組み立てることができる。
1…秒クロノグラフ車(クロノグラフ車)
2…クロノグラフ真(車軸)
3…クロノグラフ歯車
4…ハートカム
5…ハートカムバランサ
5a…ハートカムバランサの挿通孔
20b…クロノグラフ歯車の貫通孔
25…クロノグラフばね
30…組立治具(クロノグラフ車用組立治具)
31…固定治具
32…可動治具
40…規制ピン
50…分クロノグラフ車(クロノグラフ車)

Claims (3)

  1. 一端部側にクロノグラフ針が取り付けられる車軸と、該車軸の他端部側に固定され、貫通孔が形成されたクロノグラフ歯車と、該クロノグラフ歯車よりも前記他端部側で前記車軸に固定されたハートカムと、前記クロノグラフ歯車と前記ハートカムとの間において前記車軸に固定され、挿通孔が形成されたハートカムバランサと、を備えたクロノグラフ車を組み立てるためのクロノグラフ車用組立治具であって、
    前記車軸の他端部側を上方に向けた状態で該車軸を保持する固定治具と、
    該固定治具の上方に配設されると共に、該車軸の軸線方向に沿って該固定治具に対して接近離間可能とされ、前記ハートカムを保持する可動治具と、を備え、
    前記固定治具には、前記車軸に対して平行に立設され、前記クロノグラフ歯車の前記貫通孔を貫通すると共に前記ハートカムバランサの前記挿通孔を挿通可能とされた規制ピンが設けられ、
    前記可動治具は、前記固定治具に対して周方向に所定の相対角度を維持した状態で接近離間することを特徴とするクロノグラフ車用組立治具
  2. 一端部側にクロノグラフ針が取り付けられる車軸と、該車軸の他端部側に固定され、貫通孔が形成されたクロノグラフ歯車と、該クロノグラフ歯車よりも前記他端部側で前記車軸に固定されたハートカムと、前記クロノグラフ歯車と前記ハートカムとの間において前記車軸に固定され、挿通孔が形成されたハートカムバランサと、を備えたクロノグラフ車の組立方法であって、
    規制ピンが立設された固定治具に、前記車軸の前記他端部側を上方に向けた状態で該車軸を保持させる保持工程と、
    前記貫通孔に前記規制ピンを貫通させながら、前記クロノグラフ歯車を前記車軸の他端
    部側から該車軸に組み合わせると共に、貫通孔を貫通した規制ピンをさらに前記挿通孔に挿通させながら、前記ハートカムバランサを車軸の他端部側から該車軸に組み合わせてクロノグラフ歯車に重ねる組み合わせ工程と、
    前記ハートカムバランサを打ち込んで、前記車軸にハートカムバランサ及びクロノグラフ歯車を同時に固定する第1打ち込み工程と、
    前記固定治具の上方に配設されると共に、前記車軸の軸線方向に沿って該固定治具に対して接近離間可能とされた可動治具に前記ハートカムを保持させた後、可動治具を固定治具に接近させて保持したハートカムを前記車軸に打ち込んで固定する第2打ち込み工程と、を備え、
    前記第2打ち込み工程時、前記可動治具を前記固定治具に対して周方向に所定の相対角度を維持した状態で接近離間させることを特徴とするクロノグラフ車の組立方法
  3. 請求項2に記載のクロノグラフ車の組立方法において、
    前記組み合わせ工程の際、前記クロノグラフ歯車を組み合わせる前に、クロノグラフ作動時に前記クロノグラフ歯車の回転力を前記車軸に伝達するクロノグラフばねを該車軸に組み合わせ、その後、クロノグラフ歯車を車軸に対して回転自在に固定されるように組み合わせ、
    前記クロノグラフばねは、前記第1打ち込み工程によって、内縁部が前記車軸に圧接されると共に外縁部が前記クロノグラフ歯車に圧接されて、クロノグラフ歯車よりも車軸の一端部側に位置した状態で取り付けられることを特徴とするクロノグラフ車の組立方法
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